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JPH0633971A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

Info

Publication number
JPH0633971A
JPH0633971A JP20851692A JP20851692A JPH0633971A JP H0633971 A JPH0633971 A JP H0633971A JP 20851692 A JP20851692 A JP 20851692A JP 20851692 A JP20851692 A JP 20851692A JP H0633971 A JPH0633971 A JP H0633971A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
solenoid
cylinder
piston
rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20851692A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuhiro Kashima
光博 加島
Hiroshi Matsumoto
洋 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP20851692A priority Critical patent/JPH0633971A/ja
Publication of JPH0633971A publication Critical patent/JPH0633971A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 発生減衰力の高低調整を実現し、連設,経済
性,生産性を向上させる。 【構成】 ソレノイドバルブ10がその開口端の外筒5
への連設を可能にすると共に、ケーシング16内に収装
されてその軸芯部へのピストンロッド2の挿通を可能に
するソレノイド20と、ソレノイド20への励磁時に移
動する弁体30と、その軸芯部へのピストンロッド2の
挿通を可能にしながらシリンダ1及び外筒5の上端を閉
塞すると共にロッド側室R1とリザーバ室R3との連通
を可能にする流路を形成しかつ弁体30を摺動可能に介
装させるバルブガイド13とを有し、ソレノイド20と
ケーシング16の間にシール部材18が配在されると共
に、ピストンロッド2の外周とソレノイド20の内周の
間に隙間Sが形成され、かつ、バルブガイド13が非磁
性材で形成されると共にその軸芯部に形成の凹部13e
内にシリンダ1の上端を嵌入させるように形成されてな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、発生減衰力をソレノ
イドバルブの利用で高低調整する油圧緩衝器の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】発生減衰力をソレノイドバルブの利用で
高低調整する油圧緩衝器としては、従来から種々提案さ
れている。
【0003】例えば、図4に示すユニフロー型の油圧緩
衝器にあっては、シリンダ1内にピストンロッド2の先
端側を出没可能に挿通してなると共に、該ピストンロッ
ド2の先端にシリンダ1内に摺動可能に収装されたピス
トン部3を連設してなり、該ピストン部3がシリンダ1
内にロッド側室R1とピストン側室R2とを区画形成し
てなる。
【0004】ピストン部3には、伸側の減衰バルブ3a
及びチェック弁3bが配設されてなり、減衰バルブ3a
を介してのロッド側室R1のピストン側室R2への連通
及びチェック弁3bを介してのピストン側室R2のロッ
ド側室R1への連通を可能にしている。
【0005】そして、該油圧緩衝器は、シリンダ1の下
端内部にベースバルブ部4を配設してなると共に、シリ
ンダ1の外周に外筒5を配設してなり、該外筒5とシリ
ンダ1との間にリザーバ室R3を形成している。
【0006】ベースバルブ部4には、圧側の減衰バルブ
4a及びチェック弁4bが配設されてなり、減衰バルブ
4aを介してのピストン側室R2のリザーバ室R3への
連通及びチェック弁4bを介してのリザーバ室R3のピ
ストン側室R2への連通を可能にしている。
【0007】一方、該油圧緩衝器は、シリンダ1及び外
筒5の上端側に近接配置されたソレノイドバルブ10を
有してなり、該ソレノイドバルブ10がロッド側室R1
からの作動油のリザーバ室R3への流入の可不可の選択
を可能にしている。
【0008】即ち、該ソレノイドバルブ10は、ソレノ
イド11への励磁時にその吸着力で図中上昇方向に移動
する弁体12を有してなるもので、該弁体12の上昇時
にロッド側室R1のリザーバ室R3への連通を可能にす
る流路を閉塞するように構成されている。
【0009】少しく説明すると、弁体12は、その軸芯
部にピストンロッド2を挿通させながら外筒5及びシリ
ンダ1の上端を閉塞するバルブガイド13の上端側に摺
動可能に介装されると共に、該弁体12の上面側に配設
されるリタンスプリング14によってバルブガイド13
の下端側の上面に押し付けられるように構成されてい
る。
【0010】そして、弁体12は、これが上昇したとき
に、上記リタンスプリング14の上端を係止しソレノイ
ド11を構成するコア部材11aの内周側に配在のシー
ト部材15に着座されるとしている。
【0011】因に、コア部材11aは、磁性材で形成さ
れてその内周側、即ち、軸芯部にピストンロッド2を摺
接状態に挿通させてなると共に、その外周側にコイル1
1bを巻装させてなる。
【0012】また、バルブガイド13は、その内周側に
ピストンロッド2の外周との間に隙間を形成することに
なる環状溝13aと、その上端側肉厚部に横方向に開穿
され環状溝13aに連通する油孔13bと、その上端側
の外周に形成され油孔13bに連通し弁体12の上流側
に連通する環状溝13cと、その下端外周側の肉厚部に
開穿され弁体12側とリザーバ室R3側との連通を可能
にする油孔13dと、を有してなる。
【0013】そして、弁体12は、その上流側と下流側
との連通を可能するオリフィス12aを有してなる。
【0014】尚、シート部材15は、これが磁性材で形
成されていること勿論である。
【0015】それ故、この従来例としての油圧緩衝器に
よれば、シリンダ1内にピストンロッド2が没入される
圧側行程時には、シリンダ1内をピストン部3が下降す
ることになり、このとき、ロッド側室R1において不足
する作動油が伸側のチェック弁3bを介してピストン側
室R2から流入されると共に、ピストン側室R2におい
て余剰となる作動油もチェック弁3bを介してロッド側
室R1に流入されることになる。
【0016】そして、ピストン側室R2からロッド側室
R1に流入された上記の余剰油は、所謂開放状態にある
ソレノイドバルブ10を介してリザーバ室R3に流出さ
れることになる。
【0017】また、シリンダ1内からピストンロッド2
が突出される伸側行程時には、シリンダ1内をピストン
部2が上昇することになり、このとき、ピストン側室R
2において不足する作動油が圧側のチェック弁4aを介
してリザーバ室R3から補給されると共に、ロッド側室
R1において余剰となる作動油が開放状態にあるソレノ
イドバルブ10を介してリザーバ室R3に流出されるこ
とになる。
【0018】従って、伸圧いずれの行程時にもロッド側
室R1側からの作動油が開放状態にあるソレノイドバル
ブ10を介してリザーバ室R3に流出されることにな
り、このとき各側の減衰バルブ3a,4aが不作動状態
におかれて、該ソレノイドバルブ10、即ち、弁体12
で設定される低い減衰力発生に止まることになる。
【0019】そして、ソレノイドバルブ10において、
ソレノイド11への励磁で弁体12が上昇してシート部
材15に着座されることになると、ロッド側室R1とリ
ザーバ室R3とを連通する流路が閉塞される、即ち、バ
ルブガイド13に形成の環状溝13a及び油孔13bを
介してのロッド側室R1とリザーバ室R3との連通が遮
断されることになる。
【0020】それ故、伸側行程時には、ロッド側室R1
の作動油が高いクラッキング圧の下で開放される伸側の
減衰バルブ3aを介して、ピストン側室R2に流入する
ことになり、圧側行程時には、ピストン側室R2の作動
油が高いクラッキング圧の下で開放される圧側の減衰バ
ルブ4aを介して、リザーバ室R3に流入することにな
る。
【0021】そして、各側の減衰バルブ3a,4aが高
いクラッキング圧の下で開放されて作動油の流通を可能
にすることで、高い減衰力が発生されることになる。
【0022】従って、上記従来の油圧緩衝器によれば、
所要時にソレノイド11を励磁することで発生減衰力を
高くすることが可能になり、例えば、該油圧緩衝器が車
両に搭載される場合に、通常は低い減衰力発生でソフト
な乗り心地を得るようにしながら、急制動時や急発進時
あるいはロール時における姿勢制御の際には高い減衰力
の発生状態に変更することが可能になり、車両の走行安
定性を向上し得ることになる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の油圧緩衝器にあっては、以下のような不都合が
指摘されている。
【0024】先ず、上記従来の油圧緩衝器にあって、ソ
レノイドバルブ10は、該油圧緩衝器の形成時に所謂組
み込むようにして形成されるものであるから、該油圧緩
衝器の経済性,生産性を低下させる危惧がある。
【0025】即ち、ソレノイドバルブ10を構成する弁
体12,シート部材15,リタンスプリング14及びソ
レノイド11等の各構成部材は、これ等がピストンロッ
ド2に介装された状態で、ケーシング16で覆われるよ
うに形成されるから、所謂組立作業に手間を要すること
になり、該油圧緩衝器の経済性,生産性を低下させるこ
とになる。
【0026】そして、ケーシング16は、その下端が外
筒5の上端に熔着されることで、内部の各構成部材の所
定位置への定着を図る、即ち、該ソレノイドバルブ10
の完成を看ることになるから、仮に、該ソレノイドバル
ブ10に故障があることが判明した場合には、油圧緩衝
器全体が故障品にされることになり、この面からも該油
圧緩衝器の経済性,生産性を低下させることになる。
【0027】次に、上記従来の油圧緩衝器にあっては、
外筒5と共にシリンダ1の上端を閉塞するバルブガイド
13の内周側の下端がシリンダ1の上端内部に嵌装され
る状況におかれているので、シリンダ1内におけるピス
トン部3のストローク量を減殺する傾向になり、該油圧
緩衝器の有効ストローク量を減殺することになる不都合
がある。
【0028】そして、この不都合を可能な限り解消する
ために、バルブガイド13の軸線方向の長さを小さく押
さえる傾向になり、それがために、弁体12をバルブガ
イド13に摺動可能に介装させるについて、弁体12の
バルブガイド13に対する十分な摺動範囲を確保できな
いことになる。
【0029】その結果、弁体12が水平状態を維持しな
がら昇降し得なくなり、弁体12の安定した昇降、即
ち、ロッド側室R1のリザーバ室R3への連通を可能に
する流路の開閉が安定されなくなる不都合がある。
【0030】また、上記従来の油圧緩衝器にあっては、
ロッド側室R1のリザーバ室R3への連通を可能にする
流路が、バルブガイド13に形成の環状溝13a,油孔
13b,環状溝13c,弁体12の上流側,弁体12に
開穿のオリフィス12a,弁体12の下流側及びバルブ
ガイド13に形成の油孔13dで構成されている。
【0031】それ故、該流路を介してロッド側室R1の
作動油がリザーバ室R3へ流入する際の流路抵抗が大き
くなり易くなり、従って、該流路を作動油が通過すると
きに低い減衰力発生にすることが困難になる危惧があ
る。
【0032】さらに、上記従来の油圧緩衝器にあって
は、ソレノイド11への励磁時に弁体12がシート部材
15に着座されて、ロッド側室R1とリザーバ室R3と
を連通する流路が閉塞されるとしているので、弁体12
及びシート部材15が磁界を形成する部材、即ち、磁性
部材とされること勿論であるが、ピストンロッド2も磁
界を形成する部材になる。
【0033】ところが、ピストンロッド2は、一般に、
軸部材とされて強度,硬度,耐摺動性,耐摩耗性,耐防
錆性等に優れるように高炭素鋼で形成されるから、磁界
を形成する部材とされる場合には、極めて磁性され易く
なる反面、磁気が残存され易くなる。
【0034】それ故、ソレノイド11への励磁が解除さ
れる場合でも、ピストンロッド2に磁気が残存されてい
るために、リタンスプリング14が介在されているにも
拘らず、弁体12が所定の下降をしない、即ち、消磁時
の応答性が悪化されることになる。
【0035】この発明は、前記した事情を鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、ソレノイ
ドバルブによって所定の発生減衰力の高低調整が実現さ
れ、例えば、車両への搭載に最適となるのは勿論のこ
と、ソレノイドバルブを連設した後における不良品の輩
出の危惧を減らし、経済性,生産性の向上を期待するに
最適となる油圧緩衝器を提供することである。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、この発明に係る油圧緩衝器の構成を、シリンダ内
に出没可能に挿通されたピストンロッドの先端に連設の
ピストン部がシリンダ内で摺動する際にピストン部によ
ってシリンダ内に区画形成されたロッド側室のから作動
油がシリンダ外に配在のソレノイドバルブを介してシリ
ンダ外に配設の外筒との間に形成のリザーバ室に流入し
作動油のソレノイドバルブの通過時に低い減衰力が発生
されるように形成され、かつ、作動油のソレノイドバル
ブの通過が阻止される場合におけるシリンダ内でのピス
トン部の摺動時にピストン部及びベースバルブ部に配設
の各減衰バルブで高い減衰力が発生されるように形成さ
れる一方で、ソレノイドバルブがその開口端の外筒への
連設を可能にすると共にその軸芯部へのピストンロッド
の挿通を可能にするケーシングと、該ケーシング内に収
装されてその軸芯部へのピストンロッドの挿通を可能に
するソレノイドと、該ソレノイドに近隣されて該ソレノ
イドへの励磁時に移動する弁体と、その軸芯部へのピス
トンロッドの挿通を可能にしながらシリンダ及び外筒の
上端を閉塞すると共にロッド側室とリザーバ室との連通
を可能にする流路を形成しかつ弁体を摺動可能に介装さ
せるバルブガイドと、を有してカートリッジ化されてな
り、ソレノイドとケーシングの間にシール部材が配在さ
れると共に、ピストンロッドの外周とソレノイドの内周
の間に隙間が形成され、かつ、バルブガイドが非磁性材
で形成されると共にその軸芯部に形成の凹部内にシリン
ダの上端を嵌入させるように形成されてなるとするもの
である。
【0037】
【作用】それ故、ソレノイドバルブが所謂カートリッジ
化されてなるから、該ソレノイドバルブについての製品
試験を緩衝器本体の製品試験と別個に行うことが可能に
なる。
【0038】そして、該カートリッジ化されたソレノイ
ドバルブは、これを構成するケーシングの開口端側が緩
衝器本体を構成する外筒に溶接等によって連設されて緩
衝器本体に一体化される。
【0039】また、該ソレノイドバルブは、これが緩衝
器本体に連設される際に、該ソレノイドバルブを構成す
るバルブガイドの下端側の軸芯部に形成の凹部内にシリ
ンダの上端を嵌入させてシリンダ内におけるピストン部
の摺動範囲を減殺しない。
【0040】さらに、該ソレノイドバルブにおいて、ロ
ッド側室のリザーバ室への連通を可能にする流路をバル
ブガイドとピストンロッドとのに形成する必要がなくな
り、該流路の形成態様が簡素化される。
【0041】そして、上記ソレノイドバルブを有する油
圧緩衝器は、ソレノイドが励磁されてソレノイドバルブ
における作動油の流通を許容する場合において、該油圧
緩衝器の圧側行程時には、シリンダ内をピストン部が下
降する。
【0042】このとき、ロッド側室において不足する作
動油がピストン部を介してピストン側室から流入される
と共に、ピストン側室において余剰となる作動油がベー
スバルブ部を介してロッド側室に流入される。
【0043】そして、ピストン側室からロッド側室に流
入された上記の余剰油は、所謂開放状態にあるソレノイ
ドバルブを介してリザーバ室に流出される。
【0044】また、上記の場合において、油圧緩衝器の
伸側行程時には、シリンダ内をピストン部が上昇する。
【0045】このとき、ピストン側室において不足する
作動油がベースバルブ部を介してリザーバ室から補給さ
れると共に、ロッド側室において余剰となる作動油が開
放状態にあるソレノイドバルブを介してリザーバ室に流
出される。
【0046】従って、伸圧いずれの行程時にもロッド側
室側からの作動油が開放状態にあるソレノイドバルブを
介してリザーバ室に流出されることになり、このときピ
ストン部及びベースバルブ部における各減衰バルブが不
作動状態におかれ、該ソレノイドバルブで設定される低
い減衰力発生に止まる。
【0047】そして、ソレノイドバルブにおいて、ソレ
ノイドが解磁されるとソレノイドバルブにおける作動油
の流通が阻止される、即ち、ロッド側室とリザーバ室と
の連通が遮断される。
【0048】それ故、その際の該油圧緩衝器の伸側行程
時には、ロッド側室の作動油がピストン部に配設の伸側
の減衰バルブを介してピストン側室に流入し、上記の際
の該油圧緩衝器の圧側行程時には、ピストン側室からの
作動油がベースバルブ部に配設の圧側の減衰バルブを介
してリザーバ室に流入する。
【0049】このとき、各側の減衰バルブが高いクラッ
キング圧で作動するように設定されることで、各側のそ
れぞれ高い減衰力の発生が可能になる。
【0050】
【実施例】以下、図示した実施例に基づいて説明する
が、この発明の一実施例に係る油圧緩衝器にあっても、
図1に示すように、ユニフロー型に形成されており、ソ
レノイドバルブ10の構成を異にする他は、前記した従
来例(図4参照)と同様に構成されている。
【0051】それ故、その構成の同一なる部分について
は、図中に同一の符号を付してその詳しい説明を省略
し、以下には、この発明におけるソレノイドバルブ10
の構造を説明する。
【0052】即ち、ソレノイドバルブ10は、図2に示
すように、ケーシング16と、ソレノイド20と、弁体
30と、バルブガイド13と、を有してなり、ケーシン
グ16内にソレノイド20以下の構成部品が収容されて
該ソレノイドバルブ10が所謂カートリッジ化される構
成になっている。
【0053】少しく説明すると、ケーシング16は、図
示例にあって、筒状に形成された本体16aと、該本体
16aの上端開口を閉塞するように連設されたキャップ
16bと、からなり、本体16aの下端外周の外筒5の
上端内周への熔接等による連設を可能にするように形成
されている。
【0054】そして、ケーシング16は、本体16aの
内周に後述するバルブガイド13を固定的に連設させ、
かつ、その軸芯部へのピストンロッド2の挿通を可能に
するように形成されている。
【0055】尚、図示例にあって、ケーシング16は磁
性材で形成されており、キャップ16bの内部には、シ
ール17が収容されていると共にソレノイド20を構成
する磁性材からなる環状ヨーク21が電気的に接続され
る状態に収容されている。
【0056】ソレノイド20は、ケーシング16内に所
謂ガタツクことがないように収装され、かつ、シール部
材18の配在で液密構造下に収装されており、その軸芯
部へのピストンロッド2の挿通を可能にするように形成
されている。
【0057】また、該ソレノイド20は、その内周とピ
ストンロッド2の外周との間に隙間Sを形成することな
るように設定されており、該隙間Sは、ソレノイド20
のピストンロッド2に対する絶縁部を形成するとしてい
る。
【0058】ところで、ソレノイド20は、その上端側
に位置決められる前記環状ヨーク21に加えて、磁性材
からなり内周側に位置決められる筒状コア部材22と、
該筒状コア部材22に介装されるように配設され非磁性
材からなる筒状ボビン部材23と、該筒状ボビン部材2
3内に収容されるように配設されるコイル24と、該ソ
レノイド20の下端を形成し上記筒状コア部材22に電
気的に接続され磁性材からなる環状コア部材25と、を
有するように構成されている。
【0059】尚、該環状コア部材25の内周は、上記筒
状コア部材22と同様にピストンロッド2の外周との間
に上記隙間Sを形成するように設定されている。
【0060】また、上記筒状コア部材22と環状コア部
材25には、それぞれ割り22a,25aが形成されて
いて、該ソレノイド20における磁界変化時に渦電流が
発生されないように配慮されている。
【0061】弁体30は、ソレノイド20の下端に近隣
されて該ソレノイド20への励磁時に移動する、即ち、
図中上昇するように構成されてなるもので、図示例にあ
っては、後述するバルブガイド13に摺動可能に介装さ
れている。
【0062】即ち、該弁体30は、ソレノイド20の下
端に対向しながらバルブガイド13の上端側の外周に隙
間を有して配在されてソレノイド20の励磁時に吸着さ
れるように上昇する環状吸着部31と、該環状吸着部3
1の外周に一体に連設されてその下端側がバルブガイド
13の外周に摺接する筒状部32と、から構成されてい
る。
【0063】そして、図示例にあって、環状吸着部31
は、磁性材で形成されているが、筒状部32は、非磁性
材で形成されており、筒状部32への環状吸着部31の
圧入によって両者の一体化が実現されている。
【0064】尚、上記環状吸着部31は、割り31aを
有して、ソレノイド20における磁界変化時に渦電流が
発生されないように配慮され、筒状部32は、その内外
周を連通する油孔32aを有してなる。
【0065】上記弁体30は、環状吸着部31の上端と
ソレノイド20の下端との間に配在のリタンスプリング
33によって下降方向に附勢されているもので、該リタ
ンスプリング33は、非磁性材で環状バルブ状に形成さ
れている。
【0066】該リタンスプリング33の配在によって、
上記環状吸着部31がソレノイド20への励磁で該ソレ
ノイド20の下端に吸着されるようになる場合にも、こ
れが該ソレノイド20の下端に密着されず、従って、ソ
レノイド20への励磁が解除されるときに、リタンスプ
リング33の附勢力で上記環状吸着部31が速やかに下
降されることになる。
【0067】尚、上記筒状部32は、非磁性材で形成さ
れてなるとするが、これに代えて、磁性材で形成されて
なるとしても良い。
【0068】バルブガイド13は、非磁性材で形成され
ているものであって、その軸芯部に軸受け部材19の介
在下にピストンロッド2の挿通を可能にすると共に、シ
リンダ1及び外筒5の上端を閉塞しながらロッド側室R
1とリザーバ室R3との連通を可能にする流路を形成す
るように形成されている。
【0069】そして、該バルブガイド13は、その下端
側の軸芯部に凹部13eを形成してなり、該凹部13e
内にシリンダ1の上端を嵌入させるとしている。
【0070】該凹部13e内へのシリンダ1の上端の嵌
入によって、バルブガイド13が部分的であれシリンダ
1内に臨在されなくなり、従って、シリンダ1内におけ
るピストン部3の摺動ストロークを減殺しないことにな
る。
【0071】また、該バルブガイド13は、ロッド側室
R1とリザーバ室R3との連通を可能にする流路を形成
するとするが、該流路は、シリンダ1の上端側の外周に
臨在されて外筒5の上端を閉塞することになるバルブガ
イド13の外周側垂設部13fに形成されてなるとして
いる。
【0072】即ち、該外周側垂設部13fには、これを
径方向に貫通して上記凹部13eに連通しながら該外周
側垂設部13fの外周側に開口するように開穿された油
孔13gと、該油孔13gに連通しながら該外周側垂設
部13fの外周に開口するように形成された環状溝13
hと、該外周側垂設部13fの下端側であって上記外筒
5の上端を閉塞する部位に形成された切欠溝13jと、
が設けられている。
【0073】そして、上記油孔13g,環状溝13h及
び切欠溝13jで形成される流路が前記弁体30によっ
て開閉される、即ち、上記環状溝13hを外側から閉塞
するように摺接される筒状部32の摺動、即ち、上下動
によって該流路における作動油の流通の可不可が選択さ
れるように構成されている。
【0074】尚、上記筒状部32が上昇されるときに、
上記環状溝13hを開放し、該弁体30が開放状態にな
る。
【0075】それ故、以上のように形成されたこの実施
例に係る油圧緩衝器にあっては、ソレノイドバルブ10
がケーシング16内に所定の構成部材を収装してカート
リッジ化されており、従って、該カートリッジ化された
ソレノイドバルブ10についての製品試験を緩衝器本体
の製品試験と別個に行うことが可能になる。
【0076】また、該カートリッジ化されたソレノイド
バルブ10は、これを構成するケーシング16の開口端
が緩衝器本体を構成する外筒5に溶接等によって連設さ
れることで緩衝器本体に一体化されることになる。
【0077】このとき、ケーシング16の開口端の内周
に連設されているバルブガイド13に形成の凹部13e
内にシリンダ1の上端が嵌装されることになり、従っ
て、シリンダ1内におけるピストン部3の摺動ストロー
クが減殺されなくなる。
【0078】一方、ソレノイドバルブ10においてソレ
ノイド20が励磁されて弁体30が上昇状態におかれる
と、シリンダ1内のロッド側室R1とリザーバ室R3と
を連通する流路が解放状態におかれる。
【0079】そして、シリンダ1内にピストンロッド2
が没入されピストン部3がシリンダ1内を下降する圧側
行程時には、ロッド側室R1において不足する作動油が
ピストン部3に配設の伸側のチェック弁3bを介してピ
ストン側室R2から流入されると共に、ピストン側室R
2において余剰となる作動油も上記チェック弁3bを介
してロッド側室R1に流入される。
【0080】そして、ピストン側室R2からロッド側室
R1に流入された上記の余剰油は、開放状態にあるソレ
ノイドバルブ10を介してリザーバ室R3に流出され
る。
【0081】また、シリンダ1内からピストンロッド2
が突出されシリンダ1内をピストン部2が上昇する伸側
行程時には、ピストン側室R2において不足する作動油
がベースバルブ部4に配設の圧側のチェック弁4aを介
してリザーバ室R3から補給されると共に、ロッド側室
R1において余剰となる作動油が上記ソレノイドバルブ
10を介してリザーバ室R3に流出される。
【0082】従って、伸圧いずれの行程時にもロッド側
室R1側からの作動油が開放状態にあるソレノイドバル
ブ10を介してリザーバ室R3に流出されることにな
り、このとき各側の減衰バルブ3a,4aが不作動状態
におかれて、該ソレノイドバルブ10で設定される低い
減衰力発生に止まる。
【0083】また、ソレノイドバルブ10において、ソ
レノイド20への励磁が解除されると、弁体30が下降
してロッド側室R1とリザーバ室R3とを連通する流路
が閉塞される(図2参照)。
【0084】それ故、この場合の伸側行程時には、ロッ
ド側室R1の作動油がピストン部3に配設の伸側の減衰
バルブ3aを介して、ピストン側室R2に流入すること
になり、また、圧側行程時には、ピストン側室R2の作
動油がベースバルブ部4に配設の圧側の減衰バルブ4a
を介して、リザーバ室R3に流入することになる。
【0085】そして、各側の減衰バルブ3a,4aが高
いクラッキング圧の下で開放されて作動油の流通を可能
にすることで、高い減衰力が発生されることになる。
【0086】従って、この発明に係る油圧緩衝器にあっ
ては、所要時にソレノイド20への励磁を解除すること
で発生減衰力を高くすることが可能になり、例えば、該
油圧緩衝器が車両に搭載される場合に、通常は低い減衰
力発生でソフトな乗り心地を得るようにしながら、急制
動時や急発進時あるいはロール時における姿勢制御の際
には高い減衰力の発生状態に変更することが可能にな
り、車両の走行安定性を向上し得ることになる。
【0087】図3は、ソレノイドバルブ10の他の実施
例を示すものであるが、該ソレノイドバルブ10は、前
記した図2に示す実施例に比較して部分的に差異がある
のみで、その基本的な構成は異ならない。
【0088】よって、以下には、その構成の異なる部分
についてのみ説明するが、先ず、ケーシング16におい
てシール17を収装するキャップ16bが本体16aと
の間における隔壁部になるように形成された底部16c
を有してなるとする。
【0089】そして、シール17は、該キャップ16b
の外部たる上方から該キャップ16b内に収装され、爾
後、ストッパリング17aで所定位置に定着されると
し、底部16cは、前記した実施例における環状のヨー
ク21に代わるものとされている。
【0090】次に、この実施例にあっては、ロッド側室
R1とリザーバ室R3とを連通可能にする流路を構成す
るにあって、バルブガイド13の軸芯部に形成される凹
部13e(図示せず)の内周に環状溝13gが形成され
てなるとし、該環状溝13gに外周側垂設部13fに開
穿の油孔13gが連通するとしている。
【0091】そして、バルブガイド13に形成の凹部1
3e内にはシリンダ1の上端が一杯に嵌入されており、
該シリンダ1の上端部に開穿の油孔1aが上記環状溝1
3gに連通するとしている。
【0092】その他、図示例にあっては、弁体30を構
成する筒状部32には、連通孔32aの開穿が省略され
るとしているが、該連通孔32aはこれが形成されると
しても良い。
【0093】図示例による場合には、ソレノイドバルブ
10部分にピストンロッド2を挿通させる場合にシール
17を所謂後組込みできることになるので、油圧緩衝器
の組立作業が容易になる利点があると共に、シリンダ1
をバルブガイド13に連結する際の安定性が向上される
利点がある。
【0094】前記した図2及び図3の各実施例にあって
は、この発明に係る油圧緩衝器におけるソレノイドバル
ブ10がソレノイド20への励磁時に低い減衰力の発生
を可能にするように設定されてなるとするが、これに代
えて、ソレノイドバルブ10がソレノイド20への励磁
の解除時に低い減衰力の発生を可能にするように設定さ
れるとしても良いこと勿論である。
【0095】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、油圧
緩衝器におけるソレノイドバルブは、これを構成するケ
ーシング内に所定の構成部材が収装されて所謂カートリ
ッジ化されることになり、従って、該カートリッジ化さ
れたソレノイドバルブについての製品試験を緩衝器本体
の製品試験と別個に行えることになる。
【0096】また、該カートリッジ化されたソレノイド
バルブは、これを構成するケーシングの開口端が緩衝器
本体を構成する外筒に溶接等によって連設されることで
緩衝器本体に一体化されるが、このとき、バルブガイド
の軸芯部に形成の凹部内にシリンダの上端を嵌入させる
とするので、シリンダ内におけるピストン部の摺動範囲
を減殺しないことになる。
【0097】そして、この発明によれば、ロッド側室の
リザーバ室への連通を可能にする流路をバルブガイドと
ピストンロッドとのに形成する必要がなくなり、該流路
の形成態様が簡素化され、該ソレノイドバルブによって
発生される低い減衰力が安定されることになる。
【0098】その結果、この発明によれば、所定の発生
減衰力の高低調整が実現されて、例えば、車両への搭載
に最適となるのは勿論のこと、ソレノイドバルブを連設
した後における油圧緩衝器の不良品の輩出の危惧を無く
し、油圧緩衝器の供給にあって経済性,生産性の向上を
期待するに最適となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る油圧緩衝器を一部破
断して示す正面図である。
【図2】図1に示す油圧緩衝器におけるソレノイドバル
ブ部分を拡大して示す部分拡大縦断面図である。
【図3】他の実施例に係るソレノイドバルブを図2と同
様に示す部分拡大縦断面図である。
【図4】従来例としての油圧緩衝器を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 ピストンロッド 3 ピストン部 3a,4a 減衰バルブ 4 ベースバルブ部 5 外筒 10 ソレノイドバルブ 13 バルブガイド 13e 凹部 16 ケーシング 18 シール部材 20 ソレノイド 30 弁体 R1 ロッド側室 R3 リザーバ室 S 隙間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内に出没可能に挿通されたピス
    トンロッドの先端に連設のピストン部がシリンダ内で摺
    動する際にピストン部によってシリンダ内に区画形成さ
    れたロッド側室のから作動油がシリンダ外に配在のソレ
    ノイドバルブを介してシリンダ外に配設の外筒との間に
    形成のリザーバ室に流入し作動油のソレノイドバルブの
    通過時に低い減衰力が発生されるように形成され、か
    つ、作動油のソレノイドバルブの通過が阻止される場合
    におけるシリンダ内でのピストン部の摺動時にピストン
    部及びベースバルブ部に配設の各減衰バルブで高い減衰
    力が発生されるように形成される一方で、ソレノイドバ
    ルブがその開口端の外筒への連設を可能にすると共にそ
    の軸芯部へのピストンロッドの挿通を可能にするケーシ
    ングと、該ケーシング内に収装されてその軸芯部へのピ
    ストンロッドの挿通を可能にするソレノイドと、該ソレ
    ノイドに近隣されて該ソレノイドへの励磁時に移動する
    弁体と、その軸芯部へのピストンロッドの挿通を可能に
    しながらシリンダ及び外筒の上端を閉塞すると共にロッ
    ド側室とリザーバ室との連通を可能にする流路を形成し
    かつ弁体を摺動可能に介装させるバルブガイドと、を有
    してカートリッジ化されてなり、ソレノイドとケーシン
    グの間にシール部材が配在されると共に、ピストンロッ
    ドの外周とソレノイドの内周の間に隙間が形成され、か
    つ、バルブガイドが非磁性材で形成されると共にその軸
    芯部に形成の凹部内にシリンダの上端を嵌入させるよう
    に形成されてなることを特徴とする油圧緩衝器
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100348885C (zh) * 2005-01-28 2007-11-14 浙江大学 一种复合结构磁流变液半主动减振器
JP2012218629A (ja) * 2011-04-12 2012-11-12 Toyota Motor Corp 車両用懸架装置
JP2013506807A (ja) * 2009-10-06 2013-02-28 テネコ オートモティブ オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド デジタルバルブを備えたダンパー
JP2017015244A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 日立オートモティブシステムズ株式会社 シリンダ装置

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