JPH064578B2 - 光学活性シアノ化合物の製造方法 - Google Patents
光学活性シアノ化合物の製造方法Info
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- JPH064578B2 JPH064578B2 JP61297941A JP29794186A JPH064578B2 JP H064578 B2 JPH064578 B2 JP H064578B2 JP 61297941 A JP61297941 A JP 61297941A JP 29794186 A JP29794186 A JP 29794186A JP H064578 B2 JPH064578 B2 JP H064578B2
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- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
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- C07D333/00—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom
- C07D333/02—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
- C07D333/04—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings not substituted on the ring sulphur atom
- C07D333/06—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings not substituted on the ring sulphur atom with only hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached to the ring carbon atoms
- C07D333/24—Radicals substituted by carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アルデヒドの新規な不斉シアノ化反応を利用
した光学活性なシアノヒドリンの効率的な製造方法に関
する。
した光学活性なシアノヒドリンの効率的な製造方法に関
する。
光学活性なシアノヒドリンは、α−ヒドロキシル酸やβ
−アミノアルコールの前駆体として、また合成ピレスロ
イド中間体として、医薬、農薬など光学活性な生理活性
物質合成に於て特に重要な化合物である。
−アミノアルコールの前駆体として、また合成ピレスロ
イド中間体として、医薬、農薬など光学活性な生理活性
物質合成に於て特に重要な化合物である。
(従来の技術及び発明が解決しようとする問題点) 光学活性なシアノヒドリンは古くから不斉合成反応研究
の対象とされ、生化学的方法、或いは不斉合成的方法と
様々な観点から多様な手法が開発・研究されているが、
いずれも実際に工業的に利用されるまでには到っていな
い。
の対象とされ、生化学的方法、或いは不斉合成的方法と
様々な観点から多様な手法が開発・研究されているが、
いずれも実際に工業的に利用されるまでには到っていな
い。
生化学的方法の中には、アルデヒド類に対するシアン化
水素の立体特異的付加反応に酵素の触媒作用を利用する
方法として、(1)エムルシンを用いる方法〔フェルメン
トフォルシュンダ,Ferment forschung,5,334
(1922)〕と(2)D−オキシニトリルリアーゼを用
いる方法〔アンゲバンデット・ケミー,Angew.Chem.,
77,1139(1965)〕があり、またラセミ体の
酵素分割法として、(3)通常の化学合成によって得られ
るラセミ体のシアノヒドリンのカルボン酸エステルを酵
素的に不斉加水分解する方法(特開昭59−22019
4)が知られている。
水素の立体特異的付加反応に酵素の触媒作用を利用する
方法として、(1)エムルシンを用いる方法〔フェルメン
トフォルシュンダ,Ferment forschung,5,334
(1922)〕と(2)D−オキシニトリルリアーゼを用
いる方法〔アンゲバンデット・ケミー,Angew.Chem.,
77,1139(1965)〕があり、またラセミ体の
酵素分割法として、(3)通常の化学合成によって得られ
るラセミ体のシアノヒドリンのカルボン酸エステルを酵
素的に不斉加水分解する方法(特開昭59−22019
4)が知られている。
一方、不斉合成的方法の中には、塩基性不斉触媒による
アルデヒドへのシアン化水素の不斉付加反応による方法
として、(4)キニンあるいはキニジンなど天然アルカロ
イドを用いる方法〔バイオケミッシュ・ツアイトシュリ
フト,Biochem.Z.,249,241,(1932)〕、
(5)光学活性ポリアジリジンを用いる方法〔ブレチン・
ケミカル・ソサイエティ・ジャパン,Bull.Chem.Soc.Jp
n.,38,354(1965)〕、(6)光学活性な4級
アンモニウム塩相間移動触媒を利用する方法〔テトラヘ
ドロン・レター、Tetrahedron Lett.,2171(19
79)〕、(7)ヒスチジンを含有する環状ペプチドを用
いる方法〔ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ
ー、ケミカル・コミュニケーション,J.Chem.Soc.,ch
em.Comm.,229(1981)〕が知られている。また
(8)アルデヒドの光学活性アセタールにトリメチルシリ
ルシアニドを作用させた後に酸化、β−脱離することに
よって不斉的にシアノヒドリンを合成する方法〔テトラ
ヘドロン・レター、Tetrahedron Lett.,591,(1
984)〕や、(9)ブルシンとラセミ体のシアノヒドリ
ンの包括化合物を形成させ熱力学的に安定な一方のシア
ノヒドリンへの変換を促進させる方法〔ケミストリー・
レター、Chemistry Lett.,661,(1983)〕が
知られている。
アルデヒドへのシアン化水素の不斉付加反応による方法
として、(4)キニンあるいはキニジンなど天然アルカロ
イドを用いる方法〔バイオケミッシュ・ツアイトシュリ
フト,Biochem.Z.,249,241,(1932)〕、
(5)光学活性ポリアジリジンを用いる方法〔ブレチン・
ケミカル・ソサイエティ・ジャパン,Bull.Chem.Soc.Jp
n.,38,354(1965)〕、(6)光学活性な4級
アンモニウム塩相間移動触媒を利用する方法〔テトラヘ
ドロン・レター、Tetrahedron Lett.,2171(19
79)〕、(7)ヒスチジンを含有する環状ペプチドを用
いる方法〔ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ
ー、ケミカル・コミュニケーション,J.Chem.Soc.,ch
em.Comm.,229(1981)〕が知られている。また
(8)アルデヒドの光学活性アセタールにトリメチルシリ
ルシアニドを作用させた後に酸化、β−脱離することに
よって不斉的にシアノヒドリンを合成する方法〔テトラ
ヘドロン・レター、Tetrahedron Lett.,591,(1
984)〕や、(9)ブルシンとラセミ体のシアノヒドリ
ンの包括化合物を形成させ熱力学的に安定な一方のシア
ノヒドリンへの変換を促進させる方法〔ケミストリー・
レター、Chemistry Lett.,661,(1983)〕が
知られている。
以上の様に数多くの光学活性シアノヒドリンの合成法が
開発、研究されているが、一般に生成物の光学純度が極
めて低いもの〔(1),(4),(5),(6)〕や、光学純度的に
は良好であるもののD体((R)配置)のもののみに限定
されるもの〔(2)〕、未利用対掌体の回収再利用といっ
た面で難点のあるもの〔(3)〕、または塩基性不斉触媒
を利用する方法は一般に生成するシアノヒドリンが塩基
触媒により同時にラセミ化しやすく、転化率をあげると
光学純度が大幅に低下する基本的な問題を含み、かつ触
媒の調製そのものが煩雑であるもの〔(5)〜(7)〕など、
それぞれに問題点を有している。
開発、研究されているが、一般に生成物の光学純度が極
めて低いもの〔(1),(4),(5),(6)〕や、光学純度的に
は良好であるもののD体((R)配置)のもののみに限定
されるもの〔(2)〕、未利用対掌体の回収再利用といっ
た面で難点のあるもの〔(3)〕、または塩基性不斉触媒
を利用する方法は一般に生成するシアノヒドリンが塩基
触媒により同時にラセミ化しやすく、転化率をあげると
光学純度が大幅に低下する基本的な問題を含み、かつ触
媒の調製そのものが煩雑であるもの〔(5)〜(7)〕など、
それぞれに問題点を有している。
その他の方法では、操作が煩雑な上に高価な不斉源を消
費してしまう不経済性〔(8)〕や、特殊なシアノヒドリ
ンの場合にのみ限定されるといった一般性に欠ける
〔(9)〕など、いずれの方法も汎用性、経済性、操作性
などに解決すべき難点を有していると考えられる。
費してしまう不経済性〔(8)〕や、特殊なシアノヒドリ
ンの場合にのみ限定されるといった一般性に欠ける
〔(9)〕など、いずれの方法も汎用性、経済性、操作性
などに解決すべき難点を有していると考えられる。
(問題点を解決する為の手段及びその作用効果) 本発明者らは、汎用性に優れた光学活性シアノヒドリン
の実用的な不斉合成方法を開発すべく検討を重ねた結
果、安価な光学活性酒石酸誘導体のチタン酸エステルを
用いる効率的な光学活性シアノヒドリンの新規な不斉合
成方法を見いだし、本発明を完成した。
の実用的な不斉合成方法を開発すべく検討を重ねた結
果、安価な光学活性酒石酸誘導体のチタン酸エステルを
用いる効率的な光学活性シアノヒドリンの新規な不斉合
成方法を見いだし、本発明を完成した。
本発明を式で示すと下記の如く表わすことができる。
〔式中、RおよびR1はアルキル、アラルキル、アリー
ル基またはそれらの置換体を表わし、R2はアルキル基
を表わす。Xは水素またはトリアルキルシリル基を表わ
す。またYは酸素またはNZを表わす。Zは水素、アル
キル、アラルキル、アリール基またはR2と融合して環
状化合物を表わす。*印は不斉炭素が光学活性体である
ことを示す。〕 すなわち、本発明は、テトラアルキルチタネートと光学
活性酒石酸誘導体から生成する光学活性チタン酸エステ
ルの存在下、アルデヒドにシアノ化剤を作用させ、不斉
的にシアノ化することを特徴とする光学活性シアノヒド
リンの不斉合成法に関する。
ル基またはそれらの置換体を表わし、R2はアルキル基
を表わす。Xは水素またはトリアルキルシリル基を表わ
す。またYは酸素またはNZを表わす。Zは水素、アル
キル、アラルキル、アリール基またはR2と融合して環
状化合物を表わす。*印は不斉炭素が光学活性体である
ことを示す。〕 すなわち、本発明は、テトラアルキルチタネートと光学
活性酒石酸誘導体から生成する光学活性チタン酸エステ
ルの存在下、アルデヒドにシアノ化剤を作用させ、不斉
的にシアノ化することを特徴とする光学活性シアノヒド
リンの不斉合成法に関する。
従来、テトラアルキルチタネートと光学活性酒石酸誘導
体から形成される光学活性チタン酸エステルは、アリル
アルコール類の過酸化物による不斉エポキシ化反応(謂
ゆるSharpless酸化反応、J.Am.Chem.Soc.102巻,5
974,1980年)の触媒として良く知られている
が、この光学活性チタン酸エステルをアルデヒドの不斉
シアノ化反応に利用しようとする試みは今までに全く知
られていない。
体から形成される光学活性チタン酸エステルは、アリル
アルコール類の過酸化物による不斉エポキシ化反応(謂
ゆるSharpless酸化反応、J.Am.Chem.Soc.102巻,5
974,1980年)の触媒として良く知られている
が、この光学活性チタン酸エステルをアルデヒドの不斉
シアノ化反応に利用しようとする試みは今までに全く知
られていない。
本発明は、テトラアルキルチタネートと光学活性酒石酸
誘導体から形成される、この光学活性チタン酸エステル
がトリアルキルシリルシアニド或いはシアン化水素等に
よるアルデヒドの不斉シアノ化反応を効率よく触媒し、
極めて高い鏡像体過剰率、かつ高収率で光学活性シアノ
ヒドリンを与えるといった、従来の知見からは全く予想
できない驚くべき新規な知見を基に完成されたものであ
る。以上に本発明を詳細に説明する。
誘導体から形成される、この光学活性チタン酸エステル
がトリアルキルシリルシアニド或いはシアン化水素等に
よるアルデヒドの不斉シアノ化反応を効率よく触媒し、
極めて高い鏡像体過剰率、かつ高収率で光学活性シアノ
ヒドリンを与えるといった、従来の知見からは全く予想
できない驚くべき新規な知見を基に完成されたものであ
る。以上に本発明を詳細に説明する。
不斉反応場形成に利用するテトラアルキルチタネートと
光学活性酒石酸誘導体は、多様な組み合せが利用でき
る。テトラアルキルチタネートとしては、テトラメチル
チタネート、テトラエチルチタネート、テトラ−n−プ
ロピルチタネート、テトラ−iso−プロピルチタネー
ト、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−2−エチ
ルヘキシルチタネート、テトラステアリルチタネートな
どが利用できるが、中でもテトラエチルチタネート、テ
トラ−イソ−プロピルチタネートが反応の不斉性の面か
ら特に好適に利用できる。一法、不斉配位子として用い
る光学活性酒石酸誘導体としては、DもしくはL−酒石
酸のエステル及びアミドが有効である。エステルとして
は、ジメチルエステル、ジエチルエステル、ジ−n−プ
ロピルエステル、ジ−iso−プロピルエステル、ジ−
n−ブチルエステル、ジ−iso−ブチルエステル、ジ
−tert−ブチルエステル、ジベンジルエステル、ジ
フェニルエステル、ジ−p−ニトロフェニルエステルな
どの脂肪族及び芳香族の酒石酸ジエステルが使用でき、
またアミドとしては、ジメチルアミド、ジエチルアミ
ド、ジ−n−プロピルアミド、ジ−iso−プロピルア
ミド、ジ−n−ブチルアミド、ジ−iso−ブチルアミ
ド、ジ−tert−ブチルアミド、ジベンジルアミド、
ジアニリド、ジフェネチルアミドなどの脂肪族及び芳香
族の一級アミンの酒石酸ジアミド、またはジメチルアミ
ン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−i
so−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−i
so−ブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジ
ベンジルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ジフェニル
アミンなどの脂肪族及び芳香族の2級アミンとの酒石酸
ジアミドが利用できるが、中でも酒石酸ジエチルエステ
ルもしくは酒石酸ジ−イソ−プロピルエステルが反応の
不斉性の面から特に好ましい。これらテトラアルキルチ
タネートと光学活性酒石酸誘導体による光学活性チタン
酸エステルの調製は、反応系にこれら試薬をほぼ当モル
添加するだけで謂ゆるin situに於て調製することもで
きるが、テトラアルキルチタネート由来のアルコールを
溶媒とともに減圧留去し、反応系から除去し、該光学活
性チタン酸エステル生成を完結させることがその後のシ
アノ化反応に於る収率及び鏡像体過剰率の面から好まし
い。
光学活性酒石酸誘導体は、多様な組み合せが利用でき
る。テトラアルキルチタネートとしては、テトラメチル
チタネート、テトラエチルチタネート、テトラ−n−プ
ロピルチタネート、テトラ−iso−プロピルチタネー
ト、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−2−エチ
ルヘキシルチタネート、テトラステアリルチタネートな
どが利用できるが、中でもテトラエチルチタネート、テ
トラ−イソ−プロピルチタネートが反応の不斉性の面か
ら特に好適に利用できる。一法、不斉配位子として用い
る光学活性酒石酸誘導体としては、DもしくはL−酒石
酸のエステル及びアミドが有効である。エステルとして
は、ジメチルエステル、ジエチルエステル、ジ−n−プ
ロピルエステル、ジ−iso−プロピルエステル、ジ−
n−ブチルエステル、ジ−iso−ブチルエステル、ジ
−tert−ブチルエステル、ジベンジルエステル、ジ
フェニルエステル、ジ−p−ニトロフェニルエステルな
どの脂肪族及び芳香族の酒石酸ジエステルが使用でき、
またアミドとしては、ジメチルアミド、ジエチルアミ
ド、ジ−n−プロピルアミド、ジ−iso−プロピルア
ミド、ジ−n−ブチルアミド、ジ−iso−ブチルアミ
ド、ジ−tert−ブチルアミド、ジベンジルアミド、
ジアニリド、ジフェネチルアミドなどの脂肪族及び芳香
族の一級アミンの酒石酸ジアミド、またはジメチルアミ
ン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−i
so−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−i
so−ブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジ
ベンジルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ジフェニル
アミンなどの脂肪族及び芳香族の2級アミンとの酒石酸
ジアミドが利用できるが、中でも酒石酸ジエチルエステ
ルもしくは酒石酸ジ−イソ−プロピルエステルが反応の
不斉性の面から特に好ましい。これらテトラアルキルチ
タネートと光学活性酒石酸誘導体による光学活性チタン
酸エステルの調製は、反応系にこれら試薬をほぼ当モル
添加するだけで謂ゆるin situに於て調製することもで
きるが、テトラアルキルチタネート由来のアルコールを
溶媒とともに減圧留去し、反応系から除去し、該光学活
性チタン酸エステル生成を完結させることがその後のシ
アノ化反応に於る収率及び鏡像体過剰率の面から好まし
い。
本シアノ化反応に於ては、広範なアルデヒドが使用で
き、反応の進行を阻害する要因を含まない限り特に限定
されるものではない。例えば、アセトアルデヒド、プロ
ピオアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、iso−ブチ
ルアルデヒド、n−バレロアルデヒド、iso−バレロ
アルデヒド、n−カプロンアルデヒド、n−カプリルア
ルデヒドなどのアルキルアルデヒド、フェニルアセトア
ルデヒド、フェニルプロピオンアルデヒド、ナフチルア
セトアルデヒドなどのアラルキルアルデヒド、ベンズア
ルデヒド、ナフトアルデヒド、フルフラール、チオフェ
ンアルデヒドなどのアリールアルデヒド及びそれらの各
種置換体などがあげられる。また、アクロレイン、クロ
トンアルデヒド、シンナムアルデヒドなどの不飽和アル
デヒド及びそれらの置換体なども使用できる。
き、反応の進行を阻害する要因を含まない限り特に限定
されるものではない。例えば、アセトアルデヒド、プロ
ピオアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、iso−ブチ
ルアルデヒド、n−バレロアルデヒド、iso−バレロ
アルデヒド、n−カプロンアルデヒド、n−カプリルア
ルデヒドなどのアルキルアルデヒド、フェニルアセトア
ルデヒド、フェニルプロピオンアルデヒド、ナフチルア
セトアルデヒドなどのアラルキルアルデヒド、ベンズア
ルデヒド、ナフトアルデヒド、フルフラール、チオフェ
ンアルデヒドなどのアリールアルデヒド及びそれらの各
種置換体などがあげられる。また、アクロレイン、クロ
トンアルデヒド、シンナムアルデヒドなどの不飽和アル
デヒド及びそれらの置換体なども使用できる。
本シアノ化反応に於るシアンイオン供給源としては、非
水系に於て好適にシアンイオンを供給するものであれば
利用でき、例えばシアン化水素及びメリアルキルシリル
シアニドなどがあげられるが、必ずしもこれを限定され
るものではない。
水系に於て好適にシアンイオンを供給するものであれば
利用でき、例えばシアン化水素及びメリアルキルシリル
シアニドなどがあげられるが、必ずしもこれを限定され
るものではない。
本シアノ化反応は通常不活性溶媒の共存下で行なうのが
好ましく、反応溶媒としては塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、
アセトニトリン、ベンゼンおよびトルエンなどが使用で
きるが、中でも塩化メチレン、クロロホルムといったハ
ロゲン化炭化水素系溶媒を乾燥後、蒸溜などして使用す
るのが収率、鏡像体過剰率の面から特に好ましい。
好ましく、反応溶媒としては塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、
アセトニトリン、ベンゼンおよびトルエンなどが使用で
きるが、中でも塩化メチレン、クロロホルムといったハ
ロゲン化炭化水素系溶媒を乾燥後、蒸溜などして使用す
るのが収率、鏡像体過剰率の面から特に好ましい。
本シアノ化反応は反応温度に関して特に制限はなく、ア
ルデヒドの種類及び酒石酸誘導体の種類など諸条件によ
りそれぞれ好適な温度が変化するが、一般に−40℃〜
60℃で好ましくは−10℃から40℃で反応を行なう
のが適当である。
ルデヒドの種類及び酒石酸誘導体の種類など諸条件によ
りそれぞれ好適な温度が変化するが、一般に−40℃〜
60℃で好ましくは−10℃から40℃で反応を行なう
のが適当である。
本反応に要する反応時間は、反応温度と同様特に制限は
なく、諸条件により大きく変化するが、一般に30分か
ら100時間で、通常数時間から20時間で反応は完結
する場合が多い。反応後、シアノヒドリンを単離する場
合には、反応系に希酸水溶液を加え、温室で30分から
1時間激しく攪拌することによりチタン酸エステル及び
シアンイオン供給源がトリアルキルシリルシアニドの場
合、1次生成物と考えられるo−トリアルキルシリルシ
アニヒドリンを加水分解し、塩化メチレンなど有機溶剤
を用いた通常の抽出分離操作の後、シリカゲルカラムに
よる精製を行なうか、或いは減圧蒸留による精製を行な
うなどの常法により純粋なシアノヒドリンを得ることが
できる。
なく、諸条件により大きく変化するが、一般に30分か
ら100時間で、通常数時間から20時間で反応は完結
する場合が多い。反応後、シアノヒドリンを単離する場
合には、反応系に希酸水溶液を加え、温室で30分から
1時間激しく攪拌することによりチタン酸エステル及び
シアンイオン供給源がトリアルキルシリルシアニドの場
合、1次生成物と考えられるo−トリアルキルシリルシ
アニヒドリンを加水分解し、塩化メチレンなど有機溶剤
を用いた通常の抽出分離操作の後、シリカゲルカラムに
よる精製を行なうか、或いは減圧蒸留による精製を行な
うなどの常法により純粋なシアノヒドリンを得ることが
できる。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、もとより本
発明はこれに限定されるものではない。
発明はこれに限定されるものではない。
実施例1R−(+)−α−シアノベンジルアルコールの製
造 L(+)−酒石酸ジイソプロピル515mgの乾燥ジクロロ
メタン(20ml)溶液に、テトライソプロピルチタネー
ト568mgをゆっくり滴下し、室温で30分攪拌した。
次に揮発物を減圧下室温から35℃で溜去した後、真空
ポンプで更に15分乾燥し、得られた残査にジクロルメ
タン20mlを加え、均一になる迄室温で攪拌した。この
溶液にトリメチルシリルアニド218mg、続いてベンズ
アルデヒド212mgを加え、5℃で14時間攪拌した。
反応後、IN塩酸20mlを反応液に加え、室温で30分
攪拌した後、ジクロルメタンで抽出し、硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を溜去して得られた油状物を内部標準
法を用いた高速液体コロマトグラフィー(HPLC)に
より定量分析したところ、α−シアノベンジルアルコー
ル(マンデロニトリル)が94%の収率で得られている
事がわかり、この生成物は光学異性体分割カラムを用い
たHPLC分析の結果、93%の鏡像体過剰率のR(+)
−α−シアノベンジルコールであった。なお分析には、
下記条件を使用した。
造 L(+)−酒石酸ジイソプロピル515mgの乾燥ジクロロ
メタン(20ml)溶液に、テトライソプロピルチタネー
ト568mgをゆっくり滴下し、室温で30分攪拌した。
次に揮発物を減圧下室温から35℃で溜去した後、真空
ポンプで更に15分乾燥し、得られた残査にジクロルメ
タン20mlを加え、均一になる迄室温で攪拌した。この
溶液にトリメチルシリルアニド218mg、続いてベンズ
アルデヒド212mgを加え、5℃で14時間攪拌した。
反応後、IN塩酸20mlを反応液に加え、室温で30分
攪拌した後、ジクロルメタンで抽出し、硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を溜去して得られた油状物を内部標準
法を用いた高速液体コロマトグラフィー(HPLC)に
より定量分析したところ、α−シアノベンジルアルコー
ル(マンデロニトリル)が94%の収率で得られている
事がわかり、この生成物は光学異性体分割カラムを用い
たHPLC分析の結果、93%の鏡像体過剰率のR(+)
−α−シアノベンジルコールであった。なお分析には、
下記条件を使用した。
定量分析 カラム:Finepack SILC
18(日本分光(株)製) (4.6mmID×250mm) 移動相:水/アセトニトリル=70/30(v/v) 流速:1.5ml/min 内部標準:安息香酸メチル 検出:210nm 光学純度分析 カラム:CHIRAL CEL−OE(ダイセル化学工
業(株)製) (4.6mmID×250mm) 移動相:ヘキサン/イソプロパノール=100/1(v/
v) 流速:0.6ml/min 検出:210nm 実施例2(R)−(+)−α−シアノベンジルアルコールの製
造 表Iに示す各種のL(+)−酒石酸誘導体(2mmol)の表I
に示す溶媒20mlの溶液に表Iに示すテトラアルキルチ
タネート(2mmol)をゆっくり滴下し、室温で30分攪
拌した。次に揮発物を実施例1と同様にして除去した
後、得られた残査に表Iに示した溶媒を20ml加え、均
一になる迄室温で攪拌した。これに更にトリメチルシリ
ルシアニド218mg、続いてペンズアルデヒド212mg
加え、室温で14時間攪拌した。反応後、実施例1と同
様に後処理し、HPLCで分析した結果を表Iに示す。
18(日本分光(株)製) (4.6mmID×250mm) 移動相:水/アセトニトリル=70/30(v/v) 流速:1.5ml/min 内部標準:安息香酸メチル 検出:210nm 光学純度分析 カラム:CHIRAL CEL−OE(ダイセル化学工
業(株)製) (4.6mmID×250mm) 移動相:ヘキサン/イソプロパノール=100/1(v/
v) 流速:0.6ml/min 検出:210nm 実施例2(R)−(+)−α−シアノベンジルアルコールの製
造 表Iに示す各種のL(+)−酒石酸誘導体(2mmol)の表I
に示す溶媒20mlの溶液に表Iに示すテトラアルキルチ
タネート(2mmol)をゆっくり滴下し、室温で30分攪
拌した。次に揮発物を実施例1と同様にして除去した
後、得られた残査に表Iに示した溶媒を20ml加え、均
一になる迄室温で攪拌した。これに更にトリメチルシリ
ルシアニド218mg、続いてペンズアルデヒド212mg
加え、室温で14時間攪拌した。反応後、実施例1と同
様に後処理し、HPLCで分析した結果を表Iに示す。
実施例3(R)−(+)−α−シアノベンジルアルコールの製
造 L(+)−酒石酸ジエチル412mgの乾燥ジクロルメタン
(20ml)溶液に、テトライソプロピルチタネート56
8mgをゆっくり滴下し、室温で30分攪拌した後、揮発
物を実施例1と同様にして除去し、得られた残査にジク
ロルメタン20mlを加え、均一になる迄室温で攪拌し
た。この溶液を0℃に冷却し、シアン化水素0.4ml、続
いてベンズアルデヒド212mgを加えた後、室温で15
時間攪拌した。反応後、実施例1と同様に後処理し、H
PLCを用いて分析した結果、鏡像体過剰率77%でR
(+)異性体を優勢に含むα−シアノベンジルアルコール
が収率55%で得られている事がわかった。
造 L(+)−酒石酸ジエチル412mgの乾燥ジクロルメタン
(20ml)溶液に、テトライソプロピルチタネート56
8mgをゆっくり滴下し、室温で30分攪拌した後、揮発
物を実施例1と同様にして除去し、得られた残査にジク
ロルメタン20mlを加え、均一になる迄室温で攪拌し
た。この溶液を0℃に冷却し、シアン化水素0.4ml、続
いてベンズアルデヒド212mgを加えた後、室温で15
時間攪拌した。反応後、実施例1と同様に後処理し、H
PLCを用いて分析した結果、鏡像体過剰率77%でR
(+)異性体を優勢に含むα−シアノベンジルアルコール
が収率55%で得られている事がわかった。
実施例4(R)−(+)−α−シアノベンジルアルコールの製
造 L−(+)−酒石酸ジイソプロピル235mgの乾燥ジクロ
ルメタン(10ml)溶液に、テトライソプロピルチタネ
ート284mgをゆっくり滴下し、室温で30分攪拌し
た。次に揮発物を実施例1と同様にして除去した後、得
られた残査に乾燥ジクロルメタン10mlを加え、均一に
なる迄室温で攪拌した。この溶液にトリメチルシリルシ
アニド436mg、続いてベンズアルデヒド424mgを加
え、室温で15時間攪拌した。反応後、実施例1と同様
に後処理し、HPLCを用いて分析した結果、鏡像体過
剰率83%でR(+)異性体を優勢に含むα−シアノベン
ジルアルコールが、ベンズアルデヒドに対して、37
%、用いた触媒に対して148%の収率で得られている
事がわかった。
造 L−(+)−酒石酸ジイソプロピル235mgの乾燥ジクロ
ルメタン(10ml)溶液に、テトライソプロピルチタネ
ート284mgをゆっくり滴下し、室温で30分攪拌し
た。次に揮発物を実施例1と同様にして除去した後、得
られた残査に乾燥ジクロルメタン10mlを加え、均一に
なる迄室温で攪拌した。この溶液にトリメチルシリルシ
アニド436mg、続いてベンズアルデヒド424mgを加
え、室温で15時間攪拌した。反応後、実施例1と同様
に後処理し、HPLCを用いて分析した結果、鏡像体過
剰率83%でR(+)異性体を優勢に含むα−シアノベン
ジルアルコールが、ベンズアルデヒドに対して、37
%、用いた触媒に対して148%の収率で得られている
事がわかった。
実施例5(S)−(-)−α−シアノベンジルアルコールの製
造 L−(+)−酒石酸ジエチルの代りに、D−(-)−酒石酸ジ
エチル412mgを用いて実施例1と同様の操作でベンズ
アルデヒドのシアノ化反応及び後処理を行ない、HPL
Cを用いて分析した結果、鏡像体過剰率85%でS(-)
異性体を優勢に含むα−シアノベンジルアルコールが収
率86%で得られている事がわかった。
造 L−(+)−酒石酸ジエチルの代りに、D−(-)−酒石酸ジ
エチル412mgを用いて実施例1と同様の操作でベンズ
アルデヒドのシアノ化反応及び後処理を行ない、HPL
Cを用いて分析した結果、鏡像体過剰率85%でS(-)
異性体を優勢に含むα−シアノベンジルアルコールが収
率86%で得られている事がわかった。
実施例6(R)−(+)−α−シアノ−3−フェノキシベンジ
ルアルコールの製造 L−(+)−酒石酸ジイソプロピル1.030g(4.4mmol)の
乾燥クロロホルム(40ml)溶液に、テトライソプロピ
ルチタネート1.136g(4mmol)をゆっくり滴下し、室
温で30分攪拌した後、揮発物を実施例1と同様にして
除去し、得られた残査に乾燥クロロホルム40mlを加え
均一になる迄室温で攪拌した。この溶液にトリメチルシ
リルシアニド436mg(4.4mmol)、続いて3−フェノ
キシベンズアルデヒド793mg(4mmol)を加え、室温
で14時間攪拌した。反応後、1規定塩酸40mlを反応
液に加え、室温で30分攪拌した後、ジクロルメタンで
抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去して得
られた油状物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル)により精製して580mgのα
−シアノ−3−フェノキシベンジルアルコールを得た。
この生成物の施光性〔〔α〕▲20 D▼=13.82°(ベ
ンゼン、c=1.11)〕は、(R)−(+)−α−シアノ−3−
フェノキシベンジルアルコールが、鏡像体過剰率84%
で優勢に生成している事を示した。
ルアルコールの製造 L−(+)−酒石酸ジイソプロピル1.030g(4.4mmol)の
乾燥クロロホルム(40ml)溶液に、テトライソプロピ
ルチタネート1.136g(4mmol)をゆっくり滴下し、室
温で30分攪拌した後、揮発物を実施例1と同様にして
除去し、得られた残査に乾燥クロロホルム40mlを加え
均一になる迄室温で攪拌した。この溶液にトリメチルシ
リルシアニド436mg(4.4mmol)、続いて3−フェノ
キシベンズアルデヒド793mg(4mmol)を加え、室温
で14時間攪拌した。反応後、1規定塩酸40mlを反応
液に加え、室温で30分攪拌した後、ジクロルメタンで
抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去して得
られた油状物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル)により精製して580mgのα
−シアノ−3−フェノキシベンジルアルコールを得た。
この生成物の施光性〔〔α〕▲20 D▼=13.82°(ベ
ンゼン、c=1.11)〕は、(R)−(+)−α−シアノ−3−
フェノキシベンジルアルコールが、鏡像体過剰率84%
で優勢に生成している事を示した。
実施例7(S)−(-)−1−シアノ−3−フェニルプロピル
アルコールの製造 実施例6の3−フェノキシベンズアルデヒドの代りに3
−フェニルプロピオンアルデヒド537mg(4mmol)を
用い、同様の反応操作によりシアノ化反応及び後処理を
行ない、粗生成物をシリカゲルにカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、519mg
(収率80%)のα−シアノ−3−フェニルプロピルア
ルコールを得た〔〔α〕▲20 D▼=-5.08°(ベンゼ
ン、c=0.944)〕。
アルコールの製造 実施例6の3−フェノキシベンズアルデヒドの代りに3
−フェニルプロピオンアルデヒド537mg(4mmol)を
用い、同様の反応操作によりシアノ化反応及び後処理を
行ない、粗生成物をシリカゲルにカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、519mg
(収率80%)のα−シアノ−3−フェニルプロピルア
ルコールを得た〔〔α〕▲20 D▼=-5.08°(ベンゼ
ン、c=0.944)〕。
このα−シアノ−3−フェニルプロピルアルコールを農
塩酸0.5ml中で加水分解(室温、3日間攪拌)して、1
−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸に変換し、ベンゼン溶
媒から結晶として単離した〔〔α〕▲20 D▼=7.02°
(エタノール、c=0.968)〕。(S)−1−ヒドロキシ−
4−フェニル酪酸*〔〔α〕▲20 D▼=10.4°(エタ
ノール)〕の旋光性を基にした単離結晶の光学純度は、
68%e.e.と算出された。
塩酸0.5ml中で加水分解(室温、3日間攪拌)して、1
−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸に変換し、ベンゼン溶
媒から結晶として単離した〔〔α〕▲20 D▼=7.02°
(エタノール、c=0.968)〕。(S)−1−ヒドロキシ−
4−フェニル酪酸*〔〔α〕▲20 D▼=10.4°(エタ
ノール)〕の旋光性を基にした単離結晶の光学純度は、
68%e.e.と算出された。
*F.Nerdel and H.Rachel,Chem.Ber.89,671(1
956)。
956)。
実施例8D−(+)−1−シアノ−3メチルブチルアルコ
ールの製造 実施例6の3−フェノキシベンズアルデヒドの代りにイ
ソバレルアルデヒド345mgを用い、同様の反応操作に
よりシアノ化反応及び後処理を行ない、粗生成物をクー
ゲル蒸留(110−120℃/3mm)により精製して、
294mg(収率65%)の1−シアノ−3−メチルブチ
ルアルコールを油状物として得た〔〔α〕▲20 D▼=
23.5°(ベンゼン、c=1.03)〕。
ールの製造 実施例6の3−フェノキシベンズアルデヒドの代りにイ
ソバレルアルデヒド345mgを用い、同様の反応操作に
よりシアノ化反応及び後処理を行ない、粗生成物をクー
ゲル蒸留(110−120℃/3mm)により精製して、
294mg(収率65%)の1−シアノ−3−メチルブチ
ルアルコールを油状物として得た〔〔α〕▲20 D▼=
23.5°(ベンゼン、c=1.03)〕。
このα−シアノ−3−メチルブチルアルコールの濃塩酸
0.5ml中で加水分解(室温、5日間攪拌)して、2−ヒ
ドロキシイソカプロン酸に変換し、結晶として単離した
〔〔α〕▲20 D▼=21.4°(IN NaOH、c=1.
14)〕。
0.5ml中で加水分解(室温、5日間攪拌)して、2−ヒ
ドロキシイソカプロン酸に変換し、結晶として単離した
〔〔α〕▲20 D▼=21.4°(IN NaOH、c=1.
14)〕。
L−(-)−2−ヒドロキシイソカプロン酸* 〔〔α〕▲20 D▼=−27.7°(IN NaOH,c=
1)〕の旋光性を基にした単離結晶の光学純度は77%
e.e.と算出された。
1)〕の旋光性を基にした単離結晶の光学純度は77%
e.e.と算出された。
*H.Scheibler and A.S.Whee
ler,Ber.44,2684(1911)。
ler,Ber.44,2684(1911)。
実施例9trans−(+)−α−シアノけい皮アルコー
ルの製造 実施例6の3−フェノキシベンズアルデヒドの代りにt
rans−シンナムアルデヒド528mgを用い同様に反
応操作によりシアノ化反応及び後処理を行ない、粗生成
物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン
/酢酸エチル)で精製して382mg(収率62%の光学
活性なtrans−α−シアノけい皮アルコールを結晶
として得た 〔〔α〕▲20 D▼=7.92°(エタノール、c=1.0
6)〕。1 H NMR(CDC13,δ):3.23(br s,1H),
5.01-5.30(m,1H),6.22(dd,1H,J=15Hz and 6Hz),6.90
(d,1H,J=15Hz),7.23-7.67(m,5H) 実施例10(+)−α−シアノ−2−チオフェンメタノー
ルの製造 実施例6の3−フェノキシベンズアルデヒドの代りに2
−チオフェンアルデヒド449mgを用い、同様の反応操
作によりシアノ化反応及び後処理を行ない、粗生成物を
シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢
酸エチル)で精製して363mg(収率68%)の光学活
性なα−シアノ−2−チオフェンメタノールを得た
〔〔α〕▲20 D▼=35.6°(エタノール、c=1.07
9)、89%e.e.、光学活性カラムによる分析〕。1 H NMR(CDCI3,δ):3.57-4.00(m,1H),5.71
(s,1H),6.93-7.14(m,1H),7.17-7.50(m,2H)
ルの製造 実施例6の3−フェノキシベンズアルデヒドの代りにt
rans−シンナムアルデヒド528mgを用い同様に反
応操作によりシアノ化反応及び後処理を行ない、粗生成
物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン
/酢酸エチル)で精製して382mg(収率62%の光学
活性なtrans−α−シアノけい皮アルコールを結晶
として得た 〔〔α〕▲20 D▼=7.92°(エタノール、c=1.0
6)〕。1 H NMR(CDC13,δ):3.23(br s,1H),
5.01-5.30(m,1H),6.22(dd,1H,J=15Hz and 6Hz),6.90
(d,1H,J=15Hz),7.23-7.67(m,5H) 実施例10(+)−α−シアノ−2−チオフェンメタノー
ルの製造 実施例6の3−フェノキシベンズアルデヒドの代りに2
−チオフェンアルデヒド449mgを用い、同様の反応操
作によりシアノ化反応及び後処理を行ない、粗生成物を
シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢
酸エチル)で精製して363mg(収率68%)の光学活
性なα−シアノ−2−チオフェンメタノールを得た
〔〔α〕▲20 D▼=35.6°(エタノール、c=1.07
9)、89%e.e.、光学活性カラムによる分析〕。1 H NMR(CDCI3,δ):3.57-4.00(m,1H),5.71
(s,1H),6.93-7.14(m,1H),7.17-7.50(m,2H)
Claims (7)
- 【請求項1】光学活性酒石酸誘導体のチタン酸エステル
の存在下、アルデヒドにシアノ化剤を作用させて、不斉
的にシアノ化することを特徴とする光学活性シアノヒド
リンの製造方法。 - 【請求項2】光学活性酒石酸のエステルまたはアミドと
テトラアルキルチタネートから調製した光学活性チタン
酸エステルを使用する特許請求の範囲第1項記載の製造
方法。 - 【請求項3】シアノ化剤としてトリアルキルシリルシア
ニドを使用する特許請求の範囲第1項または第2項記載
の製造方法。 - 【請求項4】シアノ化剤としてシアン化水素を使用する
特許請求の範囲第1項または第2項記載の製造方法。 - 【請求項5】トリアルキルシリルシアニドとしてトリメ
チルシリルシアニドを使用する特許請求の範囲第3項記
載の製造方法。 - 【請求項6】光学活性酒石酸ジイソプロピルエステルと
テトライソプロピルチタネートから調製した光学活性チ
タン酸エステルを使用する特許請求の範囲第1項乃至第
5項のいづれかの項記載の製造方法。 - 【請求項7】ハロゲン化炭化水素を溶媒として使用する
特許請求の範囲第1項乃至第6項のいづれかの項記載の
製造方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61297941A JPH064578B2 (ja) | 1986-12-15 | 1986-12-15 | 光学活性シアノ化合物の製造方法 |
US07/131,230 US5003083A (en) | 1986-12-15 | 1987-12-10 | Process for preparing optically active cyano compound |
AU82447/87A AU609076B2 (en) | 1986-12-15 | 1987-12-11 | Process for preparing optically active cyano compound |
CA000554264A CA1293734C (en) | 1986-12-15 | 1987-12-14 | Process for preparing optically active cyano compound |
EP87118551A EP0271868B1 (en) | 1986-12-15 | 1987-12-15 | Process for preparing optically active cyano compound |
ES87118551T ES2061476T3 (es) | 1986-12-15 | 1987-12-15 | Procedimiento para preparar un ciano-compuesto opticamente activo. |
DE87118551T DE3788510T2 (de) | 1986-12-15 | 1987-12-15 | Verfahren zur Herstellung einer optisch aktiven Cyanverbindung. |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61297941A JPH064578B2 (ja) | 1986-12-15 | 1986-12-15 | 光学活性シアノ化合物の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63150256A JPS63150256A (ja) | 1988-06-22 |
JPH064578B2 true JPH064578B2 (ja) | 1994-01-19 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61297941A Expired - Fee Related JPH064578B2 (ja) | 1986-12-15 | 1986-12-15 | 光学活性シアノ化合物の製造方法 |
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---|---|
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EP (1) | EP0271868B1 (ja) |
JP (1) | JPH064578B2 (ja) |
AU (1) | AU609076B2 (ja) |
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DE (1) | DE3788510T2 (ja) |
ES (1) | ES2061476T3 (ja) |
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CA2062233A1 (en) * | 1991-03-12 | 1992-09-13 | Atsunori Mori | Catalyst for asymmetric induction |
JP3303327B2 (ja) * | 1992-03-18 | 2002-07-22 | 住友化学工業株式会社 | 不斉誘起触媒 |
DE10104342A1 (de) * | 2001-02-01 | 2002-08-14 | Sueddeutsche Kalkstickstoff | Verfahren zur Herstellung von optisch aktiven Cyanhydrinen |
JP5353046B2 (ja) * | 2008-04-18 | 2013-11-27 | 住友化学株式会社 | 光学活性なシアノヒドリン化合物の製造方法 |
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---|---|---|---|---|
DE1212954B (de) * | 1959-09-16 | 1966-03-24 | Basf Ag | Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von reinem Glykolsaeurenitril |
US3787477A (en) * | 1972-02-18 | 1974-01-22 | Syntex Corp | Preparation of cyanohydrins |
JPS5946934B2 (ja) * | 1976-02-09 | 1984-11-15 | 東ソー株式会社 | メタクリル酸の製法 |
DE2700167A1 (de) * | 1977-01-04 | 1978-07-06 | Bayer Ag | Verfahren zum transport von formonitril |
NZ206106A (en) * | 1982-11-22 | 1987-10-30 | Shell Oil Co | Processes for the preparation of optically active cyanomethyl esters of alpha-chiral carboxylic acids and optionally substituted s-alpha-cyano-3-phenoxybenzyl alcohol |
DE3404858A1 (de) * | 1984-02-11 | 1985-08-14 | Hoechst Ag, 6230 Frankfurt | Verfahren zur herstellung von cyanhydrinen |
US4611076A (en) * | 1985-06-26 | 1986-09-09 | Shell Oil Company | Chiral cyanohydrination process |
US4611077A (en) * | 1985-06-26 | 1986-09-09 | Shell Oil Company | Increasing enantiomeric selectivity in chiral cyanohydrination |
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- 1986-12-15 JP JP61297941A patent/JPH064578B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1987
- 1987-12-10 US US07/131,230 patent/US5003083A/en not_active Expired - Fee Related
- 1987-12-11 AU AU82447/87A patent/AU609076B2/en not_active Ceased
- 1987-12-14 CA CA000554264A patent/CA1293734C/en not_active Expired - Fee Related
- 1987-12-15 ES ES87118551T patent/ES2061476T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1987-12-15 DE DE87118551T patent/DE3788510T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1987-12-15 EP EP87118551A patent/EP0271868B1/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0271868B1 (en) | 1993-12-15 |
DE3788510T2 (de) | 1994-05-11 |
EP0271868A3 (en) | 1990-02-07 |
AU609076B2 (en) | 1991-04-26 |
US5003083A (en) | 1991-03-26 |
EP0271868A2 (en) | 1988-06-22 |
ES2061476T3 (es) | 1994-12-16 |
DE3788510D1 (de) | 1994-01-27 |
CA1293734C (en) | 1991-12-31 |
JPS63150256A (ja) | 1988-06-22 |
AU8244787A (en) | 1988-06-16 |
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