JPH06171071A - 凹版印刷物とその他の印刷物との識別方法 - Google Patents
凹版印刷物とその他の印刷物との識別方法Info
- Publication number
- JPH06171071A JPH06171071A JP4350527A JP35052792A JPH06171071A JP H06171071 A JPH06171071 A JP H06171071A JP 4350527 A JP4350527 A JP 4350527A JP 35052792 A JP35052792 A JP 35052792A JP H06171071 A JPH06171071 A JP H06171071A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- printed matter
- received
- angular position
- intaglio
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)
- Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
- Inspection Of Paper Currency And Valuable Securities (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 凹版印刷の技法による印刷物を容易かつ正確
に他の印刷技法による印刷物と識別する識別方法を提供
すること。 【構成】 紙幣1面に、照射用光ファイバ4の照射端5
から光を照射し、反射光を、入射光と対称角度位置に受
光端81を配した受光用光ファイバ61とその前後に受
光端82、83を配した受光用光ファイバ62、63で
受光し、かつ光電変換し、各信号のレベルを演算部9で
比較し、受光端81の受光量が他のいずれかの受光端8
2、83のそれと比較して、一定割合より低下すると、
段差検出と判断し、検出ライン中の段差検出割合が一定
以上となれば凹版印刷物と判断し、他の紙幣識別装置で
紙幣模様等が確認されれば、真券と判定する。
に他の印刷技法による印刷物と識別する識別方法を提供
すること。 【構成】 紙幣1面に、照射用光ファイバ4の照射端5
から光を照射し、反射光を、入射光と対称角度位置に受
光端81を配した受光用光ファイバ61とその前後に受
光端82、83を配した受光用光ファイバ62、63で
受光し、かつ光電変換し、各信号のレベルを演算部9で
比較し、受光端81の受光量が他のいずれかの受光端8
2、83のそれと比較して、一定割合より低下すると、
段差検出と判断し、検出ライン中の段差検出割合が一定
以上となれば凹版印刷物と判断し、他の紙幣識別装置で
紙幣模様等が確認されれば、真券と判定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対象の印刷物が凹版印
刷の技法で印刷された凹版印刷物であるか否かを識別す
る凹版印刷物とその他の印刷物との識別方法に関するも
のである。特に、一応紙幣と認められる印刷物につい
て、最終的に、それが真券であるか偽券であるかを識別
するために、その印刷が凹版印刷の技法によってなされ
たものか否かを識別する凹版印刷物とその他の印刷物と
の識別方法に関するものである。
刷の技法で印刷された凹版印刷物であるか否かを識別す
る凹版印刷物とその他の印刷物との識別方法に関するも
のである。特に、一応紙幣と認められる印刷物につい
て、最終的に、それが真券であるか偽券であるかを識別
するために、その印刷が凹版印刷の技法によってなされ
たものか否かを識別する凹版印刷物とその他の印刷物と
の識別方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般的に印刷物を、凹版印刷による
印刷物か否かを調べる技術は存在していない。
印刷物か否かを調べる技術は存在していない。
【0003】しかし後述するように、紙幣の真贋の識別
の技法が行き詰まった現在に於て、より正確になされ得
る紙幣の識別方法の提案が期待されており、凹版印刷の
技法による印刷物と他の印刷技法による印刷物との識別
を可能とすることにより、それが期待できると出願人は
考えるに至っている。
の技法が行き詰まった現在に於て、より正確になされ得
る紙幣の識別方法の提案が期待されており、凹版印刷の
技法による印刷物と他の印刷技法による印刷物との識別
を可能とすることにより、それが期待できると出願人は
考えるに至っている。
【0004】まず、以上に述べたように、従来の紙幣の
識別方法とその問題点について述べる。そのひとつは、
紙幣に適当な検出ゾーンに沿って光(赤外線等を含む)
照射し、その反射光を受光し、これを光電変換して得ら
れる波形を、真正の紙幣についてのそれと比較して一定
の許容範囲内にある場合には、それを真券と判定し、そ
うでない場合は偽券である、と判定する技法である。
識別方法とその問題点について述べる。そのひとつは、
紙幣に適当な検出ゾーンに沿って光(赤外線等を含む)
照射し、その反射光を受光し、これを光電変換して得ら
れる波形を、真正の紙幣についてのそれと比較して一定
の許容範囲内にある場合には、それを真券と判定し、そ
うでない場合は偽券である、と判定する技法である。
【0005】上記従来技法は、必ずしも否定すべきでな
く、一定の正確性を有するものであり、有用性を失って
はいないが、コピー技術の進展にともない、真券とこれ
をコピーした偽券との識別はますます難しくなる傾向に
あり、特に可視光を利用した技術は行き詰まりつつあ
る。赤外光を利用した技法は、これに比べれば相当優れ
ているが、それでも同様の理由で徐々に行き詰って行く
であろうことが、予想される。
く、一定の正確性を有するものであり、有用性を失って
はいないが、コピー技術の進展にともない、真券とこれ
をコピーした偽券との識別はますます難しくなる傾向に
あり、特に可視光を利用した技術は行き詰まりつつあ
る。赤外光を利用した技法は、これに比べれば相当優れ
ているが、それでも同様の理由で徐々に行き詰って行く
であろうことが、予想される。
【0006】更にまた上記の従来技法は使用によって紙
幣が汚れたりすることにより、その能力が一段と低下せ
ざるを得ない。
幣が汚れたりすることにより、その能力が一段と低下せ
ざるを得ない。
【0007】以上の他に、印刷インク中の磁性体の存在
を検出して真贋を識別する技法も存在している。またこ
の他に併せて紙幣の幅や厚みをも検出する技法等も採用
されている。しかしこれらの技術は不完全で、もともと
正確に識別を行えるものではないし、紙幣の幅や厚みを
チェックする技術は元来補助的なものに過ぎない。
を検出して真贋を識別する技法も存在している。またこ
の他に併せて紙幣の幅や厚みをも検出する技法等も採用
されている。しかしこれらの技術は不完全で、もともと
正確に識別を行えるものではないし、紙幣の幅や厚みを
チェックする技術は元来補助的なものに過ぎない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、コ
ピー技術の進展に拘りなく、また汚れによって影響を受
けることの少ない真券と偽券との識別を確実に行える紙
幣識別方法を確立することを最終的な解決の課題とする
ものであり、そのために、前期したように、凹版印刷の
技法による印刷物とその他の印刷の技法による印刷物と
を識別する識別方法の確立を、その前提となる解決の課
題とするものである。
ピー技術の進展に拘りなく、また汚れによって影響を受
けることの少ない真券と偽券との識別を確実に行える紙
幣識別方法を確立することを最終的な解決の課題とする
ものであり、そのために、前期したように、凹版印刷の
技法による印刷物とその他の印刷の技法による印刷物と
を識別する識別方法の確立を、その前提となる解決の課
題とするものである。
【0009】なお、上記のような凹版印刷の技法による
印刷物とその他の印刷技法による印刷物との識別方法を
確立することが、紙幣の真贋の識別に有効であるとの根
拠は、次の通りである。即ち、各国の紙幣は、殆どが凹
版印刷の技法により印刷されており、一方、偽券は、印
刷乃至コピー機による複写で製造されている。偽券製造
のための印刷の技法は、平版であるのが一般的であり、
凹版であることは全くない。コピーによって製造される
場合は、ドラムに生成させたトナーによる画像を用紙に
転写するものであるから、平版印刷的な技法であるとい
うことができるであろう。
印刷物とその他の印刷技法による印刷物との識別方法を
確立することが、紙幣の真贋の識別に有効であるとの根
拠は、次の通りである。即ち、各国の紙幣は、殆どが凹
版印刷の技法により印刷されており、一方、偽券は、印
刷乃至コピー機による複写で製造されている。偽券製造
のための印刷の技法は、平版であるのが一般的であり、
凹版であることは全くない。コピーによって製造される
場合は、ドラムに生成させたトナーによる画像を用紙に
転写するものであるから、平版印刷的な技法であるとい
うことができるであろう。
【0010】しかしてこのことにより、発明者は、対象
紙幣が一応紙幣としての外観を備えていることを別に確
認することを前提として、該対象紙幣が、凹版印刷によ
って印刷されたものか否かを識別することにより、それ
が紙幣に於ける真券か否かを識別することができるので
はないかとの着想を得るに至り、前記のように、これを
実現する技術の確立を解決の課題とするものである。
紙幣が一応紙幣としての外観を備えていることを別に確
認することを前提として、該対象紙幣が、凹版印刷によ
って印刷されたものか否かを識別することにより、それ
が紙幣に於ける真券か否かを識別することができるので
はないかとの着想を得るに至り、前記のように、これを
実現する技術の確立を解決の課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の構成の要旨とす
るところは、対象の印刷物の表面に、一定の検出ライン
に沿って、順次、点状の光を照射し、その入射点に立て
た仮想法線を中心として入射光と対称となる角度位置付
近の複数位置で反射光を受光し、上記複数位置の各々に
於ける受光量を相互に比較し、比較の結果得られた受光
量の相互関係が、入射点が平坦である場合の相互関係と
認められる関係にあるか否かを、順次、判定し、前記一
定の検出ラインの検出を完了させた結果、平坦でない場
合の関係にあるとの判定が、対象の印刷物によって決ま
る一定の割合を越えた場合には凹版印刷物と判定し、そ
うでない場合は凹版印刷物以外の印刷物と判定すること
とする凹版印刷物とその他の印刷物との識別方法であ
る。
るところは、対象の印刷物の表面に、一定の検出ライン
に沿って、順次、点状の光を照射し、その入射点に立て
た仮想法線を中心として入射光と対称となる角度位置付
近の複数位置で反射光を受光し、上記複数位置の各々に
於ける受光量を相互に比較し、比較の結果得られた受光
量の相互関係が、入射点が平坦である場合の相互関係と
認められる関係にあるか否かを、順次、判定し、前記一
定の検出ラインの検出を完了させた結果、平坦でない場
合の関係にあるとの判定が、対象の印刷物によって決ま
る一定の割合を越えた場合には凹版印刷物と判定し、そ
うでない場合は凹版印刷物以外の印刷物と判定すること
とする凹版印刷物とその他の印刷物との識別方法であ
る。
【0012】ところで、対象の印刷物が完全に平滑な平
面ではなくて、細かな凹凸を有する紙その他であること
を前提とした場合、対象の印刷物の入射点が平坦(ここ
では、上記細かな凹凸があるだけで、それ以上の凹凸が
ない、という意味である、以下同じ)であれば、仮想法
線を中心として入射光と反対側で同一角度(即ち、仮想
法線を中心として対称)の角度位置に最も強い反射光が
到達し、その周囲には弱い反射光が到達することにな
る。入射点が完全に平滑な平面であれば、反射光は、入
射光と対称の角度位置にのみ到達し、その周囲の位置に
は到達し得ないが、前記のように、印刷対象物に細かな
凹凸があることにより、散乱し、若干の反射光が到達す
ることになるわけである。
面ではなくて、細かな凹凸を有する紙その他であること
を前提とした場合、対象の印刷物の入射点が平坦(ここ
では、上記細かな凹凸があるだけで、それ以上の凹凸が
ない、という意味である、以下同じ)であれば、仮想法
線を中心として入射光と反対側で同一角度(即ち、仮想
法線を中心として対称)の角度位置に最も強い反射光が
到達し、その周囲には弱い反射光が到達することにな
る。入射点が完全に平滑な平面であれば、反射光は、入
射光と対称の角度位置にのみ到達し、その周囲の位置に
は到達し得ないが、前記のように、印刷対象物に細かな
凹凸があることにより、散乱し、若干の反射光が到達す
ることになるわけである。
【0013】したがってこのような事実を前提として考
えると、前記入射点に立てた仮想法線を中心として入射
光と対称となる角度位置付近の複数位置としては、種々
の位置を選び得る。たとえば、仮想法線を中心として入
射光と正確に対称となる角度位置(対称角度位置、以下
同じ)をそのひとつに選び、これに隣接する周囲のいず
れかの角度位置(周囲角度位置、以下同じ)をひとつ以
上選ぶ等である。後者としては、仮想法線を中心として
入射光と正確に対称となる角度位置を中心として、その
周囲、即ち、上記位置を中心として、これに最近接する
最小径の円弧上に、45度の角度間隔で八か所、90度
の角度間隔で四か所又は180度の角度間隔で二か所程
度を選ぶのが適当である。
えると、前記入射点に立てた仮想法線を中心として入射
光と対称となる角度位置付近の複数位置としては、種々
の位置を選び得る。たとえば、仮想法線を中心として入
射光と正確に対称となる角度位置(対称角度位置、以下
同じ)をそのひとつに選び、これに隣接する周囲のいず
れかの角度位置(周囲角度位置、以下同じ)をひとつ以
上選ぶ等である。後者としては、仮想法線を中心として
入射光と正確に対称となる角度位置を中心として、その
周囲、即ち、上記位置を中心として、これに最近接する
最小径の円弧上に、45度の角度間隔で八か所、90度
の角度間隔で四か所又は180度の角度間隔で二か所程
度を選ぶのが適当である。
【0014】上記の場合は、前記したように、入射点が
平坦であれば、対称角度位置で受光する受光量が最も大
きく、周囲角度位置では明らかに受光量は少ない。これ
は入射光と仮想法線を中心として正確に対称となる対称
角度位置以外、即ち、周囲角度位置では、前記したよう
に、殆ど、印刷用紙の表面の持っている細かな凹凸によ
って生じる散乱光が受光されるに過ぎないからである。
しかして対称角度位置での受光量と周囲角度位置での受
光量との相互関係は、それぞれ印刷用紙の表面の凹凸の
程度等によって決まるものである。印刷用紙の表面に細
かな凹凸の多い場合には、それに応じて周囲角度位置の
受光量が大きくなり、対称角度位置の受光量が小さくな
る。
平坦であれば、対称角度位置で受光する受光量が最も大
きく、周囲角度位置では明らかに受光量は少ない。これ
は入射光と仮想法線を中心として正確に対称となる対称
角度位置以外、即ち、周囲角度位置では、前記したよう
に、殆ど、印刷用紙の表面の持っている細かな凹凸によ
って生じる散乱光が受光されるに過ぎないからである。
しかして対称角度位置での受光量と周囲角度位置での受
光量との相互関係は、それぞれ印刷用紙の表面の凹凸の
程度等によって決まるものである。印刷用紙の表面に細
かな凹凸の多い場合には、それに応じて周囲角度位置の
受光量が大きくなり、対称角度位置の受光量が小さくな
る。
【0015】このような受光量の相互関係は、基本的
に、印刷用紙の表面の色彩に拘らない。即ち、入射点の
色彩如何で、反射光量は変化することとなるが、表面の
細かな凹凸が変わらなければ、対称角度位置での受光量
と周囲角度位置での受光量との相互関係は一定を保持す
る。もっとも着色面はインク等により細かな凹凸が潰
れ、より平滑になる傾向があるので、そのような平滑な
着色面が入射点の全体を占めるような場合には、反射光
は、殆ど対称角度位置にしか到達しなくなり、圧倒的に
対称角度位置の受光量の割合が大きくなり、印刷用紙面
が平滑であることを示すが、本発明では、印刷部分と非
印刷部分との境界に生じる段差を検出することで凹版印
刷による印刷物か否かを識別しようとするものであるか
ら、何の問題もない。
に、印刷用紙の表面の色彩に拘らない。即ち、入射点の
色彩如何で、反射光量は変化することとなるが、表面の
細かな凹凸が変わらなければ、対称角度位置での受光量
と周囲角度位置での受光量との相互関係は一定を保持す
る。もっとも着色面はインク等により細かな凹凸が潰
れ、より平滑になる傾向があるので、そのような平滑な
着色面が入射点の全体を占めるような場合には、反射光
は、殆ど対称角度位置にしか到達しなくなり、圧倒的に
対称角度位置の受光量の割合が大きくなり、印刷用紙面
が平滑であることを示すが、本発明では、印刷部分と非
印刷部分との境界に生じる段差を検出することで凹版印
刷による印刷物か否かを識別しようとするものであるか
ら、何の問題もない。
【0016】しかして印刷物の表面に凹凸がある、即
ち、凹版印刷による印刷物の印刷部分と非印刷部分との
境界に生じる段差(以下端に段差)があるとの判断は、
前記対称角度位置に於ける反射光の受光量が周囲角度位
置の受光量との関係で一定以下の割合に低下した場合に
下すこととする。この割合がどの程度のものかは、印刷
物毎に実験的に定めるのが適当である。
ち、凹版印刷による印刷物の印刷部分と非印刷部分との
境界に生じる段差(以下端に段差)があるとの判断は、
前記対称角度位置に於ける反射光の受光量が周囲角度位
置の受光量との関係で一定以下の割合に低下した場合に
下すこととする。この割合がどの程度のものかは、印刷
物毎に実験的に定めるのが適当である。
【0017】したがって、検出ラインに沿って、前記の
ように、走査し、検出を行った場合に、対称角度位置の
受光量と周囲角度位置の受光量との関係が、実験的に定
められた一定の関係、即ち、対称角度位置於ける反射光
の受光量が周囲角度位置の受光量と比して一定以上の割
合を保っている場合は、印刷対象物は紙の表面がもって
いる細かな凹凸の範囲内の凹凸しかないことが確かめら
れる。逆に対称角度位置於ける反射光の受光量が周囲角
度位置の受光量と比して前記一定以下の割合に低下した
場合には、その位置に凹凸のあること、即ち、前記段差
程度の凹凸があることが確認される。
ように、走査し、検出を行った場合に、対称角度位置の
受光量と周囲角度位置の受光量との関係が、実験的に定
められた一定の関係、即ち、対称角度位置於ける反射光
の受光量が周囲角度位置の受光量と比して一定以上の割
合を保っている場合は、印刷対象物は紙の表面がもって
いる細かな凹凸の範囲内の凹凸しかないことが確かめら
れる。逆に対称角度位置於ける反射光の受光量が周囲角
度位置の受光量と比して前記一定以下の割合に低下した
場合には、その位置に凹凸のあること、即ち、前記段差
程度の凹凸があることが確認される。
【0018】しかして識別対象の正規の印刷物、例え
ば、一万円札等の紙幣の印刷状態から、どの程度の凹凸
があるかを確認し(当然、実際に検出ラインに沿って走
査させて調べることができる)、誤差をも考慮して、そ
の印刷物の一定の検出ライン及び隣接する複数のライン
上に、それぞれ有している前記段差数の一定割合以上が
検出された場合に、凹版印刷による印刷物、即ち、当該
の紙幣と判定する。
ば、一万円札等の紙幣の印刷状態から、どの程度の凹凸
があるかを確認し(当然、実際に検出ラインに沿って走
査させて調べることができる)、誤差をも考慮して、そ
の印刷物の一定の検出ライン及び隣接する複数のライン
上に、それぞれ有している前記段差数の一定割合以上が
検出された場合に、凹版印刷による印刷物、即ち、当該
の紙幣と判定する。
【0019】なお、検出装置の製造上の誤差により、紙
幣上の走査し得る、一定検出ラインを中心とする一定の
幅内の、いわば、検出ゾーン内での、もっとも少ない前
記段差数の検出ラインを基本として、検出ラインの全行
程の走査に於ける、凹凸の検出割合を定めるのが適当で
ある。この場合、従来の可視光又は赤外光を利用した識
別手段で、少なくとも紙幣と同様に見える対象物(特に
後者による識別では高い確率で真正紙幣であることが確
認されている)について、この方法による識別を行うと
すれば、かなり低い割合で凹凸(段差)が検出されたと
しても、検出された以上、凹版印刷による印刷物である
と判定することができる。
幣上の走査し得る、一定検出ラインを中心とする一定の
幅内の、いわば、検出ゾーン内での、もっとも少ない前
記段差数の検出ラインを基本として、検出ラインの全行
程の走査に於ける、凹凸の検出割合を定めるのが適当で
ある。この場合、従来の可視光又は赤外光を利用した識
別手段で、少なくとも紙幣と同様に見える対象物(特に
後者による識別では高い確率で真正紙幣であることが確
認されている)について、この方法による識別を行うと
すれば、かなり低い割合で凹凸(段差)が検出されたと
しても、検出された以上、凹版印刷による印刷物である
と判定することができる。
【0020】ところで、印刷物の検出ラインに沿う走査
に於ては、前記したように、光源からの光は点状に照射
するのが適当である。できるだけ狭い範囲に照射し、そ
の反射光を、前記対象角度位置及び周囲角度位置で、や
はり同様に、点状の受光部で受光することにより、ま
ず、上記各受光位置のそれぞれに反射する光が、印刷物
の同一色の部分からの反射であることをできるだけ確保
し、色彩による反射光量の変化と、凹凸の影響による反
射光量の変化とを、区別して認識可能にする。即ち、同
一色の部分からの反射であれば、走査にしたがって色彩
が変化することにより、総反射光量が変化するとして
も、そのことにより、前記受光点間の受光量の関係は変
化することはないということが確保できるからである。
そうであれば、各受光位置、即ち、対称角度位置と周囲
角度位置の間の反射光の受光量の関係の変化をすべて凹
凸による変化と推定することができる。
に於ては、前記したように、光源からの光は点状に照射
するのが適当である。できるだけ狭い範囲に照射し、そ
の反射光を、前記対象角度位置及び周囲角度位置で、や
はり同様に、点状の受光部で受光することにより、ま
ず、上記各受光位置のそれぞれに反射する光が、印刷物
の同一色の部分からの反射であることをできるだけ確保
し、色彩による反射光量の変化と、凹凸の影響による反
射光量の変化とを、区別して認識可能にする。即ち、同
一色の部分からの反射であれば、走査にしたがって色彩
が変化することにより、総反射光量が変化するとして
も、そのことにより、前記受光点間の受光量の関係は変
化することはないということが確保できるからである。
そうであれば、各受光位置、即ち、対称角度位置と周囲
角度位置の間の反射光の受光量の関係の変化をすべて凹
凸による変化と推定することができる。
【0021】また対象印刷物の検出ラインに沿って走査
する際、光源からの光は継続的に走査しても良いし、適
当な周波数でパルス状に照射しても良い。継続的に照射
し、各受光部での継続的な受光を適当な周波数でサンプ
リングすることとしても良い。したがって継続的に照射
し、継続的に受光して、各受光部間の受光量の関係を継
続的に判定することとしても良いし、適当な周波数でパ
ルス状に照射し、その反射光を受光部で受光するか、あ
るいは、継続的に照射して、各受光部での受光を同様な
周波数でサンプリングし、それぞれ受光部間の受光量の
関係を断続的に判定することとしても良い。
する際、光源からの光は継続的に走査しても良いし、適
当な周波数でパルス状に照射しても良い。継続的に照射
し、各受光部での継続的な受光を適当な周波数でサンプ
リングすることとしても良い。したがって継続的に照射
し、継続的に受光して、各受光部間の受光量の関係を継
続的に判定することとしても良いし、適当な周波数でパ
ルス状に照射し、その反射光を受光部で受光するか、あ
るいは、継続的に照射して、各受光部での受光を同様な
周波数でサンプリングし、それぞれ受光部間の受光量の
関係を断続的に判定することとしても良い。
【0022】
【作用】本発明は、以上のように構成したので、例え
ば、紙幣のような凹版で印刷された印刷物について、凹
版印刷の技法で印刷されたか否かを調べることで、その
真贋を判定するのに非常に有用である。
ば、紙幣のような凹版で印刷された印刷物について、凹
版印刷の技法で印刷されたか否かを調べることで、その
真贋を判定するのに非常に有用である。
【0023】紙幣を、例えば、その長さ方向に移送手段
で移送しつつ、その上方に配置した光源から点状に光を
照射し、紙幣の上記移送にともない、一定の検出ライン
に沿って光を照射する。他方前記対象角度位置と、これ
を中心とする円弧であって最近接する円弧上に、各々、
たとえば、90度の角度間隔で配した四個の周囲角度位
置との五個の受光部で点状に受光し、これらを各々別個
の受光素子に伝達して光電変換し、得られた電気信号を
比較手段でそれぞれ比較し、対象角度位置の受光量を、
いずれかの最も受光量の大きい周囲角度位置の受光量と
比較して、その割合が、一定値より低くなった場合に
は、凹凸があると判断し、そうでない場合は、凹凸がな
いと判断する。そしてこれを検出ラインの全行程で繰り
返し、終了時点で、一定以上の割合で凹凸が検出されて
いると判断される場合は、これを凹版印刷による印刷物
である、と判断し、それ故、対象の紙幣は真正の紙幣で
あると判定することとする。それ以外は非真正の紙幣、
即ち、偽券であると判定する。
で移送しつつ、その上方に配置した光源から点状に光を
照射し、紙幣の上記移送にともない、一定の検出ライン
に沿って光を照射する。他方前記対象角度位置と、これ
を中心とする円弧であって最近接する円弧上に、各々、
たとえば、90度の角度間隔で配した四個の周囲角度位
置との五個の受光部で点状に受光し、これらを各々別個
の受光素子に伝達して光電変換し、得られた電気信号を
比較手段でそれぞれ比較し、対象角度位置の受光量を、
いずれかの最も受光量の大きい周囲角度位置の受光量と
比較して、その割合が、一定値より低くなった場合に
は、凹凸があると判断し、そうでない場合は、凹凸がな
いと判断する。そしてこれを検出ラインの全行程で繰り
返し、終了時点で、一定以上の割合で凹凸が検出されて
いると判断される場合は、これを凹版印刷による印刷物
である、と判断し、それ故、対象の紙幣は真正の紙幣で
あると判定することとする。それ以外は非真正の紙幣、
即ち、偽券であると判定する。
【0024】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の一実施例を説明
する。この実施例は、対象の印刷物が凹版印刷の技法に
よって印刷されているか否かを判定することを通じて、
紙幣1の真贋を識別する方法に関する例である。
する。この実施例は、対象の印刷物が凹版印刷の技法に
よって印刷されているか否かを判定することを通じて、
紙幣1の真贋を識別する方法に関する例である。
【0025】この方法は、以下の装置を利用して実施す
る。この装置は、図1に示したように、紙幣挿入口から
挿入された紙幣1を凹凸の検出部下を通過してスタッカ
まで搬送する搬送装置2と上記検出部とからなる。上記
搬送装置2の検出部下を通過する部分はコンベアベルト
とこれを掛け渡したプーリ及びコンベアベルトに載った
紙幣1を上方から抑える抑止板(図示していない)から
なるもので、上記抑止板は紙幣1が波打たずに通過する
ように上方から抑えるものである。中央部に検出窓が開
口しており、後述するように、この検出窓から発光素子
3の発する光を照射する。
る。この装置は、図1に示したように、紙幣挿入口から
挿入された紙幣1を凹凸の検出部下を通過してスタッカ
まで搬送する搬送装置2と上記検出部とからなる。上記
搬送装置2の検出部下を通過する部分はコンベアベルト
とこれを掛け渡したプーリ及びコンベアベルトに載った
紙幣1を上方から抑える抑止板(図示していない)から
なるもので、上記抑止板は紙幣1が波打たずに通過する
ように上方から抑えるものである。中央部に検出窓が開
口しており、後述するように、この検出窓から発光素子
3の発する光を照射する。
【0026】前記検出部が、本発明を適用する主たる部
分である。図1に示したように、搬送装置2の該当部分
の左上方に発光素子3を配し、その発する光を照射用光
ファイバ4で前記抑止板の検出窓に近接する位置まで延
長し、その端部である照射端5を紙幣1の進行方向を向
けてその表面に対して45度の角度で固定する。
分である。図1に示したように、搬送装置2の該当部分
の左上方に発光素子3を配し、その発する光を照射用光
ファイバ4で前記抑止板の検出窓に近接する位置まで延
長し、その端部である照射端5を紙幣1の進行方向を向
けてその表面に対して45度の角度で固定する。
【0027】他方、前記搬送装置2の該当部分の上方に
は、紙幣 1に照射され、その入射点から反射する反射
光を受光する受光用光ファイバ61、62、63及びこ
れらによって受光され、かつ伝達される光を受けて光電
変換する光電変換素子71、72、73を配する。上記
受光用光ファイバ61は、図1に示したように、その受
光端81を、前記照射用光ファイバ4の照射端5と、そ
の照射光が照射される紙幣1上の入射点に立てた仮想法
線を中心として対称となるように、紙幣1の上面と45
度の角度で固定する。受光用光ファイバ62、63の受
光端82、83は、図1に示したように、それぞれ受光
用光ファイバ61の受光端81の上下に近接して配し、
かつ上記入射点に向けて固定する。なお前記抑止板の検
出窓は紙幣1の検出ラインが通過する位置に開口してお
り、前記入射点は検出ライン上に位置することとなるよ
うに配慮することは言うまでもない。
は、紙幣 1に照射され、その入射点から反射する反射
光を受光する受光用光ファイバ61、62、63及びこ
れらによって受光され、かつ伝達される光を受けて光電
変換する光電変換素子71、72、73を配する。上記
受光用光ファイバ61は、図1に示したように、その受
光端81を、前記照射用光ファイバ4の照射端5と、そ
の照射光が照射される紙幣1上の入射点に立てた仮想法
線を中心として対称となるように、紙幣1の上面と45
度の角度で固定する。受光用光ファイバ62、63の受
光端82、83は、図1に示したように、それぞれ受光
用光ファイバ61の受光端81の上下に近接して配し、
かつ上記入射点に向けて固定する。なお前記抑止板の検
出窓は紙幣1の検出ラインが通過する位置に開口してお
り、前記入射点は検出ライン上に位置することとなるよ
うに配慮することは言うまでもない。
【0028】前記光電変換素子71、72、73は、そ
れぞれその出力を演算部9に接続する。上記演算部9
は、後述するように、光電変換素子71、72、73の
出力電気信号及び後記記憶装置10、11のデータを演
算して、対象紙幣1が凹版印刷の技法で印刷されたもの
であるか否かを判定するものである。上記のようにこの
演算部9には記憶装置10、11を接続する。
れぞれその出力を演算部9に接続する。上記演算部9
は、後述するように、光電変換素子71、72、73の
出力電気信号及び後記記憶装置10、11のデータを演
算して、対象紙幣1が凹版印刷の技法で印刷されたもの
であるか否かを判定するものである。上記のようにこの
演算部9には記憶装置10、11を接続する。
【0029】上記演算部9は、上記光電変換素子71、
72、73の出力電気信号を相互に比較し、光電変換素
子71の出力信号が、他の光電変換素子72、73の出
力信号のいずれかと比較してその比が、実験的に定めら
れ、前記記憶装置10に保持された一定値を下回る場合
には、紙幣1の該当部分に、凹凸、即ち、この場合に
は、凹版印刷による印刷部分と非印刷部分との境界の段
差がある、と判断し、下回らない場合には、段差はない
と判断し、いずれの場合も、その結果、即ち、段差の有
無を前記記憶装置11に保持させる。この演算処理を、
紙幣1について、前記搬送装置2による搬送にともなっ
てその検出ラインの始端から終端まで行い、その後、保
持された検出ライン上の各検出点の検出結果を読み出
し、段差があるとの判断が検出ライン上で占める割合を
演算し、得られた割合を、前記記憶装置10に保持させ
てある標準割合と比較し、これを上回る場合には、対象
紙幣1は、凹版印刷によって印刷されたものである旨を
意味するHレベル信号を出力する。上回らない場合は出
力しない。演算部9は、このように演算処理を行うよう
に構成する。
72、73の出力電気信号を相互に比較し、光電変換素
子71の出力信号が、他の光電変換素子72、73の出
力信号のいずれかと比較してその比が、実験的に定めら
れ、前記記憶装置10に保持された一定値を下回る場合
には、紙幣1の該当部分に、凹凸、即ち、この場合に
は、凹版印刷による印刷部分と非印刷部分との境界の段
差がある、と判断し、下回らない場合には、段差はない
と判断し、いずれの場合も、その結果、即ち、段差の有
無を前記記憶装置11に保持させる。この演算処理を、
紙幣1について、前記搬送装置2による搬送にともなっ
てその検出ラインの始端から終端まで行い、その後、保
持された検出ライン上の各検出点の検出結果を読み出
し、段差があるとの判断が検出ライン上で占める割合を
演算し、得られた割合を、前記記憶装置10に保持させ
てある標準割合と比較し、これを上回る場合には、対象
紙幣1は、凹版印刷によって印刷されたものである旨を
意味するHレベル信号を出力する。上回らない場合は出
力しない。演算部9は、このように演算処理を行うよう
に構成する。
【0030】上記演算部9の出力は、図1に示したよう
に、アンドゲート12の一方の入力端に接続し、該アン
ドゲート12の他方の入力端には、他の紙幣識別部(図
示しない)の出力を接続する。他の紙幣識別部でも、同
時に、対象紙幣1に紙幣としての印刷模様等が施されて
いるか否かを識別し、その結果を同時に前記アンドゲー
ト12に入力するように構成してある。
に、アンドゲート12の一方の入力端に接続し、該アン
ドゲート12の他方の入力端には、他の紙幣識別部(図
示しない)の出力を接続する。他の紙幣識別部でも、同
時に、対象紙幣1に紙幣としての印刷模様等が施されて
いるか否かを識別し、その結果を同時に前記アンドゲー
ト12に入力するように構成してある。
【0031】なお上記他の紙幣識別部は、従来の一般の
識別装置であり、紙幣1に、一定の検出ゾーンに沿って
光を照射し、その反射光を受光し、これを光電変換し、
得られた電気信号の波形(検出ゾーンの始端から終端ま
での信号の波形)を標準の波形と比較し、後者と一定の
許容範囲内で一致していれば、真正紙幣と同様の印刷
(凹版印刷の技法によるかその他の印刷の技法によるか
は判断しない)模様等が描かれていると判定するもので
ある。そうでなければ、同様の印刷模様等が印刷されて
はいないと判定する。そしてこの紙幣識別部は、真正紙
幣と同様の印刷模様等が印刷されていると判定する場合
に、Hレベル信号を出力するように構成したものであ
る。
識別装置であり、紙幣1に、一定の検出ゾーンに沿って
光を照射し、その反射光を受光し、これを光電変換し、
得られた電気信号の波形(検出ゾーンの始端から終端ま
での信号の波形)を標準の波形と比較し、後者と一定の
許容範囲内で一致していれば、真正紙幣と同様の印刷
(凹版印刷の技法によるかその他の印刷の技法によるか
は判断しない)模様等が描かれていると判定するもので
ある。そうでなければ、同様の印刷模様等が印刷されて
はいないと判定する。そしてこの紙幣識別部は、真正紙
幣と同様の印刷模様等が印刷されていると判定する場合
に、Hレベル信号を出力するように構成したものであ
る。
【0032】しかして演算部9の出力が肯定的(Hレベ
ル信号の出力)であり、かつ他の紙幣識別部の出力が同
時に肯定的(Hレベル信号の出力)である場合にのみ、
対象の紙幣1は真正の紙幣であると判定されることとな
る。前記アンドゲート12の出力は、前記搬送装置2を
搬送側に動作させ、又は返却側に動作させるべく制御す
る搬送制御装置13に接続する。
ル信号の出力)であり、かつ他の紙幣識別部の出力が同
時に肯定的(Hレベル信号の出力)である場合にのみ、
対象の紙幣1は真正の紙幣であると判定されることとな
る。前記アンドゲート12の出力は、前記搬送装置2を
搬送側に動作させ、又は返却側に動作させるべく制御す
る搬送制御装置13に接続する。
【0033】しかして演算部9の出力及び他の紙幣識別
部の出力がいずれもHレベル信号となった場合にのみア
ンドゲート12の出力がHレベルとなり、前記搬送制御
装置13を、搬送装置2が継続して紙幣1をスタッカ側
に搬送するように、制御動作を行わせ、それ以外の場合
には、Lレベルの信号が出力され、識別処理が終わった
紙幣1を紙幣挿入口側に戻すべく搬送するように、制御
動作を行わせる。
部の出力がいずれもHレベル信号となった場合にのみア
ンドゲート12の出力がHレベルとなり、前記搬送制御
装置13を、搬送装置2が継続して紙幣1をスタッカ側
に搬送するように、制御動作を行わせ、それ以外の場合
には、Lレベルの信号が出力され、識別処理が終わった
紙幣1を紙幣挿入口側に戻すべく搬送するように、制御
動作を行わせる。
【0034】しかしてこの実施例では、識別対象の紙幣
1を紙幣挿入口に挿入すると、搬送装置1によって搬送
され、検出部の下を通過するに至る。 検出部の下では
紙幣1は、前記したように、抑止板に上方から抑えられ
て、波打ちが防止される。上方の発光素子3で発光され
た光は、照射用光ファイバ4を通じて送られ、その末端
である照射端5で、紙幣1の検出ライン上の一点に45
度の角度で照射される。その光は、その一点、即ち、入
射点で反射して、受光用光ファイバ61、62、63の
受光端81、82、83で受光され、該受光用光ファイ
バ61、62、63を通じて、それぞれ光電変換素子、
71、72、73に伝達される。
1を紙幣挿入口に挿入すると、搬送装置1によって搬送
され、検出部の下を通過するに至る。 検出部の下では
紙幣1は、前記したように、抑止板に上方から抑えられ
て、波打ちが防止される。上方の発光素子3で発光され
た光は、照射用光ファイバ4を通じて送られ、その末端
である照射端5で、紙幣1の検出ライン上の一点に45
度の角度で照射される。その光は、その一点、即ち、入
射点で反射して、受光用光ファイバ61、62、63の
受光端81、82、83で受光され、該受光用光ファイ
バ61、62、63を通じて、それぞれ光電変換素子、
71、72、73に伝達される。
【0035】前記入射点では、その位置の状態、即ち、
前記段差があるか否かにより、反射状態が異なり、それ
が前記受光端81、82、83に於ける受光状態として
反映される。段差がなければ受光端81に於ける反射光
量が最も多く、他の受光端82、83のそれは少ない。
また段差がある場合には、受光端82又は83の受光量
が増大し、他方受光端81の受光量が減少するので、受
光端81に於ける受光量の割合が低下する。
前記段差があるか否かにより、反射状態が異なり、それ
が前記受光端81、82、83に於ける受光状態として
反映される。段差がなければ受光端81に於ける反射光
量が最も多く、他の受光端82、83のそれは少ない。
また段差がある場合には、受光端82又は83の受光量
が増大し、他方受光端81の受光量が減少するので、受
光端81に於ける受光量の割合が低下する。
【0036】前記光電変換素子71、72、73では、
伝達された光量に比例する電気信号を生じ、これらは、
それぞれ演算部9に入力され、相互のレベルが比較さ
れ、光電変換素子71の出力信号が、他の光電変換素子
72、73の出力信号のいずれか大きい方と比較してそ
の比が、実験的に定められ、かつ前記記憶装置10に保
持されている一定値を下回る場合には、紙幣1の該当部
分に前記段差がある、と判断され、下回らない場合に
は、段差はないと判断される。そして、いずれの場合
も、その結果、即ち、段差の有無を前記記憶装置11に
保持させる。
伝達された光量に比例する電気信号を生じ、これらは、
それぞれ演算部9に入力され、相互のレベルが比較さ
れ、光電変換素子71の出力信号が、他の光電変換素子
72、73の出力信号のいずれか大きい方と比較してそ
の比が、実験的に定められ、かつ前記記憶装置10に保
持されている一定値を下回る場合には、紙幣1の該当部
分に前記段差がある、と判断され、下回らない場合に
は、段差はないと判断される。そして、いずれの場合
も、その結果、即ち、段差の有無を前記記憶装置11に
保持させる。
【0037】以上の演算処理は、紙幣1に関して、前記
搬送装置2による搬送にともなってその検出ラインの始
端から終端までの間に受光端81、82、83で受光さ
れ、光電変換素子71、72、73で光電変換された電
気信号について、行なわれる。その後、記憶装置11に
保持されている検出ラインの全行程上の各検出点の検出
結果を演算部9に読み出し、段差があるとの判断が当該
検出ライン上で占める割合を演算し、得られた割合を、
前記記憶装置10に保持させてある標準割合と比較し、
これを上回る場合には、対象紙幣1が凹版印刷によって
印刷されたものである、と云うことを意味するHレベル
信号を出力する。上回らない場合は、演算部9の出力は
Lレベルを継続する。
搬送装置2による搬送にともなってその検出ラインの始
端から終端までの間に受光端81、82、83で受光さ
れ、光電変換素子71、72、73で光電変換された電
気信号について、行なわれる。その後、記憶装置11に
保持されている検出ラインの全行程上の各検出点の検出
結果を演算部9に読み出し、段差があるとの判断が当該
検出ライン上で占める割合を演算し、得られた割合を、
前記記憶装置10に保持させてある標準割合と比較し、
これを上回る場合には、対象紙幣1が凹版印刷によって
印刷されたものである、と云うことを意味するHレベル
信号を出力する。上回らない場合は、演算部9の出力は
Lレベルを継続する。
【0038】しかして演算部9の出力が、肯定的(Hレ
ベル信号の出力)であり、かつ他の紙幣識別部の出力が
同時に肯定的(Hレベル信号の出力)である場合には、
前記アンドゲート12の出力がHレベルになり、搬送制
御装置13を、搬送装置2が紙幣1をスタッカ側に送る
ように、制御させる。即ち、アンドゲート12がHレベ
ルの信号を出力することは、対象紙幣1が真正であると
の判定を示したことであり、その結果、挿入された紙幣
1を受け入れ、搬送装置2が紙幣1をスタッカまで送る
よう搬送制御装置13をして制御させるものである。
ベル信号の出力)であり、かつ他の紙幣識別部の出力が
同時に肯定的(Hレベル信号の出力)である場合には、
前記アンドゲート12の出力がHレベルになり、搬送制
御装置13を、搬送装置2が紙幣1をスタッカ側に送る
ように、制御させる。即ち、アンドゲート12がHレベ
ルの信号を出力することは、対象紙幣1が真正であると
の判定を示したことであり、その結果、挿入された紙幣
1を受け入れ、搬送装置2が紙幣1をスタッカまで送る
よう搬送制御装置13をして制御させるものである。
【0039】演算部9の出力がLレベルである場合は、
前記したように、紙幣1が凹版印刷の技法により印刷さ
れたものでないことを意味し、そうであれば、他の紙幣
識別部の識別結果がどうであれ、アンドゲート12の出
力はLレベルとなり、その出力が搬送制御装置13に入
力されると、該搬送制御装置13は、搬送装置2をして
紙幣1を挿入口に戻すよう逆転動作させるべく制御す
る。真正の紙幣と認められないので返却する訳である。
前記したように、紙幣1が凹版印刷の技法により印刷さ
れたものでないことを意味し、そうであれば、他の紙幣
識別部の識別結果がどうであれ、アンドゲート12の出
力はLレベルとなり、その出力が搬送制御装置13に入
力されると、該搬送制御装置13は、搬送装置2をして
紙幣1を挿入口に戻すよう逆転動作させるべく制御す
る。真正の紙幣と認められないので返却する訳である。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、表面の印刷状態の如
何、即ち、着色状態、汚れ等がどのようなものであって
も、容易に対象の印刷物の表面の凹凸を検出し得、その
結果、前記段差を正確に検出し、凹版印刷による印刷物
が否かが容易に正確に判断し得る。紙幣模様等が印刷さ
れているかを判断する検出手段と組み合わせれば、極め
て正確な紙幣識別方法とすることもできる。
何、即ち、着色状態、汚れ等がどのようなものであって
も、容易に対象の印刷物の表面の凹凸を検出し得、その
結果、前記段差を正確に検出し、凹版印刷による印刷物
が否かが容易に正確に判断し得る。紙幣模様等が印刷さ
れているかを判断する検出手段と組み合わせれば、極め
て正確な紙幣識別方法とすることもできる。
【図1】本発明の一実施例の概要を示す説明図。
1 紙幣 2 搬送装置 3 発光素子 4 照射用光ファイバ 5 照射端 61 受光用光ファイバ 62 受光用光ファイバ 63 受光用光ファイバ 71 光電変換素子 72 光電変換素子 73 光電変換素子 81 受光端 82 受光端 83 受光端 9 演算部 10 記憶装置 11 記憶装置 12 アンドゲート 13 搬送制御装置
Claims (3)
- 【請求項1】 対象の印刷物の表面に、一定の検出ライ
ンに沿って、順次、点状の光を照射し、その入射点に立
てた仮想法線を中心として入射光と対称となる角度位置
付近の複数位置で反射光を受光し、上記複数位置の各々
に於ける受光量を相互に比較し、比較の結果得られた受
光量の相互関係が、入射点が平坦である場合の相互関係
と認められる関係にあるか否かを、順次、判定し、前記
一定の検出ラインの検出を完了させた結果、平坦でない
場合の関係にあるとの判定が、対象の印刷物によって決
まる一定の割合を越えた場合には凹版印刷物と判定し、
そうでない場合は凹版印刷物以外の印刷物と判定するこ
ととする凹版印刷物とその他の印刷物との識別方法。 - 【請求項2】 前記入射点に立てた仮想法線を中心とし
て入射光と対称となる角度位置付近の複数位置を、入射
光と正確に対称となる角度位置とこれに接する周囲の位
置とした請求項1の凹版印刷物とその他の印刷物との識
別方法。 - 【請求項3】 前記入射光と正確に対称となる角度位置
と、これに接する周囲の位置の内の入射光及び上記角度
位置と同一平面内の前後の角度位置との三か所で、それ
ぞれ前記入射点から反射することのある反射光を点状に
受光し、各位置で受光した反射光をそれぞれ対応する光
電変換素素子に伝達し、光電変換し、それぞれの光電変
換素子で得られた電気信号のレベルを比較手段で比較
し、その比較結果を、前記入射点が平坦である場合に、
前記各位置で得られる反射光の受光量の相互関係と一定
の許容範囲のもとで一致しているか否かを判定すること
とする請求項2の凹版印刷物とその他の印刷物との識別
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4350527A JPH06171071A (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | 凹版印刷物とその他の印刷物との識別方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4350527A JPH06171071A (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | 凹版印刷物とその他の印刷物との識別方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06171071A true JPH06171071A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18411107
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4350527A Pending JPH06171071A (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | 凹版印刷物とその他の印刷物との識別方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06171071A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009074814A (ja) * | 2007-09-19 | 2009-04-09 | Kyonan Seiki Kk | 光切断法による3次元形状測定装置 |
US7586592B2 (en) | 2004-11-16 | 2009-09-08 | Kabushiki Kaisha Nippon Conlux | Sheet recognizing device and method |
JP2010262394A (ja) * | 2009-04-30 | 2010-11-18 | Fujitsu Ltd | 識別装置及び識別方法 |
-
1992
- 1992-12-04 JP JP4350527A patent/JPH06171071A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7586592B2 (en) | 2004-11-16 | 2009-09-08 | Kabushiki Kaisha Nippon Conlux | Sheet recognizing device and method |
JP2009074814A (ja) * | 2007-09-19 | 2009-04-09 | Kyonan Seiki Kk | 光切断法による3次元形状測定装置 |
JP2010262394A (ja) * | 2009-04-30 | 2010-11-18 | Fujitsu Ltd | 識別装置及び識別方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1471472B1 (en) | Machine for detecting and validating sheet-like objects | |
KR100661440B1 (ko) | 종이류 특징 검출 장치 및 종이류 특징 검출 방법 | |
US5483069A (en) | Validation apparatus for flat paper object | |
JP4188111B2 (ja) | 紙葉の真偽鑑別装置 | |
EP1601599B1 (en) | Optical double feed detection | |
JPH08180189A (ja) | 紙葉類の真贋判定方法及び装置 | |
JPH06301840A (ja) | 紙幣識別方法 | |
JPH06203244A (ja) | 紙幣等の真贋識別装置 | |
US20010040994A1 (en) | Counterfeit bills discriminating device with infrared ray transmitting array module and method of discriminating counterfeit bills | |
JPH06203243A (ja) | 紙葉類の真贋判別装置 | |
JPH06171071A (ja) | 凹版印刷物とその他の印刷物との識別方法 | |
JPH1097663A (ja) | 紙葉類識別装置 | |
JP2791213B2 (ja) | 紙幣処理装置 | |
JPH1186072A (ja) | 紙幣認証装置 | |
JP2007213210A (ja) | 紙葉類鑑別装置 | |
JPH07239960A (ja) | 紙幣識別装置 | |
JP3474397B2 (ja) | 紙葉類真偽判別装置 | |
JPH1125313A (ja) | 紙幣金種判別装置 | |
JPH0830834A (ja) | 紙幣識別装置 | |
JPH0962893A (ja) | 紙幣識別装置 | |
JPH0733285A (ja) | シート整列装置 | |
JP3540684B2 (ja) | 紙葉類の真偽判定方法 | |
JP2532631B2 (ja) | 紙葉類の形状判別方法 | |
JPH0973572A (ja) | 紙幣判別方法 | |
JPH09190561A (ja) | 紙幣の真贋判定装置 |