JPH0655890B2 - 金型離型性に優れたシリコーンゴム組成物 - Google Patents
金型離型性に優れたシリコーンゴム組成物Info
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- JPH0655890B2 JPH0655890B2 JP33718989A JP33718989A JPH0655890B2 JP H0655890 B2 JPH0655890 B2 JP H0655890B2 JP 33718989 A JP33718989 A JP 33718989A JP 33718989 A JP33718989 A JP 33718989A JP H0655890 B2 JPH0655890 B2 JP H0655890B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ロール剥離性、金型剥離性等の離型性に優れ
たシリコーンゴム組成物に関する。
たシリコーンゴム組成物に関する。
(従来技術) 一般にシリコーンゴムは、格別の接着処理を施こさない
限り、成形時に接着性を有しておらず、型材等からの離
型性に優れており、またその硬化ゴムの表面も低エネル
ギーで離型性に優れていることから、各種印象材、例え
ばエポキシ樹脂やウレタン樹脂の型取りの母型材料とし
て使用されている。
限り、成形時に接着性を有しておらず、型材等からの離
型性に優れており、またその硬化ゴムの表面も低エネル
ギーで離型性に優れていることから、各種印象材、例え
ばエポキシ樹脂やウレタン樹脂の型取りの母型材料とし
て使用されている。
然しながら、近年の成形技術の進歩に伴ない、熱加硫型
シリコーンゴムの成形にあたって、コンパウンドのロー
ル作業に際してのロールからの剥離及び加熱加圧成形時
における金型からの脱型のために、更に優れた離型性が
要求されているのが現状である。
シリコーンゴムの成形にあたって、コンパウンドのロー
ル作業に際してのロールからの剥離及び加熱加圧成形時
における金型からの脱型のために、更に優れた離型性が
要求されているのが現状である。
離型性を更に向上させるための手段として、金型に適当
な離型剤を塗布したり、ゴムコンパウンド中に各種ワッ
クス類、脂肪酸エステル、金属セッケン、滑剤等の適当
な添加剤を配合する等の方法が試みられている。
な離型剤を塗布したり、ゴムコンパウンド中に各種ワッ
クス類、脂肪酸エステル、金属セッケン、滑剤等の適当
な添加剤を配合する等の方法が試みられている。
(発明が解決しようとする問題点) 而して、金型に離型剤を塗布するという手段は、加熱さ
れている金型の温度低下を来すため、予熱或いは成型時
間の延長を必要とし、生産性が低下するという問題があ
る。
れている金型の温度低下を来すため、予熱或いは成型時
間の延長を必要とし、生産性が低下するという問題があ
る。
一方、添加剤を配合するという手段においては、離型性
が向上するという目的は或る程度達成されるものの、機
械的強度、耐熱性、圧縮復元性等のシリコーンゴムが本
来有する特性が損われ、また着色を生ずる等の問題があ
る。
が向上するという目的は或る程度達成されるものの、機
械的強度、耐熱性、圧縮復元性等のシリコーンゴムが本
来有する特性が損われ、また着色を生ずる等の問題があ
る。
従って本発明は、これら従来技術が有する種々の問題が
有効に解決されたシリコーンゴム組成物を提供すること
を目的とする。
有効に解決されたシリコーンゴム組成物を提供すること
を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、特定の含フッ素ケイ素化合物を配合すること
により、上述した種々の問題を有効に回避し、離型性を
向上させることに成功したものである。
により、上述した種々の問題を有効に回避し、離型性を
向上させることに成功したものである。
即ち本発明のシリコーンゴム組成物は、シリコーンゴム
コンパウンドに、下記一般式〔I〕、 で表わされる含フッ素ケイ素化合物が配合されているも
のである。
コンパウンドに、下記一般式〔I〕、 で表わされる含フッ素ケイ素化合物が配合されているも
のである。
シリコーンゴムコンパウンド 本発明において使用するシリコーンゴムコンパウンド
は、(a)シロキサン成分をベース成分とし、これに(b)シ
リカ系充填材と、適宜加硫剤及び各種配合剤を配合して
成るものである。
は、(a)シロキサン成分をベース成分とし、これに(b)シ
リカ系充填材と、適宜加硫剤及び各種配合剤を配合して
成るものである。
(a) シロキサン成分 ベースとなるオルガノシロキサン成分は、下記一般単位
式〔II〕、 で表わされ、重合度が好適には1分子中のケイ素原子が
1000個以上であり、粘度(25℃)が105cst以上、好適に
は107cst以上の範囲にある液状乃至ガム状のオルガノポ
リシロキサンから成る。
式〔II〕、 で表わされ、重合度が好適には1分子中のケイ素原子が
1000個以上であり、粘度(25℃)が105cst以上、好適に
は107cst以上の範囲にある液状乃至ガム状のオルガノポ
リシロキサンから成る。
また基R2としては、具体的には、メチル基、エチル基、
プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、シク
ロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の脂肪族または
脂環式の不飽和炭化水素基;フェニル基、トリル基、ベ
ンジル基、スチリル基等の芳香族炭化水素基;クロルプ
ロピル基、トリフロロプロピル基、ヘプタデカフロロオ
クチルエチル基、シアノエチル基、メトキシエチル基等
の置換炭化水素基;等が例示される。
プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、シク
ロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の脂肪族または
脂環式の不飽和炭化水素基;フェニル基、トリル基、ベ
ンジル基、スチリル基等の芳香族炭化水素基;クロルプ
ロピル基、トリフロロプロピル基、ヘプタデカフロロオ
クチルエチル基、シアノエチル基、メトキシエチル基等
の置換炭化水素基;等が例示される。
上記のポリシロキサンは、通常、分子未満がSiOH基ま
たはR2 3Si−基で封鎖されているが、分子中の側鎖若し
くは末端にビニル基等のアルケニル基を持たせることに
より、その加硫特性は顕著に向上したものとなる。
たはR2 3Si−基で封鎖されているが、分子中の側鎖若し
くは末端にビニル基等のアルケニル基を持たせることに
より、その加硫特性は顕著に向上したものとなる。
かかるポリシロキサンは、一般には、下記式〔III〕、 R2 2SiCl2 〔III〕 (式中、R2は前述した意味を表わす、以下同じ) で表わされるジクロロシランを加水分解し、これに引き
続いてアルカリ触媒によるクラッキング等のそれ自体公
知の方法で下記式〔IV〕、 (式中、nは3〜6の数である) で表わされる環状オリゴマーを合成し、これを酸触媒あ
るいは塩基触媒を用いて開環重合若しくは平衡反応に付
することにより調製される。この際、必要により、触媒
として、 (Meはメチル基を示す、以下同じ) を用いて3員環の重合を行ない、あるいは、 を添加して平衡反応を行なうことにより、分子末端にビ
ニル基を導入することもできる。重合後は、触媒を適当
な中和剤で中和し、残存する低分子オリゴマー等の揮発
成分を、加熱、減圧等の手段により除去することによ
り、目的とするポリシロキサンが得られる。尚、前記式
〔III〕のジクロロシランを加水分解し、これを直ちに
重合することにより目的とするポリシロキサンを調製す
ることも可能である。
続いてアルカリ触媒によるクラッキング等のそれ自体公
知の方法で下記式〔IV〕、 (式中、nは3〜6の数である) で表わされる環状オリゴマーを合成し、これを酸触媒あ
るいは塩基触媒を用いて開環重合若しくは平衡反応に付
することにより調製される。この際、必要により、触媒
として、 (Meはメチル基を示す、以下同じ) を用いて3員環の重合を行ない、あるいは、 を添加して平衡反応を行なうことにより、分子末端にビ
ニル基を導入することもできる。重合後は、触媒を適当
な中和剤で中和し、残存する低分子オリゴマー等の揮発
成分を、加熱、減圧等の手段により除去することによ
り、目的とするポリシロキサンが得られる。尚、前記式
〔III〕のジクロロシランを加水分解し、これを直ちに
重合することにより目的とするポリシロキサンを調製す
ることも可能である。
上述したベース成分(a)のオルガノポリシロキサンの加
硫は、ラジカル反応によって行うこともできるし、また
ヒドロシリル化反応(付加反応)によっても行うことが
でき、加硫方法に応じて適当な種類の加硫剤をコンパウ
ンド中に配合することができる。
硫は、ラジカル反応によって行うこともできるし、また
ヒドロシリル化反応(付加反応)によっても行うことが
でき、加硫方法に応じて適当な種類の加硫剤をコンパウ
ンド中に配合することができる。
ラジカル反応による加硫の場合には、加硫剤としてラジ
カル開始剤である有機過酸化物が使用される。この様な
有機過酸化物としては、これに限定されるものではない
が、代表的なものとして、ベンゾイルパーオキシド、ビ
ス−2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、ビス−
p−クロロベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキ
シド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブ
チルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン、γ−ヘキシレングリコ
ールパーベンゾエート、t−アルキルパーオキシアルキ
ルカーボネート、ヒドロキシメチル−t−ブチルパーオ
キシド、t−ブチル−β−ヒドロキシエチルパーオキシ
ド等を例示することができる。この様な有機過酸化物
は、通常成分(a)のシロキサン 100重量部当たり0.01〜
5重量部の割合で使用される。
カル開始剤である有機過酸化物が使用される。この様な
有機過酸化物としては、これに限定されるものではない
が、代表的なものとして、ベンゾイルパーオキシド、ビ
ス−2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、ビス−
p−クロロベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキ
シド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブ
チルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン、γ−ヘキシレングリコ
ールパーベンゾエート、t−アルキルパーオキシアルキ
ルカーボネート、ヒドロキシメチル−t−ブチルパーオ
キシド、t−ブチル−β−ヒドロキシエチルパーオキシ
ド等を例示することができる。この様な有機過酸化物
は、通常成分(a)のシロキサン 100重量部当たり0.01〜
5重量部の割合で使用される。
またヒドロシリル化反応による加硫は、特に成分(a)の
オルガノポリシロキサンがその分子中にビニル基等のア
ルケニル基を有する場合に適用されるものであり、この
場合には触媒(加硫促進剤)及び架橋剤が使用される。
オルガノポリシロキサンがその分子中にビニル基等のア
ルケニル基を有する場合に適用されるものであり、この
場合には触媒(加硫促進剤)及び架橋剤が使用される。
触媒としては、塩化白金酸乃至その変性体若しくはこれ
とビニルシロキサンとの錯体等のそれ自体公知のものは
全て使用でき、この使用量は一般に成分(a)のオルガノ
ポリシロキサンに対して白金重量で 0.5〜300 ppm 程度
である。
とビニルシロキサンとの錯体等のそれ自体公知のものは
全て使用でき、この使用量は一般に成分(a)のオルガノ
ポリシロキサンに対して白金重量で 0.5〜300 ppm 程度
である。
架橋剤としては、一分子中に2個以上のSiH基を有す
るオルガノハイドロジェンシロキサン或いはポリシロキ
サン類が使用される。一般には、下記式〔IV〕、 で表わされる繰り返し単位から成るメチルハイドロジェ
ンポリシロキサン若しくはこれとジメチルポリシロキサ
ン、ジフェニルポリシロキサン乃至はパーフロロアルキ
ルポリシロキサンとの二元または三元共重合体であり、
分子末端が、 R2 3SiO−,あるいは 等で封鎖されている重合体が使用される。この架橋剤
は、通常成分(a)のシロキサン 100重量部当たり 0.1〜3
0重量部の割合で配合される。
るオルガノハイドロジェンシロキサン或いはポリシロキ
サン類が使用される。一般には、下記式〔IV〕、 で表わされる繰り返し単位から成るメチルハイドロジェ
ンポリシロキサン若しくはこれとジメチルポリシロキサ
ン、ジフェニルポリシロキサン乃至はパーフロロアルキ
ルポリシロキサンとの二元または三元共重合体であり、
分子末端が、 R2 3SiO−,あるいは 等で封鎖されている重合体が使用される。この架橋剤
は、通常成分(a)のシロキサン 100重量部当たり 0.1〜3
0重量部の割合で配合される。
(b)シリカ系充填材; 本発明において使用するシリコーンゴムコンパウンドに
は、硬化物の強度を補強するために、成分(a)のシロキ
サン 100重量部当たり5〜300 重量部、好ましくは10〜
100 重量部の割合でシリカ系充填材が使用される。この
シリカ系充填材としては、石英粉やケイソウ土等の天然
産のものも使用され得るが、高い強度を得るためには、
補強シリカと呼ばれる比表面積が50m2/g以上の合成シリ
カが好適である。この様な合成シリカとしては、ヒュー
ムドシリカ等の乾式シリカとして、デグッサ社製のアエ
ロジル−130,200,300,380,キャボット社製のMS-5,
MS-7等の市販品があり、また湿式シリカとして、日本シ
リカ社製のニプシルVN-3,LP,E220,A-300 等の市販品
がある。これらの補強シリカは、表面に多量のシラノー
ル基を有しているため、これと、R2 3SiX,R2 2SiX2,R2S
iX3(Xは、ハロゲン、アルコキシ基等の陰性基)等のシラ
ンや〔R2 3Si〕 2NH 等のシラザン化合物とを反応させた
所謂処理シリカも使用することができる。
は、硬化物の強度を補強するために、成分(a)のシロキ
サン 100重量部当たり5〜300 重量部、好ましくは10〜
100 重量部の割合でシリカ系充填材が使用される。この
シリカ系充填材としては、石英粉やケイソウ土等の天然
産のものも使用され得るが、高い強度を得るためには、
補強シリカと呼ばれる比表面積が50m2/g以上の合成シリ
カが好適である。この様な合成シリカとしては、ヒュー
ムドシリカ等の乾式シリカとして、デグッサ社製のアエ
ロジル−130,200,300,380,キャボット社製のMS-5,
MS-7等の市販品があり、また湿式シリカとして、日本シ
リカ社製のニプシルVN-3,LP,E220,A-300 等の市販品
がある。これらの補強シリカは、表面に多量のシラノー
ル基を有しているため、これと、R2 3SiX,R2 2SiX2,R2S
iX3(Xは、ハロゲン、アルコキシ基等の陰性基)等のシラ
ンや〔R2 3Si〕 2NH 等のシラザン化合物とを反応させた
所謂処理シリカも使用することができる。
その他の配合剤; また、このシリコーンゴムコンパウンドには、この分野
で通常使用されている各種の配合剤が適宜配合されてい
てよい。例えばヒドロシリル化反応による加硫系におい
ては、硬化速度の調整、ロール作業時のスコーチング防
止のために、反応遅延剤として、アミン、ベンゾトリア
ゾール等のN含有化合物やハイドロパーオキシド、アセ
チレンアルコール類等を適量配合することができる。
で通常使用されている各種の配合剤が適宜配合されてい
てよい。例えばヒドロシリル化反応による加硫系におい
ては、硬化速度の調整、ロール作業時のスコーチング防
止のために、反応遅延剤として、アミン、ベンゾトリア
ゾール等のN含有化合物やハイドロパーオキシド、アセ
チレンアルコール類等を適量配合することができる。
更に、シリカ等の充填材を均一に分散させるために、湿
潤剤(ウェッター)として、ジフェニルシランジオー
ル、両末端シラノールのシロキサンオリゴマー等を使用
することができ、また用途等に応じて耐熱向上剤、耐油
向上剤、顔料、難燃剤等も適宜配合し得る。
潤剤(ウェッター)として、ジフェニルシランジオー
ル、両末端シラノールのシロキサンオリゴマー等を使用
することができ、また用途等に応じて耐熱向上剤、耐油
向上剤、顔料、難燃剤等も適宜配合し得る。
含フッ素ケイ素化合物 本発明においては、上述したシリコーンゴムコンパウン
ドに、前記一般式〔I〕、即ち、 で表わされる含フッ素ケイ素化合物が配合される。かか
る含フッ素化合物の配合により、ロール剥離性や加熱加
硫成形時の離型性が顕著に向上するものである。
ドに、前記一般式〔I〕、即ち、 で表わされる含フッ素ケイ素化合物が配合される。かか
る含フッ素化合物の配合により、ロール剥離性や加熱加
硫成形時の離型性が顕著に向上するものである。
前記一般式〔I〕において、aは0または1の数、bは
1乃至3の整数及びcは0または1の数である。
1乃至3の整数及びcは0または1の数である。
また、基 Rfは、パーフルオロアルキル基あるいはパー
フルオロポリエーテル基であり、パーフルオロアルキル
基として好ましくは炭素数4乃至12のもの、具体的に
は、 C4F9−,C6F13−,C8F17−,C10F20−,C12F25−, (CF3)2CFCF2 4,(CF3)2CFCF2 6, (CF3)2CFCF2 8−, 等を例示することができ、パーフルオロポリエーテル基
として好ましくは炭素数5乃至15のもの、具体的には、 等を例示することができる。
フルオロポリエーテル基であり、パーフルオロアルキル
基として好ましくは炭素数4乃至12のもの、具体的に
は、 C4F9−,C6F13−,C8F17−,C10F20−,C12F25−, (CF3)2CFCF2 4,(CF3)2CFCF2 6, (CF3)2CFCF2 8−, 等を例示することができ、パーフルオロポリエーテル基
として好ましくは炭素数5乃至15のもの、具体的には、 等を例示することができる。
更に基Qは、エチレングリコールの単独重合鎖、プロピ
レングリコールの単独重合鎖及びこれら両者の共重合鎖
のいずれであっても良い。そして両者の共重合鎖とする
場合は、ブロック重合鎖、ランダム重合鎖の何れの形態
でも良い。但しこのポリエーテル基Qは、このフッ素ケ
イ素化合物に親水性を付与する目的で導入されるもので
あるため、その重合度は前述の疎水基である含フッ素有
機基を有する有機ケイ素化合物との均衡を考慮して決定
する必要がある。例えば、プロピレングリコールは、エ
チレングリコールに比べて親水性が相対的に低いのでポ
リエーテル基Qとして、プロピレングリコールの単独重
合鎖を用いる場合は、相対的に高重合度の重合鎖を用い
る必要がある。また、エチレングリコールとプロピレン
グリコールとの共重合鎖を用いる場合は、全体に占める
プロピレングリコールの含有量は、特に限定されない
が、例えば、2〜10モル%程度が好適である。
レングリコールの単独重合鎖及びこれら両者の共重合鎖
のいずれであっても良い。そして両者の共重合鎖とする
場合は、ブロック重合鎖、ランダム重合鎖の何れの形態
でも良い。但しこのポリエーテル基Qは、このフッ素ケ
イ素化合物に親水性を付与する目的で導入されるもので
あるため、その重合度は前述の疎水基である含フッ素有
機基を有する有機ケイ素化合物との均衡を考慮して決定
する必要がある。例えば、プロピレングリコールは、エ
チレングリコールに比べて親水性が相対的に低いのでポ
リエーテル基Qとして、プロピレングリコールの単独重
合鎖を用いる場合は、相対的に高重合度の重合鎖を用い
る必要がある。また、エチレングリコールとプロピレン
グリコールとの共重合鎖を用いる場合は、全体に占める
プロピレングリコールの含有量は、特に限定されない
が、例えば、2〜10モル%程度が好適である。
ポリエーテル基Qに結合する末端基R1は、過度に大きい
有機基になると、疎水基としての機能を示す場合があ
り、この化合物の親水性が損なわれるため、例えば、水
素原子、アリル基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭
素原子数2〜4のアシル基を使用する。なかでも、メチ
ル基およびアセチル基は好ましいものである。
有機基になると、疎水基としての機能を示す場合があ
り、この化合物の親水性が損なわれるため、例えば、水
素原子、アリル基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭
素原子数2〜4のアシル基を使用する。なかでも、メチ
ル基およびアセチル基は好ましいものである。
かかる含フッ素ケイ素化合物は、含フッ素有機基、ポリ
エーテル基の分子量、構造等により、液体から固体状の
ものまで変化させ得るが、用途に応じて適切な構造、分
子量を選択すればよい。この含フッ素ケイ素化合物の具
体例としては、これに限定されるものではないが、次の
ものを例示できる。
エーテル基の分子量、構造等により、液体から固体状の
ものまで変化させ得るが、用途に応じて適切な構造、分
子量を選択すればよい。この含フッ素ケイ素化合物の具
体例としては、これに限定されるものではないが、次の
ものを例示できる。
尚、上述した含フッ素ケイ素化合物は、それぞれ対応す
る含フッ素水素シラン若しくはシロキサンと末端アリル
ポリエーテル化合物とを白金触媒の存在下でヒドロシリ
ル化反応させることによって合成される。
る含フッ素水素シラン若しくはシロキサンと末端アリル
ポリエーテル化合物とを白金触媒の存在下でヒドロシリ
ル化反応させることによって合成される。
またこの含フッ素ケイ素化合物は、前記コンパウンドの
成分(a)のシロキサン 100重量部当たり0.01重量部以
上、特に0.05乃至3重量部の割合で配合されるのが好ま
しい。この配合量が少ない場合には、離型性を向上させ
るという本発明の目的を達成することが困難となるし、
またあまりに多量に配合されると、硬化物の強度低下や
配合された含フッ素ケイ素化合物のブリードアウトとい
う不都合を生ずる場合がある。
成分(a)のシロキサン 100重量部当たり0.01重量部以
上、特に0.05乃至3重量部の割合で配合されるのが好ま
しい。この配合量が少ない場合には、離型性を向上させ
るという本発明の目的を達成することが困難となるし、
またあまりに多量に配合されると、硬化物の強度低下や
配合された含フッ素ケイ素化合物のブリードアウトとい
う不都合を生ずる場合がある。
シリコーンゴム組成物 本発明の組成物は、上述したシリコーンゴムコンパウン
ドと含フッ素ケイ素化合物とを、ロールミル、ニーダ
ー、バンバリーミキサー等の混合機によって均一に混合
することによって容易に調製される。
ドと含フッ素ケイ素化合物とを、ロールミル、ニーダ
ー、バンバリーミキサー等の混合機によって均一に混合
することによって容易に調製される。
この様な混合は、該組成物の使用直前になされてもよ
く、例えば前記ベース成分(a)のシロキサンと充填材、
顔料及び耐熱向上材等の他の配合剤とを一包装形態と
し、更に加硫剤(成分(b))をシリコーンオイルやシロ
キサン成分とのペーストにして一包装形態とし、使用時
にこれらと含フッ素ケイ素化合物とを二本ロールミル等
で均一に混合して使用に供することができる。勿論、含
フッ素ケイ素化合物を予めシリコーンゴム中に混練して
おいてもよい。
く、例えば前記ベース成分(a)のシロキサンと充填材、
顔料及び耐熱向上材等の他の配合剤とを一包装形態と
し、更に加硫剤(成分(b))をシリコーンオイルやシロ
キサン成分とのペーストにして一包装形態とし、使用時
にこれらと含フッ素ケイ素化合物とを二本ロールミル等
で均一に混合して使用に供することができる。勿論、含
フッ素ケイ素化合物を予めシリコーンゴム中に混練して
おいてもよい。
(発明の効果) 本発明によれば、シリコーンゴム組成物において、ロー
ル剥離性や加熱加硫時におけ金型離型性が顕著に向上
し、しかも後述する実施例の結果からも明らかな通り、
圧縮永久歪特性等のシリコーンゴムが本来有する特性を
何ら低下させることなく、上記の効果が達成される。
ル剥離性や加熱加硫時におけ金型離型性が顕著に向上
し、しかも後述する実施例の結果からも明らかな通り、
圧縮永久歪特性等のシリコーンゴムが本来有する特性を
何ら低下させることなく、上記の効果が達成される。
また本発明において使用する含フッ素ケイ素化合物は、
N,P,S重金属イオン等の付加反応を阻害する元素を
含んでおらず、この結果としてラジカル反応による加硫
系のみならず、ヒドロシリル化反応による加硫系にも本
発明を適用でき、本発明の有用性は極めて大きい。
N,P,S重金属イオン等の付加反応を阻害する元素を
含んでおらず、この結果としてラジカル反応による加硫
系のみならず、ヒドロシリル化反応による加硫系にも本
発明を適用でき、本発明の有用性は極めて大きい。
本発明の優れた効果を次の例で説明する。
(実施例) 実施例1,2及び比較例1〜4 シリコーンゴムコンパウンドとして、シリコーン生ゴム
に湿式シリカを配合した信越化学工業(株)製 KE961U を
使用し、加硫剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンのペースト(信越化
学工業(株)製 C-8A)を使用する。
に湿式シリカを配合した信越化学工業(株)製 KE961U を
使用し、加硫剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンのペースト(信越化
学工業(株)製 C-8A)を使用する。
また含フッ素ケイ素化合物として次式で表わされる化合
物(A) を使用し、比較のためのケイ素化合物として次式
であらわされる化合物(B) を使用する。
物(A) を使用し、比較のためのケイ素化合物として次式
であらわされる化合物(B) を使用する。
含フッ素ケイ素化合物(A); ケイ素化合物(B); 前記シリコーンゴムコンパウンド KE961U 100重量部当
たり、加硫剤 C-8A 0.5 重量部及び含フッ素ケイ素化合
物(A) を 0.1重量部あるいは 1.0重量部配合してゴム組
成物を調製した(実施例1,2)。
たり、加硫剤 C-8A 0.5 重量部及び含フッ素ケイ素化合
物(A) を 0.1重量部あるいは 1.0重量部配合してゴム組
成物を調製した(実施例1,2)。
また比較のために、上記実施例において、含フッ素ケイ
素化合物(A) を配合しないもの(比較例1)、含フッ素
ケイ素化合物(A) の代わりに、ステアリン酸亜鉛粉末を
0.5重量部配合したもの(比較例2)、あるいはケイ素
化合物(B) を 0.5重量部若しくは 1.0重量部配合したも
の(比較例3,4)を調製した。
素化合物(A) を配合しないもの(比較例1)、含フッ素
ケイ素化合物(A) の代わりに、ステアリン酸亜鉛粉末を
0.5重量部配合したもの(比較例2)、あるいはケイ素
化合物(B) を 0.5重量部若しくは 1.0重量部配合したも
の(比較例3,4)を調製した。
これらの組成物について、その常態物性を第1表に示す
とともに、これを調製する際の2本ロールからの剥離状
況を観察し、その結果を併せて第1表に示す。
とともに、これを調製する際の2本ロールからの剥離状
況を観察し、その結果を併せて第1表に示す。
またこれらの組成物をそれぞれ金型内で 170℃×10分間
加熱加圧成形し、13×17×0.2 cmのシート及び1.25×2.
80φcmの試料を成形した。この際の金型剥離性の観察結
果を第1表に示すとともに、この試料を 200℃×4時間
ポストキュアした後、JISK6301にゴム物性を測定し、そ
の結果を第1表に示す。
加熱加圧成形し、13×17×0.2 cmのシート及び1.25×2.
80φcmの試料を成形した。この際の金型剥離性の観察結
果を第1表に示すとともに、この試料を 200℃×4時間
ポストキュアした後、JISK6301にゴム物性を測定し、そ
の結果を第1表に示す。
第1表の結果から、本発明に従って含フッ素ケイ素化合
物(A) が配合されたゴム組成物(実施例1,2)におい
ては、圧縮永久歪が低下することなく、ロール剥離性及
び金型剥離性が良化していることが理解される。更に、
本発明の組成物においては、反撥弾性や強度物性も低下
しておらず、230 ℃×72時間の耐熱試験後の硬度変化も
0ポイントであった。
物(A) が配合されたゴム組成物(実施例1,2)におい
ては、圧縮永久歪が低下することなく、ロール剥離性及
び金型剥離性が良化していることが理解される。更に、
本発明の組成物においては、反撥弾性や強度物性も低下
しておらず、230 ℃×72時間の耐熱試験後の硬度変化も
0ポイントであった。
これに対して、従来の内添離型剤が添加されている組成
物(比較例2,3,4)では、圧縮永久歪の悪化が顕著
であった。
物(比較例2,3,4)では、圧縮永久歪の悪化が顕著
であった。
また実施例1,2及び比較例1の組成物について、外形
7.6φ×6.3(高さ)×0.6(肉厚)mmの帽子型ゴム部品
を、20個取りの金型で 170℃×10分のプレス成形をした
ところ、実施例1,2の組成物では連続して15回迄異常
なく成形できたが、比較例1の組成物では2回で金型剥
離性が不十分となり、脱型時、一部ちぎれる現象が発生
した。
7.6φ×6.3(高さ)×0.6(肉厚)mmの帽子型ゴム部品
を、20個取りの金型で 170℃×10分のプレス成形をした
ところ、実施例1,2の組成物では連続して15回迄異常
なく成形できたが、比較例1の組成物では2回で金型剥
離性が不十分となり、脱型時、一部ちぎれる現象が発生
した。
フロントページの続き (72)発明者 松田 高至 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社シリコーン電子材料技術研 究所内 (72)発明者 佐藤 伸一 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社シリコーン電子材料技術研 究所内
Claims (1)
- 【請求項1】(a)下記一般単位式: で表されるオルガノポリシロキサン、 及び、 (b)前記(a)のオルガノポリシロキサン100 重量部当り5
〜300 重量部のシリカ系充填材、 を含有しているシリコーンゴムコンパウンドに、下記一
般式〔I〕、 で表わされる含フッ素ケイ素化合物が、前記(a)のオル
ガノポリシロキサン100 重量部当り1重量部以上の量で
配合されていることを特徴とするシリコーンゴム組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33718989A JPH0655890B2 (ja) | 1989-12-26 | 1989-12-26 | 金型離型性に優れたシリコーンゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33718989A JPH0655890B2 (ja) | 1989-12-26 | 1989-12-26 | 金型離型性に優れたシリコーンゴム組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03197564A JPH03197564A (ja) | 1991-08-28 |
JPH0655890B2 true JPH0655890B2 (ja) | 1994-07-27 |
Family
ID=18306285
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33718989A Expired - Fee Related JPH0655890B2 (ja) | 1989-12-26 | 1989-12-26 | 金型離型性に優れたシリコーンゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0655890B2 (ja) |
-
1989
- 1989-12-26 JP JP33718989A patent/JPH0655890B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03197564A (ja) | 1991-08-28 |
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