JPH0630965Y2 - 立体トラス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、ポーチや桟橋の屋根、博覧会場の仮設屋
根、ビルのひさし、パーゴラなどに用いられる立体トラ
スに関するものである。

従来の技術 従来の立体トラスにおいて、特公昭５２−２５１６８号
公報に開示されているように、ともに碁盤目を形成する
ように交差配置せられかつ相互に交点が喰違わせられた
縦横上弦材および縦横下弦材と、碁盤目の対角線方向に
のびかつ上弦材の交点と下弦材の交点を結ぶジグザグ状
の連続斜材とよりなり、弦材と斜材の両者にパイプが用
いられかつ交点において縦横弦材と斜材の三者を重ね合
わせ、ボルト・ナットで連結するために、縦横弦材およ
び斜材三者の連結部が扁平化せられたものが知られてい
る。

考案が解決しようとする課題 上記弦材およびジグザグ状連続斜材を使用して立体トラ
スを組立てるには、上記三者の偏平状連結部が正確に一
致しなければならず、斜材の折曲角度および偏平状連結
部の位置との相関関係について高い精度が要求せられと
くにこれらが長尺のものである場合はなおさらである
し、運搬にも不便である。

この考案の目的は、上記の問題を克服しかつ組立てが容
易で大きさも簡単に変えうる立体トラスを提供すること
にある。

問題点を解決するための手段 この考案による立体トラスは、上記の目的を達成するた
めに、平面からみて、交互に平行に配置せられた複数の
上下弦材と、隣り合う上弦材の側面と下弦材の側面との
間にジグザグ状に配された複数の斜材と、上弦材および
その両側面に重ねられた斜材の上端部をくし刺し状に貫
通している上両ねじボルトと、下弦材およびその両側面
に重ねられた斜材の下端部をくし刺し状に貫通している
下両ねじボルトと、隣り合う上両ねじボルトにねじ止め
られた両端に雌ねじ部を有する上水平連結棒と、隣り合
う下両ねじボルトにねじ止められた両端に雌ねじ部を有
する下水平連結棒と、両ねじボルトの両雄ねじ部にねじ
はめられて弦材にその両側面に重ねられた斜材端部をそ
れぞれ締付けているロックナットとよりなるものであ
る。

作用 この考案の立体トラスは、平面からみて、交互に平行に
配置せられた複数の上下弦材と、隣り合う上弦材の側面
と下弦材の側面との間にジグザグ状に配された複数の斜
材と、上弦材およびその両側面に重ねられた斜材の上端
部をくし刺し状に貫通している上両ねじボルトと、下弦
材およびその両側面に重ねられた斜材の下端部をくし刺
し状に貫通している下両ねじボルトと、隣り合う上両ね
じボルトにねじ止められた両端に雌ねじ部を有する上水
平連結棒と、隣り合う下両ねじボルトにねじ止められた
両端に雌ねじ部を有する下水平連結棒と、両ねじボルト
の両雄ねじ部にねじはめられて弦材にその両側面に重ね
られた斜材端部をそれぞれ締付けているロックナットと
よりなるものであるから、両ねじボルトを介して直線状
に連結せられた上連結棒の列が上弦材と直交する方向の
上弦材に、同様に下連結棒の列が下弦材と直交する方向
の下弦材となり、ともに碁盤目を形成するように交差配
置せられかつ相互に交点が喰違わせられた縦横上弦材お
よび縦横下弦材が組立てられる。そしてこの組立てのさ
いに、同時に斜材が上弦材と下弦材に連結せられる。

実施例 この考案の実施例を、以下図面を参照して説明する。

図示の立体トラスは、屋根に用いられるものであり、平
面からみて、交互に平行に配置せられた複数の上下弦材
(1)(2)と、隣り合う上弦材(1)の側面と下弦材(2)の側面
との間にジグザグ状に配された複数の斜材(3)と、上弦
材(1)およびその両側面に重ねられた斜材(3)の上端部
(4)をくし刺し状に貫通している上両ねじボルト(5)と、
下弦材(2)およびその両側面に重ねられた斜材(3)の下端
部(6)をくし刺し状に貫通している下両ねじボルト(7)
と、隣り合う上両ねじボルト(5)にねじ止められた両端
に雌ねじ部(8)を有する上水平連結棒(9)と、隣り合う下
両ねじボルト(7)にねじ止められた両端に雌ねじ部(8)を
有する下水平連結棒(10)と、両ねじボルト(5)(7)の両雄
ねじ部(11)にねじはめられて弦材(1)(2)にその両側面に
重ねられた斜材端部(4)(6)をそれぞれ締付けているロッ
クナット(12)とよりなるものである。

上下弦材(1)(2)は横断面縦長略矩形の中空アルミニウム
押出形材製で、内部に複数の水平隔壁(13)と、一端に内
部拡大溝(14)を有しており、上弦材(1)では内部拡大溝
(14)が上向きに、下弦材(2)ではこれが下向きになるよ
うに、上下向きが逆様にされている。そして、透明水平
屋根ガラス板(15)どうしの継目と対応する位置に配置せ
られた上弦材(1)の内部拡大溝(14)には、目地材(16)の
横断面逆Ｔ形脚部(17)がはめ入れられており、他の位置
にある上弦材(1)の内部拡大溝(14)の両縁部には、横断
面横Ｈ形の弾性体製ガラス板支承部材(18)が固定せられ
ている。斜材(3)は横断面略楕円形のアルミニウム押出
形材製で、上下端部(4)(6)が偏平状に押潰されかつ上下
弦材(1)(2)の側面に重ね合わされるように折曲げられて
いる。上下水平連結棒(9)(10)は横断面円形の中空アル
ミニウム押出形材製で、ボルト(5)(7)の雄ねじ部(11)に
はゆるみ止めナット(19)がねじはめられており、雄ねじ
部(11)が水平連結棒(9)(10)の雌ねじ部(8)にねじ込まれ
てから、ゆるみ止めナット(19)が水平連結棒(9)(10)の
端面に締付けられる。上下両ねじボルト(5)(7)の中央部
(5a)(7a)は、横断面横長矩形であり、上下弦材(1)(2)に
は、中央部(5a)(7a)の輪郭に合致する横断面横長矩形の
貫通孔があけられ、ねじ止めのさいボルト(5)(7)が回ら
ないようになされている。またボルト(5)(7)の両側のね
じ方向は相互に逆となっている。

斜材(3)の上下端部(4)(6)とロックナット(12)との間に
は略三角状でかつ垂直断面逆Ｌ形ないしＬ形のワッシャ
(20)が介在せられている。ただし、両端に位置する下両
ねじボルト(7)の外側雄ねじ部(11)には斜材(3)の下端部
(6)が存在しないので、下弦材(2)の側面に透明傾斜屋根
ガラス板(21)の支承ブラケット(22)がロックナット(12)
で締止められている。また支柱(23)のある位置では、ワ
ッシャ(20)の代わりに支柱(23)との連結用ブラケット(2
4)が斜材(3)の下端部(6)とロックナット(12)の間に介在
せられている。両端に位置する上両ねじボルト(5)の外
側雄ねじ部(11)には、透明傾斜屋根ガラス板(21)の支承
ブラケット(25)がワッシャ(20)とロックナット(12)との
間に介在せられている。

上記実施例では、上弦材より下弦材の方が本数は１本多
いが、立体トラスをパーゴラに使用するような場合は、
これを上下逆にすることもできるし、立体トラスを垂直
に使用することも可能である。また下弦材と上弦材との
数の関係はこれを逆にすることもできるし、立体トラス
の形態によっては、ともに同数であってもよい。

考案の効果 この考案の立体トラスによれば、ともに複数の上下弦材
が平面からみて、交互に平行に配置せられ、隣り合う上
弦材の側面と下弦材の側面との間にジグザグ状に複数の
斜材が配され、上弦材およびその両側面に重ねられた斜
材の上端部、下弦材およびその両側面に重ねられた斜材
の下端部がそれぞれ両ねじボルトでくし刺し状に貫通さ
れているので、上下弦材と斜材との連結が容易である。

また、両ねじボルトを介して直線状に連結せられた上連
結棒の列が上弦材と直交する方向の上弦材に、同様に下
連結棒の列が下弦材と直交する方向の下弦材となり、と
もに碁盤目を形成するように交差配置せられかつ相互に
交点が喰違わせられた縦横上弦材および縦横下弦材が組
立てられるので、上下両ねじボルトと上下水平連結棒の
継ぎ足し数を変えることにより、立体トラスの大きさを
簡単に変えることができ、非常に便利である。また上記
の組立てのさいに、同時に斜材が上弦材と下弦材に連結
しうるので立体トラスの製作を能率的に行なえる。さら
に一方向の上下弦材となるものが両ねじボルトと水平連
結棒であり、かつ斜材がジグザグ状に連結したものでな
いから、運搬には便利である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図は第２図
のＩ−Ｉ線にそう拡大詳細断面図、第２図は屋根ガラス
板を省略した全体の平面図、第３図は同側面図、第４図
は同正面図、第５図は第４図のＶ−Ｖ線にそう部分拡大
詳細断面図、第６図は第４図のVI−VI線にそう部分拡大
詳細断面図である。 (1)……上弦材、(2)……下弦材、(3)……斜材、(5)……
上両ねじボルト、(6)……斜材の上端部、(7)……下両ね
じボルト、(8)……雌ねじ部、(9)……上水平連結棒、(1
0)……下水平連結棒、(11)……雄ねじ部、(12)……ロッ
クナット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】平面からみて、交互に平行に配置せられた
   複数の上下弦材(1)(2)と、隣り合う上弦材(1)の側面と
   下弦材(2)の側面との間にジグザグ状に配された複数の
   斜材(3)と、上弦材(1)およびその両側面に重ねられた斜
   材(3)の上端部(4)をくし刺し状に貫通している上両ねじ
   ボルト(5)と、下弦材(2)およびその両側面に重ねられた
   斜材(3)の下端部(6)をくし刺し状に貫通している下両ね
   じボルト(7)と、隣り合う上両ねじボルト(5)にねじ止め
   られた両端に雌ねじ部(8)を有する上水平連結棒(9)と、
   隣り合う下両ねじボルト(7)にねじ止められた両端に雌
   ねじ部(8)を有する下水平連結棒(10)と、両ねじボルト
   (5)(7)の両雄ねじ部(11)にねじはめられて弦材(1)(2)に
   その両側面に重ねられた斜材端部(4)(6)をそれぞれ締付
   けているロックナット(12)とよりなる立体トラス。