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JPH06298611A - 抗菌剤 - Google Patents

抗菌剤

Info

Publication number
JPH06298611A
JPH06298611A JP5113942A JP11394293A JPH06298611A JP H06298611 A JPH06298611 A JP H06298611A JP 5113942 A JP5113942 A JP 5113942A JP 11394293 A JP11394293 A JP 11394293A JP H06298611 A JPH06298611 A JP H06298611A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl
substituted
halogen
carbons
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5113942A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuo Mazaki
光夫 真崎
Tomio Yamakawa
富雄 山川
Yutaka Nomura
豊 野村
Hitoshi Matsukura
均 松倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemiphar Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemiphar Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Chemiphar Co Ltd filed Critical Nippon Chemiphar Co Ltd
Priority to JP5113942A priority Critical patent/JPH06298611A/ja
Priority to ES94105859T priority patent/ES2104223T3/es
Priority to DE69404200T priority patent/DE69404200T2/de
Priority to EP94105859A priority patent/EP0621035B1/en
Priority to JP10334794A priority patent/JPH0899808A/ja
Priority to US08/228,750 priority patent/US5576341A/en
Publication of JPH06298611A publication Critical patent/JPH06298611A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/41Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
    • A61K31/4151,2-Diazoles

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 次の一般式(I) 〔例えば、R:H,R:Me,R=R:H,R
:F,R=R=R:H,n:1〕で表されるイ
ミダゾール誘導体を含有する抗菌剤。 【効果】 ヘリコバクタ− ピロリに対する抗菌作用が
優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イミダゾ−ル誘導体ま
たは縮合イミダゾ−ル誘導体を含有する抗菌剤、更に詳
細には下記一般式(I)で表されるイミダゾ−ル誘導体
または下記一般式(II)で表される縮合イミダゾ−ル誘
導体を含有する抗菌剤に関する
【化3】 [式中、R1は、水素、炭素数1〜8のアルキル又はハ
ロゲン置換の炭素数1〜8のアルキルを、R2は、水
素、炭素数1〜8のアルキル、炭素数5〜8のシクロア
ルキル、炭素数3〜8のシクロアルキル置換アルキル
(但し、アルキルの炭素数は1〜4)、炭素数1〜4の
アルコキシ置換の炭素数2〜6のアルキル、アラルキル
(但し、そのアルキルの炭素数は1〜4)、置換基を有
してもよい複素環置換アルキル(但し、アルキルの炭素
数は1〜4)、アリ−ル、アシル、炭素数3〜9のアル
ケニル、炭素数3〜9のアルキニル、ハロゲン置換の炭
素数1〜8のアルキル、ハロゲン置換された炭素数1〜
4のアルコキシ置換の炭素数2〜6のアルキル、ハロゲ
ン置換アラルキル(但し、そのアルキルの炭素数は1〜
4)、ハロゲン置換アシル、ハロゲン置換の炭素数3〜
9のアルケニル、ハロゲン置換の炭素数3〜9のアルキ
ニルを、あるいはR1およびR2はそれらが結合している
窒素と一緒になって4〜8員環を形成してよく、R3、
R4、R5及びR6は、水素、ハロゲン、炭素数1〜8の
アルキル、炭素数1〜8のアルコキシ、炭素数3〜8の
シクロアルキル置換アルコキシ(但し、アルコキシの炭
素数は1〜4)、アラルキルオキシ(但し、そのアルキ
ルの炭素数は1〜4)、炭素数2〜8のアルコキシカル
ボニル、ニトロ、アシル、アミノ、ハロゲン置換の炭素
数1〜8のアルキル又はハロゲン置換の炭素数1〜8の
アルコキシを、R7及びR8は、水素、ハロゲン、炭素数
1〜8のアルキル、炭素数1〜8のアルコキシ、炭素数
2〜8のアルコキシカルボニル、ニトロ、アミノ、アシ
ル、置換基を有してもよいアリ−ル、ハロゲン置換の炭
素数1〜8のアルキル又はハロゲン置換の炭素数1〜8
のアルコキシを、R9は、水素、置換基としてアリ−
ル、水酸基、低級アルコキシ基、若しくはハロゲンで置
換されていてもよいアルキル、置換基として低級アルキ
ル、低級アルコキシ若しくはハロゲンで置換されていて
もよいアリ−ル、置換基として低級アルキル、低級アル
コキシ若しくはハロゲンで置換されていてもよいアリ−
ルカルボニル、又は置換基を有してもよい複素環を、R
10は、水素または炭素数1〜8のアルキルを示し、そし
て、nは、0、1または2をそれぞれ示す]
【化4】 [式中、R21は、水素、炭素数1〜8のアルキル又はハ
ロゲン置換の炭素数1〜8のアルキルを、R22は、水
素、炭素数1〜8のアルキル、炭素数5〜8のシクロア
ルキル、炭素数3〜8のシクロアルキル置換アルキル
(但し、アルキルの炭素数は1〜4)、炭素数1〜4の
アルコキシ置換の炭素数2〜6のアルキル、アラルキル
(但し、そのアルキルの炭素数は1〜4)、置換基を有
してもよい複素環置換アルキル(但し、アルキルの炭素
数は1〜4)、アリ−ル、アシル、炭素数3〜9のアル
ケニル、炭素数3〜9のアルキニル、ハロゲン置換の炭
素数1〜8のアルキル、ハロゲン置換された炭素数1〜
4のアルコキシ置換の炭素数2〜6のアルキル、ハロゲ
ン置換アラルキル(但し、そのアルキルの炭素数は1〜
4)、ハロゲン置換アシル、ハロゲン置換の炭素数3〜
9のアルケニル、ハロゲン置換の炭素数3〜9のアルキ
ニルを、あるいはR21およびR22はそれらが結合してい
る窒素と一緒になって4〜8員環を形成してよく、R2
3、R24、R25、R26、R27、R28、及びR29は、水
素、ハロゲン、炭素数1〜8のアルキル、炭素数1〜8
のアルコキシ、炭素数3〜8のシクロアルキル置換アル
コキシ(但し、アルコキシの炭素数は1〜4)、アラル
キルオキシ(但し、そのアルキルの炭素数は1〜4)、
炭素数2〜8のアルコキシカルボニル、ニトロ、アシ
ル、アミノ、ハロゲン置換の炭素数1〜8のアルキル又
はハロゲン置換の炭素数1〜8のアルコキシを、R30
は、水素、置換基としてアリ−ル、水酸基、低級アルコ
キシ基、若しくはハロゲンで置換されていてもよいアル
キル、置換基として低級アルキル、低級アルコキシ若し
くはハロゲンで置換されていてもよいアリ−ル、置換基
として低級アルキル、低級アルコキシ若しくはハロゲン
で置換されていてもよいアリ−ルカルボニル、又は置換
基を有してもよい複素環を、R31は、水素または炭素数
1〜8のアルキルを、Xは、NまたはC−R32(R32は
前記のR23〜R29と同じものを意味する)を示し、そし
て、mは、0、1または2をそれぞれ示す]
【0002】
【従来の技術】英国特許公開第2163747号公報に
は抗潰瘍剤として有用な縮合イミダゾ−ル誘導体が開示
され、特開平2−138263号公報及び特開平3−1
48262号公報には抗潰瘍剤として有用なイミダゾ−
ル誘導体がそれぞれ開示されている。 しかしなが
ら、上記公報には、これらの化合物が抗菌剤として有用
である旨の記載はない。また、特開平3−173817
号公報には、2−(2−ピリジル)メチルスルフィニル
ベンズイミダゾ−ル化合物が抗菌剤として有用であるこ
とが開示されているが、上記一般式(I)又は(II)で
表されるイミダゾ−ル誘導体又は縮合イミダゾ−ル誘導
体が、抗菌剤として有用である旨の記載はない。
【発明が解決しようとする課題】最近、胃粘膜に存在す
る細菌であるヘリコバクタ− ピロリ(Helicob
acter pylori)と消化性潰瘍、胃炎との関
連を推測させる研究が多数発表されている。(医学のあ
ゆみ 159巻 10号 1991年 795頁)ま
た、ヘリコバクタ− ピロリと十二指腸潰瘍の再発との
関係を示唆する文献も発表されている。現在のところ、
ヘリコバクタ− ピロリを除菌するため、公知の抗菌剤
の投与が試みられている。 しかしながら、未だ実用
化に至っていない。従って、ヘリコバクタ− ピロリな
どによる細菌感染に用いられる有用な抗菌剤の提供が望
まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、上記一般式
(I)又(II)で表されるイミダゾ−ル誘導体又は縮合
イミダゾ−ル誘導体が、抗菌剤、特にヘリコバクタ−
ピロリに対して優れた抗菌作用を有することを見い出
し、本発明を完成した。即ち、本発明は、上記一般式
(I)で表されるイミダゾール誘導体を含有する抗菌剤
を提供するものである。また、本発明は、上記一般式
(II)で表される縮合イミダゾール誘導体を含有する抗
菌剤を提供するものである。上記一般式(I)中、R1
は、水素、メチル、エチル、イソブチル等の炭素数1〜
8のアルキル又は2−フルオロエチル、2,2,2−ト
リフルオロエチル等のハロゲン置換の炭素数1〜8のア
ルキルを示す。R2は、水素、メチル、エチル、イソブ
チル等の炭素数1〜8のアルキル、シクロヘキサン等の
炭素数5〜8のシクロアルキル、シクロプロピルメチル
等の炭素数3〜8のシクロアルキル置換アルキル(但
し、アルキルの炭素数は1〜4)、メトキシエチル、エ
トキシプロピル等の炭素数1〜4のアルコキシ置換の炭
素数2〜6のアルキル、ベンジル等のアラルキル(但
し、そのアルキルの炭素数は1〜4)、テニル等の置換
基を有してもよい複素環置換アルキル(但し、アルキル
の炭素数は1〜4)、フェニル等のアリ−ル、アシル、
アリル、ブテニル等の炭素数3〜9のアルケニル、プロ
ピニル等の炭素数3〜9のアルキニル、2−フルオロエ
チル、2,2,2−トリフルオロエチル等のハロゲン置
換の炭素数1〜8のアルキル、ハロゲン置換された炭素
数1〜4のアルコキシ置換の炭素数2〜6のアルキル、
ハロゲン置換アラルキル(但し、そのアルキルの炭素数
は1〜4)、ハロゲン置換アシル、ハロゲン置換の炭素
数3〜9のアルケニル、ハロゲン置換の炭素数3〜9の
アルキニルを、あるいはR1およびR2はそれらが結合し
ている窒素と一緒になってピペリジン、モルホリン等の
4〜8員環を形成してよい。 R3、R4、R5及びR6
は、水素、フッ素、塩素等のハロゲン、メチル、エチ
ル、プロピル等の炭素数1〜8のアルキル、メトキシ、
エトキシ等の炭素数1〜8のアルコキシ、シクロプロピ
ルメトキシ等の炭素数3〜8のシクロアルキル置換アル
コキシ(但し、アルコキシの炭素数は1〜4)、ベンジ
ルオキシ等のアラルキルオキシ(但し、そのアルキルの
炭素数は1〜4)、エトキシカルボニル等の炭素数2〜
8のアルコキシカルボニル、ニトロ、アシル、アミノ、
ハロゲン置換の炭素数1〜8のアルキル又はハロゲン置
換の炭素数1〜8のアルコキシを示す。R7及びR8は、
水素、フッ素、塩素等のハロゲン、メチル、エチル、プ
ロピル等の炭素数1〜8のアルキル、メトキシ、エトキ
シ等の炭素数1〜8のアルコキシ、エトキシカルボニル
等の炭素数2〜8のアルコキシカルボニル、ニトロ、ア
ミノ、アシル、フェニル等の置換基を有してもよいアリ
−ル、ハロゲン置換の炭素数1〜8のアルキル又はハロ
ゲン置換の炭素数1〜8のアルコキシを示す。R9は、
水素、置換基としてアリ−ル、水酸基、低級アルコキシ
基、若しくはハロゲンで置換されていてもよいアルキ
ル、置換基として低級アルキル、低級アルコキシ若しく
はハロゲンで置換されていてもよいアリ−ル、置換基と
して低級アルキル、低級アルコキシ若しくはハロゲンで
置換されていてもよいアリ−ルカルボニル、又は置換基
を有してもよいピリジル等の複素環を示し、好ましくは
水素である。R10は、水素またはメチル等の炭素数1〜
8のアルキルを示し、好ましくは水素である。 そし
て、nは、0、1または2を示し、好ましくは1であ
る。また、上記一般式(II)中、R21は、水素、メチ
ル、エチル、イソブチル等の炭素数1〜8のアルキル又
は2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチ
ル等のハロゲン置換の炭素数1〜8のアルキルを示す。
R22は、水素、メチル、エチル、プロピル等の炭素数1
〜8のアルキル、シクロヘキシル等の炭素数5〜8のシ
クロアルキル、シクロプロピルメチル炭素数3〜8のシ
クロアルキル置換アルキル(但し、アルキルの炭素数は
1〜4)、エトキシエチル等の炭素数1〜4のアルコキ
シ置換の炭素数2〜6のアルキル、ベンジル等のアラル
キル(但し、そのアルキルの炭素数は1〜4)、テニル
等の置換基を有してもよい複素環置換アルキル(但し、
アルキルの炭素数は1〜4)、フェニル等のアリ−ル、
アシル、アリル、ブテニル等の炭素数3〜9のアルケニ
ル、プロピニル等の炭素数3〜9のアルキニル、2−フ
ルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル等のハ
ロゲン置換の炭素数1〜8のアルキル、ハロゲン置換さ
れた炭素数1〜4のアルコキシ置換の炭素数2〜6のア
ルキル、ハロゲン置換アラルキル(但し、そのアルキル
の炭素数は1〜4)、ハロゲン置換アシル、ハロゲン置
換の炭素数3〜9のアルケニル、ハロゲン置換の炭素数
3〜9のアルキニルを、あるいはR21およびR22はそれ
らが結合している窒素と一緒になってピペリジン等の4
〜8員環を形成してよい。R23、R24、R25、R26、R
27、R28及びR29は、水素、フッ素、塩素等のハロゲ
ン、メチル、エチル等の炭素数1〜8のアルキル、メト
キシ、エトキシ等の炭素数1〜8のアルコキシ、シクロ
プロピルメトキシ等の炭素数3〜8のシクロアルキル置
換アルコキシ(但し、アルコキシの炭素数は1〜4)、
ベンジルオキシ等のアラルキルオキシ(但し、そのアル
キルの炭素数は1〜4)、エトキシカルボニル等の炭素
数2〜8のアルコキシカルボニル、ニトロ、アシル、ア
ミノ、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロ
エチル等のハロゲン置換の炭素数1〜8のアルキル又は
ハロゲン置換の炭素数1〜8のアルコキシを示す。R30
は、水素、置換基としてアリ−ル、水酸基、低級アルコ
キシ基、若しくはハロゲンで置換されていてもよいアル
キル、置換基として低級アルキル、低級アルコキシ若し
くはハロゲンで置換されていてもよいアリ−ル、置換基
として低級アルキル、低級アルコキシ若しくはハロゲン
で置換されていてもよいアリ−ルカルボニル、又は置換
基を有してもよいピリジル等の複素環を示し、好ましく
は水素である。R31は、水素またはメチル等の炭素数1
〜8のアルキルを示し、好ましくは水素である。 X
は、NまたはC−R32(R32は前記のR23〜R29と同じ
ものを意味する)を示す。 そして、mは、0、1また
は2を示し、好ましくは1である。
【0004】上記一般式(I)で表されるイミダゾール
誘導体は、公知の方法、例えば、特開平2−13826
3号公報、特開平3−148262号公報、特開平3−
163065号公報またはそれに準じた方法により製造
できる。また、上記一般式(II)で表される縮合イミダ
ゾール誘導体も英国特許公開第2163747号公報、
特開昭61−56168号公報またはそれに準じた方法
により製造できる。本発明に含まれる化合物としては以
下の化合物が例示されるが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【表1】 次に、一般式(I)で表されるイミダゾール誘導体又は
一般式(II)で表される縮合イミダゾール誘導体の抗菌
作用について実験例を挙げて説明する。 (実験例1)各薬剤の最小発育阻止濃度(MIC)は日
本化学療法学会の寒天平板希釈法(Chemotherapy 29,76
-77(1991))に準じて測定した。径9cmのシャーレに薬液
1mlを分注した後、10%ウマ血液(コウジンバイヨウ)
を含むBrucella寒天培地(BBL) 9mlを加え、測定用平板
培地を作製した。接種菌液は滅菌生理食塩水で希釈し、
108 cfu/mlの菌液を調整し、ミクロプランターで薬剤添
加平板培地に接種した。培地をCO2 濃度15%のインキュ
ベーターで36℃、6日間培養した後、最小発育阻止濃度
(MIC,μg/ml) を測定した。その結果をイミダゾ−ル誘
導体については表2で、縮合イミダゾ−ル誘導体につい
ては表3で示す。
【表2】
【表3】 表2、3から、明らかなように本発明の活性成分である
一般式(I)で表されるイミダゾ−ル又は一般式(II)
に表される縮合イミダゾ−ル誘導体は、ヘリコバクタ−
ピロリに対する優れた抗菌活性を有している。更に、
一般式(I)で表されるイミダゾール誘導体又は一般式
(II)で表される縮合イミダゾール誘導体は、抗潰瘍剤
としても有用であるが、以下に実験例を挙げてその抗潰
瘍作用を説明する。 (実験例2)常法[シェイ・エッチら、ガストロエンテ
ロロジイ(Shay,H.et al.,Gastro
enterology)5,43−61(1945)]
に従い体重200〜250gのSD系雄性ラットを24
時間絶食させた後(但し、水の摂取は自由)、エ−テル
麻酔下で開腹し、幽門部を結さつした。 被検化合物3
0mg/Kgを幽門結さく30分前に経口投与した。3
時間後に動物を殺し、胃を取出し胃液を採取した。酸度
(Acidty)は自動適定装置を用い、0.1N水酸
化ナトリウムでPH7.0まで適定して求め、得られた
値と胃液量との積により胃酸分泌(Acid outp
ut)を算出し、同様に処置したが但し被検化合物を与
えていない対照動物の値と比較した。その結果を表2に
記載する。表2から明かなように、本発明の活性成分で
ある一般式(I)で表されるイミダゾ−ル又は一般式
(II)に表される縮合イミダゾ−ル誘導体は優れた抗潰
瘍作用を有している。一般式(I)で表されるイミダゾ
ール誘導体又は一般式(II)で表される縮合イミダゾー
ル誘導体を含有する抗菌剤を、細菌感染・予防剤として
用いるには、通常、薬学的に許容されうる担体・希釈剤
等とともに混合し、カプセル剤、錠剤、顆粒剤などの剤
型にして経口投与することができる。その投与量は、成
人1日当たり約0.1〜200mg/kgであるが、患
者の症状、年令などによって適宜変更することは言うま
でもない。また、注射剤として非経口的に投与すること
も可能でる。
【0005】次に参考例及び実施例を挙げて本発明を説
明する。 参考例1 2−[[2−(N−メチル−N−2,2,2−トリフル
オロエチル)アミノ]ベンジルスルフィニル]ベンズイ
ミダゾール 1)アントラニル酸メチル(6.5g) と2,2,2−トリ
フルオロエチル トリクロロメタンスルホネート(6.5g)
をキシレン(13ml)に溶解させ、2時間還流した。放冷
後析出した結晶を濾別し、濾液を減圧留去した。バス温
150 ℃で減圧蒸留し残った残渣をヘキサン/エーテル(1
0/0-10/1) でカラムにかけ、1.15g(21%)のN−(2,
2,2−トリフルオロエチル)アントラニル酸メチルを
油状物として得た。 NMR(CDCl3)δ: 3.86 (3H,s) 3.7〜4.2(2H,m) 6.5〜8.0(4H,m) 8.1 (1H,br) 2)N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アントラ
ニル酸メチル2.0gおよびジメチル硫酸1.08gを110 ℃で3
0分,120 ℃で30分加熱撹拌した。反応混合物を冷却し、
酢酸エチルで抽出した。1N-HCl(10ml)で洗浄後、さらに
飽和 NaHCO3 溶液および食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し残渣をヘキサン/エ
ーテル(100/1-100/2) でカラム精製し、340mgのN−メ
チル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アント
ラニル酸メチルを無色油状物として得た。 NMR(CDCl3)δ: 3.00 (3H,s) 3.70 (2H,q) 3.88 (3H,s) 6.9〜7.8(4H,m) 3)N−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチ
ル)アントラニル酸メチル400mgを乾燥エーテル15mlに
溶解し、水素化リチウムアルミニウム (150mg)を冷却下
加え、15分撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液を滴下
し、過剰の還元剤を処理した。セライト濾過後、濾液を
減圧留去し残渣をクロロホルム/メタノール(100/0-100
/0.5) でシリカゲルカラム精製し、200mgの2−[N−
メチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミ
ノ]ベンジルアルコールを無色油状物として得た。 NMR(CDCl3)δ: 2.86 (3H,s) 3.20 (1H,t) 3.56 (2H,q) 4.74 (2H,d) 6.9〜7.4(4H,m) 4)2−[N−メチル−N−(2,2,2−トリフルオ
ロエチル)アミノ]ベンジルアルコール(200mg)をジク
ロロメタン(1ml) に溶解させ、氷冷下塩化チオニル119m
gを加え、15分攪拌した。溶媒を留去して残渣にエタノ
ール1ml および2−メルカプトベンズイミダゾール137m
gを加え室温で1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウ
ム溶液を加え、析出した油状物をジクロロメタンで抽出
し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧留去し、残渣
にヘキサンを加えて結晶化させ濾取することにより195m
gの2−[[N−メチル−N−(2,2,2−トリフル
オロエチル)アミノ]ベンジルチオ]ベンズイミダゾー
ルを淡黄色結晶として得た。 NMR(CDCl3)δ: 2.84 (3H,s) 3.50 (2H,q) 4.60 (2H,m) 6.9〜7.6(8H,m) 5)2−[[N−メチル−N−(2,2,2−トリフル
オロエチル)アミノ]ベンジルチオ]ベンズイミダゾー
ル195mgをクロロホルム(4ml) 、メタノール(0.5ml) に
溶解し、氷冷下80%m−クロロ過安息香酸(120mg)を
少しずつ加えた。反応終了を確認後、クロロホルムおよ
び飽和炭酸水素ナトリウム水を加え有機層を分取した。
有機層を10% チオ硫酸ナトリウム溶液および飽和食塩水
で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧
留去し残渣をヘキサン/エーテルで結晶化させ、180mg
の粗体を得た。さらにジクロロメタンに溶解し減圧留去
後、エーテル3mlを加えて冷却し析出した結晶を濾取し1
30mgの2−[[N−メチル−N−(2,2,2−トリフ
ルオロエチル)アミノ]ベンジルスルフィニル]ベンズ
イミダゾールを白色結晶性粉末として得た。 mp:115〜119℃) NMR(CDCl3)δ: 2.80 (2H,s) 3.50 (2H,q) 4.52,4.88(2H,each d) 6.8〜8.0 (8H,m) IR(KBr)cm-1:1420,1395,1315,
1260,1150,1130,1080,1050,
970,740
【0006】参考例2 5−クロロ−2−[(2−イソブチルアミノ)ベンジル
スルフィニル]ベンズイミダゾール 1)5−クロロ−2−メルカプトベンズイミダゾール
(0.923g) のエタノール(15ml)溶液に室温攪拌下、2−
イソブチルアミノベンジルクロリド塩酸塩(1.17g)を一
気に加え、同温度で23時間攪拌した。溶媒を減圧留去
しクロロホルムおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を
加え、クロロホルム抽出し飽和食塩水洗浄した。無水硫
酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、シリカ
ゲルカラム精製(n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1)
することにより5−クロロ−2−[(2−イソブチルア
ミノ)ベンジルチオ]ベンズイミダゾール0.900g
(純度96.5%)を微黄色油状物として得た。 NMR(CDCl3) δ: 0.92 (6H,d) 1.87 (1H,m) 2.93 (2H,d) 4.57 (2H,s) 4.9−5.1 (1H,br) 6.6−6.7,7.1−7.3,7.5−7.7
(7H,each m) 9.3−9.5 (1H,br) 2)5−クロロ−2−[(2−イソブチルアミノ)ベン
ジルチオ]ベンズイミダゾール(0.900g,純度96.5%) の
クロロホルム(20ml)溶液を氷冷し、80%メタクロロ安
息香酸(0.541g) を20分間で加え、同温度で20分間
攪拌した。反応終了を確認後、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液を加えクロロホルムにて抽出した。有機層を0.
05N水酸化ナトリウム水溶液(2.5ml) で2回洗浄した
後、2N水酸化ナトリウム水溶液で抽出した。水層に塩
化アンモニウムの水溶液を攪拌下加えることにより析出
した結晶を濾取し減圧乾燥することにより、淡褐色結晶
性粉末を0.099g得た。母液のクロロホルム抽出を
行い、先の有機層と混合した後溶媒を減圧留去すること
により、粗体0.97gを褐色油状物として得た。さら
にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢
酸エチル=4/1)で精製後、1N水酸化ナトリウム水
に溶解させた後、飽和の塩化アンモニウム水溶液を加
え、析出した結晶を濾過した。一晩真空乾燥させ、白色
結晶性粉末である5−クロロ−2−[(2−イソブチル
アミノ)ベンジルスルフィニル]ベンズイミダゾール2
40mgを得た。 mp:70.5〜71.5℃(分解) NMR(CDCl3)δ: 0.96(6H,d) 1.7〜1.9(1H,m) 2.7〜2.8(2H,m) 4.34 (1H,d) 4.66 (1H,d) 4.73 (1H,s) 6.4〜8.0(7H,m) IR(KBr)cm-1:2950,1600、1580、
1510、1460、1420、1300、1050、
920、640.
【0007】参考例3 2−[2−(エチルイソブチルアミノ)ベンジルスルフ
ィニル]−5−メトキシベンズイミダゾール 1)2−(イソブチルアミノ)ベンジルアルコール(4g)
にジエチル硫酸(4.13g) を加え室温で20時間撹拌し
た。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およびエ
−テルを加え、有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精
製し、無色油状物である2−(エチルイソブチルアミ
ノ)ベンジルアルコール1.9gを得た。 NMR(CDCl3)δ: 0.93 (6H,d) 1.0 (3H,t) 1.7〜1.9(1H,m) 2.75 (2H,d) 2.98 (2H,q) 4.82 (2H,s) 5.7 (1H,br) 7.1〜7.3(4H,m) 2)2−(エチルイソブチルアミノ)ベンジルアルコー
ル(1.9g)をジクロロメタン(10ml)に溶解させ、氷冷下塩
化チオニルのジクロロメタン(0.82ml,11.2mmol/3ml) 溶
液を2分間かけて滴下した。さらに10分間攪拌後、溶
媒を留去して残渣をジクロロメタン(15ml)に溶解させ
た。この溶液を2−メルカプト−5−メトキシベンズイ
ミダゾールのエタノール溶液 (1.81g,10.0mmol/10ml)に
2分間かけて添加し、添加後室温で30分攪拌した。エ
タノールを留去し、残渣にクロロホルムと5%炭酸ナト
リウム水を加え有機層を分取、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。クロロホルムを留去し、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/
1)で精製した。溶媒を留去し、無色油状物である2−
[2−(エチルイソブチルアミノ)ベンジルチオ]−5
−メトキシベンズイミダゾール1.9gを得た。 NMR(CDCl3)δ: 0.89 (6H,d) 1.0 (3H,t) 1.7〜2.0(1H,m) 2.75 (2H,d) 3.0 (2H,q) 3.83 (3H,s) 4.65 (2H,s) 6.8〜7.5(7H,m) 3)2−[2−(エチルイソブチルアミノ)ベンジルチ
オ]−5−メトキシベンズイミダゾール(1.5g)をクロロ
ホルム(30ml)に溶解させ、食塩氷冷下にて80%m−ク
ロロ過安息香酸(899mg) を15分かけて加えた。反応終
了を確認後、クロロホルムと5%炭酸ナトリウム水を加
え有機層を分取し、次いで0.01N水酸化ナトリウム
水を加えて有機層を洗浄した。有機層を分取し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣を1N水
酸化ナトリウム水に溶解させた後飽和の塩化アンモニウ
ム水溶液を加えた。析出したアモルファスを濾過した後
一晩真空乾燥させ、黄白色アモルファス状化合物である
2−[2−(エチルイソブチルアミノ)ベンジルスルフ
ィニル]−5−メトキシベンズイミダゾール550mg
を得た。 NMR(CDCl3)δ: 0.85 (6H,t) 0.96 (3H,t) 1.6〜1.8(1H,m) 2.70 (2H,d) 2.93 (2H,q) 3.80 (3H,s) 4.41 (1H,d) 4.89 (1H,d) 6.8〜7.5(7H,m) IR(KBr)cm-1:2950,1620、1590、
1480、1450、1380、1300、1250、
1220、1200、1150、1080、1020、
820、760.
【0008】参考例4 2−[(2−シクロプロピルメチルアミノ)ベンジルス
ルフィニル]イミダゾール 1)アントラニル酸メチル13.6gをベンゼン(10
0ml)に溶解し炭酸カリウム13.8g及びシクロプ
ロピルカルボニルクロリド10.4gを加え2時間加熱
還流した。。反応混合物に氷を加えベンゼン層を分取
し、3N−HClで2回、飽和食塩水で1回洗浄後無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。ベンゼンを留去し残渣に1
2.3gの無色油状物である2−シクロプロピルカルボ
キサミド安息香酸メチルを得た。 NMR(CDCl3)δ: 0.7−1.3(m,4H) 1.5−1.8(m,1H) 3.91 (s,3H) 7.02 (dt,1H) 7.50 (dt,1H) 7.98 (dd,1H) 8.69 (dd,1H) 2)水素化アルミニウムリチウム1.56gを乾燥TH
F60mlに懸濁させ、氷冷下上記2−シクロプロピル
カルボキサミド安息香酸メチル6.0gの乾燥THF2
0ml溶液を10分で滴下し、更に30分加熱還流し
た。氷冷下、過剰の水素化アルミニウムリチウムを飽和
硫酸ナトリウム水で分解後不溶物をセライト濾過で除
き、溶媒を留去し得られた油状物をシリカゲルカラム
(CHCl3 )で精製することにより2.0gの2−シ
クロプロピルメチルアミノベンジルアルコールを無色結
晶としてを得た。 NMR(CDCl3)δ: 0.1−0.8(m,4H) 0.9−1.4(m,1H) 1.8 (br,1H) 2.96 (d,2H) 4.62 (s,2H) 6.4−7.4(m,4H) 3)2−シクロプロピルメチルアミノベンジルアルコー
ル1.9gをジクロルメタン19mlに溶解し、氷冷下
塩化チオニル0.94mlのジクロルメタン5ml溶液
を15分で滴下した。室温で30分攪拌後、溶媒を室温
で留去しさらにジクロルメタン5mlに溶解した。2−
メルカプトイミダゾ―ル1.6gのエタノ―ル16ml
溶液に前記溶液を少しずつ加え、室温で1時間攪拌し
た。エタノ―ルを減圧留去し、残渣に水および飽和炭酸
水素ナトリウム水を加えた後、エーテルで抽出した。有
機層を飽和炭酸水素ナトリウム水および飽和食塩水で洗
浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去
し、残渣にエーテルを加えて結晶化させ濾取することに
より1.7gの2−[(2−シクロプロピルメチルアミ
ノ)ベンジルチオ]イミダゾールを白色結晶性粉末とし
て得た。 NMR(CDCl3)δ: 0.1−0.4(m,2H) 0.4−0.7(m,2H) 0.8−1.3(m,1H) 3.97 (d,2H) 4.20 (s,2H) 6.4−7.3(m,4H) 7.03 (s,2H) 4)2−[(2−シクロプロピルメチルアミノ)ベンジ
ルチオ]イミダゾール1.0gをCHCl3 16mlに
溶解し、氷冷下、m−CPBA828mg(純度80
%)を約10分で加えた。TLCで反応の終了を確認
し、飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、CHCl3 30
mlで抽出した。CHCl3 層を分取し、0.3N−N
aOH10ml(3mmol)で洗浄後水20mlを加
えCHCl3 20mlで2回抽出した。水および飽和食
塩水で洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減
圧留去し、残渣にエーテルを加え結晶化させ濾取するこ
とにより610mgの2−[(2−シクロプロピルメチ
ルアミノ)ベンジルスルフィニル]イミダゾールを淡黄
色結晶性粉末として得た。 mp.138−138.5℃(分解) NMR(CDCl3/CD3OD)δ: 0.1−0.3 (m,2H) 0.4−0.7 (m,2H) 0.9−1.3 (m,1H) 2.93 (d,2H) 4.32,4.56(eachd,2H) 6.4−7.3 (m,4H) 7.22 (s,2H) IR(νKBr )cm-1:3350,1600,1580,
1510,1300,1275,1100,1020,
740
【0009】参考例5 2−[(4−フルオロ−2−イソブチルアミノ)ベンジ
ルスルフィニル]イミダゾ―ル 1)5−フルオロ−2−メチルアニリン(8.60g)
をベンゼン(100ml)に溶解し炭酸カリウム(1
1.4g)及びイソブチリルクロリド(8.8g)を加
え1時間加熱還流した。冷後反応混合物に水を加え、析
出する結晶を濾取、ベンゼン及び水で洗浄した。また濾
液はベンゼン層を分取し、硫酸ナトリウムで乾燥した。
ベンゼンを留去し、残渣をエーテル−ヘキサンから結晶
化した。これを濾取し、先の結晶と合わせ、室温下一晩
減圧乾燥し、淡褐色結晶性粉末であるN−(5−フルオ
ロ−2−メチルフェニル)−α−メチルプロパンアミド
11.16gを得た。 NMR(CDCl3)δ: 1.27 (6H,d) 2.20 (3H,s) 2.56 (1H,m) 6.5〜7.8(4H,m) 2)過マンガン酸カリウム(26.1g)及び無水硫酸
マグネシウム(9.3g)を水(1370ml)に溶解
させ、N−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−α
−メチルプロパンアミド(11.16g)を加え70−
80℃で1.5時間加熱攪拌した。冷後反応混合物をセ
ライト濾過し、濾液にpH1まで濃塩酸を加えると結晶
が析出した。結晶を濾取し十分に水洗後、減圧下乾燥
し、白色結晶性粉末である4−フルオロ−2−イソブチ
リルアミノ安息香酸6.16gを得た。 NMR(CD3OD)δ: 1.26 (6H,d) 2.62 (1H,m) 6.6〜8.5(3H,m) 3)水素化アルミニウムリチウム(1.9g)をテトラ
ヒドロフラン(60ml)に懸濁させ、氷冷下4−フル
オロ−2−イソブチリルアミノ安息香酸(4.50g)
を5分で添加し、1時間加熱還流した。氷冷下、過剰の
水素化アルミニウムリチウムを飽和硫酸ナトリウム水で
分解後有機層をデカントで得、溶媒を留去した。残渣を
クロロホルムに溶解させ、水洗後硫酸ナトリウムで乾燥
した。クロロホルムを留去することにより淡褐色油状物
である4−フルオロ−(2−イソブチルアミノ)ベンジ
ルアルコ―ル4.16g(純度94.7%)を得た。 NMR(CDCl3)δ: 0.99 (6H,d) 1.93 (1H,m) 2.91 (2H,d) 4.59 (2H,s) 6.0〜7.0(3H,m) 4)4−フルオロ−(2−イソブチルアミノ)ベンジル
アルコ―ル(4.16g)をジクロルメタン(40m
l)に溶解させ、氷冷下塩化チオニルのジクロルメタン
溶液(2.2ml/10ml)を15分で滴下し、滴下
後室温で30分攪拌した。溶媒を留去し、残渣の褐色油
状物をジクロルメタン(20ml)に溶解した。この溶
液を2−メルカプトイミダゾールのエタノール溶液
(2.40g/24ml)に10分間かけて添加し、添
加後室温で30分攪拌した。エタノールを留去し、残渣
にクロロホルムと5%炭酸ナトリウム水を加え有機層を
分取、硫酸ナトリウムで乾燥した。クロロホルムを留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(中
圧;酢酸エチル/ヘキサン=1/2)で精製した。溶媒
を留去し、残渣をエーテル−ヘキサンから結晶化させ濾
取することにより、白色結晶性粉末である2−[(4−
フルオロ−2−イソブチルアミノ)ベンジルチオ]イミ
ダゾ―ル2.61gを得た。 NMR(CDCl3)δ: 0.98 (6H,d) 1.93 (1H,m) 2.90 (2H,d) 4.18 (2H,s) 6.0〜6.9(3H,m) 7.05 (2H,s) 5)2−[(4−フルオロ−2−イソブチルアミノ)ベ
ンジルチオ]イミダゾ―ル(2.00g)をクロロホル
ム(20ml)、メタノ―ル(20ml)及び酢酸
(2.0ml)の混合溶媒に溶解させ、氷冷下35%過
酸化水素水(3.0ml)及びメタバナジン酸アンモニ
ウム(40mg)を加え2.5時間攪拌した。反応終了
を確認後、5%炭酸ナトリウム水を加え攪拌すると結晶
が析出するので、これを濾取し、水及びジクロルメタン
で洗浄した。この結晶を2N水酸化ナトリウム(30m
l)に溶解させ、水層をクロロホルムで2回洗浄した。
水層に1N塩化アンモニウム水(90ml)を少しずつ
加え析出する結晶を濾取し、十分に水洗後室温下一晩減
圧乾燥することにより、白色結晶性粉末である2−
[(4−フルオロ−2−イソブチルアミノ)ベンジルス
ルフィニル]イミダゾ―ル1.68gを得た。 IR(νKBr)cm-1:3340,2950,2900,
2870,1615,1590,1520,1470,
1435,1320,1285,1100,1020,
990,825,750 NMR(CDCl3/CD3OD=1/1) δ: 1.02 (6H,d) 1.94 (1H,m) 2.87 (2H,d) 4.29 (1H,d) 4.50 (1H,d) 6.0〜6.9(3H,m) 7.25 (2H,s) mp:158−160℃(分解)
【0010】参考例6 2−[5−メチル−2−(2−チエニルメチルアミノ)
ベンジルスルフィニル]イミダゾール 1)2−テノイル酸(9.26g)をベンゼン(50m
l)に溶解し、塩化チオニル(10.7ml)を加えて
2時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣の
2−チオフェンカルボニルクロリドをジクロルメタン
(20ml)で希釈した。5−メチルアントラニル酸メ
チル(9.90g)とトリエチルアミン(10.5m
l)をジクロルメタン(100ml)に溶解し、氷冷下
先の2−チオフェンカルボニルクロリドのジクロルメタ
ン溶液を15分間かけて滴下し、滴下後室温で30分間
撹拌した。反応混合物を5%炭酸ナトリウム水、3N塩
酸で順次洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥後、ジクロルメタ
ンをした。残渣をヘキサンから結晶化させ、濾取するこ
とにより、淡褐色結晶性粉末であるメチル 5−メチル
−2−(2−チオフェンカルボキサミド)ベンゾアート
14.36gを得た。 NMR(CDCl3)δ: 2.33 (3H,s) 3.94 (3H,s) 7.0−8.7(6H,m) 11.85 (1H,bs) 2)水素化アルミニウムリチウム(4.40g)をテト
ラヒドロフラン(140ml)に懸濁させ、氷冷下上記
のメチル 5−メチル2−(2−チオフェンカルボキサ
ミド)ベンゾアートの結晶(14.3g)を15分で添
加し、更に1時間加熱還流した。氷冷下、過剰の水素化
アルミニウムリチウムを飽和硫酸ナトリウム水で分解後
有機層をデカントで得、溶媒を留去した。残渣をジクロ
ルメタンに溶解させ、水洗後硫酸ナトリウムで乾燥し
た。ジクロルメタンを留去し残渣に淡褐色結晶である5
−メチル−2−(2−チエニルメチルアミノ)ベンジル
アルコール12.4g(純度97.7%)を得た。 NMR(CDCl3)δ: 2.22 (3H,s) 4.50 (2H,s) 4.59 (2H,s) 6.4−7.2(6H,m) 3)上記の5−メチル−2−(2−チエニルメチルアミ
ノ)ベンジルアルコール(6.20g)をジクロルメタ
ン(60ml)に溶解し、氷冷下塩化チオニルのジクロ
ルメタン溶液(2.8ml/10ml)を15分で滴下
し更に30分攪拌した。溶媒を留去して得る残渣をジク
ロルメタン(20ml)に溶解し、2−メルカプトイミ
ダゾールのエタノール溶液(3.12g/31ml)に
10分間かけて添加し、室温下更に30分攪拌した。エ
タノールを留去し、残渣にクロロホルムと5%炭酸ナト
リウム水を加え有機層を分取、硫酸ナトリウムで乾燥し
た。クロロホルムを留去し、残渣をエーテル−ヘキサン
から結晶化した。これを濾取し、淡褐色結晶性粉末であ
る2−[5−メチル−2−(2−チエニルメチルアミ
ノ)ベンジルチオ]イミダゾール6.91gを得た。 NMR(CDCl3)δ: 2.14 (3H,s) 4.16 (2H,s) 4.50 (2H,s) 6.4−7.2(6H,m) 6.96 (2H,s) 4)2−[5−メチル−2−(2−チエニルメチルアミ
ノ)ベンジルチオ]イミダゾール(2.00g)をクロ
ロホルム(20ml)、メタノ―ル(20ml)及び酢
酸(2.0ml)の混合溶媒に溶解させ、氷冷下35%
過酸化水素水(3.0ml)及びメタバナジン酸アンモ
ニウム(40mg)を加え2.5時間攪拌した。反応終
了を確認後、5%炭酸ナトリウム水を加え攪拌すると結
晶が析出するので、これを濾取し、水及びジクロルメタ
ンで洗浄した。この結晶を2N水酸化ナトリウム(30
ml)に溶解させ、水層をジクロルメタンで洗浄した。
水層に1N塩化アンモニウム水(90ml)を少しずつ
加え析出する結晶を濾取し、十分に水洗後室温下一晩減
圧乾燥することにより、白色結晶性粉末である2−[5
−メチル−2−(2−チエニルメチルアミノ)ベンジル
スルフィニル]イミダゾール1.28gを得た。 IR(νKBr)cm-1:3390,3080,3000,
2900,1515,1300,1280,1100,
1000,995,940,890,800,780,
695 NMR(CDCl3/CD3OD=1/1)δ: 2.15 (3H,s) 4.29 (1H,d) 4.47 (2H,s) 4.51 (1H,d) 6.4−7.3(6H,m) 7.21 (2H,s) mp:160−162℃(分解)
【0011】参考例7 2−[2−イソブチルアミノ−5−(2,2,2−トリ
フルオロエトキシ)ベンジルスルフィニル]イミダゾー
ル 1)4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ニトロ
ベンゼン(9.46g:6.3%の4−ニトロアニソールを含む)
をエタノール(100ml) に懸濁させ、10%パラジウム炭
素(0.5g)を添加し、2〜4気圧の水素雰囲気下、室温で
3時間接触還元した。不溶物をセライト濾過後、エタノ
ールを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ジクロロメタン)にかけて精製した。溶媒を留去
し、残渣の淡褐色油状物である4−(2,2,2−トリ
フルオロエトキシ)アニリン7.75g(純度98.6
%)を得た。 NMR(CDCl3)δ: 3.30 (2H,bs) 4.26 (2H,q ) 6.4〜6.9(4H,m) 2)4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)アニリ
ン(7.75g)とトリエチルアミン(8.6ml) をジクロロメタ
ン(80ml)に溶解し、氷冷下イソブチリルクロリドのジク
ロロメタン溶液(5.11g,48mmol/20ml) を15分間かけて
滴下し、滴下後室温で30分間攪拌した。反応混合物に
5%炭酸ナトリウム水を加え、析出した結晶を濾取、減
圧下乾燥した。また濾液はジクロロメタン層を分取し、
硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを留去し、
残渣をジクロロメタン−ヘキサンから結晶化させた。こ
れを先の結晶と合わせ、白色結晶性粉末であるN−[4
−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]−
α−メチルプロパンアミド8.92gを得た。 NMR(CDCl3)δ: 1.24 (6H,d) 2.50 (1H,m) 4.31 (2H,q) 6.7〜7.5(5H,m) 3)水素化アルミニウムリチウム(1.95g) をテトラヒド
ロフラン(50ml)に懸濁させ、氷冷下上記のN−[4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]−α
−メチルプロパンアミドの結晶(8.92g)を15分で添加
し、室温で15分攪拌後、更に30分間加熱還流した。
氷冷下、過剰の水素化アルミニウムリチウムを飽和硫酸
ナトリウム水で分解後有機層をデカントで得、溶媒を留
去した。残渣をジクロロメタンに溶解させ、水洗後硫酸
ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを留去し残渣の
淡黄色油状物であるN−イソブチル−4−(2,2,2
−トリフルオロエトキシ)アニリン8.74g(純度9
6.7%)を得た。 NMR(CDCl3)δ: 0.97 (6H,d) 1.85 (1H,m) 2.89 (2H,d) 4.25 (2H,q) 6.3〜6.9(4H,m) 4)N−イソブチル−4−(2,2,2−トリフルオロ
エトキシ)アニリン(8.74g)とジメチルスルフィド(3.5m
l) をジクロロメタン(50ml)に溶解させ、水冷下N−ク
ロロスクシンイミド(6.07g) を10分間で添加し、さら
に室温で15分間攪拌後、トリエチルアミン(6.4ml) を
加え30分間加熱還流した。反応終了を確認後、有機層
を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタン
を留去し、残渣の淡黄色油状物であるN−イソブチル−
2−メチルチオメチル−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)アニリンの粗体を得た。この全量をジクロロメ
タン(80ml)とメタノール(8ml) の混合溶媒に溶解させ、
氷冷下80%m−クロロ過安息香酸(5.90g) を15分か
けて添加した。反応終了を確認後、有機層を5%炭酸ナ
トリウム水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
ジクロロメタンを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/1)にか
けて精製した。溶媒を留去し、残渣の淡黄色油状物であ
るN−イソブチル−2−メチルスルフィニルメチル−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)アニリン6.1
3gを得た。 NMR(CDCl3)δ: 1.00 (6H,d) 1.89 (1H,m) 2.52 (3H,s) 2.83 (2H,d) 3.82 (1H,d) 4.12 (1H,d) 4.27 (2H,q) 5.11 (1H,bs) 6.5〜6.9(3H,m) 5)N−イソブチル−2−メチルスルフィニルメチル−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)アニリン(4.75
g)をジクロロメタン(50ml)に溶解させ、室温下塩化水素
ガスを10分間導入し、さらに10分間攪拌後、溶媒を
留去して残渣をジクロロメタン(20ml)に溶解させた。こ
の溶液を2−メルカプトイミダゾールのエタノール溶液
(4.0g/40ml) に10分間かけて添加し、添加後室温で3
0分攪拌した。エタノールを留去し、残渣にジクロロメ
タンと5%炭酸ナトリウム水を加え有機層を分取、硫酸
ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを留去し、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/
ヘキサン=2/1)で精製した。溶媒を留去し、残渣を
エーテル−ヘキサンから結晶化させ、淡黄色結晶性粉末
である2−[2−イソブチルアミノ−5−(2,2,2
−トリフルオロエトキシ)ベンジルチオ]イミダゾール
2.66gを得た。 NMR(CDCl3)δ: 1.01 (6H,d) 1.93 (1H,m) 2.93 (2H,d) 4.12 (2H,s) 4.21 (2H,q) 6.4〜6.9(3H,m) 7.02 (2H,s) 6)上記の2−[2−イソブチルアミノ−5−(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジルチオ]イミダ
ゾール(2.00g) をジクロロメタン(20ml)とメタノール(2
ml) の混合溶媒に溶解させ、外温−5℃で80%m−ク
ロロ過安息香酸(1.20g) を15分かけて添加した。反応
終了を確認後、ジクロロメタンと5%炭酸ナトリウム水
を加え有機層を分取し、0.1N水酸化ナトリウム水
(20ml)で2回洗浄し、次いで1N水酸化ナトリウ
ム水(40ml)を加えて今度は水層を抽出しジクロロ
メタンで洗浄した。水層に1N塩化アンモニウム水(60m
l)を加え、析出した結晶を濾取し、十分に水洗後、減圧
下乾燥した。淡褐色結晶性粉末である2−[2−イソブ
チルアミノ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキ
シ)ベンジルスルフィニル]イミダゾール1.05gを
得た。 IR(KBr)cm-1:3380,3150,2970,
2910,1520,1475,1460,1425,
1285,1230,1170,1160,1090,
1045,975. NMR(CDCl3)δ: 0.98(6H,d) 1.86(1H,m) 2.79(2H,d) 4.12(2H,q) 4.18(1H,d) 4.59(1H,d) 6.41(1H,d) 6.59(1H,d) 6.83(1H,dd) 7.20(2H,s) mp:139.5〜140.5℃(分解)
【0012】参考例8 2−[[2−N−2,2,2−トリフルオロエチル)ア
ミノ]ベンジルスルフィニル]イミダゾール 1)水素化リチウムアルミニウム(1.14g)を乾燥エーテ
ルに懸濁し、氷冷下、N−2,2,2−トリフルオロエ
チルアントラニル酸メチルの乾燥エーテル(18ml)溶液を
滴下した。このまま15分間攪拌し、飽和塩化アンモニ
ウム水溶液を泡が出なくなるまでゆっくりと滴下した。
不溶物を濾過により除去し、有機層を分液後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、2.92g
の2−(N−2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ
ベンジルアルコールを白色結晶として得た。 NMR(CDCl3)δ: 1.60 (1H,t) 3.82 (2H,dq) 4.70 (2H,d) 5.2〜5.4(1H,br) 6.7〜6.8(2H,m) 7.0〜7.1(1H,m) 7.2〜7.3(1H,m) 2)2−(N−2,2,2−トリフルオロエチル)アミ
ノベンジルアルコール(20.0g)をジクロロメタン(100ml)
に溶解し、氷冷下、塩化チオニル(7.08ml) を滴下し、
このまま30分間攪拌した。この反応溶液を2−メルカ
プトイミダゾール(19.5g) のエタノール(100ml) 懸濁液
に滴下し、室温で3時間30分攪拌した。溶媒を減圧留
去留去後、残渣をジクロロメタンに溶解し、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液をpH8になるまで加え、ジクロロ
メタン層を分液して、水および飽和食塩水で順次洗浄し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、
残渣をシリカゲルカラム精製(アセトン/ヘキサン=3
/10)して、13.9g(純度94.8%)の2−
[[2−N−2,2,2−トリフルオロエチル)アミ
ノ]ベンジルチオ]イミダゾールを白色結晶として得
た。 1H NMR(CDCl3)δ: 3.6〜3.9(2H,m) 4.27 (2H,s) 5.90 (1H,brs) 6.6〜6.8(2H,m) 6.9〜7.2(4H,m) 8.6〜9.4(1H,br) 3)2−[[2−N−2,2,2−トリフルオロエチ
ル)アミノ]ベンジルチオ]イミダゾール (12.0g,純度
94.8%) をジクロロメタン(100ml) 、メタノール(100ml)
、酢酸(10ml)の混合溶媒に溶解し、氷冷下、過酸化水
素水(35%,17.5ml)およびメタバナジン酸アンモニウム
(0.24g) を加え、このまま3時間30分攪拌した。反応
溶液に 5% 炭酸水素ナトリウム水溶液(350ml) を加え、
析出した結晶を濾取し、母液をジクロロメタンで抽出し
た。溶媒を減圧留去後、残渣を先の結晶と合わせ、ジク
ロロメタン/ヘキサン=1/1(80ml)に懸濁し、1時間
30分攪拌した。結晶を濾取し、同混合溶媒(20ml)で洗
浄後、風乾した。この結晶にクロロホルム/メタノール
=3/1混合溶媒(80ml)を加え、さらに2規定水酸化ナ
トリウム水溶液(20ml)を加えて2層系の均一溶液とし、
ここに1規定塩化アンモニウム水溶液(40ml)を加えて析
出した結晶を濾取した。この結晶を2規定水酸化ナトリ
ウム水溶液(15ml)に溶解し、ジクロロメタンで洗浄後、
水層に水を加え、残存している有機溶媒を減圧留去し
た。残渣に1規定塩化アンモニウム水溶液(40ml)を滴下
後、析出した結晶を濾取し、アンモニアの臭いが消失す
るまで水で洗浄した。この結晶を30℃で一晩真空乾燥
して8.95gの2−[[2−N−2,2,2−トリフ
ルオロエチル)アミノ]ベンジルスルフィニル]イミダ
ゾールを白色結晶性粉末として得た。 mp:175.0〜175.5℃(分解) NMR(CDCl3/CDCl3=5/1)δ: 3.76 (2H,q) 4.32,4.53(2H,each d) 6.7〜6.8 (2H,m) 6.91 (1H,dd) 7.2〜7.3(3H,m) IR(KBr)cm-1:3385,3169,1533,
1477,1335,1257,1171,1169,
1167,1153,1134,1011,754
【0013】参考例9 2−[(2−(N−メチル−N−2,2,2−トリフル
オロエチル)アミノ)ベンジルスルフィニル]イミダゾ
ール 1)2−[(N−メチル−N−2,2,2−トリフルオ
ロエチル)アミノ]ベンジルアルコール(1.99g)をジク
ロロメタン(10ml)に溶解し、氷冷下、塩化チオニル(0.7
2ml) を滴下し、このまま15分間攪拌した。溶媒を減
圧留去し、残渣をエタノール(10ml)で溶解し、2−メル
カプトイミダゾール(0.91g)を加え、室温で1時間攪拌
した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加
え、ジクロロメタンで抽出し、水および飽和食塩水で順
次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧
留去し、残渣をヘキサンに懸濁した。結晶を濾取し、ヘ
キサンで洗浄後、真空乾燥して2.33gの2−[(2
−(N−メチル−N−2,2,2−トリフルオロエチ
ル)アミノ)ベンジルチオ]イミダゾールを白色結晶と
して得た。 NMR(CDCl3)δ: 2.85 (3H,s) 3.54 (2H,q) 4.35 (2H,s) 7.0〜7.3(6H,m) 2)2−[(2−(N−メチル−N−2,2,2−トリ
フルオロエチル)アミノ)ベンジルチオ]イミダゾール
(0.75g)をジクロロメタン(7.5ml) 、メタノール(7.5ml)
、酢酸(0.75ml)の混合溶媒に溶解し、氷冷下、過酸化
水素水(35%,1.1ml)およびメタバナジン酸アンモニウム
(15mg)を加え、このまま2時間30分攪拌した。反応溶
液に 5% 炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメ
タンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を
減圧留去後、残渣を1規定水酸化ナトリウム水溶液に溶
解し、飽和塩化アンモニウム水溶液(1ml) と水(3ml) の
混合溶媒を徐々に滴下した。析出した結晶を濾取し、水
で洗浄後、30℃で真空乾燥して0.71gの2−
[(2−(N−メチル−N−2,2,2−トリフルオロ
エチル)アミノ)ベンジルスルフィニル]イミダゾール
を白色結晶性粉末として得た。 mp:119.0〜120.5℃ NMR(CDCl3)δ: 2.85 (3H,s) 3.51 (2H,q) 4.45,4.79(2H,each s) 7.0〜7.4 (6H,m,Ph−H) 11.3〜11.6(1H,br) IR(KBr)cm-1:1495,1331,1273,
1153,1122,1092,1043,985,7
73
【0014】参考例10 2−[(5−メトキシ−2−プロピニルアミノ)ベンジ
ルスルフィニル]イミダゾール 1)p-アニシジン(40.0g) を水(160ml) に懸濁し、炭酸
水素ナトリウム(8.24g)を加え加熱還流した。油浴から
はずし、プロパルギルブロミド(10.0g)のエタノール(28
ml)溶液を30分かけて滴下した。さらに3時間加熱還
流した後、冷却しエーテルで抽出した。有機層を水およ
び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1−2/
1)で精製し、橙色油状物であるN−プロピニル−4−
メトキシアニリン11.2gを得た。 NMR(CDCl3) δ: 2.20 (1H,t) 3.61 (1H,br) 3.75 (3H,s) 3.88 (2H,d) 6.6〜6.7(2H,m) 6.7〜6.8(2H,m) 2)N−プロピニル−4−メトキシアニリン(6.60g)と
ジメチルスルフィドDimethyl sulfide(4.5ml) を塩化メ
チレン(172ml) に加え、氷冷下10分間攪拌した。この
溶液にN−クロロコハク酸イミドN-Chlorosuccinimide
(8.15g)を加え10分間攪拌後、トリエチルアミン(8.6m
l) を加え1時間30分加熱還流した。反応溶液を室温
に戻し飽和炭酸水素ナトリウム水(150ml) を加え有機層
を分取した。さらに飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製
し、褐色油状物であるN−プロピニル−4−メトキシ−
2−メチルチオメチルアニリン7.01gを得た。 NMR(CDCl3) δ: 1.98(3H,s) 2.22(1H,t) 3,67(2H,s) 3.75(3H,s) 3.95(2H,br) 4.45(1H,br) 6.68(1H,d) 6.75(1H,d) 6.81(1H,dd) 3)N−プロピニル−4−メトキシ−2−メチルチオメ
チルアニリン(7.0g) をクロロホルム(65ml)とメタノー
ル(9.7ml) に溶解させ、氷冷下m−CPBA(純度 80%)
(6.82g)を15分かけて添加した。この温度でさらに1
5分間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水を加え有機層
を分取した。さらに飽和炭酸水素ナトリウム水および飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム/メタノール=50/1)で精製
し、黄色結晶であるN−プロピニル−4−メトキシ−2
−メチルスルフィニルメチルアニリン3.99gを得
た。 NMR(CDCl3) δ: 2.21 (1H,t) 2.53 (3H,s) 3.76 (3H,s) 3.8〜3.9 (2H,m) 3.87,4.15(2H,each d) 6.64 (1H,d) 6.8〜6.9 (2H,m) 4)上記のN−プロピニル−4−メトキシ−2−メチル
スルフィニルメチルアニリン(3.98g)を塩化メチレン(47
ml)に溶解させ、氷冷攪拌下塩酸ガスを30分間吹き込
んだ。さらにこの温度で15分間攪拌した後、塩化メチ
レンを減圧留去した。得られた油状物を塩化メチレン(2
3ml)に溶解させ、2−メルカプトイミダゾール(4.93g)
のエタノール(70ml)溶液を20分かけて滴下した。室温
で1時間攪拌後、溶媒を減圧留去した。飽和炭酸水素ナ
トリウム水を弱アルカリ性になるまで添加し、クロロホ
ルムで抽出した。クロロホルム層を飽和炭酸水素ナトリ
ウム水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒
を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(クロロホルム/メタノール=100/0−100
/2)で精製し、淡黄色結晶である2−[(5−メトキ
シ−2−プロピニルアミノ)ベンジルチオ]イミダゾー
ル1.80gを得た。 NMR(CDCl3−CD3OD) δ: 2.20 (1H,m) 3.68 (3H,s) 3.94 (2H,s) 4.11 (2H,s) 6.55 (1H,d) 6.7〜6.8(2H,m) 7.01 (2H,s) 5)2−[(5−メトキシ−2−プロピニルアミノ)ベ
ンジルチオ]イミダゾール(1.79g)をクロロホルム(38m
l)とメタノール(3ml) に溶解させ、氷冷下m−CPBA
(純度 80%)(1.41g)を15分かけて添加し、この温度で
さらに30分間攪拌した。反応の終了をTLCで確認
後、飽和炭酸水素ナトリウム水を添加した。クロロホル
ムで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水で洗浄後、0.
4規定水酸化ナトリウム水で抽出した。水層に飽和塩化
アンモニウム水を加え、析出した結晶をクロロホルムで
抽出した。クロロホルム層を飽和食塩水で洗浄後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。結晶が析出し始めるくらい
まで溶媒を減圧留去し、ヘキサンを加えて結晶を析出さ
せた。結晶を濾取し、灰白色結晶性粉末である2−
[(5−メトキシ−2−プロピニルアミノ)ベンジルス
ルフィニル]イミダゾール標題化合物0.853gを得
た。 mp:157.5〜158.0℃(分解) NMR(CDCl3−CD3OD) δ: 2.2〜2.3 (1H,m) 3.65 (3H,s) 3.84 (2H,s) 4.20,4.57(2H,each d) 6.40 (1H,d) 6.7〜6.8 (2H,m) 7.14,7.26(2H,each br ,Im−H) IR(KBr)cm-1:3386,3278,3074,
2995,2949,2899,2831,2804,
2752,2650,1591,1524,1487,
1466,1439,1423,1315,1300,
1255,1246,1225,1169,1153,
1095,1065,1039,999,943,89
5,893,868,814,773,673,64
4,505,461
【0015】参考例11 2−[[4−フルオロ−2−(2,2,2−トリフルオ
ロエチル)アミノ]ベンジルスルフィニル]イミダゾー
ル 1)4−フルオロアントラニル酸メチル(3.3g) と2,
2,2−トリフルオロエチル トリクロロメタンスルホ
ネート(8.24g)をキシレン(10ml)に溶解させ、160℃
30時間攪拌した。放冷後ジエチルエーテルと食塩水を
加え有機層を分取、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有
機層を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/クロロホルム=1/1)で精製した。
溶媒を留去し、白色結晶性粉末である4−フルオロ−N
−(2,2,2−トリフルオロエチル)アントラニル酸
メチル430mgを得た。 NMR(CDCl3)δ: 3.9(3H,s) 3.75〜3.95(2H,m) 6.4〜6.5 (2H,m) 7.9〜8.0 (1H,m) 8.4 (1H,br) 2)水素化リチウムアルミニウム (135mg)をTHF(10m
l)に懸濁させた後、氷冷下上記の4−フルオロ−N−
(2,2,2−トリフルオロエチル)アントラニル酸メ
チル(900mg) のTHF溶液(10ml)を10分間かけて添加
した。室温に戻し30分後、飽和の硫酸ナトリウム水溶
液を加え過剰の水素化リチウムアルミニウムを分解後、
セライト濾過を行なった。次にTHFを留去後、残渣に
クロロホルムおよび飽和の塩化アンモニウム水溶液を加
え有機層を分取した。クロロホルムを留去し、白色結晶
性粉末である4−フルオロ−2−(2,2,2−トリフ
ルオロエチル)アミノベンジルアルコール703mgを
得た。 NMR(CDCl3)δ: 3.7〜3.9 (2H,m) 4.66 (2H,d) 5.46 (1H,br) 6.35〜6.5(2H,m) 6.9〜7.1 (1H,m) 3)4−フルオロ−2−(2,2,2−トリフルオロエ
チル)アミノベンジルアルコール(700mg) をジクロロメ
タン(10ml)に溶解させ、氷冷下塩化チオニルのジクロロ
メタン(0.27ml/5ml)溶液を10分間かけて滴下した。さ
らに10分間攪拌後、溶媒を留去して残渣をジクロロメ
タン(5ml) に溶解させた。この溶液を2−メルカプトイ
ミダゾールのエタノール溶液 (633mg,6.2mmol/10ml) に
2分間かけて添加し、添加後室温で1時間攪拌した。エ
タノールを留去し、残渣にクロロホルムと5%炭酸ナト
リウム水を加え有機層を分取、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。クロロホルムを留去し、黄白色結晶である2−
[[4−フルオロ−2−(2,2,2−トリフルオロエ
チル)アミノ]ベンジルチオ]イミダゾール770mg
を得た。 NMR(CDCl3)δ: 3.6〜3.9 (2H,m) 4.26 (2H,s) 6.3〜6.45(2H,m) 6.4〜6.6 (1H,br) 6.9〜7.1 (1H,m) 7.03 (2H,s) 4)2−[[4−フルオロ−2−(2,2,2−トリフ
ルオロエチル)アミノ]ベンジルチオ]イミダゾール(7
50mg) をジクロロメタン(20ml)、メタノール(2ml) の混
合溶媒に溶解させ、食塩氷冷下にて80%m−クロロ過
安息香酸(462mg)を15分かけて加えた。反応終了を確
認後、クロロホルムおよび5%炭酸ナトリウム水を加え
有機層を分取した。有機層を0.01NのNaOHで洗浄し
た後、1NのNaOHを加え逆抽出した。アルカリ層をジク
ロロメタンで洗浄した後、2Nの塩化アンモニウム水溶
液を加え析出した結晶を濾過し、水で洗浄後真空乾燥さ
せ白色結晶性粉末である2−[[4−フルオロ−2−
(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]ベンジル
スルフィニル]イミダゾール404mgを得た。 mp:171.5〜172.5℃(分解) NMR(CDCl3/CD3OD=5/1)δ: 3.72 (2H,q) 4.24 (1H,d) 4.49 (1H,d) 6.3〜6.45(2H,m) 6.8〜6.9 (1H,m) 7.22 (2H,s) IR(KBr)cm-1:3350,1610,1600,
1545,1440,1320,1290,1260,
1180,1160,1140,1100,1020,
990,830,805,745
【0016】
【実施例】
実施例1 ゼラチン硬カプセル1球中に下記成分(350mg)を
含有する。 活性成分 40mg ラクトース 200 でんぷん 70 ポリビニルピロリドン 5 結晶セルロ−ス 35 実施例2 1錠(220mg)中下記成分を含有する。 活性成分 50mg ラクト−ス 103 でんぷん 50 ステアリン酸マグネシウム 2 ヒドロキシプロピルセルロース 15
【発明の効果】一般式(I)で表されるイミダゾ−ル誘
導体又は一般式(II)で表される縮合イミダゾ−ル誘導
体を含有してなる抗菌剤は、優れた抗菌作用、特にヘリ
コバクタ− ピロリに対する抗菌作用を示すので、それ
に起因する感染症の予防または治療に用いられる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 抗菌剤
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】英国特許公開第2163747号公報に
は抗潰瘍剤として有用な縮合イミダゾール誘導体が開示
され、特開平2−138263号公報及び特開平3−1
48262号公報には抗潰瘍剤として有用なイミダゾー
ル誘導体がそれぞれ開示されている。しかしながら、上
記公報には、これらの化合物が抗菌剤として有用である
旨の記載はない。また、特開平3−173817号公報
には、2−(2−ピリジル)メチルスルフィニルベンズ
イミダゾール化合物が抗菌剤として有用であることが開
示されているが、2−[[2−(N−イソブチル−N−
メチル)アミノ]ベンジルスルフィニル]ベンズイミダ
ゾールが、抗菌剤として有用である旨の記載はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近、胃粘膜に存在す
る細菌であるヘリコバクターピロリ(Helicoba
cter pylori)と消化性潰瘍、胃炎との関連
を推測させる研究が多数発表されている(医学のあゆ
み、159巻、10号、1991年、795頁)。ま
た、ヘリコバクターピロリと十二指腸潰瘍の再発との関
係を示唆する文献も発表されている。現在のところ、ヘ
リコバクターピロリを除菌するため、公知の抗菌剤の投
与が試みられている。しかしながら、未だ実用化に至っ
ていない。従って、ヘリコバクターピロリなどによる細
菌感染に用いられる有用な抗菌剤の提供が望まれてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、2−[[2
−(N−イソブチル−N−メチル)アミノ]ベンジルス
ルフィニル]ベンズイミダゾールが、抗菌剤、特にヘリ
コバクターピロリに対して優れた抗菌作用を有すること
を見い出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、2−
[[2−(N−イソブチル−N−メチル)アミノ]ベン
ジルスルフィニル]ベンズイミダゾールを含有する抗菌
剤を提供するものである。
【0005】上記の2−[[2−(N−イソブチル−N
−メチル)アミノ]ベンジルスルフィニル]ベンズイミ
ダゾールは、英国特許公開第2163747号公報、特
開平3−223262号公報に記載されている化合物で
ある。
【0006】次に、2−[[2−(N−イソブチル−N
−メチル)アミノ]ベンジルスルフィニル]ベンズイミ
ダゾールの抗菌作用について実験例を挙げて説明する。 (実験例) (1)使用薬剤 2−[[2−(N−イソブチル−N−メチル)アミノ]
ベンジルスルフィニル]ベンズイミダゾールをジメチル
スルホキシド(DMSO)に溶解し、80000μg/
mLの原液を調製し、更に、DMSOにて2段階希釈液
を作製した。 (2)MIC測定法 各薬剤の最小発育阻止濃度(MIC)は、日本化学療法
学会の寒天平板希釈法(Chemotherapy 2
9,76−77(1991))に準じて測定した。径9
cmのシャーレに薬液100μLを分注した後、10%
ウマ血液(コウジンバイオ)を含むBrucella寒
天培地(BBL)9.9mLを加え、測定用平板培地を
作製した。McFarland 0.5(10cfu
/mL)に調製した菌液を滅菌生理食塩水で希釈して1
cfu/mLの菌液を調製し、ミクロプランターで
薬剤添加平板培地に接種した。培地をCO濃度15%
のインキュベーターで35℃、6日間培養した後、発育
の有無からMIC(μg/mL)を求めた。 (3)実験結果 2−[[2−(N−イソブチル−N−メチル)アミノ]
ベンジルスルフィニル]ベンズイミダゾールのMIC
は、12.5μg/mLであり、ヘリコバクターピロリ
に対する優れた抗菌活性を有していることが明らかであ
る。
【0007】2−[[2−(N−イソブチル−N−メチ
ル)アミノ]ベンジルスルフィニル]ベンズイミダゾー
ルを含有する抗菌剤を、細菌感染・予防剤として用いる
には、通常、薬学的に許容されうる担体・希釈剤等とと
もに混合し、カプセル剤、錠剤、顆粒剤などの剤型にし
て経口投与することができる。その投与量は、成人1日
当たり約0.1〜200mg/kgであるが、患者の症
状、年令などによって適宜変更することは言うまでもな
い。また、注射剤として非経口的に投与することも可能
である。
【0008】次に実施例を挙げて本発明を説明する。
【実施例】 実施例1 ゼラチン硬カプセル1球中に下記成分(350mg)を
含有する。 活性成分(2−[[2−(N−イソブチル 40mg −N−メチル)アミノ]ベンジルスル フィニル]ベンズイミダゾール) ラクトース 200 でんぷん 70 ポリビニルピロリドン 5 結晶セルロース 35
【0009】実施例2 1錠(220mg)中下記成分を含有する。 実施例1の活性成分 50mg ラクトース 103 でんぷん 50 ステアリン酸マグネシウム 2 ヒドロキシプロビルセルロース 15
【0010】
【発明の効果】2−[[2−(N−イソブチル−N−メ
チル)アミノ]ベンジルスルフィニル]ベンズイミダゾ
ールは、優れた抗菌作用、特にヘリコバクターピロリに
対する抗菌作田を示すので、それに起因する感染症の予
防または治療に用いられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I) 【化1】 [式中、R1は、水素、炭素数1〜8のアルキル又はハ
    ロゲン置換の炭素数1〜8のアルキルを、R2は、水
    素、炭素数1〜8のアルキル、炭素数5〜8のシクロア
    ルキル、炭素数3〜8のシクロアルキル置換アルキル
    (但し、アルキルの炭素数は1〜4)、炭素数1〜4の
    アルコキシ置換の炭素数2〜6のアルキル、アラルキル
    (但し、そのアルキルの炭素数は1〜4)、置換基を有
    してもよい複素環置換アルキル(但し、アルキルの炭素
    数は1〜4)、アリ−ル、アシル、炭素数3〜9のアル
    ケニル、炭素数3〜9のアルキニル、ハロゲン置換の炭
    素数1〜8のアルキル、ハロゲン置換された炭素数1〜
    4のアルコキシ置換の炭素数2〜6のアルキル、ハロゲ
    ン置換アラルキル(但し、そのアルキルの炭素数は1〜
    4)、ハロゲン置換アシル、ハロゲン置換の炭素数3〜
    9のアルケニル、ハロゲン置換の炭素数3〜9のアルキ
    ニルを、あるいはR1およびR2はそれらが結合している
    窒素と一緒になって4〜8員環を形成してよく、R3、
    R4、R5及びR6は、水素、ハロゲン、炭素数1〜8の
    アルキル、炭素数1〜8のアルコキシ、炭素数3〜8の
    シクロアルキル置換アルコキシ(但し、アルコキシの炭
    素数は1〜4)、アラルキルオキシ(但し、そのアルキ
    ルの炭素数は1〜4)、炭素数2〜8のアルコキシカル
    ボニル、ニトロ、アシル、アミノ、ハロゲン置換の炭素
    数1〜8のアルキル又はハロゲン置換の炭素数1〜8の
    アルコキシを、R7及びR8は、水素、ハロゲン、炭素数
    1〜8のアルキル、炭素数1〜8のアルコキシ、炭素数
    2〜8のアルコキシカルボニル、ニトロ、アミノ、アシ
    ル、置換基を有してもよいアリ−ル、ハロゲン置換の炭
    素数1〜8のアルキル又はハロゲン置換の炭素数1〜8
    のアルコキシを、R9は、水素、置換基としてアリ−
    ル、水酸基、低級アルコキシ基、若しくはハロゲンで置
    換されていてもよいアルキル、置換基として低級アルキ
    ル、低級アルコキシ若しくはハロゲンで置換されていて
    もよいアリ−ル、置換基として低級アルキル、低級アル
    コキシ若しくはハロゲンで置換されていてもよいアリ−
    ルカルボニル、又は置換基を有してもよい複素環を、R
    10は、水素または炭素数1〜8のアルキルを示し、そし
    て、nは、0、1または2をそれぞれ示す]で表される
    イミダゾ−ル誘導体を含有する抗菌剤。
  2. 【請求項2】 次の一般式(II) 【化2】 [式中、R21は、水素、炭素数1〜8のアルキル又はハ
    ロゲン置換の炭素数1〜8のアルキルを、R22は、水
    素、炭素数1〜8のアルキル、炭素数5〜8のシクロア
    ルキル、炭素数3〜8のシクロアルキル置換アルキル
    (但し、アルキルの炭素数は1〜4)、炭素数1〜4の
    アルコキシ置換の炭素数2〜6のアルキル、アラルキル
    (但し、そのアルキルの炭素数は1〜4)、置換基を有
    してもよい複素環置換アルキル(但し、アルキルの炭素
    数は1〜4)、アリ−ル、アシル、炭素数3〜9のアル
    ケニル、炭素数3〜9のアルキニル、ハロゲン置換の炭
    素数1〜8のアルキル、ハロゲン置換された炭素数1〜
    4のアルコキシ置換の炭素数2〜6のアルキル、ハロゲ
    ン置換アラルキル(但し、そのアルキルの炭素数は1〜
    4)、ハロゲン置換アシル、ハロゲン置換の炭素数3〜
    9のアルケニル、ハロゲン置換の炭素数3〜9のアルキ
    ニルを、あるいはR21およびR22はそれらが結合してい
    る窒素と一緒になって4〜8員環を形成してよく、R2
    3、R24、R25、R26、R27、R28、及びR29は、水
    素、ハロゲン、炭素数1〜8のアルキル、炭素数1〜8
    のアルコキシ、炭素数3〜8のシクロアルキル置換アル
    コキシ(但し、アルコキシの炭素数は1〜4)、アラル
    キルオキシ(但し、そのアルキルの炭素数は1〜4)、
    炭素数2〜8のアルコキシカルボニル、ニトロ、アシ
    ル、アミノ、ハロゲン置換の炭素数1〜8のアルキル又
    はハロゲン置換の炭素数1〜8のアルコキシを、R30
    は、水素、置換基としてアリ−ル、水酸基、低級アルコ
    キシ基、若しくはハロゲンで置換されていてもよいアル
    キル、置換基として低級アルキル、低級アルコキシ若し
    くはハロゲンで置換されていてもよいアリ−ル、置換基
    として低級アルキル、低級アルコキシ若しくはハロゲン
    で置換されていてもよいアリ−ルカルボニル、又は置換
    基を有してもよい複素環を、R31は、水素または炭素数
    1〜8のアルキルを、Xは、NまたはC−R32(R32は
    前記のR23〜R29と同じものを意味する)を示し、そし
    て、mは、0、1または2をそれぞれ示す]で表される
    縮合イミダゾ−ル誘導体を含有する抗菌剤。
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