JPH0699065A - 浄水器用充填材 - Google Patents
浄水器用充填材Info
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Abstract
り、(b)水蒸気吸着法で測定した細孔半径9Å以下の
細孔の占める累積細孔容積が0.20cc/g以上であ
り、且つ(c)水蒸気吸着法で測定した細孔半径9Å以
下の細孔の占める累積細孔容積が細孔半径100Å以下
の細孔の占める累積細孔容積の50%以上である、繊維
状活性炭からなることを特徴とする浄水器用充填材。 【効果】 水中に含まれるトリハロメタン、特にクロロ
ホルムの除去能が高く家庭、工場、店舗、会社等の種々
の場所で使用する浄水器用に有効に使用することがで
き、しかも水中のトリハロメタンの濃度が数十ppbと
極めて低い場合にも、その高いトリハロメタン除去能を
発揮できる。
Description
らなる浄水器用充填材に関する。特に、水道水中のトリ
ハロメタンを除去するのに適する浄水器用充填材に関す
る。
が溶存しているが、トリハロメタン自体が発癌性物質で
あるとの疑いが持たれていることから、近年、健康に関
する関心の高まりとともに、水道水中におけるトリハロ
メタンの存在がクローズアップされている。トリハロメ
タンは、メタンの4個の水素原子のうちの3個の水素原
子がハロゲンで置換された有機化合物の総称であり、ク
ロロホルム、ブロモホルム、ブロモジクロロメタン、ジ
ブロモクロロメタンなどがそれに含まれ、水道水中に含
まれるトリハロメタンのうちの約40〜50%をクロロ
ホルムが占めている。
まれるフミン質と殺菌を目的として使用される塩素との
反応により生成することが知られており、水道水を塩素
系の殺菌剤で殺菌する工程を欠かせない現状では、その
発生を防ぐことは極めて困難である。そのために、水道
水中に生成したトリハロメタンの除去が重要な課題にな
っている。
を目的として、粒状、粉末状、繊維状などの種々の活性
炭の使用が提案されている。そして、特開昭62−15
2533号公報にも記載されているように、それらの活
性炭のうちでも、繊維状活性炭がトリハロメタンの除去
能が高いとされている。
めて、従来の活性炭は、(1)水道水中に含まれるトリ
ハロメタンの濃度は、通常、数十ppbと極めて低濃度
であり、トリハロメタンの濃度がそのように低い場合に
はその除去が困難である、(2)水道水中に含まれるト
リハロメタンの前駆物質であるフミン質と殺菌剤として
使用される塩素とが活性炭表面で反応してトリハロメタ
ンの生成をむしろ促進する可能性がある、(3)水道水
中に含まれるトリハロメタンのなかでもその大半を占め
るクロロホルムの除去能が低い、等の欠点を有してお
り、充分なトリハロメタン除去能を有する有効な活性炭
が未だ開発されていないのが現状である。
(1)〜(3)のような欠点のない、トリハロメタンの
除去能の高い活性炭を得ることを目的として研究を行っ
てきた。その結果、活性炭の表面積と共に、活性炭中の
細孔の径、および特定の微小細孔の占める容積率とその
分布状態が、いずれも活性炭のトリハロメタン除去能に
大きく関与すること、そして上記した従来技術における
ような欠点のないトリハロメタン除去能の高い活性炭を
得るには、活性炭の表面積、活性炭中の細孔の径、およ
び特定の微小細孔の占める容積率とその割合を特定のも
のにするとよいことを見いだして本発明を完成した。
00m2/g以上であり、(b)水蒸気吸着法で測定し
た細孔半径9Å以下の細孔の占める累積細孔容積が0.
20cc/g以上であり且つ(c)水蒸気吸着法で測定
した細孔半径9Å以下の細孔の占める累積細孔容積が細
孔半径100Å以下の細孔の占める累積細孔容積の50
%以上である繊維状活性炭からなることを特徴とする浄
水器用充填材である。
後「SA」という)(m2/g)とは、液体窒素温度で
の窒素ガス吸着等温線によるBET法で求めた値をい
う。また、「水蒸気吸着法で測定した細孔半径9Å以下
の細孔の占める累積細孔容積」(以後「V9」という)
(cc/g)および同法で測定シタ「細孔半径100Å
以下の細孔の占める累積細孔容積」(以後「V100」と
いう)(cc/g)は、下記の方法により作成した細孔
分布曲線に基づき規定される。
水溶液の平衡水蒸気圧は一定値をとることから、硫酸水
溶液の硫酸濃度と平衡水蒸気圧との間には一律の関係が
ある。所定濃度の硫酸水溶液を存在させた吸着室の気相
部に繊維状活性炭を入れ、1気圧(絶対圧)、30℃の
条件で水蒸気と接触させた後、該繊維状活性炭における
重量増加分として水の飽和吸着量(重量)を測定した。
一方、この飽和吸着量の測定試験において水の吸着に利
用された繊維状活性炭の細孔は、採用した硫酸水溶液の
硫酸濃度に固有の1気圧(絶対圧)、30℃での平衡水
蒸気圧の値(P)から下記の数式1により表されるKelv
inの式に基づいて求められる細孔半径(r)以下の細孔
半径を有するものである。すなわち、該Kelvinの式に基
づいて求められる細孔半径以下の細孔の累積細孔容積
が、その測定試験での飽和吸着量に相当する30℃の水
の体積である。同様にして、同種の繊維状活性炭を用い
て、硫酸濃度に変化を持たせた13種の硫酸水溶液(す
なわち、1.05から1.30までの0.025の間隔
をあけた比重を有する11種の硫酸水溶液、1.35の
比重を有する硫酸水溶液および1.40の比重を有する
硫酸水溶液)について飽和吸着量の測定試験を行い、各
測定試験において、対応する細孔半径以下の細孔の累積
細孔容積を求めた。このようにして求められた累積細孔
容積のデータに基づいて、累積細孔容積を細孔半径に対
しプロットすることにより、繊維状活性炭の細孔分布曲
線を得ることができる。
(30℃) γ:表面張力(dyne/cm)=71.15(30
℃) θ:毛細管壁と水との接触角(°)=55°を用いた R:ガス定数(erg/deg・mol)=8.314
3×107 T:絶対温度(K)=303.15 P:細孔内の水の示す飽和蒸気圧(mmHg) P0:水の1気圧(絶対圧)、30℃における飽和蒸気圧
(mmHg)=31.824
値から、本発明における要件(c)であるV100に対する
V9の割合(%)を、式:(V9/V100)×100から求
めた。
活性炭は、上記した(a)〜(c)の3つの要件、すな
わち、SAが800m2/g以上であり、V9が0.20
cc/g以上であり、且つ(V9/V100)×100が5
0%以上であるという3つの要件のすべての特性を備え
ていることが必要である。それらの3つの要件を備えて
いることによって、初めて水中、特に水道水中のトリハ
ロメタン、特にクロロホルムを、低濃度でしか溶存して
いない場合でさえも、効率よく除去することができ、そ
れら要件のいずれが欠けても水中のトリハロメタンを効
率よく除去することができなくなる。そのうちでも、S
Aが1000m2/g以上であり、V9が0.25cc/
g以上であり、且つ(V9/V100)×100が70%以
上である繊維状活性炭が好ましい。
え(b)と(c)の要件を満足していても、トリハロメ
タンの吸着能が低下し、浄水器用充填材として実用的で
なくなる。また、V9が0.20cc/g未満の場合
は、(a)と(c)の要件を満足していても、やはりト
リハロメタンの吸着能が低下する。
繊維状活性炭では、「(V9/V100)×100が50%以
上」という(c)の要件が重要であり、この(c)の要件を
満足せず、9Åを越える細孔半径の細孔の占める累積細
孔容積の割合が、細孔半径9Å以下の細孔の占める累積
細孔容積よりも大きくなると、トリハロメタンの除去能
が大幅に低下する。
Å以下の細孔では、低分子化合物であるトリハロメタン
が強く吸着されるのに対して、細孔半径が9Åを超える
細孔ではトリハロメタンが吸着された場合にも脱着して
水道水中に含まれる他の吸着能の高い物質に置換された
り、更には径の大きな細孔内でトリハロメタンの前駆物
質であるフミン質と漂白剤として使用した塩素との間で
トリハロメタン生成反応を生ずることによるものと推測
される。
繊維状活性炭は、5〜30μの平均繊維径を有するのが
好ましく、平均繊維径が5〜20μであるのが特に好ま
しい。繊維状活性炭の平均繊維径が5μ未満であると、
浄水器用充填材として用いた場合に通水抵抗が大きくな
り、効率よく水の浄化を行いにくくなり、一方平均繊維
径が30μを超えると繊維自体が脆くなり、浄水器への
充填時や、繊維状活性炭から接着等により成形体を製造
する際に砕けて微粉が発生し易くなる。繊維状活性炭の
長さは特に限定されず、短繊維状でも長繊維状でもよ
い。
は、上記した(a)〜(c)の3つの要件のすべてを満
たす繊維状活性炭であれば、いずれでもよく、その製
法、該繊維状活性炭を製造するのに使用する原料、製造
条件(例えば不融化条件、炭化条件、賦活化条件等)、
製造装置等は特に限定されない。好ましい製造法の例と
しては、フェノール系樹脂繊維等の原料繊維を、約60
0〜1400℃の高温下に、上記(a)〜(c)の3つ
の要件を備えた繊維状活性炭が得られる条件を選択し
て、窒素気流中で水蒸気および/または炭酸ガスで処理
するか、または燃焼ガスで賦活処理する方法を挙げるこ
とができる。
状、カットファイバー状、フィラメント状、トウ状等の
繊維形態で浄水器に充填することができ、また、円筒
状、円柱状、角柱状、板状等の各種形状に賦形して浄水
器に充填することができ、したがって、本発明でいう浄
水器用充填材用の繊維状活性炭は、上記(a)〜(c)
の要件を満たす繊維状活性炭を接着剤を使用してまたは
使用せずに賦形したものをも包含する。
維状活性炭を浄水器に充填することができるという点か
らは、繊維状活性炭を浄水器の内部形状やサイズ等に合
わせて予め所定の形状に賦形しておくのが便利である。
賦形に当たっては、トリハロメタンの除去能が低下しな
い限りは、そのまま軽く押圧して賦形する方法、接着剤
によって繊維同士を接合して賦形する方法等の任意の方
法を採用することができる。
や粉末状の熱可塑性樹脂、高分子溶液等の各種の接着剤
を使用することができるが、繊維状活性炭表面の細孔を
塞ぐことが少ない点で、繊維状の熱可塑性樹脂を使用す
るのが好ましく、特に低融点の鞘成分とそれより融点の
高い芯成分とからなる芯鞘型複合繊維を使用するのが好
ましい。接着剤の使用量は特に限定されないが、通常、
繊維状活性炭の重量に基づいて、約5〜40重量%程度
を使用するのがよい。
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例
中、SA、V9、V100および(V9/V100)×100は
前記した方法により測定した。
均繊維径14μの長繊維)(日本カイノール株式会社
製;カイノールKT2400)を、縦型スリット炉に導
入し、980℃のLPG燃焼ガス(プロパン/空気の容
積比が約1/24の混合ガスを燃焼させて得られたH
2O、CO2、CO、H2、C3H8およびN2の混合ガス)を炉内に
供給しながら、炉内滞留時間10分の条件で処理して、
平均繊維径10μ、SA=1310m2/g、V100=
0.532cc/g、V9=0.465cc/g、(V9
/V100)×100=87.4%の繊維状活性炭を得
た。この繊維状活性炭を5mmの長さに切断し、その6
0gを内径8cm、長さ8cmの浄水用の円筒状容器に
充填した。
000℃とし、炉内滞留時間を7分とした以外は、実施
例1と同様に処理を行って、平均繊維径10μ、SA=
1100m2/g、V100=0.273cc/g、V9=
0.250cc/g、(V9/V100)×100=91.
6%の繊維状活性炭を得た。この繊維状活性炭を5mm
の長さに切断し、その60gを実施例1におけるのと同
型の円筒状容器に充填した。
れた繊維状活性炭を5mmの長さに切断した後、繊維状
活性炭100重量部に対して接着剤としてのポリエステ
ル繊維(単繊維デニール=1デニール、長さ5mm)2
0重量部を加え、タピー式抄紙機で抄紙し、目付150
g/m2のシートを得た。得られたシートを130℃、
8kg/cm2の条件下に3分間プレスし、更にこのシ
ートを間隙を制御した熱板の間に入れて260℃で2分
間プレスして、密度0.15g/ccの成形シートを作
製した。このシートを直径約8cmの円盤状に裁断し
て、その充填量が約60gになるようにして実施例1と
同型の円筒状容器に充填した。
010℃とし、炉内滞留時間を5分とした以外は、実施
例1と同様に処理を行って、平均繊維径10μ、SA=
1550m2/g、V100=0.430cc/g、V9=
0.210cc/g、(V9/V100)×100=48.
8%の繊維状活性炭を得た。この繊維状活性炭を5mm
の長さに切断し、その60gを実施例1におけるのと同
型の円筒状容器に充填した。
値、V100値およびV9値を有する、市販のフェノール系
繊維を原料とする繊維状活性炭(比較例2)およびアク
リル系繊維を原料とする繊維状活性炭(比較例3と4)
の各60gを実施例1におけるのと同型の円筒状容器に
充填した。
じ市販の繊維状活性炭を約5mmの長さに切断した後、
実施例3におけるのと同様にして接着剤を用いてプレス
して密度0.15g/ccの成形シートを作製し、これ
を直径約8cmの円盤状に裁断して、その充填量が約6
0gになるようにして実施例1と同型の円筒状容器に充
填した。
(TOC)濃度2.5ppmの河川水に、次亜塩素酸ナ
トリウムを遊離塩素濃度が2ppmになる割合で加え、
更にクロロホルム、ブロモホルム、ブロモジクロロメタ
ンおよびジブロモクロロメタンを、各々の濃度が50p
pb、20ppb、20ppbおよび20ppbとなる
ように加えて浄水試験用の原水を調製した。
実施例1〜3および比較例1〜5で作製した繊維状活性
炭入りの円筒状容器の各々に、4リットル/分(SV6
00hr-1)の流速で通過させ、JIS K0125に
従うヘッドスペース法によって処理後の水中のトリハロ
メタンを2時間おきに分析し、上記した4種のトリハロ
メタンの合計量およびクロロホルム量をグラフ化し、そ
れらの除去率90%を維持できる合計通水量を調べたと
ころ、下記の表1に示す結果を得た。
(V9/V100)×100のすべてが、上記した本発明に
おける要件(a)〜(c)を満たしている実施例1〜2
の繊維状活性炭および実施例1の繊維状活性炭から作製
された実施例3の賦形体は、トリハロメタンを含む多量
の水を通過させても長期間にわたって、トリハロメタン
除去能が高く、特にクロロホルムを高率で除去できるこ
とがわかる。
おける要件(a)および(b)の範囲であるが、(V9/
V100)×100が50%未満であり本発明の要件
(c)から外れている比較例1、SAは本発明における
要件(a)の範囲であるが、V9および(V9/V100)
×100が本発明における要件(b)および(c)から
外れている比較例2、SAとV9が本発明における要件
(a)および(b)の範囲から外れている比較例3と比
較例4、並びに比較例3の繊維状活性炭から作製された
比較例5の賦形体は、いずれもトリハロメタンを含む水
を通過させた場合に極めて少量の通過量でトリハロメタ
ン除去能およびクロロホルム除去能が低下してしまい、
有効なトリハロメタン除去材として使用できないことが
わかる。
含まれるトリハロメタンの除去能が極めて高く、特に水
道水中のトリハロメタンの大半を占めるクロロホルムを
効率よく除去できるので浄水器用充填材として極めて優
れており、家庭、工場、店舗、会社等の種々の場所で使
用する浄水器用に有効に使用することができる。そし
て、本発明における繊維状活性炭による場合は、水道水
中のトリハロメタンの濃度が数十ppbと極めて低濃度
の場合にも、トリハロメタンを高率で除去することがで
き、しかも水道水中に含まれるトリハロメタンの前駆物
質であるフミン質と殺菌剤として使用される塩素との活
性炭表面でのトリハロメタン生成反応を引き起こさな
い。
Claims (2)
- 【請求項1】 (a)比表面積が800m2/g以上で
あり、(b)水蒸気吸着法で測定した細孔半径9Å以下
の細孔の占める累積細孔容積が0.20cc/g以上で
あり、且つ(c)水蒸気吸着法で測定した細孔半径9Å
以下の細孔の占める累積細孔容積が細孔半径100Å以
下の細孔の占める累積細孔容積の50%以上である繊維
状活性炭からなることを特徴とする浄水器用充填材。 - 【請求項2】 繊維状活性炭の平均繊維径が5〜30μ
であり、且つ繊維状活性炭が接着剤で接着されている請
求項1記載の浄水器用充填材。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP03349780A JP3122206B2 (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | 浄水器用充填材 |
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JP03349780A JP3122206B2 (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | 浄水器用充填材 |
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ID=18406064
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-
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- 1991-12-10 JP JP03349780A patent/JP3122206B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2021131910A1 (ja) * | 2019-12-25 | 2021-07-01 | 株式会社クラレ | 炭素質材料およびその製造方法、電気二重層キャパシタ用電極材料 |
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