JPH06252549A - 接着剤被覆積層板の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリプレグと接着剤フィルムとを重ねて、加
熱加圧して接着剤被覆積層板を製造するとき、プレス熱
板間の積層効率を高める。 【構成】 プリプレグ集成体４の間に、離型用支持体２
の両面に接着剤３を塗布した両面接着剤フィルム６を挟
み、２枚の鏡板１、１で挟み、全体を加熱加圧する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アディティブ法プリン
ト配線板に用いられる、接着剤被覆積層板の製造方法に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】アディティブ法プリント配線板用積層板
の表面には、めっきによって金属を析出させて形成する
表面回路と積層板との密着性をよくするため、接着剤を
被覆している。

【０００３】接着剤被覆積層板の製造方法の一つに、プ
リプレグと接着剤フィルムとを重ねて、一体成形する方
法がある。この方法を転写法と称している。

【０００４】接着剤フィルムは、離型用支持体の片面に
接着剤を塗布し、加熱して接着剤を半硬化させたもので
ある。離型用支持体としては、アルミはく、銅はくなど
の金属はく及びポリプロピレンフィルム、ポリエチレン
フィルム、トリアセテートフィルム、ポリエステルフィ
ルム、ふっ化ビニル系フィルムなどのプラスチックスフ
ィルムが使用され、必要により離型処理を施す。接着剤
は、熱硬化性樹脂にゴム成分、充填剤及びめっき受容性
物質を配合したものである。熱硬化性樹脂としては、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂などが使用される。ゴム成
分としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プ
ロピレンゴムなどの合成ゴムが使用される。充填剤とし
てはシリカ微粉末などの金属酸化物又は水酸化アルミニ
ウムなどの金属水酸化物が使用される。めっき受容性物
質としては、塩化パラジウムがある。

【０００５】プリプレグは、熱硬化性樹脂を繊維基材に
含浸乾燥して得られる。熱硬化性樹脂としては、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂などがある。
繊維基材としてはガラス繊維のような無機質基材が主に
使用される。有機質基材が使用されることもある。

【０００６】転写法においては、図２に示すように、プ
リプレグを所定枚数重ねたプリプレグ集成体４の両側に
離型支持体２の片面に接着剤３を塗布し乾燥して得られ
た接着剤フィルム５を、接着剤３がプリプレグ集成体４
と接するように配し、全体を鏡板１ではさみ、全体を加
熱加圧して成形していた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このような方法による
と一対の鏡板１、１の間に接着剤被覆積層板１枚分の材
料しか挟めない。プレス段内の積層枚数を多くすると、
使用する鏡板の枚数が多くなるため、鏡板の厚さ分だ
け、積層効率が悪くなるという欠点があった。本発明
は、転写法を用いて接着剤被覆積層板を製造する際に、
積層効率を改善する方法を提供することを目的とするも
のである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、プリプレグ集
成体４を所定枚数及び離型用支持体２の両面に接着剤３
を塗布した接着剤フィルム６を交互に重ねて２枚の鏡板
１、１の間に挟み、全体を加熱加圧することを特徴とす
る（図１参照）。

【０００９】以下、本発明製造方法を図１に従い説明す
る。本発明の特徴は、離型用支持体２の両面に接着剤３
を塗布した両面接着剤フィルム６を使用する点にある。
まず、両面に接着剤３を塗布した両面接着剤フィルム６
及び離型用支持体２の片面に接着剤３を塗布した片面接
着剤フィルム５を用意する。次に鏡板１の上に、片面に
接着剤を塗布した片面接着剤フィルム５を接着剤面を上
にして置く。その上にプリプレグ集成体４と両面に接着
剤を塗布した両面接着剤フィルム６を重ね、さらに、プ
リプレグ集成体４を重ねる。最後に、片面に接着剤を塗
布した片面接着剤フィルム５を接着剤面を下にして重
ね、鏡板１を重ねる。プリプレグ集成体４と両面に接着
剤を塗布した接着剤フィルム６を重ねる工程は必要に応
じて繰り返し、一対の鏡板１、１の間に挟む数を多くし
てもよい。このようにすれば、鏡板使用枚数を少なくで
き、積層効率を一層向上できる。

【００１０】

【実施例】接着剤の調製 アクリロニトリル−ブタジエンゴム（日本ゼオン株式会
社 Ｎ−１０３１）５０重量％、フェノール樹脂（日立
化成工業株式会社 Ｈ−２４００）２０重量％、エポキ
シ樹脂（油化シェル株式会社 Ｅｐ−１００１）１０重
量％、シリカ微粉末（日本エアロジル株式会社 エアロ
ジル）１５重量％、ジメチルホルムアルデヒドにエポキ
シ樹脂を加えさらに塩化パラジウムを混合して得られた
めっき受容性物質（日立化成工業株式会社 ＰＥＣ−
８）４重量％及び２−エチル−４−メチルイミダゾール
１重量％よりなる組成物を溶剤に溶解した。

【００１１】両面接着剤フィルムの調製 得られた接着剤を、離型処理したポリエチレンフィルム
（厚さ７５μｍ）の両面にに塗布し、１５０℃で５分間
加熱して、接着剤層の厚さ片面３０μｍの両面接着剤フ
ィルムを得た。

【００１２】片面接着剤フィルムの調製 両面接着剤フィルムと同じ接着剤を同じポリエチレンフ
ィルムの片面に塗布して接着剤層の厚さ３０μｍの片面
接着剤フィルムを得た。

【００１３】プリプレグ集成体の調製 厚さ０．２ｍｍのガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸
し、樹脂を半硬化させてプリプレグを作製した。このプ
リプレグを７枚重ね合わせてプリプレグ集成体とした。

【００１４】積層板の調製 鏡板（ステンレス（ＳＵＳ３０１）、厚さ１．５ｍｍ）
の上に片面接着剤フィルムを置き、その上にプリプレグ
集成体を３組、間に両面接着剤フィルムを介して重ね、
片面接着剤フィルムを重ね、鏡板を重ね、温度１７０
℃、圧力４ＭＰａで７０分加熱加圧した。この方法によ
り、熱板間７０ｍｍのプレスで、加熱加圧１回で製造で
きた積層板は３０枚であった。

【００１５】比較例 片面接着剤フィルムのみを用いて、２枚の鏡板の間にプ
リプレグ集成体を２組置き、接着剤被覆積層板を作製し
た。この方法により、熱板間７０ｍｍのプレスで、加熱
加圧１回で製造できた積層板は２０枚であった。

【００１６】次に、得られた接着剤被覆積層板を、２８
８℃はんだ槽に６０秒浸漬し外観に発生するふくれの有
無を目視にて評価した。いずれもふくれ無しであった。
表面粗さはいずれも４μｍであった。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、従来の方法に比し、積
層板特性を落さず、積層効率を上げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に関する断面図である。

【図２】従来方法に関する断面図である。

【符号の説明】

１ 鏡板 ２ 離型用支持体 ３ 接着剤 ４ プリプレグ集成体 ５ 片面接着剤フィルム ６ 両面接着剤フィルム

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プリプレグを所定枚数及び離型用支持体
   の両面に接着剤を塗布した接着剤フィルムを交互に重ね
   て２枚の鏡板の間に挟み、全体を加熱加圧することを特
   徴とする接着剤被覆積層板の製造方法。