JPH06323568A - 空調用床置形換気ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は機体全体形状を縦長状コンパクト
に形成し、室内はもとより廊下、ベランダ等室外空間の
如何なる場所にでも容易に設置可能とし、騒振音の室内
への流出を未然に阻止すると共に外気による全外気冷房
を確実に求め得ようとするをその主な目的とする。 【構成】 縦長状機体１の内部に還気口３と排気口４及
び外気取入口５と給気口２を夫々の送風通路６ａ，ｂに
て各連通し、該送風通路６ａ，ｂ内に冷、温水熱交換コ
イル７、８、加湿器９、給気用送風機１１、排気用送風
機１２を夫々縦列状に配置設けると共に上記、外気導入
室Ｅと排気室Ｄ間に数台の全熱交換器１３，１３を左右
方向に横列に配列設けた構成であって、特に上記せる全
熱交換器１３，１３を断面縦長菱形状に構成した点をそ
の特徴としている。更に上記、送風通路６ａ、６ｂ間に
外気バイバスダンパー１４を配置設け、機内を流通する
空気を還、排気、全外気冷房等任意方向へ切換え操作を
行わしめるように構成した空調用床置形換気ユニット。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は機体全体を縦細コンパ
クト形状とし、室内に新鮮な外気の導入は勿論、該外気
による直接冷房をも可能とした空調用床置形換気ユニッ
トに関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、四季においては冷暖房の必要とし
ない時期、即ち５月頃から７月初期にかけて新鮮な外気
を必要とする季節がある．また従来、開発されている空
調機の殆んどは室内冷暖空調用としての機構を有するも
のであるから外気による直接冷房を行わしめることは困
難であり、例え外気を室内に導入しようとしてもホテル
のロビー、個室、病室等の如く窓部分の構造が密閉固定
式の場合には開窓して新鮮な外気の導入を行わしめるこ
とは全く不可能である。しかもこれらの空調機において
は、狭小な機内に種々の機構装置が雑然と配置されてい
るがために全体機高が嵩大にて巾大となり、故に室内に
おける設置有効面においても制約を受けるは勿論、上記
空調機に付随せる各種の制御機器、配管部分が室内に露
呈して該室内の意匠感を著しく劣減し、且つまた機内に
て発生の騒振音も室内に流出する等種々の欠点を有して
いた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明は上記、室内
設置による冷暖房空調機の欠点を悉く解決しょうとする
ものであって、全体形状を縦長状コンパクトに形成し、
室内はもとより廊下、ベランダ等の室外空間の如何なる
場所にでも容易に設置可能とし、騒振音の室内への流出
を未然に阻止すると同時に外気による直接冷房をも可能
とするをその主な目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する手
段として、この発明は例示する図面に示す如く縦長状機
体１の内部に還気口３と排気口４及び外気取入口５と給
気口２を夫々の送風通路６ａ，ｂにて各連通し、該送風
通路６ａ，ｂ内に冷、温水熱交換コイル７、８、加湿器
９、給気用送風機１１、排気用送風機１２を夫々に縦列
に配置設けると共に上記外気導入室Ｅと排気室Ｄ間に数
台の全熱交換器１３，１３を横列に配列設けた構成をそ
の特徴としている。更に、上記せる送風通路６ａ、６ｂ
間に外気バイバスダンパー１４を配置設け、機内を流通
する空気を還、排気、全外気冷房等任意方向へ切換え操
作を行わしめることによって室内の冷暖房空調はもとよ
り全外気冷房運転等所期の目的を達成することが出来得
たのである。

【０００５】特に、この発明においては上記送風通路６
ａ、６ｂ間に断面縦長菱形状の全熱交換器１３を数台、
左右方向に横列に配列設けることによって後記する理由
の通り全体形状をより小型コンパクトに形状することが
出来得る。

【０００６】また、機体１の前部に前面パネル１７を開
閉自在に設けることによって機内における点検、修理等
のメンテナンス作業を機体前方より容易に行わしめるこ
とも出来得る。

【０００７】また上記、機体１の背部に開設せる給気口
２、及びは還気口３箇所に、予め筒内に適宜形状の消音
機構１８を配設してなる送風管１９を連結行わしめるこ
とによって機内より室内に流出する騒振音を緩和消音
し、該室内に静粛な空調展開を求めることも出来得る。

【０００８】

【作用】上記、構造を有してなる換気ユニットを例えば
廊下、ベランダ等室外箇所に設置し、給気口２と還気口
３を直接に又はダクト連接等により室内側に開口し、一
方の排気口４，外気取入口５を外部に直接、又はダクト
連結接続にて開口する。かかる状体で還，排気及び給気
用送風機１１，１２の運転時に外気バイバスダンパー１
４を閉路とすることにより室内側の汚染空気が実線で示
すアーイの還気口３より還気室Ｆに流れ送風通路６ａを
経て全熱交換器１３を通過し排気口４より室外に放出す
る、その間、該還気内の熱量の一部が全熱交換器１３の
作用にて回収されている。また上記と同時に一方室外の
新鮮な空気は実線ウーエで示す、外気取入口５より全熱
交換器１３、送風通路６ｂ、送風機室Ｃ、給気室Ａを通
り室内に外気を送給するがその間、全熱交換器１３にて
熱量の一部を吸収する。即ち、上記は通常運転時の場合
であって、室内の汚染空気を外部に排出すると同時に新
鮮な外気を室内に取入れすることが出来得るが該機内に
導入せる外気は熱交換室Ｂ内に設置せる冷、温水熱交換
コイル７、８にて例えば冷房時に冷水用熱交換コイル７
により冷気を、暖房時には温水用熱交換コイル８にて適
当温度に加熱され外気と共に室内に冷、暖風を容易に送
風行わしめることが出来得る。

【０００９】次に四季の冷暖房の必要としない時期、例
えば５月より７月の初旬、或いは室内の日照具合、人口
密度等室内環境により外気による冷気のみの取入れを必
要とする場合には還，排気用送風機１２の運転を停止
し、給気用送風機１１を運転行わしめ上記、外気バイバ
スダンパー１４を開路とすることによって外気は鎖線で
示すウーオの外気取入口５より送風機室Ｃより熱交換室
Ｂを経て熱交換室Ｂを素通りして給気室Ａに流れ給気口
２より直接に室内に送給することが出来得る。当然、上
記による場合には冷、温水熱交換コイル７、８への通水
が停止されていなければならないが、万一にも室内の温
度が上昇し、より以上の冷気を必要とする場合には冷水
コイル７に冷水を流せば良く、また冷え過ぎの場合には
温水熱交換コイル８を開栓し温水を流すことによって容
易に解決することが出来得る。

【００１０】更に適当な内外空気による空調を求める場
合には、上記外気バイバスダンパー１４の半開、閉等の
調整操作にて室内よりの還気空気の全量が排気口４より
流出することなく一部のみが屋外に廃棄され、該還気空
気の残量が外気導入室Ｅ内に導入する外気と混流し、共
に外気バイバスダンパー１４を経て混合空気として室内
に送風行わしめることも、また室内が乾燥し適宜の加湿
を必要とする場合には加湿器９の作用によって適当な加
湿空気をも同時に送給することも出来得る。特にこの発
明においては全熱交換器１３，１３を複数以上、横列に
配置した構成を有するものであるから、一個の吸込口よ
り吸込みせる外気を吹出側において数方向に分流するも
のであるから非常に細分化せる柔和な空気を室内に送給
することが出来得、同時に多数方向からの吹出によって
該室内に略平等な空調展開が求め得られ、しかも全熱交
換器１３の作用により還気内の熱量の一部を導入する外
気に供給することによって使用熱量をより経済的に利用
するものである。

【００１１】

【実施例】以下、実施例を図面について説明すると、１
は縦長形状に形成してなる機体にて室内側、即ち機体の
背部に上部に給気口２を、下部に還気口３を、また外部
側表面の上下に適宜間隔を隔てて一個または数個の排気
口４及び外気取入口５を開口設ける。また該機体内部を
数枚の仕切板ａ，ａにて上部左右に給気室Ａと熱交換室
Ｂを、該下方に送風機室Ｃ、排気室Ｄ、外気導入室Ｅ、
還気室Ｆの各室に区切り形成する。送風通路６ａ，ｂは
上記の各室を連通し形成してなるもので送風通路６ａは
還気口３と排気口４に、送風通路６ｂは外気取入口５と
給気口２とに各連通し機内を両送風通路６ａ，ｂにて縦
貫するが後記する全熱交換器１３箇所にてＸ状に交又さ
れている。また上記、熱交換室Ｂ内には冷水用熱交換コ
イル７，温水用熱交換コイル８を始めとして加湿器９、
ドレンパン１０等の装置器具を、送風機室Ｃには給気用
送風機１１を，還気室Ｆには還，排気用送風機１２を上
下に略縦一列に各設置すると共に還気口３及び外気取入
口５の内部近辺箇所にプレフィルター、中性能フィルタ
ー等目的に応じた還気、吸気用のフィルター１５、１６
を各脱着自在に嵌装配置する。その他、夫々の室内空間
部を利用して制御盤，電動弁等必要とする各機構部材を
一体的に収容することも出来得る。

【００１２】また上記、上下の送風通路６ａ，ｂ間に断
面縦長菱形状の全熱交換器１３を数台、図示例では複数
の全熱交換器１３、１３を左右方向に横列に配置し上記
せる夫々の送風通路６ａ，ｂと連通されている。更に、
排気室Ｄと送風機室Ｃの送風通路６ａ，ｂ間には外気バ
イバスダンパー１４を開閉自在に取付け設け、機内にお
ける空気流れを還、排気、全外気冷房等任意の送風通路
に切換えするもので、外気冷房時には外気がウーオ経路
に流れるので全熱交換器１３には流れない。

【００１３】また図示中符号１７は機体１の前部に開閉
自在に取付けられた前面パネルにて該開扉により機内の
点検、修理等のメンテナンス作業をごく容易に行わしめ
ることが出来得る。

【００１４】更に、上記給気口２部分に，予じめ内部に
適宜形状の消音機構１８を設置し、且つ設置側壁面厚さ
に適合する長さの送風管１９を連結設けることによって
機内にて発生せる騒振音の流出を確実に阻止緩和する
等、消音チャンバーとして併用することが出来得る。ま
た場合によっては該消音機構付送風管１９を、上記給気
口２のみに連設することなく還気口３にも付設して還気
口３より流出する機内の騒振音を抑制することも出来得
る。

【００１５】なお、この発明は室外設置用として開発さ
れたものであるが非常に嵩小で縦長形状に形成出来得る
ので一部の機構を変更するのみにて室内の狭小な箇所、
間隙等の空間部分を利用して室内用としても容易に設置
し用いることも出来得る。また、上記取付け場所等の関
係によっては給気口２、還気口３の上下位置を上下逆体
に付設する場合や、表裏反転として用いることも可能で
ある。

【００１６】

【発明の効果】この発明は、上記の構成を有するもので
あるから、単に外気バイバスダンパー１４を切換え操作
するのみにて、室内の還気、排気と同時に新鮮な外気の
取入れはもとより、特に外気冷房を必要とする場合には
全外気による完全冷房が即時に得られる等その都度、該
室内に最適な空調展開を容易に求めることが出来得のは
勿論、給気室Ａ、送風機室Ｃ、還気室Ｆの各室が縦列に
連設形成され、夫々の室内に冷、温水熱交換コイル７、
８、ドレンパン１０および送風機１１，１２等のの機構
が上下略縦列に配置されているがために横巾を狭く抑え
ることが可能となり配管等種々の諸機構部材を容易にコ
ンパクトに収容する出来得る効果を奏し、更に、以下に
て記載する種々の効果をも併せ有している。

【００１７】特に、この発明においては請求項２項記載
の如く、全熱交換器１３形状を断面縦長の菱形形状に形
成する共に該断面縦長菱形の全熱交換器１３を数台、機
内に横列に配置したことによって、従来用いられていた
一台の大型全熱交換器に比して横巾全体を非常に短巾と
することが可能であり、重量も軽量であるから据付け面
積も広大な場所を毛頭、必要とすることなく室内はもと
より室外の狭小な廊下、ベランダ、壁側等如何なる箇所
にでも何らの制限も受けることもなく容易、確実に据付
け設置を行わしめることが出来得る。しかも数台の全熱
交換器１３、１３，１３によって各作用面が倍増し、且
つ流通する空気流れが細分し最も有効な熱交換作用が確
実に得られ、使用エネルギーを大巾に節減出来得る等顕
著な効果を有している。また、全熱交換器１３の各面間
における隙間によって一個の吸込口から導入せる単流の
空気流れを自然的に分流拡散し、これが非常に柔和な空
調展開を奏することが出来得たのである。

【００１８】更に、この発明においては請求項３項記載
の如く、機体１の前面に前面パネル１７を開閉自在に取
付け行わしめることによって内部機構の全体が即時に視
出し、機内深部のメンテナンス作業も室外から容易、確
実に行われるは勿論、同時に室内の意匠感をも良好とす
る効果がある。

【００１９】また、この発明においては請求項４項記載
の如く、機体１の背部に開設せる給気口２または還気口
３に、予め管内に適宜の消音機構を付設してなる送風管
１９を連結行わしめることによって、機内にて発生せる
騒振音の室内への流出を完全に阻止、消去出来得る等の
効果も併せ有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明に係る換気ユニットの正面図、

【図２】 同上、背面図、

【図３】 内部構造を略解的に示す一実施例の平面断面
図、

【図４】 同上、側面断面図である。

【符号の説明】

２ 給気口 ３ 還気口 ４ 排気口 ５ 外気取入口 ６ａ，ｂ 送風通路 ７ 冷水熱交換コイル ８ 冷、温水熱交換コイル ９ 加湿器 １１ 給気用送風機 １２ 還，排気用送風機 １３ 全熱交換器 １４ 外気バイバスダンパー １９ 送風管

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 縦長状機体１の背面上部に一個または数
   個の給気口２を、下部に還気口３を、また前面の適宜箇
   所に一個または数個の排気口４、外気取入口５を開口設
   け、該機体内部を数枚の仕切板ａ，ａにて上部に給気室
   Ａと熱交換室Ｂを、該下方に送風機室Ｃ、排気室Ｄ、外
   気導入室Ｅ、還気室Ｆの各室に区切り形成すると共に夫
   々の室内を上記、還気口３と排気口４を送風通路６ａに
   て、外気取入口５と給気口２を送風通路６ｂにて各連通
   して機内に送風通路６ａ，ｂを縦貫形成し、給気室Ａ内
   に冷、温水熱交換コイル７、８、加湿器９、ドレンパン
   １０等の機器を、送風機室Ｃ内に給気用送風機１１、下
   方の還気室Ｆ内には還，排気用送風機１２を夫々に配置
   設けてなる縦長形換気ユニットにおいて、上記外気導入
   室Ｅと排気室Ｄ間に数台の全熱交換器１３，１３を横列
   に配列設け、更に上記送風通路６ａ、６ｂ間に外気バイ
   バスダンパー１４を配設して機内流通の空気を還、排
   気、全外気冷房等任意方向に切換え運転を行わしめるよ
   うに構成せしめたことを特徴とする空調用床置形換気ユ
   ニット。
2. 【請求項２】 請求項１項記載の換気ユニットにおい
   て、上記、送風通路６ａ、６ｂ間に数台の断面略縦長菱
   形形状の全熱交換器１３を左右方向に横列に配列設けた
   ことを特徴とする空調用床置形換気ユニット。
3. 【請求項３】 請求項１項記載の換気ユニットにおいて
   機体１の前部に前面パネル１７を開閉自在に設けたこと
   を特徴とする空調用床置形換気ユニット。
4. 【請求項４】 請求項１項記載の換気ユニットにおいて
   機体１の背部に開設せる給気口２に，予じめ内部に適宜
   形状の消音機構１８を配設してなる送風管１９を連結設
   けたことを特徴とする空調用床置形換気ユニット。