JPH063806B2 - ヘテロ接合バイポ−ラトランジスタ - Google Patents
ヘテロ接合バイポ−ラトランジスタInfo
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- JPH063806B2 JPH063806B2 JP60132918A JP13291885A JPH063806B2 JP H063806 B2 JPH063806 B2 JP H063806B2 JP 60132918 A JP60132918 A JP 60132918A JP 13291885 A JP13291885 A JP 13291885A JP H063806 B2 JPH063806 B2 JP H063806B2
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Landscapes
- Bipolar Transistors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、エミッタ領域を、ベース領域を構成する半導
体物質よりバンドギャップの大きい半導体物質で構成し
たヘテロ接合バイポーラトランジスタに関する。
体物質よりバンドギャップの大きい半導体物質で構成し
たヘテロ接合バイポーラトランジスタに関する。
近年、分子線エピタキシー法(MBE)や、有機金属気
相堆積法(MOCVD)等の発展により、異種の半導体
物質を接合させた、いわゆるヘテロ接合を利用した半導
体素子の開発が盛んに行なわれるようになった。バイポ
ーラトランジスタのエミッタ・ベース間にヘテロ接合を
採用したヘテロ接合バイポーラトランジスタは、従来の
単一半導体物質で作られるホモ接合トランジスタに比べ
多くの利点を持つ事が知られている。それらの利点と
は、 (1)エミッタ領域を構成する半導体物質をベース領域を
構成する半導体物質よりバンドギャップの大きいものと
する事で、エミッタ領域の不純物濃度とベース領域の不
純物濃度の比が小さくとも高いエミッタ注入効率が得ら
れる。
相堆積法(MOCVD)等の発展により、異種の半導体
物質を接合させた、いわゆるヘテロ接合を利用した半導
体素子の開発が盛んに行なわれるようになった。バイポ
ーラトランジスタのエミッタ・ベース間にヘテロ接合を
採用したヘテロ接合バイポーラトランジスタは、従来の
単一半導体物質で作られるホモ接合トランジスタに比べ
多くの利点を持つ事が知られている。それらの利点と
は、 (1)エミッタ領域を構成する半導体物質をベース領域を
構成する半導体物質よりバンドギャップの大きいものと
する事で、エミッタ領域の不純物濃度とベース領域の不
純物濃度の比が小さくとも高いエミッタ注入効率が得ら
れる。
(2)(1)の結果、ベース領域の不純物濃度を高くできるた
め、ベース抵抗が低減できる。
め、ベース抵抗が低減できる。
(3)同様に、エミッタ領域の不純物濃度を低くできるた
めエミッタ容量を小さくできる。
めエミッタ容量を小さくできる。
等である。これらの利点により、ヘテロ接合バイポーラ
トランジスタは従来のホモ接合バイポーラトランジスタ
に比べ、高周波特性,スイッチング特性で、はるかに秀
れたものとなる可能性を持っている。
トランジスタは従来のホモ接合バイポーラトランジスタ
に比べ、高周波特性,スイッチング特性で、はるかに秀
れたものとなる可能性を持っている。
しかしながら、このようなヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタを実際に製造し得る半導体物質の組合せを考える
と、広バンドギャップを有する材料は一般に電子親和力
が小さい事が多い。この結果、広バンドギャップ物質か
らなるエミッタと狭バンドギャップ物質からなるベース
を直接階段状に接合させたnpnトランジスタを作製する
と以下に述べるように注入効率が低下してしまい、ヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタの利点を活かせないとい
う問題が生じる。第5図はエミッタ領域を構成する半導
体物質の電子親和力が、ベース領域を構成する半導体物
質のそれより△Ecだけ小さい場合の階段型ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタのベース・エミッタ接合近傍の伝
導帯の様子を示したものである。この図から明らかなよ
うに、伝導帯には電子親和力の差に起因する高さ△Ecの
スパイク状の障壁が形成され、この障壁によりエミッタ
からベースへの電子の注入が阻害されてしまう。この事
はエミッタ注入効率の低下を招きトランジスタ特性を損
うものである。
ジスタを実際に製造し得る半導体物質の組合せを考える
と、広バンドギャップを有する材料は一般に電子親和力
が小さい事が多い。この結果、広バンドギャップ物質か
らなるエミッタと狭バンドギャップ物質からなるベース
を直接階段状に接合させたnpnトランジスタを作製する
と以下に述べるように注入効率が低下してしまい、ヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタの利点を活かせないとい
う問題が生じる。第5図はエミッタ領域を構成する半導
体物質の電子親和力が、ベース領域を構成する半導体物
質のそれより△Ecだけ小さい場合の階段型ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタのベース・エミッタ接合近傍の伝
導帯の様子を示したものである。この図から明らかなよ
うに、伝導帯には電子親和力の差に起因する高さ△Ecの
スパイク状の障壁が形成され、この障壁によりエミッタ
からベースへの電子の注入が阻害されてしまう。この事
はエミッタ注入効率の低下を招きトランジスタ特性を損
うものである。
この問題は、エミッタ・ベース間のヘテロ接合を階段型
とせずに、エミッタからベースに向って滑らかにバンド
ギャップが変化している、いわゆる傾斜型とする事で避
けることができる。第6図はエミッタ・ベース間にバン
ドギャップが線形に変化している領域を設けた場合の伝
導帯の様子を示している。この図から分かるように、伝
導帯に生じる障壁は傾斜型ヘテロ接合を用いる事で除去
する事が可能である。エミッタ領域とベース領域の間で
バンドギャップの変化する領域(以下では遷移領域と呼
ぶ)は、その領域を構成する物質の組成をベース領域を
構成する半導体物質とエミッタ領域を構成する半導体物
質との中間的組成にする事で実現される。従来遷移領域
内ではバンドギャップが滑らかに変化する様物質組成を
徐々に変化させる事が行なわれてきた。しかしこの様な
遷移領域を実現するには、MBE法においては分子線の
フラックスを、MOCVD法ではガス流量を精密に連続
的に変化させるという制御を行なうことが必要である。
このような制御は現在の技術では難しいため、制御装置
のコストが増すと共に、遷移領域を成長する際の成長速
度を十分遅くする必要があるという問題が生じる。ま
た、遷移領域内でバンドギャップを滑らかに変化させた
場合、この領域内にはベースから正孔が注入されやす
く、特にキャリアライフタイムが小さい場合キャリア再
結合が大きくなる。このことは直流増幅率の低下を生じ
るとともに、蓄積キャリアの増加による高周波特性,ス
イッチング特性の劣化を生じ得るという問題があった。
とせずに、エミッタからベースに向って滑らかにバンド
ギャップが変化している、いわゆる傾斜型とする事で避
けることができる。第6図はエミッタ・ベース間にバン
ドギャップが線形に変化している領域を設けた場合の伝
導帯の様子を示している。この図から分かるように、伝
導帯に生じる障壁は傾斜型ヘテロ接合を用いる事で除去
する事が可能である。エミッタ領域とベース領域の間で
バンドギャップの変化する領域(以下では遷移領域と呼
ぶ)は、その領域を構成する物質の組成をベース領域を
構成する半導体物質とエミッタ領域を構成する半導体物
質との中間的組成にする事で実現される。従来遷移領域
内ではバンドギャップが滑らかに変化する様物質組成を
徐々に変化させる事が行なわれてきた。しかしこの様な
遷移領域を実現するには、MBE法においては分子線の
フラックスを、MOCVD法ではガス流量を精密に連続
的に変化させるという制御を行なうことが必要である。
このような制御は現在の技術では難しいため、制御装置
のコストが増すと共に、遷移領域を成長する際の成長速
度を十分遅くする必要があるという問題が生じる。ま
た、遷移領域内でバンドギャップを滑らかに変化させた
場合、この領域内にはベースから正孔が注入されやす
く、特にキャリアライフタイムが小さい場合キャリア再
結合が大きくなる。このことは直流増幅率の低下を生じ
るとともに、蓄積キャリアの増加による高周波特性,ス
イッチング特性の劣化を生じ得るという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、バンドギャッ
プの大きい物質からなるエミッタ領域と、バンドギャッ
プの小さい物質からなるベース領域の間に遷移領域を有
し、且つその製造プロセス制御が容易で、優れた直流特
性,高周波特性が得られるヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタを提供する事を目的とする。
プの大きい物質からなるエミッタ領域と、バンドギャッ
プの小さい物質からなるベース領域の間に遷移領域を有
し、且つその製造プロセス制御が容易で、優れた直流特
性,高周波特性が得られるヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタを提供する事を目的とする。
本発明は、第1種半導体物質からなるp型ベース領域
と、これよりバンドギャップが大きく電子親和力の小さ
い第2種半導体物質からなるn型エミッタ領域を有する
ヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、エミッタ
・ベース間に、ベースからエミッタに向かってバンドギ
ャップが階段状に順次大きくなり、かつ、隣接する層間
のバンドギャップの差がベースからエミッタに向かって
順次小さくなる複数の半導体層からなる遷移領域を設け
た事を特徴とする。
と、これよりバンドギャップが大きく電子親和力の小さ
い第2種半導体物質からなるn型エミッタ領域を有する
ヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、エミッタ
・ベース間に、ベースからエミッタに向かってバンドギ
ャップが階段状に順次大きくなり、かつ、隣接する層間
のバンドギャップの差がベースからエミッタに向かって
順次小さくなる複数の半導体層からなる遷移領域を設け
た事を特徴とする。
本発明は以下のような知見並びに考察に基づく。既に述
べたように、バンドギャップの大きいエミッタ領域をバ
ンドギャップの小さいベース領域に直接階段状に接合さ
せた、いわゆる階段型ヘテロ接合バイポーラトランジス
タにおいても、また、ベース領域からエミッタ領域に向
ってバンドギャップが滑らかに変化する遷移領域を導入
した傾斜型ヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて
も、それぞれに難点がある。これらの難点を共に解決す
るためには、伝導帯に生じる障壁を完全に除去するので
はなく、ある妥当な値以下にしつつ、ベース領域からエ
ミッタ領域への正孔の注入を抑制する障壁を価電子帯に
形成できる構造とすることが望ましい。この様な構造は
エミッタ・ベース間に物質組成がステップ状に変化する
複数の半導体層からなる遷移領域を形成する事で実現で
きる。
べたように、バンドギャップの大きいエミッタ領域をバ
ンドギャップの小さいベース領域に直接階段状に接合さ
せた、いわゆる階段型ヘテロ接合バイポーラトランジス
タにおいても、また、ベース領域からエミッタ領域に向
ってバンドギャップが滑らかに変化する遷移領域を導入
した傾斜型ヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて
も、それぞれに難点がある。これらの難点を共に解決す
るためには、伝導帯に生じる障壁を完全に除去するので
はなく、ある妥当な値以下にしつつ、ベース領域からエ
ミッタ領域への正孔の注入を抑制する障壁を価電子帯に
形成できる構造とすることが望ましい。この様な構造は
エミッタ・ベース間に物質組成がステップ状に変化する
複数の半導体層からなる遷移領域を形成する事で実現で
きる。
本発明によれば、エミッタ・ベース間に組成が異なる複
数の半導体層からなる遷移領域を設けることにより、エ
ミッタからベースへの電子に対する障壁を十分小さく
し、しかもベースからエミッタへの正孔に対する障壁を
ある程度残して、広バンドギャップのエミッタを用いた
利点を活かしたヘテロ接合バイポーラトランジスタを得
ることができる。また本発明においては、遷移領域に滑
らかな組成変化を与えないので、製造プロセス制御が容
易である。
数の半導体層からなる遷移領域を設けることにより、エ
ミッタからベースへの電子に対する障壁を十分小さく
し、しかもベースからエミッタへの正孔に対する障壁を
ある程度残して、広バンドギャップのエミッタを用いた
利点を活かしたヘテロ接合バイポーラトランジスタを得
ることができる。また本発明においては、遷移領域に滑
らかな組成変化を与えないので、製造プロセス制御が容
易である。
以下、本発明の実施例を、広バンドギャップエミッタを
構成する材料としてGa0.7Al0.3As、狭バンドギャップの
ベースを構成する材料としてGaAsを用いた場合について
第1図を参照しながら述べる。
構成する材料としてGa0.7Al0.3As、狭バンドギャップの
ベースを構成する材料としてGaAsを用いた場合について
第1図を参照しながら述べる。
ヘテロ接合バイポーラトランジスタを製造するには導電
性、或いは半絶縁基盤上にコレクタ,ベース,エミッタ
の各層をエピタキシアル成長させる事が必要である。M
BE法、或いはMOCVD法を用いればこれら各層の厚
さ,ドーピング濃度,物質組成を制御し、本発明の構造
を作製する事は容易である。
性、或いは半絶縁基盤上にコレクタ,ベース,エミッタ
の各層をエピタキシアル成長させる事が必要である。M
BE法、或いはMOCVD法を用いればこれら各層の厚
さ,ドーピング濃度,物質組成を制御し、本発明の構造
を作製する事は容易である。
第1図はn+型GaAs基板2を用い、この基板2上に不純
物として例えばSiを含有するn型GaAsコレクタ領域
3、不純物として例えばBeを含有するp型GaAsベース
領域4、不純物として例えばSiを含有する、組成がス
テップ状に変化する複数個の層からなる遷移領域6、不
純物として例えばSiを含有する広バンドギャップのGa
0.7Al0.3Asエミッタ領域7を順次成長した場合を示して
いる。トランジスタはこの様に作成されたエミッタ,ベ
ース,コレクタの各領域に電気的に接触する電極を形成
する事で作成される。第1図ではエミッタ電極8,コレ
クタ電極1はウエハの両面に直接形成し、ベース電極5
はウエハ表面よりベース領域4までエッチングを行った
後に形成している。
物として例えばSiを含有するn型GaAsコレクタ領域
3、不純物として例えばBeを含有するp型GaAsベース
領域4、不純物として例えばSiを含有する、組成がス
テップ状に変化する複数個の層からなる遷移領域6、不
純物として例えばSiを含有する広バンドギャップのGa
0.7Al0.3Asエミッタ領域7を順次成長した場合を示して
いる。トランジスタはこの様に作成されたエミッタ,ベ
ース,コレクタの各領域に電気的に接触する電極を形成
する事で作成される。第1図ではエミッタ電極8,コレ
クタ電極1はウエハの両面に直接形成し、ベース電極5
はウエハ表面よりベース領域4までエッチングを行った
後に形成している。
第2図は、遷移領域6として、エミッタ領域7とベース
領域4の中間的組成をもつ二つの層から構成した場合の
エミッタ・ベース近傍のバンド形状を模式的に示したも
のである。各層の界面では伝導帯に障壁が形成される
が、その高さは単にエミッタ・ベース間に直接ヘテロ接
合を形成した場合より十分小さくなっている。一方、価
電子帯に生じる障壁によりベースから正孔が遷移領域内
深く注入されてしまう事を抑制する効果がある事が期待
される。この効果を十分生かすには、本発明による通
り、隣接する半導体層間のバンドギャップの差が遷移領
域内で等間隔に変化するのではなく、ベースに隣接する
部分でバンドギャップの差が大きく、エミッタ側に近い
部分ではバンドギャップ差が小さくなる様遷移領域を形
成する事が有効である。
領域4の中間的組成をもつ二つの層から構成した場合の
エミッタ・ベース近傍のバンド形状を模式的に示したも
のである。各層の界面では伝導帯に障壁が形成される
が、その高さは単にエミッタ・ベース間に直接ヘテロ接
合を形成した場合より十分小さくなっている。一方、価
電子帯に生じる障壁によりベースから正孔が遷移領域内
深く注入されてしまう事を抑制する効果がある事が期待
される。この効果を十分生かすには、本発明による通
り、隣接する半導体層間のバンドギャップの差が遷移領
域内で等間隔に変化するのではなく、ベースに隣接する
部分でバンドギャップの差が大きく、エミッタ側に近い
部分ではバンドギャップ差が小さくなる様遷移領域を形
成する事が有効である。
また、遷移領域ステップ状に形成する事は、ヘテロ接合
バイポーラトランジスタ用のウエハをMBE法、或いは
MOCVD法で形成する際大きなメリットを与える。即
ち、物質組成を滑らかに変化させようとすると成長条件
を精密に制御する事が必要である上、成長速度を十分小
さくする必要があるのに対し、ステップ状に組成を変化
させる場合には、はるかに簡便な制御でよく、この結果
ウエハ成長効率を大幅に向上させる事が可能である。こ
こで注意すべき事は、エミッタ・ベース間に挿入される
遷移領域をエミッタ・ベースそれぞれを構成する半導体
物質の中間組成をもつ単一層で形成しようとすると、こ
の層の組成を十分正確に制御しない限りベース領域側、
或いはエミッタ領域側に生じる伝導帯上の障壁の高さを
遷移領域を有しない場合1/2にはできず、遷移領域を導
入する効果を十分には活かせない事である。この問題を
回避するには遷移領域を異なる物質組成を持つ複数個の
層で構成し、それらの層の組成をベース領域からエミッ
タ領域に向って、ベース領域の組成に近いものからエミ
ッタ領域の組成に近いものに順次変化させる事が必要で
ある。また、この様にする事で遷移領域として挿入され
る半導体層に対する組成制御の厳密性を緩和する事がで
きる。
バイポーラトランジスタ用のウエハをMBE法、或いは
MOCVD法で形成する際大きなメリットを与える。即
ち、物質組成を滑らかに変化させようとすると成長条件
を精密に制御する事が必要である上、成長速度を十分小
さくする必要があるのに対し、ステップ状に組成を変化
させる場合には、はるかに簡便な制御でよく、この結果
ウエハ成長効率を大幅に向上させる事が可能である。こ
こで注意すべき事は、エミッタ・ベース間に挿入される
遷移領域をエミッタ・ベースそれぞれを構成する半導体
物質の中間組成をもつ単一層で形成しようとすると、こ
の層の組成を十分正確に制御しない限りベース領域側、
或いはエミッタ領域側に生じる伝導帯上の障壁の高さを
遷移領域を有しない場合1/2にはできず、遷移領域を導
入する効果を十分には活かせない事である。この問題を
回避するには遷移領域を異なる物質組成を持つ複数個の
層で構成し、それらの層の組成をベース領域からエミッ
タ領域に向って、ベース領域の組成に近いものからエミ
ッタ領域の組成に近いものに順次変化させる事が必要で
ある。また、この様にする事で遷移領域として挿入され
る半導体層に対する組成制御の厳密性を緩和する事がで
きる。
以下に具体的なデータに基づいて本発明の効果を明らか
にする。エミッタ及び遷移領域のドーピング濃度が3×
1017cm-3、ベースのドーピング濃度が3×1018
cm-3の場合につき、本発明による構造と、従来の線形に
滑らかにバンドギャップの変化する遷移領域を有する構
造のトランジスタ特性を比較して第3図及び第4図に示
した。これらの図中Aは本発明の構造のトランジスタで
ベースからエミッタに向ってAlモル比、層厚が0.06、40
Å、0.12、40Å、0.18、40Å、0.22、40Å、0.26、40Åである5
層からなる遷移領域を有する場合の特性である。一方、
Bは200Åの厚さでAlモル比が0.0から0.3に線形に
変化している遷移領域を有する場合の特性である。第3
図に示した直流増巾率のコレクタ電流依存性より、本発
明の構造は通常トランジスタが使用されるコレクタ電流
密度5×104Alcm3以下の領域で従来構造より優れた
特性を示している。また、第4図に示した遮断周波数特
性では直流増巾率の場合ほど顕著ではないが、やはり通
常のトランジスタの使用範囲のコレクタ電流値で本発明
の構造が優れた特性を示している事が分かる。
にする。エミッタ及び遷移領域のドーピング濃度が3×
1017cm-3、ベースのドーピング濃度が3×1018
cm-3の場合につき、本発明による構造と、従来の線形に
滑らかにバンドギャップの変化する遷移領域を有する構
造のトランジスタ特性を比較して第3図及び第4図に示
した。これらの図中Aは本発明の構造のトランジスタで
ベースからエミッタに向ってAlモル比、層厚が0.06、40
Å、0.12、40Å、0.18、40Å、0.22、40Å、0.26、40Åである5
層からなる遷移領域を有する場合の特性である。一方、
Bは200Åの厚さでAlモル比が0.0から0.3に線形に
変化している遷移領域を有する場合の特性である。第3
図に示した直流増巾率のコレクタ電流依存性より、本発
明の構造は通常トランジスタが使用されるコレクタ電流
密度5×104Alcm3以下の領域で従来構造より優れた
特性を示している。また、第4図に示した遮断周波数特
性では直流増巾率の場合ほど顕著ではないが、やはり通
常のトランジスタの使用範囲のコレクタ電流値で本発明
の構造が優れた特性を示している事が分かる。
以上述べた実施例では、ベースをGaAsで、エミッタを
Ga0.7Al0.3Asで形成した場合を示したが、エミッタのA
lモル比が0.3以外の場合はもちろん、エミッタ,ベース
を構成する物質として他の組合わせを用いた場合、例え
ばInPとInGaAs,GaAsとGe,GaPとSiなどの場合にも本発明
を同様に適用することができることはいうまでもない。
Ga0.7Al0.3Asで形成した場合を示したが、エミッタのA
lモル比が0.3以外の場合はもちろん、エミッタ,ベース
を構成する物質として他の組合わせを用いた場合、例え
ばInPとInGaAs,GaAsとGe,GaPとSiなどの場合にも本発明
を同様に適用することができることはいうまでもない。
第1図本発明の一実施例のトランジスタ構成を示す模式
図、第2図はそのエミッタ・ベース近傍のバンド構造を
示す図、第3図,第4図は実施例のバイポーラトランジ
スタ特性を従来例と比較して示す図、第5図は階段型ヘ
テロ接合バイポーラトランジスタのエミッタ・ベース近
傍の伝導帯形状を示す図、第6図は傾斜型ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタのエミッタ・ベース接合近傍の伝
導帯形状を示す図である。 1…コレクタ電極、2…n+型GaAs基板、3…n型GaA
sコレクタ領域、4…p型GaAsベース領域、5…ベース
電極、6…複数個の異なった物質組成を持つ層より構成
される遷移領域、7…n型Ga0.7Al0.3Asエミッタ領域、
8…エミッタ電極。
図、第2図はそのエミッタ・ベース近傍のバンド構造を
示す図、第3図,第4図は実施例のバイポーラトランジ
スタ特性を従来例と比較して示す図、第5図は階段型ヘ
テロ接合バイポーラトランジスタのエミッタ・ベース近
傍の伝導帯形状を示す図、第6図は傾斜型ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタのエミッタ・ベース接合近傍の伝
導帯形状を示す図である。 1…コレクタ電極、2…n+型GaAs基板、3…n型GaA
sコレクタ領域、4…p型GaAsベース領域、5…ベース
電極、6…複数個の異なった物質組成を持つ層より構成
される遷移領域、7…n型Ga0.7Al0.3Asエミッタ領域、
8…エミッタ電極。
Claims (1)
- 【請求項1】第1種半導体物質からなるp型ベース領域
と、第1種半導体物質よりバンドギャップが大きく、か
つ電子親和力の小さい第2種半導体物質からなるn型エ
ミッタ領域を有し、かつ前記ベース領域とエミッタ領域
の間に第1種半導体物質と第2種半導体物質の中間的組
成を持つ半導体物質からなる遷移領域を有するヘテロ接
合バイポーラトランジスタにおいて、前記遷移領域は、
ベース領域に隣接するものからエミッタ領域に隣接する
ものに向かってバンドギャップが順次階段状に大きくな
る複数の半導体物質層からなり、かつ、ベース層とそれ
に隣接する遷移領域半導体層間のバンドギャップの差
が、遷移領域内の他の互いに隣接する半導体層間のバン
ドギャップの差より大きいか、或いは少なくとも等しく
なるよう構成されている事を特徴とするヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60132918A JPH063806B2 (ja) | 1985-06-20 | 1985-06-20 | ヘテロ接合バイポ−ラトランジスタ |
US07/110,042 US4768074A (en) | 1984-11-20 | 1987-10-13 | Heterojunction bipolar transistor having an emitter region with a band gap greater than that of a base region |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60132918A JPH063806B2 (ja) | 1985-06-20 | 1985-06-20 | ヘテロ接合バイポ−ラトランジスタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61292365A JPS61292365A (ja) | 1986-12-23 |
JPH063806B2 true JPH063806B2 (ja) | 1994-01-12 |
Family
ID=15092557
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60132918A Expired - Lifetime JPH063806B2 (ja) | 1984-11-20 | 1985-06-20 | ヘテロ接合バイポ−ラトランジスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH063806B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62224969A (ja) * | 1986-03-27 | 1987-10-02 | Agency Of Ind Science & Technol | 半導体装置 |
JP3087671B2 (ja) * | 1996-12-12 | 2000-09-11 | 日本電気株式会社 | バイポーラトランジスタおよびその製造方法 |
-
1985
- 1985-06-20 JP JP60132918A patent/JPH063806B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
PROCEEDINGS OF THE IEEE=1982 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61292365A (ja) | 1986-12-23 |
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