JPH06256893A - 高温強度に優れた高靭性低合金鋼 - Google Patents
高温強度に優れた高靭性低合金鋼Info
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- JPH06256893A JPH06256893A JP5069288A JP6928893A JPH06256893A JP H06256893 A JPH06256893 A JP H06256893A JP 5069288 A JP5069288 A JP 5069288A JP 6928893 A JP6928893 A JP 6928893A JP H06256893 A JPH06256893 A JP H06256893A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高温強度に優れた高靭性低合金鋼を提供す
る。この低合金鋼は特にガスタービンのロータ材、ディ
スク材として好適である。 【構成】 重量基準で、炭素0.15〜0.35%、ケイ素0.15
%以下、マンガン 1.2%以下、ニッケル 0.5〜2.0%、
クロム 2.0〜2.5%、モリブデン 0.5〜1.5%、タングス
テン 0〜1.0%、バナジウム 0.2〜0.45%を含有し、さ
らに、ニオブ 0.1%以下、タンタル 0.1%以下及び窒素
0.05%以下の中から選ばれる少なくとも1種を含有し、
残部が鉄及び不可避的不純物元素からなる合金組成を有
する。
る。この低合金鋼は特にガスタービンのロータ材、ディ
スク材として好適である。 【構成】 重量基準で、炭素0.15〜0.35%、ケイ素0.15
%以下、マンガン 1.2%以下、ニッケル 0.5〜2.0%、
クロム 2.0〜2.5%、モリブデン 0.5〜1.5%、タングス
テン 0〜1.0%、バナジウム 0.2〜0.45%を含有し、さ
らに、ニオブ 0.1%以下、タンタル 0.1%以下及び窒素
0.05%以下の中から選ばれる少なくとも1種を含有し、
残部が鉄及び不可避的不純物元素からなる合金組成を有
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タービン、特にガスタ
ービンのロータ材やディスク材用の低合金鋼に係り、さ
らに詳述すれば高温におけるクリープ破断強度及び靭性
に優れたガスタービンロータやディスクを形成するため
の低合金鋼に係る。
ービンのロータ材やディスク材用の低合金鋼に係り、さ
らに詳述すれば高温におけるクリープ破断強度及び靭性
に優れたガスタービンロータやディスクを形成するため
の低合金鋼に係る。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンやジェットエンジンのター
ビンのディスク用材料としては、従来、表1に代表され
るような3.5 Ni−Cr−Mo−V鋼(低合金鋼)、表2に代
表されるようなCr−Mo−V鋼(低合金鋼)、表3に代表
されるような12%Cr系ステンレス鋼、及び表4に代表さ
れるようなFe基耐熱合金など鍛造品が主として用いられ
てきた。
ビンのディスク用材料としては、従来、表1に代表され
るような3.5 Ni−Cr−Mo−V鋼(低合金鋼)、表2に代
表されるようなCr−Mo−V鋼(低合金鋼)、表3に代表
されるような12%Cr系ステンレス鋼、及び表4に代表さ
れるようなFe基耐熱合金など鍛造品が主として用いられ
てきた。
【0003】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】 表1に代表されるようなNiを数%含有する3.5 Ni−Cr−
Mo−V鋼(低合金鋼)ディスク材は、比較的高い強度
[0.2%耐力(以下、単に「耐力」という)70〜120Kg/
mm2]と高い靭性(25℃におけるVノッチ・シャルピー
衝撃吸収エネルギー5〜10Kg・m以上)とを兼備してお
り、溶解、鍛造、熱処理も比較的簡単で、コストが低
く、入手も容易である。しかしながら、使用温度(ディ
スクのメタル温度をいう)が300〜350℃以上になると、
このディスク材はクリープ領域に入り、材料強度の設計
上クリープを考慮する必要が生じて複雑になり、また引
張強さや耐力などの強度が長時間使用するに従って低下
し(「軟化現象」という)、さらに350〜500℃の温度範
囲で数百〜数万時間使用する際には、焼戻し脆性のため
靭性が著しく低下する。これらの現象は、主に、数%以
上のNiを含む低合金鋼からなり、焼入、焼戻しの調質を
行って強度及び靭性を改良したディスク材に見られる宿
命である。
Mo−V鋼(低合金鋼)ディスク材は、比較的高い強度
[0.2%耐力(以下、単に「耐力」という)70〜120Kg/
mm2]と高い靭性(25℃におけるVノッチ・シャルピー
衝撃吸収エネルギー5〜10Kg・m以上)とを兼備してお
り、溶解、鍛造、熱処理も比較的簡単で、コストが低
く、入手も容易である。しかしながら、使用温度(ディ
スクのメタル温度をいう)が300〜350℃以上になると、
このディスク材はクリープ領域に入り、材料強度の設計
上クリープを考慮する必要が生じて複雑になり、また引
張強さや耐力などの強度が長時間使用するに従って低下
し(「軟化現象」という)、さらに350〜500℃の温度範
囲で数百〜数万時間使用する際には、焼戻し脆性のため
靭性が著しく低下する。これらの現象は、主に、数%以
上のNiを含む低合金鋼からなり、焼入、焼戻しの調質を
行って強度及び靭性を改良したディスク材に見られる宿
命である。
【0004】また、表2に代表されるようなCr−Mo−V
鋼(低合金鋼)は、上記の3.5 Ni−Cr−Mo−V鋼と同様
コストも低く、入手も容易であり、また3.5 Ni−Cr−Mo
−V鋼のような著しい軟化現象や焼戻し脆性を示さず、
しかも使用温度が430〜480℃になるまでクリープ領域に
入らないため、3.5 Ni−Cr−Mo−V鋼よりも使用温度を
100〜200℃高くすることができる。しかしながら、その
靭性は3.5 Ni−Cr−Mo−V鋼ほどには優れておらず、特
に引張強さや耐力などを上げようとすると、靭性が著し
く低下し(例えば耐力を70〜80Kg/mm2以上の高い強度
レベルに調質すると、25℃におけるVノッチ・シャルピ
ー衝撃エネルギーが1〜2Kg・m以下となる)、そのう
え、400℃程度の温度でもクリープ領域に入り、このク
リープ温度領域において切欠弱化(切欠クリープ破断強
さが平滑クリープ破断強さより弱くなることをいう)す
る。従って、このCr−Mo−V鋼をディスク用材料として
使用する場合、強度をあまり高くする調質(焼入、焼戻
し)を行うことができず、一般に3.5 Ni−Cr−Mo−V鋼
よりも強度レベルは低く抑えられ、通常、室温における
耐力は60〜70Kg/mm2以下である。
鋼(低合金鋼)は、上記の3.5 Ni−Cr−Mo−V鋼と同様
コストも低く、入手も容易であり、また3.5 Ni−Cr−Mo
−V鋼のような著しい軟化現象や焼戻し脆性を示さず、
しかも使用温度が430〜480℃になるまでクリープ領域に
入らないため、3.5 Ni−Cr−Mo−V鋼よりも使用温度を
100〜200℃高くすることができる。しかしながら、その
靭性は3.5 Ni−Cr−Mo−V鋼ほどには優れておらず、特
に引張強さや耐力などを上げようとすると、靭性が著し
く低下し(例えば耐力を70〜80Kg/mm2以上の高い強度
レベルに調質すると、25℃におけるVノッチ・シャルピ
ー衝撃エネルギーが1〜2Kg・m以下となる)、そのう
え、400℃程度の温度でもクリープ領域に入り、このク
リープ温度領域において切欠弱化(切欠クリープ破断強
さが平滑クリープ破断強さより弱くなることをいう)す
る。従って、このCr−Mo−V鋼をディスク用材料として
使用する場合、強度をあまり高くする調質(焼入、焼戻
し)を行うことができず、一般に3.5 Ni−Cr−Mo−V鋼
よりも強度レベルは低く抑えられ、通常、室温における
耐力は60〜70Kg/mm2以下である。
【0005】さらに、表3に代表されるような12%Cr系
ステンレス鋼は、Crを多量に含有しているため、上記の
3.5 Ni−Cr−Mo−V鋼及びCr−Mo−V鋼の両低合金鋼と
比べて耐食耐酸化性に優れるが、Crを多量含有している
ばかりでなく、高温強度を改善する目的でNb,W,Mo,
Vなどの高価な合金元素が数%含有されているため、コ
ストが上記の両低合金鋼よりも2〜3倍高く、またこの
ような合金元素が多いにもかかわらず、高温における強
度や室温における靭性は上記のCr−Mo−V鋼と同様の挙
動を示し、顕著な向上は期待できない。
ステンレス鋼は、Crを多量に含有しているため、上記の
3.5 Ni−Cr−Mo−V鋼及びCr−Mo−V鋼の両低合金鋼と
比べて耐食耐酸化性に優れるが、Crを多量含有している
ばかりでなく、高温強度を改善する目的でNb,W,Mo,
Vなどの高価な合金元素が数%含有されているため、コ
ストが上記の両低合金鋼よりも2〜3倍高く、またこの
ような合金元素が多いにもかかわらず、高温における強
度や室温における靭性は上記のCr−Mo−V鋼と同様の挙
動を示し、顕著な向上は期待できない。
【0006】また、表4に代表されるようなFe基耐熱合
金は、NiやCrを多く含有しているため耐食耐酸化性に優
れており、500〜580℃以上の温度でクリープ領域に入る
ので高温強度を高くとることができ、また均一なオース
テナイト系組織のため脆性破壊を起こさず、靭性を考慮
する必要がなく、強度が溶体化・時効処理によってγ’
相[Ni3(Al・Ti)]の金属間化合物の析出硬化によりも
たらされるので、上記した低合金鋼や12%Cr系ステンレ
ス鋼のように調質(焼入、焼戻しにより、焼戻しマルテ
ンサイト組織又はベイナイト組織になる)時における質
量効果を考慮する必要がない。しかしながら、Ni,Cr,
Moなどの高価な合金元素を多量に包含しており、しかも
Al,Tiなどの活性の高い合金元素を含有しているため通
常の溶解法は適用できず、真空高周波溶解あるいは真空
アーク溶解などのより高度な溶解技術が必要であるため
コストがかなり高く、通常の低合金鋼のコストの5〜10
倍である。また最近のようにタービンが大容量化してく
ると、必要なタービンディスクも単体重量で5〜6トン
以上にもなり、このような大型のFe基耐熱合金ディスク
用鍛造品を製造することは現時点ではかなり困難であ
る。
金は、NiやCrを多く含有しているため耐食耐酸化性に優
れており、500〜580℃以上の温度でクリープ領域に入る
ので高温強度を高くとることができ、また均一なオース
テナイト系組織のため脆性破壊を起こさず、靭性を考慮
する必要がなく、強度が溶体化・時効処理によってγ’
相[Ni3(Al・Ti)]の金属間化合物の析出硬化によりも
たらされるので、上記した低合金鋼や12%Cr系ステンレ
ス鋼のように調質(焼入、焼戻しにより、焼戻しマルテ
ンサイト組織又はベイナイト組織になる)時における質
量効果を考慮する必要がない。しかしながら、Ni,Cr,
Moなどの高価な合金元素を多量に包含しており、しかも
Al,Tiなどの活性の高い合金元素を含有しているため通
常の溶解法は適用できず、真空高周波溶解あるいは真空
アーク溶解などのより高度な溶解技術が必要であるため
コストがかなり高く、通常の低合金鋼のコストの5〜10
倍である。また最近のようにタービンが大容量化してく
ると、必要なタービンディスクも単体重量で5〜6トン
以上にもなり、このような大型のFe基耐熱合金ディスク
用鍛造品を製造することは現時点ではかなり困難であ
る。
【0007】一方、近年、ガスタービンは高効率化と大
容量化が図られるようになり、前者においては、熱効率
向上のためにタービン入口ガス温度を高くする必要があ
り、従ってディスク温度も高くなり、上記の3.5 Ni−Cr
−Mo−V鋼の最高使用温度である300〜350℃以下に抑え
ることは難しく、後者においては、設計上必要とされる
ディスクの形状が大型化し、ディスク用鍛造品の単体重
量が5〜6トン以上にもなってきているなどの問題が生
じてきている。
容量化が図られるようになり、前者においては、熱効率
向上のためにタービン入口ガス温度を高くする必要があ
り、従ってディスク温度も高くなり、上記の3.5 Ni−Cr
−Mo−V鋼の最高使用温度である300〜350℃以下に抑え
ることは難しく、後者においては、設計上必要とされる
ディスクの形状が大型化し、ディスク用鍛造品の単体重
量が5〜6トン以上にもなってきているなどの問題が生
じてきている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の諸点
に鑑み、上記の3.5 Ni−Cr−Mo−V鋼やCr−Mo−V鋼な
どの低合金鋼と同等のコストで容易に入手でき、しかも
最高使用温度が400〜480℃と上記の3.5 Ni−Cr−Mo−V
鋼よりも100〜180℃高くでき、かつ上記のCr−Mo−V鋼
の強度レベルに近い強度レベルを有する新規なディスク
用低合金鋼を提供しようとするものである。ディスクの
メタル温度を400〜480℃に上げることができれば熱効率
を大幅に向上させることができ、しかも低合金鋼であれ
ば5〜6トン以上の大型鍛造品であっても容易に製造で
き、コストも高くならないという上記した近年の問題点
を解消できる。
に鑑み、上記の3.5 Ni−Cr−Mo−V鋼やCr−Mo−V鋼な
どの低合金鋼と同等のコストで容易に入手でき、しかも
最高使用温度が400〜480℃と上記の3.5 Ni−Cr−Mo−V
鋼よりも100〜180℃高くでき、かつ上記のCr−Mo−V鋼
の強度レベルに近い強度レベルを有する新規なディスク
用低合金鋼を提供しようとするものである。ディスクの
メタル温度を400〜480℃に上げることができれば熱効率
を大幅に向上させることができ、しかも低合金鋼であれ
ば5〜6トン以上の大型鍛造品であっても容易に製造で
き、コストも高くならないという上記した近年の問題点
を解消できる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量基準で、
炭素0.15〜0.35%、ケイ素0.15%以下、マンガン 1.2%
以下、ニッケル 0.5〜2.0%、クロム 2.0〜2.5%、モリ
ブデン 0.5〜1.5%、タングステン 0.5〜1.0%、バナジ
ウム 0.2〜0.45%を含有し、さらに、ニオブ0.1%以
下、タンタル 0.1%以下及び窒素0.05%以下の中から選
ばれる少なくとも1種を含有し、残部が鉄及び不可避的
不純物元素からなる合金組成を有することを特徴とする
高温強度に優れた高靭性低合金鋼に係る。
炭素0.15〜0.35%、ケイ素0.15%以下、マンガン 1.2%
以下、ニッケル 0.5〜2.0%、クロム 2.0〜2.5%、モリ
ブデン 0.5〜1.5%、タングステン 0.5〜1.0%、バナジ
ウム 0.2〜0.45%を含有し、さらに、ニオブ0.1%以
下、タンタル 0.1%以下及び窒素0.05%以下の中から選
ばれる少なくとも1種を含有し、残部が鉄及び不可避的
不純物元素からなる合金組成を有することを特徴とする
高温強度に優れた高靭性低合金鋼に係る。
【0010】本発明における上記合金組成は、従来から
ボイラや化工機に広く使用されている2.25 Cr−Mo鋼を
ベースに、従来から蒸気タービンの高圧ロータ材あるい
はガスタービンのディスク材に用いられているCr−Mo−
V鋼の合金組成を参考にして、各種の試験の結果に基づ
いて見い出されたものである。特に、本発明の低合金鋼
では、Vを0.2〜0.45%、好ましくは0.15〜0.25%とす
ることにより結晶粒微細化を図り、これによって強度を
高めて靭性の低下を防止し、また、Niの添加量を0.5〜
2.0%とし、Crの添加量を2.0〜2.5%(すなわち従来のC
r−Mo−V鋼の約2倍)とすることにより調質時のベイ
ナイト焼入性を改善し、これによって室温引張特性と高
温クリープ特性を改善している。
ボイラや化工機に広く使用されている2.25 Cr−Mo鋼を
ベースに、従来から蒸気タービンの高圧ロータ材あるい
はガスタービンのディスク材に用いられているCr−Mo−
V鋼の合金組成を参考にして、各種の試験の結果に基づ
いて見い出されたものである。特に、本発明の低合金鋼
では、Vを0.2〜0.45%、好ましくは0.15〜0.25%とす
ることにより結晶粒微細化を図り、これによって強度を
高めて靭性の低下を防止し、また、Niの添加量を0.5〜
2.0%とし、Crの添加量を2.0〜2.5%(すなわち従来のC
r−Mo−V鋼の約2倍)とすることにより調質時のベイ
ナイト焼入性を改善し、これによって室温引張特性と高
温クリープ特性を改善している。
【0011】以下に、本発明の低合金鋼の合金組成及び
その含有量についての限定理由を記す。 炭素(C):Cは焼入性を増大させ、耐力及び靭性を確
保するためには必要不可欠な元素であり、ガスタービン
のロータ材及びディスク材に必要な耐力及び靭性を発現
させるためには0.15%以上必要であるが、あまり多量に
添加すると、かえって靭性を害し、又加工性を悪くする
ので、その含有量を0.15〜0.35%とした。 ケイ素(Si):Siは溶鋼の脱酸剤として有効な元素であ
る。しかし、多量添加すると、脱酸生成物であるSiO2が
鋼中に残存して鋼の清浄度を害すると共に、靭性を低下
させ、また、クリープ破断伸び(延性)を低下させ、更
に、高温使用中の焼戻し脆性を助長するので、その含有
量を0.15%以下とした。なお、近年、真空カーボン脱酸
法やエレクトロスラグ再溶解法が適用され、必ずしもSi
脱酸を行う必要がなくなって来ており、Si量は低減され
得る。 マンガン(Mn):Mnは溶鋼の脱酸、脱硫剤として有効で
あり、また、焼入性を増大させて強度を高めるのに有効
な元素である。しかし、あまり多量添加すると靭性及び
延性を害するので、その含有量を最大1.2%とした。 ニッケル(Ni):Niは鋼の焼入性を増大させ、室温にお
ける強度及び靭性を高めるのに有効な元素であり、特に
靭性向上に有効である。また、これらの効果は、Ni及び
Cr両元素の含有量が多い場合に相乗効果により著しく増
大する。しかし、あまり多量添加すると、Niは高温強度
(クリープ強さ、クリープ破断強さ)を害し、また、焼
戻し脆性を助長するので、その含有量を0.5〜2.0%とし
た。 クロム(Cr):Crは通常の低合金鋼の添加元素として最
も重要な元素である。鋼に添加されると、Crは耐食・耐
酸化性を改善し、焼入性を増大させて、室温における引
張特性を向上させる。また、これらの効果は、Ni及びCr
の両元素の含有量が多い場合に相乗効果により著しく増
大する。更に、Crはクリープ強さやクリープ破断強さな
ど高温強度の改善にも有効な元素である。但し、2.5%
を越すと、靭性は改善されるが、高温強度の大巾な改善
は難しく、多量添加の必要はない。また、上述のように
焼入性(ベイナイト焼入性)を向上させるので、ディス
ク材の質量効果を考慮して、その含有量を2.0〜2.5%と
した。 モリブテン(Mo):MoはCrと同様に通常の低合金鋼の添
加元素として重要な元素である。鋼に添加されると、Mo
は焼入性を増大し、また、焼戻し時の焼戻し軟化抵抗を
大きくして常温における強度(引張強さ、耐力)の増大
に有効である。また、Moは固溶体強化元素として、ま
た、炭化物の生成を介しての析出強化作用元素としてク
リープ強さやクリープ破断強さなどの高温強度の向上に
非常に有効な元素である。更に、Moは0.5%程度以上添
加される場合、鋼の焼戻し脆性を阻止するため、非常に
有効な元素である。しかし、あまり多量添加しても、そ
の効果は飽和し、かえって靭性を害し、また、高価な元
素であるためコスト高にもなる。そこで、その含有量を
0.5〜1.5%とした。 タングステン(W):Wは固溶体強化元素としてクリー
プ強さやクリープ破断強さなどの高温強度の向上に非常
に有効な元素である。しかし、あまり多量添加すると凝
固偏析等大型鋳造品として好ましくない現象を生ずるの
で、その含有量を0.25〜1.0%とした。 バナジウム(V):VはMoと同様に、常温における強度
(引張強さ、耐力)の向上に有効な元素である。固溶体
強化元素として、また、炭化物の生成を介しての析出硬
化作用元素としてクリープ強さやクリープ破断強さなど
高温強度を増加させる重要な元素である。更に、Vはあ
る程度の範囲(0.2〜0.45%)の添加量であれば結晶粒
を微細化させ、靭性向上にも有効である。しかし、あま
りに多量添加すると靭性を害し、また、高価な元素であ
るためコスト高となるので、その含有量を0.2〜0.45%
とした。 ニオブ(Nb):NbはVと同様に引張強さや耐力などの常
温強度、並びにクリープ強さやクリープ破断強さなどの
高温強度の増大に有効な元素であると同時に、結晶粒を
微細化させて靭性を向上させる非常に有効な元素である
が、含有量が0.01%未満では、その効果は充分ではな
い。本発明の低合金鋼では、Nbの添加は強度の上昇をあ
まり期待するものではなく、むしろ結晶粒微細化による
靭性向上を期待するものであり、あまり多く添加すると
多量のNb炭窒化物を形成し、かえって靭性を害して有効
ではない。そこで含有量を0.1%以下とした。 タンタル(Ta):上記Nbと殆ど同じ効果を有するので、T
aの含有量を0.1%以下とした。 窒素(N):Nは窒化物の生成を介しての析出硬化作用
元素として、引張強さやクリープ破断強さを高めるため
に有効な元素であり、その含有量が0.01%未満では得ら
れる効果が乏しく、一方、0.05%を越えて添加すると靭
性が低下するので、その含有量を0.05%以下とした。 但し、Nb、Ta及びNについては、いずれか1種以上を含
有するものとする。 その他:P、S、Cuなどは不純物元素として製鋼の原材
料によって混入される不可避的なものであるが、これら
はできるだけ低い方が望ましい(ただし原材料を厳選す
るとコスト高となる)一般に、P 0.015%以下、S 0.0
10%以下、Cu 0.50%以下であることが望ましい。その
他の不純物元素としてはAl、Sn、Sb、Pb、Asなどがあ
る。
その含有量についての限定理由を記す。 炭素(C):Cは焼入性を増大させ、耐力及び靭性を確
保するためには必要不可欠な元素であり、ガスタービン
のロータ材及びディスク材に必要な耐力及び靭性を発現
させるためには0.15%以上必要であるが、あまり多量に
添加すると、かえって靭性を害し、又加工性を悪くする
ので、その含有量を0.15〜0.35%とした。 ケイ素(Si):Siは溶鋼の脱酸剤として有効な元素であ
る。しかし、多量添加すると、脱酸生成物であるSiO2が
鋼中に残存して鋼の清浄度を害すると共に、靭性を低下
させ、また、クリープ破断伸び(延性)を低下させ、更
に、高温使用中の焼戻し脆性を助長するので、その含有
量を0.15%以下とした。なお、近年、真空カーボン脱酸
法やエレクトロスラグ再溶解法が適用され、必ずしもSi
脱酸を行う必要がなくなって来ており、Si量は低減され
得る。 マンガン(Mn):Mnは溶鋼の脱酸、脱硫剤として有効で
あり、また、焼入性を増大させて強度を高めるのに有効
な元素である。しかし、あまり多量添加すると靭性及び
延性を害するので、その含有量を最大1.2%とした。 ニッケル(Ni):Niは鋼の焼入性を増大させ、室温にお
ける強度及び靭性を高めるのに有効な元素であり、特に
靭性向上に有効である。また、これらの効果は、Ni及び
Cr両元素の含有量が多い場合に相乗効果により著しく増
大する。しかし、あまり多量添加すると、Niは高温強度
(クリープ強さ、クリープ破断強さ)を害し、また、焼
戻し脆性を助長するので、その含有量を0.5〜2.0%とし
た。 クロム(Cr):Crは通常の低合金鋼の添加元素として最
も重要な元素である。鋼に添加されると、Crは耐食・耐
酸化性を改善し、焼入性を増大させて、室温における引
張特性を向上させる。また、これらの効果は、Ni及びCr
の両元素の含有量が多い場合に相乗効果により著しく増
大する。更に、Crはクリープ強さやクリープ破断強さな
ど高温強度の改善にも有効な元素である。但し、2.5%
を越すと、靭性は改善されるが、高温強度の大巾な改善
は難しく、多量添加の必要はない。また、上述のように
焼入性(ベイナイト焼入性)を向上させるので、ディス
ク材の質量効果を考慮して、その含有量を2.0〜2.5%と
した。 モリブテン(Mo):MoはCrと同様に通常の低合金鋼の添
加元素として重要な元素である。鋼に添加されると、Mo
は焼入性を増大し、また、焼戻し時の焼戻し軟化抵抗を
大きくして常温における強度(引張強さ、耐力)の増大
に有効である。また、Moは固溶体強化元素として、ま
た、炭化物の生成を介しての析出強化作用元素としてク
リープ強さやクリープ破断強さなどの高温強度の向上に
非常に有効な元素である。更に、Moは0.5%程度以上添
加される場合、鋼の焼戻し脆性を阻止するため、非常に
有効な元素である。しかし、あまり多量添加しても、そ
の効果は飽和し、かえって靭性を害し、また、高価な元
素であるためコスト高にもなる。そこで、その含有量を
0.5〜1.5%とした。 タングステン(W):Wは固溶体強化元素としてクリー
プ強さやクリープ破断強さなどの高温強度の向上に非常
に有効な元素である。しかし、あまり多量添加すると凝
固偏析等大型鋳造品として好ましくない現象を生ずるの
で、その含有量を0.25〜1.0%とした。 バナジウム(V):VはMoと同様に、常温における強度
(引張強さ、耐力)の向上に有効な元素である。固溶体
強化元素として、また、炭化物の生成を介しての析出硬
化作用元素としてクリープ強さやクリープ破断強さなど
高温強度を増加させる重要な元素である。更に、Vはあ
る程度の範囲(0.2〜0.45%)の添加量であれば結晶粒
を微細化させ、靭性向上にも有効である。しかし、あま
りに多量添加すると靭性を害し、また、高価な元素であ
るためコスト高となるので、その含有量を0.2〜0.45%
とした。 ニオブ(Nb):NbはVと同様に引張強さや耐力などの常
温強度、並びにクリープ強さやクリープ破断強さなどの
高温強度の増大に有効な元素であると同時に、結晶粒を
微細化させて靭性を向上させる非常に有効な元素である
が、含有量が0.01%未満では、その効果は充分ではな
い。本発明の低合金鋼では、Nbの添加は強度の上昇をあ
まり期待するものではなく、むしろ結晶粒微細化による
靭性向上を期待するものであり、あまり多く添加すると
多量のNb炭窒化物を形成し、かえって靭性を害して有効
ではない。そこで含有量を0.1%以下とした。 タンタル(Ta):上記Nbと殆ど同じ効果を有するので、T
aの含有量を0.1%以下とした。 窒素(N):Nは窒化物の生成を介しての析出硬化作用
元素として、引張強さやクリープ破断強さを高めるため
に有効な元素であり、その含有量が0.01%未満では得ら
れる効果が乏しく、一方、0.05%を越えて添加すると靭
性が低下するので、その含有量を0.05%以下とした。 但し、Nb、Ta及びNについては、いずれか1種以上を含
有するものとする。 その他:P、S、Cuなどは不純物元素として製鋼の原材
料によって混入される不可避的なものであるが、これら
はできるだけ低い方が望ましい(ただし原材料を厳選す
るとコスト高となる)一般に、P 0.015%以下、S 0.0
10%以下、Cu 0.50%以下であることが望ましい。その
他の不純物元素としてはAl、Sn、Sb、Pb、Asなどがあ
る。
【0012】
【実施例1−6】表5に示す合金組成を有する本発明の
低合金鋼(合金A〜F)を実験室的規模の真空溶解炉に
て溶解し、50Kg鋼塊を溶製した。
低合金鋼(合金A〜F)を実験室的規模の真空溶解炉に
て溶解し、50Kg鋼塊を溶製した。
【表5】 これらの鋼塊から、実機のガスタービンディスク材を想
定して加熱・鍛造工程(据込1/2.8U、鍛伸3.7Sの鍛
練)を行って小型鍛造材を製作した。その後、この鍛造
材を結晶粒度調整を目的とする予備熱処理(例えば、10
50℃空冷及び650℃空冷)に供した。この鍛造材につい
て直径1500mm、厚さ200mmのディスク材を想定して中心
部及び表層部の焼入冷却速度をシミュレートした熱処理
をそれぞれ行った。すなわち、950℃で加熱して完全に
オーステナイト化した後、ディスク中心部の焼入冷却速
度(950〜300℃の平均)約5℃/分及びディスク表層部
の焼入冷却速度(950〜300℃の平均)約20℃/分の2と
おりの冷却速度で焼入れし、その後、それぞれ660℃で
焼戻しを行い、ガスタービンディスク材の設計に必要な
強度、すなわち室温における0.2%耐力が〜80Kg/mm2と
なるように調整して供試材A〜Fとした。また、これら
本発明の低合金鋼の他に、現状のCr−Mo−V鋼を前記と
同じようにして溶製し(合金G:1Cr−1Mo−1/4V
鋼)、同様に処理してガスタービンディスク材を調製し
(比較材G)、両者の性状を比較した。
定して加熱・鍛造工程(据込1/2.8U、鍛伸3.7Sの鍛
練)を行って小型鍛造材を製作した。その後、この鍛造
材を結晶粒度調整を目的とする予備熱処理(例えば、10
50℃空冷及び650℃空冷)に供した。この鍛造材につい
て直径1500mm、厚さ200mmのディスク材を想定して中心
部及び表層部の焼入冷却速度をシミュレートした熱処理
をそれぞれ行った。すなわち、950℃で加熱して完全に
オーステナイト化した後、ディスク中心部の焼入冷却速
度(950〜300℃の平均)約5℃/分及びディスク表層部
の焼入冷却速度(950〜300℃の平均)約20℃/分の2と
おりの冷却速度で焼入れし、その後、それぞれ660℃で
焼戻しを行い、ガスタービンディスク材の設計に必要な
強度、すなわち室温における0.2%耐力が〜80Kg/mm2と
なるように調整して供試材A〜Fとした。また、これら
本発明の低合金鋼の他に、現状のCr−Mo−V鋼を前記と
同じようにして溶製し(合金G:1Cr−1Mo−1/4V
鋼)、同様に処理してガスタービンディスク材を調製し
(比較材G)、両者の性状を比較した。
【0013】供試材A〜F及び比較材Gについて行った
引張試験及び衝撃試験の結果を表6に示す。また、供試
材A〜F及び比較材Gのクリープ破断強さをラーソン・
ミラー・パラメータで整理し、その結果を金属材料技術
研究所のクリープ・データ・シートNo.9A(従来の高
圧ロータ材Cr−Mo−V鋼のデータ)と比較して図1に示
す。すなわち、図1は、ラーソン・ミラー・パラメータ
T(20+log t)×10-3[ここで、Tはクリープ試験温
度(°K)、tはクリープ破断時間(hr)である]と応力
(Kg/mm2)との関係を示すもので、データの符号は次
の通りである。 供試材A:○表層部、●中心部 供試材B:◇表層部、◆中心部 供試材C:□表層部、■中心部 供試材D:△表層部、▲中心部 供試材E:▽表層部、▼中心部 供試材F:☆表層部、★中心部 比較材G:#表層部、※中心部
引張試験及び衝撃試験の結果を表6に示す。また、供試
材A〜F及び比較材Gのクリープ破断強さをラーソン・
ミラー・パラメータで整理し、その結果を金属材料技術
研究所のクリープ・データ・シートNo.9A(従来の高
圧ロータ材Cr−Mo−V鋼のデータ)と比較して図1に示
す。すなわち、図1は、ラーソン・ミラー・パラメータ
T(20+log t)×10-3[ここで、Tはクリープ試験温
度(°K)、tはクリープ破断時間(hr)である]と応力
(Kg/mm2)との関係を示すもので、データの符号は次
の通りである。 供試材A:○表層部、●中心部 供試材B:◇表層部、◆中心部 供試材C:□表層部、■中心部 供試材D:△表層部、▲中心部 供試材E:▽表層部、▼中心部 供試材F:☆表層部、★中心部 比較材G:#表層部、※中心部
【表6】 表6から明らかなように、供試材及び比較材のいずれも
室温における耐力は80Kgf/mm2以上の強度レベルとなっ
ており、ガスタービンディスク材として十分な強度を有
している。また、図2に示す平滑−切欠組合せ試験片を
用いて行ったクリープ破断試験では、いずれの試験条件
下でも平滑で破断しており、切欠強化で良好である。そ
の上、本発明による鋼の供試材A〜Fのクリープ破断強
度は、比較材G及び従来の高圧ロータ材Cr−Mo−V鋼デ
ータバンドの上限を上回っている。これを480℃×105h
でのクリープ破断強度で比較すると、本発明に係る鋼は
σ=36Kg/mm2、従来のCr−Mo−V鋼はσ=30Kg/mm2と
なり、従来のCr−Mo−V鋼に比べて高温強度が向上して
いる。なお、伸び・絞りも一般のディスク材で要求され
る伸び16%以上、絞り45%以上の各条件を十分に満足す
るものであった。
室温における耐力は80Kgf/mm2以上の強度レベルとなっ
ており、ガスタービンディスク材として十分な強度を有
している。また、図2に示す平滑−切欠組合せ試験片を
用いて行ったクリープ破断試験では、いずれの試験条件
下でも平滑で破断しており、切欠強化で良好である。そ
の上、本発明による鋼の供試材A〜Fのクリープ破断強
度は、比較材G及び従来の高圧ロータ材Cr−Mo−V鋼デ
ータバンドの上限を上回っている。これを480℃×105h
でのクリープ破断強度で比較すると、本発明に係る鋼は
σ=36Kg/mm2、従来のCr−Mo−V鋼はσ=30Kg/mm2と
なり、従来のCr−Mo−V鋼に比べて高温強度が向上して
いる。なお、伸び・絞りも一般のディスク材で要求され
る伸び16%以上、絞り45%以上の各条件を十分に満足す
るものであった。
【0014】一方、衝撃特性に関しては、ガスタービン
ディスク材の50%FATTの目標値は+80℃以下であるが、
本発明の鋼に係る供試材A〜Fはいずれの場合も目標値
以下であり、充分な靭性を有していることがわかる。こ
れに対し、現状の1Cr−1Mo−1/4V鋼である比較材G
は、中心部におけるFATTが110℃と高く、ガスタービン
ディスク材としての靭性については若干信頼性の点で問
題があり、改善が必要である。一方、本発明の鋼の中心
部のFATTは、供試材Aが+72℃であり、供試材B+68
℃、供試材C+66℃、供試材D+45℃、供試材E+48
℃、供試材F+47℃であり、目標値に比較して低く、靭
性は大巾に改善されている。
ディスク材の50%FATTの目標値は+80℃以下であるが、
本発明の鋼に係る供試材A〜Fはいずれの場合も目標値
以下であり、充分な靭性を有していることがわかる。こ
れに対し、現状の1Cr−1Mo−1/4V鋼である比較材G
は、中心部におけるFATTが110℃と高く、ガスタービン
ディスク材としての靭性については若干信頼性の点で問
題があり、改善が必要である。一方、本発明の鋼の中心
部のFATTは、供試材Aが+72℃であり、供試材B+68
℃、供試材C+66℃、供試材D+45℃、供試材E+48
℃、供試材F+47℃であり、目標値に比較して低く、靭
性は大巾に改善されている。
【0015】これから明らかなように、室温における耐
力が80Kg/mm2であり、常温強度に優れ、かつ靭性も改
善されており、さらにクリープ破断強さは従来の高圧ロ
ータ材の約1.2倍の高温強度レベルの優れた性状を有し
ている。
力が80Kg/mm2であり、常温強度に優れ、かつ靭性も改
善されており、さらにクリープ破断強さは従来の高圧ロ
ータ材の約1.2倍の高温強度レベルの優れた性状を有し
ている。
【0016】なお、上記の結果から推定される許容応力
線図を図3に示す。図中、曲線1は耐力/1.5を示し、
曲線2は引張強さ/2.5、曲線3は105hrクリープ破断強
さを示す。図3から明らかなように、約480℃まではク
リープ領域に入らず許容応力を設定でき、許容応力は従
来のCr−Mo−V鋼よりも10Kg/mm2高くとることが可能
となる。
線図を図3に示す。図中、曲線1は耐力/1.5を示し、
曲線2は引張強さ/2.5、曲線3は105hrクリープ破断強
さを示す。図3から明らかなように、約480℃まではク
リープ領域に入らず許容応力を設定でき、許容応力は従
来のCr−Mo−V鋼よりも10Kg/mm2高くとることが可能
となる。
【0017】さらに、上記の結果から推定される本発明
の鋼に係るC+V含有量及びNb+N含有量の範囲を図4
に示す。すなわち、下記の通りである。 0.5 ≦ C+V含有量(%)≦ 0.7 0.03 ≦ Nb+N含有量(%)≦ 0.07
の鋼に係るC+V含有量及びNb+N含有量の範囲を図4
に示す。すなわち、下記の通りである。 0.5 ≦ C+V含有量(%)≦ 0.7 0.03 ≦ Nb+N含有量(%)≦ 0.07
【0018】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は、室温強度、
高温強度及び靭性に優れ、従来のものよりも信頼性が高
く、また、より大型のガスタービンディスクに適したロ
ータ材及びディスク材を得ることができる。本発明によ
る低合金鋼は用途によっては蒸気タービンロータ材とし
ても使用される。
高温強度及び靭性に優れ、従来のものよりも信頼性が高
く、また、より大型のガスタービンディスクに適したロ
ータ材及びディスク材を得ることができる。本発明によ
る低合金鋼は用途によっては蒸気タービンロータ材とし
ても使用される。
【図1】本発明のディスク材のクリープ破断強さのラー
ソン・ミラー・パラメータと応力との関係を示す図であ
る。
ソン・ミラー・パラメータと応力との関係を示す図であ
る。
【図2】ラーソン・ミラー・パラメータ測定に使用した
クリープ破断試験片(平滑−切欠組合せ型)の断面図で
ある。
クリープ破断試験片(平滑−切欠組合せ型)の断面図で
ある。
【図3】推定許容応力線図を示すグラフである。
【図4】本発明の鋼に係るC+V含有量及びNb+N含有
量の範囲を示す図である。
量の範囲を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量基準で、
炭素0.15〜0.35%、ケイ素0.15%以下、マンガン 1.2%
以下、ニッケル 0.5〜2.0%、クロム 2.0〜2.5%、モリ
ブデン 0.5〜1.5%、タングステン 0〜1.0%、バナジ
ウム 0.2〜0.45%を含有し、さらに、ニオブ 0.1%以
下、タンタル 0.1%以下及び窒素0.05%以下の中から選
ばれる少なくとも1種を含有し、残部が鉄及び不可避的
不純物元素からなる合金組成を有することを特徴とする
高温強度に優れた高靭性低合金鋼に係る。
炭素0.15〜0.35%、ケイ素0.15%以下、マンガン 1.2%
以下、ニッケル 0.5〜2.0%、クロム 2.0〜2.5%、モリ
ブデン 0.5〜1.5%、タングステン 0〜1.0%、バナジ
ウム 0.2〜0.45%を含有し、さらに、ニオブ 0.1%以
下、タンタル 0.1%以下及び窒素0.05%以下の中から選
ばれる少なくとも1種を含有し、残部が鉄及び不可避的
不純物元素からなる合金組成を有することを特徴とする
高温強度に優れた高靭性低合金鋼に係る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】以下に、本発明の低合金鋼の合金組成及び
その含有量についての限定理由を記す。 炭素(C):Cは焼入性を増大させ、耐力及び靭性を確
保するためには必要不可欠な元素であり、ガスタービン
のロータ材及びディスク材に必要な耐力及び靭性を発現
させるためには0.15%以上必要であるが、あまり多量に
添加すると、かえって靭性を害し、又加工性を悪くする
ので、その含有量を0.15〜0.35%とした。 ケイ素(Si):Siは溶鋼の脱酸剤として有効な元素であ
る。しかし、多量添加すると、脱酸生成物であるSiO2が
鋼中に残存して鋼の清浄度を害すると共に、靭性を低下
させ、また、クリープ破断伸び(延性)を低下させ、更
に、高温使用中の焼戻し脆性を助長するので、その含有
量を0.15%以下とした。なお、近年、真空カーボン脱酸
法やエレクトロスラグ再溶解法が適用され、必ずしもSi
脱酸を行う必要がなくなって来ており、Si量は低減され
得る。 マンガン(Mn):Mnは溶鋼の脱酸、脱硫剤として有効で
あり、また、焼入性を増大させて強度を高めるのに有効
な元素である。しかし、あまり多量添加すると靭性及び
延性を害するので、その含有量を最大1.2%とした。 ニッケル(Ni):Niは鋼の焼入性を増大させ、室温にお
ける強度及び靭性を高めるのに有効な元素であり、特に
靭性向上に有効である。また、これらの効果は、Ni及び
Cr両元素の含有量が多い場合に相乗効果により著しく増
大する。しかし、あまり多量添加すると、Niは高温強度
(クリープ強さ、クリープ破断強さ)を害し、また、焼
戻し脆性を助長するので、その含有量を0.5〜2.0%とし
た。 クロム(Cr):Crは通常の低合金鋼の添加元素として最
も重要な元素である。鋼に添加されると、Crは耐食・耐
酸化性を改善し、焼入性を増大させて、室温における引
張特性を向上させる。また、これらの効果は、Ni及びCr
の両元素の含有量が多い場合に相乗効果により著しく増
大する。更に、Crはクリープ強さやクリープ破断強さな
ど高温強度の改善にも有効な元素である。但し、2.5%
を越すと、靭性は改善されるが、高温強度の大巾な改善
は難しく、多量添加の必要はない。また、上述のように
焼入性(ベイナイト焼入性)を向上させるので、ディス
ク材の質量効果を考慮して、その含有量を2.0〜2.5%と
した。 モリブテン(Mo):MoはCrと同様に通常の低合金鋼の添
加元素として重要な元素である。鋼に添加されると、Mo
は焼入性を増大し、また、焼戻し時の焼戻し軟化抵抗を
大きくして常温における強度(引張強さ、耐力)の増大
に有効である。また、Moは固溶体強化元素として、ま
た、炭化物の生成を介しての析出強化作用元素としてク
リープ強さやクリープ破断強さなどの高温強度の向上に
非常に有効な元素である。更に、Moは0.5%程度以上添
加される場合、鋼の焼戻し脆性を阻止するため、非常に
有効な元素である。しかし、あまり多量添加しても、そ
の効果は飽和し、かえって靭性を害し、また、高価な元
素であるためコスト高にもなる。そこで、その含有量を
0.5〜1.5%とした。 タングステン(W):Wは、本発明の低合金鋼の合金組
成中に存在する場合、固溶体強化元素としてクリープ強
さやクリープ破断強さなどの高温強度の向上に非常に有
効な元素である。しかし、あまり多量添加すると凝固偏
析等大型鋳造品として好ましくない現象を生ずるので、
その含有量を1.0%以下とした。 バナジウム(V):VはMoと同様に、常温における強度
(引張強さ、耐力)の向上に有効な元素である。固溶体
強化元素として、また、炭化物の生成を介しての析出硬
化作用元素としてクリープ強さやクリープ破断強さなど
高温強度を増加させる重要な元素である。更に、Vはあ
る程度の範囲(0.2〜0.45%)の添加量であれば結晶粒
を微細化させ、靭性向上にも有効である。しかし、あま
りに多量添加すると靭性を害し、また、高価な元素であ
るためコスト高となるので、その含有量を0.2〜0.45%
とした。 ニオブ(Nb):NbはVと同様に引張強さや耐力などの常
温強度、並びにクリープ強さやクリープ破断強さなどの
高温強度の増大に有効な元素であると同時に、結晶粒を
微細化させて靭性を向上させる非常に有効な元素である
が、含有量が0.01%未満では、その効果は充分ではな
い。本発明の低合金鋼では、Nbの添加は強度の上昇をあ
まり期待するものではなく、むしろ結晶粒微細化による
靭性向上を期待するものであり、あまり多く添加すると
多量のNb炭窒化物を形成し、かえって靭性を害して有効
ではない。そこで含有量を0.1%以下とした。 タンタル(Ta):上記Nbと殆ど同じ効果を有するので、T
aの含有量を0.1%以下とした。 窒素(N):Nは窒化物の生成を介しての析出硬化作用
元素として、引張強さやクリープ破断強さを高めるため
に有効な元素であり、その含有量が0.01%未満では得ら
れる効果が乏しく、一方、0.05%を越えて添加すると靭
性が低下するので、その含有量を0.05%以下とした。 但し、Nb、Ta及びNについては、いずれか1種以上を含
有するものとする。 その他:P、S、Cuなどは不純物元素として製鋼の原材
料によって混入される不可避的なものであるが、これら
はできるだけ低い方が望ましい(ただし原材料を厳選す
るとコスト高となる)一般に、P 0.015%以下、S 0.0
10%以下、Cu 0.50%以下であることが望ましい。その
他の不純物元素としてはAl、Sn、Sb、Pb、Asなどがあ
る。
その含有量についての限定理由を記す。 炭素(C):Cは焼入性を増大させ、耐力及び靭性を確
保するためには必要不可欠な元素であり、ガスタービン
のロータ材及びディスク材に必要な耐力及び靭性を発現
させるためには0.15%以上必要であるが、あまり多量に
添加すると、かえって靭性を害し、又加工性を悪くする
ので、その含有量を0.15〜0.35%とした。 ケイ素(Si):Siは溶鋼の脱酸剤として有効な元素であ
る。しかし、多量添加すると、脱酸生成物であるSiO2が
鋼中に残存して鋼の清浄度を害すると共に、靭性を低下
させ、また、クリープ破断伸び(延性)を低下させ、更
に、高温使用中の焼戻し脆性を助長するので、その含有
量を0.15%以下とした。なお、近年、真空カーボン脱酸
法やエレクトロスラグ再溶解法が適用され、必ずしもSi
脱酸を行う必要がなくなって来ており、Si量は低減され
得る。 マンガン(Mn):Mnは溶鋼の脱酸、脱硫剤として有効で
あり、また、焼入性を増大させて強度を高めるのに有効
な元素である。しかし、あまり多量添加すると靭性及び
延性を害するので、その含有量を最大1.2%とした。 ニッケル(Ni):Niは鋼の焼入性を増大させ、室温にお
ける強度及び靭性を高めるのに有効な元素であり、特に
靭性向上に有効である。また、これらの効果は、Ni及び
Cr両元素の含有量が多い場合に相乗効果により著しく増
大する。しかし、あまり多量添加すると、Niは高温強度
(クリープ強さ、クリープ破断強さ)を害し、また、焼
戻し脆性を助長するので、その含有量を0.5〜2.0%とし
た。 クロム(Cr):Crは通常の低合金鋼の添加元素として最
も重要な元素である。鋼に添加されると、Crは耐食・耐
酸化性を改善し、焼入性を増大させて、室温における引
張特性を向上させる。また、これらの効果は、Ni及びCr
の両元素の含有量が多い場合に相乗効果により著しく増
大する。更に、Crはクリープ強さやクリープ破断強さな
ど高温強度の改善にも有効な元素である。但し、2.5%
を越すと、靭性は改善されるが、高温強度の大巾な改善
は難しく、多量添加の必要はない。また、上述のように
焼入性(ベイナイト焼入性)を向上させるので、ディス
ク材の質量効果を考慮して、その含有量を2.0〜2.5%と
した。 モリブテン(Mo):MoはCrと同様に通常の低合金鋼の添
加元素として重要な元素である。鋼に添加されると、Mo
は焼入性を増大し、また、焼戻し時の焼戻し軟化抵抗を
大きくして常温における強度(引張強さ、耐力)の増大
に有効である。また、Moは固溶体強化元素として、ま
た、炭化物の生成を介しての析出強化作用元素としてク
リープ強さやクリープ破断強さなどの高温強度の向上に
非常に有効な元素である。更に、Moは0.5%程度以上添
加される場合、鋼の焼戻し脆性を阻止するため、非常に
有効な元素である。しかし、あまり多量添加しても、そ
の効果は飽和し、かえって靭性を害し、また、高価な元
素であるためコスト高にもなる。そこで、その含有量を
0.5〜1.5%とした。 タングステン(W):Wは、本発明の低合金鋼の合金組
成中に存在する場合、固溶体強化元素としてクリープ強
さやクリープ破断強さなどの高温強度の向上に非常に有
効な元素である。しかし、あまり多量添加すると凝固偏
析等大型鋳造品として好ましくない現象を生ずるので、
その含有量を1.0%以下とした。 バナジウム(V):VはMoと同様に、常温における強度
(引張強さ、耐力)の向上に有効な元素である。固溶体
強化元素として、また、炭化物の生成を介しての析出硬
化作用元素としてクリープ強さやクリープ破断強さなど
高温強度を増加させる重要な元素である。更に、Vはあ
る程度の範囲(0.2〜0.45%)の添加量であれば結晶粒
を微細化させ、靭性向上にも有効である。しかし、あま
りに多量添加すると靭性を害し、また、高価な元素であ
るためコスト高となるので、その含有量を0.2〜0.45%
とした。 ニオブ(Nb):NbはVと同様に引張強さや耐力などの常
温強度、並びにクリープ強さやクリープ破断強さなどの
高温強度の増大に有効な元素であると同時に、結晶粒を
微細化させて靭性を向上させる非常に有効な元素である
が、含有量が0.01%未満では、その効果は充分ではな
い。本発明の低合金鋼では、Nbの添加は強度の上昇をあ
まり期待するものではなく、むしろ結晶粒微細化による
靭性向上を期待するものであり、あまり多く添加すると
多量のNb炭窒化物を形成し、かえって靭性を害して有効
ではない。そこで含有量を0.1%以下とした。 タンタル(Ta):上記Nbと殆ど同じ効果を有するので、T
aの含有量を0.1%以下とした。 窒素(N):Nは窒化物の生成を介しての析出硬化作用
元素として、引張強さやクリープ破断強さを高めるため
に有効な元素であり、その含有量が0.01%未満では得ら
れる効果が乏しく、一方、0.05%を越えて添加すると靭
性が低下するので、その含有量を0.05%以下とした。 但し、Nb、Ta及びNについては、いずれか1種以上を含
有するものとする。 その他:P、S、Cuなどは不純物元素として製鋼の原材
料によって混入される不可避的なものであるが、これら
はできるだけ低い方が望ましい(ただし原材料を厳選す
るとコスト高となる)一般に、P 0.015%以下、S 0.0
10%以下、Cu 0.50%以下であることが望ましい。その
他の不純物元素としてはAl、Sn、Sb、Pb、Asなどがあ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】重量基準で、炭素0.15〜0.35%、ケイ素0.
15%以下、マンガン 1.2%以下、ニッケル 0.5〜2.0
%、クロム 2.0〜2.5%、モリブデン 0.5〜1.5%、タン
グステン 0.5〜1.0%、バナジウム 0.2〜0.45%を含有
し、さらに、ニオブ 0.1%以下、タンタル 0.1%以下及
び窒素0.05%以下の中から選ばれる少なくとも1種を含
有し、残部が鉄及び不可避的不純物元素からなる合金組
成を有することを特徴とする、高温強度に優れた高靭性
低合金鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5069288A JPH06256893A (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 高温強度に優れた高靭性低合金鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5069288A JPH06256893A (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 高温強度に優れた高靭性低合金鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06256893A true JPH06256893A (ja) | 1994-09-13 |
Family
ID=13398266
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5069288A Pending JPH06256893A (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 高温強度に優れた高靭性低合金鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06256893A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5716468A (en) * | 1994-12-26 | 1998-02-10 | The Japan Steel Works, Ltd. | Process for producing high-and low-pressure integral-type turbine rotor |
EP1637615A1 (en) * | 2004-09-16 | 2006-03-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Heat-resisting steel, heat treatment method for heat-resisting steel and high-temperature steam turbine rotor |
WO2021131805A1 (ja) * | 2019-12-25 | 2021-07-01 | 三菱パワー株式会社 | タービンロータ材料 |
-
1993
- 1993-03-04 JP JP5069288A patent/JPH06256893A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5716468A (en) * | 1994-12-26 | 1998-02-10 | The Japan Steel Works, Ltd. | Process for producing high-and low-pressure integral-type turbine rotor |
EP1637615A1 (en) * | 2004-09-16 | 2006-03-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Heat-resisting steel, heat treatment method for heat-resisting steel and high-temperature steam turbine rotor |
WO2021131805A1 (ja) * | 2019-12-25 | 2021-07-01 | 三菱パワー株式会社 | タービンロータ材料 |
JP2021102802A (ja) * | 2019-12-25 | 2021-07-15 | 三菱パワー株式会社 | タービンロータ材料 |
CN114667361A (zh) * | 2019-12-25 | 2022-06-24 | 三菱重工业株式会社 | 涡轮转子材料 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020129 |