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JPH0693134A - 優れたグリップ性能と転動抵抗を有するゴム組成物およびその製造方法 - Google Patents

優れたグリップ性能と転動抵抗を有するゴム組成物およびその製造方法

Info

Publication number
JPH0693134A
JPH0693134A JP5069760A JP6976093A JPH0693134A JP H0693134 A JPH0693134 A JP H0693134A JP 5069760 A JP5069760 A JP 5069760A JP 6976093 A JP6976093 A JP 6976093A JP H0693134 A JPH0693134 A JP H0693134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
weight
parts
styrene
butadiene copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5069760A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Inui
直樹 乾
Kazuaki Yamamoto
和明 山本
Hideo Nagasaki
英雄 長崎
Manji Sasaki
万治 佐々木
Shinichi Yago
真一 八児
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP5069760A priority Critical patent/JPH0693134A/ja
Priority to CA002100979A priority patent/CA2100979A1/en
Priority to US08/089,521 priority patent/US5362794A/en
Priority to EP93306113A priority patent/EP0581618B1/en
Priority to DE69311646T priority patent/DE69311646T2/de
Publication of JPH0693134A publication Critical patent/JPH0693134A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/16Nitrogen-containing compounds
    • C08K5/22Compounds containing nitrogen bound to another nitrogen atom
    • C08K5/23Azo-compounds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • B60C1/0016Compositions of the tread
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/02Elements
    • C08K3/04Carbon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08K5/36Sulfur-, selenium-, or tellurium-containing compounds
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    • C08K5/46Heterocyclic compounds having sulfur in the ring with oxygen or nitrogen in the ring
    • C08K5/47Thiazoles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤの特にトレッドとして用いられるスチ
レン/ブタジエン共重合ゴムに、特定成分を配合するこ
とにより、ゴムの低温特性および転動抵抗の改良をはか
る。 【構成】 (A)スチレン/ブタジエン共重合ゴムを少
なくとも50重量%含有するゴム成分に対し、(B)次
(式中、Xはアルキル基、フェニル基またはベンジル基
である)のアゾジカルボン酸エステル化合物、(C)窒
素吸着比表面積が100〜250m2/g、ジブチルフタ
レート吸油量が110〜170ml/100gのカーボン
ブラック、(D)イオウ、および(E)ベンゾチアゾー
ル系加硫促進剤を配合する。 【効果】 このゴム組成物は、低温における損失係数(t
anδ)が大きく、一方で高温における損失係数が小さい
ので、タイヤの湿潤路面や雪上または氷結路面における
ブレーキ制動性の向上および、走行時の転動抵抗の低下
を達成する。また強度特性も損なわれない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に優れたウェットグ
リップおよびアイスグリップ性能ならびに転動抵抗を示
し、タイヤ用として好適なゴム組成物に関するものであ
る。本発明はまた、かかるゴム組成物の製造方法に関す
るものでもある。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車分野においては、省資源、
省エネルギーといった観点からの低燃費化とともに、走
行安定性およびブレーキ制動性、特に湿潤路面や雪上ま
たは氷結路面での制動性が重要な課題となってきてい
る。それに伴い、タイヤ用のゴム材料に対する要求は一
段と厳しいものに変化してきている。
【0003】かかるタイヤ用ゴム材料に対する基本的な
要求特性としては、次のようなものが挙げられている。
【0004】(1)大きな静的荷重を支える必要上、一
定以上の硬度を有し、かつ長期間の繰り返し外力に対し
て、耐屈曲疲労性や耐久性、耐摩耗性などの破壊特性に
優れること、(2)低燃費化に対応して転動抵抗が小さ
いこと、具体的には、加硫ゴムの動的粘弾性試験により
周波数10〜100Hzで測定される損失係数(tanδ)
が、50〜80℃の温度領域で小さいこと、(3)湿潤
路面におけるブレーキ制動性(ウェットグリップ性)お
よび、雪上または氷結路面におけるブレーキ制動性(ア
イスグリップ性)に優れること、具体的には、加硫ゴム
の動的粘弾性試験により周波数10〜100Hzで測定さ
れる損失係数(tanδ)が、−20℃〜+30℃の温度領
域で大きいこと。
【0005】これらのうち、(2)の転動抵抗および
(3)のウェットグリップ性とアイスグリップ性は、ゴ
ムのヒステリシスロスに起因する物性であるといわれて
いる。すなわち、タイヤの転動抵抗は、タイヤ走行時に
ゴムが比較的低周波数の周期的変形を受ける際のエネル
ギー散逸に対応し、これを低下させるためには、ゴム組
成物のヒステリシスロスを小さくする必要がある。一
方、ウェットグリップ性とアイスグリップ性は、制動時
におけるタイヤトレッドと路面の微細な凹凸の間で生じ
る高周波数の周期的変形を受ける際のエネルギー散逸に
対応し、これを向上させるためには、ゴム組成物のヒス
テリシスロスを大きくしなければならない。したがっ
て、上記二つの物性は相反するものと考えられていた。
【0006】しかしながら、走行時と制動時とではタイ
ヤが周期的変形を受ける際の周波数が大きく異なり、ウ
ィリアムス−ランデル−フェリーの温度換算則により変
形周波数を温度に換算すると、動的粘弾性試験における
測定周波数を10〜100Hzとしたとき、転動抵抗は5
0〜80℃域の損失係数(tanδ:ヒステリシスロスの尺
度)と、ウェットグリップ性は0〜30℃域の tanδ
と、またアイスグリップ性は−20〜0℃域の tanδ
と、それぞれ高い相関があることが知られている。した
がって、低転動抵抗、高ウェットグリップ性および高ア
イスグリップ性を同時に満足するためには、−20〜+
30℃域の低温における tanδを大きくし、50〜80
℃域の高温における tanδを小さくすればよいことがわ
かる。
【0007】従来、トレッドゴム材料に対するこのよう
な要求に対して、例えば、溶液重合で得られるブタジエ
ン単位中の1,2−結合含有量が高いポリブタジエンゴ
ムまたはスチレン/ブタジエン共重合ゴムをベースゴム
として用いる方法、特定のガラス転移温度を有する複数
のゴムをブレンドする方法、分子鎖中にスズ−炭素結合
を有するポリブタジエンゴムまたはスチレン/ブタジエ
ン共重合ゴムや、アミノ基含有ベンゾフェノン類、ラク
タム類またはウレア類をポリマー鎖に付加したポリブタ
ジエンゴムまたはスチレン/ブタジエン共重合ゴムをベ
ースゴムとして用いる方法、さらには改質カーボンブラ
ックを配合する方法や改質剤を配合する方法などが提案
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、これらの
改質ゴムや改質カーボンブラックをタイヤ用ゴムに適用
することが行われてきているが、これらの改質ゴムや改
質カーボンブラックは、低燃費化に対してはある程度の
効果を示すものの、近年厳しさを増しているアイスグリ
ップやウェットグリップといった低温特性については十
分でなく、低燃費化によりこれら低温特性がむしろ従来
より低下することもあるという、タイヤの安全性能上憂
慮すべき問題点がある。そこで、ゴムの強度物性を維持
しつつ、相反する低燃費化と低温特性とを同時に改良す
ることが望まれていた。
【0009】このような背景から本発明者らは、ゴムの
−20〜+30℃域での tanδを十分に上昇させること
により、湿潤路面や雪上または氷結路面におけるタイヤ
のブレーキ制動性(ウェットグリップ性およびアイスグ
リップ性)を向上させることができ、かつ50〜80℃
域での tanδを低下させ、低温特性と転動抵抗において
バランスのとれたゴム配合設計を開発すべく、鋭意研究
を重ねた結果、本発明に至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、次の
(A)〜(E)の各成分を必須に含有するものであっ
て、かつゴム加工機械中で、(A)のゴム成分に、
(B)〜(E)の各成分を配合してなるゴム組成物を提
供するものである。
【0011】(A)スチレン/ブタジエン共重合ゴムを
少なくとも50重量%含有するゴム成分100重量部、
(B)一般式(I)
【0012】
【化5】
【0013】(式中、Xは炭素数3〜8のアルキル基、
無置換のもしくは置換されたフェニル基、または無置換
のもしくは置換されたベンジル基である)で示されるア
ゾジカルボン酸エステル化合物1〜6重量部、
【0014】(C)窒素吸着比表面積が100〜250
m2/g、ジブチルフタレート吸油量が110〜170ml
/100gのカーボンブラック60〜250重量部、
(D)イオウ0.5〜4重量部、および(E)ベンゾチア
ゾール系加硫促進剤0.3〜3重量部。
【0015】この組成物を製造するにあたっては、ゴム
成分(A)に、アゾジカルボン酸エステル化合物(B)
およびカーボンブラック(C)をまず高温にて配合し、
次いでイオウ(D)および加硫促進剤(E)を低温にて
配合するのが好ましい。したがって本発明はまた、ゴム
加工機械を用いて、上記のゴム成分(A)に、上記アゾ
ジカルボン酸エステル化合物(B)およびカーボンブラ
ック(C)をゴム温度50〜190℃にて配合したあ
と、上記イオウ(D)および加硫促進剤(E)をゴム温
度10〜120℃にて配合し、加硫することによるゴム
組成物の製造方法を提供する。
【0016】本発明はさらに、上記ゴム成分(A)に対
し、ゴムの加工工程において、上記アゾジカルボン酸エ
ステル化合物(B)およびカーボンブラック(C)をゴ
ム温度50〜190℃にて配合したあと、上記イオウ
(D)および加硫促進剤(E)をゴム温度10〜120
℃にて配合し、加硫することによる、加硫ゴムの動的粘
弾性試験により周波数10〜100Hzで測定される損失
係数を、−20〜+30℃の温度領域では増大させ、か
つ50〜80℃の温度領域では低下させる方法を提供す
る。
【0017】本発明において使用するゴム成分の主体と
なるのは、スチレンとブタジエンとを共重合させて得ら
れるスチレン/ブタジエン共重合体である。このスチレ
ン/ブタジエン共重合体は、溶液重合によって製造され
たものおよび乳化重合によって製造されたもの、いずれ
であってもよい。好ましくは、スチレン単位を10〜5
0重量%含有し、かつブタジエン単位中に1,2−結合
を20〜80重量%含有するスチレン/ブタジエン共重
合ゴムが用いられる。ここでいう1,2−結合とは、ブ
タジエンの重合により、1,2−位で結合する部分と
1,4−位で結合する部分ができるが、これらブタジエ
ンに起因する重合体単位のうち、1,2−位で結合して
いる部分をいう。一般のスチレン/ブタジエン共重合ゴ
ムのなかでは、スチレン単位含有量の高いもの、特にス
チレン単位が30〜50重量%であるものが、より好ま
しい。
【0018】また別の好ましいスチレン/ブタジエン共
重合ゴムとして、共重合体の重合末端に、アミノ基を有
するベンゾフェノン化合物を導入して変性したもの、あ
るいは、スズまたはけい素でカップリングされたものな
どを挙げることができる。共重合体の重合末端に導入さ
れるアミノ基を有するベンゾフェノン化合物は、特に下
記一般式(II)で示されるものが好ましい。
【0019】
【式6】
【0020】(式中、Qはメチルまたはエチルである)
【0021】これらのベンゾフェノン変性された、ある
いは、スズまたはけい素でカップリングされたスチレン
/ブタジエン共重合ゴムは、特に次のような特性を有す
るものが好ましい。
【0022】(A1)10〜30重量%のスチレン単位お
よび90〜70重量%のブタジエン単位を有し、(A2)
ブタジエン単位中に20〜80重量%の1,2−結合を
有し、そして(A3)ML1+4(100℃)で表されるムー
ニー粘度が30〜80であるもの。
【0023】これらのベンゾフェノン変性された、また
はカップリングされたスチレン/ブタジエン共重合ゴム
は、上記一般式(I)のアゾジカルボン酸エステルを配
合したとき、とりわけ優れた転動抵抗ならびに、ウェッ
トグリップおよびアイスグリップ性能を付与するので、
好ましく用いられる。なお、スズでカップリングされた
スチレン/ブタジエン共重合ゴムにおいては、スズ−ブ
タジエニル結合を有する分岐状共重合体の割合が30重
量%以上であることが一層好ましい。
【0024】これらのうち、ベンゾフェノン変性スチレ
ン/ブタジエン共重合ゴムは、例えば特開昭 59-197443
号公報、特開昭 60-8341号公報、特開昭 60-8342号公報
などに記載される公知の方法によって製造することがで
きる。すなわち、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物
を重合開始剤とする溶液重合法(いわゆるリビング重合
法)によりスチレンとブタジエンとを共重合させ、得ら
れる共重合体に前記一般式(II)で示されるベンゾフェ
ノン化合物を反応させることによって、製造することが
できる。重合温度は、目標とするミクロ構造により変化
しうるが、経済性および副反応の観点から、0〜150
℃程度が好ましい。ブタジエン単位中の1,2−結合量
は、エーテルまたは第三級アミンのごときルイス塩基を
用い、それらの種類や使用量を変化させることにより、
あるいは重合温度などを適宜選択することより、調節す
ることができる。
【0025】変性反応に用いる前記一般式(II)で示さ
れるベンゾフェノン化合物の具体例は、4,4′−ビス
(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンおよび、4,4′−
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンである。また、
このベンゾフェノン化合物の使用量は、重合末端リチウ
ム原子1当量に対し、0.2〜1.5当量程度の割合が好ま
しい。なお、破壊特性や転動抵抗性能の面から、前記一
般式(II)で示されるベンゾフェノン化合物を反応させ
る前に、重合末端の一部を、四塩化スズなどのカップリ
ング性化合物と反応させ、分岐状共重合体を含有させて
おくのも有効である。このような分岐状共重合体を形成
させる場合、四塩化スズなどのカップリング性化合物
は、ベンゾフェノン変性の効果を損なわない程度の量と
する必要があり、重合末端リチウム原子1当量に対し、
通常は0.01〜0.2当量程度の割合で用いられる。
【0026】また、スズまたはけい素でカップリングさ
れたスチレン/ブタジエン共重合ゴムは、例えば特開昭
63-308011号公報などに記載される公知の方法によっ
て、製造することができる。すなわち、炭化水素溶媒
中、有機リチウム化合物を重合開始剤として用いる溶液
重合法により、スチレンとブタジエンを共重合させて、
重合末端にブタジエニル−リチウム結合を有する共重合
体とし、次いで、ハロゲン化スズ化合物またはハロゲン
化けい素化合物にてカップリング反応させることによ
り、製造することができる。なお、共重合終了時に少量
のブタジエンを添加して、ブタジエニル−リチウム結合
を形成させるのが好ましい。
【0027】カップリング反応に用いる化合物として
は、 四塩化スズ、三塩化フェニルスズ、塩化トリブチ
ルスズなどのハロゲン化スズ化合物および、四塩化けい
素などのハロゲン化けい素化合物が挙げられ、特に四塩
化スズが好ましく用いられる。またブタジエン単位中の
1,2−結合量は、エーテルまたは第三級アミンのごと
きルイス塩基を用い、それらの種類や使用量を変化させ
ることにより、あるいは重合温度などを適宜選択するこ
とにより、調節することができる。重合温度は目標とす
るミクロ構造により変化しうるが、経済性および副反応
の観点から、0〜150℃程度が好ましい。カップリン
グ反応に用いるハロゲン化スズ化合物またはハロゲン化
けい素化合物の量は、重合末端リチウム原子1当量に対
し、0.08〜0.5当量程度の割合が好ましい。
【0028】溶液重合スチレン/ブタジエン共重合ゴム
の場合は、その他、テトラメチルウレアやテトラエチル
ウレアのようなウレア類、N−(N′,N′−ジメチル
アミノプロピル)アクリルアミドのようなアミノ基含有
不飽和化合物などの変性剤で分子修飾したものを用いる
こともできる。
【0029】本発明におけるゴム成分は、以上説明した
ようなスチレン/ブタジエン共重合体を主体とするもの
であり、この共重合体を単独で用いることもできるし、
またこの共重合体を50重量%以上含有し、50重量%
までの範囲で他のゴムとブレンドして用いることもでき
る。ブレンドしうる他のゴムとしては、天然ゴムのほ
か、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム
(BR)、アクリロニトリル/ブタジエン共重合ゴム
(NBR)、イソプレン/イソブチレン共重合ゴム(I
IR)、エチレン/プロピレン/ジエン共重合ゴム(E
PDM)などの各種合成ゴムが例示される。なかでもジ
エン系ゴムが好ましく、例えば、天然ゴム、ポリイソプ
レンゴム、ポリブタジエンゴムなどが挙げられる。他の
ゴムをブレンドする場合は、ゴム成分全体の重量を基準
として5重量%以上配合するのが好ましく、したがって
ブレンド系における好ましい配合割合は、スチレン/ブ
タジエン共重合ゴム50〜95重量%および他のゴム5
0〜5重量%である。
【0030】本発明においては特に、上記のようなスチ
レン/ブタジエン共重合ゴム単独、あるいはスチレン/
ブタジエン共重合ゴムを主体とし、これに天然ゴム、ポ
リイソプレンゴムまたはポリブタジエンゴムをブレンド
したものが、好ましく用いられる。
【0031】ゴム成分に配合される成分(B)の前記一
般式(I)で示されるアゾジカルボン酸エステル化合物
は、例えば、対応するクロロギ酸エステルに、炭酸ナト
リウムや炭酸カリウムのような塩基の存在下、水溶液中
でヒドラジンを反応させて得られるヒドラゾジフォルメ
ートを、発煙硝酸や塩素、臭素のような酸化剤で酸化す
ることによって、合成することができる。
【0032】一般式(I)において、Xは炭素数3〜8
のアルキル基、無置換のもしくは置換されたフェニル
基、または無置換のもしくは置換されたベンジル基であ
る。
【0033】ここでアルキル基としては、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、 sec−ブ
チル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチルな
どが挙げられる。これらのアルキル基は、直鎖状はもち
ろん、分枝状または環状であってもよい。なかでも、炭
素数3〜5の非環状アルキル基、特に分岐したアルキル
基が好ましい。
【0034】フェニル基は、無置換のもののほか、炭素
数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、
全炭素数2〜9のアルカノイル基、N,N−ジアルキル
アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、ハロ
ゲンなどの置換基を有していてもよい。ここでいうN,
N−ジアルキルアミノ基におけるアルキルは、例えば炭
素数1〜6のものであることができる。またハロゲンの
例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ
る。フェニル基が置換基を有する場合、その置換基の位
置は、o−、m−およびp−位のいずれであってもよ
い。フェニル基の好ましい例は、無置換フェニル、p−
ニトロフェニル、p−メチルフェニルなどである。
【0035】ベンジル基も、無置換のもののほか、炭素
数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、
全炭素数2〜9のアルカノイル基、N,N−ジアルキル
アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、ハロ
ゲンなどの置換基を有していてもよい。ここでいうN,
N−ジアルキルアミノ基におけるアルキルも、例えば炭
素数1〜6のものであることができる。またハロゲンの
例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ
る。ベンジル基が置換基を有する場合も、その置換基の
位置は、o−、m−およびp−位のいずれであってもよ
い。ベンジル基の好ましい例は、無置換ベンジル、p−
ニトロベンジル、p−メチルベンジルなどである。
【0036】本発明で用いることのできる前記一般式
(I)で示されるアゾジカルボン酸エステル化合物の代
表例を以下に示すが、もちろんこれらは例示であって、
なんら限定的なものではない。
【0037】(1) ジ−n−プロピル アゾジカルボキ
シレート、(2) ジイソプロピル アゾジカルボキシレ
ート、(3) ジ−n−ブチル アゾジカルボキシレー
ト、(4) ジイソブチル アゾジカルボキシレート、(5)
ジ−tert−ブチル アゾジカルボキシレート、(6)
ジヘキシル アゾジカルボキシレート、(7) ジオクチ
ル アゾジカルボキシレート、(8) ジフェニル アゾ
ジカルボキシレート、(9) ビス(p−ニトロフェニ
ル) アゾジカルボキシレート、(10) ビス(p−メチ
ルフェニル) アゾジカルボキシレート、(11) ビス
(p−ブロモフェニル) アゾジカルボキシレート、(1
2) ビス(p−クロロフェニル) アゾジカルボキシレ
ート、(13) ビス〔p−(N,N−ジメチルアミノ)フ
ェニル〕 アゾジカルボキシレート、(14) ジベンジル
アゾジカルボキシレート、(15) ビス(p−ニトロベ
ンジル) アゾジカルボキシレート、(16) ビス(p−
メチルベンジル) アゾジカルボキシレート、(17) ビ
ス(p−ブロモベンジル) アゾジカルボキシレート、
(18) ビス(p−クロロベンジル) アゾジカルボキシ
レート、(19) ビス〔p−(N,N−ジメチルアミノ)
ベンジル〕 アゾジカルボキシレート。
【0038】一般式(I)のアゾジカルボン酸エステル
化合物をゴムに添加する場合の形態は、それぞれの化合
物単体であってもよいし、複数化合物の混合物であって
もよいし、あるいはゴム物性に影響を与えないクレーな
どの担体と混合したものであってもよい。アゾジカルボ
ン酸エステル化合物の配合量は、ゴム100重量部あた
り1〜6重量部の範囲から選択される。1重量部より少
ないと改良効果が十分でなく、一方6重量部を超える
と、引張強さおよび架橋密度の低下や耐摩耗性の低下を
示すなど、ゴムの破壊強度の著しい低下がみられるとと
もに、転動抵抗の低下効果が減じられる傾向になるの
で、好ましくない。
【0039】本発明において使用する成分(C)のカー
ボンブラックは、窒素吸着比表面積(以下、N2 SAと
略称する)が100〜250m2/g、ジブチルフタレー
ト吸油量(以下、DBP吸油量と略称する)が110〜
170ml/100gの値を示すものである。ここで、N
2 SAが100m2/g未満では、ウェットグリップおよ
びアイスグリップ性能が劣り、一方、N2 SAが250
m2/gを越えると、ゴムの耐発熱性が劣り、転動抵抗が
改良されない。またDBP吸油量が110ml/100g
未満では、ウェットグリップおよびアイスグリップ性能
が劣り、一方、DBP吸油量が170ml/100gを越
えると、耐摩耗性および転動抵抗が劣るようになる。
【0040】カーボンブラックの配合量は、ゴム100
重量部あたり60〜250重量部の範囲であり、好まし
くは60〜150重量部程度の範囲である。カーボンブ
ラックの配合量が60重量部未満では、ゴムの補強性が
劣るとともに、ウェットグリップおよびアイスブリップ
性能が十分に改良されず、また250重量部より多くな
ると、耐発熱性および耐ブローアウト性が著しく低下す
るので好ましくない。
【0041】本発明において使用する成分(D)のイオ
ウは、一般にゴム工業で使用されているものであること
ができる。その配合量は、ゴムの耐熱性、引張強度、耐
摩耗性および耐屈曲亀裂性の観点より、ゴム100重量
部あたり0.5〜4重量部の範囲である。
【0042】また成分(E)のベンゾチアゾール系加硫
促進剤としては、ベンゾチアゾール骨格を有し、加硫促
進作用を有する種々のものが使用できる。具体的には、
2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル
ジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジ
ルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチ
アジルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−
2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエ
チレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなどが例
示される。その配合量は、ゴムの耐熱性、耐摩耗性、引
張強度および耐屈曲亀裂性の観点より、ゴム100重量
部あたり0.3〜3重量部の範囲である。
【0043】なお、タイヤトレッドゴム材料の配合にあ
たり、従来からタイヤのグリップ性能を高めるためにプ
ロセス油を配合する手法がよく用いられているが、本発
明においてもプロセス油を併用することができ、かつ好
ましい。プロセス油を用いる場合の配合量は特に限定さ
れるものでないが、一般にはゴム100重量部あたり1
00重量部以下であり、好ましくは5〜100重量部の
範囲から選択される。プロセス油の種類も、本発明にお
いて特定されるものでなく、従来よりゴム工業で使用さ
れている各種のプロセス油を用いることができる。
【0044】また本発明においては、ゴム工業で通常使
用されている各種ゴム薬品、例えば老化防止剤、リター
ダー、しゃっ解剤、軟化剤、石油樹脂などを、必要に応
じて従来と同様に併用してもよいことはいうまでもな
い。
【0045】本発明のゴム組成物を製造するにあたり、
その方法に特別な制限はないが、各成分の配合は、ゴム
加工機械を用いて行われる。ここでいうゴム加工機械と
は、通常のゴムの混練に用いられる例えばロールあるい
は密閉式混練機を意味し、密閉式混練機としては、例え
ばバンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスな
どが挙げられる。こうしたゴム加工機械中で、ゴム成分
およびそれぞれの配合成分が直接混練される。
【0046】各成分の配合にあたっては、例えば、ゴム
成分(A)に、成分(B)のアゾジカルボン酸エステル
化合物を添加して混練したあと、成分(C)のカーボン
ブラックを添加し、さらに成分(D)のイオウおよび成
分(E)の加硫促進剤を配合するといった方法をとるこ
ともできる。この場合は、アゾジカルボン酸エステルを
比較的低温、例えば40〜100℃程度のゴム温度でゴ
ム成分に添加し、混練後、それより高いゴム温度、例え
ば100〜180℃程度でカーボンブラックを添加し、
混練後もう一度低温、例えば40〜100℃程度のゴム
温度に戻して、イオウおよび加硫促進剤が添加される。
【0047】しかし、本発明の効果をより一層有効に発
揮させるためには、ゴム成分に、アゾジカルボン酸エス
テル化合物およびカーボンブラックを添加し、0.5〜3
0分間程度混練したあと、イオウおよび加硫促進剤を添
加し、加硫する方法が好ましい。このような2段階の配
合を採用することにより、ゴム製造工程における簡便な
加工方法であって、しかも、アイスグリップおよびウェ
ットグリップ性能の向上、ならびに転動抵抗の低下効果
を付与することができる。こうした2段階で配合する場
合、アゾジカルボン酸エステル化合物およびカーボンブ
ラックを添加する際のゴム温度は、通常50〜190℃
の範囲、好ましくは50〜120℃の範囲である。一
方、イオウおよび加硫促進剤を添加する際のゴム温度
は、通常10〜120℃の範囲、好ましくは10〜70
℃の範囲である。イオウおよび加硫促進剤は、好ましく
は、先のアゾジカルボン酸エステル化合物およびカーボ
ンブラックを添加する際のゴム温度より高くない温度で
ゴムに添加される。
【0048】かくして配合された本発明のゴム組成物
は、例えばタイヤの各種部材、特にトレッド部として好
ましく使用される。例えばこのゴム組成物をトレッド部
あるいはその他の部材に適用し、タイヤ業界で通常行わ
れている方法により成形し、加硫工程を経て、タイヤが
製造される。加硫は、好ましくは80〜180℃程度の
温度で行われる。
【0049】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらによって限定されるもので
はない。以下の例中、添加量ないしは含有量を表す%お
よび部は、特にことわらないかぎり、それぞれ重量%お
よび重量部を表す。また、実施例で用いたアゾジカルボ
ン酸エステル化合物は次のとおりであり、以下それぞれ
の記号で表示する。
【0050】 A: ジイソプロピル アゾジカルボキシレート B: ジ−tert−ブチル アゾジカルボキシレート C: ジイソブチル アゾジカルボキシレート D: ジフェニル アゾジカルボキシレート E: ビス(p−ニトロフェニル) アゾジカルボキシ
レート F: ジベンジル アゾジカルボキシレート
【0051】実施例1
【0052】
【表1】 〈配合処方〉 乳化重合スチレン/ブタジエン共重合ゴム 137.5部 (スチレン単位35%、ブタジエン単位中の1,2−結合量25%、 ゴム100部あたり芳香族油37.5部含有) ISAFカーボンブラック(N220) 80 部 (N2SA125m2/g、DBP吸油量130ml/100g) ステアリン酸 3 部 亜 鉛 華 5 部 芳香族系プロセス油 12.5部 老化防止剤 2 部 (N−フェニル−N′−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン) 加硫促進剤 1 部 (N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド) イ オ ウ 2 部 アゾジカルボン酸エステル 表2〜3記載
【0053】40〜50℃の温度に保たれたオープンミ
ル中で、上記配合処方に示したゴムにアゾジカルボン酸
エステルを投入し、5分間混練した。このゴム配合物
を、バンバリーミキサーである東洋精機製の250mlラ
ボプラストミルに移し、オイルバス温度170℃にて、
カーボンブラック、ステアリン酸、プロセス油、老化防
止剤および亜鉛華を投入し、50rpm のミキサー回転数
で5分間混練した。この時のゴム温度は160〜170
℃であった。次にこのゴム配合物をオープンミルに移
し、40〜50℃の温度で加硫促進剤およびイオウを添
加し、混練した。さらに加硫プレスにより170℃で加
硫し、所定の形状にしたあと、以下の試験に供した。な
お、アゾジカルボン酸エステルを用いない配合では、バ
ンバリーミキサー中での混練からスタートしてゴム組成
物を作成した。
【0054】tanδの測定 岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用い、初期
静的歪10%、動的歪振幅0.25%、周波数10Hzの条
件下、−50℃〜+100℃の温度範囲で行った。
【0055】引張試験 前記ゴム組成物から、 JIS K 6301 によるダンベル3号
の加硫ゴム試験片を作成し、これを用いて室温で引張試
験を行い、 引張応力(M100 、M300 およびM500
を測定した。
【0056】得られた結果のうち、0℃、20℃、40
℃および60℃における tanδ、ならびにM100 、M
300 およびM500 を、アゾジカルボン酸エステルの配合
とともに表2および表3に示した。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】実施例2
【0060】
【表4】 〈配合処方〉 溶液重合スチレン/ブタジエン共重合ゴム 144部 (スチレン単位40%、ブタジエン単位中の1,2−結合量49%、 ゴム100部あたり芳香族油44部含有) SAFカーボンブラック(N110) 100部 (N2SA140m2/g、DBP吸油量132ml/100g) ステアリン酸 3部 亜 鉛 華 5部 芳香族系プロセス油 50部 加硫促進剤 1部 (N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド) イ オ ウ 2部 アゾジカルボン酸エステル 表5記載
【0061】配合処方を上記のように変えた以外は、実
施例1と同様の実験を行った。試験結果を、アゾジカル
ボン酸エステルの配合とともに表5に示した。なおこの
配合では、いずれの試験片も、引張試験において伸びが
500%に至る前に破断したため、M500 の測定はでき
なかった。
【0062】
【表5】
【0063】実施例3
【0064】(1) ベンゾフェノン変性スチレン/ブタジ
エン共重合ゴム(SBR−1)の合成
【0065】撹拌機およびジャケットの付いた反応器を
用い、窒素雰囲気下で、シクロヘキサン、1,3−ブタ
ジエン、テトラヒドロフランおよびスチレンを仕込み、
30℃に調節したあとn−ブチルリチウムを添加し、重
合を開始する。70℃まで昇温後、2時間重合を行い、
重合転化率100%に達したあと少量の四塩化スズを加
え、70℃で15分間カップリング反応を行う。その後
4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを加
え、60℃で30分間変性反応を行う。得られた共重合
溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添
加したあと、スチームストリッピングにより脱溶媒し、
さらに110℃の熱ロールで乾燥することにより、変性
共重合体を得る。得られた共重合体のスチレン単位量お
よび、ブタジエン単位中の1,2−結合量は、赤外分光
光度計を用いて測定する。
【0066】以上の操作に従って、スチレン単位が24
%、ブタジエン単位中の1,2−結合量が34%、ムー
ニー粘度が45ML1+4(100℃)の変性スチレン/ブ
タジエン共重合ゴム(SBR−1)を合成した。
【0067】(2) ゴム組成物の製造および試験
【0068】
【表6】 〈配合処方〉 スチレン/ブタジエン共重合ゴム(SBR−1) 100部 HAF−HSカーボンブラック 60部 (N2SA104m2/g、DBP吸油量124ml/100g) ステアリン酸 3部 亜 鉛 華 2部 老化防止剤 2部 (N−フェニル−N′−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン) 加硫促進剤 1部 (N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド) イ オ ウ 2部 アゾジカルボン酸エステル 表7〜8記載
【0069】バンバリーミキサーとして東洋精機製の2
50mlラボプラストミルを用い、オイルバス温度120
℃で、上記配合処方に基づき、スチレン/ブタジエン共
重合ゴム、アゾジカルボン酸エステル、カーボンブラッ
ク、ステアリン酸、亜鉛華および老化防止剤を投入し、
50rpm のミキサー回転数で5分間混練した。この時の
ゴム温度は、105〜117℃であった。次にこの配合
物をオープンミルに移し、60〜70℃の温度で、上記
配合処方に示した加硫促進剤およびイオウを添加し、混
練した。混練後、加硫プレスにより160℃で40分間
加硫したあと、以下の試験に供した。
【0070】tanδの測定 岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用い、初期
静的歪10%、動的歪振幅0.5%、周波数10Hzの条件
下、60℃、20℃および−20℃における値を測定し
た。60℃における tanδは転動抵抗に対応し、値が小
さいほど転動抵抗の低下効果が大きいことを意味する。
一方、20℃における tanδはウェットグリップ性に
対応し、また−20℃における tanδはアイスグリップ
性に対応し、それぞれ値が大きいほどグリップ性の向上
効果が大きいことを意味する。
【0071】引張試験 前記ゴム組成物から、 JIS K 6301 によるダンベル3号
の加硫ゴム試験片を作成し、これを用いて室温で引張試
験を行い、引張強さおよび引張応力(M300 )を測定し
た。
【0072】これらの試験結果を、アゾジカルボン酸エ
ステルの配合とともに表7および表8に示した。
【0073】
【表7】
【0074】
【表8】
【0075】実施例4
【0076】(1) スズカップリングスチレン/ブタジエ
ン共重合ゴム(SBR−2)の合成
【0077】撹拌機およびジャケットの付いた反応器を
用い、窒素雰囲気下で、シクロヘキサン、1,3−ブタ
ジエン、テトラヒドロフランおよびスチレンを仕込み、
30℃に調節したあとn−ブチルリチウムを添加し、重
合を開始する。70℃まで昇温後、2時間重合を行い、
重合転化率100%に達したあと、少量の1,3−ブタ
ジエンを添加して重合末端をブタジエニルアニオンと
し、次いで四塩化スズを加え、70℃で30分間カップ
リング反応を行う。得られる共重合体溶液に2,6−ジ
−tert−ブチル−p−クレゾールを添加したあと、スチ
ームストリッピングにより脱溶媒し、さらに110℃の
熱ロールで乾燥することにより、共重合体を得る。得ら
れた共重合体のスチレン単位量および、ブタジエン単位
中の1,2−結合量は、赤外分光光度計を用いて測定す
る。また分岐状共重合体の割合は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)によって測定された分
子量分布から、該当ピークの高さの相対比として求め
る。
【0078】以上の操作に従って、スチレン単位が24
%、ブタジエン単位中の1,2−結合量が35%、ムー
ニー粘度が55ML1+4(100℃)、分岐状共重合体の
割合が38%のスチレン/ブタジエン共重合ゴム(SB
R−2)を合成した。
【0079】(2) ゴム組成物の製造および試験
【0080】スチレン/ブタジエン共重合ゴムとして上
記で得られたSBR−2を用いるほかは、実施例3の
(2) と同様の実験を行った。アゾジカルボン酸エステル
の配合および試験結果を表9および表10に示した。
【0081】
【表9】
【0082】
【表10】
【0083】実施例5
【0084】
【表11】 〈配合処方〉 乳化重合スチレン/ブタジエン共重合ゴム 137.5部 (スチレン単位35%、ブタジエン単位中の1,2−結合量25%、 ゴム100部あたり芳香族油37.5部含有) ISAFカーボンブラック 90 部 (N2SA126mg/g、DBP吸油量114ml/100g) ステアリン酸 3 部 亜 鉛 華 2 部 芳香族系プロセス油 12.5部 老化防止剤 1 部 (N−フェニル−N′−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン) 加硫促進剤 1 部 (N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド) イ オ ウ 2 部 アゾジカルボン酸エステル 表12〜13記載
【0085】上記配合処方に基づく以外は、実施例3の
(2) と同様の実験を行った。アゾジカルボン酸エステル
の配合および試験結果を表12および表13に示した。
【0086】
【表12】
【0087】
【表13】
【0088】
【発明の効果】本発明に従って、スチレン/ブタジエン
共重合ゴムに対し、ゴム加工工程において、特定のアゾ
ジカルボン酸エステル化合物、特定のカーボンブラッ
ク、イオウおよびベンゾチアゾール系加硫促進剤を配合
することにより、自動車が湿潤路面で走行するとき、お
よび雪上または氷結路面で走行するときの、タイヤのブ
レーキ制動性(ウェットグリップ性およびアイスグリッ
プ性)を向上させることができ、一方で、転動抵抗を小
さくすることができる。またこの配合により、加硫ゴム
の強度物性を低下させることもない。したがって、本発
明のゴム組成物をタイヤの特にトレッド部に適用すれ
ば、湿潤路面や雪上、氷上での自動車の加速性能やブレ
ーキ性能と密接な関連をもつグリップ性能に優れ、さら
には燃費性にも優れたタイヤとすることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/47 KDS 7242−4J (72)発明者 佐々木 万治 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内 (72)発明者 八児 真一 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)スチレン/ブタジエン共重合ゴムを
    少なくとも50重量%含有するゴム成分100重量部に
    対し、ゴム加工機械中で、(B)一般式(I) 【化1】 (式中、Xは炭素数3〜8のアルキル基、無置換のもし
    くは置換されたフェニル基、または無置換のもしくは置
    換されたベンジル基である)で示されるアゾジカルボン
    酸エステル化合物を1〜6重量部、(C)窒素吸着比表
    面積が100〜250m2/g、ジブチルフタレート吸油
    量が110〜170ml/100gのカーボンブラックを
    60〜250重量部、(D)イオウを0.5〜4重量部、
    および(E)ベンゾチアゾール系加硫促進剤を0.3〜3
    重量部配合してなることを特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】ゴム成分が、10〜50重量%のスチレン
    単位を有し、そしてブタジエン単位中に20〜80重量
    %の1,2−結合を有するスチレン/ブタジエン共重合
    ゴムを、少なくとも50重量%含有する請求項1記載の
    ゴム組成物。
  3. 【請求項3】スチレン単位が30〜50重量%である請
    求項2記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】ゴム成分が、共重合体の重合末端に、一般
    式(II) 【化2】 (式中、Qはメチルまたはエチルである)で示されるベ
    ンゾフェノン化合物を導入することにより調製された変
    性スチレン/ブタジエン共重合ゴムであって、(A1)1
    0〜30重量%のスチレン単位および90〜70重量%
    のブタジエン単位を有し、(A2)ブタジエン単位中に2
    0〜80重量%の1,2−結合を有し、そして(A3)M
    1+4(100℃)で表されるムーニー粘度が30〜80
    であるものを、少なくとも50重量%含有する請求項1
    記載のゴム組成物。
  5. 【請求項5】ゴム成分が、スズまたはけい素でカップリ
    ングされたスチレン/ブタジエン共重合ゴムであって、
    (A1)10〜30重量%のスチレン単位および90〜7
    0重量%のブタジエン単位を有し、(A2)ブタジエン単
    位中に20〜80重量%の1,2−結合を有し、そして
    (A3)ML1+4(100℃)で表されるムーニー粘度が3
    0〜80であるものを、少なくとも50重量%含有する
    請求項1記載のゴム組成物。
  6. 【請求項6】ゴム成分が、実質的にスチレン/ブタジエ
    ン共重合ゴムからなる請求項1〜5のいずれかに記載の
    ゴム組成物。
  7. 【請求項7】ゴム成分が、スチレン/ブタジエン共重合
    ゴムを主体とし、天然ゴム、イソプレンゴムおよびポリ
    ブタジエンゴムから選ばれる他のゴムとのブレンド系で
    ある請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 【請求項8】一般式(I)中のXが炭素数3〜5のアル
    キル基である請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成
    物。
  9. 【請求項9】さらにプロセス油を含有する請求項1〜8
    のいずれかに記載のゴム組成物。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組
    成物から製造されたタイヤ。
  11. 【請求項11】当該ゴム組成物をトレッド部に用いた請
    求項10記載のタイヤ。
  12. 【請求項12】(A)スチレン/ブタジエン共重合ゴム
    を少なくとも50重量%含有するゴム成分100重量部
    に対し、ゴム加工機械を用いて、(B)下記一般式
    (I) 【化3】 (式中、Xは炭素数3〜8のアルキル基、無置換のもし
    くは置換されたフェニル基、または無置換のもしくは置
    換されたベンジル基である)で示されるアゾジカルボン
    酸エステル化合物1〜6重量部、および(C)窒素吸着
    比表面積が100〜250m2/g、ジブチルフタレート
    吸油量が110〜170ml/100gのカーボンブラッ
    ク60〜250重量部を、ゴム温度50〜190℃にて
    配合したあと、(D)イオウ0.5〜4重量部、および
    (E)ベンゾチアゾール系加硫促進剤0.3〜3重量部
    を、ゴム温度10〜120℃にて配合し、加硫すること
    を特徴とするゴム組成物の製造方法。
  13. 【請求項13】(A)スチレン/ブタジエン共重合ゴム
    を少なくとも50重量%含有するゴム成分100重量部
    に対し、ゴムの加工工程において、(B)下記一般式
    (I) 【化4】 (式中、Xは炭素数3〜8のアルキル基、無置換のもし
    くは置換されたフェニル基、または無置換のもしくは置
    換されたベンジル基である)で示されるアゾジカルボン
    酸エステル化合物1〜6重量部、および(C)窒素吸着
    比表面積が100〜250m2/g、ジブチルフタレート
    吸油量が110〜170ml/100gのカーボンブラッ
    ク60〜250重量部を、ゴム温度50〜190℃にて
    配合したあと、(D)イオウ0.5〜4重量部、および
    (E)ベンゾチアゾール系加硫促進剤0.3〜3重量部
    を、ゴム温度10〜120℃にて配合し、加硫すること
    を特徴とする、加硫ゴムの動的粘弾性試験により周波数
    10〜100Hzで測定される損失係数を、−20〜+3
    0℃の温度領域では増大させ、かつ50〜80℃の温度
    領域では低下させる方法。
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