[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPH0684462B2 - シボ面を有する成形品用樹脂組成物 - Google Patents

シボ面を有する成形品用樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0684462B2
JPH0684462B2 JP62281538A JP28153887A JPH0684462B2 JP H0684462 B2 JPH0684462 B2 JP H0684462B2 JP 62281538 A JP62281538 A JP 62281538A JP 28153887 A JP28153887 A JP 28153887A JP H0684462 B2 JPH0684462 B2 JP H0684462B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
graft copolymer
copolymer
graft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62281538A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01163254A (ja
Inventor
一久 矢野
忠男 福本
正聡 岩本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP62281538A priority Critical patent/JPH0684462B2/ja
Publication of JPH01163254A publication Critical patent/JPH01163254A/ja
Publication of JPH0684462B2 publication Critical patent/JPH0684462B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は耐衝撃性、成形加工性、耐薬品性および金型転
写性に優れたシボ面を有する成形品用樹脂組成物に関す
るものである。
〈従来の技術〉 アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂
(ABS樹脂)は優れた耐衝撃性、成形加工性を有し、成
形用樹脂として広く使われている。しかし、耐薬品性、
耐熱性が十分ではなく、過酷な条件下では使用が制限さ
れている。
また、芳香族ポリエステル樹脂(以下ポリエステルと略
称する)は優れた機械的性質、電気的性質、耐薬品性、
耐熱性、低吸湿性、加工性などを有しており、エンジニ
アリングプラスチックとして広く使用されているが、耐
衝撃性に劣るという欠点がある。
ポリエステルの耐衝撃性を改良するためにABS樹脂との
ブレンドが提案されている(例えば特開昭49-97081号公
報、特開昭56-14546号公報、特開昭57-117556号公報、
特開昭57-137350号公報、特開昭60-36558号公報、特開
昭60-123550号公報等)。
またα,β−不飽和ジカルボン酸無水物や不飽和カルボ
ンアミドを他の単量体と共にゴム状重合体にグラフト共
重合してなるグラフト共重合体とポリエステルとのブレ
ンドも提案されている(例えば特開昭49-97081号公報、
特開昭59-138256公報、特開昭60-144349号公報、特開昭
60-262847号公報、特開昭61-130366号公報等)。
また、ポリエステルとジエン系重合体との混合物にエポ
キシ樹脂を添加する方法も提案されている(特開昭59-1
49951号公報)。
〈発明が解決しようとする問題点〉 しかし、前記したような方法では、相溶性、機械的物性
および流動性などのトータルバランスの面で十分に満足
できる組成物は得られていない。
例えば、ABS樹脂とポリエステルとの単なるブレンドで
は、相容性が悪く、機械的物性も著しく低い。
また、ポリエステルと反応性あるいは親和性のある官能
基を有する単量体を他の単量体と共にゴム状重合体にグ
ラフト共重合した前記グラフト共重合体とポリエステル
のブレンドの場合、耐衝撃性は改善できるが、相容性が
悪く、成形品の表面状態が悪いので実用性に乏しい。
また、ポリエステルとジエン系重合体との混合物にエポ
キシ樹脂を添加した場合は、エポキシ樹脂が局在化して
硬化するために本質的に流動性が悪くなる。
本発明の課題はABS樹脂の成形加工性を損なうことな
く、ポリエステルの耐薬品性、耐熱性および金型転写性
を併せ持ち、かつ極めて高い耐衝撃性を持つシボ面を有
する成形品用樹脂組成物を提供することにある。
〈問題点を解決するための手段〉 すなわち、本発明は上記課題を解決するために次の構成
をとる。
(A)(a)ジエン系ゴム10〜85重量部に、 (b)(イ)芳香族ビニル50〜90重量% (ロ)シアン化ビニル9〜50重量% (ハ)エポキシ基を有するビニル系単量体0.001〜10重
量% からなる単量体混合物90〜15重量部をグラフト共重合し
てなるグラフト共重合体または該グラフト共重合体と残
りの単量体が共重合した共重合体とからなるグラフト共
重合体組成物1〜99重量部と (B)芳香族ポリエステル樹脂99〜1重量部とからなる
シボ面を有する成形品用樹脂組成物。
本発明の特徴はジエン系ゴムのグラフト成分として、芳
香族ビニルとシアン化ビニルおよびエポキシ基を有する
ビニル系単量体の3成分を必須としてグラフト共重合し
たグラフト共重合体(組成物)とポリエステルをブレン
ドすることである。グラフト成分に上記の3成分を含む
ことにより、シボ面を有する成形品用樹脂組成物の耐衝
撃性は十分に高く、かつ溶融粘度の上昇もみられず、し
かも良好な相容性、金型転写性および成形加工性を示す
という効果が得られるのである。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明におけるグラフト共重合体またはグラフト共重合
体組成物(A)とは、(a)と(b)の合計を100重量
部として、ジエン系ゴム(a)10〜85重量部に、芳香族
ビニル(イ)50〜90重量%とシアン化ビニル(ロ)9〜
50重量%とエポキシ基を有するビニル系単量体(ハ)0.
001〜10重量%の合計が100重量%からなる単量体混合物
(b)15〜90重量部の全量をグラフト共重合してなるグ
ラフト共重合体または該単量体混合物の一部をグラフト
共重合してなるグラフト共重合体と残りの単量体が共重
合した共重合体とのグラフト共重合体組成物である。
本発明で最も重要なことは、グラフト共重合体またはグ
ラフト共重合体組成物(A)において芳香族ビニル
(イ)、シアン化ビニル(ロ)およびエポキシ基を有す
るビニル系単量体(ハ)を必須とする単量体混合物
(b)をジエン系ゴム(a)にグラフト共重合したグラ
フト共重合体を用いることである。
本発明におけるジエン系ゴム(a)としてはポリブタジ
エン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、ス
チレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリイソプレンゴム
等があり、なかでもポリブタジエン、スチレン−ブタジ
エン共重合体ゴム等が好ましい。
本発明における単量体混合物(b)中の芳香族ビニル
(イ)としてはスチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、p−t−ブチルスチレン等が挙げられ、
なかでもスチレン、α−メチルスチレン等が好ましい。
本発明における単量体混合物(b)中のシアン化ビニル
(ロ)としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリル
等が挙げられ、なかでもアクリロニトリルが好ましい。
本発明における単量体混合物(b)中のエポキシ基を有
しビニル系単量体(ハ)とは一分子中にラジカル重合可
能なビニル基とエポキシ基の両者を共有する化合物であ
り、具体例としてはアクリル酸グリシジル、メタクリル
酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グ
リシジルなどの不飽和有機酸のグリシジルエステル類、
アリルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類
および2−メチルグリシジルメタクリレートなどの上記
の誘導体類が挙げられ、中でもアクリル酸グリシジル、
メタクリル酸グリシジルが好ましく使用できる。また、
これらは単独ないし2種以上を組合わせて使用すること
ができる。
また、(イ)、(ロ)、(ハ)の単量体の合計100重量
部に対して70重量部以下の範囲で共重合可能な他の単量
体をグラフト共重合することも可能である。
共重合可能な他の単量体として、アクリル酸、メタクリ
ル酸などのα,β−不飽和カルボン酸類、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル等のα,β−不飽和カ
ルボン酸エステル類、無水マレイン酸、無水イタコン酸
等のα,β−不飽和カルボン酸無水物類、N−フェニル
マレイミド、N−メチルマレイミド、N−t−ブチルマ
レイミドなどのα,β−不飽和カルボン酸のイミド化合
物類等が挙げられる。
グラフト共重合体またはグラフト共重合体組成物(A)
におけるジエン系ゴム(a)組成比は(a)と(b)の
合計を100重量部として10〜85重量部、好ましくは12〜8
0重量部、特に好ましくは15〜70重量部である。
また、本発明における単量体混合物(b)中の芳香族ビ
ニル(イ)、シアン化ビニル(ロ)、エポキシ基を有す
るビニル系単量体(ハ)の各組成比は、(イ)が50〜90
重量%、好ましくは5〜85重量%、特に好ましくは57〜
82重量%、(ロ)が9〜50重量%、好ましくは15〜45重
量%、特に好ましくは18〜42重量%である。
(ハ)については0.001〜10重量%の範囲で用いられる
が、好ましくは0.01〜8重量%、特に好ましくは0.02〜
5重量%の範囲で用いられる。
(a)が(a)と(b)の合計100重量部に対して10重
量部未満の場合ならびに(イ)、(ロ)、(ハ)の合計
100重量%に対して(イ)が90重量%を越えた場合、お
よび(ロ)が9重量%未満の場合は、得られる組成物の
耐衝撃性が低いため好ましくない。また(a)が(a)
と(b)の合計100重量部に対して85重量部を越えた場
合ならびに(イ)、(ロ)、(ハ)の合計100重量%に
対して(イ)が50重量%未満の場合および(ロ)が50重
量%を越えた場合は、得られる組成物の成形加工性が劣
るので実用的でない。更に、(ハ)が0.001重量%未満
では得られる組成物の耐衝撃性が低く、10重量%を越え
ると(A)の製造時架橋反応を起こし易く、一定品質の
ものを得るのが困難となり、実用的でない。
グラフト共重合体またはグラフト共重合体組成物(A)
の製造方法に関しては特に制限はなく、塊状重合、溶液
重合、塊状懸濁重合、懸濁重合、乳化重合等通常の方法
が用いられる。単量体の仕込み方法に関しても特に制限
はなく、初期に一括添加してもよく、また共重合体の組
成分布の生成を防止するために仕込み単量体の一部また
は全部を連続仕込みまたは分割仕込みしながら重合して
もよい。
また、別々に(グラフト)共重合した樹脂をブレンドす
ることによって上記の組成物を得ることも可能である。
本発明に用いる芳香族ポリエステル樹脂(B)とは、芳
香環を重合体の連鎖単位に有するポリエステルで、芳香
族ジカルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導体)
と、ジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)と
を主成分とする重縮合反応により得られる重合体ないし
共重合体である。
ここでいう芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレン
ジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、2,2′−ビフェニルジカルボン
酸、3,3′−ビフェニルジカルボン酸、4,4′−ビフェニ
ルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボ
ン酸、4,4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4′−
ジフェニルスルフォンジカルボン酸、4,4′−ジフェニ
ルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノ
キシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、2,5−アントラセ
ンジカルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸、4,
4′−P−タ−フェニレンジカルボン酸、,5−ピリジン
ジカルボン酸などであり、テレフタル酸が好ましい。
これらの芳香族ジカルボン酸は2種以上を混合して使用
してもよい。なお、少量であれば、これらの芳香族ジカ
ルボン酸と共に、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカン
ジオン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸を一
種以上混合して使用することができる。
また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,
3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノールなどの脂環族ジオール等、およびそ
れらの混合物などがあげられる。なお、少量であれば、
分子量400〜6,000の長鎖ジオール、すなわち、ポリエチ
レングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、
ポリテトラメチレングリコールなどを一種以上共重合せ
しめてもよい。
具体的な芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リブチレンナフタレート、ポリエチレン−1,2−ビス
(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレートな
どのほか、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート
などの共重合ポリエステルが挙げられる。これらのうち
機械的性質、成形性などのバランスのとれたポリブチレ
ンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートが
好ましく使用できる。
本発明において使用する芳香族ポリエステルは、0.5%
のo−クロルフェノール溶液を25℃で測定した相対粘度
が、1.15〜3.0、特に1.3〜2.5のものが好ましい。相対
粘度が1.15未満の場合には得られる成形品の衝撃強度が
低く、3.0より大きい場合には成形品表面の光沢が悪く
実用的でない。
本発明のシボ面を有する成形品用樹脂組成物において、
グラフト共重合体またはグラフト共重合体組成物(A)
と芳香族ポリエステル(B)の配合割合は(A)が1〜
99重量部、好ましくは2〜94重量部、特に好ましくは25
〜75重量部、(B)が99〜1重量部、好ましくは94〜2
重量部、特に好ましくは90〜5重量部で、かつ、(A)
および(B)の合計量が100重量部となる割合である。
(A)が1重量部未満で(B)が99重量部を越えた場合
は組成物の耐衝撃性が劣り、(A)が99重量部を越えか
つ、(B)が1重量部未満の場合は組成物の耐薬品性が
劣るので好ましくない。
更に、樹脂組成物中のジエン系ゴムの重量が15重量%以
上特に15〜25重量%であるならば、樹脂組成物の耐衝撃
性がグラフト共重合体組成物および芳香族ポリエステル
樹脂の各単独のそれに比較して飛躍的に向上する。この
場合芳香族ポリエステルとしてポリブタジエンテレフタ
レートを選択すると特に顕著な効果が生ずる。
本発明のシボ面を有する成形品用樹脂組成物中のエポキ
シ基を有するビニル系単量体残基の含有量は特に制限は
ないが、樹脂の耐衝撃性および流動性の点から通常0.00
001〜9.9重量%、特に0.01〜6重量%の範囲となるよう
にグラフト共重合体またはグラフト共重合体組成物
(A)中のエポキシ基を有するビニル系単量体の共重合
量およびシボ面を有する成形品用樹脂組成物中のグラフ
ト共重合体またはグラフト共重合体組成物(A)の配合
量を選ぶのが好ましい。
本発明のシボ面を有する成形品用樹脂組成物の製造方法
に関しては特に制限はなく、通常公知の方法を採用する
ことができる。すなわち、グラフト共重合体またはグラ
フト共重合体組成物(A)、ポリエステル(B)をペレ
ット、粉末、細片状態等で、高速攪拌機等を用いて均一
混合した後、十分な混練能力のある一軸または多軸の押
出機で溶融混練する方法およびバンバリーミキサーやゴ
ムロール機を用いて溶融混練する方法等、種々の方法を
採用することができる。
本発明のシボ面を有する成形品用樹脂組成物はグラフト
共重合体またはグラフト共重合体組成物(A)、ポリエ
ステル(B)の他に必要に応じて、ポリスチレン(PS)
スチレン/アクリロニトリル共重合体(SAN)、ポリメ
タクリル酸メチル(PMMA)、スチレン/メタクリル酸メ
チル/アクリロニトリル共重合体、α−メチルスチレン
/アクリロニトリル共重合体、α−メチルスチレン/ス
チレン/アクリロニトリル共重合体、α−メチルスチレ
ン/メタクリル酸メチル/アクリロニトリル共重合体、
p−メチルスチレン/アクリロニトリル共重合体、スチ
レン/N−フェニルマレイミド共重合体等のビニル系重合
体、メタクリル酸−ブタジエン−スチレン三元共重合体
(MBS)樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ポリカーボネート、
ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレン
アジパミド(ナイロン66)等熱可塑性樹脂を適宜混合し
たり、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロ
ピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチ
レン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エ
チレン/プロピレン/5−エチリデン2−ノルボルネン共
重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体およびエチレン
/アクリル酸ブチル共重合体等のポリオレフィン系ゴム
を適宜混合することによって、さらに望ましい物性、特
性に調節することも可能である。また目的に応じて顔料
や染料、ガラス繊維、金属繊維、金属フレーク、炭素繊
維等の補強材や充填材、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤および難
燃剤等を添加することができる。
本発明における(イ)、(ロ)、(ハ)の必須単量体は
グラフト共重合せずに共重合体としてブレンドするだけ
でも本発明とほぼ同等の効果が得られるが、グラフト共
重合することによりエポキシ基を有するビニル系単量体
(ハ)の共重合量を減らすことが可能であり、成形加工
性を著しく改良することができる。
〈実施例〉 以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳し
く説明する。
耐衝撃性の評価として1/2″アイゾット衝撃強さをASTM
D256−56に従って測定した。
成形加工性の評価として溶融粘度を高化式フローテスタ
ーにより、樹脂温度250℃〜280℃、荷重50kgの条件で測
定した。
耐熱性の評価としてビカット軟化温度をASTM-D1525に従
って測定した。
耐薬品性は、射出成形した角板をメタノールおよびガソ
リンに23℃、24時間浸漬して角板表面を目視で観察し
た。
金型転写性は、シボ付角板を成形しその光沢度を目視で
観察して艶の無いものは○、艶の有るものは×で表わし
た。
なお、以下の部数および%は、それぞれ重量部および重
量%を表わす。
参考例1 次の処方により、グラフト共重合体A−1〜A−6を製
造した。
A−1:ポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径0.25μ、
ゲル含率80%)60部(固形分換算)の存在下でスチレン
73.8%、アクリロニトリル26%、メタクリル酸グリシジ
ル0.2%からなる単量体混合物40部を乳化重合した。得
られたグラフト共重合体は硫酸マグネシウムで凝固し、
洗浄、濾過、乾燥してパウダー状のグラフト共重合体
(A−1)を調製した。
A−2:A−1で使用したポリブタジエンラテックス40部
(固形分換算)の存在下でメタクリル酸メチル13%、ス
チレン70%、アクリロニトリル15%、アクリル酸グリシ
ジル2%からなる単量体混合物60部を乳化重合した後、
A−1と同様にしてパウダー状のグラフト共重合体(A
−2)を調製した。
A−3:ジエンNF35A(旭化成(株)製)20部をスチレン4
5部、α−メチルスチレン11部、アクリロニトリル20
部、メタクリル酸グリシジル4部に溶解した後、塊状重
合してグラフト共重合体(A−3)を調製した。
A−4:ジエンNF35A(旭化成(株)製)20部をスチレン5
0部、アクリロニトリル18部、メタクリル酸メチル10
部、アクリル酸グリシジル2部に溶解した後、塊状重合
してグラフト共重合体(A−4)を調製した。
A−5:A−1で使用したポリブタジエンラテックス50部
(固形分換算)の存在下でスチレン95%、メタクリル酸
グリシジル5%からなる単量体混合物50部を乳化重合し
た後、A−1と同様にしてパウダー状のグラフト共重合
体(A−5)を調製した。
A−6:A−1で使用したポリブタジエンラテックス60部
(固形分換算)の存在下でスチレン75%、アクリロニト
リル25%からなる単量体混合物40部を乳化重合した後、
A−1と同様にしてパウダー状のグラフト共重合体(A
−6)を調製した。
実施例1〜8 参考例1で製造したA−1〜A−4、およびポリエステ
ルとしてPBT-1200L(東レ(株)製ポリブチレンテレフ
タレート)をそれぞれ表−1の配合割合でヘンシェルミ
キサーで混合し、次に40mmφの押出機により押出温度25
0℃で押出し、それぞれペレット化した後、各ペレット
について成形温度250℃、金型温度60℃の条件で射出成
形に供し、各試験片を作製しそれについて物性の評価を
行なった。これらの結果を表−1に示す。
比較例1〜4 参考例1で製造したA−1〜A−6、およびポリエステ
ルとしてPBT-1200L(東レ(株)製ポリブチレンテレフ
タレート)をそれぞれ表−1の配合割合でヘンシェルミ
キサーで混合し、次に40mmφの押出機により押出温度25
0℃で押出し、それぞれペレット化した後、各ペレット
について成形温度250℃、金型温度60℃の条件で射出成
形に供し、各試験片を作製しそれについて物性の評価を
行なった。これらの結果を表−1に併せて示す。
実施例9〜14 ポリエステルとしてPET−J135(三井ペット樹脂(株)
製ポリエチレンテレフタレート)を用い、押出温度280
℃とした以外は実施例1〜6と同様の条件で行なった。
配合割合および物性の測定結果を表−2に示す。
比較例5〜8 ポリエステルとしてPET−J135(三井ペット樹脂(株)
製ポリエチレンテレフタレート)を用い、押出温度を28
0℃成形温度を280℃とした以外は比較例1〜5と同様の
条件で行なった。配合割合および物性の測定結果を表−
2に示す。
実施例および比較例より、次のことが明らかである。す
なわち、本発明により得られたものは、いずれも耐衝撃
性、成形加工性、耐薬品性および金型転写性に優れてい
る。それに対して、エポキシ基を有するビニル系単量体
を共重合しないグラフト共重合体(A−6)では耐衝撃
性が劣り、グラフト成分としてシアン化ビニルを含まな
い芳香族ビニルとエポキシ基を有するビニル系単量体の
みグラフトしたグラフト共重合体(A−5)では、耐衝
撃性は不十分であり、溶融粘度が高く、成形加工性に劣
る。
〈発明の効果〉 本発明のシボ面を有する成形品用樹脂組成物はジエン系
ゴムに芳香族ビニルおよびエポキシ基を有するビニル系
単量体をグラフト共重合してなるグラフト共重合体また
はグラフト共重合体組成物(A)および芳香族ポリエス
テル(B)を特定の割合で配合しているが、特にエポキ
シ基の存在のため(A)および(B)の相溶性が極めて
良好である。更に本発明のシボ面を有する成形品用樹脂
組成物は、ABS樹脂と同等の耐衝撃性、成形加工性と芳
香族ポリエステルの耐熱性、耐薬品性および金型転写性
を併せ持つ上、そのもの自体が高光沢であるため、低光
沢から高光沢まで所望の外観を有する成形品を得ること
ができる。
また本発明のシボ面を有する成形品用樹脂組成物は、AB
S樹脂と同等の成形加工性、耐衝撃性とポリエステルの
耐熱性、耐薬品性を併せ持つため、それらの性質を活か
した種々のシボ面を有する成形品に用いることができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)ジエン系ゴム10〜85重量部
    に、 (b)(イ)芳香族ビニル50〜90重量% (ロ)シアン化ビニル9〜50重量% (ハ)エポキシ基を有するビニル系単量体0.001〜10重
    量% からなる単量体混合物90〜15重量部をグラフト共重合し
    てなるグラフト共重合体または該グラフト共重合体と残
    りの単量体が共重合した共重合体とからなるグラフト共
    重合体組成物1〜99重量部と (B)芳香族ポリエステル樹脂99〜1重量部とからなる
    シボ面を有する成形品用樹脂組成物。
JP62281538A 1987-09-10 1987-11-06 シボ面を有する成形品用樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0684462B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62281538A JPH0684462B2 (ja) 1987-09-10 1987-11-06 シボ面を有する成形品用樹脂組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62-227025 1987-09-10
JP22702587 1987-09-10
JP62281538A JPH0684462B2 (ja) 1987-09-10 1987-11-06 シボ面を有する成形品用樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01163254A JPH01163254A (ja) 1989-06-27
JPH0684462B2 true JPH0684462B2 (ja) 1994-10-26

Family

ID=26527473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62281538A Expired - Lifetime JPH0684462B2 (ja) 1987-09-10 1987-11-06 シボ面を有する成形品用樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0684462B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0762063B2 (ja) * 1990-05-11 1995-07-05 信越化学工業株式会社 エポキシ樹脂組成物
US6197878B1 (en) 1997-08-28 2001-03-06 Eastman Chemical Company Diol latex compositions and modified condensation polymers
WO2000052083A1 (en) 1999-03-03 2000-09-08 Eastman Chemical Company Silicone polymer diol compositions and condensation polymer/silicone polymer blends
CN1342187A (zh) 1999-03-03 2002-03-27 伊斯曼化学公司 聚酰胺/乳液聚合物共混物
JP2003503518A (ja) 1999-06-18 2003-01-28 イーストマン ケミカル カンパニー アミド型ポリマー/シリコーンポリマーブレンド及びその製造方法
EP1187870A1 (en) 1999-06-18 2002-03-20 Eastman Chemical Company Nylon 6-silicone blends
US6699931B2 (en) 2001-04-09 2004-03-02 Eastman Chemical Company Modified alkyd compositions comprising diol latex compositions and processes of making the same
US6844390B2 (en) 2001-04-09 2005-01-18 Eastman Chemical Company Modified alkyd compositions comprising polyol latex compositions and processes of making them

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5423656A (en) * 1977-07-25 1979-02-22 Toray Ind Inc Fiber-reinforced thermoplastic polyester resin composition
JPS5763353A (en) * 1980-10-06 1982-04-16 Mitsubishi Rayon Co Ltd Molded article of polyester by injection
JPS6049055A (ja) * 1983-08-26 1985-03-18 Toray Ind Inc ポリエステル樹脂組成物成形品
DE3601421A1 (de) * 1986-01-20 1987-07-23 Basf Ag Thermoplastische formmassen
DE3601422A1 (de) * 1986-01-20 1987-07-23 Basf Ag Thermoplastische formmassen auf der basis von polycarbonaten und polyestern

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01163254A (ja) 1989-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2674040B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH01123854A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH075814B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂組成物
JPH0684462B2 (ja) シボ面を有する成形品用樹脂組成物
JP2734580B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH075815B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂組成物
JPS63156851A (ja) 艶消しされた熱可塑性樹脂組成物
JPH09216979A (ja) シボ面を有する成形品
JP3376622B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0674368B2 (ja) シボ面を有する成形品用樹脂組成物
JP2671487B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法
JP2853151B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2864748B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPS63179957A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH1143581A (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法
JPH09118801A (ja) ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物およびブロー成形品
JP2734569B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH08134315A (ja) 熱可塑性重合体組成物
JPH09310003A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH04146956A (ja) ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物
JPS63182369A (ja) 成形用樹脂組成物
JP3853430B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0436340A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0515743B2 (ja)
JPH09249792A (ja) 熱可塑性樹脂組成物