JP3293206B2 - 脱穀機の穀粒選別装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、脱穀機の穀粒選
別装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の脱穀機は、穀稈移送の始端側から
終端側方向に設けた扱胴軸に軸支して設けた扱胴下側の
脱穀網より漏下する脱穀物は、この脱穀網下側の揺動選
別棚上へ供給され、この揺動選別棚で揺動選別され、穀
粒等の一番物は、機外へ排出され、藁屑及び塵埃は、吸
引フアンで吸入されて機外へ排出され、枝梗付着粒等の
二番物は、還元されて処理される穀粒選別装置であっ
た。

【０００３】このような脱穀機の穀粒選別装置として、
例えば実開昭５８−１６１４５２号のマイクロフィルム
や特開昭５５−９６０１９号公報や特開昭５３−２７５
５２号公報に記載された技術がある。 しかして、これら
の技術からは、扱胴の下側に脱穀網を配置し、該脱穀網
の下側に揺動選別装置を前後揺動自在に配置し、該揺動
選別装置の下側に前方から選別用唐箕と一番移送螺旋と
二番移送螺旋とを順に配置し、前記揺動選別装置の後端
部上側に吸引ファンを配置した脱穀機において、前記揺
動選別装置を上揺動選別棚と下揺動選別棚とから構成す
るに、前記上揺動選別棚を前部の移送板と中間部のチャ
フシ−ブと後部の篩線とから構成し、前記下揺動選別棚
を前部の移送板と後部のグレンシ−ブとから構成して、
前記上揺動選別棚をその前部の移送板の前端部が前記脱
穀網の前後方向中央部下側に臨み且つその後部の篩線の
後端部が前記吸引ファンの下側に臨むように配置し、前
記下揺動選別棚をその前部の移送板の前端部が前記脱穀
網の前端部下側に臨むように配置することによって、前
記脱穀網と揺動選別装置における上揺動選別棚の前部の
移送板と後部の篩線と下揺動選別棚の前部の移送板と吸
引ファンとの各相対位置関係を設定した脱穀機の穀粒選
別装置という発明が得られるに止まる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】脱穀する穀稈は、脱穀
室の穀稈供給の始端側から終端側へとこの脱穀室内を移
送され、移送中の穀稈は、扱胴軸に軸支した扱胴の回転
駆動によって脱穀され、脱穀された脱穀物は、この脱穀
室下側の脱穀網から漏下して揺動選別棚上へ供給され、
この揺動選別棚で脱穀物を移送しながら揺動選別され、
穀粒等の一番物は、この揺動選別棚から漏下して集穀さ
れて機外へ排出され、藁屑及び塵埃等は、この揺動選別
棚で終端部まで移送されて、例えば吸引フアン等で吸引
されて機外へ排出され、又枝梗付着粒等の二番物は、集
穀されて還元されて再処理される。

【０００５】この脱穀作業のときに、該脱穀網の前半部
分で漏下した脱穀物は、該揺動選別棚で移送中に、ある
程度比重選別され、この選別された上へ該脱穀網の後半
部分より漏下する脱穀物が後から順次供給されることに
より、この揺動選別棚上へ漏下した脱穀物は、均等でな
くなることがあり、このため選別不良が発生したり、又
選別速度が遅れて能率低下の原因になっていた。

【０００６】また、上述の実開昭５８−１６１４５２号
のマイクロフィルムや特開昭５５−９６０１９号公報や
特開昭５３−２７５５２号公報に記載された技術から得
られる発明においては、脱穀網の前半部分から漏下する
脱穀物は、下揺動選別棚の前部の移送板に受けられて後
方へ移送され、グレンシ−ブのみによって選別されて一
番移送螺旋に取り込まれる。このため、脱穀網の前半部
分から漏下した藁屑や枝梗付着粒の多い脱穀物が、直
接、グレンシ−ブによって選別されるために、該グレン
シ−ブにおいて藁屑等による目詰まりを起こしやすく、
選別作業を円滑に行えなくなる欠点がある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、上述の如き
課題を解決するために次のような技術的手段を講じる。
即ち、扱胴１６の下側に脱穀網１８を配置し、該脱穀網
１８の下側に揺動選別装置１９を前後揺動自在に配置
し、該揺動選別装置１９の下側に前方から選別用唐箕２
９と一番移送螺旋３１と二番移送螺旋３４とを順に配置
し、前記揺動選別装置１９の後端部上側に吸引ファン３
６を配置した脱穀機において、前記揺動選別装置１９を
上揺動選別棚２１と該上揺動選別棚２１の下側に重複配
置する下揺動選別棚２２と該下揺動選別棚２２の下側に
重複配置するグレンシ−ブ２７とから構成するに、前記
上揺動選別棚２１を前部の移送板２３ａと中間部のチャ
フシ −ブ２３ｂと後部の篩線２４とから構成し、前記下
揺動選別棚２２を前部の移送板２３ａと中間部のチャフ
シ−ブ２３ｂと後部の篩線２４とから構成して、前記上
揺動選別棚２１をその前部の移送板２３ａの前端部が前
記脱穀網１８の前後方向中央部下側に臨み且つその後部
の篩線２４の後端部が前記吸引ファン３６の下側に臨む
ように配置し、前記下揺動選別棚２２をその前部の移送
板２３ａの前端部が前記脱穀網１８の前端部下側に臨み
且つその中間部のチャフシ−ブ２３ｂの後端部位置が前
記グレンシ−ブ２７の後端部位置と前後方向において略
一致し且つその後部の篩線２４の後端部位置が前記上揺
動選別棚２１の中間部のチャフシ−ブ２３ｂの後端部位
置と前後方向において略一致するように配置することに
よって、前記脱穀網１８と揺動選別装置１９における上
揺動選別棚２１の前部の移送板２３ａと中間部のチャフ
シ−ブ２３ｂと後部の篩線２４と下揺動選別棚２２の前
部の移送板２３ａと中間部のチャフシ−ブ２３ｂと後部
の篩線２４とグレンシ−ブ２７と吸引ファン３６との各
相対位置関係を設定したことを特徴とする脱穀機の穀粒
選別装置とする。

【０００８】脱穀作業においては、扱胴１６の作用によ
って穀稈を脱穀し、これによって生じた脱穀物（脱粒
物）は、脱穀網１８から漏下して下側の揺動選別装置１
９上に受けられ、該揺動選別装置１９の前後揺動と選別
用唐箕２９による選別風との作用を受けて選別されて下
方へ流下し、一番移送螺旋３１に取り込まれた穀粒は機
外へ取り出され、二番移送螺旋３４に取り込まれた枝梗
付着粒等は処理胴へ還元されるなどして再処理可能であ
る。また、比重の小さい塵埃等は吸引ファン３６によっ
て機外へ排出される。

【０００９】次に、このような選別作業について詳述す
る。 まず、脱穀網１８の前半部から漏下した脱穀物は、
揺動選別装置１９における下揺動選別棚２２の前部の移
送板２３ａ上に受けられ、該移送板２３ａの移送作用に
よって後方へ送られて中間部のチャフシ−ブ２３ｂ上に
至る。そして、該チャフシ−ブ２３ｂによって１回目の
選別が行われ、漏下した脱穀物のみが下側のグレンシ−
ブ２７上に受けられて２回目の選別が行われて、漏下し
た清粒のみが 一番移送螺旋３１に取り込まれる。また、
前記チャフシ−ブ２３ｂから漏下しなかった脱穀物は、
該チャフシ−ブ２３ｂの後端部から後部の篩線２４に引
き継がれて該篩線２４による篩い選別を受ける。この
際、前記チャフシ−ブ２３ｂの後端部位置とグレンシ−
ブ２７の後端部位置とが前後方向において略一致してい
るため、チャフシ−ブ２３ｂの後端部位置がグレンシ−
ブ２７の後端部位置よりも前方に配置される場合に比較
して、チャフシ−ブ２３ｂから漏下しなかった粗い脱穀
物がグレンシ−ブ２７上に受けられることが少なくな
り、また、チャフシ−ブ２３ｂの後端部位置がグレンシ
−ブ２７の後端部位置よりも後方に配置される場合に比
較して、チャフシ−ブ２３ｂから漏下した脱穀物の略全
量をグレンシ−ブ２７によって再選別できる。

【００１０】また、脱穀網１８の後半部から漏下した脱
穀物は、揺動選別装置１９における上揺動選別棚２１の
前部の移送板２３ａ上に受けられ、該移送板２３ａの移
送作用によって後方へ送られて中間部のチャフシ−ブ２
３ｂ上に至る。そして、該チャフシ−ブ２３ｂによって
１回目の選別が行われ、漏下した脱穀物のみが下側の下
揺動選別棚２２の中間部のチャフシ−ブ２３ｂ上と後部
の篩線２４上とに受けられて２回目の選別が行われ、更
に、前記チャフシ−ブ２３ｂ上に受けられてこれを漏下
した脱穀物についてはグレンシ−ブ２７によって３回目
の選別が行なわれて一番移送螺旋３１に取り込まれる。
一方、前記上揺動選別棚２１の中間部のチャフシ−ブ２
３ｂから漏下しなかった粗い脱穀物は、該チャフシ−ブ
２３ｂの後端部から後部の篩線２４に引き継がれて該篩
線２４による篩い選別を受ける。この際、前記篩線２４
後端部上側の吸引ファン３６によって塵埃が良好に吸引
される。また、この際、前記上揺動選別棚２１のチャフ
シ−ブ２３ｂの後端部位置と下揺動選別棚２２の篩線２
４の後端部位置とが前後方向において略一致するため、
上揺動選別棚２１のチャフシ−ブ２３ｂの後端部位置が
下揺動選別棚２２の篩線２４の後端部位置よりも前方に
配置される場合に比較して、チャフシ−ブ２３ｂから漏
下しなかった粗い脱穀物が篩線２４上に受けられること
が少なくなり、また、上揺動選別棚２１のチャフシ−ブ
２３ｂの後端部位置が下揺動選別棚２２の篩線２４の後
端部位置よりも後方に配置される場合に比較して、チャ
フシ− ブ２３ｂから漏下した脱穀物の略全量を篩線２４
によって再選別できる。

【００１１】

【発明の効果】この発明により、扱胴１６によって脱穀
され脱穀網１８から漏下する脱穀物は、前半部分と後半
部分とに分割されて、上・下揺動選別棚２１，２２の両
者へ漏下供給されて揺動選別されることにより、これら
上・下揺動選別棚２１，２２上の脱穀物は、２分割され
たこととなって、層が薄くなると同時に、均等になり、
これによって選別性能が向上すると共に、選別速度が早
くなり、選別能率を向上させることができる。

【００１２】また、下揺動選別棚２２の中間部のチャフ
シ−ブ２３ｂの後端部位置とグレンシ−ブ２７の後端部
位置とが前後方向において略一致しているため、チャフ
シ−ブ２３ｂの後端部位置がグレンシ−ブ２７の後端部
位置よりも前方に配置される場合に比較して、チャフシ
−ブ２３ｂから漏下しなかった粗い脱穀物がグレンシ−
ブ２７上に受けられることが少なくなって該グレンシ−
ブ２７の目詰りを少なくして円滑な選別作業を行うこと
ができ、また、チャフシ−ブ２３ｂの後端部位置がグレ
ンシ−ブ２７の後端部位置よりも後方に配置される場合
に比較して、チャフシ−ブ２３ｂから漏下した脱穀物の
略全量をグレンシ−ブ２７によって再選別できて脱穀物
の選別精度を向上させることができる。

【００１３】また、上揺動選別棚２１のチャフシ−ブ２
３ｂの後端部位置と下揺動選別棚２２の篩線２４の後端
部位置とが前後方向において略一致するため、上揺動選
別棚２１のチャフシ−ブ２３ｂの後端部位置が下揺動選
別棚２２の篩線２４の後端部位置よりも前方に配置され
る場合に比較して、チャフシ−ブ２３ｂから漏下しなか
った粗い脱穀物が篩線２４上に受けられることが少なく
なって該篩線２４上での脱穀物の停滞を少なくして円滑
な選別作業を行うことができ、また、上揺動選別棚２１
のチャフシ−ブ２３ｂの後端部位置が下揺動選別棚２２
の篩線２４の後端部位置よりも後方に配置される場合に
比較して、チャフシ−ブ２３ｂから漏下した脱穀物の略
全量を篩線２４によって再選別できて脱穀物の選別精度
を向上さ せることができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図例は、自脱型のコンバイン１の
走行装置２上側に脱穀機３を搭載した状態を示すもので
ある。

【００１５】前記コンバイン１は、前部の刈取装置４の
引起し５で引起した穀稈を下部に設けた刈刃６で刈取る
構成であり、この刈取りされた刈取穀稈は、刈取移送チ
エン７等で上部へ移送されて、該脱穀機３の左側上部に
設けた脱穀移送チエン８と挾扼杆９とで引継ぎされ、こ
れら脱穀移送チエン８と挾扼杆９とで挾持して、該脱穀
機３内を前部から後部へ移送され、この移送中に脱穀処
理され、脱穀済み穀粒等の一番物は、排出筒１０等で機
外へ排出され、又脱穀済み排稈は、排稈移送チエン等で
後部へ移送され、後部のカッタ１１等で切断されて機外
へ排出される構成としている。

【００１６】前記脱穀機３は、前・後機壁１２ａ，１２
ｂ間に脱穀室１３を形成し、この前機壁１２ａには穀稈
供給口を設け、該後機壁１２ｂ下部には排出口を設け、
この脱穀室１３内の該前・後機壁１２ａ，１２ｂ間に扱
胴軸１４を回転自在に設け、この扱胴軸１４には扱歯１
５等を設けた扱胴１６を軸支している。該脱穀室１３上
側には開閉自在な扱胴カバー１７を設け、下側には脱穀
物が漏下する脱穀網１８を張設している。

【００１７】処理胴室１３′は、該扱胴室１３右側に設
け、この処理胴室１３′内には二番還元物を処理する処
理胴１４′を処理胴軸１５′に回転自在に軸支してい
る。該処理胴室１３′の一方側には二番処理物が漏下す
る処理胴網１６′を張設した構成としている。

【００１８】揺動選別装置１９は、該脱穀網１８下側の
脱穀選別室２０内に揺動自在に設け、この揺動選別装置
１９は、左右両側板２８，２８間に上下二段の上・下揺
動選別棚２１，２２、下部の網状のグレンシーブ２７、
穀粒移送棚２５及び穀粒流下棚２６よりなり、該脱穀網
１８及び該排出口から漏下供給される脱穀物を穀粒、枝
梗付着粒、藁屑及び塵埃等に揺動選別して分離する構成
である。

【００１９】前記上揺動選別棚２１の始端部は、前記脱
穀網１８の前後方向ほぼ中央部に位置させて設けてあ
り、この上揺動選別棚２１は、前部に脱穀物を後方へ揺
動移送しながら揺動選別して、選別済み穀粒を漏下させ
る漏下孔を垂直面部に設けた複数個の三角形状の選別板
よりなるチャフシーブ（移送板）２３ａを設け、中間部
に脱穀物を後方へ揺動移送しながら揺動選別して、選別
済み穀粒を漏下させる漏下部を、前後方向に所定間隔で
傾斜させて設ける複数個の選別板よりなるチャフシーブ
２３ｂを設け、このチャフシーブ２３ｂは傾斜角が変更
自在な構成であり、後部に左右方向に所定間隔で篩線２
４を設けた構成としている。

【００２０】前記下揺動選別棚２２の始端部は、前記脱
穀網１８の始端部に位置させて設けてあり、この下揺動
選別棚２２は、前部、中間部及び後部共に、前記上揺動
選別棚２１と同じに、該チャフシーブ（移送板）２３
ａ，２３ｂ及び該篩線２４を設けた構成としている。該
下揺動選別棚２２下側の前部には前記穀粒移送棚２５を
設け、後部には前記穀粒流下棚２６を設け、これら穀粒
移送棚２５と穀粒流下棚２６との間には、選別済み穀粒
が落下する落下口２７′を設け、該穀粒移送棚２５後部
には網形状の前記グレンシーブ２７を設けた構成として
いる。

【００２１】前記揺動選別装置１９は、上下二段を上中
下三段の上揺動選別棚、中揺動選別棚及び下揺動選別棚
で形成した構成とするもよく、これらの構成は上下二段
構成と同じ構成である。これら各揺動選別棚の始端部
は、前記脱穀網１８を前後方向に３等分した位置に夫々
位置させる構成とするもよい。この三段構成としたとき
は、該中揺動選別棚と該下揺動選別棚との中間を分割位
置として上下に分割可能な構成とするもよい。

【００２２】前記チャフシーブ２３ｂは、図４の如くパ
ック方式に形成して、前記左右両側板２８，２８間へ着
脱自在な構成とするもよい。選別用唐箕２９は、前記揺
動選別装置１９下側の前方部に設けられ、この選別用唐
箕２９の後側には、一番流下棚３０と連接する一番移送
螺旋３１を内装した一番集穀樋３２を設け、この一番集
穀樋３２後側には、二番流下棚３３ａ，３３ｂと連接す
る二番移送螺旋３４を内装した二番集穀樋３５を設けた
構成である。該揺動選別装置１９で揺動選別されて落下
する穀粒、枝梗付着粒及び塵埃等が落下中に、該選別用
唐箕２９から発生する起風によって風選別されて、穀粒
等の一番物は、該一番集穀樋３２へ流下して該一番移送
螺旋３１で移送されて、一側部に設けた一番排出筒（図
示せず）に引継ぎされ、この一番排出筒で上部へ搬送さ
れて貯留タンク（図示せず）内へ排出され、この貯留タ
ンク内へ排出されて貯留された穀粒は、前記排出筒１０
で上部へ搬送されて機外へ排出される構成である。枝梗
付着粒等の二番物は、二番集穀樋３５へ流下して、該二
番移送螺旋３４で移送され、二番還元筒（図示せず）に
引継ぎされ、前記処理胴室１３′へ還元されて再処理さ
れる構成である。又落下した塵埃及び該揺動選別装置１
９の上下側の前記篩線２４，２４先端まで移送された藁
屑は、この揺動選別装置１９の終端部上側で、右側機壁
１２ｃ内側面に設けた吸引フアン３６の吸引羽根で吸引
されて機外へ排出される構成であり、この吸引フアン３
６のケーシング３６′と左側機壁１２ｄ内側との間には
半円形状の吸引分離板３５′を設け、この吸引分離板３
５′の一方側下端部と該二番流下棚３３ｂ上端部とは連
接させてあり、下部より藁屑を吸入する構成である。

【００２３】図５〜図８は、他の実施例を示す図であ
る。自脱型のコンバイン３７は、前部の刈取装置３８の
前部に設けた掻込み３９′で穀稈を掻込み、下部に設け
た刈刃３９で穀稈を刈取る構成であり、この刈取された
刈取穀稈は、穀稈移送ベルト４０等で上部へ移送され
て、走行装置４１′上側に設けた脱穀機４１内へ供給さ
れて脱穀される構成としている。

【００２４】前記脱穀機４１は、前・後機壁４２ａ，４
２ｂ間に脱穀室４３を形成し、この前機壁４２ａには穀
稈供給口を設け、該後機壁４２ｂ下部には排出口を設
け、この脱穀室４３内の該前・後機壁４２ａ，４２ｂ間
には扱胴軸４４を回転自在に設け、この扱胴軸４４には
螺旋形式のロータ４５を設けた扱胴４６を軸支してい
る。該脱穀室４３上側には開閉自在な扱胴カバー４７を
設け、下側には脱穀物が漏下する脱穀網４８を張設して
いる。

【００２５】処理胴室４９は、該脱穀室４３右側に設
け、この処理胴室４９内には二番還元物を処理する処理
胴５０を処理胴軸５１に回転自在に軸支している。該処
理胴室４９の一方側には二番処理物が漏下する処理胴網
５２を張設した構成としている。

【００２６】揺動選別装置５３は、前記脱穀網４８下側
の脱穀選別室５４内に揺動自在に設け、この揺動選別装
置５３は、左右両側板間に上下二段の上下揺動選別棚５
５，５６、下部の網状のグレンシーブ５７、穀粒移送棚
５８及び穀粒流下棚５９等よりなり、該脱穀網４８及び
該排出口から漏下供給される脱穀物を穀粒、枝梗付着
粒、藁屑及び塵埃等に揺動選別して分離する構成であ
り、選別済み穀粒は、該各棚５８，５９間に設けた落下
口６０より落下する構成である。

【００２７】前記上・下揺動選別棚５５，５６は、複数
の三角形状で穀粒が漏下する選別板よりなるチャフシー
ブ６１ａ、所定間隔で穀粒が漏下する複数個の選別板よ
りなるチャフシーブ６１ｂ及び左右方向に所定間隔で複
数個設けた篩線６２等よりなる構成としている。

【００２８】選別用唐箕６３は、前記揺動選別装置５３
下側の前部に設けられ、この選別用唐箕６３より発生す
る起風により風選別する構成であり、この選別用唐箕６
３後側には、一番移送螺旋６４を内装した一番集穀樋６
５を設け、この一番集穀樋６５の一側部には一番排出筒
（図示せず）を設け、この一番排出筒で選別済み穀粒を
上部へ搬送して、貯留タンク（図示せず）内へ排出さ
れ、この貯留タンク内へ貯留された穀粒は、排出筒６６
で上部へ搬送されて機外へ排出する構成としている。

【００２９】二番集穀樋６７は、該一番集穀樋６５後側
に設け、この二番集穀樋６７内には正逆回転自在に二番
移送螺旋６８を内装し、この二番移送螺旋６８は、左側
機壁６２ｃの外側部に設けた切換レバー（図示せず）の
操作により、正逆回転切換する構成であり、該二番集穀
樋６７の右側には稲・麦用の二番還元筒６９ａを設けて
連通させて、この二番還元筒６９ａ上端部は、前記処理
胴室４９に連通させた構成であり、左側には大豆、小豆
及びソバ用の二番還元筒６９ｂを設けて連通させて、こ
の二番還元筒６９ｂ上端部は、前記揺動選別装置５３上
側に連通させた構成であり、該二番還元筒６９ｂは、左
側機壁６２ｃ外側へ着脱自在に構成して、大豆、小豆及
びソバ等の脱穀作業のときは、二番物を前記処理胴室４
９へ還元させない構成として、脱穀作業能率の向上を図
る構成としている。

【００３０】吸引フアン７０は、前記扱胴４６の終端部
で、右側機壁４２ｄ外側面より突出させて設け、この吸
引フアン７０のケーシング７１外周面と該扱胴４６の終
端部とは側面視ほぼ一致する位置にこのケーシング７１
を設けた構成であり、このケーシング７１の吸入口７２
は第１象現位置に寄せて設けた構成であり、これらによ
ってこの吸引フアン７０で吸引する藁屑等の吸引効率の
向上を図る構成としている。

【００３１】吸引分離板７３は、半円形状で下部より藁
屑を吸入する構成で、該ケーシング７１と左側機壁４２
ｃ内側面との間に設け、又この吸引分離板７３上面部
は、前面視前記扱胴軸４４下側部位置とほぼ一致させた
構成であり、この吸引分離板７３の上面部は、該ケーシ
ング７１側を高く、該左側機壁４２ｃ側を低く形成した
構成であり、これらによって該吸引フアン７０で吸引す
る藁屑等の吸引効率の向上を図る構成としている。

【００３２】以下、上記実施例の作用について説明す
る。自脱型のコンバイン１を始動開始して、走行装置２
を走行させることにより、刈取装置４の引起し５で刈取
穀稈が引起されて、刈刃６で刈取りされた刈取穀稈は、
刈取移送チエン７で引継ぎされて上部へ搬送され、脱穀
機３の脱穀移送チエン８と挾扼杆９とで引継ぎ挾持され
て、この脱穀機３の脱穀室１３内を前方より後方へ向け
て移送され、この移送中に回転駆動する扱胴１６の扱歯
１５によって脱穀され、脱穀網１８の前半部より漏下す
る脱穀物は、揺動する揺動選別装置１９の下揺動選別棚
２２上へ漏下供給され、又該脱穀網１８の後半部より漏
下する脱穀物及び排出口より排出される脱穀物は、揺動
する該揺動選別装置１９の上揺動選別棚２１上へ漏下供
給され、各チャフシーブ２３ａ，２３ｂ上を移動しなが
ら揺動選別されて、穀粒、枝梗付着粒、藁屑及び塵埃等
に分離され、穀粒及び一部の塵埃は、グレンシーブ２７
から穀粒移送棚２５及び穀粒流下棚２６を経て落下し、
この落下中に選別用唐箕２９より発生する起風によって
風選別され、一番流下棚３０を流下して一番集穀樋３２
内へ集穀され、一番移送螺旋３１で一側へ移送されて、
一番排出筒で引継ぎされて、上部へ搬送されて貯留タン
ク内へ排出され、この貯留タンク内の穀粒は、排出筒１
０で上部へ搬送されて機外へ排出される。

【００３３】前記各チャフシーブ２３ａ，２３ｂ及び各
篩線２４で後部へ移送されながら落下する枝梗付着粒及
び一部の塵埃は、該各篩線２４から落下し、この落下中
に該選別用唐箕２９より発生する起風によって風選別さ
れ、各二番流下棚３３ａ，３３ｂを流下して二番集穀樋
３５内へ集穀され、二番移送螺旋３４で一側へ移送され
て、二番還元筒で上部へ搬送され、処理胴室１３′内へ
還元され、この処理胴室１３′内の回転駆動する処理胴
１４′で再処理されて、処理胴網１６′から漏下して、
該揺動選別装置１９上へ漏下供給される。

【００３４】藁屑は、前記各篩線２４の先端部まで揺動
移送されて、吸引フアン３６の吸引羽根で吸引されて機
外へ排出される。脱穀済み排稈は、排稈移送チエン等で
後方へ移送されて、カッタ１１で切断されて機外へ排出
される。

【図面の簡単な説明】

【図１】脱穀機の拡大側断面図。

【図２】脱穀機の拡大正断面図。

【図３】コンバインの一部破断せる全体側面図。

【図４】チャフシーブの拡大斜視図。

【図５】他の実施例を示す図で、脱穀機の拡大側断面
図。

【図６】他の実施例を示す図で、脱穀機の拡大正断面
図。

【図７】他の実施例を示す図で、脱穀機の一部の拡大平
断面図。

【図８】他の実施例を示す図で、コンバインの全体側面
図。

【符号の説明】

１６ 扱胴 １８ 脱穀網１９ 揺動選別装置 ２１ 上揺動選別棚 ２２ 下揺動選別棚２３ａ 移送板 ２３ｂ チャフシ−ブ ２４ 篩線 ２７ グレンシ−ブ ２９ 選別用唐箕 ３１ 一番移送螺旋 ３４ 二番移送螺旋 ３６ 吸引ファン

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 扱胴１６の下側に脱穀網１８を配置し、
   該脱穀網１８の下側に揺動選別装置１９を前後揺動自在
   に配置し、該揺動選別装置１９の下側に前方から選別用
   唐箕２９と一番移送螺旋３１と二番移送螺旋３４とを順
   に配置し、前記揺動選別装置１９の後端部上側に吸引フ
   ァン３６を配置した脱穀機において、前記揺動選別装置
   １９を上揺動選別棚２１と該上揺動選別棚２１の下側に
   重複配置する下揺動選別棚２２と該下揺動選別棚２２の
   下側に重複配置するグレンシ−ブ２７とから構成する
   に、前記上揺動選別棚２１を前部の移送板２３ａと中間
   部のチャフシ−ブ２３ｂと後部の篩線２４とから構成
   し、前記下揺動選別棚２２を前部の移送板２３ａと中間
   部のチャフシ−ブ２３ｂと後部の篩線２４とから構成し
   て、前記上揺動選別棚２１をその前部の移送板２３ａの
   前端部が前記脱穀網１８の前後方向中央部下側に臨み且
   つその後部の篩線２４の後端部が前記吸引ファン３６の
   下側に臨むように配置し、前記下揺動選別棚２２をその
   前部の移送板２３ａの前端部が前記脱穀網１８の前端部
   下側に臨み且つその中間部のチャフシ−ブ２３ｂの後端
   部位置が前記グレンシ−ブ２７の後端部位置と前後方向
   において略一致し且つその後部の篩線２４の後端部位置
   が前記上揺動選別棚２１の中間部のチャフシ−ブ２３ｂ
   の後端部位置と前後方向において略一致するように配置
   することによって、前記脱穀網１８と揺動選別装置１９
   における上揺動選別棚２１の前部の移送板２３ａと中間
   部のチャフシ−ブ２３ｂと後部の篩線２４と下揺動選別
   棚２２の前部の移送板２３ａと中間部のチャフシ−ブ２
   ３ｂと後部の篩線２４とグレンシ−ブ２７と吸引ファン
   ３６との各相対位置関係を設定したことを特徴とする脱
   穀機の穀粒選別装置。