JPH0697914B2 - 脱穀機の排塵装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、脱穀機の排塵装置に関する。

従来の技術 従来は、脱穀選別室後端部に連通して吸引排塵する吸引
排塵機の後側に、この吸引排塵機上側に設けた排稈移送
装置で移送される排稈の供給を受けて所定長さに切断し
排出する排稈カッターを穂先側を該吸引排塵機幅より広
くして設け、又該吸引排塵機上側にはこの吸引排塵機を
覆う排塵ケースを、この排塵ケースの後端部が該排稈カ
ッターに近接状態に設け、これら吸引排塵機の左右両側
枠部、及び該排稈カッターの穂先側外方の側枠部間に亘
って連結する連結部材等を有しない脱穀機の排塵装置で
あった。

発明が解決しようとする問題点 穀稈は移送チエンと挟持杆とで挟持されて脱穀室内を移
送中に脱穀処理され、脱穀済み穀粒と脱穀処理のときに
発生した藁屑とは、脱穀選別室内の揺動選別棚へ供給さ
れ、この揺動選別棚で揺動移送中に穀粒と藁屑とに分離
選別され、分離選別された穀粒は該揺動選別棚より漏下
中に、送風機より発生する起風によって選別され、この
風選済み穀粒は揚穀装置で機外へ排出され、分離選別さ
れた藁屑は吸引排塵機に吸引され、排塵ケースに案内さ
れながら、この吸引排塵機で機外へ排出される。

脱穀済み排稈は移送チエンと挟持杆とより、排稈移送装
置へ供給されて引継がれ、この排稈移送装置で移送され
て排稈カッターへ供給され、この排稈カッターの切刃と
ロータリー歯とで供給排稈を繰込み所定の長さに切断し
て機外へ排出する形態の脱穀機の排塵装置では、切断す
る排稈が折れ曲った状態のままで、排稈カッターへ供給
されたり、又該切刃の切味が低下すると、排稈が該ロー
タリー歯に巻き付くことがあり、この巻き付きが発生す
ると、この巻き付いた排稈が近接する該排塵ケースの後
端部に接触して、この排塵ケースを変形させたり、又排
稈カッターの左右両側の側枠が変形して脱穀作業ができ
なくなることがあった。

問題点を解決するための手段 この発明は、脱穀選別室（１）後端部に連通して吸引排
塵する吸引排塵機（２）の後側に、この吸引排塵機
（２）上側に設けた排稈移送装置（３）で移送される排
稈の供給を受けて所定長さに切断し排出する排稈カッタ
ー（４）を、この穂先側を該吸引排塵機（２）幅よりも
広く設け、この吸引排塵機（２）上側を覆う排塵ケース
（５）の後端部で該排稈カッター（４）と接近する位置
において、これら吸引排塵機（２）の左右両側枠
（６）、（６）部、及び穂先側外方の側枠（７）部間に
亘って連結する補強部材（８）を設けてなる脱穀機の排
塵装置の構成とする。

発明の作用 穀稈は脱穀室内を移送中に脱穀処理され、脱穀済み穀粒
と脱穀処理のときに発生した藁屑とは、脱穀選別室
（１）内の揺動選別棚へ供給され、この揺動選別棚で揺
動移送中に穀粒と藁屑とに分離選別され、分離された穀
粒は該揺動選別棚より漏下中に風選され、風選済み穀粒
を機外へ排出する。又分離した藁屑を吸引排塵機（２）
で吸引して、排塵ケース（５）で案内して機外へ排出す
る。

脱穀済み排稈は排稈移送装置（３）へ供給されて引継が
れ、この排稈移送装置（３）で移送されて排稈カッター
（４）へ供給され、この排稈カッター（４）の切刃とロ
ータリー歯とで供給排稈を繰込み所定の長さに切断して
機外へ排出する。

発明の効果 この発明により、脱穀処理のときに発生する藁屑を吸引
排塵する吸引排塵機（２）の上側を覆う排塵ケース
（５）の後端部で、脱穀済み排稈を切断処理する排稈カ
ッター（４）と近接する位置で、該吸引排塵機（２）の
左右両側枠（６）、（６）部、及び該吸引排塵機（２）
幅より広くなった該排稈カッター（４）の穂先側外方側
枠（７）部間に亘って連結する補強部材（８）を設けた
ことにより、該排塵ケース（５）の後端部の剛性がアッ
プし、又該左右両側枠（６）、（６）と該側枠（７）と
が該補強部材（８）によって一体構成となったことによ
り、これら左右両側枠（６）、（６）及び側枠（７）の
剛性がアップしたことにより、該排稈カッター（４）の
ロータリー歯に排稈が巻き付いたり、又該排稈カッター
（４）の切刃の切味が低下しても、該排塵ケース（５）
及び該排稈カッター（４）の該側枠（７）が変形するこ
とはない。

実施例 なお、図例において、脱穀機（９）は上部に脱穀室（2
9）を変形し、この脱穀室（29）内には前後方向に穀稈
を脱穀処理する外周面部に扱歯（10）を配設した扱胴
（11）を回転自在に前側枠（12）と中側枠（13）とで軸
支し、該前側枠（12）には穀稈を供給する供給口を設
け、該中側枠（13）には穀稈を排出する排稈口を設け、
該扱胴（11）の左右両側には側枠（６）、（６）を設
け、この右側枠（６）には穀稈が通過する開口を有し、
この開口部の上下側には穀稈を挟持移送する挟持杆（3
0）と移送チエン（31）とを設け、挟持移送中の穀稈を
該扱歯（10）で脱穀処理する構成である。該扱歯（10）
の下側周部の前後方向には漏下網（14）を設け、該中側
枠（13）と該漏下網（14）後端部との間には脱穀処理の
ときに発生した藁屑を排出する排出口（15）を形成し、
該扱胴（11）の穀稈移送側の後側には、藁屑を吸引排出
する回転自在な吸引排塵機（２）を該左右両側枠
（６）、（６）で軸支し、この吸引排塵機（２）上側に
は山形状の排塵ケース（５）を該左右両側枠（６）、
（６）間に設け、又下側には円形状の下部排塵ケース
（16）を設け、この下部排塵ケース（16）と該排塵ケー
ス（５）との間に形成する前側部の開口で吸塵口（17）
を形成し、後端部の開口で排塵口（18）を形成した構成
である。

該吸引排塵機（２）後側には排稈カッター（４）を設
け、この排稈カッター（４）は互いに逆回転する前部の
ロータリー歯（19）と切刃（20）とを有し、このロータ
リー歯（19）と切刃（20）とは左右の側枠（７）、
（７）で軸支し、この左側枠（７）は該吸引排塵機
（２）を軸支する該左側枠（６）より外方へ突出した構
成であり、該吸引排塵機（２）幅より該排稈カッター
（４）幅を広く形成した構成であり、該排塵ケース
（５）後端部で該排稈カッター（４）に近接した位置
で、該右側枠（６）内壁部より該左側枠（６）を経て該
左側枠（７）内壁部を連結する連結部材（８）を設け、
これら左右両側枠（６）、（６）及び左側枠（７）を一
体構成にして補強すると同時に、該排塵ケース（５）を
も補強した構成である。

前記漏下網（14）下側の脱穀選別室（１）内には、穀粒
と藁屑との供給を受けて揺動移送しながら、穀粒と藁屑
とに分離選別する揺動選別棚（21）を前後方向に設け、
この揺動選別棚（21）の底面前部には側面視波形状の移
送波形条を形成した移送板（22）を設け、後部には選別
網（23）を設け、この選別網（23）上側には前記排出口
（15）より排出される藁屑を受けて、この藁屑内に混入
する穀粒及び枝梗付着粒と藁屑とに分離選別するラック
フィン（24）及び篩線（34）を設けた構成である。

該揺動選別棚（21）下側には該選別網（23）より漏下す
る穀粒を風選する送風機（25）を設け、この送風機（2
5）後側には風選済み穀粒を受けて移送する移送螺旋を
内蔵して設けた集穀樋（26）を設け、この移送螺旋で一
側部へ移送される風選済み穀粒の供給を受けて機外へ排
出する揚穀装置（27）を設け、該集穀樋（26）後側には
該揺動選別棚（21）端部より落下する穀粒及び枝梗付着
粒を受けて、移送する移送螺旋を内蔵して設けた二番集
穀樋（28）を設け、この二番集穀樋（28）の該移送螺旋
で一側部へ移送される穀粒及び枝梗付着粒の供給を受け
て前記脱穀室（29）内へ還元する二番処理装置（32）を
設けた構成である。

前記吸引排塵機（２）上側の排稈通路棚（33）上側に
は、排稈を挟持移送する排稈移送装置（３）を設け、こ
の排稈移送装置（３）で前記挟持杆（30）と移送チエン
（31）とで挟持移送される排稈を引継ぎ、この排稈移送
装置（３）で移送して前記排稈カッター（４）へ供給す
る構成である。

移送チエン（31）と挟持杆（30）とで挟持された穀稈
は、前側枠（12）の供給口より脱穀室（29）内へ供給さ
れ、この脱穀室（29）内を移送中に回転駆動する扱胴
（11）の扱歯（10）で脱穀処理され、脱穀済み排稈は中
側枠（13）の排稈口を経て排出され、該移送チエン（3
1）と該挟持杆（30）とより排稈移送装置（３）へ供給
されて引継がれ、この排稈移送装置（３）で移送されて
排稈カッター（４）へ供給され、この排稈カッター
（４）の回転駆動するロータリー歯（19）と切刃（20）
とで供給排稈を繰込み所定の長さに切断し機外へ排出す
る。

脱穀済み穀粒は漏下網（14）より漏下し、揺動選別棚
（21）の移送板（22）上へ供給され、又この脱穀処理の
ときに発生した藁屑は排出口（15）より、該揺動選別棚
（21）のラックフィン（24）上へ供給され、該揺動選別
棚（21）の揺動により脱穀済み穀粒は該移送板（22）上
を揺動移送されて選別網（23）より漏下し、この漏下中
の穀粒は送風機（25）より発生する起風によって風選さ
れて集穀樋（26）内へ供給され、この集穀樋（26）内の
移送螺旋でこの集穀樋（26）を経て揚穀装置（27）内へ
移送排出され、この揚穀装置（27）で風選済み穀粒を揚
穀して機外へ排出する。

該ラックフィン（24）上へ供給された藁屑は、このラッ
クフィン（24）上を揺動移送しながら、この藁屑内に混
入する穀粒及び枝梗付着粒と藁屑とに分離選別され、こ
の分離選別された穀粒及び枝梗付着粒は、該ラックフィ
ン（24）先端部より二番集穀樋（28）内へ供給され、こ
の二番集穀樋（28）内の移送螺旋でこの二番集穀樋（2
8）を経て二番処理装置（32）内へ移送排出され、この
二番処理装置（32）で穀粒及び枝梗付着粒を前記脱穀室
（29）内へ還元されて再度処理する。又分離選別した藁
屑は篩線（34）によって案内され、吸引排塵機（２）の
回転駆動により吸塵口（17）より吸入され排塵口（18）
より機外へ排出する。

前記吸引排塵機（２）を軸支する前記左右両側枠
（６）、（６）と、前記排稈カッター（４）を軸支する
前記側枠（７）とを前記補強部材（８）で連結したこと
により、これら該左右両側枠（６）、（６）及び該側枠
（７）は一体構成となり剛性がアップされたことによ
り、確実な排塵が可能になった。

【図面の簡単な説明】

図は、この発明の一実施例を示すもので、第１図は第２
図のＡ−Ａ断面図、第２図は脱穀機の一部断面せる全体
背面図である。 図中、符号（１）は脱穀選別室、（２）は吸引排塵機、
（３）は排稈移送装置、（４）は排稈カッター、（５）
は排塵ケース、（６）は左右両側枠、（７）は側枠、
（８）は補強部材を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】脱穀選別室（１）後端部に連通して吸引排
   塵する吸引排塵機（２）の後側に、この吸引排塵機
   （２）上側に設けた排稈移送装置（３）で移送される排
   稈の供給を受けて所定長さに切断し排出する排稈カッタ
   ー（４）を、この穂先側を該吸引排塵機（２）幅よりも
   広く設け、この吸引排塵機（２）上側を覆う排塵ケース
   （５）の後端部で該排稈カッター（４）と接近する位置
   において、これら吸引排塵機（２）の左右両側枠
   （６）、（６）部、及び穂先側外方の側枠（７）部間に
   亘って連結する補強部材（８）を設けてなる脱穀機の排
   塵装置。