JPH0687775A - ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法 - Google Patents
ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法Info
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- JPH0687775A JPH0687775A JP4240286A JP24028692A JPH0687775A JP H0687775 A JPH0687775 A JP H0687775A JP 4240286 A JP4240286 A JP 4240286A JP 24028692 A JP24028692 A JP 24028692A JP H0687775 A JPH0687775 A JP H0687775A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
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- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 フェノール類とアルデヒドを、不活性溶媒及
び水からなる混合溶媒中で、ヘテロポリ酸又はその水溶
性塩の存在下に反応させ、反応混合物の有機層からビス
(ヒドロキシフェニル)メタン類を得、水相からヘテロ
ポリ酸又はその水溶性塩を回収し、回収したヘテロポリ
酸又はその水溶性塩を、フェノール類とアルデヒドの反
応に再利用することを特徴とするビス(ヒドロキシフェ
ニル)メタン類の製造方法。 【効果】 ヘテロポリ酸又はその塩の腐食性が少なく、
また活性低下が小さく工業的に使用が容易であり、反応
で副次的に生成した水で反応速度が低下することがな
い。またビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の中で
も、エポキシ樹脂の特性を向上させるのに有用なビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタンの生成量を選択的に
高めることができる。さらに、酸触媒であるヘテロポリ
酸又はその塩を容易に分離回収することができ、次の反
応に再利用することができる。
び水からなる混合溶媒中で、ヘテロポリ酸又はその水溶
性塩の存在下に反応させ、反応混合物の有機層からビス
(ヒドロキシフェニル)メタン類を得、水相からヘテロ
ポリ酸又はその水溶性塩を回収し、回収したヘテロポリ
酸又はその水溶性塩を、フェノール類とアルデヒドの反
応に再利用することを特徴とするビス(ヒドロキシフェ
ニル)メタン類の製造方法。 【効果】 ヘテロポリ酸又はその塩の腐食性が少なく、
また活性低下が小さく工業的に使用が容易であり、反応
で副次的に生成した水で反応速度が低下することがな
い。またビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の中で
も、エポキシ樹脂の特性を向上させるのに有用なビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタンの生成量を選択的に
高めることができる。さらに、酸触媒であるヘテロポリ
酸又はその塩を容易に分離回収することができ、次の反
応に再利用することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】ビス(ヒドロキシフェニル)メタ
ン類の製造方法に関する。
ン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類
は、一般的には、回分式反応又は連続式で、酸触媒の存
在下に過剰のフェノール類とアルデヒドを反応させて製
造されており、酸触媒として、塩酸、硫酸、リン酸等の
無機酸を用いる方法、アルミノシリケート等の固体酸を
用いる方法、シュウ酸を用いる方法、酸性イオン交換樹
脂を用いる方法などが知られている。
は、一般的には、回分式反応又は連続式で、酸触媒の存
在下に過剰のフェノール類とアルデヒドを反応させて製
造されており、酸触媒として、塩酸、硫酸、リン酸等の
無機酸を用いる方法、アルミノシリケート等の固体酸を
用いる方法、シュウ酸を用いる方法、酸性イオン交換樹
脂を用いる方法などが知られている。
【0003】しかしながら、上記無機酸を用いる方法で
は、反応終了後に酸触媒を分離除去するための大規模の
精製設備が必要になるという欠点があり、またこれらの
無機酸は、腐食性を有するので、製造装置に耐蝕性が高
いものを用いなければならないという問題点があった。
酸触媒としてシュウ酸を用いる方法では、腐食性を有す
るという問題に加え、ビス(ヒドロキシフェニル)メタ
ン類の中でも、エポキシ樹脂の特性を向上させるのに有
用なビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン類の生成量
が低いという欠点があった。
は、反応終了後に酸触媒を分離除去するための大規模の
精製設備が必要になるという欠点があり、またこれらの
無機酸は、腐食性を有するので、製造装置に耐蝕性が高
いものを用いなければならないという問題点があった。
酸触媒としてシュウ酸を用いる方法では、腐食性を有す
るという問題に加え、ビス(ヒドロキシフェニル)メタ
ン類の中でも、エポキシ樹脂の特性を向上させるのに有
用なビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン類の生成量
が低いという欠点があった。
【0004】固体酸を用いる方法、例えば特開昭63−
115803号公報に記載された高シリカゼオライトを
用いる方法では、触媒が低活性で失活も顕著であり、ま
た高分子量の生成物が多いという欠点があった。酸性イ
オン交換樹脂を用いる方法、例えば特公昭36−233
34号公報に記載された方法では、触媒寿命が短く、し
かも、得られるビス(ヒドロキシフェニル)メタン類と
等モル生成する水が、触媒機能を急激に低下させるとい
う欠点があった。
115803号公報に記載された高シリカゼオライトを
用いる方法では、触媒が低活性で失活も顕著であり、ま
た高分子量の生成物が多いという欠点があった。酸性イ
オン交換樹脂を用いる方法、例えば特公昭36−233
34号公報に記載された方法では、触媒寿命が短く、し
かも、得られるビス(ヒドロキシフェニル)メタン類と
等モル生成する水が、触媒機能を急激に低下させるとい
う欠点があった。
【0005】さらに、従来のビス(ヒドロキシフェニ
ル)メタン類の製造方法では、用いた酸触媒を回収する
のが困難であり、また回収し得たとしても、触媒の活性
が低下し、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造
に再利用することができないという欠点があった。
ル)メタン類の製造方法では、用いた酸触媒を回収する
のが困難であり、また回収し得たとしても、触媒の活性
が低下し、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造
に再利用することができないという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フェ
ノール類とアルデヒドとを反応させてビス(ヒドロキシ
フェニル)メタン類を製造するに際し、特殊な耐食性の
反応装置を用いなくてもよく、有用なビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン類を主生成物として得ることがで
き、さらに酸触媒を再利用することができるビス(ヒド
ロキシフェニル)メタン類の製造方法を提供することに
ある。
ノール類とアルデヒドとを反応させてビス(ヒドロキシ
フェニル)メタン類を製造するに際し、特殊な耐食性の
反応装置を用いなくてもよく、有用なビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン類を主生成物として得ることがで
き、さらに酸触媒を再利用することができるビス(ヒド
ロキシフェニル)メタン類の製造方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、フェノール類
と脂肪族アルデヒド又は芳香族アルデヒドとを、不活性
溶媒及び水からなる混合溶媒中で、ヘテロポリ酸又はそ
の水溶性塩の存在下に反応させ、反応混合物の有機層か
ら次式(I):
と脂肪族アルデヒド又は芳香族アルデヒドとを、不活性
溶媒及び水からなる混合溶媒中で、ヘテロポリ酸又はそ
の水溶性塩の存在下に反応させ、反応混合物の有機層か
ら次式(I):
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1 は、それぞれ水素原子、アル
キル基又はハロゲン原子を表し、R2は水素原子、アル
キル基、アリール基又はアラールキル基を表す)で示さ
れるビス(ヒドロキシフェニル)メタン類を得、水相か
らヘテロポリ酸又はその水溶性塩を回収し、回収したヘ
テロポリ酸又はその水溶性塩を、フェノール類とアルデ
ヒドの反応に再利用することを特徴とするビス(ヒドロ
キシフェニル)メタン類の製造方法である。
キル基又はハロゲン原子を表し、R2は水素原子、アル
キル基、アリール基又はアラールキル基を表す)で示さ
れるビス(ヒドロキシフェニル)メタン類を得、水相か
らヘテロポリ酸又はその水溶性塩を回収し、回収したヘ
テロポリ酸又はその水溶性塩を、フェノール類とアルデ
ヒドの反応に再利用することを特徴とするビス(ヒドロ
キシフェニル)メタン類の製造方法である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
得られるビス(ヒドロキシフェニル)メタン類は、上記
式(I)で示され、R2 のアルキル基としては、メチ
ル、エチル、プロピル等を挙げることができ、アリール
基としては、フェニル基又はアルキル、ハロゲン等の置
換基を有するフェニル基を挙げることができ、アラルキ
ル基としてはベンジル等を挙げることができる。
得られるビス(ヒドロキシフェニル)メタン類は、上記
式(I)で示され、R2 のアルキル基としては、メチ
ル、エチル、プロピル等を挙げることができ、アリール
基としては、フェニル基又はアルキル、ハロゲン等の置
換基を有するフェニル基を挙げることができ、アラルキ
ル基としてはベンジル等を挙げることができる。
【0011】本発明に用いるフェノール類としては、ヒ
ドロキシル基に対してパラ位に置換基を有しない限り特
に制限はなく、例えばフェノール、及びオルト位及び/
又はメタ位に置換基を有するフェノール誘導体を挙げる
ことができる。置換基としては、アルキル基、ハロゲン
原子等を挙げることができる。中でも好ましいのは、フ
ェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、o−クロ
ロフェノール、m−クロロフェノール、2,6−キシレ
ノールである。
ドロキシル基に対してパラ位に置換基を有しない限り特
に制限はなく、例えばフェノール、及びオルト位及び/
又はメタ位に置換基を有するフェノール誘導体を挙げる
ことができる。置換基としては、アルキル基、ハロゲン
原子等を挙げることができる。中でも好ましいのは、フ
ェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、o−クロ
ロフェノール、m−クロロフェノール、2,6−キシレ
ノールである。
【0012】フェノール類の使用量は、後述するアルデ
ヒド1モルに対し、2〜50モル、好ましくは5〜30
モルである。使用量が2モル未満のときには、高分子量
の生成物の量が増加する場合があり、50モルを超える
ときには、使用量の増加分に見合う、高分子量生成物の
生成を抑制する効果を奏しない場合がある。本発明に用
いるアルデヒドとしては、脂肪族又は芳香族アルデヒド
を用いることができる。
ヒド1モルに対し、2〜50モル、好ましくは5〜30
モルである。使用量が2モル未満のときには、高分子量
の生成物の量が増加する場合があり、50モルを超える
ときには、使用量の増加分に見合う、高分子量生成物の
生成を抑制する効果を奏しない場合がある。本発明に用
いるアルデヒドとしては、脂肪族又は芳香族アルデヒド
を用いることができる。
【0013】脂肪族アルデヒドとしては、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチ
ルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等を挙げるこ
とができ、中でもホルムアルデヒド、アセトアルデヒド
が好ましい。芳香族アルデヒドとしては、ベンズアルデ
ヒド、トルアルデヒド、クロロベンズアルデヒド等を挙
げることができ、中でもベンズアルデヒドが好ましい。
本発明に用いる不活性溶媒としては、後述するヘテロポ
リ酸又はその水溶性塩を溶解しない不活性溶媒であれば
特に制限はないが、ベンゼン及びベンゼン誘導体が好ま
しい。
ヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチ
ルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等を挙げるこ
とができ、中でもホルムアルデヒド、アセトアルデヒド
が好ましい。芳香族アルデヒドとしては、ベンズアルデ
ヒド、トルアルデヒド、クロロベンズアルデヒド等を挙
げることができ、中でもベンズアルデヒドが好ましい。
本発明に用いる不活性溶媒としては、後述するヘテロポ
リ酸又はその水溶性塩を溶解しない不活性溶媒であれば
特に制限はないが、ベンゼン及びベンゼン誘導体が好ま
しい。
【0014】ベンゼン誘導体としては、メチシレン、キ
シレン、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン等を挙げ
ることができる。不活性溶媒の使用量は、フェノール類
1モルに対し、0.1〜5モルが好ましく、さらに好ま
しくは0.5〜2モルである。不活性溶媒の使用量が
0.1モル未満のときには、反応後の回収原料や生成物
と、後述するヘテロポリ酸又はその水溶性塩の分離が不
完全になる場合があり、また生成したビス(ヒドロキシ
フェニル)メタン類が析出し、分離が困難になる場合が
ある。また使用量が5モルを超えるときには、製造装置
の大きさや加熱、撹拌等の効率が悪くなるため好ましく
ない。
シレン、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン等を挙げ
ることができる。不活性溶媒の使用量は、フェノール類
1モルに対し、0.1〜5モルが好ましく、さらに好ま
しくは0.5〜2モルである。不活性溶媒の使用量が
0.1モル未満のときには、反応後の回収原料や生成物
と、後述するヘテロポリ酸又はその水溶性塩の分離が不
完全になる場合があり、また生成したビス(ヒドロキシ
フェニル)メタン類が析出し、分離が困難になる場合が
ある。また使用量が5モルを超えるときには、製造装置
の大きさや加熱、撹拌等の効率が悪くなるため好ましく
ない。
【0015】水の使用量は、後述するヘテロポリ酸又は
その水溶性塩を溶解させることができる限り特に制限は
ないが、ヘテロポリ酸又はその水溶性塩1モルに、40
〜10,000モルが好ましく、さらに好ましくは50
〜2,000モルである。水の使用量が40モル未満の
ときには、反応後の回収原料や生成物と、後述するヘテ
ロポリ酸又はその水溶性塩の分離が不完全になる場合が
あり、10,000モルを超えるときには、反応速度が
低下する場合があると共に、上記と同様に分離が不完全
になる場合がある。
その水溶性塩を溶解させることができる限り特に制限は
ないが、ヘテロポリ酸又はその水溶性塩1モルに、40
〜10,000モルが好ましく、さらに好ましくは50
〜2,000モルである。水の使用量が40モル未満の
ときには、反応後の回収原料や生成物と、後述するヘテ
ロポリ酸又はその水溶性塩の分離が不完全になる場合が
あり、10,000モルを超えるときには、反応速度が
低下する場合があると共に、上記と同様に分離が不完全
になる場合がある。
【0016】本発明に用いるヘテロポリ酸としては、モ
リブデン、タングステン、ニオブ及びバナジウムからな
る群より選択された少なくとも1種の酸化物と、リン、
ケイ素、ヒ素又はゲルマニウムの酸素酸の縮合した酸で
あり、酸素酸に対する酸化物のモル比が、2.5〜12
のものが好ましい。具体例としては、リンタングステン
酸、リンモリブデン酸、リンモリブドタングステン酸、
リンモリブドバナジン酸、リンモリブドニオブ酸、ケイ
タングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイモリブドタン
グステン酸、ケイモリブドタングストバナジン酸、ゲル
マニウムタングステン酸、ヒ素モリブデン酸、ヒ素タン
グステン酸等を挙げることができ、中でも好ましいの
は、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモ
リブデン酸である。このようなヘテロポリ酸は、還元状
態でもよく、また結晶水の有無は問わない。
リブデン、タングステン、ニオブ及びバナジウムからな
る群より選択された少なくとも1種の酸化物と、リン、
ケイ素、ヒ素又はゲルマニウムの酸素酸の縮合した酸で
あり、酸素酸に対する酸化物のモル比が、2.5〜12
のものが好ましい。具体例としては、リンタングステン
酸、リンモリブデン酸、リンモリブドタングステン酸、
リンモリブドバナジン酸、リンモリブドニオブ酸、ケイ
タングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイモリブドタン
グステン酸、ケイモリブドタングストバナジン酸、ゲル
マニウムタングステン酸、ヒ素モリブデン酸、ヒ素タン
グステン酸等を挙げることができ、中でも好ましいの
は、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモ
リブデン酸である。このようなヘテロポリ酸は、還元状
態でもよく、また結晶水の有無は問わない。
【0017】ヘテロポリ酸の水溶性塩としては、ヘテロ
ポリ酸のプロトンをアルカリ金属、アルカリ土類金属、
遷移金属、希土類元素等のカチオンで置換した塩を挙げ
ることができ、中でも、Li+ 、Na+ 、Ag+ 、Mg2+、C
a2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+、Pd2+、Al3+、Cr3+、Fe
3+、La3+及びCe3+が好ましい。
ポリ酸のプロトンをアルカリ金属、アルカリ土類金属、
遷移金属、希土類元素等のカチオンで置換した塩を挙げ
ることができ、中でも、Li+ 、Na+ 、Ag+ 、Mg2+、C
a2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+、Pd2+、Al3+、Cr3+、Fe
3+、La3+及びCe3+が好ましい。
【0018】ヘテロポリ酸又はその水溶性塩の使用量
は、アルデヒド1モルに対し、0.0001〜1モルが
好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.3モルで
ある。ヘテロポリ酸の使用量が0.0001未満のとき
には、反応速度が遅くなる場合があり、1モルを超えて
も増加分に見合う効果を奏しない場合がある。
は、アルデヒド1モルに対し、0.0001〜1モルが
好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.3モルで
ある。ヘテロポリ酸の使用量が0.0001未満のとき
には、反応速度が遅くなる場合があり、1モルを超えて
も増加分に見合う効果を奏しない場合がある。
【0019】反応圧力は、常圧〜5気圧が好ましい。反
応温度は、15〜120℃、好ましくは25〜60℃で
ある。反応温度が、15℃未満のときには、触媒の活性
が低下する場合があり、120℃を超えるときには、2
−ヒドロキシフェニル−4−ヒドロキシフェニルメタン
類やビス(2−ヒドロキシフェニル)類等が生成し、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)メタン類の生成率が低下
する場合があるので好ましくない。
応温度は、15〜120℃、好ましくは25〜60℃で
ある。反応温度が、15℃未満のときには、触媒の活性
が低下する場合があり、120℃を超えるときには、2
−ヒドロキシフェニル−4−ヒドロキシフェニルメタン
類やビス(2−ヒドロキシフェニル)類等が生成し、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)メタン類の生成率が低下
する場合があるので好ましくない。
【0020】反応時間は、触媒量、反応時間及び後述す
る反応形式により、一概に決定できないが、例えば、撹
拌槽型の場合には、0.02〜10時間が好ましい。混
合方法としては、撹拌、浸透のいずれでもよい。このよ
うに反応させた後、得られた反応混合物を静置し、有機
相と水相に分離する。得られた有機相から、常法により
ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類を回収する。ビス
(ヒドロキシフェニル)メタン類を回収する方法として
は、例えば、フェノール類、低沸点生成物及び水等を蒸
留分離し、粗ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類を回
収し、次いで、蒸留、晶析、クロマトグラフィー等の公
知の方法により精製する方法を挙げることができる。
る反応形式により、一概に決定できないが、例えば、撹
拌槽型の場合には、0.02〜10時間が好ましい。混
合方法としては、撹拌、浸透のいずれでもよい。このよ
うに反応させた後、得られた反応混合物を静置し、有機
相と水相に分離する。得られた有機相から、常法により
ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類を回収する。ビス
(ヒドロキシフェニル)メタン類を回収する方法として
は、例えば、フェノール類、低沸点生成物及び水等を蒸
留分離し、粗ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類を回
収し、次いで、蒸留、晶析、クロマトグラフィー等の公
知の方法により精製する方法を挙げることができる。
【0021】分離したヘテロポリ酸又はその水溶性塩を
含有する水相は、繰り返し反応に用いられる。この際、
分離した水相をそのまま用いてもよいし、また必要によ
り、濃縮して用いてもよい。
含有する水相は、繰り返し反応に用いられる。この際、
分離した水相をそのまま用いてもよいし、また必要によ
り、濃縮して用いてもよい。
【0022】
実施例1 1段目:500ml容ガラス製三つ口丸底フラスコに、リ
ンタングステン酸(H3PW12O40・25H2O )16.67g
(5.00mmol)と蒸留水78.09g を投入し、室温
で撹拌して無色透明の水溶液を得た。これにメシチレン
86.99g (714mmol)、フェノール1.00g 及
び37%ホルマリン4.05g (ホルムアルデヒドとし
て50mmol含有)を加え、得られた2相混合物中の水の
含有量(リンタングステン酸の結晶水を含む)が5mmol
になるように調整した。
ンタングステン酸(H3PW12O40・25H2O )16.67g
(5.00mmol)と蒸留水78.09g を投入し、室温
で撹拌して無色透明の水溶液を得た。これにメシチレン
86.99g (714mmol)、フェノール1.00g 及
び37%ホルマリン4.05g (ホルムアルデヒドとし
て50mmol含有)を加え、得られた2相混合物中の水の
含有量(リンタングステン酸の結晶水を含む)が5mmol
になるように調整した。
【0023】次に、これを窒素雰囲気下に激しく撹拌し
ながら、油浴で還流温度(97℃)まで加熱し、6時間
反応させた後、静置し、有機相及び水相に含有する生成
物の収率(用いたホルムアルデヒド基準)を求めた。ま
た有機相及び水相中に溶存するリンタングステン酸を定
量した。結果を表1に示す。
ながら、油浴で還流温度(97℃)まで加熱し、6時間
反応させた後、静置し、有機相及び水相に含有する生成
物の収率(用いたホルムアルデヒド基準)を求めた。ま
た有機相及び水相中に溶存するリンタングステン酸を定
量した。結果を表1に示す。
【0024】2〜4段目:前段で得られた反応混合物か
ら分離した、リンタングステン酸を含有する水溶液に、
フェノール、ホルムアルデヒド、水及びメチシレンを、
リンタングステン酸基準で1段目と同じモル比になるよ
うに加え、窒素雰囲気下に激しく撹拌しながら、油浴で
還流温度(97℃)まで加熱し、6時間反応させた。得
られた反応混合物を静置し、有機相及び水相に含有する
生成物の収率(用いたホルムアルデヒド基準)を求め
た。また有機相及び水相中に溶存するリンタングステン
酸を定量した。結果を表1に示す。
ら分離した、リンタングステン酸を含有する水溶液に、
フェノール、ホルムアルデヒド、水及びメチシレンを、
リンタングステン酸基準で1段目と同じモル比になるよ
うに加え、窒素雰囲気下に激しく撹拌しながら、油浴で
還流温度(97℃)まで加熱し、6時間反応させた。得
られた反応混合物を静置し、有機相及び水相に含有する
生成物の収率(用いたホルムアルデヒド基準)を求め
た。また有機相及び水相中に溶存するリンタングステン
酸を定量した。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】実施例2 リンタングステン酸に代えて、リンタングステン酸ナト
リウム(Na1.5H1.5PW12O40・5H2O )15.02g (5.
00mmol)を用いた他は、実施例1と同様にして、1〜
3段まで実施し、生成物の収率及びリンタングステン酸
ナトリウム量を求めた。結果を表2に示す。
リウム(Na1.5H1.5PW12O40・5H2O )15.02g (5.
00mmol)を用いた他は、実施例1と同様にして、1〜
3段まで実施し、生成物の収率及びリンタングステン酸
ナトリウム量を求めた。結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明の製造方法は、ヘテロポリ酸又は
その塩の腐食性が少なく、また活性低下が小さく工業的
に使用が容易であり、反応で副次的に生成した水で反応
速度が低下することがない。またビス(ヒドロキシフェ
ニル)メタン類の中でも、エポキシ樹脂の特性を向上さ
せるのに有用なビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン
の生成量を選択的に高めることができる。さらに、酸触
媒であるヘテロポリ酸又はその塩を容易に分離回収する
ことができ、次の反応に再利用することができる。
その塩の腐食性が少なく、また活性低下が小さく工業的
に使用が容易であり、反応で副次的に生成した水で反応
速度が低下することがない。またビス(ヒドロキシフェ
ニル)メタン類の中でも、エポキシ樹脂の特性を向上さ
せるのに有用なビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン
の生成量を選択的に高めることができる。さらに、酸触
媒であるヘテロポリ酸又はその塩を容易に分離回収する
ことができ、次の反応に再利用することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 フェノール類と脂肪族アルデヒド又は芳
香族アルデヒドとを、不活性溶媒及び水からなる混合溶
媒中で、ヘテロポリ酸又はその水溶性塩の存在下に反応
させ、反応混合物の有機層から次式(I): 【化1】 (式中、R1 は、それぞれ水素原子、アルキル基又はハ
ロゲン原子を表し、R2は水素原子、アルキル基、アリ
ール基又はアラールキル基を表す)で示されるビス(ヒ
ドロキシフェニル)メタン類を得、水相からヘテロポリ
酸又はその水溶性塩を回収し、回収したヘテロポリ酸又
はその水溶性塩を、フェノール類とアルデヒドの反応に
再利用することを特徴とするビス(ヒドロキシフェニ
ル)メタン類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4240286A JPH0687775A (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP4240286A JPH0687775A (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0687775A true JPH0687775A (ja) | 1994-03-29 |
Family
ID=17057226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP4240286A Pending JPH0687775A (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0687775A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06211715A (ja) * | 1993-01-22 | 1994-08-02 | Mitsui Toatsu Chem Inc | ビスフェノールfの製造方法 |
JP2007023016A (ja) * | 2005-06-16 | 2007-02-01 | Taoka Chem Co Ltd | フルオレン誘導体の製造方法 |
US8399039B2 (en) | 2007-11-29 | 2013-03-19 | Nestec S.A. | Shelf stable liquid whitener and process of making thereof |
WO2015041614A1 (en) * | 2013-09-20 | 2015-03-26 | Aditya Birla Chemicals (Thailand) Ltd | Improved manufacturing process for dihydroxydiphenylmethane with high selectivity for 2,4'- dihydroxydiphenylmethane |
CN105461519A (zh) * | 2015-11-06 | 2016-04-06 | 江南大学 | 一种新型环氧树脂前质体双酚f |
-
1992
- 1992-09-09 JP JP4240286A patent/JPH0687775A/ja active Pending
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US10683250B2 (en) | 2013-09-20 | 2020-06-16 | Aditya Birla Chemicals (Thailand) Ltd. | Manufacturing process for dihydroxydiphenylmethane with high selectivity for 2,4′-dihydroxydiphenylmethane |
CN105461519A (zh) * | 2015-11-06 | 2016-04-06 | 江南大学 | 一种新型环氧树脂前质体双酚f |
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