JPH06181965A - 簡易サウナ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 背当の傾動位置に対応したサウナ空間を画定
し、使用者の窮屈感を解消する。 【構成】 座部３を固定座５と可動座６とから伸縮可能
に構成する。固定座５にスライダー９を載置し、その前
端に足載せ１０を設ける。可動座６に背当４をリクライ
ニング可能に支持し、その下端をリンク１５で座枠２に
結合する。背当４に連動し、可動座６が移動して足載せ
１０を昇降する。座枠２と背当４との間に伸縮フレーム
２７を架設し、その中間部に中折れジョイント２８を設
ける。伸縮フレーム２７は背当４に連動して伸縮し、フ
ロントカバー３１ａを常に膨んだ状態に張設する。傾動
アーム２５を倒せば、伸縮フレーム２７が中間部で屈曲
し、通常の椅子の形態となる。スチーム発生器３５はヒ
ータで加熱される加熱プレートと、これに水を滴下する
給水機構とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、家庭等で簡易に使用
できるサウナ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のサウナ装置として、従来、人が
入ることが可能な合成樹脂製の袋の内部に、温風とスチ
ームを導入するものが知られている。そして、このよう
な袋内に人が入り、例えば背当が固定された通常の椅子
に座って、サウナとして利用することが考えられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
サウナ装置によると、背当が固定されているため、使用
者は全身を伸ばすことができず、長時間窮屈な姿勢で我
慢しなければならず、快適にサウナを利用することがで
きないという不具合があった。また、袋はサウナ空間を
不定形な状態で形成するため、袋の一部が身体に接近ま
たは接触して、使用者に圧迫感や不快感を与えるという
問題もあった。

【０００４】この発明は上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的は背当を好みの位置に倒して安楽
な姿勢で入浴できるとともに、背当の傾動位置に対応し
たサウナ空間を画定して使用者の窮屈感を解消でき、快
適にサウナを利用することができる簡易サウナ装置を提
供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第１の発明のサウナ装置は座枠に座部とリクライニ
ング可能な背当とを設け、座枠と背当との間に伸縮フレ
ームを架設し、伸縮フレームに座部及び背当を覆うカバ
ーを張設し、カバーの内側にスチーム発生器を設置して
なることを特徴とする。

【０００６】第２の発明は、前記座部を固定座と可動座
とから伸縮可能に構成し、固定座に足載せを昇降可能に
支持し、背当に連動して可動座を前後動する機構と、背
当に連動して足載せを昇降する機構とを設けたことを特
徴とする。

【０００７】第３の発明は、前記伸縮フレームの中間に
中折れジョイントを設け、座枠と伸縮フレームとの間に
傾動アームを介装し、傾動アームに伸縮フレームを屈伸
する操作部材を連結したことを特徴とする。

【０００８】第４の発明は、前記スチーム発生器を、ヒ
ータと、ヒータにより加熱される加熱プレートと、加熱
プレートに水を滴下または噴霧する給水機構とから構成
したことを特徴とする。

【０００９】

【作用】第１の発明のサウナ装置によれば、背当に連動
して伸縮フレームが伸縮され、カバーが常に膨んだ状態
に張設される。従って、背当がどの位置にあっても、カ
バーの内側に適当な容積のサウナ空間が画定される。第
２の発明においては、背当を倒したときに、座部が拡張
され、それとほぼ同じ高さに足載せが上昇され、背当、
座部、及び足載せによって使用者の全身を支持する平滑
面が形成される。このとき、座部及び足載せが身体に自
動的に整合するので、使用者はリクライニングに際し体
を動かす面倒がなくなる。

【００１０】また、第３の発明では、操作部材で傾動ア
ームを起こしたときに、伸縮フレームがアーチ状に伸長
され、カバーが膨んだ状態に張設される。また、傾動ア
ームを倒したときには、伸縮フレームが中折れジョイン
トによって中間部分で屈曲され、カバーが座部及び背当
に接合され、装置全体が椅子の形態となる。従って、サ
ウナを使用しないときに、装置を通常の椅子に転用する
ことができる。

【００１１】さらに、第４の発明においては、給水機構
から滴下または噴霧された水が加熱プレートによって瞬
時に蒸発される。このため、水槽の水を加熱する場合と
比較して、スチームが短時間に効率よく発生する。

【００１２】

【実施例】以下、この発明を具体化した一実施例を図面
に基づいて説明する。図１〜図４に示すように、本実施
例のサウナ装置は使用者Ｕが座る椅子１を備え、椅子１
には座枠２と座部３と背当４とが設けられている。座部
３は座枠２に固定した固定座５と、固定座５の後部に摺
動自在に組み付けた可動座６とから前後に伸縮可能に構
成されている。座枠２及び可動座６には、このサウナ装
置を室内等で移動するためのキャスター７が取り付けら
れている。

【００１３】固定座５には座面の一部を形成するスライ
ダー９が載置され、その前端には足載せ１０が水平に取
り付けられている。スライダー９は複数本の棒材８を連
結金具１１ですのこ状に連結して構成され、その後端は
可動座６に結合されている。足載せ１０はスライダー９
の摺動に伴い固定座５に対し昇降可能に設けられてい
る。

【００１４】背当４は支点軸１２により可動座６にリク
ライニング可能に支持されている。背当４の上端にはヘ
ッドレスト１３が装着されている。背当４の下端にはピ
ン１４によりリンク１５が連結され、リンク１５の反対
端はピン１６により座枠２に結合されている。そして、
リンク１５は背当４に連動して可動座６を前後動する機
構を構成し、また、リンク１５、可動座６、及びスライ
ダー９は背当４に連動して足載せ１０を昇降する機構を
構成している。

【００１５】座枠２と支点軸１２との間には、背当４を
起立方向へ付勢する復帰バネ１８が張設されている。図
５及び図６に示すように、支点軸１２にはレバー１９が
回動可能に取り付けられ、このレバー１９には複数の切
欠２０と操作部２１とが設けられている。そして、切欠
２０を座枠２のピン１６に選択的に嵌合することによ
り、背当４及び可動座６を複数位置にロックできるよう
になっている。なお、支点軸１２にはレバー１９を下方
へ付勢する巻バネ２２が挿着されている。

【００１６】図７に示すように、座枠２の前部には軸杆
２４が回動可能に横架され、この軸杆２４上には傾動ア
ーム２５と操作部材としてのハンドル２６とが固定され
ている。傾動アーム２５と背当４との間にはコイルスプ
リングからなる伸縮フレーム２７が架設され、その中間
部には中折れジョイント２８が設けられている。そし
て、ハンドル２６で傾動アーム２５を起伏することによ
り、伸縮フレーム２７が中間部分で屈伸して、アーチ状
に伸びた形態（図１，図２参照）と、背当４の基部で略
直角に屈曲した形態（図３参照）とに変形するようにな
っている。なお、図８に示すように、中折れジョイント
２８は伸縮フレーム２７をアーチ形態に保持するストッ
パー２９を備えている。

【００１７】椅子１はビニール等の防水シートからなる
カバー３１で全体的に被包されている。座部３及び背当
４を覆うフロントカバー３１ａは伸縮フレーム２７に張
設されている。フロントカバー３１ａは伸縮フレーム２
７に追従して容易に膨脹及び収縮するように加工が施さ
れている。また、図４に示すように、フロントカバー３
１ａには使用者Ｕが出入りするファスナー３２が縫着さ
れ、その開閉片３２ａはカバー３１ａの外側と内側とに
設けられている。

【００１８】椅子１の側面を覆うサイドカバー３１ｂに
は発泡ウレタンフォーム等の柔軟材料からなるキャップ
３３が設けられ、ここには使用者Ｕが腕を出すためのス
リット３３ａが図１２または図１３に示すような形状で
形成されている。なお、前記レバー１９の操作部２１及
びハンドル２６はサイドカバー３１ｂの外側に露出して
いる。

【００１９】座枠２上には、カバー３１の内部にスチー
ムを発生するスチーム発生器３５が設置されている。こ
のスチーム発生器３５は、図９〜図１１に示すように、
ヒータ３６と、ヒータ３６により加熱される加熱プレー
ト３７と、加熱プレート３７に水を滴下する給水機構３
８とから構成されている。加熱プレート３７は皿状に絞
り成形され、その裏面側にヒータ３６が組み込まれてい
る。ヒータ３６及び加熱プレート３７は断熱材３９の内
側に収容されている。

【００２０】給水機構３８は、環状パイプ４０を給水管
４１を介し給水槽４２に接続して構成されている。環状
パイプ４０は加熱プレート３７の上方に配置され、下面
に複数の滴下孔４０ａを備えている。給水管４１上には
ポンプ４４、バルブ４５、及び水量コントローラ４６が
配設されている。給水槽４２にはカートリッジタンク４
３が付設されている。

【００２１】なお、図４に示すように、サイドカバー３
１ｂの外側には前記水量コントローラ４６及び電源スイ
ッチ４７等を備えた制御箱４８が設けられている。ま
た、図１等に示すように、座枠２の底部には水受皿４９
が着脱可能に取り付けられている。

【００２２】次に、上記のように構成されたサウナ装置
の作用を使用方法と合わせて説明する。図１及び図２は
サウナ装置の使用時の形態を示し、図３及び図４はサウ
ナ装置の非使用時の形態を示す。

【００２３】サウナを使用する場合、まず、使用者Ｕは
ファスナー３２を開け、カバー３１の内側に入って椅子
１に座る。次いで、キャップ３３のスリット３３ａから
腕を出し、ハンドル２６を持ち上げて、傾動アーム２５
を起す。すると、伸縮フレーム２７がアーチ状に伸長さ
れ、フロントカバー３１ａが膨んだ状態に張設され、そ
の内側にサウナ空間が形成される。

【００２４】次に、レバー１９を持ち上げて切欠２０を
ピン１６から解離し、背当４を好みの位置に傾動する。
この位置で、レバー１９から手を離すと、レバー１９が
巻バネ２２の付勢力で下方へ回動され、切欠２０がピン
１６に自動的に嵌合されて、背当４及び可動座６がレバ
ー１９を介し座枠２にロックされる。このとき、伸縮フ
レーム２７は背当４に連動して伸縮され、フロントカバ
ー３１ａが常に膨んだ状態に張設される。従って、背当
４がどの傾動位置にあっても、フロントカバー３１ａの
内側に適当な容積のサウナ空間を画定することができ
る。

【００２５】また、リクライニング時には、可動座６が
リンク１５により背当４に連動して移動され、座部３が
前後に伸縮されるとともに、足載せ１０がスライダー９
を介して昇降される。そして、図１に示すように、背当
４を倒したときには、座部３が拡張され、それとほぼ同
じ高さに足載せ１０が上昇され、背当４、座部３、足載
せ１０が平滑な支持面を形成し、この支持面によって使
用者Ｕの全身が支持される。このとき、座部３及び足載
せ１０が身体に自動的に整合するので、使用者Ｕは体を
動かさなくても、椅子１の上で楽に寝そべることができ
る。

【００２６】続いて、電源スイッチ４７をＯＮすると、
ヒータ３６が通電されて、加熱プレート３７が所定温度
まで加熱される。その後、バルブ４５が開放されるとと
もに、ポンプ４４が起動され、給水槽４２の水が給水管
４１を介し環状パイプ４０に供給され、滴下孔４０ａか
ら加熱プレート３７上に滴下される。そして、滴下され
た水は加熱プレート３７の熱で瞬時に蒸発され、スチー
ムがカバー３１の内部に充満する。従って、使用者は背
当４を好みの位置に倒して、安楽な姿勢でサウナを浴び
ることができる。

【００２７】本実施例のスチーム発生器３５は滴下方式
を採用しているで、水槽の水を加熱する場合と比較し
て、スチームが短時間に効率よく発生する。その結果、
ヒータ３６の消費電力が少なくて済み、また、比較的低
い温度で入浴することができる。なお、水量コントロー
ラ４６でバルブ４５の開度を調整すれば、スチームの発
生量を適宜に加減することができる。また、バルブ４５
を閉じて給水を停止すれば、乾式サウナとして利用する
ことも可能である。

【００２８】一方、サウナを使用しない場合には、ハン
ドル２６を押し下げ、傾動アーム２５を後方へ倒す。こ
うすれば、図３及び図４に示すように、伸縮フレーム２
７が中折れジョイント２８により中間部分で屈曲され、
フロントカバー３１ａが座部３及び背当４に接合され、
装置全体が椅子の形態となる。従って、サウナを使用し
ないときに、装置を通常の椅子に転用できて大変便利で
ある。この場合、伸縮フレーム２７の前半部を肘掛けと
して使用することができる。

【００２９】なお、この発明は上記実施例の構成に限定
されるものではなく、次に例示するように、各部の形状
並びに構成を適宜に変更して具体化してもよい。 （１）伸縮フレーム２７を、ゴムまたは合成樹脂等の弾
性材料や、テレスコパイプで構成すること。 （２）背当４のロック機構を押ボタン式に構成するこ
と。 （３）スチーム発生器３５にスプレーノズルを設け、そ
こから水を加熱プレート３７に噴霧して、スチームが発
生するように構成すること。 （４）椅子１に加振器を設置し、サウナ装置にバイブレ
ーション機能を付加すること。

【００３０】

【発明の効果】以上詳述したように、第１の発明によれ
ば、背当を好みの位置に倒して安楽な姿勢で入浴できる
とともに、背当の傾動位置に対応したサウナ空間を画定
して使用者の窮屈感を解消でき、快適にサウナを利用で
きるという優れた効果を奏する。第２の発明によれば、
リクライニングに際し、使用者が体を動かさなくても、
座部及び足載せが身体に自動的に整合するという効果が
得られる。

【００３１】第３の発明によれば、サウナを使用しない
ときに、装置を通常の椅子に転用できるという効果を奏
する。第４の発明によれば、スチームが短時間に効率よ
く発生するという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による一実施例のサウナ装置の使用形
態を示す側面図である。

【図２】サウナ装置の図１とは異なる使用形態を示す側
面図である。

【図３】サウナ装置の非使用形態を示す側面図である。

【図４】図３の斜視図である。

【図５】サウナ装置の座部と背当との連結構造を示す側
面図である。

【図６】連結構造の図５とは異なる作動状態を示す側面
図である。

【図７】サウナ装置の伸縮フレームの操作機構を示す斜
視図である。

【図８】伸縮フレームの中折れジョイントを示す断面図
である。

【図９】サウナ装置のスチーム発生器の概略を示す部分
破断正面図である。

【図１０】スチーム発生器の環状パイプを示す底面図で
ある。

【図１１】スチーム発生器のヒータ及び加熱プレーを示
す底面図である。

【図１２】サウナ装置のキャップを示す斜視図である。

【図１３】キャップの別例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１…椅子、２…座枠、３…座部、４…背当、５…固定
座、６…可動座、９…スライダー、１０…足載せ、１５
…リンク、１９…レバー、２５…傾動アーム、２６…ハ
ンドル、２７…伸縮フレーム、２８…中折れジョイン
ト、３１…カバー、３１ａ…フロントカバー、３５…ス
チーム発生器、３６…ヒータ、３７…加熱プレート、３
８…給水機構。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 座枠に座部とリクライニング可能な背当
   とを設け、座枠と背当との間に伸縮フレームを架設し、
   伸縮フレームに座部及び背当を覆うカバーを張設し、カ
   バーの内側にスチーム発生器を設置してなることを特徴
   とする簡易サウナ装置。
2. 【請求項２】 前記座部を固定座と可動座とから伸縮可
   能に構成し、固定座に足載せを昇降可能に支持し、背当
   に連動して可動座を前後動する機構と、背当に連動して
   足載せを昇降する機構とを設けたことを特徴とする請求
   項１に記載の簡易サウナ装置。
3. 【請求項３】 前記伸縮フレームの中間に中折れジョイ
   ントを設け、座枠と伸縮フレームとの間に傾動アームを
   介装し、傾動アームに伸縮フレームを屈伸する操作部材
   を連結したことを特徴とする請求項１に記載の簡易サウ
   ナ装置。
4. 【請求項４】 前記スチーム発生器を、ヒータと、ヒー
   タにより加熱される加熱プレートと、加熱プレートに水
   を滴下または噴霧する給水機構とから構成したことを特
   徴とする請求項１に記載の簡易サウナ装置。