JPH1112674A - 内燃機関ピストン用アルミニウム合金およびアルミニウム合金製ピストン - Google Patents
内燃機関ピストン用アルミニウム合金およびアルミニウム合金製ピストンInfo
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- JPH1112674A JPH1112674A JP9173893A JP17389397A JPH1112674A JP H1112674 A JPH1112674 A JP H1112674A JP 9173893 A JP9173893 A JP 9173893A JP 17389397 A JP17389397 A JP 17389397A JP H1112674 A JPH1112674 A JP H1112674A
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C21/00—Alloys based on aluminium
- C22C21/02—Alloys based on aluminium with silicon as the next major constituent
- C22C21/04—Modified aluminium-silicon alloys
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22D—CASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
- B22D15/00—Casting using a mould or core of which a part significant to the process is of high thermal conductivity, e.g. chill casting; Moulds or accessories specially adapted therefor
- B22D15/02—Casting using a mould or core of which a part significant to the process is of high thermal conductivity, e.g. chill casting; Moulds or accessories specially adapted therefor of cylinders, pistons, bearing shells or like thin-walled objects
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
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- B22D21/00—Casting non-ferrous metals or metallic compounds so far as their metallurgical properties are of importance for the casting procedure; Selection of compositions therefor
- B22D21/002—Castings of light metals
- B22D21/007—Castings of light metals with low melting point, e.g. Al 659 degrees C, Mg 650 degrees C
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22F—CHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
- C22F1/00—Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
- C22F1/04—Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon
- C22F1/043—Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon of alloys with silicon as the next major constituent
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F05—INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
- F05C—INDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
- F05C2201/00—Metals
- F05C2201/02—Light metals
- F05C2201/021—Aluminium
-
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- F05C2251/04—Thermal properties
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、高温強度と耐摩耗製に優れた内燃
機関ピストン用アルミニウム合金およびアルミニウム合
金製内燃機関用ピストンを提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の内燃機関ピストン用アルミニウ
ム合金は、2〜5重量%の銅と、13〜16重量%のケ
イ素と、0.2〜1.3重量%のマグネシウムと、1.
0〜2.5重量%のニッケルと、0.05〜0.2重量
%のバナジウムと、0.004〜0.02重量%のリン
と、残部がアルミニウムとからなることを特徴とする。
また、本発明のアルミニウム合金製ピストンは前記組成
のアルミニウム合金溶湯を鋳造した後、220〜260
℃に3〜5時間加熱する時効処理(T5処理)あるい
は、鋳造後、480〜510℃に3〜10時間加熱する
溶体化処理の後、240〜260℃に3〜5時間加熱す
る時効処理(T6あるいはT7処理)を施したものであ
るのが好ましい。
機関ピストン用アルミニウム合金およびアルミニウム合
金製内燃機関用ピストンを提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の内燃機関ピストン用アルミニウ
ム合金は、2〜5重量%の銅と、13〜16重量%のケ
イ素と、0.2〜1.3重量%のマグネシウムと、1.
0〜2.5重量%のニッケルと、0.05〜0.2重量
%のバナジウムと、0.004〜0.02重量%のリン
と、残部がアルミニウムとからなることを特徴とする。
また、本発明のアルミニウム合金製ピストンは前記組成
のアルミニウム合金溶湯を鋳造した後、220〜260
℃に3〜5時間加熱する時効処理(T5処理)あるい
は、鋳造後、480〜510℃に3〜10時間加熱する
溶体化処理の後、240〜260℃に3〜5時間加熱す
る時効処理(T6あるいはT7処理)を施したものであ
るのが好ましい。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ン、ガソリンエンジン等の内燃機関に用いられるピスト
ン等として好適な、高温強度と耐摩耗性に優れた内燃機
関ピストン用アルミニウム合金およびそのアルミニウム
合金を用いたピストンに関する。
ン、ガソリンエンジン等の内燃機関に用いられるピスト
ン等として好適な、高温強度と耐摩耗性に優れた内燃機
関ピストン用アルミニウム合金およびそのアルミニウム
合金を用いたピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】Siを12.6重量%以上含有する過共
晶Al−Si合金は、熱膨張係数が小さく、耐摩耗性に
優れている。また、溶湯が凝固する際に高硬度の初晶S
iが晶出するため、耐摩耗性が要求される内燃機関のピ
ストンとして使用されている。しかし、初晶Siが大き
く成長するため、機械加工性に劣る。
晶Al−Si合金は、熱膨張係数が小さく、耐摩耗性に
優れている。また、溶湯が凝固する際に高硬度の初晶S
iが晶出するため、耐摩耗性が要求される内燃機関のピ
ストンとして使用されている。しかし、初晶Siが大き
く成長するため、機械加工性に劣る。
【0003】最近の内燃機関では、エネルギー資源の有
効利用から燃焼効率を上昇させる傾向にある。燃焼効率
を向上させようとすると燃焼温度が上昇し、これに伴っ
て内燃機関に組み込まれている各種部品、特にピストン
の材質として高い高温強度が要求される。従来の内燃機
関用ピストンとしては、JIS H5202の8種のア
ルミニウム合金(AC8A、AC8B、AC8C)が多
く使用されている。これらはいずれもAl−Si−Cu
−Mg系合金であり、AC8AおよびAC8Bについて
はさらにNiを含んだ合金である。しかしながら、これ
ら従来のアルミニウム合金では高温強度が不十分であっ
た。
効利用から燃焼効率を上昇させる傾向にある。燃焼効率
を向上させようとすると燃焼温度が上昇し、これに伴っ
て内燃機関に組み込まれている各種部品、特にピストン
の材質として高い高温強度が要求される。従来の内燃機
関用ピストンとしては、JIS H5202の8種のア
ルミニウム合金(AC8A、AC8B、AC8C)が多
く使用されている。これらはいずれもAl−Si−Cu
−Mg系合金であり、AC8AおよびAC8Bについて
はさらにNiを含んだ合金である。しかしながら、これ
ら従来のアルミニウム合金では高温強度が不十分であっ
た。
【0004】このため、特公昭60−47898号公報
には、Al−Si−Cu−Mg系合金にVおよび/また
はMoを添加することでAl−Si−Cu−Mg系合金
の良好な鋳造性を保ちながら高温強度を改善したアルミ
ニウム合金が開示されている。また、特開平8−104
937号公報には、Al−Si−Cu−Mg系合金にP
とCaとFeとTiを添加し、添加成分のうちPとCa
を重量比で0.5〜50に制御することで、初晶Siの
微細化のために添加されるPの作用をCaが阻害するこ
と、Caによる共晶組織の改良をPが阻害すること、の
両者を制御することで、Al−Si−Cu−Mg系合金
の高温強度および耐摩耗性を改善する方法が開示されて
いる。
には、Al−Si−Cu−Mg系合金にVおよび/また
はMoを添加することでAl−Si−Cu−Mg系合金
の良好な鋳造性を保ちながら高温強度を改善したアルミ
ニウム合金が開示されている。また、特開平8−104
937号公報には、Al−Si−Cu−Mg系合金にP
とCaとFeとTiを添加し、添加成分のうちPとCa
を重量比で0.5〜50に制御することで、初晶Siの
微細化のために添加されるPの作用をCaが阻害するこ
と、Caによる共晶組織の改良をPが阻害すること、の
両者を制御することで、Al−Si−Cu−Mg系合金
の高温強度および耐摩耗性を改善する方法が開示されて
いる。
【0005】しかし、これら公報で開示された技術にお
いても最近の内燃機関におけるピストンにかかる熱負荷
の増大に対して、高温(特に250〜300℃)におけ
る強度が不十分、Si添加量の上限を13%に限定して
おり熱膨張係数、耐摩耗性が不十分という問題点があ
る。なお、熱膨張係数、耐摩耗性を改善した合金にはJ
IS H5202の9種のアルミニウム合金(AC9
A、AC9B)があるが、高温強度が不十分なことに加
え、鋳造性や切削性が著しく劣る欠点があった。
いても最近の内燃機関におけるピストンにかかる熱負荷
の増大に対して、高温(特に250〜300℃)におけ
る強度が不十分、Si添加量の上限を13%に限定して
おり熱膨張係数、耐摩耗性が不十分という問題点があ
る。なお、熱膨張係数、耐摩耗性を改善した合金にはJ
IS H5202の9種のアルミニウム合金(AC9
A、AC9B)があるが、高温強度が不十分なことに加
え、鋳造性や切削性が著しく劣る欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実状に鑑
みてなされたものであり、高温強度と耐摩耗性に優れた
内燃機関ピストン用アルミニウム合金およびアルミニウ
ム合金製内燃機関用ピストンを提供することを課題とす
る。
みてなされたものであり、高温強度と耐摩耗性に優れた
内燃機関ピストン用アルミニウム合金およびアルミニウ
ム合金製内燃機関用ピストンを提供することを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の内燃機関ピスト
ン用アルミニウム合金は、2〜5重量%の銅と、13〜
16重量%のケイ素と、0.2〜1.3重量%のマグネ
シウムと、1.0〜2.5重量%のニッケルと、0.0
5〜0.2重量%のバナジウムと、0.004〜0.0
2重量%のリンと、残部がアルミニウムとからなること
を特徴とする。また、本発明のアルミニウム合金製ピス
トンは前記アルミニウム合金で作られていることを特徴
とする。
ン用アルミニウム合金は、2〜5重量%の銅と、13〜
16重量%のケイ素と、0.2〜1.3重量%のマグネ
シウムと、1.0〜2.5重量%のニッケルと、0.0
5〜0.2重量%のバナジウムと、0.004〜0.0
2重量%のリンと、残部がアルミニウムとからなること
を特徴とする。また、本発明のアルミニウム合金製ピス
トンは前記アルミニウム合金で作られていることを特徴
とする。
【0008】本発明のアルミニウム合金製ピストンは前
記組成のアルミニウム合金溶湯を鋳造した後、220〜
260℃に3〜5時間加熱する時効処理(T5処理)あ
るいは、鋳造後、480〜510℃に3〜10時間加熱
する溶体化処理の後、240〜260℃に3〜5時間加
熱する時効処理(T6あるいはT7処理)を施したもの
であるのが好ましい。
記組成のアルミニウム合金溶湯を鋳造した後、220〜
260℃に3〜5時間加熱する時効処理(T5処理)あ
るいは、鋳造後、480〜510℃に3〜10時間加熱
する溶体化処理の後、240〜260℃に3〜5時間加
熱する時効処理(T6あるいはT7処理)を施したもの
であるのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の内燃機関ピストン用アル
ミニウム合金に添加されるCuは、高温強度の向上に有
効な元素であり、さらに、初晶Siの晶出を促進して耐
摩耗性を改善する効果をも持つ。ここでCuの添加量が
2重量%未満では前記効果が不十分であり、5重量%を
超えると増量に見合った効果がなくなる。
ミニウム合金に添加されるCuは、高温強度の向上に有
効な元素であり、さらに、初晶Siの晶出を促進して耐
摩耗性を改善する効果をも持つ。ここでCuの添加量が
2重量%未満では前記効果が不十分であり、5重量%を
超えると増量に見合った効果がなくなる。
【0010】また、Siは耐摩耗性の向上、熱膨張係数
の低減、高温強度の向上に有効な共晶Siおよび初晶S
iとなる必須の合金元素であり、湯流れを良好にする作
用も有する。また、共存するMgと反応し、時効硬化に
有効なMg2Siをも生成する。Si添加量が13重量
%未満では高温強度、耐摩耗性、熱膨張係数の改善効果
が不十分となり、16重量%をこえるとアルミニウム合
金の鋳造性、切削性を著しく悪化させる。
の低減、高温強度の向上に有効な共晶Siおよび初晶S
iとなる必須の合金元素であり、湯流れを良好にする作
用も有する。また、共存するMgと反応し、時効硬化に
有効なMg2Siをも生成する。Si添加量が13重量
%未満では高温強度、耐摩耗性、熱膨張係数の改善効果
が不十分となり、16重量%をこえるとアルミニウム合
金の鋳造性、切削性を著しく悪化させる。
【0011】Mgは、Siと結合し時効硬化に有効なM
g2Siを生成する。Mg添加量が0.2重量%未満で
は時効硬化が不十分となり、1.3重量%を超えると鋳
造時に多量のMg2Siが晶出し、合金を脆くする。N
iは高温強度の向上に有効な元素であるとともに、初晶
Siの晶出を促進して、耐摩耗性を改善する元素であ
り、添加量が1.0重量%未満では高温強度の向上が不
十分となり、2.5重量%を超えると合金を脆くする。
g2Siを生成する。Mg添加量が0.2重量%未満で
は時効硬化が不十分となり、1.3重量%を超えると鋳
造時に多量のMg2Siが晶出し、合金を脆くする。N
iは高温強度の向上に有効な元素であるとともに、初晶
Siの晶出を促進して、耐摩耗性を改善する元素であ
り、添加量が1.0重量%未満では高温強度の向上が不
十分となり、2.5重量%を超えると合金を脆くする。
【0012】Vは、高温強度の向上と初晶Siの分散の
均一化に有効な元素であり、添加量が0.05重量%未
満では強度の向上が不十分となり、0.2重量%を超え
ると高温強度に著しい変化がみられなくなり、くわえて
均一な溶解が困難となる。Pは、初晶Siを微細化し、
切削性および機械的性質を改善する元素であり、添加量
が0.004重量%未満では効果が不十分となり、0.
02重量%を超えると合金溶湯の流動性を低下させ、鋳
造組織を不均一にする。
均一化に有効な元素であり、添加量が0.05重量%未
満では強度の向上が不十分となり、0.2重量%を超え
ると高温強度に著しい変化がみられなくなり、くわえて
均一な溶解が困難となる。Pは、初晶Siを微細化し、
切削性および機械的性質を改善する元素であり、添加量
が0.004重量%未満では効果が不十分となり、0.
02重量%を超えると合金溶湯の流動性を低下させ、鋳
造組織を不均一にする。
【0013】時効処理については、本発明の合金におい
ては、Cu、Niの含有量が高いため、T5処理の場合
220℃以下の温度、T6あるいはT7処理の場合24
0℃以下の温度では寸法安定性が劣り、260℃以上の
温度では過時効となり強度が不十分となる。また、処理
時間については、同様で、3時間未満だと、効果がみら
れず、5時間を超えると長時間化に見合った効果がみら
れない。
ては、Cu、Niの含有量が高いため、T5処理の場合
220℃以下の温度、T6あるいはT7処理の場合24
0℃以下の温度では寸法安定性が劣り、260℃以上の
温度では過時効となり強度が不十分となる。また、処理
時間については、同様で、3時間未満だと、効果がみら
れず、5時間を超えると長時間化に見合った効果がみら
れない。
【0014】溶体化処理については、本発明において
は、Cu、Ni、Mgを十分に固溶させる必要があり、
加熱温度が480℃未満では、十分な固溶がなされず、
510℃を超えると結晶粒の粗大化、粒界の部分的な融
解などのため、材料の劣化が起こる。さらに、加熱時間
が3時間に満たない場合には、固溶が不十分となり、1
0時間で飽和に達するため、10時間以上加熱しても効
果の改善はみられない。溶体化処理後の合金は温水焼き
入れされる。この時、水焼き入れでは、焼き入れ歪みの
発生が大きくなり寸法変化を生ずる。
は、Cu、Ni、Mgを十分に固溶させる必要があり、
加熱温度が480℃未満では、十分な固溶がなされず、
510℃を超えると結晶粒の粗大化、粒界の部分的な融
解などのため、材料の劣化が起こる。さらに、加熱時間
が3時間に満たない場合には、固溶が不十分となり、1
0時間で飽和に達するため、10時間以上加熱しても効
果の改善はみられない。溶体化処理後の合金は温水焼き
入れされる。この時、水焼き入れでは、焼き入れ歪みの
発生が大きくなり寸法変化を生ずる。
【0015】本発明のアルミニウム合金製ピストンは、
前記組成アルミニウム合金を原料として鋳造した後、時
効処理あるいは溶体化処理後の時効処理を施し、目的形
状に機械加工することにより得られる。ピストンの鋳造
方法としては、様々な方法を用いることができる。例え
ば重力鋳造を用いることができる。
前記組成アルミニウム合金を原料として鋳造した後、時
効処理あるいは溶体化処理後の時効処理を施し、目的形
状に機械加工することにより得られる。ピストンの鋳造
方法としては、様々な方法を用いることができる。例え
ば重力鋳造を用いることができる。
【0016】
(内燃機関用アルミニウム合金の作製及び評価) (実施例1)Si、Cu、Mg、Ni、V、P、Alを
それぞれ表1に示される組成となるようにアルミニウム
合金溶湯を調製し、JIS H5202の付図1に示さ
れる金型に鋳造した。鋳造された鋳塊を495℃で3時
間の溶体化処理を施した後、75℃の温水で焼き入れし
た。続いて、250℃で3時間の時効処理を施し、空冷
を施し、試料1〜9を作製した。
それぞれ表1に示される組成となるようにアルミニウム
合金溶湯を調製し、JIS H5202の付図1に示さ
れる金型に鋳造した。鋳造された鋳塊を495℃で3時
間の溶体化処理を施した後、75℃の温水で焼き入れし
た。続いて、250℃で3時間の時効処理を施し、空冷
を施し、試料1〜9を作製した。
【0017】得られた試料からJIS4号試験片を切り
出し、高温引張試験にかけた。この試験結果を表2に示
す。引張試験は、試験温度の250℃あるいは300℃
で100時間の予備加熱を施してから引張試験を行い、
引張強さ、0.2%耐力、および試料の伸びを測定し
た。
出し、高温引張試験にかけた。この試験結果を表2に示
す。引張試験は、試験温度の250℃あるいは300℃
で100時間の予備加熱を施してから引張試験を行い、
引張強さ、0.2%耐力、および試料の伸びを測定し
た。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】表2において、引張強さは引張試験時に試
料にかかる最大応力を、また0.2%耐力は0.2%の
永久ひずみを生じる時の応力を示すものである。ここ
で、試験温度が250℃、300℃のいずれにおいて
も、本発明の実施例の試料1〜5は引張強さ、0.2%
耐力がともに比較例の試料6〜9と比べると20〜30
%上回っている。このため、本発明の実施例のアルミニ
ウム合金は、比較例のアルミニウム合金に比べて高温強
度に優れている。 (実施例2)Si、Cu、Mg、Ni、V、P、Alを
それぞれ表3に示される組成となるようにアルミニウム
合金溶湯を調製し、JIS H5202の付図1に示さ
れる金型に鋳造した。鋳造された鋳塊を495℃で3時
間の溶体化処理を施した後、75℃の温水で焼き入れし
た。焼き入れした鋳塊を250℃で3時間の時効処理を
施した後、空冷し、試料10〜16を得た。
料にかかる最大応力を、また0.2%耐力は0.2%の
永久ひずみを生じる時の応力を示すものである。ここ
で、試験温度が250℃、300℃のいずれにおいて
も、本発明の実施例の試料1〜5は引張強さ、0.2%
耐力がともに比較例の試料6〜9と比べると20〜30
%上回っている。このため、本発明の実施例のアルミニ
ウム合金は、比較例のアルミニウム合金に比べて高温強
度に優れている。 (実施例2)Si、Cu、Mg、Ni、V、P、Alを
それぞれ表3に示される組成となるようにアルミニウム
合金溶湯を調製し、JIS H5202の付図1に示さ
れる金型に鋳造した。鋳造された鋳塊を495℃で3時
間の溶体化処理を施した後、75℃の温水で焼き入れし
た。焼き入れした鋳塊を250℃で3時間の時効処理を
施した後、空冷し、試料10〜16を得た。
【0021】得られた試料10〜16から摩耗試験用の
試験片を切り出し、LFW摩耗試験機を使用して摩耗試
験を行った。この時の試験結果を表3にあわせて示す。
試験片を切り出し、LFW摩耗試験機を使用して摩耗試
験を行った。この時の試験結果を表3にあわせて示す。
【0022】
【表3】
【0023】表3から、本発明の実施例の試料10〜1
3は比較例の試料14〜16と比べて摩耗幅の測定値が
およそ50%に減少しており、耐摩耗性が大幅に向上し
ていることがわかる。
3は比較例の試料14〜16と比べて摩耗幅の測定値が
およそ50%に減少しており、耐摩耗性が大幅に向上し
ていることがわかる。
【0024】
【発明の効果】本発明のアルミニウム合金は、高温強
度、耐摩耗性、熱膨張係数に優れたアルミニウム合金で
あり、内燃機関用ピストンに用いるのに好適なアルミニ
ウム合金である。また、本発明のアルミニウム合金製ピ
ストンは、高温強度、耐摩耗性、熱膨張係数に優れたピ
ストンであり、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン
のいずれにも使用できる。
度、耐摩耗性、熱膨張係数に優れたアルミニウム合金で
あり、内燃機関用ピストンに用いるのに好適なアルミニ
ウム合金である。また、本発明のアルミニウム合金製ピ
ストンは、高温強度、耐摩耗性、熱膨張係数に優れたピ
ストンであり、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン
のいずれにも使用できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C22F 1/00 602 C22F 1/00 602 630 630D 650 650A 651 651B 691 691B 691C
Claims (4)
- 【請求項1】 2〜5重量%の銅と、13〜16重量%
のケイ素と、0.2〜1.3重量%のマグネシウムと、
1.0〜2.5重量%のニッケルと、0.05〜0.2
重量%のバナジウムと、0.004〜0.02重量%の
リンと、残部がアルミニウムと、からなる内燃機関ピス
トン用アルミニウム合金。 - 【請求項2】 2〜5重量%の銅と、13〜16重量%
のケイ素と、0.2〜1.3重量%のマグネシウムと、
1.0〜2.5重量%のニッケルと、0.05〜0.2
重量%のバナジウムと、0.004〜0.02重量%の
リンと、残りがアルミニウムと、からなる内燃機関用ア
ルミニウム合金製ピストン。 - 【請求項3】 前記アルミニウム合金製ピストンは、前
記アルミニウム合金を鋳造後、220〜260℃で3〜
5時間加熱する時効処理されたことを特徴とする請求項
2記載の内燃機関用アルミニウム合金。 - 【請求項4】 前記アルミニウム合金製ピストンは、前
記アルミニウム合金を鋳造後、480〜510℃で3〜
10時間加熱する溶体化処理が施された後に、240〜
260℃で3〜5時間加熱する時効処理されたことを特
徴とする請求項2記載の内燃機関用アルミニウム合金製
ピストン。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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