JPH0621511Y2 - パチンコ機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、景品球タンクの景品球を景品球放出装置に導
く導出樋に球切れが起った場合、景品球の放出動作を阻
止するようにしたパチンコ機に関するものである。

［従来の技術］ 従来、景品球タンクの景品球を流下させる導出樋の終端
に所定数の景品球が収容される固定ケースと該固定ケー
スの上下開口に臨む上方弁及び下方弁と上下方向に移動
可能な放出作動体とからなる景品球放出装置を設けると
共に、入賞球集合部の出口に入賞球を１個ずつ排出する
入賞球排出処理装置を設け、入賞球排出処理装置によっ
て排出される入賞球と関係的に景品球放出装置の放出作
動体を往復動させて上方弁及び下方弁を交互に開閉し、
それによって固定ケースの景品球を放出するようにした
パチンコ機は知られている（例えば実公平３−３３４５
号公報参照）。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、上述のようなパチンコ機にあっては、導出樋
に球切れが発生して固定ケースに所定数の景品球が収容
されていない状態であっても入賞球排出処理装置の作動
によって景品球放出装置の放出作動体が往復動されるた
め、景品球が不足した状態で放出されたり、入賞球だけ
が排出処理されて景品球が全く放出されないという重大
な問題点があった。

本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、導出樋
に球切れが起った場合に、景品球の放出動作を確実に阻
止し得るようなパチンコ機を提供しようとするものであ
る。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案においては、景品球
タンクの景品球を整列して流下させる導出樋の終端に、
所定数の景品球が収容される固定ケースと該固定ケース
の上下開口に臨む上方弁及び下方弁と上下方向の往復動
により前記上方弁及び下方弁を交互に開閉して固定ケー
スの景品球を下方へ放出する放出作動体とからなる景品
球放出装置を設けたパチンコ機において、前記景品球放
出装置より上方に位置した導出樋に、球切れを検知して
景品球放出装置の放出作動体を機械的に作動不能に拘束
する景品球放出阻止装置を設けたものである。

［作用］ 景品球タンクの景品球を流下させる導出樋に球切れが生
じると景品球放出阻止装置が作動して景品球放出装置の
放出作動体を作動不能に拘束し、景品球の放出動作を阻
止する。これによって、景品球放出装置の景品球が不足
していたり空のまゝの状態で景品球放出動作が行われて
しまうような事態を確実に回避することができる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面について説明する。第１
図はパチンコ機の裏面図を示し、１は遊技盤、２は遊技
盤１の裏面に開閉可能に装着された機構板、３は景品球
タンク、４は景品球タンク３の球を２列で導き出す導出
樋で、その終端にコーナ樋５、縦樋６を介して景品球放
出装置７が接続されている。８は景品球放出装置７から
排出された景品球をパチンコ機前面の球皿へ導くための
景品球排出樋、９は機構板２の内側の入賞球集合部10に
集められた入賞球を１個づつ機外へ排出する入賞球排出
処理装置である。

前記景品球放出装置７は、第２図に示すように定量数の
景品球が収容される固定ケース11と、この固定ケース11
の上下端に臨む上方弁12及び下方弁13と、上下に移動可
能に設けられてその移動により上方弁12と下方弁13とを
交互に開閉する放出作動体14と、一端が軸15により回動
可能に軸支され、かつ他端が放出作動体14の係合凹部14
aに臨む横向きな作動杆16とで構成されている。

固定ケース11は、上端と下端が開口し、景品球が一列で
上下方向に並ぶ直状球溜り17,17を前後に並設した垂直
筒型に形成され、その上端開口を縦樋６の球通路６ａ，
６ｂにそれぞれ接続させると共に、その下端開口を景品
球排出樋８に臨ませている。また、上方弁12は第５図実
線で示すように常にはこれの後端が放出作動体14の二股
の係合部14bにより押し下げられて固定ケース11の上端
開口を開き、下方弁13は、これの上端が放出作動体14の
係合凸部14cに当接して下端開口を閉じるようになって
おり、これによって固定ケース11の直状球溜り17,17に
定量数の景品球が溜められる。

前記入賞球排出処理装置９は、第３図に示すようにモー
タ18と、モータ18のモータ軸19に固定された凹凸のカム
面を有する板カム20と、下端が軸21により軸支され、前
記板カム20の凹凸面に接触して揺動運動を行い入賞球集
合部10から流出する入賞球を排出口22に押し出す揺動体
23と、この揺動体23によって押し出される入賞球の接触
により揺動する揺動片24とで構成されている。前記揺動
体23は上端の転子が常時板カム20の凹凸面に接触するよ
うにばね25で回動付勢されている。また揺動片24はその
枢軸26より側方に突出する腕27を有し、その腕27と景品
球放出装置７の作動杆16とが縦杆28により相互に連結さ
れている。

したがって、入賞球が揺動体23により排出口22に押し出
されると、その入賞球によって揺動片24が揺動し、縦杆
28が上昇して景品球放出装置７の作動杆16を上方へ回動
する。このため放出作動体14が上動し、第５図鎖線のよ
うに上方弁12の先端を下げて固定ケース11の上端開口を
閉じると共に、下方弁13を自由状態にして直状球溜り1
7,17内の定量数の景品球を景品球排出樋８に放出する。

しかして、本考案によれば、前記導出樋４に球切れが発
生した場合、景品球の放出動作を阻止するための景品球
放出阻止装置29を設ける。この景品球放出阻止装置29
は、第４図に示すように縦樋６らの側部開口に設けられ
上端を軸30により回動可能に軸着した検知レバー31と、
この検知レバー31とリンク片32を介して連結され、水平
方向へ摺動可能な拘束レバー33とから構成されている。
尚、本実施例ではこの景品球放出阻止装置29は、縦樋６
の前後２列に形成された球通路６ａ，６ｂのそれぞれに
設けられ、その構成は同じであるので同一符号で示し、
以下前側の球通路６ａに設けたものについて説明する。

前記検知レバー31は、第５図に示すように下端が球を受
けるように湾曲されていて、球通路６ａの一部を形成す
るようになっている。また軸30より外側に重錘34が取着
されていて、球通路６ａ内に球がない時検知レバー31を
第５図において時計方向へ回動させるようになってい
る。また検知レバー31には、中間よりやゝ下方部に連結
ピン35が突出して形成され、この連結ピン35はリンク片
32の上端部に形成された長孔36に挿通される。尚、検知
レバー31の下端から景品球放出装置７の上片弁12に至る
までの球通路６ａ，６ｂの距離は、それぞれの球通路６
ａ，６ｂに連通する景品球放出装置７の直状球溜り17,1
7に並ぶ球の個数（本実施例では、球通路６ａに連通す
る一方の直状球溜り17に７個、球通路６ｂに連通する他
方の直状球溜り17に６個）と少なくとも同じか又はそれ
以上の個数の球が並ぶように選ばれる。リンク片32は、
略中間部が軸37により回動自在に支持され、その軸37よ
り下方に腕部材38が形成される。

前記拘束レバー33は、縦樋６の外側に突出したガイド枠
39により水平方向へ移動自在に支持される。拘束レバー
33の一側端上面には溝状の係合部40が形成され、その係
合部40にリンク片32の腕部材38の下端が係合される。ま
た、拘束レバー33の他側端には景品球放出装置７の放出
作動体14の上方に対応する衝合部41がガイド枠39から突
出して形成される。

従って、縦樋６の球通路６ａ内に球がある通常時におい
ては、その球重量で検知レバー31が反時計方向に回動し
て第５図の状態となる。この状態においては、拘束レバ
ー33の衝合部41が景品球放出装置７の放出作動体14の上
方位置から退避しているため、その放出作動体14の上動
が可能となり景品球の放出動作が支障なく行われる。

一方、この状態で球通路６ａ内に球切れが生じて検知レ
バー31上の球がなくなると、垂錘34の作用によって該検
知レバー39が時計方向に回動して第６図の状態となる。
このため連結ピン35によりリンク片32が反時計方向へ回
動し、その腕部材38により拘束レバー33を右方向へ摺動
する。この結果、拘束レバー33の衝合部41が放出作動体
14の上方に突出位置することになり、その放出作動体14
の上動を拘束し、景品球の放出動作を阻止する。尚、本
実施例の場合、上述のように景品球放出阻止装置29が作
動しても景品球放出装置７の直状球溜り17,17には、検
知レバー31の下端から景品球放出装置７の上方弁12に至
るまでの球通路６ａ，６ｂ内に並ぶ球が流入充填される
ため、該直状球溜り17,17には常に定量数の球が充填さ
れることになり、これによって景品球放出阻止装置29の
作動が解除された直後であっても確実に定量数の景品球
が排出されることになる。

［考案の効果］ 以上のように、本考案によれば、景品球ケースへ球を導
く導出樋の球通路に球がなくなると景品球放出装置の放
出作動体を機械的に作動不能に拘束して景品球の放出動
作を停止させるのである。従って、従来のように景品球
が不足したり空のまま景品球放出動作が行われる不都合
を未然に防止することができると共に、球切れ検出スイ
ッチ等の複雑な配線が必要とされる電気的機器が一切不
要となる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図はパチンコ
機の裏面図、第２図は景品球放出装置部分を示す斜視
図、第３図は入賞球排出処理装置部分を示す斜視図、第
４図は景品球放出阻止装置部分を示す斜視図、第５図及
び第６図は、本考案の作用を説明する要部の断面図であ
る。 ３……景品球タンク、４……導出樋、７……景品球放出
装置、14……放出作動体、29……景品球放出阻止装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】景品球タンクの景品球を整列して流下させ
   る導出樋の終端に、所定数の景品球が収容される固定ケ
   ースと該固定ケースの上下開口に臨む上方弁及び下方弁
   と上下方向の往復動により前記上方弁及び下方弁を交互
   に開閉して固定ケースの景品球を下方へ放出する放出作
   動体とからなる景品球放出装置を設けたパチンコ機にお
   いて、 前記景品球放出装置より上方に位置した導出樋に、球切
   れを検知して景品球放出装置の放出作動体を機械的に作
   動不能に拘束する景品球放出阻止装置を設けたことを特
   徴とするパチンコ機。