JPH06350154A - 圧電体薄膜素子 - Google Patents
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Abstract
ることである。 【構成】 <111>配向Pt膜が形成された基板上
に、化学式がPb1+Y(ZrXTi1-X)O3+Yで、組成比
が、0≦X<0.55、0≦Y≦0.5の範囲にあり、
結晶構造が菱面体晶系のチタン酸ジルコン酸鉛膜であっ
て、前記基板の主面垂直方向に対して、前記チタン酸ジ
ルコン酸鉛膜の<111>配向度が70%以上である圧
電体薄膜素子。または、<100>配向Pt膜が形成さ
れた基板上に、化学式がPb1+Y(ZrXTi1-X)O3+Y
で、組成比が、0.55≦X<1、0≦Y≦0.5の範
囲にあり、結晶構造が正方晶系のチタン酸ジルコン酸鉛
膜であって、前記基板の主面垂直方向に対して、前記チ
タン酸ジルコン酸鉛膜の<001>配向度が70%以上
である圧電体薄膜素子。
Description
射装置等の圧電素子、半導体記憶装置、焦電型赤外線検
出器等に用いられる強誘電体薄膜装置に関する。
特開昭62−252005が開示されている。
(ZrXTi1-X)O3+Yの場合において、組成比が、0
≦X<0.55、Y=0の範囲に限定されており、バル
クの多結晶体のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)に於い
て、結晶構造が正方晶系の化学量論的組成に限定されて
いた。
囲に限られており、PZTの結晶粒の中のドメインの自
発分極の75%以上が一方向を向いていた。
来技術を用いた強誘電体薄膜素子には以下に示す問題点
が存在する。
i)=1と化学量論的組成であるため、製造方法が困難
である。
結、またはスパッタ法等の成膜時の高温処理時にPbO
の形で、Pbが抜けやすく、化学量論的組成に制御する
ことは、非常に困難である。
置、焦電型赤外線検出器素子においては、成膜後に分極
処理をする事が許されるため、Zr組成比Xが0≦X<
0.55の範囲に限られる必要がない。
るもので、その目的とするところは、最適な結晶配向性
及び組成を持ったPZT薄膜を用いて、圧電特性、強誘
電体特性、焦電特性を向上することである。
めに、 (1)本発明の圧電体薄膜素子は、金属膜が形成された
基板上に、化学式がPb1+Y(ZrXTi1-X)O3+Yで、
組成比が、0≦X<0.55、0≦Y≦0.5の範囲に
あり、結晶構造が菱面体晶系のチタン酸ジルコン酸鉛膜
であって、前記基板の主面垂直方向に対して、前記チタ
ン酸ジルコン酸鉛膜の<111>配向度が70%以上で
あることを特徴とする。
t)、金(Au)または、PtまたはAuを主成分とす
る膜であって、前記基板の主面垂直方向に対して、<1
11>配向膜であることが望ましい。
は、金属膜が形成された基板上に、化学式がPb
1+Y(ZrXTi1-X)O3+Yで、組成比が、0.55≦X
<1、0≦Y≦0.5の範囲にあり、結晶構造が正方晶
系のチタン酸ジルコン酸鉛膜であって、前記基板の主面
垂直方向に対して、前記チタン酸ジルコン酸鉛膜の<0
01>配向度が70%以上であることを特徴とする。
t)、金(Au)または、PtまたはAuを主成分とす
る膜であって、前記基板の主面垂直方向に対して、<1
00>配向膜であることが望ましい。
基づいて説明する。
薄膜素子の第1の実施例である薄膜圧電振動子の断面図
である。
酸化を行い、1μmのSiO2膜102を形成する。
Ti層103と膜厚3000AのPt下部電極104を
直流スパッタリングにより形成した。
温度で行った。
主面垂直方向に対して、<111>配向している。
ッタ法により形成した。
の基板温度で行った。
(ZrXTi1-X)O3+Yを用いた。
を得るために、O2雰囲気中、600℃で、3時間熱処
理を行った。
層106、及び膜厚2000AのAu電極107を順次
蒸着し、最後に、PZT膜105の下部に於ける単結晶
Si基板101にSiO2膜102に至るまで開口部1
08を設け、強誘電体薄膜素子を作成した。
ターンを示す。
射ピーク以外は、ペロブスカイト構造のPZTの反射ピ
ークである。
は、0.05、Zr組成比Xは、0.50であり、<1
11>配向度は、80%であった。
は、P(111)=I(111)/ΣI(hkl)で表
す。
の高角反射法で、波長にCuKα線を用いたときの2θ
が20度〜80度のPZTの全回折強度の和を表す。
(111)、(210)、(211)、(221)、
(310)結晶面反射強度の総和である。
1)結晶面反射強度を表す。
配向した膜厚2μmのPZT薄膜の圧電定数d31のZr
組成比X依存性を示す。
定数も示した。
バルクのPZTの圧電定数より、70から100%<1
11>配向したPZT薄膜の圧電定数は、大きな値を示
した。
範囲に於いて、バルクPZTに比較して、飛躍的に大き
い値を示した。
組成範囲で、正方晶系で有るのに対して、配向薄膜の場
合は、菱面体晶系となることによると考えられる。
の範囲、すなわちZr組成比Xが0.55から1の範囲
では、組成比Xが小さいほど圧電定数が大きくなるが、
薄膜の場合には、更にXが0から0.55の範囲まで及
んであるためだろう。
した場合の圧電定数d31のPbO過剰組成比Y依存性を
示す。
11>配向度は、70から100%である。
Oの過剰分Yに大きく依存しており、Yが0より小さい
と急激に低下し、Y=0.5より大では、バルクPZT
並みまで低下する。
小さくなる理由としては、粒界へのPbOの析出である
ことがわかった。
あることが望ましい。
<111>配向Ptを用いて説明したが、PZT薄膜の
<111>配向度が、70%以上となれば良く、Au、
Pt−Ir、Pt−Pd、Pt−Ni、Pt−Ti等他
の金属膜でも良い。
に取り説明したが、液体噴射装置、半導体記憶装置、焦
電型赤外線検出器等にもそのまま応用できることは自明
である。
に基づいて説明する。
薄膜素子の第2の実施例の断面図である。
高周波スパッタ法により、MgO基板201の主面方向
に対して<100>配向のPt下部電極202を形成す
る。
中、200℃の基板温度で行った。
ッタ法により形成した。
の基板温度で行った。
(ZrXTi1-X)O3+Yを用いた。
ペロブスカイト結晶構造のPZTを得ることができた。
層204、及び膜厚2000AのAu電極205を順次
蒸着し、特性を評価した。
ターンを示す。
の反射ピーク以外は、ペロブスカイト構造のPZTの反
射ピークである。
は、0.10、Zr組成比Xは、0.60であり、<0
01>配向度は、98%であった。
は、P(001)=I(001)/ΣI(hkl)で表
す。
配向した膜厚2μmのPZT薄膜の比誘電率εのZr組
成比X依存性を示す。
処理した後の膜厚方向の比誘電率である。
電率εも示した。
バルクのPZTの比誘電率εより、70から100%<
001>配向したPZT薄膜の比誘電率εは、大きな値
を示した。
範囲に於いて、バルクPZTに比較して、飛躍的に大き
い値を示した。
組成範囲で、菱面体晶系で有るのに対して、配向薄膜の
場合は、正方晶系となることによると考えられる。
範囲、すなわちZr組成比Xが0から0.55の範囲で
は、組成比Xが大きいほど比誘電率が大きくなるが、薄
膜の場合には、更にXが0.55から1の範囲まで及ん
であるためだろう。
た場合の比誘電率εのPbO過剰組成比Y依存性を示
す。
01>配向度は、95から100%である。
す。
の過剰分Yに大きく依存しており、Yが0より小さいと
急激に低下し、Y=0.5より大では、バルクPZT並
みまたは、それ以下まで低下する。
あることが望ましい。
<100>配向Ptを用いて説明したが、PZT薄膜の
<001>配向度が、70%以上となれば良く、Au、
Pt−Ir、Pt−Pd、Pt−Ni、Pt−Ti等他
の金属膜でも良い。
して、純粋な組成のPZT薄膜を用いて説明したが、勿
論若干の不純物が混入されていてもさしつかえない。
るものとして、Nb、La、Ta、Nd、W、Mo、、
Mn、、Ba、Sr、Ca、Bi等があり、15モル%
以下を加えることは可能である。
膜素子は、以下のような効果を有する。 最適な結晶配
向性及び組成を持ったPZT薄膜を用いることにより、
バルクのPZTに比較して飛躍的に、圧電特性、強誘電
体特性、焦電特性を向上することができ、更に薄膜であ
るため、スパッタ法や化学気相成長法等で製造できるの
で、作成が容易であり、薄膜圧電振動子、液体噴射装置
等の圧電素子、半導体記憶装置、焦電型赤外線検出器等
に応用することができる。
図。
折パターンの図。
数d31のZr組成比X依存性を示す図。
組成比X=0.45に固定した場合の圧電定数d31のP
bO過剰組成比Y依存性を示す図。
面図。
折パターンの図。
率εのZr組成比X依存性を示す図。
組成比X=0.60に固定した場合の比誘電率εのPb
O過剰組成比Y依存性を示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】 金属膜が形成された基板上に、化学式が
Pb1+Y(ZrXTi1-X)O3+Yで、組成比が、0≦X<
0.55、0≦Y≦0.5の範囲にあり、結晶構造が菱
面体晶系のチタン酸ジルコン酸鉛膜であって、前記基板
の主面垂直方向に対して、前記チタン酸ジルコン酸鉛膜
の<111>配向度が70%以上であることを特徴とす
る圧電体薄膜素子。 - 【請求項2】 金属膜が、白金(Pt)、金(Au)ま
たは、PtまたはAuを主成分とする膜であって、前記
基板の主面垂直方向に対して、<111>配向膜である
ことを特徴とする請求項1記載の圧電体薄膜素子。 - 【請求項3】 金属膜が形成された基板上に、化学式が
Pb1+Y(ZrXTi1-X)O3+Yで、組成比が、0.55
≦X<1、0≦Y≦0.5の範囲にあり、結晶構造が正
方晶系のチタン酸ジルコン酸鉛膜であって、前記基板の
主面垂直方向に対して、前記チタン酸ジルコン酸鉛膜の
<001>配向度が70%以上であることを特徴とする
圧電体薄膜素子。 - 【請求項4】 金属膜が、白金(Pt)、金(Au)ま
たは、PtまたはAuを主成分とする膜であって、前記
基板の主面垂直方向に対して、<100>配向膜である
ことを特徴とする請求項3記載の圧電体薄膜素子。
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