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JPH06322087A - フルオレン骨格を含むアリル系オリゴマー - Google Patents

フルオレン骨格を含むアリル系オリゴマー

Info

Publication number
JPH06322087A
JPH06322087A JP5134165A JP13416593A JPH06322087A JP H06322087 A JPH06322087 A JP H06322087A JP 5134165 A JP5134165 A JP 5134165A JP 13416593 A JP13416593 A JP 13416593A JP H06322087 A JPH06322087 A JP H06322087A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oligomer
acid
diol
organic
fluorene skeleton
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5134165A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Uchida
博 内田
Yasuji Tanaka
保二 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP5134165A priority Critical patent/JPH06322087A/ja
Publication of JPH06322087A publication Critical patent/JPH06322087A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハロゲン元素や硫黄化合物を使用することな
く、比重が比較的軽くかつ屈折率も高く、しかも耐衝撃
性の優れた光学材料として好適な有機ガラスを与えるア
リルエステル系オリゴマーを開発する。 【構成】 下記構造を持つフルオレン骨格を含むアリル
系オリゴマーにより目的を達成できる。 CH=CHCHO(COACOORO)
OACOCHCH=CH ただし、Aは二価のカルボン酸から誘導された有機残
基、Rはジオールから誘導された構造式一1(化1)で
表される有機残基を主成分とし、nは1〜20の数を表
す。構造式−1中のRは水素またはメチル基、l,m
は1以上5以下の整数を表す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フルオレン骨格を含む
アリル系オリゴマーに関するものであり、さらに詳しく
は眼鏡用レンズ材料やその他の光学用材料に使用でき
る、比重が比較的軽く、かつ屈折率も高く、しかも耐衝
撃性の優れた光学材料として好適な有機ガラスを与える
素材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機ガラスは無機ガラスに比
較して軽量であるために、ジエチレングリコールビス
(アリルカーボネート)(以下「CR−39」と略す)
やメチルメタクリレート等の重合体からなる有機ガラス
が使用されている。しかし、これらの有機ガラスの屈折
率は1.49〜1.50と無機ガラス(ホワイトクラウ
ンガラスの場合1.523)に比較して低く、無機ガラ
スの場合よりも厚くなり軽量化のメリットが損なわれ、
また視力矯正用レンズとして用いた場合、度が強くなる
と見かけが悪くなるという欠点があった。このため、屈
折率の高い有機レンズの開発が行われてきたが、高屈折
率のプラスチックスを得ようとする場合には、分子構造
にフッ素を除くハロゲン原子の導入、硫黄原子の導入を
行うのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
は、ハロゲン原子を導入した場合には比重が重くなると
いう欠点があり、硫黄原子を導入した場合には、切削加
工時に硫黄特有の臭気が発生するという欠点があった。
本発明は上記欠点を解決することを目的に検討したもの
であり、ハロゲン元素や硫黄化合物を使用することな
く、比重が比較的軽くかつ屈折率も高く、しかも耐衝撃
性の優れた光学材料として好適な有機ガラスを与える素
材を開発することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意研究を行った結果、末端にアリルエ
ステル基を有し、内部が多価飽和カルボン酸と多価飽和
アルコールから誘導されたアリルエステルオリゴマーを
合成する際の原料として、特定の化合物をジオールとし
て用いることにより得られるフルオレン骨格を含むアリ
ル系オリゴマーを用いることにより、課題を解決するこ
とができることを見いだしついに本発明を完成するに至
った。
【0005】本発明の請求項1の発明は、下記構造を持
つフルオレン骨格を含むアリル系オリゴマーである。 CH2=CHCH2O(COACOORO)nCOACOCH2CH=CH2 ただし、Aは二価のカルボン酸から誘導された有機残
基、Rはジオールから誘導された構造式−1(化2)で
表される有機残基を主成分とし、nは1〜20の数を表
す。構造式−1中のR1 は水素またはメチル基、l,m
は1以上5以下の整数を表す。合成されたオリゴマー中
には、アリルエステルモノマーのような低分子の原料モ
ノマーが残存するが、これらの残存モノマーを分離する
ことなくそのまま使用することができるので、本発明に
おいてはこれらの残存モノマーを含むオリゴマーもオリ
ゴマーとして取り扱う。
【0006】
【化2】
【0007】本発明の請求項2の発明は、Rがジオール
から誘導された上記構造式−1で表される有機残基と、
該ジオール以外のジオールおよび/または3価以上のポ
リオールから誘導された有機残基を含むことを特徴とす
る請求項1記載のフルオレン骨格を含むアリル系オリゴ
マーである。本発明の請求項2のアリルエステル系オリ
ゴマーは、分子末端のエステル基がアリルエステル基を
主成分とし、以下の繰り返し単位を有するオリゴマーで
ある。 −(COACOORO)− 構造−A −(COACOO)X −Z-O-COACOO− 構造−B ただし、x は1以上5以下の整数でありZはX+1 個の水
酸基を有するポリオールから誘導された有機残基、Aは
二価のカルボン酸から誘導された有機残基、Rは上記構
造式−1(化2)で表される有機残基を主成分とする。
構造式−1(化2)中のR1 は水素またはメチル基、
l,mは1以上5以下の整数を表す。
【0008】このようなアリル系オリゴマーは、対応す
るジカルボン酸のジアリルエステルと、上記構造式−1
(化2)に対応するジオールとをエステル交換反応触媒
の存在下に、アリルアルコールを留去させながら反応さ
せて得ることができる。
【0009】更に工業的に有用な方法として、ジカルボ
ン酸のジアリルエステルの代わりに、対応するジカルボ
ン酸の炭素数が1から3よりなる低級脂肪族アルコール
とのジエステルとアリルアルコールを原料に用いて、低
級脂肪族アルコールを留去させながら反応させて得るこ
とができる。
【0010】構造式−1(化2)を誘導するジオールと
しては、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フ
ルオレンのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサ
イドを平均2mol〜10mol付加させた化合物を挙
げることができる。
【0011】また、Aを与えるような二価のカルボン酸
としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、β−メチルアジピン酸、ピメリン酸、コハク
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、
デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカ
ンジカルボン酸、1,2−または1,3−または1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、ジフェニル−P,P’−ジカルボン
酸、ジフェニル−m,m’−ジカルボン酸、1,4−ま
たは1,5−または2,6−または2,7−ナフタレン
ジカルボン酸、ジフェニルメタン−p,p’−ジカルボ
ン酸、ジフェニルメタン−m,m’−ジカルボン酸、ベ
ンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、p−フェニレ
ンジ酢酸、p−カルボキシフェニル酢酸、メチルテレフ
タル酸、テトラクロルフタル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸等である。これらの中で
もテレフタル酸やイソフタル酸のようなベンゼン環を含
んだ二価の飽和カルボン酸が、屈折率を上げるうえで好
ましい。
【0012】本発明においては、構造式−1(化2)を
誘導するジオール以外のジオールを屈折率の低下がない
範囲で使用することができる。そのような二価の飽和ア
ルコールとしては、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,5−ペンタンジオール、ヘキサメチレング
リコール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレン
グリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレング
リコール、ウンデカメチレングリコール、ドデカメチレ
ングリコール、トリデカメチレングリコール、エイコサ
メチレングリコール、水素化ビスフェノール−A、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、2−エチル−2,5
−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジ
オール、スチレングリコール等の炭素だけからなる飽和
グリコールと、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、ビスフェノール−Aのエチレンオキサイド付加
物、ビスフェノール−Aのプロピレンオキサイド付加物
等のエーテル基を含んだ2価の飽和アルコールやジブロ
モネペンチルグリコール等の臭素を含んだグリコールな
どを挙げることができる。
【0013】本発明においては、場合によってはグリセ
リン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン
のような多価アルコールも使用できる。ただし、これら
のポリオールの使用は屈折率の低下や比重の増大を招く
場合があるので、少量の使用にとどめたほうがよい。
【0014】ここでこれらの使用比率としては、末端に
アリルエステルがついたアリルエステルオリゴマーを得
るためには、二価の飽和カルボン酸のカルボキシル基よ
りも、ジオールのヒドロキシル基のほうを少なく用いる
必要がある。また、あまりにこの官能基の使用比率が近
いと、生成したアリルエステルオリゴマーの分子量が著
しく上がりすぎてしまい、光学材料用として使用するに
は、粘度が高くなりすぎてしまう。そこでこれらの使用
比率はカルボキシル基/ヒドロキシル基の割合が、10
/9から5/1、より好ましくは5/4から3/1の間
に入ることが望ましい。
【0015】使用するエステル交換反応触媒としては、
従来知られているエステル交換触媒が使用できるが、特
に好ましいのはアルカリ金属、アルカリ土類金属及びそ
れらの酸化物、及び弱酸塩、Mn,U,Zn,Cd,Z
r,Pb,Ti,CoおよびSnの酸化物、水酸化物、
無機酸塩、アルコラート、有機酸塩、シブチル錫オキサ
イド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライ
ド等の有機錫化合物等である。
【0016】使用量としては、触媒の活性によっても違
うが適度な速度でアリルアルコールを抽出させ得るよう
な量を使用すべきである。一般的には、ジアリルまたは
ジアルキルエステルに対して0.0001wt%〜1w
t%、特に好ましくは0.001wt%〜0.1wt%
程度を使用することが好ましい。
【0017】反応の実施形態としてはジアリルエステル
を用いた場合にはアリルアルコールの沸点以上、低級ア
ルコールのジアルキルエステルを用いた場合には低級ア
ルコールの沸点以上に加熱して、エステル交換を行わせ
オリゴマーの生成に有利なように生成するアリルアルコ
ールまたは低級アルコールを反応蒸留により反応器から
系外に留去する。一般に常圧か、加圧下に反応を行う
が、反応の転化率が上がってくるとともに、反応系内を
減圧にしてアリルアルコールまたは低級アルコールの留
去を速やかに行う方法も効果的である。
【0018】反応温度は上で述べたようにジアリルエス
テルを用いた場合はアリルアルコールの沸点以下だとア
リルアルコールの留去を効果的に行うことができず、ま
た、あまりに温度が高いと熱重合等の問題があるので、
一般には100℃から300℃の間、より好ましくは1
30℃から250℃の間から選択される。
【0019】低級アルコールのジアルキルエステルを用
いた場合には生成する低級アルコールと反応させるアリ
ルアルコールの沸点が近いために反応初期からあまりに
高温に加熱したのでは、アリルアルコールが低級アルコ
ールとともに留出してしまう恐れがある。そこで、効率
のよい精留塔を付けるとともに、反応温度としては、一
般には反応初期の段階では80℃〜150℃の間、より
好ましくは90℃〜130℃の間、低級アルコールの大
半が留出した後に100℃から300℃の間、より好ま
しくは130℃から250℃の間から選択したほうがよ
い。この場合の使用するアリルアルコール量としては、
ジアルキルエステルに対して少なくとも0.2モル当量
は必要であり、通常は0.5モル当量以上好ましくは1
モル当量以上使用すべきである。しかし、余りに大過剰
に用いたのでは、余分なアリルアルコールを除去しなけ
ればならず、また必ずしも反応速度が速くならないの
で、20モル当量以下にとどめるべきである。
【0020】また、反応温度によってはハイドロキノン
のような重合禁止剤を反応液中に共存させてもよい。
【0021】反応終了後のオリゴマーの取り出し方法と
しては、種々の方法が実施できる。例えば生成したアリ
ルエステルオリゴマーから蒸留や再沈によりモノマーを
抜いて精製することも可能であるが、通常は反応中に副
生したり原料として用いたジアリルエステルモノマーが
共存した状態でも使用することができ、工業的にはこち
らのほうが有利である。
【0022】また、粘度調節を行う目的で、ジアリルま
たはトリアリル系モノマーを積極的に添加することも可
能で、このようなジアリルまたはトリアリル系モノマー
としては、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレー
ト、ジアリルテレフタレート、アジピン酸ジアリル、ト
リアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテー
ト、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリル、エンデ
ィック酸ジアリル等がある。
【0023】このようにして得られたオリゴマーは、屈
折率が通常のアリルエステルオリゴマーに比較して飛躍
的に高くなるという特徴がある。この新規なオリゴマー
は、所望に応じて、そのままの状態か、他の重合性モノ
マーに溶解して粘度を下げて光学材料用組成物とするこ
とができる。このような重合性モノマーとしては、例え
ば、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸及びその
エステル、不飽和二塩基酸及びその誘導体、飽和脂肪族
または芳香族カルボン酸のビニルエステル及びその誘導
体、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合
物、不飽和炭化水素、ハロゲン化不飽和炭化水素等があ
げられる。
【0024】芳香族ビニル化合物としては、スチレンま
たは、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−
クロルスチレン等のα−置換スチレン、ビニルトルエ
ン、フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレ
ン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン等の核置
換スチレンがある。
【0025】(メタ)アクリル酸及びそのエステルとし
ては、アクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタアクリル酸
メチル等がある。
【0026】不飽和二塩基酸及びその誘導体としては、
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン
酸のジアルキルエステル類、フマル酸ジメチル、フマル
酸ジイソプロピル等のフマル酸のジアルキルエステル類
等がある。
【0027】飽和脂肪族または芳香族カルボン酸のビニ
ルエステル及びその誘導体としては、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等がある。
【0028】不飽和炭化水素としては、1−ヘキセン、
1−オクテン、4−ビニルシクロヘキセン等がある。
【0029】ハロゲン化不飽和炭化水素としては塩化ビ
ニル、臭化ビニル等がある。
【0030】また、架橋性多官能モノマーも使用でき、
このようなものとして、例えば、ジアリルカーボナー
ト、ジエチレングリコールジアリルカーボナート、ジビ
ニルベンゼン、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリ
レート、アジピン酸ジビニル等の二官能性の架橋性モノ
マー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジアリルマレート、ジアリルフマレート等の三官能
以上の架橋性モノマーがあげられる。
【0031】また、不飽和ポリエステルのような二重結
合を持つポリマーも、反応性モノマーと同等に使用でき
る。
【0032】重合開始剤としては、熱または光によって
ラジカルを発生する化合物が使用できるが、重合条件に
よっては爆発的に重合が進行する場合があるために、予
備検討を十分に行ってから開始剤を選択するべきであ
る。
【0033】重合に際して使用できるラジカル重合開始
剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ系化合物、ジクミルパーオキシド、t−ブ
チルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシ
ド、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン等のジ
アルキルパーオキシド類、1,1−ジ−t−ブチルパー
オキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ブタン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパ
ーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレ
ート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチ
ルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエー
ト、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメ
チルアジペート等のアルキルパーエステル類等があげら
れる。
【0034】本発明のフルオレン骨格を含むアリル系オ
リゴマーは、光学材料用途に用いられる以外に、充填
剤、重合促進剤、重合禁止剤、内部離型剤、カップリン
グ剤、顔料、その他の添加剤を物性の損なわれない程度
に配合して用いて、成形材料としても使用することも可
能である。
【0035】また、このオリゴマーは適度に二重結合を
持っているので、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフ
タレート樹脂等と混合して使用することもできるし、E
PR、塩素化ポリエチレン、合成ゴム等の架橋剤として
も使用できる。
【0036】
【実施例】以下本発明を実施例により、具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例によって限定されるもので
はない。 (実施例1)蒸留装置のついた2リットル三口セパラブ
ルフラスコにジアリルテレフタレートを500g、ビス
フェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル(分
子量438.5、新日鉄化学株式会社製、以下BPHE
と略)594g、ジブチル錫オキサイド0.5gを仕込
んだのち、窒素気流下で180℃に加熱し、生成してく
るアリルアルコールを留去した。アリルアルコールが5
0g程度留出したところで、反応系内を約20トールま
で減圧にし、アリルアルコールの留出速度を速めた。理
論量のアリルアルコールが留出した後、更に1時間加熱
を続けた。その後、系内を常圧窒素雰囲気下にし、常温
まで冷却した。常温でほとんど流動性の無い重合性オリ
ゴマー920gを得た。このオリゴマー中にはジアリル
テレフタレートモノマーが6.7wt%残存していた。
【0037】(実施例2)蒸留装置のついた2リットル
三口セパラブルフラスコに、ジアリルイソフタレート7
00g、BPHE415g、ジブチル錫オキサイド0.
7gを仕込み、実施例1とほぼ同様な操作で、常温で粘
稠な液状の重合性オリゴマー980gを得た。このオリ
ゴマー中にはジアリルイソフタレートモノマーが32.
8wt%残存していた。
【0038】(実施例3〜5)原料、仕込モル比が異な
る他は、実施例1とほぼ同様にしてアリルエステルオリ
ゴマーを合成した。表1にその結果を合わせて示す。
【0039】(比較例1)実施例1で用いたBPHEの
代わりに、プロピレングリコール103gを用いた他
は、実施例1と同様に行った。常温で粘調な液状の重合
性オリゴマー430gを得た。
【0040】(比較例2)実施例1で用いたBPHEの
代わりに、テトラブロモビスフェノール−Aのエチレン
オキサイド2モル付加体641gを用いた他は、実施例
−1と同様に行った。常温でほとんど流動性のない重合
性オリゴマー1002gを得た。
【0041】
【表1】
【0042】実施例1〜5及び比較例1〜2で得た重合
性オリゴマー100部にジクミルパーオキサイド2部を
混合し、セロハン張りのガラス板を用いて注型重合(実
施例1はプレス成形)により、130℃1時間と160
℃2時間で硬化して有機ガラス成形品を得た。各実施例
及び比較例の諸物性を表2に示す。
【0043】なお、諸物性の測定は以下の試験方法によ
って行った。 1.光線透過率 ASTM D−1003に準じて測定を行った。 2.屈折率およびアッベ数 アッベ屈折率計(アタゴ製)を用いて測定した。 3.表面硬度(鉛筆硬度) JISK−5400に準じて、荷重1kgfで実施し、
傷付かない最高の鉛筆硬度で示した。 4.耐衝撃性 JISK−7211の落鍾衝撃試験方法に準じて、デュ
ポン衝撃試験機(東洋精機制作所製)を用い、試験片厚
3mm、落下重鍾質量500gで試験を行い、50%破
壊高さを求めた。 5.比重 電子比重計を用い、水中置換法で23℃での比重を求め
た。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】従来の有機ガラスは、ハロゲン原子を導
入した場合には比重が重くなるという欠点があり、硫黄
原子を導入した場合には、切削加工時に硫黄特有の臭気
が発生するという欠点があったが、本発明のフルオレン
骨格を含むアリル系オリゴマーは、ハロゲン元素や硫黄
化合物を使用せず、比重が比較的軽いうえに屈折率が高
く、しかも耐衝撃性の優れた光学材料として好適な有機
ガラスを与える素材であるので、用途としては眼鏡レン
ズに限らず、プリズム、光ディスク等の光学的な性質を
重視する分野に使用でき、その産業上の利用価値は甚だ
大きい。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【化2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造を持つフルオレン骨格を含むア
    リル系オリゴマー。 CH2=CHCH2O(COACOORO)nCOACOCH2CH=CH2 ただし、Aは二価のカルボン酸から誘導された有機残
    基、Rはジオールから誘導された構造式−1(化1)で
    表される有機残基を主成分とし、nは1〜20の数を表
    す。構造式−1中のR1 は水素またはメチル基、l,m
    は1以上5以下の整数を表す。 【化1】
  2. 【請求項2】 Rがジオールから誘導された上記構造式
    −1で表される有機残基と、該ジオール以外のジオール
    および/または3価以上のポリオールから誘導された有
    機残基を含むことを特徴とする請求項1記載のフルオレ
    ン骨格を含むアリル系オリゴマー。
JP5134165A 1993-05-13 1993-05-13 フルオレン骨格を含むアリル系オリゴマー Pending JPH06322087A (ja)

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