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JPH06235041A - 耐熱性に優れた鋳物用マグネシウム基合金 - Google Patents

耐熱性に優れた鋳物用マグネシウム基合金

Info

Publication number
JPH06235041A
JPH06235041A JP50A JP2129493A JPH06235041A JP H06235041 A JPH06235041 A JP H06235041A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 2129493 A JP2129493 A JP 2129493A JP H06235041 A JPH06235041 A JP H06235041A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnesium
alloy
heat resistance
base alloy
toughness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP50A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Sekiguchi
口 昭 一 関
Masao Onozawa
昌 男 小野澤
Katsutoshi Yamada
田 勝 利 山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP50A priority Critical patent/JPH06235041A/ja
Publication of JPH06235041A publication Critical patent/JPH06235041A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車エンジン部品等に用いられる耐熱性に
優れた鋳物用マグネシウム基合金を提供する。 【構成】 (1)重量%でカルシウム0.5〜3.0
%、ジルコニウム0.05〜0.8%を含有し、残部が
実質的にマグネシウムからなる合金。 (2)前記の合金に、さらに3.0%以下の亜鉛、0.
5%以下のマンガン、0.2%以下のチタンのうち一種
以上を含有するマグネシウム基合金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンのシリンダー
ヘッドカバーやトランスミッションケース等、200℃
前後の高温における機械的強度、靭性が優れていること
を要求される自動車部品に適用される、鋳物用マグネシ
ウム基合金に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題に端を発し、自動車
の燃費向上に対する関心が高まり、各自動車メーカーは
その対策に積極的に取り組んでいる。燃費向上には車体
の軽量化が最も有効であり、マグネシウム合金等の軽金
属を自動車部品に採用する気運も高まってきている。マ
グネシウムは、実用金属中で最も密度が小さく、軽量化
に最適な金属材料であるが、自動車用素材としての使用
実績はアルミニウムに比べて著しく少ない。この原因の
一つとしてアルミニウムに比べ耐熱性が劣ることが挙げ
られる。すなわち、アルミニウム合金(JIS AC8
A)の引張強度は、常温で約230MPa、200℃で
も約200MPaあるのに対し、一般的なマグネシウム
合金(ASTM AZ91A)の引張強度は、常温では
約230MPaと優れているが、200℃では約80M
Paまで低下してしまう。マグネシウム合金の密度は、
約1.8g/cm3 でアルミニウム合金の密度約2.7
g/cm3 の約2/3であるから、同一強度を得るため
に必要な構造部材の重量は、常温での使用を前提とした
場合、マグネシウム合金はアルミニウム合金の約2/3
でよい利点がある。しかしながら、使用環境が約200
℃に達する自動車エンジン部品等にマグネシウム合金を
用いる場合は、アルミニウム合金の約1.7倍の重量が
必要となり、軽量化のメリットはなくなる。従って、ア
ルミニウム合金以上の軽量化を図るためには、200℃
での引張強度が少なくとも130MPa以上あるマグネ
シウム合金の開発が望まれる。なお、材料選択に当たっ
て強度と共に重要視される靭性については、伸びが10
%以上あれば経験的に構造部材として問題はない。
【0003】マグネシウム合金の耐熱性を高めるには、
希土類金属(La,Ce,Nd等ランタニド系金属の総
称)を添加することが有効である。例えば、希土類元素
を約3%、亜鉛を約3%添加した合金が米国ASTM規
格のEZ33Aとして、また、銀を約2%、希土類元素
を約2%添加した合金がQA22Aとしてよく知られて
いる。しかしながら、これらのマグネシウム合金は、耐
熱性は優れているが、高価な希土類金属や貴金属類を使
用するため、コスト面で問題がある。
【0004】これに対し、高価な希土類金属を使用せず
に耐熱性を高めたマグネシウム合金もあるが(例えば、
特開昭63−109138号公報参照)、この合金はア
ルミニウム、珪素および微量のチタンを含有する合金
で、安価な高温での機械的強度、クリープ特性に優れて
いるが、耐食性に悪影響を及ぼす珪素を多量に含有する
ため、耐食性が懸念されるほか、伸びが小さいという問
題点がある。
【0005】
【発明が解決すべき課題】本発明は、マグネシウム合金
における上記のような問題点を解決するためになされた
ものであって、安価で耐熱性に優れた、自動車部品に最
適な鋳物用マグネシウム合金を提供することを目的とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、カルシウム
0.5〜3.0%とジルコニウム0.05〜0.8%を
含有し、残部が実質的にマグネシウムからなることを特
徴とする、耐熱性に優れた鋳物用マグネシウム基合金で
ある。また、本発明は、カルシウム0.5〜3.0%と
ジルコニウム0.05〜0.8%と、さらに3.0%以
下の亜鉛、0.5%以下のマンガンおよび0.2%以下
のチタンのうち少なくとも一種以上を含有し、残部が実
質的にマグネシウムからなることを特徴とする、耐熱性
に優れた鋳物用マグネシウム基合金である。
【0007】合金成分の添加と成分範囲の限定の理由
は、以下の通りである。カルシウムは、本発明の目的で
ある耐熱性を高める効果を持つ。これは、カルシウムが
Mg2 Ca化合物になって結晶粒界に析出するためであ
る。この化合物は、硬く、熱的に極めて安定であるた
め、200℃以上の高温までマグネシウム基合金の機械
的強度が維持される。カルシウム添加により耐熱性を改
善するには適正な添加範囲があり、0.5%未満では高
温強度が十分でなく、また3.0%を超えて過剰に添加
した場合は、高温強度は増加するものの靭性が著しく低
下してしまう。このため、カルシウム添加量は、0.5
〜3.0%、好ましくは0.8〜2.0%とする。
【0008】ジルコニウムは、マグネシウム基合金の結
晶粒を微細化する作用を持つ。結晶粒が細かくなればな
るほど常温および高温における機械的強度および靭性が
向上する。さらに、結晶粒が微細化するとMg2 Caが
より緻密に析出するため、高温強度は一層向上する。結
晶粒を微細化するには適正な添加範囲があり、ジルコニ
ウムが0.05%未満では微細化の効果は得られない。
また、0.8%以上を超えて過剰に添加しても合金中に
溶解せずに沈殿してしまい、強度、靭性に悪影響を及ぼ
す。このため、ジルコニウム添加量は、0.05〜0.
8%、好ましくは0.1〜0.5%とする。
【0009】亜鉛、マンガン、チタンは、いずれもマグ
ネシウム基合金の常温における強度を改善する目的で添
加するものである。これらの元素は、耐熱性の改善には
効果を及ぼさないが、下記の範囲内の量を添加しても、
カルシウムやジルコニウムの効果を妨げることはない。
亜鉛は、添加量にほぼ比例して常温強度を高めるが、過
剰に添加した場合は靭性に悪影響を及ぼす。このため、
亜鉛の添加は、3.0%以下とする。マンガンは、少量
添加すると常温強度を高める他、耐食性を向上させる効
果を有する。しかしながら、過剰に添加した場合は靭性
に悪影響を及ぼす。このため、マンガンの添加は、0.
5%以下とする。チタンは、少量添加すると常温強度を
高める他、靭性を向上させる効果を持つ。しかしなが
ら、0.2%を超えて添加しても沈殿してしまい、それ
以上の効果は得られない。このため、チタンの上限は
0.2%とする。
【0010】
【実施例】本発明を実施例に基づいてさらに説明する。
本発明の合金の成分範囲に含まれる6種類の本発明合金
とこの成分範囲外の4種類の比較合金の合計10種類の
マグネシウム基合金を下記の方法で溶製した。まず、マ
グネシウム約5kgとKCl、CaCl2 等からなるフラ
ックスを鋳鋼製円筒を用い高周波誘導加熱によって溶解
した後、カルシウムを加え、さらにZrCl4 20.7
%、残成分KCl、CaCl2 、BaCl2 からなる添
加材を加えてよく攪拌した。次いで、溶湯を720℃の
温度に保って約15分間静置し、柄杓でくみ出し、JI
S H5203「マグネシウム合金鋳物」に記載の金型
試験片鋳型に鋳造した。これらの鋳物からJIS Z2
201「金属材料引張試験片」に記載の14A号試験片
を採取し、引張試験を行った。
【0011】10種類のマグネシウム基合金の成分およ
び引張試験の結果を、表1に示す。なお、試料4の亜鉛
は純亜鉛を用い、試料5のマンガンはMnCl2 、試料
6のチタンはK2 TiF6 の形で添加した。また、比較
合金である試料10の希土類金属はミッシュメタル(L
a、Ce、Ndの混合物)を使用した。
【表1】 表1に示すように、本発明の合金(試料1〜6)は、比
較合金(試料7〜9)に比べて、いずれも引張強度が高
いばかりでなく、鉄鋼材料の降伏点に対応する0.2%
耐力(永久伸びが0.2%になるときの応力)も高く、
靭性の指標である伸びも大きい。また、これは希土類元
素を含有する試料10の合金(ASTM規格のEZ33
Aに相当する合金)と同様の優れた高温強度を示してい
る。
【0012】
【発明の効果】以上のように、本発明のマグネシウムの
基合金は、高温における機械的強度、靭性が優れてお
り、自動車のエンジン部品等の耐熱性を要求される鋳物
部材として広く利用でき、自動車等の軽量化に大いに貢
献するものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、カルシウム0.5〜3.0%と
    ジルコニウム0.05〜0.8%を含有し、残部が実質
    的にマグネシウムからなることを特徴とする、耐熱性に
    優れた鋳物用マグネシウム基合金。
  2. 【請求項2】重量%で、カルシウム0.5〜3.0%と
    ジルコニウム0.05〜0.8%を含有し、さらに、
    3.0%以下の亜鉛、0.5%以下のマンガンおよび
    0.2%以下のチタンのうち少なくとも一種以上を含有
    し、残部が実質的にマグネシウムからなることを特徴と
    する、耐熱性に優れた鋳物用マグネシウム基合金。
JP50A 1993-02-09 1993-02-09 耐熱性に優れた鋳物用マグネシウム基合金 Withdrawn JPH06235041A (ja)

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Legal Events

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