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JPH06303137A - D/a変換器、オフセット調整回路及びこれを用いた携帯通信端末装置 - Google Patents

D/a変換器、オフセット調整回路及びこれを用いた携帯通信端末装置

Info

Publication number
JPH06303137A
JPH06303137A JP5285514A JP28551493A JPH06303137A JP H06303137 A JPH06303137 A JP H06303137A JP 5285514 A JP5285514 A JP 5285514A JP 28551493 A JP28551493 A JP 28551493A JP H06303137 A JPH06303137 A JP H06303137A
Authority
JP
Japan
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current
converter
output
circuit
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5285514A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Yamakido
一夫 山木戸
Takao Okazaki
孝男 岡崎
Hiroko Tanba
裕子 丹場
Hayato Ishihara
走人 石原
Yoichiro Kobayashi
洋一郎 小林
Norimitsu Nishikawa
法光 西川
Masanori Otsuka
正則 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP5285514A priority Critical patent/JPH06303137A/ja
Priority to US08/170,411 priority patent/US5515047A/en
Priority to KR1019930030124A priority patent/KR940017287A/ko
Priority to EP93121014A priority patent/EP0605883A3/en
Publication of JPH06303137A publication Critical patent/JPH06303137A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • H03M1/06Continuously compensating for, or preventing, undesired influence of physical parameters
    • H03M1/08Continuously compensating for, or preventing, undesired influence of physical parameters of noise
    • HELECTRICITY
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 所要レイアウト面積の縮小と低消費電力化を
図った高精度の電流駆動型のD/A変換器を実現する。
複数のアナログ信号出力を有する電子回路の出力オフセ
ットを相対的かつ高精度に調整できる回路を提供する。 【構成】 入力ディジタル信号が複数に分割されてなる
所定ビットのディジタル信号をそれぞれ受け、同じ基準
電流を用いた複数からなる単位D/A変換器UDA1,
UDA2によりアナログ電流に変換し、かかるアナログ
電流を対応する入力ディジタル信号の重みに対応した電
流変換を行って電流合成する。オフセットキャンセルす
べき信号における基準となる直流信号に対応した固定的
なディジタル信号をD/A変換器に入力し、上記D/A
変換器の出力を分岐して得られる正相及び逆相の複数の
アナログ出力信号のオフセットをそれぞれ検出した後、
夫々のアナログ出力の直流オフセット値を所望の値とす
るためのオフセット調整用負帰還信号とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、D/A(ディジタル
/アナログ)変換器と、D/A変換器を含む電子回路の
出力オフセット調整回路、特に、低電圧電源かつ低消費
電力動作を目的として半導体集積回路で実現されたD/
A変換器を含み、複数のアナログ信号出力を有する電子
回路の出力オフセットを高精度、高安定に調整する回路
に係り、例えば携帯通信端末装置に適用して有効な技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】実質的に電流値の異なる複数の電流源を
設け、これらの電流源を所定ビットのディジタル信号に
従って選択的に有効とすることでディジタル信号に対応
したアナログ電流を形成するいわゆる電流駆動型のD/
A変換器があり、このようなD/A変換器を搭載する携
帯通信端末装置がある。
【0003】電流駆動型のD/A変換器については、例
えば、1991年2月14日発行の『アイ・エス・エス
・シー・シー(ISSCC:Internationa
lSolid State Circuits Con
ference) ダイジェスト オブ テクニカル
ペーパーズ(Digest of Technical
Papers)』第128頁〜第129頁に記載され
ている。
【0004】また、回路構成素子の特性ばらつき等によ
って回路の出力に不所望なオフセットが存在する場合が
ある。例えば、回路の出力波形の基準レベルが本来若し
くは期待する基準レベルと異なるようなオフセットが存
在する。従来公知のオフセット調整には、概略2通りの
方法がある。その第1は、電子回路から出力される交流
信号の正負極性成分を比較的長時間に渡って積分し、得
られた極低周波成分、すなわち近似的な直流成分を、該
電子回路の適当なノードに逐次負帰還させる方法であ
る。
【0005】この第1の方法は、例えば音声信号のよう
に、対象とする信号に本来直流成分が含まれず、かつ、
途中で電子回路の動作を止めることができない用途の場
合に多く用いられる。これについては、例えば、この発
明者らが「シングルチップシーモス フィルタ/コーデ
ック(A Single−Chip CMOS Fil
ter/Codec)」と題して発表した文献、アイ・
イー・イー・イー、ジャーナル・オブ・ソリッドステ−
ト−サーキッツ、エスシー16、302頁〜307頁
(1981年8月)(IEEE JOURNAL OF
SOLID−STATE CIRCUITS,SC−
16,PP302〜307(AUG.1981)の中で
述べられている。
【0006】一方、第2の方法は、電子回路への交流入
力信号の印加に先立って適当な時間だけ基準となる直流
信号を入力し、該電子回路の出力直流信号を検出した
後、その出力値を所望の値に補償又は調整する直流信号
を該電子回路の適当なノードに固定的に負帰還させる方
法である。この第2の方法は、該電子回路からの出力に
含まれる直流成分自体も重要な信号として取り扱われる
場合に多く用いられる。この第2の方法例としては、米
国特許第5061900号(1991年10月29日)
等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】携帯通信端末装置等の
分野においては、装置の小型化・軽量化にともない、回
路の低消費電力化ならびにその電源電圧の低電圧化が進
みつつある。しかし、特にアナログ回路とディジタル回
路が混在する携帯通信端末装置等では、電源電圧が低電
圧化されることでアナログ信号の採りうる振幅が制限さ
れ、外部ディジタル回路や内部ディジタル回路からの雑
音によって所望の特性つまり信号対雑音電力比(S/
N)特性等を確保することが困難となりつつある。この
ような中、本願発明者等は、携帯通信端末装置に搭載す
るD/A変換器としては上記電流駆動型のD/A変換器
が最適であると認識し、電流駆動型のD/A変換器を搭
載する携帯通信端末装置をこの発明に先立って開発し
た。
【0008】携帯通信端末装置のさらなる小型化・低消
費電力化を推進しようとした場合、上記電流駆動型のD
/A変換器には次のような問題点があることが明らかと
なった。すなわち、電流駆動型のD/A変換器は、図1
5に例示されるように、例えば下位4ビットのディジタ
ル信号D0〜D3に対応して設けられる単位D/A変換
器UDA1と、上位4ビットのディジタル信号D4〜D
7に対応して設けられる単位D/A変換器UDA2とを
備える。
【0009】下位ビット用の単位D/A変換器UDA1
は、例えば、所定の単位電流を形成する電流源C1と、
基準電流値を設定するための基準電流MOSFETQ1
5と、上記単位電流を基準電流MOSFETQ15との
サイズ比に応じて分割する4個の電流分割MOSFET
Q11〜Q14と、下位4ビットのディジタル信号D0
〜D3に従って選択的にオン状態とされ電流分割MOS
FETQ11〜Q14によって分割される単位電流を選
択的に非反転電流出力線IoT又は反転電流出力線Io
Bに伝達する4組のスイッチS11a〜S14aならび
にS11b〜S14bとを含む。
【0010】上位ビット用の単位D/A変換器UDA2
は、上位4ビットのディジタル信号D4〜D7を受けそ
の出力信号T1〜TFを選択的に形成するサーモメータ
コーダTMCDと、上記単位電流をそれぞれ形成する1
5個の電流源C21〜C2Fと、これらの電流源に対応
して設けられ上記基準電流MOSFETQ15に比較し
て16倍のサイズを有する15個のMOSFETQ21
〜Q2Fと、サーモメータコーダTMCDの出力信号T
1〜TFに従って選択的にオン状態とされ対応する電流
源C21〜C2Fによって形成される単位電流を選択的
に非反転電流出力線IoT又は反転電流出力線IoBに
伝達する15組のスイッチS21a〜S2Faならびに
S21b〜S2Fbとを含む。
【0011】D/A変換器の変換精度を考慮した場合、
上記電流分割MOSFETQ11〜Q14ならびにQ2
1〜Q2Fと基準電流MOSFETQ15とのサイズ比
は、高精度で保証される必要があり、これに準じてスイ
ッチS12a〜S14a,S12b〜S14b,S21
a〜S2FaならびにS21b〜S2Fbと最小サイズ
のスイッチS11a及びS11bとのサイズ比も保証さ
れなくてはならない。そして、半導体製造時のプロセス
バラツキによる加工サイズ変動の影響を抑えるために
は、最小サイズとなる基準電流MOSFETQ15なら
びにスイッチS11a及びS11bのサイズをある程度
大きくする必要があり、これらのMOSFET及びスイ
ッチのサイズに比例してその他の電流分割MOSFET
及びスイッチのサイズが大きくなる。
【0012】図15から明らかなように、D/A変換器
に必要となる電流分割MOSFET及びスイッチの数
は、最小サイズとなる基準電流MOSFETQ15なら
びにスイッチS11a及びS11bを1個として計算す
ると、ともに15+16×15個つまり合計255個に
達する。この結果、D/A変換器のレイアウト面積が増
大し、D/A変換器を含む携帯通信端末装置の小型化及
び低消費電力化が制約を受けるものである。
【0013】D/A変換器の非反転電流出力線IoT及
び反転電流出力線IoBに得られるアナログ電流は、演
算増幅回路とその帰還抵抗を中心とする電流電圧変換回
路を経て電圧信号に変換される。周知のように、演算増
幅回路は、位相補償によって所望の信号帯域を確保でき
る所定範囲の利得周波数特性を持つように設計される。
しかし、非反転電流出力線IoT及び反転電流出力線I
oBには、前述のように、最小サイズのスイッチにして
255個分のスイッチつまりはMOSFETが結合さ
れ、これらのMOSFETの寄生容量が結合される。こ
のため、非反転電流出力線IoT及び反転電流出力線I
oBに結合される比較的大きな寄生容量と電流電圧変換
回路を構成する帰還抵抗との積に相当する位相遅延が生
じ、これによって不本意な発振を引き起こす可能性があ
る。そして、この発振を防止するには比較的広帯域の演
算増幅回路を実現する必要があり、これによってD/A
変換器の低消費電力化が制約を受けるものとなる。
【0014】また、上記のオフセット調整回路は、従
来、単一の出力信号に対して行われており、例えば、一
つのD/A変換器の出力を更に正転アンプと反転アンプ
を通して正負対称の二つのアナログ信号を出力される場
合や、複数のD/A変換器からそれぞれ位相が90度異
なるアナログ信号を同時に出力させる場合等、複数のア
ナログ信号出力を有する電子回路の出力オフセットを相
対的かつ高精度に調整しなければならないような場合に
ついては考慮されていない。
【0015】この発明の目的は、所要レイアウト面積の
縮小と低消費電力化を図った高精度の電流駆動型のD/
A変換器を実現することにある。この発明の他の目的
は、電流駆動型のD/A変換器を含む携帯通信端末装置
等の小型化及び低消費電力化ならびに低コスト化を推進
することにある。
【0016】この発明の他の目的は、複数のアナログ信
号出力を有する電子回路の出力オフセットを相対的かつ
高精度に調整できる回路を提供するものである。この発
明の別の目的は、低電圧電源かつ低消費電力動作を目的
として半導体集積回路で実現されたD/A変換器を含
み、複数のアナログ信号出力を有する電子回路の出力オ
フセットを、相対的かつ絶対的にも高精度、高安定に調
整できる回路を提供することにある。この発明の更に別
の目的は、そのようなオフセット調整回路を用いた低消
費電力の携帯通信端末装置を提供することにある。
【0017】この発明の前記ならびにその他の目的と新
規な特徴は、この明細書の記述及び添付図面から明らか
になるであろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的な1つのものの概要を簡単に説明すれ
ば、次の通りである。すなわち、携帯通信端末装置等に
搭載される電流駆動型のD/A変換器を、それぞれ所定
ビットのディジタル信号を受けてアナログ電流に変換し
かつ対応する電流減衰回路又は電流増幅回路を介して直
列又は並列結合される複数の単位D/A変換器を基本に
構成するとともに、これらの単位D/A変換器に設けら
れる電流源を、同一の単位電流源をもとに構成する。
【0019】
【作用】上記手段によれば、電流減衰回路の減衰率又は
電流増幅回路の増幅率に相応して、単位電流源又は最小
サイズのスイッチを1個としたときの各単位D/A変換
器に必要となる電流源及びスイッチの個数を大幅に削減
することができる。これにより、D/A変換器の所要レ
イアウト面積を削減できるとともに、電流出力線に結合
されるスイッチMOSFETの寄生容量を削減し、その
低消費電力化を図ることができる。この結果、D/A変
換器を含む携帯通信端末装置等の小型化及び低消費電力
化ならびに低コスト化を推進することができる。
【0020】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち他の代表的なものの概要を簡単に説明すれば
下記の通りである。すなわち、D/A変換器への実際の
入力信号の印加に先立って、オフセットキャンセルすべ
き信号における基準となる直流信号に対応した固定的な
ディジタル信号を入力し、上記D/A変換器の出力を分
岐して得られる互いに位相が概略180度異なる正相及
び逆相関係にあるの複数のアナログ出力信号のオフセッ
トをそれぞれ検出した後、それぞれのアナログ出力の直
流オフセット値を所望の値とするためのオフセット調整
用負帰還信号として、少なくともその一つは上記D/A
変換器の入力部に帰還されるディジタル信号とし、他の
少なくとも一つ以上の負帰還信号としては、上記D/A
変換器の出力を分岐させて得られる経路部に帰還される
アナログ信号とするものである。
【0021】そのようなオフセット調整回路としては、
オフセットが調整されるべき複数のアナログ信号を選択
して出力するスイッチ手段と、該スイッチ手段の出力と
オフセット検出のための基準電位とを比較する比較手段
と、該比較手段の出力極性の反転を検出する検出手段
と、計数値の初期状態における前記比較手段の出力極性
の反転が上記検出手段にて検出されるまで一連に計数動
作を行う計数手段と、前記計数手段の出力を入力とし前
記オフセット調整用負帰還信号毎に設けられた複数の記
憶手段と、アナログ信号としてのオフセット調整用負帰
還信号に対応される記憶手段の出力をディジタル信号か
らアナログ信号に変換するD/A変換手段と、前記スイ
ッチ手段によるアナログ信号の選択と、前記計数手段の
出力を保持させる記憶手段の選択とを、オフセット調整
用負帰還信号毎に順次行うことによって、前記単一の比
較手段を時分割で利用させるタイミング発生手段とを備
えて構成する。
【0022】前記比較手段としては、前記スイッチ手段
の出力とオフセット検出のための基準電圧とを入力する
差動増幅段と、差動増幅段からのシングルエンド出力を
受ける出力段とを備え、差動増幅段の定電流トランジス
タと出力段の定電流トランジスタとは相互に異なるバイ
アス電圧供給経路からのバイアス電圧を供給する。
【0023】送信部又は送受信部を備え、送信部又は送
受信部に含まれる回路のオフセットを調整するために上
記オフセット調整回路を含む携帯通信端末においては、
携帯通信端末に電源が投入されたときから、前記オフセ
ット調整回路によるオフセット調整用負帰還信号の発生
が確定される所定の期間、及び、電源投入後に前記携帯
通信端末の送信部又は送受信部或はそれらに含まれる一
部の回路が非通話とされるスタンバイ状態から通話を可
能にする通話準備状態にされたときから、前記オフセッ
ト調整回路によるオフセット調整用負帰還信号の発生が
確定される所定の期間だけ、前記オフセット調整回路を
構成する全ての回路を活性化して動作可能にし、それ以
降は、上記構成回路のうち複数の記憶手段、及びD/A
変換器のみを動作可能な状態として前記確定されたオフ
セット調整用負帰還信号の発生を維持させ、且つ、上記
スタンバイ状態時には前記オフセット調整回路を構成す
る全ての回路を非活性状態とする制御手段を設ける。
【0024】
【作用】上記した手段によれば、D/A変換器の入力ま
での経路に負帰還されるディジタル信号と、前記ディジ
タル信号としてのオフセット調整用負帰還信号でオフセ
ット調整された系から途中で分岐する系に負帰還される
アナログ信号とによって、オフセット調整用負帰還信号
を構成することは、D/A変換器の出力を分岐して得ら
れる互いに位相が異なる関係にある複数のアナログ出力
信号のオフセットを、少ない回路構成にて独立に且つ高
精度に検出して調整可能にする。
【0025】単一の比較手段を時分割で利用すること
は、オフセットをキャンセルすべき複数のアナログ信号
相互間の調整されたオフセット量のばらつきを最小限に
抑えるように作用し、また、斯る比較手段それ自体のオ
フセットをキャンセルするための回路構成も最小限にで
きて、オフセット調整のための回路構成の簡素化に寄与
する。
【0026】差動段に含まれる定電流トランジスタのバ
イアス電圧と出力段に含まれる定電流トランジスタのバ
イアス電圧とを別々にした比較手段を採用することは、
出力段の電位が大きく変動することによるバイアス電圧
の揺れが差動段に影響を与えないように作用して、差動
段には常に一定の電流が流れるために正確な判定を実現
する。
【0027】電源投入時及びスタンバイ解除時のみオフ
セット調整回路の全構成回路を動作させ、オフセット検
出が終了した後、通話時間中に限って、オフセット調整
用負帰還信号を供給するための記憶手段及び副D/A変
換器のみの動作を維持させ、他の回路部分を非活性状態
とすることにより、位相変復調部及びこれを搭載した携
帯通信端末装置をバッテリー駆動に最適な低消費電力化
する。
【0028】
【実施例】図1には、この発明が適用されたD/A変換
器の第1の実施例の回路図が示されている。また、図2
には、図1のD/A変換器に含まれるサーモメータコー
ダの一実施例の真理値図が示され、図3には、図1のD
/A変換器の等価回路図が示されている。これらの図を
もとに、この実施例のD/A変換器の構成及び動作なら
びにその特徴について説明する。
【0029】この実施例のD/A変換器は、特に制限さ
れないが、携帯通信端末装置に搭載される。図1の各回
路素子は、携帯通信端末装置を構成する他の所定の回路
素子とともに、単結晶シリコンのような1個の半導体基
板上に形成される。以下の回路図において、各ノードに
おける電流の向きは、統一を期すためにすべて同一方向
で示されるが、実際の向きはこれと異なる場合がある。
このため、電流値を求める以下の数式では、電流が回路
図の矢印に沿って流される場合を+で表し、逆の場合を
−で表す。
【0030】図1において、この実施例のD/A変換器
は、m個つまり2個の単位D/A変換器UDA1(第1
の単位D/A変換器)及びUDA2(第mの単位D/A
変換器)と、これらの単位D/A変換器に対応して設け
られる2個の電流変換回路CV1及びCV2とを備え
る。このうち、単位D/A変換器UDA1には、携帯通
信端末装置の図示されない前段回路から最下位ビット
(LSB)を含む4ビットのディジタル信号D0〜D3
が供給され、単位D/A変換器UDA2には、最上位ビ
ット(MSB)を含む4ビットのディジタル信号D4〜
D7が供給される。
【0031】ここで、単位D/A変換器UDA1は、そ
の一方が電源電圧VCCに共通結合される4個の電流源
C11〜C14と、これらの電流源の他方と電流出力線
CP1との間にそれぞれ設けられるスイッチS11〜S
14とを含む。この実施例において、電源電圧VCC
は、例えば+3.0Vのような比較的絶対値の小さな正
の電源電圧とされる。また、電流源C11は単位電流i
を流し、電流源C12〜C14はそれぞれのディジタル
信号の重みに対応して単位電流iの2倍,4倍及び8倍
を流すべく所定のサイズに設計されたMOSFET(金
属酸化物半導体型電界効果トランジスタ。この明細書で
は、MOSFETをして絶縁ゲート型電界効果トランジ
スタの総称とする)からなる。スイッチS11〜S14
は、対応する電流源C11〜C14の電流値に相応した
所定のサイズを有しかつ対応するディジタル信号D0〜
D3がハイレベルとされることで選択的にオン状態とさ
れるMOSFETからなる。
【0032】電流源C11〜C14は、図3の電流源C
1として、対応するスイッチS11〜S14つまりスイ
ッチS1がオン状態とされることで、言い換えるならば
対応するディジタル信号D0〜D3がハイレベルとされ
ることで選択的に有効とされ、電流出力線CP1に対し
てその合計電流値に応じたアナログ電流I1を矢印の方
向に流し込む。言うまでもなく、電流源C1による電流
つまり電流I1の値は、ディジタル信号D0〜D3の2
進値pに対して、 C1=pi となり、単位電流iを単位として0ないし15iの値を
採るものとなる。
【0033】一方、単位D/A変換器UDA2は、ディ
ジタル信号D4〜D7を受けてその出力信号T1〜TF
を選択的にハイレベルとするサーモメータコーダTMC
Dを含み、さらに、電源電圧VCCと電流出力線CP2
との間に設けられるバイアス用の電流源CBと、その一
方が電流出力線CP2に共通結合された15個の電流源
C21〜C2Fとを含む。これらの電流源C21〜C2
Fの他方は、対応するスイッチS21〜S2Fを介して
回路の接地電位に結合される。電流源C21〜C2F
は、上記単位D/A変換器UDA1の電流源C11と同
一の単位電流iを流すべく所定のサイズに設計されたM
OSFETからなり、スイッチS21〜S2Fは、これ
らの電流源の電流値に相応した所定のサイズを有しかつ
サーモメータコーダTMCDの対応する出力信号T1〜
TFがハイレベルとされることで選択的にオン状態とさ
れるMOSFETからなる。
【0034】上記バイアス用電流源CBは、単位D/A
変換器UDA2に供給されるディジタル信号D4〜D7
のビット数を4とするとき、単位電流iの2の4−1乗
倍つまり8iのバイアス電流を矢印と同一方向に流すべ
く所定のサイズに設計されたMOSFETによって構成
される。なお、サーモメータコーダTMCDの出力信号
T1〜TFや電流源C21〜C2FならびにスイッチS
21〜S2F等のように10以上からなるものの末尾の
追番は、16進数をもって表示される。
【0035】上記サーモメータコーダTMCDの出力信
号T1〜TFは、図2に示されるように、ディジタル信
号D4〜D7の2進値qに応じて順次ハイレベルつまり
論理“1”となるビット数が増やされる。すなわち、デ
ィジタル信号D4〜D7が“0000”つまりその2進
値qが0である場合には、すべての出力信号T1〜TF
がロウレベルつまり論理“0”とされ、“0001”つ
まりその2進値qが1の場合には1ビットの出力信号T
1のみが論理“1”とされ、“1111”つまりその2
進値qが15の場合にはすべての出力信号T1〜TFが
一斉に論理“1”とされる。
【0036】これにより、電流源C21〜C2Fは、図
3の電流源C2として、対応するスイッチS21〜S2
FつまりスイッチS2がオン状態とされることで、言い
換えるならばサーモメータコーダTMCDの対応する出
力信号T1〜TFがハイレベルとされることで選択的に
有効とされ、電流出力線CP2に対してその合計電流値
に応じたアナログ電流を矢印とは反対の方向に引き込
む。この電流源C2によるアナログ電流の電流値C2
は、対応する4ビットのディジタル信号D4〜D7の2
進値qに対して、 C2=qi となり、単位電流iを単位として0ないし15iの値を
採る。
【0037】電流変換回路CV1は、演算増幅回路OA
1と、この演算増幅回路OA1の反転入力端子−及び出
力端子間に設けられる帰還抵抗R1とを含む。演算増幅
回路OA1の反転入力端子−は、単位D/A変換器UD
A1の電流出力線CP1に結合され、その出力端子は、
出力抵抗R2を介して単位D/A変換器UDA2の電流
出力線CP2に結合される。演算増幅回路OA1の非反
転入力端子+には、所定のバイアス電圧VBが供給され
る。この実施例において、バイアス電圧VBは、特に制
限されないが、電源電圧VCC及び回路の接地電位間の
中間電位つまり+1.5Vとされる。これにより、単位
D/A変換器UDA1は、対応する電流変換回路CV1
を介して次段の単位D/A変換器UDA2に正順で直列
結合された形となり、演算増幅回路OA1の反転入力端
子−は、上記バイアス電圧VBに仮想接地された形とな
る。
【0038】一方、電流変換回路CV2は、演算増幅回
路OA2と、この演算増幅回路OA2の反転入力端子−
及び出力端子間に設けられる帰還抵抗R2とを含む。演
算増幅回路OA2の反転入力端子−は、単位D/A変換
器UDA2の電流出力線CP2に結合され、その非反転
入力端子+には、上記バイアス電圧VBが供給される。
これにより、演算増幅回路OA2の反転入力端子−は、
バイアス電圧VBに仮想接地された形となる。また、こ
の演算増幅回路OA2の反転入力端子−がバイアス電圧
VBに仮想接地されることで、電流変換回路CV1の出
力端子つまり電流出力線CP2もバイアス電圧VBに仮
想接地された形となる。
【0039】これらのことから、電流変換回路CV1
は、その帰還抵抗R1の抵抗値をR1とし、出力抵抗R
2の抵抗値をR2とするとき、 g1=−R1/R2 なる利得g1を有する反転出力型の電流変換回路として
作用する。この実施例において、帰還抵抗R1の抵抗値
R1は、出力抵抗R2の抵抗値R2に対して、 R1=R2/16 となるべく設計される。このため、電流変換回路CV1
は、図3に示されるように、その利得g1が、 g1=−1/16 すなわち、次段の単位D/A変換器UDA2に供給され
るディジタル信号D4〜D7のビット数4に対して2の
4乗分の1に相当する減衰率とされ、単位D/A変換器
UDA2の電流出力線CP2に対して、 I2=−I1/16=−pi/16 なる矢印とは逆向きの電流I2を引き込む電流減衰回路
として作用する。
【0040】電流変換回路CV2は、その帰還抵抗R3
の抵抗値をR3とするとき、g2=−R3なる利得g2
を有する反転出力型の電流電圧変換回路として作用し、
その出力端子において、 Vo=VB−R3×I3 なるバイアス電圧VBによりバイアスされかつ位相反転
されたアナログ出力電圧Voを出力する。
【0041】前述のように、単位D/A変換器UDA2
の電流出力線CP2には、単位D/A変換器UDA1か
ら電流変換回路CV1を介して、 I2=−pi/16 なるアナログ電流I2が流されるとともに、その電流源
C2つまり電流源C21〜C2Fによって、 C2=qi なる矢印とは逆向きのアナログ電流C2が流され、さら
にそのバイアス用電流源CBによって、 CB=8i なる矢印方向のバイアス電流CBが流される。したがっ
て、単位D/A変換器UDA2の出力ノードにおけるア
ナログ電流I3の電流値I3は、 I3=−C2+I2+CB=−(q+p/16−8)i となり、D/A変換器の出力端子におけるアナログ出力
電圧Voは、 Vo=VB+g2×I3=VB+R3(q+p/16−8)i となって、バイアス電圧VBによってバイアスされかつ
単位電流iを係数とするディジタル信号D0〜D7の2
進値q及びpの関数となる。
【0042】この実施例のD/A変換器では、異なる重
みのディジタル信号を受ける単位D/A変換器UDA1
及びUDA2が、ともに同一の単位電流iを流す単位電
流源をもとに構成される電流源C11〜C14ならびに
C21〜C2Fからなるにもかかわらず、これらの単位
D/A変換器が1/16の減衰率を有する電流減衰回路
つまり電流変換回路CV1を介して直列結合されること
で、8ビットのディジタル信号D0〜D7の2進値に対
応したアナログ出力電圧Voを形成するD/A変換器と
して機能させることができる。
【0043】上記の説明から明らかなように、単位電流
iを流す電流源を1個とするとき、このD/A変換器に
必要となる電流源の数は、前記図15の従来例が16個
であるのに比較して38個に増える。しかし、電流精度
を確保するための電流分割MOSFETの数を比較した
場合、255個から37個に削減されるとともに、最小
サイズのスイッチS11を1個としたときの所要スイッ
チ数も255個から30個に削減され、相応して電流出
力線CP1及びCP2に結合されるスイッチMOSFE
Tの寄生容量が減少する。この結果、D/A変換器の所
要レイアウト面積を大幅に削減できるとともに、電流出
力線CP1及びCP2に結合される寄生容量と演算増幅
回路OA1及びOA2の帰還抵抗R1及びR2とによる
位相遅延を抑制し、D/A変換器の低消費電力化を図る
ことができるため、D/A変換器を含む携帯通信端末装
置の小型化及び低消費電力化を推進することができるも
のとなる。
【0044】ところで、D/A変換器から出力されるア
ナログ出力電圧Voは、 q=p=15 とされるとき、 Vomax=VB+R3(7+15/16)i なる最大値Vomaxをとり、 q=p=0 とされるとき、 Vomin=VB−R3×8i なる最小値Vominをとる。そして、 q=8,p=0 とされるとき、 Vocen=VB なる中心値Vocenをとるものとなる。
【0045】前述のように、アナログ出力電圧Voの中
心値Vocenとなるバイアス電圧VBは、D/A変換
器の動作電源となる電源電圧VCC及び回路の接地電位
間の中間電位つまり+1.5Vとされる。この実施例に
おいて、上記アナログ出力電圧Voの最大値Vomax
は、電源電圧VCCより低くこれに近い電位とされ、最
小値Vominは、回路の接地電位より高くこれに近い
電位とされる。この結果、アナログ出力電圧VoをD/
A変換器の動作電源範囲内においてほぼフルスィングさ
せ、充分な信号振幅を得ることができるものとなる。
【0046】以下の実施例でも同様なことが言えるが、
例えばバイアス用電流源CBの電流値CBを、 CB=(7+31/32)i とし、あるいは単位D/A変換器UDA1の電流源C1
つまり電流源C11〜C14ならびにスイッチS1つま
りスイッチS11〜S14と並列形態に、 CC=i/2 なる電流CCを固定的に流す電流源を設けることによっ
て、上記アナログ出力電圧Voの最小値の絶対値Vom
in*(ここで、例えばアナログ出力電圧Voの最小値
Vominの絶対値をVomin*のように*を付して
表す。以下同様)ならびにその最大値の絶対値Voma
x*を、 Vomin*=Vomax*=R3(7+31/32)i なる同一の値に設定することができる。
【0047】図4には、この発明が適用されたD/A変
換器の第2の実施例の部分的な回路図が示され、図5に
は、その等価回路図が示されている。なお、この実施例
のD/A変換器は、前記図1〜図3の実施例を基本的に
踏襲するものであるため、これと異なる部分についての
み説明を追加する。
【0048】図4において、この実施例のD/A変換器
は、演算増幅回路OA2と、この演算増幅回路OA2の
反転入力端子−及び出力端子間に設けられる帰還抵抗R
3とを含む電流変換回路CV2を備える。演算増幅回路
OA2の反転入力端子−は、単位D/A変換器UDA2
の電流出力線CP2に結合され、その非反転入力端子+
には、所定のバイアス電圧VBが供給される。
【0049】この実施例において、電流変換回路CV2
を構成する演算増幅回路OA2の出力端子は、出力抵抗
R4を介してD/A変換器の出力端子に結合される。こ
の出力端子は、バイアス電圧VBにより終端された入力
部を含む携帯通信端末装置の図示されない後段回路に結
合される。この結果、電流変換回路CV2は、図5に示
されるように、 g2=−R3/R4 なる利得g2を有する電流減衰回路又は電流増幅回路と
して作用し、その出力端子から図示されない後段回路に
対して、 Io=g2×I5=−R3×I5/R4 なる出力電流Ioを流し込む。
【0050】つまり、この実施例のD/A変換器では、
そのアナログ出力信号を電流信号として出力できるもの
となり、このアナログ出力電流Ioの値は、図1〜図3
の実施例に照らし合わせた場合、 Io=R3(q+p/16−8)i/R4 となる。
【0051】図6には、この発明が適用されたD/A変
換器の第3の実施例の等価回路図が示されている。な
お、この実施例は、前記図1〜図3の実施例を基本的に
踏襲するものであるため、これと異なる部分についての
み説明を追加する。
【0052】図6において、この実施例のD/A変換器
は、電流変換回路CV1及びCV2を介して正順で直列
結合されるm個つまり3個の単位D/A変換器UDA1
(第1の単位D/A変換器)〜UDA3(第mの単位D
/A変換器)と、単位D/A変換器UDA3の出力側に
設けられるもう1個の電流変換回路CV3とを備える。
このうち、単位D/A変換器UDA1は、電流出力線C
P1及び回路の接地電位間に直列形態に設けられるスイ
ッチS1及び電流源C1を含み、単位D/A変換器UD
A2は、電源電圧VCC及び電流出力線CP2間に直列
形態に設けられる電流源C2及びスイッチS2を含む。
【0053】単位D/A変換器UDA3は、電源電圧V
CC及び電流出力線CP3間に設けられるバイアス用電
流源CBと、電流出力線CP3及び回路の接地電位間に
直列形態に設けられるスイッチS3及び電流源C3とを
含む。単位D/A変換器UDA1には、携帯通信端末装
置の図示されない前段回路から4ビットのディジタル信
号D0〜D3が供給され、単位D/A変換器UDA2及
びUDA3には、それぞれ4ビットのディジタル信号D
4〜D7ならびに4ビットのディジタル信号D8〜DB
が供給される。
【0054】上記単位D/A変換器UDA1〜UDA3
を構成する電流源C1〜C3が、それぞれi,2i,4
i及び8iの電流を流す4個の電流源からなり、スイッ
チS1〜S3が、それぞれ対応するディジタル信号D0
〜D3又はD4〜D7あるいはディジタル信号D8〜D
Bをもとに形成されるサーモメータコーダの出力信号T
1〜TFに従って選択的にオン状態とされる4個又は1
5個のスイッチからなるものであることは言うまでもな
い。
【0055】この実施例において、電流変換回路CV1
は、その減衰率g1が、 g1=−1/16 つまり次段の単位D/A変換器UDA2に供給されるデ
ィジタル信号D4〜D7のビット数4つまりn2に対し
て2のn2乗分の1とされる反転出力型の電流減衰回路
とされる。また、電流変換回路CV2は、その減衰率g
2が、 g2=−1/16 つまり次段の単位D/A変換器UDA3に供給されるデ
ィジタル信号D8〜DBのビット数4つまりnmに対し
て2のnm乗分の1とされる反転出力型の電流減衰回路
とされる。さらに、電流変換回路CV3は、その利得g
3が、 g3=−R3 とされる反転出力型の電流電圧変換回路とされる。
【0056】以上の結果、単位D/A変換器UDA1の
出力ノードにおけるアナログ電流I1の電流値I1は、 I1=−C1=−pi となり、電流変換回路CV1の出力ノードにおけるアナ
ログ電流I2は、 I2=g1×I1=pi/16 となる。また、単位D/A変換器UDA2の出力ノード
におけるアナログ電流I3の電流値I3は、 I3=C2+I2=(q+p/16)i となり、電流変換回路CV2の出力ノードにおけるアナ
ログ電流I4は、 I4=g2×I3=−(q+p/16)i/16 となる。さらに、単位D/A変換器UDA3の出力ノー
ドにおけるアナログ電流I5の電流値I5は、 I5=−C3+I4+CB=−(r+q/16+p/256−8)i となり、電流変換回路CV3の出力ノードつまりD/A
変換器の出力端子におけるアナログ出力電圧Voの電位
Voは、 Vo=VB+g3×I5=VB+R3(r+q/16+p/256−8)i となって、バイアス電圧VBによりバイアスされかつ単
位電流iを係数とするディジタル信号D0〜DBの2進
値r,q及びpの関数となる。
【0057】この実施例のD/A変換器から出力される
アナログ出力電圧Voは、 r=q=p=15 とされるとき、 Vomax=VB+R3(7+15/16+15/256)i なる最大値Vomaxをとり、 r=q=p=0 とされるとき、 Vomin=VB−R3×8i なる最小値Vominをとる。そして、 r=8,q=p=0 とされるとき、 Vocen=VB なる中心値Vocenをとるものとなる。
【0058】この実施例のD/A変換器は、12ビット
のディジタル信号D0〜DBを受けるにもかかわらず、
2個の電流変換回路CV1及びCV2を介して3個の単
位D/A変換器UDA1〜UDA3を実質的に直列結合
し、しかもこれらの単位D/A変換器の電流源を同一の
単位電流iを流す単位電流源をもとに構成することで、
前記図1〜図3の実施例に比較してさらなる所要レイア
ウト面積の縮小化と低消費電力化を推進できるものとな
る。
【0059】上記第1ないし第3の実施例では、各単位
D/A変換器の電流源による電流の方向を順次交互に逆
方向としているが、このことは、対応する数式から明ら
かなように、各単位D/A変換器により形成されるアナ
ログ電流を対応する電流変換回路の減衰率に応じて加算
するだけで、言い換えるならば各単位D/A変換器に供
給されるディジタル信号の論理レベルを意識することな
くアナログ電圧又はアナログ電流の最終値を求めうるも
のとしている。
【0060】図7には、この発明が適用されたD/A変
換器の第4の実施例の等価回路図が示されている。な
お、この実施例は、前記図1〜図3の実施例を基本的に
踏襲するものであるため、これと異なる部分についての
み説明を追加する。
【0061】図7において、この実施例のD/A変換器
は、電流変換回路CV1を介して正順で直列結合される
m個つまり2個の単位D/A変換器UDA1(第1の単
位D/A変換器)及びUDA2(第mの単位D/A変換
器)と、単位D/A変換器UDA2の出力側に設けられ
る電流変換回路CV2を備える。このうち、単位D/A
変換器UDA1は、電源電圧VCC及び電流出力線CP
1間に直列形態に設けられる電流源C1及びスイッチS
1を含み、単位D/A変換器UDA2は、電源電圧VC
C及び電流出力線CP2間に直列形態に設けられる電流
源C2及びスイッチS2と、電流出力線CP2及び回路
の接地電位間に設けられるバイアス用電流源CBとを含
む。
【0062】単位D/A変換器UDA1には、携帯通信
端末装置の図示されない前段回路から4ビットの反転デ
ィジタル信号−D0〜−D3が供給され、単位D/A変
換器UDA2には、4ビットのディジタル信号D4〜D
7が供給される。
【0063】単位D/A変換器UDA1に供給される反
転ディジタル信号−D0〜−D3は、それぞれ対応する
ディジタル信号D0〜D3の反転信号であって、その2
進値sは、ディジタル信号D0〜D3の2進値pに対し
て、 s=15−p なる関係にある。
【0064】この実施例において、単位D/A変換器U
DA2に設けられるバイアス用電流源CBの電流値は、
単位D/A変換器UDA2に供給されるディジタル信号
D4〜D7のビット数4に対して単位電流iの2の4−
1乗−1倍つまり7iとされる。また、電流変換回路C
V1は、その減衰率g1が、 g1=−1/16 つまり次段の単位D/A変換器UDA2に供給されるデ
ィジタル信号D4〜D7のビット数4に対して2の4乗
分の1とされる反転出力型の電流減衰回路とされる。そ
して、電流変換回路CV2は、その利得g2が、 g2=−R3 とされる反転出力型の電流電圧変換回路とされる。
【0065】これらのことから、単位D/A変換器UD
A1の出力ノードにおけるアナログ電流I1の電流値I
1は、 I1=C1=si=(15−p)i となり、電流変換回路CV1の出力ノードにおけるアナ
ログ電流I2は、 I2=g1×I1=−(15−p)i/16 となる。また、単位D/A変換器UDA2の出力ノード
におけるアナログ電流I3の電流値I3は、 I3=C2+I2−CB=(q+p/16−7−15/16)i となり、電流変換回路CV2の出力ノードつまりD/A
変換器の出力端子におけるアナログ出力電圧Voの電位
Voは、 Vo=VB+g2×I3=VB−R3(q+p/16−7−15/16)i となって、バイアス電圧VBによりバイアスされかつ単
位電流iを係数とするディジタル信号D0〜D7の2進
値q及びpの関数となる。
【0066】この実施例のD/A変換器から出力される
アナログ出力電圧Voは、 q=p=0 とされるとき、 Vomax=VB+R3(7+15/16)i なる最大値Vomaxをとり、 q=p=15 とされるとき、 Vomin=VB−R3×8i なる最小値Vominをとる。そして、 q=7,p=15 とされるとき、 Vocen=VB なる中心値Vocenをとるものとなる。
【0067】図8には、この発明が適用されたD/A変
換器の第5の実施例の等価回路図が示されている。な
お、この実施例のD/A変換器は、前記図1〜図3なら
びに図7の実施例を基本的に踏襲するものであるため、
これらの実施例と異なる部分についてのみ説明を追加す
る。
【0068】図8において、この実施例のD/A変換器
は、電流変換回路CV1及びCV2を介して正順で直列
結合されるm個つまり3個の単位D/A変換器UDA1
(第1の単位D/A変換器)〜UDA3(第mの単位D
/A変換器)と、単位D/A変換器UDA3の出力側に
設けられるもう1個の電流変換回路CV3とを備える。
このうち、単位D/A変換器UDA1は、電源電圧VC
C及び電流出力線CP1間に直列形態に設けられる電流
源C1及びスイッチS1を含み、単位D/A変換器UD
A2は、電源電圧VCC及び電流出力線CP2間に直列
形態に設けられる電流源C2及びスイッチS2を含む。
【0069】単位D/A変換器UDA3は、電源電圧V
CC及び電流出力線CP3間に直列形態に設けられる電
流源C3及びスイッチS3と、電流出力線CP3及び回
路の接地電位間に設けられるバイアス用電流源CBとを
含む。単位D/A変換器UDA1には、携帯通信端末装
置の図示されない前段回路から4ビットのディジタル信
号D0〜D3が供給され、単位D/A変換器UDA2及
びUDA3には、それぞれ4ビットの反転ディジタル信
号−D4〜−D7ならびに4ビットのディジタル信号D
4〜D7が供給される。
【0070】単位D/A変換器UDA2に供給される反
転ディジタル信号−D4〜−D7は、それぞれ対応する
ディジタル信号D4〜D7の反転信号であって、その2
進値tは、ディジタル信号D4〜D7の2進値qに対し
て、 t=15−q なる関係にある。
【0071】この実施例において、単位D/A変換器U
DA3に設けられるバイアス用電流源CBの電流値は、
単位D/A変換器UDA3に供給されるディジタル信号
D8〜DBのビット数4に対して単位電流iの2の4−
1乗−1倍つまり7iとされる。また、電流変換回路C
V1は、その減衰率g1が、 g1=−1/16 つまり次段の単位D/A変換器UDA2に供給される反
転ディジタル信号−D4〜−D7のビット数4に対して
2の4乗分の1とされる反転出力型の電流減衰回路とさ
れ、電流変換回路CV2は、その減衰率g2が、 g2=−1/16 つまり次段の単位D/A変換器UDA3に供給されるデ
ィジタル信号D8〜DBのビット数4に対して2の4乗
分の1とされる反転出力型の電流減衰回路とされる。電
流変換回路CV3は、その利得g3が、 g3=−R3 とされる反転出力型の電流電圧変換回路とされる。
【0072】以上のことから、単位D/A変換器UDA
1の出力ノードにおけるアナログ電流I1の電流値I1
は、 I1=C1=pi となり、電流変換回路CV1の出力ノードにおけるアナ
ログ電流I2は、 I2=g1×I1=−pi/16 となる。また、単位D/A変換器UDA2の出力ノード
におけるアナログ電流I3の電流値I3は、 I3=C2+I2=−(q+p/16−15)i となり、電流変換回路CV2の出力ノードにおけるアナ
ログ電流I4は、 I4=g2×I3=(q+p/16−15)i/16 となる。さらに、単位D/A変換器UDA3の出力ノー
ドにおけるアナログ電流I5の電流値I5は、 I5=C3+I4−CB =(r+q/16+p/256−7−15/16)i となり、電流変換回路CV3の出力ノードつまりD/A
変換器の出力端子におけるアナログ出力電圧Voの電位
Voは、 Vo=VB+g3×I5 =VB−R3(r+q/16+p/256−7−15/16)i となって、バイアス電圧VBによりバイアスされかつ単
位電流iを係数とするディジタル信号D0〜DBの2進
値r及びqならびにpの関数となる。
【0073】この実施例のD/A変換器から出力される
アナログ出力電圧Voは、 r=q=p=0 とされるとき、 Vomax=VB+R3×(7+15/16)i なる最大値Vomaxをとり、 r=q=p=15 とされるとき、 Vomin=VB−R3×(8+15/256)i なる最小値Vominをとる。そして、 r=7,q=15,p=0 とされるとき、 Vocen=VB なる中心値Vocenをとるものとなる。
【0074】前記第1ないし第3の実施例では、各単位
D/A変換器の電流源による電流の方向は順次交互に逆
向きとされたが、上記第4及び第5の実施例では、とも
に電源電圧VCCから各電流出力線に向かって同一方向
とされる。このため、各単位D/A変換器に供給される
所定ビットのディジタル信号は、単位D/A変換器の1
個おきに反転して供給され、言わば2進値15との差分
に相当するものとされる。
【0075】つまり、前記第1ないし第3の実施例で
は、各単位D/A変換器を構成する電流源が電源電圧V
CCと各電流出力線あるいは各電流出力線と回路の接地
電位との間に順次交互に設けられるが、第4及び第5の
実施例では、常に電源電圧VCCと各電流出力線との間
に設けられる。この結果、各単位D/A変換器を構成す
る電流源の電流値を、すべて電源電圧VCCを基準にし
て容易にかつ的確に設定することができ、D/A変換器
のさらなる高精度化を推進することができるものとな
る。
【0076】図9には、この発明が適用されたD/A変
換器の第6の実施例の等価回路図が示されている。な
お、この実施例は、前記図1〜図3の実施例を基本的に
踏襲するものであるため、これと異なる部分についての
み説明を追加する。
【0077】図9において、この実施例のD/A変換器
は、電流変換回路CV1を介して直列結合されるm個つ
まり2個の単位D/A変換器UDA1(第mの単位D/
A変換器)及びUDA2(第1の単位D/A変換器)
と、単位D/A変換器UDA2の出力側に設けられるも
う1個の電流変換回路CV2とを備える。このうち、単
位D/A変換器UDA1は、電源電圧VCC及び電流出
力線CP1間に直列形態に設けられる電流源C1及びス
イッチS1と、電流出力線CP1及び回路の接地電位間
に設けられるバイアス用電流源CBとを含み、単位D/
A変換器UDA2は、電流出力線CP2及び回路の接地
電位間に直列形態に設けられるスイッチS2及び電流源
C2を含む。
【0078】単位D/A変換器UDA1には、携帯通信
端末装置の図示されない前段回路から最上位ビットを含
む4ビットのディジタル信号D4〜D7が供給され、単
位D/A変換器UDA2には、最下位ビットを含む4ビ
ットのディジタル信号D0〜D3が供給される。これに
より、単位D/A変換器UDA1及びUDA2は、いわ
ゆる逆順で直列結合された形となる。
【0079】この実施例において、電流変換回路CV1
は、その増幅率g1が、 g1=−16 つまり対応する単位D/A変換器UDA1に供給される
ディジタル信号D4〜D7のビット数4に対して2の4
乗倍とされる反転出力型の電流増幅回路とされる。ま
た、電流変換回路CV2は、その利得g2が、 g2=−R3 とされる反転出力型の電流電圧変換回路とされる。
【0080】これらのことから、単位D/A変換器UD
A1の出力ノードにおけるアナログ電流I1の電流値I
1は、 I1=C1−CB=(p−8)i となり、電流変換回路CV1の出力ノードにおけるアナ
ログ電流I2は、 I2=g1×I1=−16(p−8)i となる。また、単位D/A変換器UDA2の出力ノード
におけるアナログ電流I3の電流値I3は、 I3=−C2+I2=−(q+16p−128)i となり、電流変換回路CV2の出力ノードつまりD/A
変換器の出力端子におけるアナログ出力電圧Voの電位
Voは、 Vo=VB+g2×I3 =VB+R3(q+16p−128)i となって、バイアス電圧VBによりバイアスされかつ単
位電流iを係数とするディジタル信号D0〜D7の2進
値q及びpの関数となる。
【0081】この実施例のD/A変換器から出力される
アナログ出力電圧Voは、 q=p=15 とされるとき、 Vomax=VB+R3×127i なる最大値Vomaxをとり、 q=p=0 とされるとき、 Vomin=VB−R3×128i なる最小値Vominをとる。そして、 q=0,p=8 とされるとき、 Vocen=VB なる中心値Vocenをとるものとなる。
【0082】以上の説明から明らかなように、この実施
例のD/A変換器では、上位ビットに対応する単位D/
A変換器UDA1から出力されるアナログ電流は、電流
変換回路CV1によって増幅された後、単位D/A変換
器UDA2の電流出力線CP2に加算され、各単位D/
A変換器を構成する電流源の電流値は、下位ビットに対
応する単位D/A変換器UDA2を基準に設定される。
【0083】この実施例のD/A変換器は、単位電流i
の電流値を小さく設定し、D/A変換器としての低消費
電力化をさらに推進することはできるが、電流変換回路
CV1によって単位D/A変換器UDA1側で発生した
ノイズまでもが増幅され、D/A変換器のS/N比が低
下する虞れがある。
【0084】図10には、この発明が適用されたD/A
変換器の第7の実施例の等価回路図が示されている。な
お、この実施例は、前記図1〜図3ならびに図9の実施
例を基本的に踏襲するものであるため、これらの実施例
と異なる部分についてのみ説明を追加する。
【0085】図10において、この実施例のD/A変換
器は、電流変換回路CV1及びCV2を介して逆順で直
列結合されるm個つまり3個の単位D/A変換器UDA
1(第mの単位D/A変換器)〜UDA3(第1の単位
D/A変換器)と、単位D/A変換器UDA3の出力を
受ける電流変換回路CV3とを備える。このうち、単位
D/A変換器UDA1は、電源電圧VCC及び電流出力
線CP1間に設けられるバイアス用電流源CBと、電流
出力線CP1及び回路の接地電位間に直列形態に設けら
れるスイッチS1及び電流源C1とを含む。
【0086】単位D/A変換器UDA2は、電源電圧V
CC及び電流出力線CP2間に直列形態に設けられる電
流源C2及びスイッチS2を含み、単位D/A変換器U
DA3は、電流出力線CP3及び回路の接地電位間に直
列形態に設けられスイッチS3及び電流源C3を含む。
単位D/A変換器UDA1には、携帯通信端末装置の図
示されない前段回路から最上位ビットを含む4ビットの
ディジタル信号D8〜DBが供給され、単位D/A変換
器UDA2及びUDA3には、それぞれ4ビットのディ
ジタル信号D4〜D7ならびに4ビットのディジタル信
号D0〜D3が供給される。
【0087】この実施例において、電流変換回路CV1
及びCV2は、それぞれの増幅率g1及びg2が、 g1=g2=−16 つまり対応する単位D/A変換器に供給されるディジタ
ル信号のビット数4に対してそれぞれ2の4乗倍又は4
乗倍とされる反転出力型の電流増幅回路とされる。ま
た、電流変換回路CV3は、その利得g3が、 g3=−R3 とされる反転出力型の電流電圧変換回路とされる。
【0088】以上の結果、単位D/A変換器UDA1の
出力ノードにおけるアナログ電流I1の電流値I1は、 I1=−C1+CB=(8−p)i となり、電流変換回路CV1の出力ノードにおけるアナ
ログ電流I2は、 I2=g1×I1=−16(8−p)i となる。また、単位D/A変換器UDA2の出力ノード
におけるアナログ電流I3の電流値I3は、 I3=C2+I2=(q+16p−128)i となり、電流変換回路CV2の出力ノードにおけるアナ
ログ電流I4は、 I4=g2×I3=−16(q+16p−128)i となる。さらに、単位D/A変換器UDA3の出力ノー
ドにおけるアナログ電流I5の電流値I5は、 I3=−C3+I4=−(r+16q+256p−2048)i となり、電流変換回路CV3の出力ノードつまりD/A
変換器の出力端子におけるアナログ出力電圧Voの電位
Voは、 Vo=VB+g3×I5 =VB+R3(r+16q+256p−2048)i となって、バイアス電圧VBによりバイアスされかつ単
位電流iを係数とするディジタル信号D0〜DBの2進
値r及びqならびにpの関数となる。
【0089】この実施例のD/A変換器から出力される
アナログ出力電圧Voは、 r=q=p=15 とされるとき、 Vomax=VB+R3×2047i なる最大値Vomaxをとり、 r=q=p=0 とされるとき、 Vomin=VB−R3×2048i なる最小値Vominをとる。そして、 r=q=0,p=8 とされるとき、 Vocen=VB なる中心値Vocenをとるものとなる。
【0090】図11には、この発明が適用されたD/A
変換器の第8の実施例の等価回路図が示されている。な
お、この実施例は、前記図1〜図3の実施例を基本的に
踏襲するものであるため、これと異なる部分についての
み説明を追加する。
【0091】図11において、この実施例のD/A変換
器は、電流変換回路CV1及びCV2を介して並列結合
されるm個つまり2個の単位D/A変換器UDA1(第
1の単位D/A変換器)及びUDA2(第mの単位D/
A変換器)と、その入力ノードが上記電流変換回路CV
1及びCV2の共通結合された出力ノードに結合される
電流変換回路CV3とを備える。
【0092】単位D/A変換器UDA1は、電源電圧V
CC及び電流出力線CP1間に直列形態に設けられる電
流源C1及びスイッチS1を含み、単位D/A変換器U
DA2は、電源電圧VCC及び電流出力線CP2間に直
列形態に設けられる電流源C2及びスイッチS2と、電
流出力線CP1及び回路の接地電位間に設けられるバイ
アス用電流源CBとを含む。単位D/A変換器UDA1
には、携帯通信端末装置の図示されない前段回路から最
下位ビットを含む4ビットのディジタル信号D0〜D3
が供給され、単位D/A変換器UDA2には、最上位ビ
ットを含む4ビットのディジタル信号D4〜D7が供給
される。
【0093】この実施例において、電流変換回路CV1
は、その減衰率g1が、 g1=−1/16 つまり次段以降の単位D/A変換器UDA2に供給され
るディジタル信号の合計ビット数4つまりsnmに対し
て2のsnm乗分の1とされる反転出力型の電流減衰回
路とされ、電流変換回路CV2は、その減衰率g2が、 g2=−1 つまり次段以降の単位D/A変換器に供給されるディジ
タル信号の合計ビット数0に対して2の0乗分の1とさ
れる反転出力型の電流減衰回路とされる。電流変換回路
CV3は、その利得g3が、 g3=−R3 とされる反転出力型の電流電圧変換回路とされる。
【0094】これらのことから、単位D/A変換器UD
A1の出力ノードにおけるアナログ電流I1の電流値I
1は、 I1=C1=pi となり、電流変換回路CV1の出力ノードにおけるアナ
ログ電流I2は、 I2=g1×I1=−pi/16 となる。一方、単位D/A変換器UDA2の出力ノード
におけるアナログ電流I3の電流値I3は、 I3=C2−CB=(q−8)i となり、電流変換回路CV2の出力ノードにおけるアナ
ログ電流I4は、 I4=g2×I3=−(q−8)i となる。これにより、電流変換回路CV3に対する入力
アナログ電流I5は、 I5=I3+I4=−(q+p/16−8)i となり、電流変換回路CV3の出力ノードつまりD/A
変換器の出力端子におけるアナログ出力電圧Voの電位
Voは、 Vo=VB+g3×I5 =VB+R3(q+p/16−8)i となって、バイアス電圧VBによりバイアスされかつ単
位電流iを係数とするディジタル信号D0〜D7の2進
値q及びpの関数となる。
【0095】この実施例のD/A変換器から出力される
アナログ出力電圧Voは、 q=p=15 とされるとき、 Vomax=VB+R3(7+15/16)i なる最大値Vomaxをとり、 q=p=0 とされるとき、 Vomin=VB−R3×8i なる最小値Vominをとる。そして、 q=8,p=0 とされるとき、 Vocen=VB なる中心値Vocenをとるものとなる。
【0096】図12には、この発明が適用されたD/A
変換器の第9の実施例の等価回路図が示されている。な
お、この実施例は、前記図1〜図3ならびに図11の実
施例を基本的に踏襲するものであるため、これらの実施
例と異なる部分についてのみ説明を追加する。
【0097】図12において、この実施例のD/A変換
器は、電流変換回路CV1及びCV2を介して並列結合
されるm個つまり2個の単位D/A変換器UDA1(第
1の単位D/A変換器)及びUDA2(第mの単位D/
A変換器)と、その入力ノードが上記電流変換回路CV
1及びCV2共通結合された出力ノードに結合される電
流変換回路CV3とを備える。
【0098】単位D/A変換器UDA1は、電源電圧V
CC及び電流出力線CP1間に直列形態に設けられる電
流源C1及びスイッチS1を含み、単位D/A変換器U
DA2は、電源電圧VCC及び電流出力線CP2間に直
列形態に設けられる電流源C2及びスイッチS2と、電
流出力線CP1及び回路の接地電位間に設けられるバイ
アス用電流源CBとを含む。単位D/A変換器UDA1
には、携帯通信端末装置の図示されない前段回路から4
ビットのディジタル信号D0〜D3が供給され、単位D
/A変換器UDA2には、4ビットのディジタル信号D
4〜D7が供給される。
【0099】この実施例において、電流変換回路CV1
は、その増幅率g1が、 g1=−1 つまり前段以前の単位D/A変換器に供給されるディジ
タル信号の合計ビット数0に対して2の0乗倍とされる
反転出力型の電流増幅回路とされる。また、電流変換回
路CV2は、その増幅率g2が、 g2=−16 つまり前段以前の単位D/A変換器UDA1に供給され
るディジタル信号の合計ビット数4に対して2の4乗倍
とされる反転出力型の電流増幅回路とされる。電流変換
回路CV3は、その利得g3が、 g3=−R3 とされる反転出力型の電流電圧変換回路とされる。
【0100】以上の結果、単位D/A変換器UDA1の
出力ノードにおけるアナログ電流I1の電流値I1は、 I1=C1=pi となり、電流変換回路CV1の出力ノードにおけるアナ
ログ電流I2は、 I2=g1×I1=−pi となる。一方、単位D/A変換器UDA2の出力ノード
におけるアナログ電流I3の電流値I3は、 I3=C2−CB=(q−8)i となり、電流変換回路CV2の出力ノードにおけるアナ
ログ電流I4は、 I4=g2×I3=−16(q−8)i となる。これにより、電流変換回路CV3に対する入力
アナログ電流I5は、 I5=I3+I4=−(16q+p−128)i となり、電流変換回路CV3の出力ノードつまりD/A
変換器の出力端子におけるアナログ出力電圧Voの電位
Voは、 Vo=VB+g3×I5 =VB+R3(16q+p−128)i となって、バイアス電圧VBによりバイアスされかつ単
位電流iを係数とするディジタル信号D0〜D7の2進
値q及びpの関数となる。
【0101】この実施例のD/A変換器から出力される
アナログ出力電圧Voは、 q=p=15 とされるとき、 Vomax=VB+R3×127i なる最大値Vomaxをとり、 q=p=0 とされるとき、 Vomin=VB−R3×128i なる最小値Vominをとる。そして、 q=8,p=0 とされるとき、 Vocen=VB なる中心値Vocenをとるものとなる。
【0102】このように、上記第8及び第9の実施例で
は、所定の減衰率又は増幅率を有する電流減衰回路又は
電流増幅回路を介して複数の単位D/A変換器を並列結
合することで、前記複数の実施例と同様な効果を容易に
得ることができるものとなる。上記説明から明らかなよ
うに、これらの実施例では必要となる電流変換回路の数
が一つ増えはするものの、各単位D/A変換器を構成す
る電流源を、対応するディジタル信号を反転することな
く同一方向に構成できるため、これらの電流源の電流値
を容易にかつ的確に設定できるものとなる。
【0103】図13には、この発明に係るD/A変換器
の一実施例の具体的回路図が示されている。この実施例
は、前記図7の実施例に対応されている。単位D/A変
換器UDA1とUDA2に設けられる電流源C1及びC
2とCBは、バイアス電流回路に形成された定電流CR
2のミラー構成で実現される。
【0104】バイアス電流回路の定電流CR1は、演算
増幅回路A3の非反転入力端子に与えられたバイアス電
圧VB1を抵抗素子R0に供給されることにより形成さ
れる。つまり、演算増幅回路A3の出力をNチャンネル
型MOSFETQN1のゲートに供給し、そのソースを
演算増幅回路A3の反転入力端子に帰還させるとともに
抵抗素子R0を接続する。これにより、抵抗素子R0に
は、上記バイアス電圧VB1が印加され、CR1=VB
1/R0なる定電流が形成される。
【0105】上記定電流CR1は、電流ミラー回路を構
成する入力側のPチャンネル型MOSFETQP1に供
給され、出力側のPチャンネル型MOSFETQP2か
ら上記定電流CR2が形成される。ここで、出力側のP
チャンネル型MOSFETQP2のドレイン電圧の変化
によって、出力定電流CR2が変化しないようにするた
め、上記Pチャンネル型MOSFETQP1とQP2の
ドレイン電圧を受ける差動増幅回路A4の出力がPチャ
ンネル型MOSFETQP3のゲートに供給される。こ
のMOSFETQP3は、上記出力側のPチャンネル型
MOSFETQP2と直接形態に接続される。これによ
り、上記電流ミラー回路を構成する出力側MOSFET
QP2のドレイン電圧が、入力側MOSFETQP1の
ゲート,ドレイン電圧と等しくなり、ミラー精度が確保
された定電流CR2を形成することができる。
【0106】下位ビットに対応した単位D/A変換器U
DA1の電流源C11〜C14も、上記同様な電流ミラ
ー回路により構成される。すなわち、Pチャンネル型M
OSFETP11〜P14は、上記入力側のPチャンネ
ル型MOSFETQP1のゲート,ドレインと共通に接
続される。そして、これら電流源C11〜C14として
作用するPチャンネル型MOSFETP11〜P14の
ドレイン電圧も、上記差動増幅回路A4の出力電圧を受
けるPチャンネル型MOSFETによってミラー精度が
確保される。
【0107】スイッチS11〜S14は、Pチャンネル
型MOSFETからなる一対のMOSFETから構成さ
れる。一方のPチャンネル型MOSFETのゲートに
は、入力信号−D0〜−D3が供給される。これらのP
チャンネル型MOSFETのドレインは、共通化されて
出力アナログ電流C1とされる。他方のPチャンネル型
MOSFETのゲートには、上記入力信号−D0〜−D
3がインバータ回路によって反転されて供給される。こ
れらのインバータ回路の出力信号によってスイッチ制御
されるPチャンネル型MOSFETのドレインは、バイ
アス電圧源VB2に接続さて、無効電流の吸収が行われ
る。
【0108】上位ビットに対応した単位D/A変換器U
DA1の電流源C21〜C24も、上記同様な電流ミラ
ー回路により構成される。すなわち、Pチャンネル型M
OSFETP21〜P24は、上記入力側のPチャンネ
ル型MOSFETQP1のゲート,ドレインと共通に接
続される。そして、これら電流源C21〜C24として
作用するPチャンネル型MOSFETP21〜P24の
ドレイン電圧も、上記差動増幅回路A4の出力電圧を受
けるPチャンネル型MOSFETによってミラー精度が
確保される。
【0109】スイッチS21〜S24は、Pチャンネル
型MOSFETからなる一対のMOSFETから構成さ
れる。一方のPチャンネル型MOSFETのゲートに
は、入力信号D4〜D7が供給される。これらのPチャ
ンネル型MOSFETのドレインは、共通化されて出力
アナログ電流C2とされる。他方のPチャンネル型MO
SFETのゲートには、上記入力信号D4〜D7がイン
バータ回路によって反転されて供給される。これらのイ
ンバータ回路の出力信号によってスイッチ制御されるP
チャンネル型MOSFETのドレインは、バイアス電圧
源VB2に接続されて無効電流の吸収が行われる。
【0110】下位ビットに対応した単位D/A変換器U
DA1の出力電流C1は、電流変換回路CV1によって
−1/16に減衰させられて、上位ビットに対応した単
位D/A変換器UDA2の出力電流C2と合成される。
【0111】上位ビットに対応した単位D/A変換器U
DA2に設けられた電流源CBは、上記定電流CR2を
受ける電流ミラー回路を構成するNチャンネル型MOS
FETQN2とQN3により形成される。上記入力側の
MOSFETQN2のゲート,ドレイン電圧と出力側の
MOSFETQN3のドレイン電圧を受ける差動増幅回
路A4の出力電圧がゲートに供給されたNチャンネル型
MOSFETQN4が設けられる。このMOSFETQ
N4は、出力側MOSFETQN3と直列形態に接続さ
れ、かかるMOSFETQN3のドレイン電圧を入力側
MOSFETQN2のゲート,ドレイン電圧と等しく設
定して、前記Pチャンネル型MOSFETによる電流ミ
ラー回路と同様にミラー精度を確保する。
【0112】上記単位D/A変換器UDA1とUDA2
の上記S11〜S14及びS21〜S24を通して流れ
る無効電流は、上記電流変換回路CV1とCV2の非反
転入力に供給されるバイアス電圧VB3と概略等しく設
定された上記バイアス電圧源VB2に吸収される。
【0113】上記単位D/A変換器UDA1及びUDA
2のそれぞれの電流源C11〜C14及びC21〜C2
4は、Pチャンネル型MOSFETのゲート電極幅比、
又は同一ゲート電極幅のMOSFETの並列接続数に比
例した電流ミラーで実現される。上記のように単位単位
D/A変換器UDA1及びUDA2に入力されるディジ
タル信号の重みが異なるにもかかわらず、電流源C11
とC21ないしC14とC24とがそれぞれ同じ電流値
に設定される。これらを対応するディジタル信号の重み
に戻すために、下位ビットに対応した単位D/A変換器
UDA1により形成されたアナログ電流C1が、電流変
換回路CV1によって−1/16のように減衰させられ
る。
【0114】このため、上記定電流を形成する抵抗素子
R0や、出力電圧を形成する抵抗素子R3を含めた抵抗
素子R0〜R3のプロセスバラツキがD/A変換器の精
度を左右する。そこで、これらの抵抗素子R0〜R3
は、同じ抵抗材料により形成する。このようにすること
により、抵抗R0の抵抗値が製造条件の変動によって大
きくなった場合、同様に抵抗素子R1〜R3もほぼ同じ
変動比で大きくなる。このため、定電流CR1、CR2
は本来所望値より小さくなる。これによって、単位D/
A変換器UDA1及びUDA2のそれぞれの合成電流C
1とC2も比例して小さくなるが、電流変換回路CV1
の減衰率g1(=−R1/R2)は一定となり、電流電
圧変換回路CV2の利得g2(=−R3)は大きくな
る。結果として、電流電圧変換回路CV2の出力ノー
ド、つまりD/A変換器のアナログ出力信号の電圧振幅
Voは、本来所望の値に安定的に一致する。
【0115】絶対値的な精度を良くするために、抵抗R
0を外部部品により形成してもよい。このため、例えば
MOSFETQN1のソース端子が、外部端子に接続さ
れる。この外部端子に対して、外付の抵抗素子を接続し
て所望の電流値CR1を持つような定電流を形成するこ
とができる。これに対応して、電流電圧変換回路CV2
の抵抗素子R3も外付抵抗素子により構成すればよい。
【0116】図14には、この発明が適用されたD/A
変換器を搭載する携帯通信端末装置の一実施例のブロッ
ク図が示されている。同図をもとに、D/A変換器を搭
載する携帯通信端末装置の概要とその特徴について説明
する。なお、図14のアンテナANTならびにスピーカ
SPK及びマイクロフォンMICを除く各ブロックを構
成する回路素子は、公知のCMOS(相補型MOS)集
積回路の製造技術により、単結晶シリコンのような1個
の半導体基板上に形成される。
【0117】図14において、この実施例の携帯通信端
末装置は、特に制限されないが、ベースバンド部BB及
び中間周波数部IFならびに高周波部HFと、ベースバ
ンド部BBに結合されるスピーカSPK及びマイクロフ
ォンMICならびに高周波部HFに結合されるアンテナ
ANTとを備える。
【0118】ベースバンド部BBは、プレフィルタPR
F2,A/D変換器ADC2,ディジタル信号処理プロ
セッサDSP,D/A変換器DAC2ならびにポストフ
ィルタPOF2を含む。この実施例において、上記D/
A変換器DAC2は、前記複数の実施例として掲げたD
/A変換器をもとに構成される。
【0119】ベースバンド部BBを構成するプレフィル
タPRF2は、マイクロフォンMICから入力される送
信アナログ音声信号の高域雑音成分を抑圧してA/D変
換器ADC2に伝達し、A/D変換器ADC2は、プレ
フィルタPRF2から伝達される送信アナログ音声信号
をディジタル信号に変換してディジタル信号処理プロセ
ッサDSPに伝達する。ディジタル信号処理プロセッサ
DSPは、A/D変換器ADC2から伝達される送信デ
ィジタル音声信号に対してディジタル信号処理による帯
域圧縮処理を加え、中間周波数部IFの変調器MOD1
に伝達するとともに、中間周波数部IFの復調器DEM
1から伝達される受信ディジタル音声信号に対してやは
りディジタル信号処理による帯域伸長処理を加え、D/
A変換器DAC2に伝達する。D/A変換器DAC2
は、ディジタル信号処理プロセッサDSPから伝達され
る受信ディジタル音声信号をアナログ信号に変換する。
この受信アナログ音声信号は、ポストフィルタPOF2
によってその高調波成分が抑圧された後、増幅され、ス
ピーカSPKに出力される。
【0120】次に、中間周波数部IFは、変調器MOD
1,D/A変換器DAC1及びポストフィルタPOF1
と、プレフィルタPRF1,A/D変換器ADC1及び
復調器DEM1とを備える。この実施例において、上記
D/A変換器DAC1は、前記複数の実施例として掲げ
たD/A変換器をもとに構成される。
【0121】中間周波数部IFの変調器MOD1は、ベ
ースバンド部BBのディジタル信号処理プロセッサDS
Pから出力される送信ディジタル音声信号に対して、無
線伝送に適した例えばガウシアン・ミニマム・シフト・
キーイング(GMSK:Gaussian Minim
um Shift Keying)変調方式又はπ/4
シフト キュー・ピー・エス・ケイ(QPSK)変調方
式による変調処理を加えてD/A変換器DAC1に伝達
し、D/A変換器DAC1は、変調器MOD1から伝達
される送信ディジタル変調信号をアナログ信号に変換す
る。この送信アナログ変調信号は、ポストフィルタPO
F1によってその高調波成分が抑圧された後、高周波部
HFの変調器MOD2に伝達される。
【0122】プレフィルタPRF1は、高周波部HFの
検波器DETから伝達される受信アナログ変調信号の高
域雑音成分を抑圧してA/D変換器ADC1に伝達し、
A/D変換器ADC1は、プレフィルタPRF1を介し
て伝達される受信アナログ変調信号をディジタル信号に
変換する。この受信ディジタル変調信号は、復調器DE
M1によってその基本信号成分が復調された後、受信デ
ィジタル音声信号として上記ベースバンド部BBのディ
ジタル信号処理プロセッサDSPに伝達される。なお、
変調器MOD1及びD/A変換器DAC1ならびにポス
トフィルタPOF1は、通信システムのシステム構成に
応じて、位相反転された複数の信号を出力しあるいは9
0℃つまり直交した位相差を持つ複数の信号を出力すべ
く、それぞれ並列形態とされる複数の変調器又はD/A
変換器あるいはポストフィルタからなる。
【0123】高周波部HFは、変調器MOD2及び高電
力増幅器HAMPと送受信切り換えスイッチTRSWな
らびに増幅器AMP及び検波器DETを備える。このう
ち、変調器MOD2は、中間周波数部IFのポストフィ
ルタPOF1から伝達される送信アナログ変調信号に対
して、例えば800MHz(メガヘルツ)ないし2GH
z(ギガヘルツ)程度の無線周波数キャリア信号による
変調処理を加える。この送信信号は、高電力増幅器HA
MPによって所定の送信電力まで増幅された後、送受信
切り換えスイッチTRSWを介してアンテナANTに出
力される。
【0124】増幅器AMPは、アンテナANTから送受
信切り換えスイッチTRSWを介して入力される受信信
号を増幅し、検波器DETに伝達する。検波器DET
は、この受信信号から所望の受信アナログ変調信号を抽
出し、中間周波数部IFのプレフィルタPRF1に伝達
する。
【0125】以上のように、この実施例の携帯通信端末
装置は、D/A変換器DAC1及びDAC2として前記
複数の実施例に示されたD/A変換器を含み、このD/
A変換器の前記効果を受けてその小型化・低消費電力化
が図られるとともに、低消費電力化と動作電源の低電圧
化とを受けて携帯に適したバッテリー駆動を採りうるも
のとされる。
【0126】D/A変換器DACは、前述のように、各
単位D/A変換器から出力されるアナログ電流を減衰又
は増幅するための電流減衰回路又は電流増幅回路と、ア
ナログ電流を電圧信号に変換するための電流電圧変換回
路とを含む。そして、これらの電流減衰回路及び電流増
幅回路ならびに電流電圧変換回路はすべて演算増幅回路
を基本に構成され。さらに、この実施例の携帯通信端末
装置では、D/A変換器DAC1及びDAC2の後段に
それぞれポストフィルタPOF1及びPOF2が設けら
れ、これらの低域ポストフィルタによって出力電圧波形
に含まれた高調波成分を携帯通信端末装置の性能に影響
を与えない所望のレベルまで抑圧する方法が採られる。
この結果、携帯通信端末装置としての通信特性を改善さ
れ、その高性能化が推進される。
【0127】図16にはこの発明に係るオフセット調整
回路の第1の実施例が示される。この実施例のオフセッ
ト調整回路9が調整対象とする回路は、入力ディジタル
信号1をその値に対応したアナログ信号に変換する主D
/A変換器2と、上記主D/A変換器2の出力信号に含
まれる高調波成分を抑圧するための低域通過フィルタ4
と、この低域通過フィルタ4の出力を夫々並列的に受け
る非反転バッファアンプ5及び反転バッファアンプ6
と、それら非反転バッファアンプ5及び反転バッファア
ンプ6から出力される相互に位相が180度異なる正相
及び逆相関係にあるアンログ信号の出力端子7及び8を
備える。
【0128】同図において3で示される基準電圧発生回
路は、上記主D/A変換器2などの出力振幅を決定する
ための第1の基準電圧VREFと、アナログ出力信号の
中心値を決定するための第2の基準電圧VBとを生成し
て対応回路に供給するものである。上記主D/A変換器
2は、前記図1ないし図13により説明されたものを用
いることができる。
【0129】上記において、オフセット調整回路9を用
いない場合、基準電圧供給回路3から供給される第2の
基準電圧VBが正確であっても、一般的に能動素子で構
成される上記符号2乃至6で示される回路はそれぞれ半
導体集積回路の製造変動などによって多少のオフセット
電圧を有するため、最悪の場合、端子7及び8での出力
オフセットはそれらを加算した特性上無視できないよう
な大きな値となることがある。
【0130】例えば、端子7の正相アナログ出力から端
子8の逆相アナログ出力を減算して、同相ノイズ成分を
キャンセルすると共に信号振幅を2倍化して、S/N
(信号対雑音比)を良好にするような場合、双方のアナ
ログ出力信号のオフセットが実質的に無視し得る程度に
キャンセルされていなければ、上記減算して得られるア
ナログ信号に無視し得無いノイズ成分が残ってしまった
り、新たに発生してしまうという事態を生ずる。
【0131】オフセット調整回路9は、入力ディジタル
信号1に代えてオフセット検出用基準信号10を用いて
オフセットの調整を行う。オフセット検出用基準信号1
0は例えば第2の基準電圧VBに対応されるようなディ
ジタルコードデータである。オフセット調整回路9は、
オフセット調整のための調整用負帰還信号DIG,AN
Aを加算する加算回路13及び加算回路19を有する。
【0132】上記ディジタル負帰還信号DIGは、加算
回路13で上記主D/A変換器2の入力部に帰還されて
正相アナログ信号(端子7の出力信号)のオフセットを
調整し、他方のアナログ負帰還信号ANAは、上記D/
A変換器2の出力を分岐して得られる信号経路部に加算
回路19で帰還され、逆相アナログ出力信号(端子8の
出力信号)のオフセットを調整する。
【0133】上記ディジタル負帰還信号DIGは第1の
レジスタ25から出力される。上記アナログ負帰還信号
ANAは、第2のレジスタ26が保持するディジタル値
を副D/A変換器27でアナログ信号に変換して得られ
る。レジスタ25はクロック信号CKR25のクロック
変化に同期してカウンタ24の出力を取り込む。同様に
レジスタ26はクロック信号CKR26のクロック変化
に同期してカウンタ24の出力を取り込む。
【0134】オフセット調整のための上記オフセット検
出用基準信号10を得るために、後述するパルス回路2
3からの制御信号11によって前記入力ディジタル信号
1とオフセット検出用基準信号10とを切替るスイッチ
回路12を有する。オフセット調整のためのデータを上
記カウンタ24にて生成したりするために、スイッチ回
路15、電圧比較回路16、論理回路17、タイマ2
0、及びパルス回路23を備える。
【0135】上記スイッチ回路15は、後述するパルス
回路23からの制御信号14によって前記バッファアン
プ5,6からのアナログ出力と前記基準電圧供給回路3
からの第2の基準電圧VBとを切替る。このスイッチ回
路15は、初期状態において端子aから電圧VBを出力
し、次に、ディジタル負帰還信号DIGにてオフセット
調整を行うタイミングに同期して端子bからバッファア
ンプ5の出力を選択し、最後に、アナログ負帰還信号A
NAにてオフセット調整を行うタイミングに同期して端
子cからバッファアンプ6の出力を選択する。斯る選択
の順序は信号14で制御される。電圧比較回路16は、
スイッチ回路15の出力を第1の入力とし、前記アナロ
グ出力の所望の直流電圧値(この実施例の場合、前記第
2の基準電圧VB)を第2の入力信号としてそれらの大
小比較を行う。
【0136】前記論理回路17は、上記電圧比較回路1
6の出力と、カウンタ24のオーバーフローキャリー
と、後述するパルス回路23からのパルスとを入力し
て、当該電圧比較回路16からの出力の極性変化などを
検出する。例えば、オフセット検出用基準信号10が選
択されて未だディジタル負帰還信号DIGにて負帰還が
かけられていない状態において前記電圧比較回路16で
判定されたバッファアンプ5の初期的な出力極性が、デ
ィジタル負帰還信号DIGによる負帰還動作で反転され
たとき、その変化を検出する。尚、後述するように、斯
る極性変化のタイミングにおける負帰還量を以って、オ
フセット調整のための制御量とする。
【0137】前記タイマ20は、例えばオフセット調整
回路9を含む電子回路への電源電圧を切断状態から印加
状態へするための図示しないスイッチの操作に呼応して
供給されるリセット信号のような信号18を基準として
クロックCKを計数し、例えば前記基準電圧供給回路3
の出力電圧VREF,VBが安定するまでの回路設計結
果に基づく所定時間後に所定の論理レベル信号21を出
力するよう設定されている。
【0138】このタイマ20からの出力21と上記判定
回路17からの出力22、及びクロックCKを入力する
パルス回路23は、それら入力に基づいて分周パルスを
発生して各部に供給する。このパルス発生回路23は、
タイマ20からの出力21が活性化されて各種パルスの
発生供給動作を開始し、最初は信号14にてスイッチ回
路15の端子bを選択すると共に、クロックCKR25
を活性化してカウンタ24の計数値をレジスタ25に取
り込可能に制御し、次いで、信号14にてスイッチ回路
15の端子cを選択すると共に、クロックCKR26を
活性化してカウンタ24の計数値をレジスタ26に取り
込可能に制御する。
【0139】レジスタ25又は26がカウンタ24の計
数値を取り込んでオフセット量の負帰還制御が開始され
た後、論理回路17が前記電圧比較回路16の出力の極
性反転を検出すると、それが信号22にてパルス発生回
23に伝達され、パルス発生回路23はクロック信号C
KR25又はCKR26のクロック変化を停止させて、
そのときの計数値を制御データとして対応するレジスタ
25又は26にラッチさせる。
【0140】図17には前記判定回路17及びカウンタ
24の一例が示される。判定回路17はフリップフロッ
プ回路17−1,17−2、排他的論理和回路17−
3、論理和回路17−3によって構成される。カウンタ
24は2進同期カウンタ24−1とセレクタ24−2か
ら構成された双方向4ビットカウンタである。フリップ
フロップ17−1は、信号SX2による2進同期カウン
タ24−1のリセット動作に同期して電圧比較回路16
の出力をラッチする。このフリップフロップ17−1の
出力U/Dは、オフセット調整の帰還信号の極性を表す
と共に、カウンタ24の計数方向の制御に用いられる。
【0141】信号U/Dが1(高論理レベル若しくはハ
イレベル)とすると、カウンタ24の出力CO2〜CO
5は、リセット後から0000(+0)〜1111(+
15)に向かってアップ方向に計数され、逆に、U/D
が0(低論理レベル若しくはローレベル)のときは、カ
ウンタ24は1111(−1)〜0000(−16)に
向かってダウン方向に計数される。計数動作はクロック
CK1に同期され、更に当該クロックCK1に同期して
フリップフロップ回路17−2が電圧比較回路16の出
力を取り込む。
【0142】カウンタ24の計数毎にフリップフロップ
回路17−2に取り込まれた電圧比較回路16の出力は
排他的論理和回路17−3で信号U/Dの極性と比較さ
れ、当該信号U/Dの極性に対して電圧比較回路16の
出力の極性が反転されると、その状態は信号22(SX
1)のローレベルからハイレベルへの変化として出力さ
れる。なお、斯る変化は2進同期カウンタ24−1のオ
ーバーフローキャリーによっても得られる。これは、2
進同期カウンタ24−1のオーバーフローを回路故障と
みなして制御を終了可能にするためである。
【0143】図18には副D/A変換器27の一例回路
図が示される。副D/A変換器27は、ステップ電圧発
生回路部27−1〜27−3と、アナログスイッチ回路
部27−4〜27−35と、出力バッファ回路27−3
6から構成される。ステップ電圧発生回路部は、電圧/
電流変換回路27−1と、その電流ミラー回路27−
2、及び抵抗列回路27−3から成る。
【0144】上記電圧/電流変換回路27−1は、オペ
アンプAMP1の非反転入力端子(+)に印加された基
準電圧、例えば上記基準電圧発生回路3の出力VBを抵
抗R1の値で割った直流電流(=VB/R1)に変換
し、トランジスタM1のドレイン電流として電流ミラー
回路27−2を駆動する。
【0145】電流ミラー回路27−2は、特に制限され
ないが、トランジスタM2〜M5から成る公知のウィル
ソン回路に、ゲート電圧VGを制御することにより電子
回路の電力消費を削減するためのパワーダウン用トラン
ジスタM6を付加した構成である。
【0146】抵抗列回路27−3は、最上端が上記電流
ミラー回路27−2の電流出力端に接続され、最下端が
非反転入力端子(+)に前記基準電圧VBが印加された
アンプAMP2の出力に接続され、中間端が該アンプA
MP2の反転入力端子(−)に接続され、最上端及び最
下端を含めて2個おきに分割電圧が取り出せるようにし
た2n個の直列抵抗(単位抵抗値をrとする)R2(=
2nr)で構成される。
【0147】いま、前記図16及び図17のカウンタ2
4及びレジスタ26に合わせて5ビット構成とした場
合、n=31とすればよく、32個のアナログスイッチ
27−4〜27−35及びバッファアンプAMP3(2
7−36)を介して取り出せる分割電圧はVB±Δ、V
B±3Δ、VB±5Δ、……、VB±31Δとなる。こ
こで、ステップ電圧2Δは、前記主D/A変換器2の最
少ステップ電圧の1/2以下であればよく、抵抗値rと
上記電流ミラー回路27−2の出力電流の値から決定す
ればよい。
【0148】尚、図16に示した反転バッファアンプ6
へのオフセット調整用アナログ負帰還信号ANAの加算
回路19は、図18に示されるように、抵抗入力/抵抗
帰還の仮想接地型回路構成を用いることにより、一つの
オペアンプで信号反転と併せて実現できる。
【0149】図19には、電圧比較回路16の詳細な一
例が示される。同図の各回路素子は公知のCMOS(相
補型MOS)集積回路製造技術によって、1個の単結晶
シリコンのような半導体基板上に形成される。
【0150】電圧比較回路16は第1及び第2のPチャ
ンネル型MOSトランジスタM12及びM13を有し、
MOSトランジスタM12のゲートには前記スイッチ回
路15から出力される電圧VINが供給され、MOSト
ランジスタM13のゲートには基準電圧VBが供給され
る。上記MOSトランジスタM12及びM13の共通ソ
ースと電源電圧VDDとの間にはゲートにバイアス電圧
VG1を入力した第3のPチャンネル型MOSトランジ
スタM11(第1の定電流MOSトランジスタ)が設け
られ、上記MOSトランジスタM12、M13のドレイ
ンと接地電位GNDとの間には、上記MOSトランジス
タM12のドレインをゲートとドレインに結合させた第
1のNチャンネル型MOSトランジスタM14、及び上
記MOSトランジスタM13のドレインをドレインに結
合させた第2のNチャンネル型MOSトランジスタM1
5が設けられて、差動段が構成される。
【0151】上記MOSトランジスタM13のドレイン
をゲートに結合させた第3のNチャンネル型MOSトラ
ンジスタM17と、上記MOSトランジスタM17のド
レインをドレインとし且つゲートをバイアス電圧VG2
にバイアスし、ソースを電源電圧VDDに結合させた第
4のPチャンネル型MOSトランジスタM16(第2の
定電流MOSトランジスタ)とから出力段が構成され
る。
【0152】演算増幅回路若しくは差動回路を利用する
ような比較回路においては、相互に比較されるべき入力
の僅かな変化に対しても、電圧比較回路の出力段の電位
が電源電圧VDDから接地電位GNDにお大きく変動す
る。このとき、電圧比較回路16は、差動段のバイアス
電圧VG1と出力段のバイアス電圧VG2を別々にする
ことにより、出力段の電位が大きく変動することによる
バイアス電圧の揺れが差動段に影響を与えないようにで
きる。よって差動段には常に一定の電流が流れ、正確な
判定を行うことができる。
【0153】次にこの実施例のオフセット調整回路の全
体的な動作を図20のタイミングチャートをも参照しな
がら説明する。
【0154】例えば、ここには示されていない装置筐体
に設けられたスイッチ手段の操作によって、このオフセ
ット調整回路9を含む電子回路への電源電圧VDDの供
給がオフからオンにされたとき、ここには示されていな
い装置内で発生されたリセット信号PRSTのような信
号18が同時に供給され、電子回路内部の一部又は全部
の保持データが初期化される。タイマ20はこのリセッ
ト信号PRST(18)が供給された時点からのクロッ
クCKを計数し、前記基準電圧供給回路3の出力電圧が
安定する所定時間後に所定の論理レベル信号VRON
(21)を出力する。
【0155】この論理レベル信号VRON(21)を受
けて、パルス回路23は、特に制限はされないが、クロ
ックCKの1周期分の単発パルスSX0と、スイッチ1
2を切替えて主D/A変換器2にオフセット検出用の基
準ディジタル信号10を与えるための制御信号11と、
スイッチ15を切替えて電圧比較器16に供給するアナ
ログ信号をVBから非反転バッファアンプ5の出力7と
するための制御信号14(14−a,14−b,14−
c)をそれぞれ順次発生する。信号SX0は、後述する
パルス信号SX2のトリガ用パルス信号として位置付け
られる。
【0156】上記において、オフセット検出用の基準デ
ィジタル信号としては、主D/A変換器2を構成する変
換ビット数に対応し、かつその全ビットが2の補数表示
で0(ゼロ)に相当するオールゼロ(低論理レベル)信
号とすればよい。また上記の状態では、主D/A変換器
2を構成する変換ビット数の下位複数ビットに対応した
構成のレジスタ25、26は共に出力がオールゼロであ
るから、この時の非反転バッファアンプ5の出力電圧
(V7)の基準電圧VBからの差がオフセット電圧であ
る。
【0157】したがって、図20の時刻T1における電
圧比較器16の出力は、V7<VB(またはV7>V
B)ならば1即ち高論理レベル(または0即ち低論理レ
ベル)となる。この電圧比較器16の出力(COMPO
UT)は、図17及び図20に示すように、上記単発パ
ルスSX0を1クロック遅らせたパルスSX2でフリッ
プフロップ17−1に、また同時に、クロックCK1で
フリップフロップ17−2に、それぞれラッチされる。
【0158】上記フリップフロップ17−1の出力U/
Dは、オフセット調整の帰還信号の極性を表すと共に、
例えば2進同期カウンタ24−1とセレクタ24−2か
ら構成された双方向カウンタ24の計数方向の制御にも
用いられる。カウンタ24を4ビット構成とし、いまU
/Dが1(高論理レベル)とすると、カウンタ24の出
力CO2〜CO5は、図20の時刻T2から0000
(+0)〜1111(+15)に向かってアップ方向に
計数し、逆に、U/Dが0(低論理レベル)とすると、
カウンタ24は1111(−1)〜0000(−16)
に向かってダウン方向に計数する。
【0159】このカウンタ24の出力CO1〜CO5
は、上記パルス回路23から供給されるクロックCKR
25によってレジスタ25に逐次ラッチされ、この25
の出力が加算回路13を介して非反転バッファアンプ5
の出力7に対する一定ステップ間隔で増減するオフセッ
ト調整負帰還信号DIGとされる。その結果、時刻T3
に示される様に、電圧比較器16の出力が反転し、排他
論理和ゲート17−3から1(高論理レベル)が出力さ
れるか、もしくは、上記カウンタ24−1が1111の
時に出力するキャリー信号24−3が1(高論理レベ
ル)になると、論理和ゲート17−4から判定終了信号
SX1(22)が出力され、非反転バッファアンプ5の
出力7に対するオフセット検出、及び調整が終了する。
【0160】この判定終了信号SX1(22)に基づい
て、パルス回路23から、電圧比較器16に反転バッフ
ァアンプ6の出力8を供給するようスイッチ15を切替
えるように制御信号14(14−a,14−b,14−
c)が生成されると共に、判定回路17のフリップフロ
ップ17−1をラッチすると同時にカウンタ24−1を
リセットするパルスSX2が出力され、この時の17−
1にラッチされた電圧比較器16の極性に対応して双方
向カウンタ24の計数が開始される。
【0161】この場合、双方向カウンタ24の出力はク
ロックCKR26によって第2のレジスタ26に逐次ラ
ッチされ、その出力を副D/A変換器27でアナログ電
圧に変換した信号が反転バッファアンプ6の出力8に対
する一定ステップ間隔で増減するオフセット調整負帰還
信号ANAとされる。以上により、図20の時刻T4に
示されるように、電圧比較器16の出力が反転し、排他
論理和ゲート17−3から1(高論理レベル)が出力さ
れるか、もしくは、上記カウンタ24−1がキャリー信
号を出力すると、論理和ゲート17−4から判定終了信
号SX1(22)が出力され、それ以降のクロックCK
1及びCKR26の発生が停止されることによって、反
転バッファアンプ6の出力8に対するオフセット検出、
及び調整が終了する。
【0162】以上の全てのアナログ出力信号に対するオ
フセット調整が終了するまでの時間は、あらかじめ設定
できる。このように設定された時間後に上記タイマ20
から終了信号、言い換えれば、通話可能信号READY
を、このオフセット調整回路を内蔵した半導体集積回
路、及び必要に応じて携帯通信端末装置に搭載された他
の回路に供給する。
【0163】図21にはこの発明に係るオフセット調整
回路の第2実施例が示される。図21の第2実施例で
は、上記した主D/A変換器2の出力に基づく非反転ア
ナログ出力7及び反転出力8のオフセット検出及び調整
動作に先立って、電圧比較器16自体のオフセットを検
出し、その値を第3のレジスタ28に保持した後、前記
した非反転アナログ出力7に対するオフセット調整用負
帰還信号DIG、及び反転出力8に対するオフセット調
整用負帰還信号ANAを、ディジタル減算回路29及び
30を用いて補正するように構成した点が図16に示さ
れたオフセット調整回路の第1実施例とは異なる。その
他の構成及び動作は上記の実施例と同じであるのでその
詳細な説明については省略する。
【0164】図21に示されたオフセット調整回路の第
2実施例において、電圧比較器16自体のオフセット検
出は以下のように実行される。まず第1に、前記したよ
うに、本オフセット調整回路9を含む電子回路への電源
電圧及びリセット信号PRSTのような信号18が供給
され、タイマ20から前記基準電圧供給回路3の出力電
圧VREF,VBが安定した情報信号VRON(21)
が出力されると、パルス回路23から、単発パルスSX
0、スイッチ12を切替えて主D/A変換器2にオフセ
ット検出用の基準ディジタル信号10を与えるための制
御信号11、スイッチ15を切替えて電圧比較器16に
供給するアナログ信号を端子aのVBから副D/A変換
器27の出力(端子d)とするための制御信号14がそ
れぞれ順次発生される。
【0165】電圧比較器16の出力の極性に対応して双
方向カウンタ24の計数が開始される。この場合、双方
向カウンタ24の出力は、パルス回路23からのクロッ
クCKR28によって上記第3レジスタ28に逐次ラッ
チされ、その出力を副D/A変換器27で一定ステップ
間隔で増減するアナログ電圧に変換した信号を上記スイ
ッチ15を介して電圧比較器16に負帰還する。その結
果、電圧比較器16の出力が反転すると、判定回路17
より判定終了信号SX1(22)が出力され、電圧比較
器16に対するオフセット検出が終了し、その結果がレ
ジスタ28に保持される。
【0166】それ以降のオフセット検出調整動作及び終
了時のREADY信号出力動作は上記図16に示された
オフセット調整回路の第1実施例と同じである。このと
き、レジスタ25や26の値が決定されるとき、負帰還
信号DIG及びANAには前記レジスタ28の保有する
値が反映される。
【0167】図22にはこの発明に係るオフセット調整
回路の第3実施例が示される。この第3実施例が前記図
16に示されたオフセット調整回路の第1実施例と異な
る点は、それぞれが主D/A変換器2、低域通過フィル
タ4、非反転バッファアンプ5及び反転バッファアンプ
6から成る2組の回路(I,Q)を有し、それぞれのデ
ィジタル入力信号に対応して出力されるアナログ信号の
非反転出力(7I,7Q)、及び反転出力(8I,8
Q)同士が互いに90度の直交位相差を有するよう構成
され、上記4つのアナログ出力7I,7Q,8I,8Q
に対してそれぞれのオフセットを調整するに必要な回路
として、特に、主信号1I,1Qとオフセット検出用基
準信号10とをそれぞれに対応する主D/A変換器2
I,2Qに切替て入力させるためのスイッチ12I,1
2Qと、双方向カウンタ24の出力をラッチする4つの
レジスタ25I,25Q,26I,26Qと、加算回路
13I,13Qと、前記図18に示した副D/A変換器
27のうち2組のアナログスイッチ及び出力バッファ2
7−4I〜36I及び27−4Q〜36Qと、加算回路
19I,19Qとを備えたものである。
【0168】検出回路17、タイマ20、カウンタ2
4、及びパルス回路23は、I系統とQ系統の2系統に
共用される。尚、図22に示されるオフセット検出及び
調整の動作は、上記実施例の説明から容易に理解される
ため、ここでの説明は省略する。ただし、アナログ出力
7Iと7Q,8Iと8Qに対するオフセット調整動作の
順番は特に制限されるものではない。
【0169】以上の説明の中では、信号18を電源投入
時のリセット信号として扱ったが、その代りに、既に電
源電圧は供給状態であり、電子回路を消費電流低減状
態、いわゆるスタンバイ状態から、通常動作状態へ切替
る制御信号であってもよく、また、該制御信号と電源投
入時のリセット信号とが論理和された合成信号であって
も良い。
【0170】図23にはこの発明に係るオフセット調整
回路を搭載して成る携帯通信端末装置の一例が示され
る。この携帯通信端末装置は、音声符号化復号化部(音
声符復号部と記す)201、位相変復調部202、及び
高周波部203から構成される。そして、それら各部2
01〜203の動作順序や回路の活性・非活性などがマ
イクロコンピュータ240、リセット信号発生回路28
0及びクロック発生回路290からの信号又はパルスに
て制御される。
【0171】音声符復号部201は、マイクロフォン2
10から入力された送信アナログ音声信号のうち高域雑
音成分を抑圧するプレフィルタ211、その出力をディ
ジタル信号に変換するA/D変換器212、その出力を
ディジタル信号処理によって帯域圧縮し、また、上記と
は逆に、帯域圧縮された受信ディジタル音声信号を元の
帯域に伸長するためのディジタル・シグナル・プロセッ
サ(以下DSPとも記す)213、DSP213で帯域
伸長された出力をアナログ音声信号に変換するD/A変
換器214、その出力に含まれる高調波成分を抑圧し、
且つその出力を増幅するためのポストフィルタ215、
このポストフィルタ215の出力によって駆動されるス
ピーカ216などによって構成される。
【0172】前記位相変復調部202は、前記DSP2
13から出力される信号に対して無線伝送に適した変
調、例えばπ/4シフト・キュー・ピー・エス・ケー
(QPSK)変調などを行うための位相変調器220、
その出力をアナログ信号に変換するD/A変換器22
1、その出力に含まれる高調波成分を抑圧するポストフ
ィルタ222、及び上記とは逆に、受信変調信号に含ま
れる広域雑音成分を抑圧するとともに、位相情報を一旦
電圧に変換する位相/電圧変換器223、位相/電圧変
換器223の出力をディジタル信号に変換するA/D変
換器224、このA/D変換器224の出力から元の基
本信号成分を復調する位相復調器225、及びこの発明
に係るオフセット調整回路226などによって構成され
る。
【0173】上記の位相変調器220は、通常、読み出
し専用メモリROMによって実現されることが多く、こ
の位相変調器220とD/A変換器221、及びポスト
フィルタ222は、システムの構成に応じて、互いに9
0°の位相差、すなわち直交した信号出力を行うため
に、或いは、正相及び逆相の信号出力を行うために、並
列に複数組設けられる。
【0174】図においては221−1,222−1で示
されるD/A変換器及びポストフィルタの系統と、22
1−2,222−2で示されるD/A変換器及びポスト
フィルタの系統と、の2系統が示されている。図23に
おけるそれら2系統のD/A変換器及びポストフィルタ
と、オフセット調整回路226は、例えば図22に示さ
れる回路構成を持つことができる。或は図16又は図2
1の回路を2系統設けて構成することができる。
【0175】前記高周波部203は、前記ポストフィル
タ222から出力される信号を直交変調し、さらに例え
ば800MHzから2GHz程度の無線周波数キャリア
信号で変調するための直交変調器230、この変調器2
30の出力を所定の送信電力にまで増幅し、送受信切り
替えスイッチ231を介してアンテナ232を励振する
ための高電力増幅器233、前記アンテナ232及びス
イッチ231を介して受信した信号を増幅する増幅器2
34、及びその増幅器234の出力から所望の信号を検
波するための検波器235などから構成される。
【0176】上記の直交変調器230は、システムの構
成に応じて、例えば455kHzや90MHz程度のや
や低い周波数で変調した後、所定の800MHzから2
GHz程度の無線周波数キャリア信号で変調する等の、
複数段に分けた構成がなされることがある。また、検波
器235についても、システムの構成に応じて、同様に
複数段に分けた構成がなされることがある。
【0177】電源スイッチ260は、携帯通信端末装置
の筐体に設けられたものである。通話者が通話に先立っ
て電源スイッチ260をオン状態にさせることにより、
かかる端末装置内部に搭載された電池250、又は端末
装置外部より供給される電源電圧を、電圧レギュレータ
270を介して、又は部分的には直接的に、端末装置内
の各部に動作電圧を供給する。ここで、電圧レギュレー
タ270は、電池250の消費に伴う放電又は充電によ
る電圧値の変動に対して、ほぼ一定の電圧値を端末装置
内の各部に供給するものである。
【0178】リセット信号発生回路280は、上記電源
スイッチ260のオン状態時に、端末装置内各部のレジ
スタ記憶データを必要に応じてリセットさせる信号を発
生させるものである。この発明の図16、図20〜図2
2に示された信号18を発生させる。クロック発生回路
290は、端末装置内の各部に供給される安定したクロ
ックを発生する。通常、温度安定化された水晶発振器、
及びその出力を分周又は逓倍する手段から構成される。
上記のように例示的に示された制御用マイクロコンピュ
ータ240、リセット信号発生回路280、クロック発
生回路290及び電池250から電源スイッチ260及
び電圧レギュレータ270の他に、図には示されていな
いが、キーパッド、ダイヤル信号発生器、呼出信号発生
器などが備えられている。
【0179】この携帯通信端末装置に含まれ、前記説明
に係るオフセット調整回路226を内蔵した位相変復調
部202、及びその他の電子回路201、203は、そ
れぞれが低電源電圧動作並びに低消費電力化可能に構成
される。例えば、音声符復号部201においては音声の
無音状態を検出して回路主要部の動作を停止させ、ま
た、位相変復調部202と高周波部203においては、
上記無音時の回路主要部の動作停止のほかにも、無線通
話が時分割多重であることのシステム構成仕様を利用し
て、回路主要部を間歇的に動作させること等により、電
力消費を抑えるよう構成される。このような制御はマイ
クロコンピュータ240が各部の状態を検出して行う。
【0180】これに合わせて、この発明のオフセット調
整回路226も、上記説明で言及したように、電源投入
時及びスタンバイ解除時のみに制御信号18によって動
作され、オフセット検出が終了したら、通話時間中に限
って、オフセット調整用負帰還信号の供給を維持するた
めに最低限必要なレジスタ25,26、及び副D/A変
換器27のみの動作が維持され、他の回路部分は不活性
状態とされて動作不可能にされる。図21の例ではレジ
スタ28も活性化される。
【0181】これにより、バッテリー駆動に最適な位相
変復調部202、及びこれを搭載した携帯通信端末装置
が実現できる。即ち、携帯通信端末に電源が投入されて
パワーオンリセットされるとき、及び、電源投入後に前
記携帯通信端末の位相変復調部202に含まれる全部又
は一部の回路が非通話とされるスタンバイ状態から通話
を可能にする通話準備状態にされたとき、マイクロコン
ピュータ240は、オフセット調整回路226の各構成
回路部分を活性化し、且つ、図16、図21、及び図2
2に示される信号18を図20のように変化させて、オ
フセット調整回路226によるオフセット調整動作を開
始させる。
【0182】オフセット調整動作が開始された後、マイ
クロコンピュータ240はそれに含まれる図示しないタ
イマ等を用いて、例えば図20に示される信号SX1又
は信号SX1のパルス変化のインターバルを監視し、オ
フセット調整が既に完了しているとみなすことができる
ような期間に亘って当該信号に変化がないときは、オフ
セット調整回路226の各構成回路のうちレジスタ2
5,26及び副D/A変換器27のみを動作可能な状態
に維持して、上記確定したオフセット調整用負帰還信号
を継続的に帰還させることができるようにする。
【0183】これによって、負帰還量を検出設定するた
めにのみ利用される回路、即ち、図16に従えばパルス
回路23、カウンタ24、論理回路17、タイマ20、
及び電圧比較回路16は、非活性化されて、実質的に無
駄な電力消費が押さえられる。そして、少なくとも位相
変復調部202がスタンバイ状態に推移したときには、
最早オフセット調整用負帰還信号の負帰還も実質的に不
要になるので、マイクロコンピュータ240はオフセッ
ト調整回路226を構成する全ての回路を非活性状態に
する。
【0184】以上の各実施例により次のような作用効果
を得ることができる。すなわち、 (1) 入力ディジタル信号が分割されてなる所定ビッ
トのディジタル信号を受けてアナログ電流に変換し、対
応する電流変換回路を介して入力ディジタル信号に対応
した電流の重み付けに戻して直列又は並列結合される複
数の単位D/A変換器により構成することにより、電流
変換回路の減衰率又は増幅率に相応して、単位電流源又
は最小サイズのスイッチを1個としたときの各単位D/
A変換器に必要となる電流源及びスイッチの個数を大幅
に削減することができるという効果が得られる。
【0185】(2) 上記(1)項により、D/A変換
器の所要レイアウト面積を削減できるとともに、電流出
力線に結合されるスイッチMOSFETの寄生容量を削
減し、その低消費電力化を図ることができるという効果
が得られる。
【0186】(3) 上記(1)項及び(2)項によ
り、D/A変換器を含む携帯通信端末装置等の通信特性
を高めつつ、その小型化及び低消費電力化ならびに低コ
スト化を推進することができるという効果が得られる。
【0187】(4) 上記電流変換回路として、演算増
幅回路と、その反転入力と出力との間に設けられてアナ
ログ電圧に変換する第1の抵抗と、演算増幅回路の出力
に設けられて電流信号に変換するための第2の抵抗から
なり、上記第1と第2の抵抗比により上記電流減衰が設
定されるようにし、かかる第1と第2の抵抗は、同じ抵
抗材料により形成することによりプロセスバラツキの影
響を軽減できるという効果が得られる。
【0188】(5) 電流変換回路として、反転出力型
のものを用いるとともに、各単位D/A変換器に供給さ
れる所定ビットのディジタル信号は、単位D/A変換器
の1個おきに反転して供給し、言わば2進値15との差
分に相当するものとすることにより、常に電源電圧VC
Cと各電流出力線との間に設けられる電流源を用いるこ
とができ、各単位D/A変換器を構成する電流源の電流
値を、容易にかつ的確に設定することができ、D/A変
換器のさらなる高精度化を推進することができるという
効果が得られる。
【0189】(6) D/A変換器への実際の入力信号
の印加に先立って、オフセットキャンセルすべき信号に
おける基準となる直流信号に対応した固定的なディジタ
ル信号を入力し、上記D/A変換器の出力を分岐して得
られる互いに位相が概略180度異なる正相及び逆相関
係にあるの複数のアナログ出力信号のオフセットをそれ
ぞれ検出した後、それぞれのアナログ出力の直流オフセ
ット値を所望の値とするためのオフセット調整用負帰還
信号として、少なくともその一つは上記D/A変換器の
入力部に帰還されるディジタル信号とし、他の少なくと
も一つ以上の負帰還信号としては、上記D/A変換器の
出力を分岐させて得られる経路部に帰還されるアナログ
信号とすることにより、D/A変換器の出力を分岐して
得られる互いに位相が異なる関係にある複数のアナログ
出力信号のオフセットを、少ない回路構成にて独立に且
つ高精度に検出して調整可能にすることができるという
効果が得られる。
【0190】(7) オフセット調整回路としては、オ
フセットが調整されるべき複数のアナログ信号を選択し
て出力するスイッチ手段と、該スイッチ手段の出力とオ
フセット検出のための基準電位とを比較する比較手段
と、該比較手段の出力極性の反転を検出する検出手段
と、計数値の初期状態における前記比較手段の出力極性
の反転が上記検出手段にて検出されるまで一連に計数動
作を行う計数手段と、前記計数手段の出力を入力とし前
記オフセット調整用負帰還信号毎に設けられた複数の記
憶手段と、アナログ信号としてのオフセット調整用負帰
還信号に対応される記憶手段の出力をディジタル信号か
らアナログ信号に変換するD/A変換手段と、前記スイ
ッチ手段によるアナログ信号の選択と、前記計数手段の
出力を保持させる記憶手段の選択とを、オフセット調整
用負帰還信号毎に順次行うことによって、前記単一の比
較手段を時分割で利用させるタイミング発生手段とを備
えて構成することにより、オフセットをキャンセルすべ
き複数のアナログ信号相互間の調整されたオフセット量
のばらつきを最小限に抑えるように作用し、また、斯る
比較手段それ自体のオフセットをキャンセルするための
回路構成も最小限にできて、オフセット調整のための回
路構成の簡素化することができるという効果が得られ
る。
【0191】(8) 前記比較手段としては、前記スイ
ッチ手段の出力とオフセット検出のための基準電圧とを
入力する差動増幅段と、差動増幅段からのシングルエン
ド出力を受ける出力段とを備え、差動増幅段の定電流ト
ランジスタと出力段の定電流トランジスタとは相互に異
なるバイアス電圧供給経路からのバイアス電圧を供給す
ることにより、出力段の電位が大きく変動することによ
るバイアス電圧の揺れが差動段に影響を与えないように
作用して、差動段には常に一定の電流が流れるために正
確な判定を実現することができるという効果が得られ
る。
【0192】(9) 送信部又は送受信部を備え、送信
部又は送受信部に含まれる回路のオフセットを調整する
ために上記オフセット調整回路を含む携帯通信端末にお
いては、携帯通信端末に電源が投入されたときから、前
記オフセット調整回路によるオフセット調整用負帰還信
号の発生が確定される所定の期間、及び、電源投入後に
前記携帯通信端末の送信部又は送受信部或はそれらに含
まれる一部の回路が非通話とされるスタンバイ状態から
通話を可能にする通話準備状態にされたときから、前記
オフセット調整回路によるオフセット調整用負帰還信号
の発生が確定される所定の期間だけ、前記オフセット調
整回路を構成する全ての回路を活性化して動作可能に
し、それ以降は、上記構成回路のうち複数の記憶手段、
及びD/A変換器のみを動作可能な状態として前記確定
されたオフセット調整用負帰還信号の発生を維持させ、
且つ、上記スタンバイ状態時には前記オフセット調整回
路を構成する全ての回路を非活性状態とする制御手段を
設けることにより、位相変復調部及びこれを搭載した携
帯通信端末装置をバッテリー駆動に最適な低消費電力化
することができるという効果が得られる。
【0193】以上、この発明者によってなされた発明を
実施例に基づき具体的に説明したが、この発明は、上記
実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例
えば、図1ないし図12の実施例において、各段の単位
D/A変換器に供給されるディジタル信号のビット数は
任意に設定できる。例えば、8ビットからなる入力ディ
ジタル信号に対して、下位ビット側の単位D/A変換器
に下位5ビットを割り当て、上位ビット側の単位D/A
変換器に上位3ビットを割り当てるようにしてもよい。
各単位D/A変換器を構成する電流源及びスイッチは図
15に示されるようないわゆる縦積み構成を採ることも
できる。
【0194】D/A変換器を構成する複数の単位D/A
変換器は、そのすべてをサーモメータコーダをもとに構
成してもよいし、ディジタル信号の重みに対応した電流
を流す電流源をもとに構成してもよい。各電流変換回路
は、例えばサイズの異なる一対のMOSFETを電流ミ
ラー形態とすることによっても構成できる。さらに、D
/A変換器は、バイポーラトランジスタ等の他の基本素
子をもとに構成できるし、各単位D/A変換器及び電流
変換回路の具体的構成や電源電圧の極性及び絶対値なら
びにMOSFETの導電型等は、種々の実施形態を採り
うる。
【0195】図14において、携帯通信端末装置は、例
えばキーパッドやダイヤル信号発生器,呼出信号発生
器,制御用マイクロコンピュータ,クロック信号発生器
ならびにバッテリーを電源とする電源回路等を備えるこ
とができる。また、高周波部HFの変調器MOD2によ
る変調は、例えば一旦455KHz又は90MHz程度
の比較的低い周波数で変調した後、所定の800MHz
ないし2GHz程度の無線周波数キャリア信号で変調す
る等の方法を採ってもよい。携帯通信端末装置を構成す
るベースバンド部BB及び中間周波数部IFならびに高
周波部HFは、それぞれ個別の半導体基板上に形成して
もよいし、各部のブロック構成や使用されるキャリア信
号の具体的な周波数等は種々の実施形態を採りうる。
【0196】前記実施例では、D/A変換器とその複数
のアナログ出力に対するオフセット調整回路として説明
したが、この発明はそれに限定されるものではなく、並
列型A/D変換器の構成要素である抵抗分割参照電圧の
発生に必要な高低2つの基準電圧を調整することによっ
て、該並列型A/D変換器のオフセット補償を実現する
ことなどにも適用することができる。
【0197】以上の説明では、主としてこの発明者によ
ってなされた発明をその背景となった利用分野である携
帯通信端末装置に搭載される電流駆動型のD/A変換器
に適用した場合について説明したが、それに限定される
ものではなく、例えば、D/A変換器として単体で形成
されるものや逐次比較型又はオーバサンプリング型のA
/D変換器に含まれる帰還比較信号発生用局部D/A変
換器等にも適用できる。このように、少なくとも電流駆
動型のD/A変換器ならびにこのようなD/A変換器を
含む装置又はシステムに広く適用できる。
【0198】また、オフセット調整回路としては、主と
してこの発明者によってなされた発明をその背景となっ
た利用分野である無線電話のための携帯通信端末装置に
適用した場合について説明したが、この発明はそれに限
定されるものではなく、その他の通信用LSI、更には
信号成分が重畳されるような直流電圧の検出並びに調整
を必要とするLSIなどに広く適用することができる。
【0199】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。すなわち、携帯通信端末装置等に搭載
される電流駆動型のD/A変換器を、それぞれ所定ビッ
トのディジタル信号を受けてアナログ電流に変換しかつ
対応する電流減衰回路又は電流増幅回路を介して直列又
は並列結合される複数の単位D/A変換器を基本に構成
するとともに、これらの単位D/A変換器に設けられる
電流源を、同一の単位電流源をもとに構成することで、
電流減衰回路の減衰率又は電流増幅回路の増幅率に相応
して、単位電流源又は最小サイズのスイッチを1個とし
たときの各単位D/A変換器に必要となる電流源及びス
イッチの個数を大幅に削減することができる。これによ
り、D/A変換器の所要レイアウト面積を削減できると
ともに、電流出力線に結合されるスイッチMOSFET
の寄生容量を削減し、その低消費電力化を図ることがで
きる。この結果、D/A変換器を含む携帯通信端末装置
等の小型化及び低消費電力化ならびに低コスト化を推進
することができる。
【0200】上記電流変換回路として、演算増幅回路
と、その反転入力と出力との間に設けられてアナログ電
圧に変換する第1の抵抗と、演算増幅回路の出力に設け
られて電流信号に変換するための第2の抵抗からなり、
上記第1と第2の抵抗比により上記電流減衰が設定され
るようにし、かかる第1と第2の抵抗は、同じ抵抗材料
により形成することによりプロセスバラツキの影響を軽
減できる。
【0201】上記電流変換回路として反転出力型のもの
を用いるとともに、各単位D/A変換器に供給される所
定ビットのディジタル信号は、単位D/A変換器の1個
おきに反転して供給され、言わば2進値15との差分に
相当するものとすることにより、常に電源電圧VCC又
は回路の接地電位と各電流出力線との間に設けられる電
流源を用いることができ、各単位D/A変換器を構成す
る電流源の電流値を、容易にかつ的確に設定することが
でき、D/A変換器のさらなる高精度化を推進すること
ができる。
【0202】D/A変換器の入力までの経路に負帰還さ
れるディジタル信号と、前記ディジタル信号としてのオ
フセット調整用負帰還信号でオフセット調整された系か
ら途中で分岐する系に負帰還されるアナログ信号とによ
って、オフセット調整用負帰還信号を構成することによ
り、D/A変換器の出力を分岐して得られる互いに位相
が異なる関係にある複数のアナログ出力信号のオフセッ
トを、少ない回路構成にて独立に且つ高精度に検出して
調整できる。
【0203】単一の比較手段を時分割で利用することに
より、オフセットをキャンセルすべき複数のアナログ信
号相互間の調整されたオフセット量のばらつきを最小限
に抑えることができ、また、斯る比較手段それ自体のオ
フセットをキャンセルするための回路構成も最小限にで
きて、オフセット調整のための回路構成の簡素化に寄与
する。さらに、複数のアナログ信号出力を有する電子回
路の出力オフセットを、絶対的にも高精度、高安定に調
整できるようになる。
【0204】差動段に含まれる定電流トランジスタのバ
イアス電圧と出力段に含まれる定電流トランジスタのバ
イアス電圧を別々にした電圧比較手段を採用することに
より、出力段の電位が大きく変動することによるバイア
ス電圧の揺れが差動段に影響を与えないように作用し、
差動段には常に一定の電流が流れて、正確な判定を実現
することができる。
【0205】電源投入時及びスタンバイ解除時のみオフ
セット調整回路の全構成回路を動作させ、オフセット検
出が終了した後、通話時間中に限って、オフセット調整
用負帰還信号を供給するための記憶手段及び副D/A変
換器のみの動作を維持させ、他の回路部分を非活性状態
とすることにより、位相変復調部及びこれを搭載した携
帯通信端末装置をバッテリー駆動に最適な低消費電力化
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用されたD/A変換器の第1の実
施例を示す回路図である。
【図2】図1のD/A変換器に含まれるサーモメータコ
ーダの一実施例を示す真理値図である。
【図3】図1のD/A変換器の一実施例を示す等価回路
図である。
【図4】この発明が適用されたD/A変換器の第2の実
施例を示す部分的な回路図である。
【図5】図4のD/A変換器の一実施例を示す等価回路
図である。
【図6】この発明が適用されたD/A変換器の第3の実
施例を示す等価回路図である。
【図7】この発明が適用されたD/A変換器の第4の実
施例を示す等価回路図である。
【図8】この発明が適用されたD/A変換器の第5の実
施例を示す等価回路図である。
【図9】この発明が適用されたD/A変換器の第6の実
施例を示す等価回路図である。
【図10】この発明が適用されたD/A変換器の第7の
実施例を示す等価回路図である。
【図11】この発明が適用されたD/A変換器の第8の
実施例を示す等価回路図である。
【図12】この発明が適用されたD/A変換器の第9の
実施例を示す等価回路図である。
【図13】この発明に係るD/A変換器の一実施例を示
す具体的回路図である。
【図14】この発明が適用されたD/A変換器を搭載す
る携帯通信端末装置の一実施例を示すブロック図であ
る。
【図15】電流駆動型を採る従来のD/A変換器の一例
を示す回路図である。
【図16】この発明に係るオフセット調整回路の第1実
施例を示すブロック図である。
【図17】カウンタ及び検出回路の一例論理回路図であ
る。
【図18】副D/A変換器及びアナログ加算論理を兼ね
る反転バッファの一例回路図である。
【図19】電圧比較回路の一例回路図である。
【図20】図16の第1実施例に係るオフセット調整回
路の動作説明のためのタイミングチャートである。
【図21】この発明に係るオフセット調整回路の第2実
施例を示すブロック図である。
【図22】この発明に係るオフセット調整回路の第3実
施例を示すブロック図である。
【図23】この発明に係るオフセット調整回路を搭載し
て成る位相変復調器及び携帯通信端末装置の一例ブロッ
ク図である。
【符号の説明】
UDA1〜UDA3…単位D/A変換器、CV1〜CV
3…電流変換回路、TMCD…サーモメータコーダ、O
A1〜OA2…演算増幅回路、C1〜C3,C11〜C
14,C21〜C2F,CB…電流源、S1〜S3,S
11〜S14,S11a〜S14a,S11b〜S14
b,S21〜S2F,S21a〜S2Fa,S21b〜
S2Fb…スイッチ、R1〜R4…抵抗、Q11〜Q1
5,Q21〜Q2F…MOSFET、A3〜A5…差動
増幅回路、QP1〜QP3,P11〜P24…Pチャン
ネル型MOSFET、QN1〜QN4…Nチャンネル型
MOSFET。BB…ベースバンド部、IF…中間周波
数部、HF…高周波部、DSP…ディジタル信号処理プ
ロセッサ、DAC1〜DAC2…D/A変換器、ADC
1〜ADC2…A/D変換器、PRF1〜PRF2…プ
レフィルタ、POF1〜POF2…ポストフィルタ、M
OD1〜MOD2…変調器、DEM…復調器、DET…
検波器、HAMP…高電力増幅器、AMP…増幅器、T
RSW…送受信切り換えスイッチ、SPK…スピーカ、
MIC…マイクロフォン、ANT…アンテナ。1…ディ
ジタル入力信号、2…主D/A変換器、27…副D/A
変換器、3…基準電圧発生回路、4…低域通過フィル
タ、5…非反転バッファアンプ、6…反転バッファアン
プ、9…オフセット調整回路、10…オフセット検出用
基準信号、12,15…スイッチ回路、13…加算論
理、19…加算回路、29,30…ディジタル減算回
路、16…電圧比較器、17…判定回路、20…タイ
マ、23…パルス回路、24…カウンタ、25,26,
28…レジスタ、VIN…入力電圧、VB…基準電圧、
VDD…電源電圧、M11…第1の定電流MOSトラン
ジスタ、M16…第2の定電流MOSトランジスタ、V
G1…差動段のバイアス電圧、VG2…出力段のバイア
ス電圧。201…音声符復号部、211…プレフィル
タ、212…A/D変換器、214…D/A変換器、2
15…ポストフィルタ、202…位相変復調部、220
…位相変調器、221−1,221−2…D/A変換
器、222−1,222−2…フィルタ、223…位相
/電圧変換器、224…A/D変換器、225…位相復
調器、226…オフセット調整回路、203…高周波
部、230…直交変調器、233…高電力増幅器、23
1…送受信切り替えスイッチ、234…増幅器、235
…検波器、232…アンテナ、240…マイクロコンピ
ュータ、250…電池、260…電源スイッチ、270
…電圧レギュレータ、280…リセット信号発生回路、
290…クロック発生回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 走人 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日立 製作所デバイス開発センタ内 (72)発明者 小林 洋一郎 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日立 製作所デバイス開発センタ内 (72)発明者 西川 法光 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日立 製作所デバイス開発センタ内 (72)発明者 大塚 正則 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ディジタル信号が複数に分割されて
    なる所定ビットのディジタル信号をそれぞれ受け、同じ
    基準電流を用いた複数からなる単位D/A変換器により
    アナログ電流に変換し、かかるアナログ電流を対応する
    入力ディジタル信号の重みに対応した電流変換を行って
    電流合成してなることを特徴とするD/A変換器。
  2. 【請求項2】 上記複数の単位D/A変換器は、最下位
    ビットを含む所定ビットのディジタル信号を受ける第1
    の単位D/A変換器ないし最上位ビットを含む所定ビッ
    トのディジタル信号を受ける第mの単位D/A変換器か
    らなるものであり、かつそれぞれが同一の単位電流源を
    もとに構成される複数の電流源を含むものであって、第
    1ないし第mの単位D/A変換器により得られるアナロ
    グ電流は、入力ディジタル信号に対応した重みに対応し
    た電流変換回路を介して上記直列又は並列結合されるノ
    ードにおいて合成されるものであることを特徴とする請
    求項1のD/A変換器。
  3. 【請求項3】 上記第1ないし第mの単位D/A変換器
    は、対応する電流変換回路を介して順次正順で直列結合
    されるものであって、第1ないし第m−1の単位D/A
    変換器に対応する上記電流変換回路のそれぞれは、最上
    位に対応された単位D/A変換器の基準電流を基準にし
    て、対応する入力ディジタル信号に対応した重みとなる
    ように電流減衰を行うものであること特徴とする請求項
    2のD/A変換器。
  4. 【請求項4】 上記電流変換回路は、演算増幅回路と、
    その反転入力と出力との間に設けられてアナログ電圧に
    変換する第1の抵抗と、演算増幅回路の出力に設けられ
    て電流信号に変換するための第2の抵抗からなり、上記
    第1と第2の抵抗比により上記電流減衰が設定されるも
    のであることを特徴とする請求項2又は請求項3のD/
    A変換器。
  5. 【請求項5】 上記第1と第2の抵抗は、同じ抵抗材料
    により形成されるものであることを特徴する請求項4の
    D/A変換器。
  6. 【請求項6】 上記第1ないし第mの単位D/A変換器
    は、対応する電流変換回路を介して順次正順で直列結合
    されるものであって、第1ないし第m−1の単位D/A
    変換器に対応する上記電流変換回路のそれぞれは、下位
    に対応された単位D/A変換器の基準電流を基準にし
    て、対応する入力ディジタル信号に対応した重みとなる
    ように電流増幅を行うものであること特徴とする請求項
    2のD/A変換器。
  7. 【請求項7】 上記電流変換回路は、反転出力型とされ
    るものであって、上記第1ないし第mの単位D/A変換
    回路に入力されるディジタル信号は、1つおきに反転し
    たものを供給することを特徴とする請求項3又は請求項
    6のD/A変換器。
  8. 【請求項8】 上記D/A変換器は、携帯通信端末装置
    に搭載されるものであって、その出力信号はポストフィ
    ルタを介して伝達されるものであることを特徴とする請
    求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は
    請求項6のD/A変換器。
  9. 【請求項9】 D/A変換器の出力を分岐して得られる
    位相の異なる複数のアナログ信号のオフセットを調整す
    るオフセット調整回路であって、かかるオフセット調整
    回路は、複数のオフセット調整用負帰還信号を生成し、
    少なくとも一つのオフセット調整用負帰還信号は、D/
    A変換器の入力までの経路に負帰還されるディジタル信
    号であり、その他のオフセット調整用負帰還信号は、前
    記ディジタル信号としてのオフセット調整用負帰還信号
    でオフセット調整された系から途中で分岐する系に負帰
    還されるアナログ信号であることを特徴とするオフセッ
    ト調整回路。
  10. 【請求項10】 D/A変換器の出力を分岐して得られ
    る互いに位相が概略180度異なる正相及び逆相関係に
    ある複数のアナログ信号のオフセット調整回路であっ
    て、かかるオフセット調整回路は複数のオフセット調整
    用負帰還信号を生成し、そのうちの一つのオフセット調
    整用負帰還信号は、上記D/A変換器の入力部に帰還さ
    れて1つの正相アナログ信号のオフセットを調整するデ
    ィジタル負帰還信号であり、他の少なくとも1つ以上の
    オフセット調整用負帰還信号は、上記D/A変換器の出
    力を分岐して得られる信号経路部に帰還され、上記以外
    の逆相または正相アナログ出力信号のオフセットを調整
    するアナログ負帰還信号であることを特徴とするオフセ
    ット調整回路。
  11. 【請求項11】 D/A変換器の出力を分岐して得られ
    る互いに位相が概略180度異なる正相及び逆相関係に
    ある2つのアナログ信号のオフセット調整回路であっ
    て、かかるオフセット調整回路は、ディジタル負帰還信
    号とアナログ負帰還信号との二つのオフセット調整用負
    帰還信号を生成し、該ディジタル負帰還信号が上記D/
    A変換器の入力部に帰還され、アナログ負帰還信号が上
    記D/A変換器の出力経路部に帰還されることを特徴と
    するオフセット調整回路。
  12. 【請求項12】 前記オフセット調整回路は、オフセッ
    トが調整されるべき複数のアナログ信号を選択して出力
    するスイッチ手段と、上記スイッチ手段の出力とオフセ
    ット検出のための基準電位とを比較する比較手段と、上
    記比較手段の出力極性の反転を検出する検出手段と、計
    数値の初期状態における前記比較手段の出力極性の反転
    が上記検出手段にて検出されるまで一連に計数動作を行
    う計数手段と、前記計数手段の出力を入力とし前記オフ
    セット調整用負帰還信号毎に設けられた複数の記憶手段
    と、アナログ信号としてのオフセット調整用負帰還信号
    に対応される記憶手段の出力をディジタル信号からアナ
    ログ信号に変換するD/A変換手段と、前記スイッチ手
    段によるアナログ信号の選択と、前記計数手段の出力を
    保持させる記憶手段の選択とを、オフセット調整用負帰
    還信号毎に順次行うことによって、前記単一の比較手段
    を時分割で利用させるタイミング発生手段とを備えて成
    るものであることを特徴とする請求項9、請求項10又
    は請求項11のオフセット調整回路。
  13. 【請求項13】 前記比較手段は、前記スイッチ手段の
    出力とオフセット検出のための基準電圧とを入力する差
    動増幅段と、差動増幅段からのシングルエンド出力を受
    ける出力段とを備え、差動増幅段の定電流トランジスタ
    と出力段の定電流トランジスタとは相互に異なるバイア
    ス電圧供給経路からのバイアス電圧が供給されるもので
    あることを特徴とする請求項12記載のオフセット調整
    回路。
  14. 【請求項14】 前記差動段は、第1導電型のMOSト
    ランジスタにより構成される一対の差動増幅MOSトラ
    ンジスタと、上記一対の差動増幅MOSトランジスタの
    共通ソースに設けられた第1導電型の第1の定電流MO
    Sトランジスタと、上記一方の差動MOSトランジスタ
    のドレインをゲートとドレインに結合した第2導電型の
    MOSトランジスタと、上記一方の差動MOSトランジ
    スタのドレインがゲートに結合されると共に、上記他方
    の差動MOSトランジスタのドレインがドレインに結合
    された第2導電型のMOSトランジスタとを含み、前記
    出力段は、上記他方の差動MOSトランジスタのドレイ
    ンをゲートに接続した第2導電型の出力MOSトランジ
    スタと、上記出力MOSトランジスタのドレインがドレ
    インに接続されると共に上記第1定電流MOSトランジ
    スタとは異なる経路を介してバイアス電圧が供給される
    第2の定電流MOSトランジスタとを備えてなるるもの
    であることを特徴とする請求項13記載のオフセット調
    整回路。
  15. 【請求項15】 上記D/A変換器は、入力ディジタル
    信号が複数に分割されてなる所定ビットのディジタル信
    号をそれぞれ受け、同じ基準電流を用いた複数からなる
    単位D/A変換器によりアナログ電流に変換し、かかる
    アナログ電流を対応する入力ディジタル信号の重みに対
    応した電流変換を行って電流合成してなるものであるこ
    とを特徴とする請求項9、請求項10、請求項11、請
    求項12、請求項13又は請求項14のオフセット調整
    回路。
  16. 【請求項16】 送信部又は送受信部と、送信部又は送
    受信部に含まれる回路のオフセットを調整するための請
    求項12、請求項13又は請求項14のオフセット調整
    回路とを含む携帯通信端末であって、携帯通信端末に電
    源が投入されたときから、前記オフセット調整回路によ
    るオフセット調整用負帰還信号の発生が確定される所定
    の期間、及び、電源投入後に前記携帯通信端末の送信部
    又は送受信部或はそれらに含まれる一部の回路が非通話
    とされるスタンバイ状態から通話を可能にする通話準備
    状態にされたときから、前記オフセット調整回路による
    オフセット調整用負帰還信号の発生が確定される所定の
    期間だけ、前記オフセット調整回路を構成する全ての回
    路を活性化して動作可能にし、それ以降は、上記構成回
    路のうち複数の記憶手段、及びD/A変換器のみを動作
    可能な状態として前記確定されたオフセット調整用負帰
    還信号の発生を維持させ、且つ、上記スタンバイ状態時
    には前記オフセット調整回路を構成する全ての回路を非
    活性状態とする制御手段を設けて成るものであることを
    特徴とする携帯通信端末装置。
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