JPH0620911U - 打込みねじ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 打込みが容易でかつ強固な締結力を発揮し、
また、抜き取りも容易な打込みねじを提供すること。 【構成】 回動工具係合部６が形成された頭部１に続く
軸部２にリードの大きい案内用ねじ３を設けるとともに
前記軸部２の先方部に前記案内用ねじ３よりもリードの
小さい締結用ねじ４を設けたもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、打込みが容易でかつ強固な締結力を発揮することができる打込みね じに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、建築用ボード板や柱などの締結には木ねじ、タッピンねじ、コーチね じ、打込みねじ等の種々のねじが使用されており、特に、打込み作業性に優れて いるうえに締結力にも比較的優れていることが強く要求されている建築分野では 頭部に続く軸部にリードの大きい案内用ねじを設けた打込みねじが広く利用され ている。

【０００３】 ところが、従来のこの種打込みねじにおいては、打込み作業性と締結力には比 較的優れているものの、打ち直し等の必要が生じた場合には打込みねじの頭部を バール等で引っかけて抜く必要があり、その作業が面倒であるばかりか抜き取り 作業の際に木材を破損させたり軸部が湾曲して再利用できなくなるなど種々の問 題点があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記のような従来の問題点を解決して、打込み作業は従来の打込みね じと同様に極めて容易に行うことができるうえにその締結力は従来のものに比べ てはるかに優れており、しかも打ち直し等の必要が生じた場合にも抜き取り作業 を極めて容易に行うことができるとともに、木材や軸部を変形させることなく抜 き取ることができる経済性にも優れた打込みねじを提供することを目的として完 成されたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するためになされた本考案の打込みねじは、頭部に続く軸部 にリードの大きい案内用ねじを設けた打込みねじにおいて、前記軸部の先方部に 前記案内用ねじよりもリードの小さい締結用ねじを設けるとともに頭部に回動工 具係合部を設けたことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

このように構成されたものは、頭部をハンマー等で叩いて被締結部材内に打ち 込めば、軸部に設けられたリードの大きい案内用ねじに案内されて方向ずれ等を 発生させることなくスムーズに打ち込まれることは従来のこの種打込みねじと同 様であるが、本考案では軸部の先方部がリードの小さい締結用ねじに形成されて いるので、打ち込み後はリードの大きい案内用ねじと、該案内用ねじの先方にあ るリードの小さい締結用ねじとによって被締結部材と強固に締結されることとな り、また、打ち直しその他何らかの理由で打込みねじを抜出したいときには頭部 に形成してある回動工具係合部を利用して逆回転させれば、簡単に頭部が被締結 部材から若干浮き上がるから、そのまま回動を継続するか浮き上がった頭部に釘 抜きを係合させて引き抜くことにより被締結部材の表面を傷付けたり軸部を変形 させることなく容易に抜き取り作業を行えることとなる。

【０００７】

【実施例】

次に、本考案を図示の実施例について詳細に説明する。 図面は建築作業用に用いられる打込みねじを示すもので、図中１は頭部、２は 軸部、３は該軸部２の先方部分を除きほぼ全体にわたって設けられたリードの大 きい案内用ねじ、４は案内用ねじ３に続いて軸部２の先方部に設けられた締結用 ねじである。

【０００８】 締結用ねじ４のリードは、前記の軸部２に設けた案内用ねじ３のリードよりも 小さいものとされており、実施例においては図２に示されるように、二条ねじが 用いられ大きい方のねじ山の外径Ｄ２は前記案内用ねじ３のねじ山の外径Ｄ１よ りも大きく、また小さい方のねじ山の外径Ｄ３は案内用ねじ３のねじ山の外径Ｄ １とほぼ等しいものとされている。この締結用ねじ４としては実施例のほか一条 ねじ、あるいは多条ねじ等のいずれのものとすることもできるが、いずれの場合 も小さいほうのねじ山の外径Ｄ３は案内用ねじ３のねじ山の外径Ｄ１とほぼ等し くしておくことが好ましく、これにより例えば複数枚の板材を締結する際に各板 材間に隙間が生じたような場合に本考案のねじをねじ込むように回動させれば、 前記リードの大きい案内用ねじ３の部分では板材が大きく前進し一方リードの小 さい締結用ねじ４の部分では板材が僅かしか進まず、この結果、各板材間の隙間 を解消してぴったりと密着させることが可能となる。 また、実施例のように二条ねじあるいはそれ以上の多条ねじとしておくことに より最大外径Ｄ２のねじ山のピッチを大きくして打込み時における抵抗をより小 さくしておくことが好ましく、更には図面に示されるように最大外径Ｄ２のねじ 山の上方部をほぼ水平面とするとともに下方部を先端に向かって縮径するテーパ 面としておくことにより打込みの容易化と強固な締結力とを発揮できるようにし ておくことが好ましい。

【０００９】 また、実施例においては前記頭部１の裏面側には板割れ防止用の突起５が等間 隔を隔てて数カ所形成されており、打込み後に該突起５が被締結部材の表面に食 い込んで打込みの際あるいは打込み後における被締結部材である板材などの割れ を防止するよう構成されており、さらに、頭部１にはドライバー等の回動工具係 合部６として例えば頂面にプラスあるいはマイナス形状等の溝を形成したりデル タ状あるいは６角状など非円形のソケットと係合する外形に頭部１を成形してお くものとし、ねじを引き抜く必要が生じた場合には該回動工具係合部６に回動工 具を係合させて逆回転させれば前記締結用ねじ４の作用により頭部１が被締結部 材から若干浮き出るよう構成されている。なお、このような打込みねじを製造す るには頭部１を圧造などで成形した角棒に捻りを加えて案内用ねじ３を形成する とともにその先方部のみを転造ダイスなどにより加工して締結用ねじ４を形成す るなど製作法は任意である。

【００１０】 このように構成されたものは、頭部１をハンマー等で叩いて被締結部材内に軸 部２を打ち込めば、軸部２はこれに設けられたリードの大きい案内用ねじ３に案 内されて方向ずれ等を発生させることなくスムーズに打ち込まれることは従来の この種打込みねじと同様であるが、本考案では軸部２の先方部に前記案内用ねじ ３よりもリードの小さい締結用ねじ４が形成されているので、打ち込み後はリー ドの大きい案内用ねじ３とリードの小さい締結用ねじ４とによって一般の木ねじ で締結した如く被締結部材と強固に締結されることとなる。しかして、打ち込み 後において打ち直しその他何らかの理由で打込みねじを抜出したいときは、頭部 １に形成してある回動工具係合部６に回動工具を係合させて軸部２を逆回転させ れば、簡単に頭部１が被締結部材から若干浮き上がるから、そのまま回動を継続 するか浮き上がった頭部１に釘抜きを係合させて引き抜けば、被締結部材の表面 を傷付けたり軸部２を変形させることなく容易に抜き取ることができ、抜き出し たものは再利用することも可能となる。

【００１１】

【考案の効果】

以上の説明からも明らかなように、本考案は打込み作業は従来の打込みねじと 同様に極めて容易に行うことができるうえにその締結力は従来のものに比べては るかに優れており、しかも、打ち直し等の必要が生じた場合にも抜き取り作業を 極めて容易に行うことができるとともに、軸部を変形させることなく抜き取るこ とが可能で再利用に供することができ優れた経済性も発揮できるものである。 よって、本考案は従来の問題点を一掃した打込みねじとして、その実用的価値 は極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す正面図である。

【図２】本考案の実施例における軸部の拡大断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 頭部 ２ 軸部 ３ 案内用ねじ ４ 締結用ねじ ５ 突起 ６ 回動工具係合部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 頭部(1) に続く軸部(2) にリードの大き
   い案内用ねじ(3) を設けた打込みねじにおいて、前記軸
   部(2) の先端方部に前記案内用ねじ(3) よりもリードの
   小さい締結用ねじ(4) を設けるとともに頭部(1) に回動
   工具係合部(6) を設けたことを特徴とする打込みねじ。
2. 【請求項２】 締結用ねじ(4) を多条ねじとした請求項
   １に記載の打込みねじ。
3. 【請求項３】 頭部(1) の裏面側に板割れ防止用の突起
   (5) を形成してある請求項１または請求項２に記載の打
   込みねじ。