[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPH0686933A - メタクリル酸製造用触媒の製造方法 - Google Patents

メタクリル酸製造用触媒の製造方法

Info

Publication number
JPH0686933A
JPH0686933A JP4240400A JP24040092A JPH0686933A JP H0686933 A JPH0686933 A JP H0686933A JP 4240400 A JP4240400 A JP 4240400A JP 24040092 A JP24040092 A JP 24040092A JP H0686933 A JPH0686933 A JP H0686933A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
methacrylic acid
ammonium
sulfate
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4240400A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3316881B2 (ja
Inventor
Koichi Nagai
功一 永井
Seiichi Hamano
誠一 浜野
Yoshihiko Nagaoka
義彦 長岡
Toshiaki Ui
利明 宇井
Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP24040092A priority Critical patent/JP3316881B2/ja
Publication of JPH0686933A publication Critical patent/JPH0686933A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3316881B2 publication Critical patent/JP3316881B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高い反応活性、選択性及び長い触媒寿命を有
するメタクリル酸製造用触媒の提供。 【構成】 一般式 PaMobVcAsdXeYfOg (式中、P、Mo、V、As、Oはそれぞれリン、モリ
ブデン、バナジウム、ヒ素及び酸素を表し、Xはカリウ
ム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より
選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Yは銅、銀、ビ
スマス、鉄、コバルト、アンチモン、ランタン及びセリ
ウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表
す)で示され、実質的にアンモニウム根及び硫酸根を含
有しないヘテロポリ酸の部分中和塩からなるメタクリル
酸製造用触媒を製造する際に、全ての触媒原料を水に溶
解又は懸濁させた溶液のpHが3〜9の範囲になるよう
にアンモニウム根及び硫酸根を存在させ、該溶液を濃縮
乾燥して得られる固体を不活性ガス雰囲気下に400〜
500℃で焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は気相接触酸化によるメタ
クリル酸の製造に用いられるヘテロポリ酸系触媒の製造
方法に関する。詳しくはメタクロレイン、イソブタン等
を分子状酸素で気相接触酸化してメタクリル酸を製造す
るために用いられるヘテロポリ酸系触媒の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】メタクロレインを気相接触酸化してメタ
クリル酸を製造するための触媒は種々提案されており
(特開昭50−101316号、特開昭50−1425
10号、特開昭59−4445号等)、既にその一部は
工業的規模の生産に用いられている。またイソ酪酸の酸
化脱水素(特開昭57−72936号等)、イソブチル
アルデヒドの酸化(特開昭57−144238号等)に
よりメタクリル酸を製造するための触媒も良く知られて
いる。
【0003】更に、イソブチレン又は第三級ブタノール
を酸化してメタクリル酸、メタクロレインを作るための
触媒(特開昭55−127328号)、最近ではイソブ
タンを直接酸化してメタクリル酸、メタクロレインを得
るための触媒(特開平2−42032号,特開平3−6
3139号等)も提案されている。
【0004】これらの反応に用いられる触媒としては、
モリブデン及びリンを主成分とするヘテロポリ酸及び又
はその塩の構造を有し、又バナジウムによるモリブデン
の一部置換、銅、アンチモン、ヒ素等の助触媒成分の添
加が有効であることが知られている。
【0005】調製法に関しては、カルボン酸等の添加
(特開昭51−136615号)、ピリジン類の添加
(特開昭57−177347号)、キノリン類の添加
(特開昭60−209258号)、硝酸アンモニウムの
添加(特開昭57−165040号)等各種添加物の使
用、硝酸根を含まない原料を使用し80℃以上の温度で
スラリーを熟成する方法(特開昭59−12758
号)、また不活性ガス雰囲気焼成(特開昭57−165
040号)、アンモニア及び水蒸気雰囲気焼成(特開昭
58−61833号)等の焼成法など種々の改良がなさ
れてきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の知られている触媒系の問題点は、既に実用化されてい
るメタクロレインの酸化においても反応収率(活性と選
択性)と触媒寿命の両者を満足させる点で必ずしも十分
でないことである。例えばアクロレインからアクリル酸
を製造するためのMo−V系複合酸化物触媒に比べ、反
応の選択性が悪いばかりでなく反応活性と寿命も悪く、
従って大量の触媒が必要となり設備費用と触媒コストの
負担が大きいのが現状である。イソブタン、イソ酪酸な
どを原料とする場合も未だに工業化できていないのは触
媒の性能が十分でないことが大きな理由の一つである。
本発明の課題は現状の触媒を改良して、より高い反応活
性、選択性と、長い触媒寿命を合わせもつ触媒を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を達成するために、ヘテロポリ酸系の触媒の改良につい
て鋭意検討した結果、特定の方法で調製した触媒が上記
の目的を達成することを見い出し本発明に到達したもの
である。
【0008】すなわち本発明は、一般式 PaMobVcAsdXeYfOg (式中、P、Mo、V、As、Oはそれぞれリン、モリ
ブデン、バナジウム、ヒ素及び酸素を表し、Xはカリウ
ム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より
選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Yは銅、銀、ビ
スマス、鉄、コバルト、アンチモン、ランタン及びセリ
ウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表
し、また添字a、b、c、d、e、f及びgは各元素の
原子比を表し、b=12としたとき、a、c及びeは0
(ゼロ)を含まない3以下の値、d及びfは0(ゼロ)
を含む3以下の値、gは他の元素の原子価及び原子比に
よって決まる値である)で示され、実質的にアンモニウ
ム根及び硫酸根を含有しないヘテロポリ酸の部分中和塩
からなるメタクリル酸製造用触媒を製造する際に、全て
の触媒原料を水に溶解又は懸濁させた溶液のpHが3〜
9の範囲になるようにアンモニウム根及び硫酸根を存在
させ、該溶液を濃縮乾燥して得られる固体を不活性ガス
雰囲気下に400〜500℃で焼成することを特徴とす
るメタクリル酸製造用触媒の製造方法である。
【0009】本発明の触媒の基本的な構造は、従来から
よく知られているリンモリブデン酸のカリウム、ルビジ
ウム、セシウム、タリウムによる部分中和塩であるが、
更に必須成分としてバナジウムを含んでいる。ヒ素はメ
タクリル酸選択性の向上に有効であり、この目的のため
に添加することが推奨される。またY元素も反応活性や
選択性の向上に効果があり含まれている方が望ましい。
中でも銅を選択した場合はその効果が大きい。
【0010】これらの元素の組み合わせについては既に
公知であるが、触媒の性能についてはその組成と共に原
料、添加物、焼成法などの調製法によるところが大き
く、本発明の特定の調製条件を採用することにより更に
高性能な触媒となる。
【0011】本発明の一つの要件は、触媒前駆体を調製
する水溶液、懸濁物の段階でアンモニウム根及び硫酸根
を含んでいることである。このことは調製原料としてア
ンモニウム及び硫酸根を含むものを用いることにより容
易に達成できる。
【0012】モリブデン及びアンモニウムの原料として
モリブデン酸アンモニウムを用いることが好ましい。酸
化モリブデン、リンモリブデン酸等を用いる場合にはア
ンモニウム根が所定の範囲に入るようにアンモニア等を
添加する必要がある。バナジウム原料としてはメタバナ
ジン酸アンモニウム、五酸化バナジウム等が使用でき
る。リン及びヒ素はリン酸、ヒ酸を用いるのが一般的で
あるがリン酸アンモニウム、ヒ酸アンモニウム又はリン
酸銅など他の必須成分との塩等の形で用いてもよい。硫
酸根はカリウム等のX成分及び/又は銅等のY成分の硫
酸塩の形で導入することが便利である。もちろん硫酸、
硫酸アンモニウムなどを添加することもできる。硫酸根
が原料の何れかに存在すれば、他のX成分及びY成分は
硝酸塩、塩化物、炭酸塩、水酸化物、燐酸塩等を用いる
こともできる。
【0013】これらの原料をそれぞれ水に溶解または懸
濁し混合した液は、通常、懸濁液となっている。この溶
液はそのpHが約3〜9の範囲にあることが必要であ
り、この溶液を蒸発乾固して得た固体は、P:Moの比
が1:9のいわゆるドーソン型のヘテロポリ酸の塩が主
成分となっている。アンモニウム塩を用いないか、硫酸
根が多すぎて溶液のpHが3より小さくなると蒸発乾固
の段階からP:Moの比が1:12のいわゆるケギン構
造の塩となっており、この場合は本発明のような活性の
高い触媒が得られない。アンモニウム根が相対的に多過
ぎるなどpHが9より大きい場合には、前駆体のポリ酸
の形成が難しくやはり活性が低下する。アンモニウム
根、硫酸根はモリブデン12モルに対して、それぞれ6
〜18モル、0.1〜3モル存在させることが好まし
い。
【0014】一般に用いられる硝酸塩などに比べ、なぜ
硫酸塩を用いた方が高性能な触媒が得られるのかその理
由ははっきりしないが、懸濁液中の結晶粒子径がより小
さくなる傾向が観測されている。
【0015】また次に述べる焼成工程において硫酸アン
モニウムなどの成分が揮散する際の細孔形成に有利であ
ると考えられる。更に、成形の際、メトキシセルロー
ス、ポリビニルアルコール等の有機成形助材を添加する
場合、硝酸アンモニウムが共存すると焼成時に大きな発
熱を伴う恐れがあるが、硫酸アンモニウム共存の場合は
このような問題が無いことでも有利である。
【0016】この溶液を約80℃〜250℃の温度で1
時間以上、より好ましくは密閉加圧容器を用いて約11
0℃〜200℃の温度で加熱処理をする方が好ましい。
加熱処理を行わないか、加熱温度が約80℃以下の場合
は、メタクリリ酸への転化率が低い触媒になる。また2
50℃以上にしてもそれに見合った効果は得られない。
処理時間は特に制限されないが、通常、1〜24時間で
ある。この段階で何らかの固液の反応が進行し最終的に
得られた触媒の活性がより高くなる。
【0017】懸濁液はろ過して固形分を分離してもよい
が、通常は約100〜150℃の温度で濃縮乾燥する。
得られる固体は、アンモニウム根と硫酸根とを含んでい
るが、アンモニウムの一部はドーソン型ヘテロポリ酸の
塩を形成している。また硫酸根の存在状態については不
明であるが少なくともその一部は硫酸アンモニウムを形
成していると推定される。乾燥後の固体はこのままでは
殆ど活性がないので焼成して活性化する必要がある。焼
成の段階で、約200〜300℃の間でドーソン型から
ケギン型への結晶転移が起こり、また370℃までに遊
離の硫酸アンモニウム等の成分が除去されるが、これだ
けではまだ活性が低い。急激な焼成による触媒活性及び
強度への悪影響を避けるために、不活性ガス雰囲気中で
焼成して活性化する前に、予め約350〜370℃まで
の温度で徐々に焼成するのが好ましい。
【0018】活性化は不活性ガス雰囲気中で約400〜
500℃、好ましくは約420〜450℃の温度で約1
〜10時間焼成して行われる。通常行われているように
空気中で焼成した場合は、400℃以上ではヘテロポリ
酸の分解、焼結が起こって活性が低くなり、400℃以
下ではアンモニウム根および硫酸根が多く残ってしまう
ためにやはり活性が低い。不活性ガス中で400℃以上
の温度で焼成することによりヘテロポリ酸の構造を破壊
すること無く実質的に全てのアンモニウム根及び硫酸根
を取り除くことが出来る。不活性ガス雰囲気中で焼成
後、空気中で約400℃以下で焼成しても良い。
【0019】特開昭54−144311号及び特開昭5
7−11895号には、触媒調製原料として硫酸塩を用
い、硫酸根又はイオウ成分を触媒成分として含むものが
開示されているが、焼成後の触媒にイオウ分を含んでい
る点で本発明とは明らかに異なるものである。
【0020】不活性ガス中で焼成したものはやや還元状
態になっているので、更に空気中で約400℃以下の温
度で焼成し再酸化して反応に用いてもよい。
【0021】本発明の触媒はメタクロレイの酸化をはじ
め種々の反応に用いられるが、使用に当たっては触媒単
味、或いはアルミナ、シリカ、シリコンカーバイド等の
担体に担持又は希釈混合した形で用いられ、固定床の場
合は円柱状、球状、リング状等に成形して用いられる。
流動床、移動床等の反応形式で用いることもできる。
【0022】本発明で得られる触媒を用いて、メタクロ
レインを気相で接触酸化してメタクリル酸を製造する場
合、使用される原料としては必ずしも純粋のメタクロレ
インである必要はなく、イソブチレンやターシャリーブ
タノールを気相接触酸化して得られたメタクロレイン含
有ガスでも、また液相法で得られたメタクロレインを気
化したものでもよい。酸素源は純粋な酸素でもよいが、
工業的には空気が使用される。
【0023】その他の希釈ガスとしては、窒素、二酸化
炭素、一酸化炭素、水蒸気等を用いることができる。反
応原料ガス中のメタクロレイン濃度は約1〜10%、メ
タクロレインに対する酸素の比は約1〜5程度が用いら
れる。原料ガスの空間速度は約500〜5000h-1
範囲、反応温度は約260〜340℃程度が好ましい。
反応圧力は通常、常圧付近又は若干の加圧下で行なわれ
る。
【0024】また本発明で得られる触媒を用いて、イソ
ブタンを直接酸化してメタクリル酸、メタクロレインを
製造する場合は、原料ガス中のイソブタン濃度は約15
%以上の高濃度の方がよい。酸素源としては、純酸素、
酸素富化空気、空気などが用いられる。イソブタンに対
する酸素の比は約0.2〜2程度が適当である。
【0025】反応ガス中には水蒸気を約3〜30%の範
囲で含有させることが望ましい。原料ガス中には窒素、
二酸化炭素、一酸化炭素などが希釈ガスとして含まれて
いてもよい。この反応では転化率をそれほど高くできな
いので、未反応イソブタン及び場合により酸素は回収し
て再循環される。
【0026】副生メタクロレンは再循環するか別の反応
器に導きメタクリル酸まで酸化する。空間速度は約30
0〜3000h-1、反応温度は約270〜340℃程度
が好ましい。反応圧力は、通常、常圧又は加圧下で行な
われる。
【0027】本発明で得られる触媒は、イソ酪酸の酸化
脱水素、イソブチルアルデヒドの酸化によるメタクリル
酸の製造にも用いることができる。またイソブチレンか
ら一段でメタクリル酸を製造する際にも用いることが可
能である。これらの反応では、メタクロレイの酸化と同
様な反応条件が採用できる。
【0028】
【発明の効果】本発明の触媒はメタクリル酸の製造にお
いて、高い反応活性、選択性及び長い触媒寿命を有して
いる。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。転化率、及び選択率の定義は下記の
通りである。 転化率(%)=〔(反応した原料の炭素原子モル数)×
100〕÷(供給した原料の炭素原子モル数) 選択率(%)=〔(生成した生成物の炭素原子モル数)
×100〕÷(反応した原料の炭素原子モル数)
【0030】実施例1 イオン交換水330mlにモリブデン酸アンモニウム
((NH4 6 Mo7 24・4H2 O)296.5g及
びメタバナジン酸アンモニウム(NH4 VO3 )8.1
9gを溶解した液に、85%リン酸(H3 PO4 )2
4.2g,60%ヒ酸水溶液(H3 AsO4 )13.3
g,50%硫酸セシウム水溶液(Cs2 SO 4 )70.
3g及び硫酸銅(CuSO4 ・5H2 O)10.5gを
イオン交換水225ml溶解したものを加え、混合し
た。得られたスラリー中にはMo12モルあたりアンモ
ニウム根10.8モル,硫酸根1モルが含まれおり、p
Hは約6.0であった。
【0031】このスラリーをロータリーエバポレーター
で濃縮し、電気炉中120℃で乾燥した。この段階の乾
固物は、X線回折では2θ(CuKα)が9.6゜、1
1.1゜、12.4゜、15.5゜、19.1゜、2
0.7゜、22.7゜、25.9゜、27.6゜等にピ
ークをもち、いわゆるドーソン型のヘテロポリ酸塩の構
造をしている。
【0032】これを粉砕し,水を加えて金型で直径5m
m、長さ7mm程度に押し出し成形し,次いで空気中3
20℃で5時間焼成した。このものはX線回折で10.
5゜、18.4゜、23.8゜、26.1゜、30.2
゜等にピークをもち、いわゆるケギン型のヘテロポリ酸
塩になっていた。
【0033】更にこれを窒素気流中、450℃で5時間
焼成後、空気中390℃で3時間焼成した。X線回折の
結果、この触媒はケギン型ヘテロポリ酸塩の構造であっ
た。またアンモニウム根及び硫酸根を分析した結果いず
れも検出限界(0.01重量%)以下であった。この触
媒の組成はP1.5 Mo120.5 As0.4 Cs1.4 Cu
0.3 (ただし、酸素、水素を除く)である。
【0034】この触媒9mlを内径15mmのガラス製
反応管に充填し、メタクロレイン4モル%、酸素12モ
ル%、水蒸気16モル%、残りが窒素からなる組成の原
料ガスを、空間速度(STP基準)670h-1で反応管
を通し、反応温度280℃で活性試験を行った。その結
果メタクロレイン転化率84.5%、メタクリル酸選択
率87.0%であった。
【0035】比較例1 硫酸セシウム水溶液の代わりに硝酸セシウム(CsNO
3 )38.2g及び硫酸銅の代わりに硝酸銅(CuNO
3 ・3H2 O)10.2gを用いた他は実施例1と同様
にして同じ組成の触媒を調製した。この触媒のX線回折
は実施例1と同じであった。実施例1と同様の活性試験
では、メタクロレイン転化率70.3%、メタクリル酸
選択率88.2%であった。硫酸塩でなく硝酸塩を用い
た場合は活性が低いことがわかる。
【0036】実施例2 パラモリブデン酸アンモニウム296.5gをイオン交
換水330mlに溶解したものに、別に85%リン酸2
4.2g、60%ヒ酸水溶液13.3g、硫酸銅10.
5g、50%硫酸セシウム水溶液70.3gをイオン交
換水225mlに溶解したものを混合、沈澱析出し、更
に五酸化バナジウム6.38gを加え、このスラリーを
1リットルのオートクレーブに移し、120℃で5時間
加熱撹拌処理を行った。このスラリー中にはモリブデン
12モルに対しアンモニウム根10.3モル、硫酸根1
モルを含んでおり、pHは約5.8であった。このスラ
リーを120℃で5時間乾燥し、その後は実施例1と同
じ方法で実施例1と同じ組成の触媒を調製した。実施例
1と同様の活性試験の結果は、メタクロレイン転化率9
3.4%、メタクリル酸選択率83.9%であった。
【0037】比較例2 85%リン酸21.0gとし、硫酸銅の代わりにリン酸
銅(Cu3 (PO4 2 ・3H2 O)6.05g、硫酸
セシウムの代わりに炭酸セシウム(Cs2 CO 3 )3
1.3gを用いた他は実施例2と同様にして実施例1と
同じ組成の触媒を調製した。実施例1と同様の活性試験
の結果は、メタクロレイン転化率78.3%、メタクリ
ル酸選択率86.4%であった。実施例2と比較して活
性が低いことがわかる。
【0038】実施例3 パラモリブデン酸アンモニウム296.5gをイオン交
換水330mlに溶解したものに、別に85%リン酸2
4.2g、硫酸銅3.5g、50%硫酸セシウム水溶液
90.4g及び98%硫酸(H2 SO4 )7.0gをイ
オン交換水225mlに溶解したものを混合し、更に五
酸化バナジウム12.8gを加え、このスラリーを1リ
ットルのオートクレーブに移し、120℃で5時間加熱
撹拌処理を行った。このスラリー中にはモリブデン12
モルに対してアンモニウム根10.3モル、硫酸根1.
45モルを含んでおり、pHは約5.3であった。この
後は実施例2と同様にして、P1.5 Mo121.0 Cs
1.8 Cu0.1 の組成の触媒を調製した。実施例1と同様
の活性試験の結果は、メタクロレイン転化率86.4
%、メタクリル酸選択率81.0%であった。
【0039】比較例3 実施例3の触媒調製の途中、成形したものを窒素気流中
で焼成することなしに空気中360℃で焼成して触媒と
した。この触媒の赤外分光の結果、アンモニウム根が残
存していることがわかった。またイオウ分の定量分析結
果は0.6重量%であった。実施例1と同様の活性試験
の結果は、メタクロレイン転化率76.2%、メタクリ
ル酸選択率79.8%であった。実施例3と比較して、
不活性ガス雰囲気下における焼成を行わないと、活性、
選択性共に低い。
【0040】比較例4 リンモリブデン酸(H3 PMo1240・30H2 O)1
18.2g、85%リン酸8.65gをイオン交換水5
00mlに加え更に五酸化バナジウム(V2 5 )4.
54gを加え、100℃で5時間リフラックスし均一な
溶液を得た。これに硝酸銅1.2gを加え溶解し、更に
硝酸セシウム17.5g及び硫酸アンモニウム((NH
4 2 SO4 )9.9gをイオン交換水150mlに溶
解したものを加えてスラリーとした。このスラリー中に
はMo12モルに対しアンモニウム根3モル、硫酸根
1.5モルを含んでおり、pHは約2.0であった。
【0041】このスラリーをロータリーエバポレーター
をを用いて濃縮し、120℃で乾燥した。このものはX
線回折、赤外分光によりケギン型ヘテロポリ酸の塩であ
った。これを窒素気流中435℃で5時間焼成したの
ち、グラファイトを加えて打錠成形した。更に空気中3
80℃で3時間焼成し触媒とした。触媒組成は実施例3
と同じである。実施例1と同様の活性試験の結果は、メ
タクロレイン転化率73.8%、メタクリル酸選択率7
6.8%であった。スラリーのpHが低いと、活性、選
択性共に低い。
【0042】実施例4 実施例2の触媒を用い寿命試験を行った。反応条件は実
施例1と同様であるが、長期運転の反応温度は300℃
とし、活性試験の時だけ280℃で行った。その結果、
試験開始後200日後の反応成績は、メタクロレイン転
化率92.3%、メタクリル酸選択率84.2%であっ
た。
【0043】比較例5 比較例3の触媒を用い実施例4と同様の寿命試験を行っ
た。200日後の反応成績は、メタクロレイン転化率7
0.6%、メタクリル酸選択率79.2%であり、実施
例4に比べ活性低下が大きい。
【0044】実施例5 実施例2の触媒を用い、イソブタンの酸化反応を行っ
た。触媒9gを内径15mmのガラス製反応管に充填し、
イソブタン42モル%、酸素33モル%、水蒸気12モ
ル%、残りが窒素からなる原料ガスを空間速度(STP
基準)600h-1で供給した。反応圧力1.5気圧とし
た。反応温度300℃とし反応開始15時間後に分析し
たところ、イソブタン転化率10.1%、メタクリル酸
選択率50.6%、メタクロレイン選択率13.2%で
あった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇井 利明 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 山本 哲也 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 PaMobVcAsdXeYfOg (式中、P、Mo、V、As、Oはそれぞれリン、モリ
    ブデン、バナジウム、ヒ素及び酸素を表し、Xはカリウ
    ム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より
    選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Yは銅、銀、ビ
    スマス、鉄、コバルト、アンチモン、ランタン及びセリ
    ウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表
    し、また添字a、b、c、d、e、f及びgは各元素の
    原子比を表し、b=12としたとき、a、c及びeは0
    (ゼロ)を含まない3以下の値、d及びfは0(ゼロ)
    を含む3以下の値、gは他の元素の原子価及び原子比に
    よって決まる値である)で示され、実質的にアンモニウ
    ム根及び硫酸根を含有しないヘテロポリ酸の部分中和塩
    からなるメタクリル酸製造用触媒を製造する際に、全て
    の触媒原料を水に溶解又は懸濁させた溶液のpHが3〜
    9の範囲になるようにアンモニウム根及び硫酸根を存在
    させ、該溶液を濃縮乾燥して得られる固体を不活性ガス
    雰囲気下に400〜500℃で焼成することを特徴とす
    るメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 全ての触媒原料を水に溶解又は懸濁させ
    た溶液を80〜250℃で飽和水蒸気存在下に1〜24
    時間加熱処理することを特徴とする請求項1記載のメタ
    クリル酸製造用触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 触媒原料を水に溶解又は懸濁させた溶液
    中のアンモニウム根、硫酸根の量が、モリブデン12モ
    ルに対してそれぞれ6〜18モル、0.1〜3モルであ
    る請求項1記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
JP24040092A 1992-09-09 1992-09-09 メタクリル酸製造用触媒の製造方法 Expired - Fee Related JP3316881B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24040092A JP3316881B2 (ja) 1992-09-09 1992-09-09 メタクリル酸製造用触媒の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24040092A JP3316881B2 (ja) 1992-09-09 1992-09-09 メタクリル酸製造用触媒の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0686933A true JPH0686933A (ja) 1994-03-29
JP3316881B2 JP3316881B2 (ja) 2002-08-19

Family

ID=17058914

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24040092A Expired - Fee Related JP3316881B2 (ja) 1992-09-09 1992-09-09 メタクリル酸製造用触媒の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3316881B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0812606A (ja) * 1994-06-30 1996-01-16 Sumitomo Chem Co Ltd C4−lpgを用いる含酸素化合物の製造法
JP2007090193A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Sumitomo Chemical Co Ltd メタクリル酸製造用触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法
JP2008068217A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Nippon Kayaku Co Ltd 複合金属酸化物触媒及び複合金属酸化物触媒の製造方法
JP2008284508A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Sumitomo Chemical Co Ltd メタクリル酸製造用触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法
JP2009022945A (ja) * 2007-06-20 2009-02-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 触媒製造用原料、その製造方法、触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法
KR20190069481A (ko) 2016-12-12 2019-06-19 미쯔비시 케미컬 주식회사 α,β-불포화 카복실산 제조용 촉매 전구체의 제조 방법, α,β-불포화 카복실산 제조용 촉매의 제조 방법, α,β-불포화 카복실산의 제조 방법 및 α,β-불포화 카복실산 에스터의 제조 방법

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0812606A (ja) * 1994-06-30 1996-01-16 Sumitomo Chem Co Ltd C4−lpgを用いる含酸素化合物の製造法
JP2007090193A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Sumitomo Chemical Co Ltd メタクリル酸製造用触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法
JP4595769B2 (ja) * 2005-09-28 2010-12-08 住友化学株式会社 メタクリル酸製造用触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法
JP2008068217A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Nippon Kayaku Co Ltd 複合金属酸化物触媒及び複合金属酸化物触媒の製造方法
JP2008284508A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Sumitomo Chemical Co Ltd メタクリル酸製造用触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法
JP2009022945A (ja) * 2007-06-20 2009-02-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 触媒製造用原料、その製造方法、触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法
KR20190069481A (ko) 2016-12-12 2019-06-19 미쯔비시 케미컬 주식회사 α,β-불포화 카복실산 제조용 촉매 전구체의 제조 방법, α,β-불포화 카복실산 제조용 촉매의 제조 방법, α,β-불포화 카복실산의 제조 방법 및 α,β-불포화 카복실산 에스터의 제조 방법
CN110062656A (zh) * 2016-12-12 2019-07-26 三菱化学株式会社 α,β-不饱和羧酸制造用催化剂前体的制造方法、α,β-不饱和羧酸制造用催化剂的制造方法、α,β-不饱和羧酸的制造方法以及α,β-不饱和羧酸酯的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3316881B2 (ja) 2002-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4180678A (en) Process for preparing methacrylic acid
JP4900449B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法
US4225466A (en) Catalytic oxide composition for preparing methacrylic acid
JPH081005A (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造法
JP3799660B2 (ja) 酸化触媒及びその製造方法並びにメタクリル酸の製造方法
JP3316881B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造方法
JP2001114726A (ja) メタクリル酸の製造方法
JP5214500B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法
JPH10128112A (ja) イソブタンの気相接触酸化反応用触媒およびその製造方法
JP2558036B2 (ja) メタクロレインおよび/またはメタクリル酸の製造方法
JP4200744B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造方法およびメタクリル酸の製造方法
JP3146486B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造方法
JP3772389B2 (ja) 酸化触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法
JP3855298B2 (ja) アルケンおよび/または含酸素化合物の製造方法
JP2008229515A (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造方法
JPH09290162A (ja) 酸化触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法
JP3482476B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造方法およびメタクリル酸の製造方法
JP3316880B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造方法
JP4629886B2 (ja) メタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒、その製造方法、および、メタクロレインおよび/またはメタクリル酸の製造方法
JPH0924277A (ja) メタクリル酸製造用触媒及びメタクリル酸の製造方法
JP4207531B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造方法およびメタクリル酸の製造方法
JPH10167711A (ja) バナジウム−リン系酸化物、その製造方法、該酸化物からなる気相酸化用触媒および炭化水素類の部分気相酸化方法
JP3859397B2 (ja) メタクロレインおよびメタクリル酸製造用触媒
WO2000072964A1 (fr) Production d'acide methacrylique et catalyseur a cet effet
JP3726312B2 (ja) メタクロレインおよび/またはメタクリル酸の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080614

Year of fee payment: 6

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D05

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090614

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090614

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100614

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100614

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110614

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110614

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120614

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees