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JPH06215975A - 強誘電体薄膜の製造方法及びそれを有する強誘電体薄膜素子 - Google Patents

強誘電体薄膜の製造方法及びそれを有する強誘電体薄膜素子

Info

Publication number
JPH06215975A
JPH06215975A JP752693A JP752693A JPH06215975A JP H06215975 A JPH06215975 A JP H06215975A JP 752693 A JP752693 A JP 752693A JP 752693 A JP752693 A JP 752693A JP H06215975 A JPH06215975 A JP H06215975A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
ferroelectric thin
substrate
ferroelectric
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP752693A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomokazu Ise
智一 伊勢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP752693A priority Critical patent/JPH06215975A/ja
Publication of JPH06215975A publication Critical patent/JPH06215975A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 強誘電体薄膜を有する強誘電体薄膜素子であ
って、該強誘電体薄膜素子を動作させるのに必要な最低
の単位を構成する一つの独立区画の強誘電体薄膜が幅2
00μm以内、長さ200μm以内の大きさで、かつ単
結晶状態であることを特徴とする強誘電体薄膜素子及び
その該強誘電体薄膜の製造方法。 【効果】 この発明によれば、強誘電体薄膜の一つの独
立区画の大きさを幅200μm以内、長さ200μm以
内にした後、熱処理をすることにより、強誘電体薄膜を
単結晶状態にすることができ、強誘電体の自発分極Ps
が一方向に揃って配向している強誘電体薄膜を有する強
誘電体薄膜素子を得ることができる。従って、強誘電体
の自発分極Psの変化を最大にすることができ、大きい
出力を有する強誘電体薄膜素子を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強誘電体薄膜の製造方法
及びそれを有する強誘電体薄膜素子に関し、より詳細に
は、強誘電体薄膜の一つの独立区画が幅200μm以
内、長さ200μm以内の大きさで、かつ単結晶状態で
あることを特徴とする強誘電体薄膜の製造方法及びそれ
を有する強誘電体薄膜素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体技術の進歩により、様々な
電子部品は小型化、集積化が大いに進んでいる。これに
伴い、不揮発性メモリ素子、キャパシタ、光変調素子、
圧電素子、焦電型赤外センサ等に応用されている強誘電
体素子も、小型化、集積化が期待されている。
【0003】上記不揮発性メモリ素子、圧電素子、焦電
型赤外センサ等の強誘電体素子は強誘電体の自発分極P
sの変化を出力として利用しているため、自発分極Ps
の変化が大きいほど大きい出力を得ることができる。即
ち、強誘電体の自発分極Psが一方向に揃って配向して
いるときに自発分極Psの変化が最大となるため、この
とき、強誘電体素子は最も大きい出力を得ることができ
る。そこで、強誘電体の自発分極Psが一方向に揃って
配向した強誘電体薄膜を形成する方法が種々検討されて
いる。
【0004】例えば、最も実用化されているチタン酸ジ
ルコン酸鉛(PZT)、チタン酸鉛(PbTiO3 )、
チタン酸バリウム(BaTiO3 )等の酸化物強誘電体
は、その結晶構造が室温で正方晶のペロブスカイト構造
であり、その自発分極Psが(001)方向を向いてい
るため、これらの酸化物強誘電体を半導体などの基板上
に(001)配向させる成膜方法が研究されている。特
に、チタン酸ジルコン酸鉛は誘電率が高く、安定であ
り、残留分極が大きいため、不揮発性メモリ素子用材料
として精力的に研究されている。
【0005】これらの強誘電体薄膜の成膜方法として
は、スパッタリング法、ゾルゲル法、蒸着法等がある。
一般的にスパッタリング法が用いられ、特に反応性高周
波スパッタリング法が用いられている。反応性高周波ス
パッタリング法とは、酸素、アルゴン等のガスをスパッ
タチャンバ内に導入してグロー放電を発生させ、アルゴ
ン等のイオンによってターゲットからスパッタされたチ
タン酸ジルコン酸鉛等の強誘電体を、高温に保たれた基
板上で酸素等と反応させることによって酸化物強誘電体
薄膜を形成する方法である。しかしながら、上記の何れ
の成膜方法を用いても基板に対して垂直に十分に配向し
た強誘電体薄膜を得ることはできない。
【0006】そこで、強誘電体を結晶化又は再結晶化さ
せて良好な強誘電性を発現させるために、強誘電体薄膜
を成膜した後、酸素雰囲気中で熱処理を施す方法が試み
られている。これによって、強誘電体薄膜がアモルファ
ス又は低配向多結晶状態から配向性の強い多結晶状態に
なって(001)配向単結晶の占める割合が増加し、強
誘電体の自発分極Psの大きな強誘電体薄膜が形成さ
れ、大きい出力を有する強誘電体薄膜素子を得ることが
できるようになった。しかしながら、この方法を用いて
も強誘電体薄膜は単結晶状態とはならず、多結晶状態の
ままである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】強誘電体薄膜が多結晶
状態の場合、その強誘電体薄膜は単結晶の緻密な集合体
として構成され、無数の粒界を含有している。このこと
は、強誘電体薄膜が単結晶状態となっている場合に比
べ、強誘電体の自発分極Psの大きさを著しく小さくす
る原因となっている。また、このような粒界は、例えば
不揮発性メモリ素子、圧電素子、焦電型赤外センサ等に
おけるリーク電流を引き起こす大きな原因でもある。更
に、このような粒界は強誘電体の透光性や電気光学特性
を悪くするため、光変調器や光スイッチ等の光素子の開
発を難しくしている。
【0008】この発明は上記のような課題を鑑みてなさ
れたものであり、単結晶状態である強誘電体薄膜の製造
方法及びそれを有する強誘電体薄膜素子を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、強誘
電体薄膜を有する強誘電体薄膜素子であって、該強誘電
体薄膜素子を動作させるのに必要な最低の単位を構成す
る一つの独立区画の該強誘電体薄膜が幅200μm以
内、長さ200μm以内の大きさで、かつ単結晶状態で
あることを特徴とする強誘電体薄膜素子が提供される。
【0010】更にこの発明によれば、基板上又は基板上
若しくは基板中に形成された電極上に強誘電体薄膜を形
成し、次に、強誘電体薄膜を一つ若しくは多数個に孤立
分割する加工を施して一つの独立区画の大きさを幅20
0μm以内、長さ200μm以内とし、その後、熱処理
をすることにより強誘電体薄膜を単結晶状態にすること
を特徴とする強誘電体薄膜の製造方法、及び予め、基板
上又は基板上若しくは基板中に形成された電極上に強誘
電体薄膜を、一つの独立区画の大きさを幅200μm以
内、長さ200μm以内として一つ若しくは多数個に孤
立させて形成した後、熱処理をすることにより強誘電体
薄膜を単結晶状態にすることを特徴とする強誘電体薄膜
の製造方法が提供される。
【0011】この発明において用いられる基板として
は、一般に不揮発性メモリ素子、キャパシタ、光変調素
子、圧電素子、焦電型赤外センサ等に用いられる基板で
あれば特に限定されるものではなく、シリコン基板、S
rTiO3 基板、MgO基板、サファイア基板や化合物
半導体等を用いることができる。化合物半導体基板とし
ては、例えばGaAs、GaP、AlGaAs、InA
lAs又はInP等を用いることができる。
【0012】この発明の強誘電体薄膜は、基板上に直接
形成されてもよいが、基板上若しくは基板中に電極を形
成し、その電極上に形成されてもよい。また、不揮発性
メモリ素子、キャパシタ、光変調素子、圧電素子、焦電
型赤外センサ等その用途に応じて、基板上に所望の素子
を形成し、その上に層間絶縁膜及び/又は電極等を形成
した上に強誘電体薄膜を形成してもよい。
【0013】この発明の強誘電体薄膜の機能性は、圧電
性膜、焦電性膜、電気光学用膜等多岐にわたるものであ
り、この発明の強誘電体薄膜素子は、不揮発性メモリ素
子、キャパシタ、光変調素子、圧電素子、焦電型赤外セ
ンサ等その用途に応じて様々な構造をとることができ
る。例えば、この発明の強誘電体薄膜素子の構造として
は、基板上に電極(下部電極)が形成され、その下部電
極上に強誘電体薄膜が形成され、更にその強誘電体薄膜
上に電極(上部電極)が形成された構造、シリコン基板
にイオンを注入して電極(下部電極)とし、そのシリコ
ン基板上に強誘電体薄膜を形成し、その強誘電体薄膜の
上に電極(上部電極)が形成された構造、基板上に強誘
電体薄膜を形成し、その強誘電体薄膜の側面に強誘電体
薄膜を挟むよう電極が形成された構造、MgO基板上に
強誘電体薄膜を形成し、その強誘電体薄膜の背面にある
MgO基板の一部を除去し、露出した強誘電体薄膜の裏
面及び強誘電体薄膜の表面に電極を形成した構造、サフ
ァイア基板上に強誘電体薄膜を形成し、その強誘電体薄
膜を加工してリッジ型構造の導波路を形成し、その導波
路の交差上に強誘電体のバッファ層を設けてその上に電
極を形成した構造等がある。
【0014】この発明の強誘電体薄膜に使用される材料
としては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チ
タン酸鉛(PbTiO3 )、チタン酸バリウム(BaT
iO 3 )、PLZT等の酸化物強誘電体があげられる。
この発明において用いられる電極は、電極の役割をする
ものであれば何れでもよい。例えば、シリコン基板等に
イオン等を注入して電極としてもよく、通常の電極材料
を用いてもよい。電極に使用される材料としては、通常
電極として用いられる金属であれば何れでもよく、例え
ばタンタル(Ta)、白金(Pt)、アルミニウム(A
l)、クロム(Cr)、窒化チタン(TiN)等があげ
られる。
【0015】この発明の強誘電体薄膜素子は、強誘電体
薄膜を挟むように形成された電極にそれぞれ駆動電圧を
印加する手段を備えることにより、電極に駆動電圧パル
スを印加して駆動される。この発明の強誘電体薄膜素子
を、例えば、基板上に下部電極が形成され、下部電極上
に強誘電体薄膜が形成され、強誘電体薄膜上に上部電極
が形成された構造を例にとって、図1にしたがって説明
する。
【0016】図1において、1は基板、2及び3は下部
電極、4は強誘電体薄膜、5は上部電極である。この構
造において、強誘電体薄膜素子は上部電極と下部電極に
それぞれ駆動電圧を印加する手段を備えることにより、
上部電極と下部電極に駆動電圧パルスを印加して駆動さ
れる。下部電極2及び3、強誘電体薄膜4及び上部電極
5は、共に幅200μm以内、長さ200μm以内の大
きさで基板1上に多数個に孤立して形成されており、強
誘電体薄膜4は、単結晶状態になっている。
【0017】次に、この発明の強誘電体薄膜の製造方法
を、例えば、強誘電体薄膜を基板上に形成された電極上
に形成する方法を例にとって、図2、3及び4にしたが
って説明する。図2は、基板1上に下部電極2及び3を
形成し、その上に強誘電体薄膜4を形成し、次に、強誘
電体薄膜4を多数個に孤立分割する加工を施して一つの
独立区画の大きさを幅200μm以内、長さ200μm
以内とし、その後、熱処理をすることにより強誘電体薄
膜4を単結晶状態にすることを特徴とする強誘電体薄膜
4の製造方法を示した図である。
【0018】図3及び4は、予め、基板1上に下部電極
7及び8と強誘電体薄膜9を、一つの独立区画の大きさ
を幅200μm以内、長さ200μm以内として多数個
に孤立させて形成した後、熱処理をすることにより強誘
電体薄膜9を単結晶状態にすることを特徴とする強誘電
体薄膜9の製造方法を示した図である。初めに、図2に
したがって説明する。
【0019】まず、基板1上に下部電極2及び3を形成
する。下部電極2及び3は公知の方法、例えば金属ター
ゲットを用いるスパッタリング法、CVD法、蒸着法等
で形成することができ、下部電極2又は3の層厚は30
〜300nmが適切である。下部電極2及び3を形成し
た後、強誘電体薄膜4を成膜する。この強誘電体薄膜4
は公知の方法、例えば高周波(RF)スパッタリング
法、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパ
ッタリング法、直流スパッタリング法、反応性スパッタ
リング法等のスパッタリング法、ゾルゲル法、CVD
法、蒸着法等で成膜することができ、強誘電体薄膜4の
膜厚は100〜1500nmが適切である。この段階で
図2(a)に示す構造が得られる。尚、例えば高周波
(RF)スパッタリング法、CVD法、蒸着法等で成膜
する場合には、強誘電体薄膜4を下部電極上に成膜して
いる間、基板1にバイアス電圧を印加するが、そのバイ
アス電圧はマイナス25〜マイナス120Vが適切であ
り、マイナス40〜マイナス90Vが好ましい。また、
成膜時の基板温度は、300℃以下で適宜選定される。
【0020】強誘電体薄膜4を成膜した後、強誘電体薄
膜4と下部電極2及び3を、共に幅200μm以内、長
さ200μm以内の大きさで多数個に孤立分割する加工
を施して一つの独立区画の大きさを幅200μm以内、
長さ200μm以内とする。強誘電体薄膜4と下部電極
2及び3を、一つの独立区画の大きさが幅200μm以
内、長さ200μm以内で多数個に孤立分割する加工
(微細加工)方法としては公知の方法、例えばRIE
(リアクティブイオンエッチング)法、イオンミリング
法等を用いることができる。この段階で図2(b)に示
す構造が得られる(図では、長さ方向が紙面垂直方向と
なっている)。
【0021】次に、熱処理をすることにより強誘電体薄
膜4を単結晶状態にする。熱処理方法としては、強誘電
体薄膜4を単結晶状態にしうる温度に加熱できる方法で
あれば何れでもよい。例えば加熱方法としては赤外線ラ
ンプ、抵抗加熱ヒータ、レーザ等があげられる。最適加
熱温度は、強誘電体薄膜4を成膜する際の基板1のバイ
アス電圧の大きさに依存して500〜800℃の範囲で
適宜選定される。例えば、強誘電体薄膜4としてチタン
酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いて高周波(RF)スパ
ッタリング法により成膜する場合、バイアス電圧がマイ
ナス50Vのとき、加熱温度はおよそ650℃であり、
バイアス電圧がマイナス80Vのとき、加熱温度はおよ
そ550℃である。加熱時間は10秒〜50分間が適切
である。こうして、この発明の強誘電体薄膜4が得られ
る。
【0022】図5にこの発明の熱処理装置の一例を示
す。図5において、10は酸素雰囲気を保ち熱処理を行
うためのチャンバ、11は赤外線をチャンバ内に導入す
るための赤外線導入石英製窓、12は加熱用赤外線ラン
プ、13は赤外線を効率良く集光させるための集光赤外
線ミラー、14は一つの独立区画の大きさを幅200μ
m以内、長さ200μm以内として、一つ若しくは多数
個に孤立して形成された強誘電体薄膜試料、15は強誘
電体薄膜試料14を赤外線の集光位置に保持するための
石英製基板ホルダ、16はチャンバ10内を真空排気す
るための排気口、17はチャンバ10内に酸素ガスを導
入するためのガス導入口である。
【0023】例えば、この装置を用いて熱処理を行う場
合、チャンバ10内を排気口16により予め10-4To
rrの減圧状態にしてガス導入口17から酸素ガスを導
入し、チャンバ10内を大気圧に保つ。この酸素雰囲気
下で熱処理を行い、強誘電体薄膜試料14は、石英製基
板ホルダ15上で加熱用赤外線ランプ12により加熱さ
れて単結晶状態となる。
【0024】更に、強誘電体薄膜4上に上部電極5を形
成することにより、図1に示した強誘電体薄膜素子を得
ることができる。上部電極5は公知の方法、例えば金属
ターゲットを用いるスパッタリング法、CVD法、蒸着
法等で形成することができ、上部電極5の層厚は60〜
600nmが適切である。次に、図3及び4にしたがっ
て説明する。
【0025】この強誘電体薄膜の製造方法において、予
め、下部電極7及び8と強誘電体薄膜9を、一つの独立
区画の大きさを幅200μm以内、長さ200μm以内
として多数個に孤立させて形成する方法としては、リフ
トオフ法、電気泳動電着法等の公知の方法を用いること
ができる。ここでは、リフトオフ法を例にとって説明す
る。
【0026】まず、基板1表面に、スピンナーを用い
て、下部電極7及び8と強誘電体薄膜9が、予め一つの
独立区画が幅200μm以内、長さ200μm以内の大
きさで孤立して形成されるようにレジストを塗布し、そ
のレジスト層をウェハステッパを用いて焼き付け、現像
処理を行ってレジストパターン6を設ける。こうして、
一つの独立区画が幅200μm以内、長さ200μm以
内の大きさに孤立して形成された多数の領域のみ基板1
表面を露出させる。この段階で図3(a)の構造が得ら
れる。レジスト層の厚みは、成膜される下部電極の層厚
と強誘電体薄膜の膜厚の和より厚い方が望ましい。
【0027】それから、レジストパターン6が設けられ
た基板1上に下部電極7及び8を形成し、下部電極上に
強誘電体薄膜9を成膜する。下部電極7及び8の形成方
法及び層厚と強誘電体薄膜9の成膜方法及び層厚は、上
記図2において説明したものと同様である。この段階で
図3(b)の構造が得られる。その後、基板1上のレジ
ストパターン6を除去することにより図4(c)の構造
が得られる。この構造は、図2(b)の構造と同様の形
状である。
【0028】次に、熱処理をすることにより強誘電体薄
膜9を単結晶状態にする。熱処理方法は、図2において
説明した方法と同様である。こうして、この発明の強誘
電体薄膜9が得られる。更に、強誘電体薄膜9上に上部
電極5を形成することにより、図4(d)に示した強誘
電体薄膜素子を得ることができる。上部電極5の形成方
法及び層厚は、上記図2において説明したものと同様で
ある。
【0029】この発明の強誘電体薄膜の製造方法におい
ては、熱処理前に、強誘電体薄膜の一つの独立区画が幅
200μm以内、長さ200μm以内の大きさであるこ
とが必須である。強誘電体薄膜の一つの独立区画が幅2
00μmよりも大きい及び/又は長さ200μmよりも
大きい形状では、熱処理後、強誘電体薄膜が単結晶状態
にならず粒界が見られるため好ましくない。また、強誘
電体薄膜の一つの独立区画が幅200μm以内、長さ2
00μm以内の形状であればどれだけ小さくても何ら問
題はなく、熱処理後、強誘電体薄膜は、その独立区画全
体が、粒界を持たない単結晶状態になる。
【0030】この発明の強誘電体薄膜素子は、熱処理に
より強誘電体薄膜を単結晶状態にした後、必要に応じて
更に微細加工を施し、素子化してもよい。
【0031】
【作用】この発明の強誘電体薄膜の製造方法によれば、
強誘電体薄膜の一つの独立区画の大きさを幅200μm
以内、長さ200μm以内にした後、熱処理をすること
により、強誘電体薄膜は、その独立区画全体が、強誘電
体の自発分極Psが基板に対して垂直に一方向に揃って
配向した、粒界を持たない単結晶状態となる。
【0032】従って、この発明によって得られる強誘電
体薄膜を有する強誘電体薄膜素子は、強誘電体の自発分
極Psの変化が最大となり、大きな出力が得られる。ま
た、強誘電体薄膜全体が一つの単結晶状態であり、強誘
電体薄膜中に粒界が存在しないため、例えば不揮発性メ
モリ素子、圧電素子、焦電型赤外センサ等におけるリー
ク電流が低減され、自発分極Psの反転繰り返し疲労が
改善される。更に、強誘電体の透光性や電気光学特性が
改善されるため、光変調器や光スイッチ等の光素子の開
発も可能となる。
【0033】
【実施例】この発明の強誘電体薄膜を以下のようにして
製造した。以下の実施例は、強誘電体薄膜の分極効果を
発現させるために電圧を印加できるよう、強誘電体薄膜
を下部電極と上部電極で挟む構造とした。
【0034】実施例1 まず、シリコン基板1上に下部電極としてタンタル膜2
及び白金膜3を、室温でスパッタリング法により各々膜
厚50nmで形成した。それから、強誘電体薄膜として
チタン酸ジルコン酸鉛薄膜4を、高周波(RF)スパッ
タリング法により膜厚300nmで成膜した。チタン酸
ジルコン酸鉛薄膜4を下部電極上に成膜している間、シ
リコン基板1にマイナス50Vのバイアス電圧を印加し
た。また、基板温度は250℃とした。チタン酸ジルコ
ン酸鉛薄膜4を成膜した後、タンタル膜2、白金膜3及
びチタン酸ジルコン酸鉛薄膜4を共にRIE(リアクテ
ィブイオンエッチング)法により、幅200μm、長さ
200μmの正方形パターンが多数個形成されるように
加工した。
【0035】次に、図5の熱処理装置を用いて熱処理を
することにより、この発明の強誘電体薄膜を製造した。
加熱方法として赤外線ランプを用い、650℃で20分
間加熱した。熱処理後、チタン酸ジルコン酸鉛薄膜4
は、基板に対して垂直に一方向に揃って配向した単結晶
状態となっていた。これは、X線回析法及び電子線回析
法によって確認された。
【0036】最後に、上部電極として窒化チタン膜5
を、チタン酸ジルコン酸鉛薄膜4上に膜厚100nmで
形成することにより、この発明の強誘電体薄膜を有する
強誘電体薄膜素子を製造した。
【0037】実施例2 リフトオフ法により、チタン酸ジルコン酸鉛薄膜9を、
予め一つの独立区画の大きさを幅200μm、長さ20
0μmとして多数個、孤立させて形成した。
【0038】まず、シリコン基板1表面に、スピンナー
を用いて、チタン酸ジルコン酸鉛薄膜9が、一つの独立
区画の大きさが幅200μm、長さ200μmで多数個
に孤立して形成されるようにおよそ1μm厚みのレジス
トを塗布し、そのレジスト層をウェハステッパを用いて
焼き付けて現像処理を行い、レジストパターン6を設
け、幅200μm、長さ200μmの大きさで多数個に
孤立して形成された領域のみシリコン基板1表面を露出
させた。次に、レジストパターン6が設けられたシリコ
ン基板1上に、垂直方向から電子ビーム蒸着法によっ
て、下部電極として膜厚50nmのタンタル膜7及び膜
厚50nmの白金膜8を形成し、白金膜8上に、反応性
蒸着法によって膜厚300nmのチタン酸ジルコン酸鉛
薄膜9を成膜した。それから、シリコン基板1上のレジ
ストパターン6を除去した。
【0039】その後、図5の熱処理装置を用いて熱処理
をすることにより、この発明の強誘電体薄膜を製造し
た。加熱方法として赤外線ランプを用い、700℃で3
0分間加熱した。熱処理後、チタン酸ジルコン酸鉛薄膜
9は、基板に対して垂直に一方向に揃って配向した単結
晶状態となっていた。これは、X線回析法及び電子線回
析法によって確認された。
【0040】最後に、上部電極として窒化チタン膜5
を、チタン酸ジルコン酸鉛薄膜9上に膜厚100nmで
形成することにより、この発明の強誘電体薄膜を有する
強誘電体薄膜素子を製造した。
【0041】
【発明の効果】この発明によれば、単結晶状態である強
誘電体薄膜及びそれを有する強誘電体薄膜素子を得るこ
とができる。つまり、この発明の強誘電体薄膜の製造方
法によれば、強誘電体薄膜の一つの独立区画の大きさを
幅200μm以内、長さ200μm以内にした後、熱処
理をすることにより、強誘電体薄膜を、強誘電体の自発
分極Psが基板に対して垂直に一方向に揃って配向した
単結晶状態にすることができる。
【0042】従って、この発明の製造方法によって得ら
れる強誘電体薄膜を有する強誘電体薄膜素子は、強誘電
体の自発分極Psの変化を最大にすることができ、大き
な出力を得ることができる。また、強誘電体薄膜が単結
晶状態であり、強誘電体薄膜中に粒界が存在しないた
め、例えば不揮発性メモリ素子、圧電素子、焦電型赤外
センサ等におけるリーク電流を低減することができ、自
発分極Psの反転繰り返し疲労を改善することができ
る。更に、強誘電体の透光性や電気光学特性を改善する
ことができるため、光変調器や光スイッチ等の光素子の
開発を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる強誘電体薄膜素子の構造を示す
概略断面図である。
【図2】本発明に係わる強誘電体薄膜の製造方法を説明
するための断面図である。
【図3】本発明に係わる強誘電体薄膜の製造方法を説明
するための断面図である。
【図4】本発明に係わる強誘電体薄膜の製造方法を説明
するための断面図である。
【図5】本発明の強誘電体薄膜の製造に用いられる熱処
理装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 基板(シリコン基板) 2 下部電極(タンタル膜) 3 下部電極(白金膜) 4 強誘電体薄膜(チタン酸ジルコン酸鉛薄膜) 5 上部電極(窒化チタン膜) 6 レジストパターン 7 下部電極(タンタル膜) 8 下部電極(白金膜) 9 強誘電体薄膜(チタン酸ジルコン酸鉛薄膜) 10 チャンバ 11 赤外線導入石英製窓 12 加熱用赤外線ランプ 13 集光赤外線ミラー 14 強誘電体薄膜試料 15 石英製基板ホルダ 16 排気口 17 ガス導入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H01L 41/08 41/24 9274−4M H01L 41/22 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体薄膜を有する強誘電体薄膜素子
    であって、該強誘電体薄膜素子を動作させるのに必要な
    最低の単位を構成する一つの独立区画の該強誘電体薄膜
    が幅200μm以内、長さ200μm以内の大きさで、
    かつ単結晶状態であることを特徴とする強誘電体薄膜素
    子。
  2. 【請求項2】 基板上又は基板上若しくは基板中に形成
    された電極上に強誘電体薄膜を形成し、次に、強誘電体
    薄膜を一つ若しくは多数個に孤立分割する加工を施して
    一つの独立区画の大きさを幅200μm以内、長さ20
    0μm以内とし、その後、熱処理をすることにより強誘
    電体薄膜を単結晶状態にすることを特徴とする強誘電体
    薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 予め、基板上又は基板上若しくは基板中
    に形成された電極上に強誘電体薄膜を、一つの独立区画
    の大きさを幅200μm以内、長さ200μm以内とし
    て一つ若しくは多数個に孤立させて形成した後、熱処理
    をすることにより強誘電体薄膜を単結晶状態にすること
    を特徴とする強誘電体薄膜の製造方法。
JP752693A 1993-01-20 1993-01-20 強誘電体薄膜の製造方法及びそれを有する強誘電体薄膜素子 Pending JPH06215975A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005181995A (ja) * 2003-11-27 2005-07-07 Nec Corp 光学素子、光集積デバイス、光情報伝搬システム及び成形体の製造方法
WO2011086645A1 (ja) 2010-01-12 2011-07-21 コニカミノルタホールディングス株式会社 圧電素子の製造方法及びその製造方法により製造された圧電素子

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