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JPH0637576B2 - 歯付きベルト - Google Patents

歯付きベルト

Info

Publication number
JPH0637576B2
JPH0637576B2 JP62304719A JP30471987A JPH0637576B2 JP H0637576 B2 JPH0637576 B2 JP H0637576B2 JP 62304719 A JP62304719 A JP 62304719A JP 30471987 A JP30471987 A JP 30471987A JP H0637576 B2 JPH0637576 B2 JP H0637576B2
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JP
Japan
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toothed belt
rubber
rubber composition
carboxylic acid
unsaturated carboxylic
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP62304719A
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JPH01146935A (ja
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純一 荒木
昌之 田村
貴弘 中
信広 斉藤
博 北川
武吉 臼井
茂 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Zeon Corp
Yamashita Rubber Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Zeon Corp
Yamashita Rubber Co Ltd
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Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=17936390&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH0637576(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Honda Motor Co Ltd, Zeon Corp, Yamashita Rubber Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
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Priority to CA000584672A priority patent/CA1337834C/en
Priority to DE8888311453T priority patent/DE3869924D1/de
Priority to EP88311453A priority patent/EP0319320B2/en
Publication of JPH01146935A publication Critical patent/JPH01146935A/ja
Priority to US08/113,723 priority patent/US5391627A/en
Publication of JPH0637576B2 publication Critical patent/JPH0637576B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/09Carboxylic acids; Metal salts thereof; Anhydrides thereof
    • C08K5/098Metal salts of carboxylic acids
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G1/00Driving-belts
    • F16G1/28Driving-belts with a contact surface of special shape, e.g. toothed

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は優れた耐熱性及び耐油性を有するゴム組成物か
らなる加硫ゴム層を有し、高負荷下での駆動に適する歯
付きベルトに関する。
〔従来の技術及び問題点〕
従来から動力伝達手段として歯付きベルトが使用されて
いるが、近年エンジン等の高出力化に伴なって歯付きベ
ルトの耐高負荷性が要求されるようになってきた。
歯付きベルトは一般に歯の形状の凹凸を有する織布等か
らなる表面層と、歯の形状を保持するためのゴム層と補
強用のコードとからなるが、プーリの歯と係合して動力
を伝達する際に各歯の根元に最も大きな応力を受ける。
この応力は実質的にゴム層により支持されるので、高負
荷歯付きベルトとするためにはゴム層のモジュラスを高
くする必要がある。
高モジュラスはウレタンゴムにより得ることができる
が、ウレタンゴムは耐熱性及び耐油性に劣る。歯付きベ
ルトはエンジン出力の動力伝達手段として用いられるこ
とが多いので、耐熱性及び耐油性は非常に重要な特徴で
ある。このため、ウレタンゴムは歯付きベルトに使用す
るのに適さない。
また一般にゴム組成物中のカーボン配合量を上げればモ
ジュラスが向上する傾向があるが、未加硫物のムーニー
粘度が高くなり、加工性が低下する。また圧縮永久歪が
大きくなり(ゴム弾性が失われ)、耐熱性及び耐油性の
変化率も大きくなる。
以上の問題点に鑑み種々の提案がなされた。
特開昭57-12145号は、抗張体より背面寄りの部分をヒド
リンゴムで形成し、その他のベルト背面部及びベルト歯
部をNBR,CR,SBR又は天然ゴムで形成してなる
耐熱・耐油性歯付きベルトを開示している。
また特開昭57-12146号は、抗張体より背面寄りの部分を
NBRで形成し、その他のベルト背面部及びベルト歯部
をCR,SBR又は天然ゴムで形成してなる耐油性歯付
きベルトを開示している。
しかしながら、これらの歯付ベルトの耐熱性及び耐油性
は最近の要求レベルを満たすには不十分である。
特開昭57-76343号は、ゴム100重量部に対してシラン
カプリング剤0.2〜5.0重量部、シリカ10〜60重量
部、カーボンブラック2〜60重量部を配合したゴム組
成物を歯付ベルトに使用することを開示している。また
特開昭57-204352号は、ゴム100重量部にシランカプ
リング剤0.1〜5.0重量部、含水珪酸10〜60重量部、
カーボンブラック2〜60重量部、短繊維2〜40重量
部を配合してなるゴム−短繊維複合組成物を圧縮ゴム層
として用いたことを特徴とする動力伝動ベルトを開示し
ている。これらのゴム組成物において具体的なゴム成分
はクロロプレンゴムである。これらのゴム組成物は心線
に対する接着力や耐摩耗性に優れているが、耐熱性及び
耐油性が劣るという問題がある。
また特開昭58-78904号及び58-79045号は、EPR又はE
PDMを主成分とするゴム組成物を開示している。これ
らのゴム組成物は紙送り用エンドレスベルトやコンベヤ
ベルト等に使用されるが、エンジン動力伝達用の歯付ベ
ルトに用いるにはモジュラス、耐熱性及び耐油性が不十
分である。
さらに特開昭58-91947号は、ゴム100重量部に対し高
結晶性低不飽和性熱可塑性ポリマー5〜50重量部を配
合してなる高硬度高弾性ゴム組成物を歯付ベルトに使用
することを開示している。しかしながらこのゴム組成物
は熱間時の物性が劣るという問題がある。
従って、本発明の目的は、優れた耐熱性及び耐油性を有
するとともに高モジュラスなゴム組成物からなる加硫ゴ
ム層を有する歯付きベルトを提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題点に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、水素添
加エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体ゴ
ムに不飽和カルボン酸金属塩を配合することにより得ら
れたゴム組成物を使用すれば、厳しい使用条件に耐えら
れる高耐熱性、高耐油性、高モジュラスの歯付きベルト
が得られることを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の歯付きベルトは、一方の面に複数の
歯を有するとともに、加硫ゴム層を有し、前記加硫ゴム
層が、エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系高飽和
共重合体ゴム100重量部と、不飽和カルボン酸金属塩
1〜100重量部とを含有するゴム組成物からなり、前
記不飽和カルボン酸金属塩が一般式: (ただし、R及びR′はそれぞれ脂肪族又は芳香族炭化
水素基又は水素原子であって同一でも異なっていてもよ
く,MeはMg,Ca,Sr,Zn及びAlからなる群
から選ばれた金属であり,nは2又は3である。)によ
り表わされることを特徴とする。
本発明を以下詳細に説明する。
[1]エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系高飽和
共重合体ゴム 本発明の歯付きベルトに使用するゴム組成物中のエチレ
ン性不飽和ニトリル−共役ジエン系高飽和共重合体ゴム
において、エチレン性不飽和ニトリルとはエチレン性不
飽和結合の一端にニトリル基(−CN)が付加してなる
化合物で、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が
ある。また共役ジエンとは2個の二重結合が唯一の単結
合により結合してなる化合物で、ブタジエン、イソプレ
ン等がある。好ましい組合せはアクリロニトリル−ブタ
ジエンである。
エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムは高飽和
度とするために水素添加を行う。水素添加によりゴム中
の不飽和結合の80〜99%が飽和する。飽和度が80
%未満であると耐熱性及び耐油性が低く、また99%を
越えると圧縮永久歪等により表されるゴム弾性が低くな
りすぎる。好ましい飽和度は90〜98%である。
[2]不飽和カルボン酸金属塩 上記ゴム組成物に添加する不飽和カルボン酸金属塩は1
つ又は2つ以上のカルボキシル基を有する不飽和カルボ
ン酸と金属とがイオン結合したものである。不飽和カル
ボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸等のモノカル
ボン酸や、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカ
ルボン酸等が好ましい。また金属としては、Mg,C
a,Sr,Zn及びAlからなる群から選ばれた少なく
とも一種を使用することができる。
この不飽和カルボン酸金属塩は下記一般式: (ただし、R及びR′はそれぞれ脂肪族又は芳香族炭化
水素基又は水素原子であって同一でも異なっていてもよ
く,Meは上記金属であり、nは2又は3である。)に
より表される。
ゴム組成物中の不飽和カルボン酸金属塩の含有量は、ゴ
ム成分100重量部当り1〜100重量部(phr)で
ある。不飽和カルボン酸金属塩が1phr未満であると添
加効果が小さく、また100phrを越えると硬化が過大
となる。好ましい含有量は5〜40phrである。
[3]有機過酸化物 ゴム組成物は加硫剤(架橋剤)として有機過酸化物を含
有する。これには例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラ
ウロイル、過酸化ジターシャリーブチル、過酸化アセチ
ル、ターシャーリーブチルペルオキシ安息香酸、過酸化
ジクミル、ペルオキシ安息香酸、ペルオキシ酢酸、ター
シャリーブチルペルオキシピバレート等の過酸化物類
や、アゾビスイソブチロニトリル等のジアゾ化合物類等
が好ましい。
有機過酸化物の含有量は1〜10phrであり、1phr未満
であると架橋が不十分であり、10phrを越えると得ら
れるゴム組成物のゴム弾性が不十分となる。好ましい有
機過酸化物の含有量は1〜5phrである。
[4]その他の添加剤 ゴム組成物には、その他に必要に応じ、加硫助剤、加硫
調節剤、老化防止剤、酸化防止剤、補強剤等を添加す
る。
加硫調節剤(リターダー)は望ましくない早期加硫(加
工中のスコーチや貯蔵中の前加硫等)を防止する目的で
使用するもので、メルカプトベンゾチアゾール(MB
T)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2
−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZnMBT)等
のチアゾール類、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチア
ゾールスルフェンアミド(CBS)等のスルフェンアミ
ド類、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMT
M)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMT
D)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)
テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、ジペ
ンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)等
のチウラム類等があり、その他にアルデヒド・アミン
類、グアニジン類等を併用することができる。
加硫助剤は酸化亜鉛等の金属酸化物である。老化防止剤
は加硫後に硬化、軟化、亀裂発生、弾性喪失等の老化現
象が起るのを防止するためのもので、2−メルカプトベ
ンゾイミダゾール亜鉛塩(MBZ)、2,2,4−トリ
メチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物(TMD
Q)、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン
(DPPD)、p−フェニレンジアミン類等が有効であ
る。
補強剤は加硫ゴムの力学的特性(引張強さ、硬さ、引裂
強さ等)を向上させるもので、カーボンブラックが好ま
しい。
[5]歯付きベルト 第2図は、本発明の歯付きベルトの好ましい構成を示
す。この歯付きベルトは、帆布又はフィルム等からなる
歯計上の表面層3と、上記ゴム組成物からなる層4と、
スチール、ガラス繊維、ナイロン等からなる抗張力性の
コード5と、背ゴム層とからなる。
このような歯付きベルトを製造するには、例えば第1図
に示すような所定の形状及びサイズの歯形を有する金型
を使用する。金型は歯形状の面を有する下型1と平坦面
を有する上型2とからなる。好ましくは無端状の歯付ベ
ルトを形成するために下型は円筒状であり、上型はダイ
ヤフラムからなる。
歯形面上に帆布又はフィルム等の表面層3を設け、その
上にゴム組成物のシートを設置し、加熱しながら金型を
締めると、第1図に示すように歯形状に変形したゴム層
4が形成される。この際表面層3も歯形面に沿って変形
するが、フィルムの場合あらかじめ変形しておいてもよ
い。
次に得られたベルト歯部にスチール、ガラス繊維、ナイ
ロン等からなる抗張力性のコード5を巻き付け、背ゴム
層を設けた後で再度上型2を締め、加硫を行う。このよ
うにして第2図に示す歯付ベルトが得られる。
加硫温度は一般に140〜180℃であり、加硫時間は
15〜50分間である。
〔作用〕
本発明の歯付きベルトに使用するゴム組成物は高飽和度
のエチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムに不飽
和カルボン酸金属塩を配合してなるものであり、カーボ
ンブラックを多量に入れる必要なしに高モジュラスとす
ることができ、かつ耐熱性、耐油性に優れたものであ
る。この理由は必ずしも明らかでないが、不飽和カルボ
ン酸金属塩が架橋し、網目構造を形成するためであると
考えられる。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 ロールにより水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム(日本ゼオン(株)製、ブタジエン含有量65重量
%、水素添加により飽和した二重結合の割合(飽和度)
90%)100重量部に、不飽和カルボン酸金属塩とし
てメタクリル酸亜鉛、及び有機過酸化物としてn−ブチ
ル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレー
ト、ジクミルパーオキサイド及びα,α′−ビス(t−
ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンから選
択した2種の組み合わせを、それぞれ第1表に示す組成
比で他の配合剤とともに添加し、混練することにより、
ゴム組成物(サンプルNo.1〜6)を得た。
得られたゴム組成物の加工性を評価するために、各サン
プルのムーニー粘度ML1+4(125℃)を測定し
た。また各サンプルを160℃で30分間加硫し、得ら
れた各加硫ゴムについて、室温において硬度H(JIS-
A)及びモジュラス(M50,M100)、引張強さT
並びに伸びE(それぞれJIS K 6301による)を測定
した。さらにJIS K 6301により各サンプルを150℃に
おいて22時間25%の圧縮率に保持し、圧縮永久歪を
測定した。結果を第1表に示す。
以上の結果から明らかなように、本発明のゴム組成物は
ムーニー粘度が十分に低いので成形加工性が良好であ
り、かつ加硫後の物性も優れていることがわかる。
実施例2 次に耐熱性及び耐油性を評価するために、本発明の高モ
ジュラスゴム組成物(サンプルNo.5)とメタクリル酸
亜鉛を含有すない以外サンプルNo.5と同一組成のゴム
組成物(サンプルNo.10)とを比較した。なお加硫条件
は実施例1と同じである。
耐熱性の比較は、各サンプルの硬度H、引張強さ
、伸びE及びモジュラス(M50,M100)を
常態及び140℃×70時間並びに140℃×480時
間加熱後にそれぞれ測定し、各物性の変化を求めること
により行った。また耐油性の比較は、各サンプルをJIS
#1オイルに150℃×70時間、シェル社製エンジ
ンオイル「ウルトラ−U」に40℃×480時間それぞ
れ浸漬後に硬度H、引張強さT、伸びE及びモジ
ュラス(M50,M100)を測定し、各物性の変化を
求めることにより行った。各物性の変化は常態における
値に対する変化率(%)により表した。結果を第2表に
示す。
上記第2表から明らかなように、本発明のゴム組成物
(サンプルNo.5)はメタクリル酸亜鉛を含有しないゴ
ム組成物(サンプルNo.10)と比較して、耐熱性及び耐
油性のいずれにおいても各物性の変化率が小さい。特に
140℃×480時間の耐熱性に関しては、サンプルN
o.5のM50の変化率(ΔM50)は+242%とサン
プルNo.10の+432%よりはるかに小さく、老化によ
る硬化が少ないことを示している。さらに耐油性に関し
ても、150℃×70時間のJIS #1オイル中の短期
浸漬の場合はほぼ同程度の小さなモジュラス変化率を示
し、また140℃×480時間のエンジンオイル中の長
期浸漬の場合はサンプルNo.5の方がΔM50が小さく
なっている。このように本発明のゴム組成物は良好な耐
熱性及び耐油性を有することがわかる。
実施例3 本発明の低モジュラスのゴム組成物(サンプルNo.3)
の耐熱性及び耐油性を、メタクリル酸亜鉛を含有しない
ゴム組成物(サンプルNo.11)と比較した。サンプルNo.
3及び11の組成(phr)は以下の通りであった。
サンプルNo. 3 11 Zp2020 100 100 ZnO 10 10 Zn(MAA) 15 ― SRF 15 30 MBZ 1 1 Naugard 445 1 1 パークミルD−40 12 10 ペロキシモンF−40 6 5 コロイダル硫黄 0.3 0.3 TMTD 1 1 MBT 0.5 0.5 各サンプルの加硫条件は実施例1と同じであった。加硫
ゴムについて常態、140℃×70時間加熱後、JIS
#1オイル中の150℃×70時間浸漬後、及びエンジ
ンオイル中の140℃×70時間浸漬後にそれぞれ硬度
、引張強さT、伸びE、及びモジュラス(M
50、M100)を測定し、各物性の変化を求めた。結
果を第3表に示す。
第3表から明らかな通り、低モジュラスのゴム組成物に
おいても、メタクリル酸亜鉛を含有するもの(サンプル
No3)が含有しないもの(サンプルNo.11)に比較して
長時間の加熱後やオイル浸漬後でも各物性の変化率、特
にモジュラスの変化率が小さく、耐熱性及び耐油性に優
れていることがわかる。
比較例1 下記第4表に示す不飽和カルボン酸金属塩を含有しない
組成のゴム組成物を調製し、各々について未加硫状態の
ムーニー粘度ML1+4(125℃)及び加硫後のゴム
物性を測定した。結果を第4表に示す。
上記第4表から明らかな通り、不飽和カルボン酸金属塩
を含有しないアクリロニトリル−ブタジエン系ゴム組成
物は、モジュラスを高くしようとするとムーニー粘度が
高くなりすぎる。歯付きベルトのような成形加工の場
合、ムーニー粘度ML1+4(125℃)は約50以下
程度であるのが望ましく、サンプルNo.12では85と成
形性が悪く、またサンプルNo.13では200を超え成形
加工は極めて困難である。これは不飽和カルボン酸金属
塩を含有しないので、モジュラス向上用に多量のカーボ
ンブラックを添加したためであると考えられる。
第3図はムーニー粘度ML1+4(125℃)とM
100との関係を示すグラフである。図中○は本発明の
ゴム組成物を示す。また比較のために不飽和カルボン酸
金属塩の代わりにカーボンブラックを添加することによ
りM100を上昇させた場合の例をΔで示す。ここで○
及びΔに付した番号はサンプルNo.を示す。なおサンプ
ルNo.14はカーボンブラック含有量が30phr以外サンプ
ルNo.12の組成と同一である。第3図から明らかな通
り、不飽和カルボン酸金属塩を含有しない比較例のサン
プルの場合、M100が上昇するに応じてムーニー粘度
も増大し、高モジュラス化しようとすると成形限界(ム
ーニー粘度=90)を超えてしまう。これに対して本発
明のゴム組成物の場合、M100の上昇にもかかわらず
ムーニー粘度はほとんど変化しない。これにより、本発
明のゴム組成物は高モジュラス化しても成形加工性が低
下しないことがわかる。
第4図はサンプルNo.5(本発明のゴム組成物)及びサ
ンプルNo.10及び11(比較例)について140℃に加熱
した場合のΔM50の経時変化を示すグラフである。サ
ンプルNo.5のΔM50はサンプルNo.10のΔM50より
小さく、またサンプルNo.11のΔM50に対しては長期
加熱後において著しい差が出てくる。従って、本発明の
ゴム組成物は不飽和カルボン酸金属塩を含有しないもの
(比較例)と比較して優れた耐熱性を有することがわか
る。
第5図はサンプルNo.5,10及び11について、140℃
のエンジンオイル(ウルトラ−U)に浸漬した場合のΔ
50の経時変化を示す。サンプルNo.5(本発明)は
長時間浸漬によってもΔM50の増加が大きくないが、
サンプルNo.10及び11のΔM50は長時間浸漬により急
激に増加する傾向が認められる。これにより、本発明の
ゴム組成物は不飽和カルボン酸を含有しないもの(比較
例)と比較して耐油性に優れていることがわかる。
〔発明の効果〕
以上に詳述した通り、本発明の歯付きベルトに使用する
ゴム組成物は、エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン
系高飽和共重合体ゴムに不飽和カルボン酸金属塩を配合
してなる組成を有するために、良好なゴム物性とともに
優れた耐熱性及び耐油性を有し、かつ成形加工性にも優
れている。従って、このゴム組成物を使用した本発明の
歯付きベルトは、エンジン動力伝達用歯付きベルト等と
して、応力、温度、油等の厳しい条件下で使用するのに
特に好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ゴム組成物を用いて本発明の歯付きベルトを
成形加工する例を示す断面図であり、 第2図は、本発明の歯付きベルトの例を示す断面図であ
り、 第3図は、M100とムーニー粘度との関係を示すグラ
フであり、 第4図は、加熱条件下でのΔM50の経時変化を示すグ
ラフであり、 第5図は、オイル浸漬条件下でのΔM50の経時変化を
示すグラフである。 1……下型 2……上型 3……表面層 4……ゴム層 5……コード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 昌之 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 中 貴弘 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 斉藤 信広 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 北川 博 埼玉県川越市寺尾756―6 (72)発明者 臼井 武吉 埼玉県本庄市本庄2―1―18 (72)発明者 佐藤 茂 埼玉県上福岡市仲1―1―9

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の面に複数の歯を有するとともに、加
    硫ゴム層を有する歯付きベルトにおいて、前記加硫ゴム
    層が、エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系高飽和
    共重合体ゴム100重量部と、不飽和カルボン酸金属塩
    1〜100重量部とを含有するゴム組成物からなり、前
    記不飽和カルボン酸金属塩が一般式: (ただし、R及びR′はそれぞれ脂肪族又は芳香族炭化
    水素基又は水素原子であって同一でも異なっていてもよ
    く,MeはMg,Ca,Sr,Zn及びAlからなる群
    から選ばれた金属であり,nは2又は3である。)によ
    り表わされることを特徴とする歯付きベルト。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の歯付きベル
    トにおいて、前記不飽和カルボン酸金属塩がメタクリル
    酸亜鉛であることを特徴とする歯付きベルト。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の
    歯付きベルトにおいて、前記不飽和カルボン酸金属塩の
    含有量が5〜40重量部であることを特徴とする歯付き
    ベルト。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれ
    かに記載の歯付きベルトにおいて、前記複数の歯を有す
    る面に帆布又はフィルムからなる表面層を有することを
    特徴とする歯付きベルト。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれ
    かに記載の歯付きベルトにおいて、前記表面層、前記ゴ
    ム組成物の層、抗張力性コード及び背ゴム層からなる層
    構成を有することを特徴とする歯付きベルト。
JP62304719A 1987-12-02 1987-12-02 歯付きベルト Expired - Lifetime JPH0637576B2 (ja)

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