JPH0696545B2 - 3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸の製造法 - Google Patents
3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸の製造法Info
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- JPH0696545B2 JPH0696545B2 JP62303313A JP30331387A JPH0696545B2 JP H0696545 B2 JPH0696545 B2 JP H0696545B2 JP 62303313 A JP62303313 A JP 62303313A JP 30331387 A JP30331387 A JP 30331387A JP H0696545 B2 JPH0696545 B2 JP H0696545B2
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- hydroxyphthalic acid
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタ
ル酸の製造法に関し、更に詳しくは、キノロンカルボン
酸系抗菌剤の製造原料として有用な3,5,6−トリフルオ
ロ−4−ヒドロキシフタル酸の製造法に関するものであ
る。
ル酸の製造法に関し、更に詳しくは、キノロンカルボン
酸系抗菌剤の製造原料として有用な3,5,6−トリフルオ
ロ−4−ヒドロキシフタル酸の製造法に関するものであ
る。
(従来の技術及びその問題点) 従来、合成抗菌剤としては、 次式: で示されるナリジクス酸、 次式: で示されるピペミド酸、 次式: で示されるピロミド酸及び 次式: で示されるノルフロキサシン等が開発され、各種感染症
の治療に供されている。
の治療に供されている。
更に、前記抗菌剤の種々の特性を改良するものとして、
8位に酸素原子を有するキノロンカルボン酸系抗菌剤が
開発されている(例えば、特公昭61-11955号)。
8位に酸素原子を有するキノロンカルボン酸系抗菌剤が
開発されている(例えば、特公昭61-11955号)。
一方、3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸
を脱炭酸することにより得られる2,4,5−トリフルオロ
−3−ヒドロキシ安息香酸は8位に酸素原子を有するキ
ノロンカルボン酸誘導体の合成中間体として有用であ
り、既に本願出願人により特願昭61-287763号として特
許出願されている。
を脱炭酸することにより得られる2,4,5−トリフルオロ
−3−ヒドロキシ安息香酸は8位に酸素原子を有するキ
ノロンカルボン酸誘導体の合成中間体として有用であ
り、既に本願出願人により特願昭61-287763号として特
許出願されている。
ここで製造原料として用いられる3,5,6−トリフルオロ
−4−ヒドロキシフタル酸の製造法は、Osadchii,S.A.,
Barkhash,V.A.;Zh.Org.khim.,6(8),1636(1970)(ケミ
カル・アブストラクト,73,109544p)に記載されてい
る。この文献によれば、テトラフルオロ無水フタル酸と
ペンタフルオロフェニル酢酸をトリエチルアミン−無水
酢酸中で反応させると、5−ヒドロキシ−4,6,7−トリ
フルオロ−3−(ペンタフルオロベンジリデン)フタリ
ドのトリエチルアミン塩と3,5,6−トリフルオロ−4−
ヒドロキシ無水フタル酸のトリエチルアミン塩が得られ
る。この副生物の3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキ
シ無水フタル酸のトリエチルアミン塩を水溶液中で酸で
処理することにより、3,5,6−トリフルオロ−4−ヒド
ロキシフタル酸を得ている。
−4−ヒドロキシフタル酸の製造法は、Osadchii,S.A.,
Barkhash,V.A.;Zh.Org.khim.,6(8),1636(1970)(ケミ
カル・アブストラクト,73,109544p)に記載されてい
る。この文献によれば、テトラフルオロ無水フタル酸と
ペンタフルオロフェニル酢酸をトリエチルアミン−無水
酢酸中で反応させると、5−ヒドロキシ−4,6,7−トリ
フルオロ−3−(ペンタフルオロベンジリデン)フタリ
ドのトリエチルアミン塩と3,5,6−トリフルオロ−4−
ヒドロキシ無水フタル酸のトリエチルアミン塩が得られ
る。この副生物の3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキ
シ無水フタル酸のトリエチルアミン塩を水溶液中で酸で
処理することにより、3,5,6−トリフルオロ−4−ヒド
ロキシフタル酸を得ている。
しかしながら、この方法は付随的な反応生成物として3,
5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸を得るも
のであり、収率も低く、また反応も繁雑である。
5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸を得るも
のであり、収率も低く、また反応も繁雑である。
また、石川、鈴木、田辺らは日本化学会誌200頁(1976
年)に3,5,6−トリフルオロ−4−メトキシフタル酸ジ
メチルエステルの合成法を記載している。この化合物か
ら、公知の方法(例えばアルカリ水溶液で加水分解して
3,5,6−トリフルオロ−4−メトキシフタル酸とした
後、臭化水素酸のような強酸と反応させる)により、3,
5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸を得るこ
とはできる。
年)に3,5,6−トリフルオロ−4−メトキシフタル酸ジ
メチルエステルの合成法を記載している。この化合物か
ら、公知の方法(例えばアルカリ水溶液で加水分解して
3,5,6−トリフルオロ−4−メトキシフタル酸とした
後、臭化水素酸のような強酸と反応させる)により、3,
5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸を得るこ
とはできる。
しかしながら、この方法は、一旦テトラフルオロフタル
酸をメチルエステルにした後、反応させ、3,5,6−トリ
フルオロ−4−メトキシフタル酸ジメチルエステルを得
るものであり、目的物の3,5,6−トリフルオロ−4−ヒ
ドロキシフタル酸を得るには三つのメチル基を除去する
必要があり、とても合理的な方法とは言い難い。
酸をメチルエステルにした後、反応させ、3,5,6−トリ
フルオロ−4−メトキシフタル酸ジメチルエステルを得
るものであり、目的物の3,5,6−トリフルオロ−4−ヒ
ドロキシフタル酸を得るには三つのメチル基を除去する
必要があり、とても合理的な方法とは言い難い。
本発明者らは、このような事情のもとに3,5,6−トリフ
ルオロ−4−ヒドロキシフタル酸の工業的製法について
鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
ルオロ−4−ヒドロキシフタル酸の工業的製法について
鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段及び作用) 本発明の3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル
酸の製造法は、3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸とア
ルカリ性化合物とを水又は水性溶媒中において、70〜12
0℃で反応させた後、酸性水溶液で処理することを特徴
とするものである。
酸の製造法は、3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸とア
ルカリ性化合物とを水又は水性溶媒中において、70〜12
0℃で反応させた後、酸性水溶液で処理することを特徴
とするものである。
本発明に用いられるアルカリ性化合物としては、例え
ば、アルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化リチウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化セシウ
ム;炭酸水素塩、例えば炭酸水素カリウム及び炭酸水素
ナトリウム;炭酸塩、例えば炭酸カリウム及び炭酸ナト
リウム;などが挙げられる。工業的には水酸化ナトリウ
ム又は水酸化カリウムを使用することが好ましい。アル
カリ性化合物の量は理論上テトラフルオロフタル酸1モ
ルに対して4モル以上必要である。アルカリ性化合物の
反応液中の濃度は、5〜40重量%の範囲内であることが
好ましい。
ば、アルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化リチウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化セシウ
ム;炭酸水素塩、例えば炭酸水素カリウム及び炭酸水素
ナトリウム;炭酸塩、例えば炭酸カリウム及び炭酸ナト
リウム;などが挙げられる。工業的には水酸化ナトリウ
ム又は水酸化カリウムを使用することが好ましい。アル
カリ性化合物の量は理論上テトラフルオロフタル酸1モ
ルに対して4モル以上必要である。アルカリ性化合物の
反応液中の濃度は、5〜40重量%の範囲内であることが
好ましい。
本反応は水又は水性溶媒中で行われ、溶媒の量はテトラ
フルオロフタル酸に対して3〜100重量倍の範囲内であ
ることが好ましい。水性溶媒としては水及び水と任意の
割合で溶解し、アルカリ性条件下において反応しない溶
媒との混合物が使用できる。水性溶媒の具体例としては
メタノール、エタノール等のアルコール類、ジオキサン
等のエーテル類と水との混合物が挙げられる。水の含有
量は10%以上が好ましい。反応温度は70〜120℃、好ま
しくは80〜95℃である。反応時間は反応温度に依存する
が、通常、0.5〜20時間で完結する。
フルオロフタル酸に対して3〜100重量倍の範囲内であ
ることが好ましい。水性溶媒としては水及び水と任意の
割合で溶解し、アルカリ性条件下において反応しない溶
媒との混合物が使用できる。水性溶媒の具体例としては
メタノール、エタノール等のアルコール類、ジオキサン
等のエーテル類と水との混合物が挙げられる。水の含有
量は10%以上が好ましい。反応温度は70〜120℃、好ま
しくは80〜95℃である。反応時間は反応温度に依存する
が、通常、0.5〜20時間で完結する。
反応温度が70℃未満であると、反応速度が著しく低下
し、また、120℃を超えると、副生成物の生成が多くな
り、目的物である3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキ
シフタル酸のアルカリ塩の収率が低下する。
し、また、120℃を超えると、副生成物の生成が多くな
り、目的物である3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキ
シフタル酸のアルカリ塩の収率が低下する。
生成した3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル
酸の塩の水溶液にpH1〜4になるように酸性水溶液を加
えて、3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸
を生成させる。酸としては、アルカリ性を中和できるも
のなら如何なるものでもよく、例えば硫酸、塩酸の水溶
液が使用できる。酸析後、得られた3,5,6−トリフルオ
ロ−4−ヒドロキシフタル酸を、例えばエーテル、酢酸
エチル等の溶媒を用いて有機層に抽出し、分液後、蒸発
乾固することによって目的物を単離できる。このように
して得られた3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフ
タル酸は白色の高純度の物質である。
酸の塩の水溶液にpH1〜4になるように酸性水溶液を加
えて、3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸
を生成させる。酸としては、アルカリ性を中和できるも
のなら如何なるものでもよく、例えば硫酸、塩酸の水溶
液が使用できる。酸析後、得られた3,5,6−トリフルオ
ロ−4−ヒドロキシフタル酸を、例えばエーテル、酢酸
エチル等の溶媒を用いて有機層に抽出し、分液後、蒸発
乾固することによって目的物を単離できる。このように
して得られた3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフ
タル酸は白色の高純度の物質である。
(実施例) 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが本発明
はこれらに限定されるものではない。
はこれらに限定されるものではない。
実施例1 86%水酸化カリウム2g(30.7mmol)を水10mlに溶解し、
90℃に加熱した。この溶液に攪拌下、3,4,5,6−テトラ
フルオロフタル酸1.0g(4.20mmol)を徐々に加え、90℃
で9時間反応させた。放冷後、この反応水溶液に濃塩酸
を加え、pH2として3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキ
シフタル酸を得た。これにエーテル15mlを加えて有機層
に3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸を抽
出した。この抽出操作を5回繰り返して、得られたエー
テル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、蒸発乾固してク
ロロホルムで洗浄し、白色の3,5,6−トリフルオロ−4
−ヒドロキシフタル酸一水塩1.05gを得た。収率98%。
融点171〜172℃。カーボン13NMR(in CD3OD)δppm111.
8(m,C-1),120.0(m,C-2),140.2(m,C-4),143.5(m,
1JCF249.1Hz,C-5),147.1(m,1JCF250.6Hz,C-3),147.9
(m,1JCF253.5Hz,C-6),165.4,166.4(m,COOH)。質量
分析M+236。
90℃に加熱した。この溶液に攪拌下、3,4,5,6−テトラ
フルオロフタル酸1.0g(4.20mmol)を徐々に加え、90℃
で9時間反応させた。放冷後、この反応水溶液に濃塩酸
を加え、pH2として3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキ
シフタル酸を得た。これにエーテル15mlを加えて有機層
に3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸を抽
出した。この抽出操作を5回繰り返して、得られたエー
テル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、蒸発乾固してク
ロロホルムで洗浄し、白色の3,5,6−トリフルオロ−4
−ヒドロキシフタル酸一水塩1.05gを得た。収率98%。
融点171〜172℃。カーボン13NMR(in CD3OD)δppm111.
8(m,C-1),120.0(m,C-2),140.2(m,C-4),143.5(m,
1JCF249.1Hz,C-5),147.1(m,1JCF250.6Hz,C-3),147.9
(m,1JCF253.5Hz,C-6),165.4,166.4(m,COOH)。質量
分析M+236。
参考例 3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸(II)
を出発原料として、抗菌剤オフロキサシン(III)(9
−フルオロ−3−メチル−10−(4−メチル−1−ピペ
ラジニル)−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド
[1,2,3-de][1,4]ベンゾオキサジン−6−カルボン
酸)を合成する際の重要な中間体である9,10−ジフルオ
ロ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピ
リド[1,2,3-de][1,4]ベンゾオキサジン−6−カル
ボン酸エチル(IV)を下記の反応式に従って合成した。
を出発原料として、抗菌剤オフロキサシン(III)(9
−フルオロ−3−メチル−10−(4−メチル−1−ピペ
ラジニル)−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド
[1,2,3-de][1,4]ベンゾオキサジン−6−カルボン
酸)を合成する際の重要な中間体である9,10−ジフルオ
ロ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピ
リド[1,2,3-de][1,4]ベンゾオキサジン−6−カル
ボン酸エチル(IV)を下記の反応式に従って合成した。
工程1 3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸0.47g及
び水10mlを封管中にいれ、窒素置換して140℃で3時間
加熱した。反応終了後、室温まで冷却し、濃縮すると結
晶が析出した。その結晶をろ過し、洗浄(クロロホルム
5ml)後、乾燥した。無色の結晶として2,4,5−トリフル
オロ−3−ヒドロキシ安息香酸0.35gを得た。収率90
%。融点144〜146℃。プロトンNMRスペクトル(in CD3O
D)δppm7.25(m,1H,3JHF10.74Hz,4JHF8.30Hz,4JHF5.86
Hz)芳香族プロトン、4.94(bs,1H)ヒドロキシプロト
ン。質量分析M+192。
び水10mlを封管中にいれ、窒素置換して140℃で3時間
加熱した。反応終了後、室温まで冷却し、濃縮すると結
晶が析出した。その結晶をろ過し、洗浄(クロロホルム
5ml)後、乾燥した。無色の結晶として2,4,5−トリフル
オロ−3−ヒドロキシ安息香酸0.35gを得た。収率90
%。融点144〜146℃。プロトンNMRスペクトル(in CD3O
D)δppm7.25(m,1H,3JHF10.74Hz,4JHF8.30Hz,4JHF5.86
Hz)芳香族プロトン、4.94(bs,1H)ヒドロキシプロト
ン。質量分析M+192。
工程2 2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸(I)1
2.6g(0.066モル)に無水酢酸40mlを添加し、15時間加
熱還流した。反応混合物を氷水中に注加後、クロロホル
ムで抽出し、クロロホルム層を水洗し、乾燥した後、減
圧濃縮し、残渣をn−ヘキサンで洗浄することにより、
3−アセトキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸(V)
6.10gを無色粉末として得た。
2.6g(0.066モル)に無水酢酸40mlを添加し、15時間加
熱還流した。反応混合物を氷水中に注加後、クロロホル
ムで抽出し、クロロホルム層を水洗し、乾燥した後、減
圧濃縮し、残渣をn−ヘキサンで洗浄することにより、
3−アセトキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸(V)
6.10gを無色粉末として得た。
質量分析(CI):m/e235(M++1),217(M+−OH),175
(M+−CH3COO) 工程3〜7 3−アセトキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸(V)
6.10g(0.026モル)をベンゼン200mlに溶解し、塩化チ
オニル15mlを加えて4時間加熱還流した。反応後、ベン
ゼン及び過剰の塩化チオニルを完全に減圧留去し、3−
アセトキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸クロリド(V
I)を得た。
(M+−CH3COO) 工程3〜7 3−アセトキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸(V)
6.10g(0.026モル)をベンゼン200mlに溶解し、塩化チ
オニル15mlを加えて4時間加熱還流した。反応後、ベン
ゼン及び過剰の塩化チオニルを完全に減圧留去し、3−
アセトキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸クロリド(V
I)を得た。
一方、マグネシウムエトキシド3.17g(0.028モル)及び
マロン酸ジエチル4.30g(0.027モル)を無水ジエチルエ
ーテル100ml中で3時間加熱還流することによって、エ
トキシマグネシウムマロン酸ジエチルのジエチルエーテ
ル懸濁液を得た。これに、攪拌下室温で前記酸クロリド
の無水ジエチルエーテル50ml溶液を滴下し、滴下終了
後、更に室温で1時間攪拌した。反応終了後、1N塩酸を
加えて酸性として酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗
し、乾燥した後、溶媒を減圧留去し、3−アセトキシ−
2,4,5−トリフルオロベンゾイルマロン酸ジエチル(VI
I)10.39gを黄色油状物として得た。
マロン酸ジエチル4.30g(0.027モル)を無水ジエチルエ
ーテル100ml中で3時間加熱還流することによって、エ
トキシマグネシウムマロン酸ジエチルのジエチルエーテ
ル懸濁液を得た。これに、攪拌下室温で前記酸クロリド
の無水ジエチルエーテル50ml溶液を滴下し、滴下終了
後、更に室温で1時間攪拌した。反応終了後、1N塩酸を
加えて酸性として酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗
し、乾燥した後、溶媒を減圧留去し、3−アセトキシ−
2,4,5−トリフルオロベンゾイルマロン酸ジエチル(VI
I)10.39gを黄色油状物として得た。
次いで、この黄色油状物をジオキサン120mlに溶解し、
p−トルエンスルホン酸・一水和物4.90g(0.026モル)
を添加し、15時間加熱還流した。反応終了後、ジオキサ
ンを減圧留去し、残渣に水100ml及び炭酸水素ナトリウ
ム2.15g(0.026モル)を加え、この混合物をクロロホル
ムで抽出した。クロロホルム層を水洗し、乾燥した後、
減圧留去し、3−アセトキシ−2,4,5−トリフルオロベ
ンゾイル酢酸エチル(VIII)7.64gを赤色油状物として
得た。
p−トルエンスルホン酸・一水和物4.90g(0.026モル)
を添加し、15時間加熱還流した。反応終了後、ジオキサ
ンを減圧留去し、残渣に水100ml及び炭酸水素ナトリウ
ム2.15g(0.026モル)を加え、この混合物をクロロホル
ムで抽出した。クロロホルム層を水洗し、乾燥した後、
減圧留去し、3−アセトキシ−2,4,5−トリフルオロベ
ンゾイル酢酸エチル(VIII)7.64gを赤色油状物として
得た。
このようにして得た3−アセトキシ−2,4,5−トリフル
オロベンゾイル酢酸エチル(VIII)7.64g(0.025モル)
に無水酢酸20ml及びオルトギ酸エチル6mlを添加し、2
時間加熱還流後、減圧濃縮した。残渣をジクロロメタン
50mlに溶解し、DL-2−アミノプロパノール1.91g(0.026
モル)を添加して室温で一夜放置した。ジクロロメタン
を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶媒:トルエン−酢酸エチルの1:1混合液)に付
し、2−(3−アセトキシ−2,4,5−トリフルオロベン
ゾイル)−3−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)
アミノアクリル酸エチル(X)4.37gを微黄色油状物と
して得た。
オロベンゾイル酢酸エチル(VIII)7.64g(0.025モル)
に無水酢酸20ml及びオルトギ酸エチル6mlを添加し、2
時間加熱還流後、減圧濃縮した。残渣をジクロロメタン
50mlに溶解し、DL-2−アミノプロパノール1.91g(0.026
モル)を添加して室温で一夜放置した。ジクロロメタン
を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶媒:トルエン−酢酸エチルの1:1混合液)に付
し、2−(3−アセトキシ−2,4,5−トリフルオロベン
ゾイル)−3−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)
アミノアクリル酸エチル(X)4.37gを微黄色油状物と
して得た。
質量分析:m/e389(M+),358(M+−CH2OH),43(+COC
H3) 工程8 前述のようにして得た2−(3−アセトキシ−2,4,5−
トリフルオロベンゾイル)−3−(2−ヒドロキシ−1
−メチルエチル)アミノアクリル酸エチル(X)4.30g
(0.011モル)をジメチルホルムアミド30mlに溶解し、
フッ化カリウム1.92g(0.033モル)を添加し、140〜150
℃で2時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、
残渣に水を加えてジクロロメタンで抽出し、有機層を水
洗し、乾燥した後、減圧濃縮した。
H3) 工程8 前述のようにして得た2−(3−アセトキシ−2,4,5−
トリフルオロベンゾイル)−3−(2−ヒドロキシ−1
−メチルエチル)アミノアクリル酸エチル(X)4.30g
(0.011モル)をジメチルホルムアミド30mlに溶解し、
フッ化カリウム1.92g(0.033モル)を添加し、140〜150
℃で2時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、
残渣に水を加えてジクロロメタンで抽出し、有機層を水
洗し、乾燥した後、減圧濃縮した。
次いで、残留物をエタノールで洗浄し、得られた粗結晶
をアセトンから再結晶して9,10−ジフルオロ−3−メチ
ル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3-d
e][1,4]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸エチル
(IV)1.40gを微褐色微細針状結晶として得た。
をアセトンから再結晶して9,10−ジフルオロ−3−メチ
ル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3-d
e][1,4]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸エチル
(IV)1.40gを微褐色微細針状結晶として得た。
融点:255〜256℃ 元素分析値(%):CH15H13F2NO4として C H N 理論値 58.25 4.24 4.53 測定値 58.09 4.14 4.24 [発明の効果] 本発明によれば、簡易な手段により、高純度の3,5,6−
トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸を高収率で得る
ことができる。
トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸を高収率で得る
ことができる。
Claims (2)
- 【請求項1】3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸とアル
カリ性化合物とを水又は水性溶媒中において、70〜120
℃で反応させた後、酸性水溶液で処理することを特徴と
する3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸の
製造法。 - 【請求項2】アルカリ性化合物がアルカリ金属の水酸化
物、炭酸水素塩又は炭酸塩である特許請求の範囲第1項
記載の製造法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP62303313A JPH0696545B2 (ja) | 1986-12-08 | 1987-12-02 | 3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29039986 | 1986-12-08 | ||
JP61-290399 | 1986-12-08 | ||
JP62303313A JPH0696545B2 (ja) | 1986-12-08 | 1987-12-02 | 3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63264439A JPS63264439A (ja) | 1988-11-01 |
JPH0696545B2 true JPH0696545B2 (ja) | 1994-11-30 |
Family
ID=26558036
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62303313A Expired - Lifetime JPH0696545B2 (ja) | 1986-12-08 | 1987-12-02 | 3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0696545B2 (ja) |
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CA2645376C (en) | 2006-03-13 | 2017-06-20 | Activx Biosciences, Inc. | Aminoquinolones as gsk-3 inhibitors |
CN101855228B (zh) | 2007-09-11 | 2012-10-24 | 杏林制药株式会社 | 作为gsk-3抑制剂的氰基氨基喹诺酮和四唑并氨基喹诺酮 |
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CN112608220B (zh) * | 2020-11-26 | 2022-06-07 | 浙江中欣氟材股份有限公司 | 一种3,5-二氟苯酚的合成方法 |
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---|---|---|---|---|
JPS60204742A (ja) * | 1984-03-30 | 1985-10-16 | Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd | テトラフルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸の製法 |
-
1987
- 1987-12-02 JP JP62303313A patent/JPH0696545B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
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JPS60204742A (ja) * | 1984-03-30 | 1985-10-16 | Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd | テトラフルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸の製法 |
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