JPH0624168A - 平版印刷版用支持体の製造方法 - Google Patents
平版印刷版用支持体の製造方法Info
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- JPH0624168A JPH0624168A JP20423592A JP20423592A JPH0624168A JP H0624168 A JPH0624168 A JP H0624168A JP 20423592 A JP20423592 A JP 20423592A JP 20423592 A JP20423592 A JP 20423592A JP H0624168 A JPH0624168 A JP H0624168A
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- aluminum
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 外観上のむらがなく、平版印刷版用支持体と
して好適な、充分均一な凹凸をもつ平版印刷版用支持体
の製造方法を提供する。 【構成】 弾性のあるプラスチックシートにアルミナの
微細粒子を塗布・乾燥した表面をJIS1050アルミ
ニウム板で上下からはりあわせ、金属製のロール間を通
過させ、微細粒子を塗布した面のパターンをアルミニウ
ム板に転写させた。このときのニップロールのクリアラ
ンスはプラスチックシートとアルミニウム板を合わせた
ときの厚さよりも、0.2mm狭くした。転写後のアル
ミニウム板の伸び率は15%であった。微細粒子の平均
粒径を0.3μm〜40μmまで9条件に変化させた。
このプラスチックシートとアルミニウム板の表面を走査
型電子顕微鏡で観察したところ、プラスチックシートに
微細粒子を塗布・乾燥した表面のパターンに相当する微
細な凹凸が形成されていた。
して好適な、充分均一な凹凸をもつ平版印刷版用支持体
の製造方法を提供する。 【構成】 弾性のあるプラスチックシートにアルミナの
微細粒子を塗布・乾燥した表面をJIS1050アルミ
ニウム板で上下からはりあわせ、金属製のロール間を通
過させ、微細粒子を塗布した面のパターンをアルミニウ
ム板に転写させた。このときのニップロールのクリアラ
ンスはプラスチックシートとアルミニウム板を合わせた
ときの厚さよりも、0.2mm狭くした。転写後のアル
ミニウム板の伸び率は15%であった。微細粒子の平均
粒径を0.3μm〜40μmまで9条件に変化させた。
このプラスチックシートとアルミニウム板の表面を走査
型電子顕微鏡で観察したところ、プラスチックシートに
微細粒子を塗布・乾燥した表面のパターンに相当する微
細な凹凸が形成されていた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は印刷版用支持体に関する
ものであり、特にオフセット印刷版用に適する粗面化さ
れたアルミニウム板からなる印刷版用支持体の製造方法
に関するものである。
ものであり、特にオフセット印刷版用に適する粗面化さ
れたアルミニウム板からなる印刷版用支持体の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、平版印刷版用支持体としてア
ルミニウム板が広く使用されているが、その上に設けら
れる感光層との密着性を良好にし、且つそれを用いて作
成される平版印刷版の非画像部(印刷時に使用される湿
し水を受容し、油性インクを反発する領域で、支持体の
表面が露出している領域がこれを担う)の保水性を改善
することを目的として、アルミニウム板の表面は粗面化
されるのが通例である。この粗面化の処理は、いわゆる
砂目立てと称され、平版印刷版用支持体の調製において
は不可欠の工程で、しかも相当の熟練度を必要とする作
業である。この砂目立てはボールグレイン、ワイヤーグ
レイン、ブラシグレイン等の機械的な粗面化方法と電気
的な粗面化方法に大別される。ボールグレインの場合に
はボールの材質、研磨剤の種類、研磨の際の水分の調整
等、熟練を要する因子が多く、また作業を連続的に行な
うことは不可能で一枚一枚仕上げる必要がある。又ワイ
ヤーグレインは、得られる砂目が不均一である。これに
対してブラシグレインは、これ等の方法を改良したもの
であって、均一な砂目のものが得られ、連続的処理が可
能であるので、大量生産に向いている。しかし、上記機
械的な方法では、印刷版用支持体として十分な性能を得
るのが難しかった。
ルミニウム板が広く使用されているが、その上に設けら
れる感光層との密着性を良好にし、且つそれを用いて作
成される平版印刷版の非画像部(印刷時に使用される湿
し水を受容し、油性インクを反発する領域で、支持体の
表面が露出している領域がこれを担う)の保水性を改善
することを目的として、アルミニウム板の表面は粗面化
されるのが通例である。この粗面化の処理は、いわゆる
砂目立てと称され、平版印刷版用支持体の調製において
は不可欠の工程で、しかも相当の熟練度を必要とする作
業である。この砂目立てはボールグレイン、ワイヤーグ
レイン、ブラシグレイン等の機械的な粗面化方法と電気
的な粗面化方法に大別される。ボールグレインの場合に
はボールの材質、研磨剤の種類、研磨の際の水分の調整
等、熟練を要する因子が多く、また作業を連続的に行な
うことは不可能で一枚一枚仕上げる必要がある。又ワイ
ヤーグレインは、得られる砂目が不均一である。これに
対してブラシグレインは、これ等の方法を改良したもの
であって、均一な砂目のものが得られ、連続的処理が可
能であるので、大量生産に向いている。しかし、上記機
械的な方法では、印刷版用支持体として十分な性能を得
るのが難しかった。
【0003】一般に表面粗さが大きいと水持ち(即ち、
保水性)が良くなると言われており、水持ちを良くする
ためや印刷し易くする目的の平版印刷版を作成する場合
には、その支持体の表面形状はできるだけ均一な凹凸を
もっているものが好ましいとされている。このような好
ましい表面形状が得られる方法として、電気化学的な粗
面化方法が着目されている。この方法による場合には、
電解液の組成、温度、電解条件などの諸条件を一定に維
持しておけば、一定の粗面化表面を有するアルミニウム
板が得られるが、それ等の電解条件の巾が非常に狭く、
従って、そのような範囲内に常に保つように調整して電
解することは、極めて困難である。又電気化学的な粗面
化は、その電力消費が大であるので経済的な見地からも
問題がある。しかも、電解によって、電解液中にアルミ
ニウムイオンが相当量蓄積されていき、この廃液の処理
に対する人件費及び薬品代が、かなりの金額に達する欠
点があった。
保水性)が良くなると言われており、水持ちを良くする
ためや印刷し易くする目的の平版印刷版を作成する場合
には、その支持体の表面形状はできるだけ均一な凹凸を
もっているものが好ましいとされている。このような好
ましい表面形状が得られる方法として、電気化学的な粗
面化方法が着目されている。この方法による場合には、
電解液の組成、温度、電解条件などの諸条件を一定に維
持しておけば、一定の粗面化表面を有するアルミニウム
板が得られるが、それ等の電解条件の巾が非常に狭く、
従って、そのような範囲内に常に保つように調整して電
解することは、極めて困難である。又電気化学的な粗面
化は、その電力消費が大であるので経済的な見地からも
問題がある。しかも、電解によって、電解液中にアルミ
ニウムイオンが相当量蓄積されていき、この廃液の処理
に対する人件費及び薬品代が、かなりの金額に達する欠
点があった。
【0004】また、アルミニウム表面に凹凸をつける方
法として、反転グレイニング面を有する圧延ロールを用
いる方法が、特開昭55−74898号公報で公知とな
っているが、ロールに印刷版用支持体として好適な微細
な反転グレイニング面を形成させることが非常に難しい
という欠点がある。特開昭60−36195号公報、特
開昭60−36196号公報ではロールによって長軸平
均長さ10〜140μm、短軸平均長さ7〜80μmの
楕円状のプレス凹部を形成させた後に化学的または電気
化学的に1〜10μmの微細凹凸を形成させる方法が記
されている。特開昭60−203496号公報では平均
直径10〜100μmの凹凸をエンボス加工したロール
により転写した後に化学的なエッチング処理と電気化学
的なエッチング処理をおこなったアルミニウム板が記さ
れている。
法として、反転グレイニング面を有する圧延ロールを用
いる方法が、特開昭55−74898号公報で公知とな
っているが、ロールに印刷版用支持体として好適な微細
な反転グレイニング面を形成させることが非常に難しい
という欠点がある。特開昭60−36195号公報、特
開昭60−36196号公報ではロールによって長軸平
均長さ10〜140μm、短軸平均長さ7〜80μmの
楕円状のプレス凹部を形成させた後に化学的または電気
化学的に1〜10μmの微細凹凸を形成させる方法が記
されている。特開昭60−203496号公報では平均
直径10〜100μmの凹凸をエンボス加工したロール
により転写した後に化学的なエッチング処理と電気化学
的なエッチング処理をおこなったアルミニウム板が記さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに、転写によりアルミニウム板の表面に凹凸をつける
方法は、圧延ロールに凹凸をつけたものが各種提案され
ているが、ロール表面に印刷版用アルミニウム支持体と
して好適な充分均一で微細な凹凸を精度よく加工するこ
とが難しかった。また、転写ロールの円筒度等の加工精
度を高くすることが難しく、仮に加工精度を上げられた
としても転写をおこなっている間に転写ロールの円筒度
等は変化していく。そのため転写ロール表面の微細の凹
凸をアルミニウム板に転写しようとしたときには、アル
ミニウム板表面に外観上のむらが生じ易いという問題点
があった。
うに、転写によりアルミニウム板の表面に凹凸をつける
方法は、圧延ロールに凹凸をつけたものが各種提案され
ているが、ロール表面に印刷版用アルミニウム支持体と
して好適な充分均一で微細な凹凸を精度よく加工するこ
とが難しかった。また、転写ロールの円筒度等の加工精
度を高くすることが難しく、仮に加工精度を上げられた
としても転写をおこなっている間に転写ロールの円筒度
等は変化していく。そのため転写ロール表面の微細の凹
凸をアルミニウム板に転写しようとしたときには、アル
ミニウム板表面に外観上のむらが生じ易いという問題点
があった。
【0006】本発明は上記問題点を解消し、圧下率をそ
れ程高く設定する必要がなく、伸び率もそれ程大きくな
く印刷版用支持体として好適な充分均一な凹凸をもつ平
版印刷版用支持体の製造方法を提供することにある。
れ程高く設定する必要がなく、伸び率もそれ程大きくな
く印刷版用支持体として好適な充分均一な凹凸をもつ平
版印刷版用支持体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の上記目
的は凹凸パターンを形成させた表面をアルミニウム板の
表面に重ね合わせ、押圧によってアルミニウム板の表面
に凹凸パターンを転写させる平版印刷版用支持体の製造
方法において、凹凸パターンが微細粒子によって形成さ
れ、凹凸パターンを形成した表面が弾性を有する支持体
であることを特徴とする、平版印刷版用支持体の製造方
法によって達成される。
的は凹凸パターンを形成させた表面をアルミニウム板の
表面に重ね合わせ、押圧によってアルミニウム板の表面
に凹凸パターンを転写させる平版印刷版用支持体の製造
方法において、凹凸パターンが微細粒子によって形成さ
れ、凹凸パターンを形成した表面が弾性を有する支持体
であることを特徴とする、平版印刷版用支持体の製造方
法によって達成される。
【0008】本発明において、凹凸パターンを形成する
微細粒子とは、直径が0.3〜40μmの粒子で、アル
ミナ、砂、酸化珪素、ダイヤモンド、酸化ジルコニア、
タングステンカーバートなどの粒子を言う。特にアルミ
ナの粒子が好ましい。粒度分布はできるだけ揃っている
ことが好ましい。本発明において、表面が弾性を有する
支持体とは、ゴムまたはプラスチックで具体的にはポリ
エステル,ポリエチレン,ポリエチレンテレフタレー
ト,ウレタンからなるシート、フィルム、又は表面ロー
ル等の支持体をいい、支持体としての厚みは1〜3ミル
が好ましい。本発明において凹凸パターンを形成させた
表面としては、直径0.3〜40μmの微細粒子を分散
させた液を塗布してある面を有するもの、または前記微
細粒子を表面に埋め込んだ面をいう。また、前記微細粒
子を上記ゴムまたはプラスチックに分散させた材料で、
シート,フィルム,又はロール表面を形成したものも含
む。微細粒子を分散させた液としては、水または溶剤中
に微細粒子を分散させたもの、及び水または溶剤中に粘
着性のバインダーを加え、その中に微細粒子を分散させ
たものをいう。液の粘度を調整するために必要に応じて
増粘剤を添加してもよい。微細粒子を分散させた液を塗
布した後は、乾燥処理することが好ましい。本発明にお
いて、微細粒子を塗布した面、または埋め込んだ面の表
面には、微細粒子を前記面より脱落しにくくするための
樹脂を更に塗布してもよい。本発明に於て、凹凸パター
ンを形成させた表面が弾性を有する支持体とアルミニウ
ム板を重ね合わせ、押圧によってアルミニウム板の表面
に凹凸パターンを転写させるということは、平版印刷版
用アルミニウム板と、弾性を有するシートまたはフィル
ムに微細粒子を塗布・乾燥または埋め込んだ面とを重ね
合わせ、該アルミニウム板と微細粒子の凹凸パターンを
有する前記シートまたはフィルムを合わせた厚みよりも
狭い隙間を持つ2つのロール間を通過させ、アルミニウ
ム板とシートまたはフィルム間に圧力を加えることをい
う。または、先ずアルミニウム板と微細粒子の凹凸パタ
ーンと有する弾性支持体とをロール間に挟み込み、次に
機械的に外部から力を加えてそのまゝ挟み込んでニップ
ロール間を通過させてもよい。隙間を持つ2ロールまた
は機械的に外部から力を加えて挟み込むニップロールは
金属、プラスチック、ゴムなどが使用可能であるが、金
属が好ましい。更に又、本発明としては、弾性を有する
支持体としてプラスチックロールまたはゴムロール面上
に微細粒子を塗布・乾燥または埋め込んで、そのプラス
チックロールと対向するアルミニウム板の厚さよりも狭
くロールの隙間を設定し、そこにアルミニウム板を通過
させてアルミニウム板上に圧力を加えて転写してもよ
い。その場合前記プラスチックロールまたはゴムロール
に対向するロールは金属、プラスチック、ゴムなどが使
用可能であるが、金属が好ましい。
微細粒子とは、直径が0.3〜40μmの粒子で、アル
ミナ、砂、酸化珪素、ダイヤモンド、酸化ジルコニア、
タングステンカーバートなどの粒子を言う。特にアルミ
ナの粒子が好ましい。粒度分布はできるだけ揃っている
ことが好ましい。本発明において、表面が弾性を有する
支持体とは、ゴムまたはプラスチックで具体的にはポリ
エステル,ポリエチレン,ポリエチレンテレフタレー
ト,ウレタンからなるシート、フィルム、又は表面ロー
ル等の支持体をいい、支持体としての厚みは1〜3ミル
が好ましい。本発明において凹凸パターンを形成させた
表面としては、直径0.3〜40μmの微細粒子を分散
させた液を塗布してある面を有するもの、または前記微
細粒子を表面に埋め込んだ面をいう。また、前記微細粒
子を上記ゴムまたはプラスチックに分散させた材料で、
シート,フィルム,又はロール表面を形成したものも含
む。微細粒子を分散させた液としては、水または溶剤中
に微細粒子を分散させたもの、及び水または溶剤中に粘
着性のバインダーを加え、その中に微細粒子を分散させ
たものをいう。液の粘度を調整するために必要に応じて
増粘剤を添加してもよい。微細粒子を分散させた液を塗
布した後は、乾燥処理することが好ましい。本発明にお
いて、微細粒子を塗布した面、または埋め込んだ面の表
面には、微細粒子を前記面より脱落しにくくするための
樹脂を更に塗布してもよい。本発明に於て、凹凸パター
ンを形成させた表面が弾性を有する支持体とアルミニウ
ム板を重ね合わせ、押圧によってアルミニウム板の表面
に凹凸パターンを転写させるということは、平版印刷版
用アルミニウム板と、弾性を有するシートまたはフィル
ムに微細粒子を塗布・乾燥または埋め込んだ面とを重ね
合わせ、該アルミニウム板と微細粒子の凹凸パターンを
有する前記シートまたはフィルムを合わせた厚みよりも
狭い隙間を持つ2つのロール間を通過させ、アルミニウ
ム板とシートまたはフィルム間に圧力を加えることをい
う。または、先ずアルミニウム板と微細粒子の凹凸パタ
ーンと有する弾性支持体とをロール間に挟み込み、次に
機械的に外部から力を加えてそのまゝ挟み込んでニップ
ロール間を通過させてもよい。隙間を持つ2ロールまた
は機械的に外部から力を加えて挟み込むニップロールは
金属、プラスチック、ゴムなどが使用可能であるが、金
属が好ましい。更に又、本発明としては、弾性を有する
支持体としてプラスチックロールまたはゴムロール面上
に微細粒子を塗布・乾燥または埋め込んで、そのプラス
チックロールと対向するアルミニウム板の厚さよりも狭
くロールの隙間を設定し、そこにアルミニウム板を通過
させてアルミニウム板上に圧力を加えて転写してもよ
い。その場合前記プラスチックロールまたはゴムロール
に対向するロールは金属、プラスチック、ゴムなどが使
用可能であるが、金属が好ましい。
【0009】転写によって粗面化されたアルミニウム表
面は、酸またはアルカリまたは中性塩の水溶液中で化学
的または電気化学的にエッチング処理し、酸または中性
塩水溶液中で交流または直流またはパルス直流を用いて
電気化学的に粗面化することでさらに印刷版用支持体と
して好適なものになる。転写によって表面に凹凸をつけ
た後に化学的または電気化学的にエッチング処理をおこ
ない、つぎに電気化学的に粗面化処理をおこなうことで
アルミニウム板に凹凸を形成させる方法で、エッチング
処理後の表面には平均直径4〜20μmの凹凸(更に好
ましくは平均直径4〜10μmの凹凸)が存在している
ことが好ましい。電気化学的に粗面化処理を行なったあ
とは、エッチング処理後の表面に平均直径1〜3μmの
凹凸が重なりあっていることが好ましい。
面は、酸またはアルカリまたは中性塩の水溶液中で化学
的または電気化学的にエッチング処理し、酸または中性
塩水溶液中で交流または直流またはパルス直流を用いて
電気化学的に粗面化することでさらに印刷版用支持体と
して好適なものになる。転写によって表面に凹凸をつけ
た後に化学的または電気化学的にエッチング処理をおこ
ない、つぎに電気化学的に粗面化処理をおこなうことで
アルミニウム板に凹凸を形成させる方法で、エッチング
処理後の表面には平均直径4〜20μmの凹凸(更に好
ましくは平均直径4〜10μmの凹凸)が存在している
ことが好ましい。電気化学的に粗面化処理を行なったあ
とは、エッチング処理後の表面に平均直径1〜3μmの
凹凸が重なりあっていることが好ましい。
【0010】このように、アルミニウム板表面に凹凸パ
ターンを転写したアルミニウム板は、次いで酸またはア
ルカリまたは中性塩の水溶液中で化学的または電気化学
的にエッチング処理することでさらに印刷版用支持体と
して好適なものになる。本発明でいう酸性水溶液とは塩
酸、硫酸、硝酸を主体とする水溶液をいう。アルカリ水
溶液とは苛性ソーダを主体とする水溶液をいう。処理時
間は5〜120秒が好ましい。濃度は、1〜40%が好
ましい。液温は、35〜75℃が好ましい。必要に応じ
て酸またはアルカリ水溶液中でアルミニウム板を陰極電
解洗浄処理してもよい。本発明に用いる中性塩水溶液
は、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属硝酸塩で
あり、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウ
ムが好ましく、pHは5〜9、濃度は、1〜40%が好
ましい。液温は、35〜75℃が好ましい。中性塩水溶
液を用いるときはアルミニウム板を陰極にして電解処理
する必要がある。陰極電解処理時間は5〜180秒が好
ましい。中性塩またはアルカリ水溶液中で処理されたア
ルミニウム板は表面に生成したスマット成分を除去する
目的で、更に硫酸、硝酸または塩酸の水溶液中に浸漬す
ることが好ましい。
ターンを転写したアルミニウム板は、次いで酸またはア
ルカリまたは中性塩の水溶液中で化学的または電気化学
的にエッチング処理することでさらに印刷版用支持体と
して好適なものになる。本発明でいう酸性水溶液とは塩
酸、硫酸、硝酸を主体とする水溶液をいう。アルカリ水
溶液とは苛性ソーダを主体とする水溶液をいう。処理時
間は5〜120秒が好ましい。濃度は、1〜40%が好
ましい。液温は、35〜75℃が好ましい。必要に応じ
て酸またはアルカリ水溶液中でアルミニウム板を陰極電
解洗浄処理してもよい。本発明に用いる中性塩水溶液
は、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属硝酸塩で
あり、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウ
ムが好ましく、pHは5〜9、濃度は、1〜40%が好
ましい。液温は、35〜75℃が好ましい。中性塩水溶
液を用いるときはアルミニウム板を陰極にして電解処理
する必要がある。陰極電解処理時間は5〜180秒が好
ましい。中性塩またはアルカリ水溶液中で処理されたア
ルミニウム板は表面に生成したスマット成分を除去する
目的で、更に硫酸、硝酸または塩酸の水溶液中に浸漬す
ることが好ましい。
【0011】このように処理されたアルミニウム板はさ
らに出来化学的な粗面化処理を行なってもよい。電気化
学的な粗面化方法は、特開昭53−145701号公報
に記載されているように酸性水溶液中で交流を用いて電
気化学的に粗面化処理する方法を用いるか、特願昭62
−1068号明細書に記載されているような酸性水溶液
中で直流を用いて電気化学的に粗面化処理する方法、特
願平3−6506号明細書に記載されているような中性
塩水溶液中で電気化学的に粗面化処理する方法などを用
いることが出来る。電気化学的な粗面化処理を行なった
後は、酸性水溶液中でのデスマット処理、アルカリ水溶
液中での変性処理、中性塩水溶液中でアルミニウム板を
陰極にしての変性処理をおこなうことが好ましい。酸性
水溶液中でのデスマット処理は特開昭53−12739
号公報などで公知となっている。アルカリ水溶液中での
変性処理は特開昭56−139700号公報などで公知
となっている。中性塩水溶液中での変性処理は特開昭5
9−11295号公報などで公知となっている。さら
に、このように処理されたアルミニウム板は、親水性、
保水性、耐印刷性能を向上させるために、常法により硫
酸または燐酸を含む電解液中で陽極酸化処理を行うこと
が出来る。また、陽極酸化処理後に封孔処理を行うこと
が出来る。さらに珪酸ソーダなどを含む水溶液中に浸漬
し、親水化処理を行うこともできる。
らに出来化学的な粗面化処理を行なってもよい。電気化
学的な粗面化方法は、特開昭53−145701号公報
に記載されているように酸性水溶液中で交流を用いて電
気化学的に粗面化処理する方法を用いるか、特願昭62
−1068号明細書に記載されているような酸性水溶液
中で直流を用いて電気化学的に粗面化処理する方法、特
願平3−6506号明細書に記載されているような中性
塩水溶液中で電気化学的に粗面化処理する方法などを用
いることが出来る。電気化学的な粗面化処理を行なった
後は、酸性水溶液中でのデスマット処理、アルカリ水溶
液中での変性処理、中性塩水溶液中でアルミニウム板を
陰極にしての変性処理をおこなうことが好ましい。酸性
水溶液中でのデスマット処理は特開昭53−12739
号公報などで公知となっている。アルカリ水溶液中での
変性処理は特開昭56−139700号公報などで公知
となっている。中性塩水溶液中での変性処理は特開昭5
9−11295号公報などで公知となっている。さら
に、このように処理されたアルミニウム板は、親水性、
保水性、耐印刷性能を向上させるために、常法により硫
酸または燐酸を含む電解液中で陽極酸化処理を行うこと
が出来る。また、陽極酸化処理後に封孔処理を行うこと
が出来る。さらに珪酸ソーダなどを含む水溶液中に浸漬
し、親水化処理を行うこともできる。
【0012】本発明に用いるアルミニウム板は、純アル
ミニウム板またはアルミニウム合金板がいずれも使用で
きる。本発明に記されたアルミニウム板は、平版印刷版
用アルミニウム支持体として好適な、充分均一な粗面を
有する。
ミニウム板またはアルミニウム合金板がいずれも使用で
きる。本発明に記されたアルミニウム板は、平版印刷版
用アルミニウム支持体として好適な、充分均一な粗面を
有する。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を示すが、本発明は本実施例
のみに限定されるものではない。 (実施例−1)弾性のあるプラスチックシート(ポリエ
ステル)にアルミナの微細粒子を塗布・乾燥した表面を
JIS1050アルミニウム板で上下からはりあわせ、
金属製のロール間を通過させ、微細粒子を塗布した面の
パターンをアルミニウム板に転写させた。このときのニ
ップロールのクリアランスはプラスチックシートとアル
ミニウム板を合わせたときの厚さよりも、0.2mm狭
くした。転写後のアルミニウム板の伸び率は15%であ
った。微細粒子の平均粒径を0.3μm〜40μmまで
9条件で変化させた。このプラスチックシートとアルミ
ニウム板の表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、
プラスチックシートに微細粒子を塗布・乾燥した表面に
パターンに相当する微細な凹凸が形成されていた。
のみに限定されるものではない。 (実施例−1)弾性のあるプラスチックシート(ポリエ
ステル)にアルミナの微細粒子を塗布・乾燥した表面を
JIS1050アルミニウム板で上下からはりあわせ、
金属製のロール間を通過させ、微細粒子を塗布した面の
パターンをアルミニウム板に転写させた。このときのニ
ップロールのクリアランスはプラスチックシートとアル
ミニウム板を合わせたときの厚さよりも、0.2mm狭
くした。転写後のアルミニウム板の伸び率は15%であ
った。微細粒子の平均粒径を0.3μm〜40μmまで
9条件で変化させた。このプラスチックシートとアルミ
ニウム板の表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、
プラスチックシートに微細粒子を塗布・乾燥した表面に
パターンに相当する微細な凹凸が形成されていた。
【0014】(比較例−1)弾性のない紙にアルミナの
微細粒子を塗布・乾燥した表面をJIS1050アルミ
ニウム板で上下からはりあわせ、金属製ニップロールの
間を通過させ、微細粒子を塗布した面のパターンをアル
ミニウム板に転写させた。このときのニップロールのク
リアランスは紙とアルミニウム板を合わせたときの厚さ
よりも、0.2mm狭くした。転写後のアルミニウムの
伸び率は15%であった。微細粒子の平均粒径は4μm
であった。このアルミニウム板の表面を走査型電子顕微
鏡で観察したところ、紙に微細粒子を塗布・乾燥した表
面のパターンに相当する微細な凹凸が密に生成されてい
る部分と粗に生成されている部分が生じていた。それは
紙側の外観上のむらに対応しており、アルミニウム板の
外観は実施例に比べて劣っていた。
微細粒子を塗布・乾燥した表面をJIS1050アルミ
ニウム板で上下からはりあわせ、金属製ニップロールの
間を通過させ、微細粒子を塗布した面のパターンをアル
ミニウム板に転写させた。このときのニップロールのク
リアランスは紙とアルミニウム板を合わせたときの厚さ
よりも、0.2mm狭くした。転写後のアルミニウムの
伸び率は15%であった。微細粒子の平均粒径は4μm
であった。このアルミニウム板の表面を走査型電子顕微
鏡で観察したところ、紙に微細粒子を塗布・乾燥した表
面のパターンに相当する微細な凹凸が密に生成されてい
る部分と粗に生成されている部分が生じていた。それは
紙側の外観上のむらに対応しており、アルミニウム板の
外観は実施例に比べて劣っていた。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】表1から明らかなように本発明の製造方
法により印刷版用アルミニウム支持体として好適な表面
を容易に得ることができる。
法により印刷版用アルミニウム支持体として好適な表面
を容易に得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 凹凸パターンを形成させた表面をアルミ
ニウム板の表面に重ね合わせ、押圧によってアルミニウ
ム板の表面に凹凸パターンを転写させる平版印刷版用支
持体の製造方法において、凹凸パターンが微細粒子によ
って形成され、凹凸パターンを形成した表面が弾性を有
する支持体であることを特徴とする平版印刷版用支持体
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20423592A JPH0624168A (ja) | 1992-07-09 | 1992-07-09 | 平版印刷版用支持体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20423592A JPH0624168A (ja) | 1992-07-09 | 1992-07-09 | 平版印刷版用支持体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0624168A true JPH0624168A (ja) | 1994-02-01 |
Family
ID=16487089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20423592A Pending JPH0624168A (ja) | 1992-07-09 | 1992-07-09 | 平版印刷版用支持体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0624168A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4851246A (en) * | 1987-07-06 | 1989-07-25 | General Mills, Inc. | Dual compartment food package |
EP1625944A1 (en) | 2004-08-13 | 2006-02-15 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Method of manufacturing lithographic printing plate support |
WO2010038812A1 (ja) | 2008-09-30 | 2010-04-08 | 富士フイルム株式会社 | 電解処理方法および電解処理装置 |
WO2010150810A1 (ja) | 2009-06-26 | 2010-12-29 | 富士フイルム株式会社 | 光反射基板およびその製造方法 |
EP2384100A2 (en) | 2010-04-28 | 2011-11-02 | Fujifilm Corporation | Insulated light-reflective substrate |
EP2586621A1 (en) | 2011-10-28 | 2013-05-01 | Fujifilm Corporation | Manufacturing method and manufacturing apparatus of support for planographic printing plate |
KR101367562B1 (ko) * | 2009-08-03 | 2014-02-25 | 주식회사 엘지화학 | 인쇄용 블랭킷 및 그 제조방법 |
WO2018235659A1 (ja) | 2017-06-21 | 2018-12-27 | 富士フイルム株式会社 | アルミニウム複合材料 |
-
1992
- 1992-07-09 JP JP20423592A patent/JPH0624168A/ja active Pending
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