JPH06163202A - 厚膜抵抗体用ペーストならびに厚膜抵抗体およびその製造方法 - Google Patents
厚膜抵抗体用ペーストならびに厚膜抵抗体およびその製造方法Info
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- JPH06163202A JPH06163202A JP4333698A JP33369892A JPH06163202A JP H06163202 A JPH06163202 A JP H06163202A JP 4333698 A JP4333698 A JP 4333698A JP 33369892 A JP33369892 A JP 33369892A JP H06163202 A JPH06163202 A JP H06163202A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 クラックの発生を抑えることができ、しか
も、抵抗値の制御が容易でかつ雑音特性やVCR特性の
良好な厚膜抵抗体を提供する。 【構成】 導電粒子とガラス粒子と無機粒子とビヒクル
とを含有し、前記無機粒子がZrSiO4 粒子および3
Al2 O3 ・2SiO2 粒子から選択される少なくとも
1種から構成され、前記無機粒子の90重量%以上が粒
子径0.8〜10μm であり、かつ前記無機粒子の重量
平均粒子径が1.0〜5μm であるペーストを焼成して
厚膜抵抗体を製造する。
も、抵抗値の制御が容易でかつ雑音特性やVCR特性の
良好な厚膜抵抗体を提供する。 【構成】 導電粒子とガラス粒子と無機粒子とビヒクル
とを含有し、前記無機粒子がZrSiO4 粒子および3
Al2 O3 ・2SiO2 粒子から選択される少なくとも
1種から構成され、前記無機粒子の90重量%以上が粒
子径0.8〜10μm であり、かつ前記無機粒子の重量
平均粒子径が1.0〜5μm であるペーストを焼成して
厚膜抵抗体を製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厚膜抵抗体およびその
製造方法と、これに用いるペーストとに関する。
製造方法と、これに用いるペーストとに関する。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器の配線基板などに用いる
基板材料としてはAl2 O3 などが一般的であり、ま
た、導体ペーストなどと同時一体焼成するために、ガラ
ス粒子を添加して例えば1000℃以下の低温で焼成可
能としたものなどがある。
基板材料としてはAl2 O3 などが一般的であり、ま
た、導体ペーストなどと同時一体焼成するために、ガラ
ス粒子を添加して例えば1000℃以下の低温で焼成可
能としたものなどがある。
【0003】抵抗体ペーストは、通常、導電粒子、ガラ
ス粒子(ガラスフリット)およびビヒクル等から構成さ
れ、基板上に印刷後、焼成することにより厚膜抵抗体と
なるものである。
ス粒子(ガラスフリット)およびビヒクル等から構成さ
れ、基板上に印刷後、焼成することにより厚膜抵抗体と
なるものである。
【0004】抵抗体ペーストに用いられる導電粒子とし
ては、二酸化ルテニウム、あるいはルテニウム酸鉛等の
パイロクロア化合物が、抵抗値の温度係数(TCR)等
の特性が良好であることから多用されている。
ては、二酸化ルテニウム、あるいはルテニウム酸鉛等の
パイロクロア化合物が、抵抗値の温度係数(TCR)等
の特性が良好であることから多用されている。
【0005】しかし、このような導電粒子は基板材料よ
りも熱膨張率が大きいため、基板上に形成後、熱衝撃を
受けると内部に応力が生じ、これにより抵抗体にクラッ
クが発生しまう。また、抵抗体ペーストに用いられるガ
ラス粒子は、導電粒子に対する濡れ性や焼結性を確保す
るために組成選択の自由度が小さい。具体的にはPbO
を多くしSiO2 を少なくしなければならず、熱膨張率
が大きくなってしまう。このため、良好な焼結性を確保
した上で、導電粒子と基板との熱膨張率の違いをガラス
粒子により緩和することは困難である。
りも熱膨張率が大きいため、基板上に形成後、熱衝撃を
受けると内部に応力が生じ、これにより抵抗体にクラッ
クが発生しまう。また、抵抗体ペーストに用いられるガ
ラス粒子は、導電粒子に対する濡れ性や焼結性を確保す
るために組成選択の自由度が小さい。具体的にはPbO
を多くしSiO2 を少なくしなければならず、熱膨張率
が大きくなってしまう。このため、良好な焼結性を確保
した上で、導電粒子と基板との熱膨張率の違いをガラス
粒子により緩和することは困難である。
【0006】特公昭63−39082号公報には、伝導
性パイロクロル、ガラス結合剤および耐火性の充填剤を
含有し、前記耐火性の充填剤が40〜60×10-7/℃
の熱膨張率範囲および0.1〜3μm の粒子サイズ範囲
を有しそしてその少なくとも90重量%が0.3〜1μ
m の範囲にある厚膜抵抗組成物が開示されている。同公
報における耐火性の充填剤の具体例は、ジルコン(Zr
SiO4 )およびムライト(3Al2 O3 ・2SiO
2 )である。同公報には、この充填剤がパイロクロル/
ガラスの抵抗体のガラス結合剤相中において引っ張り応
力を低下させる旨が記載されている。
性パイロクロル、ガラス結合剤および耐火性の充填剤を
含有し、前記耐火性の充填剤が40〜60×10-7/℃
の熱膨張率範囲および0.1〜3μm の粒子サイズ範囲
を有しそしてその少なくとも90重量%が0.3〜1μ
m の範囲にある厚膜抵抗組成物が開示されている。同公
報における耐火性の充填剤の具体例は、ジルコン(Zr
SiO4 )およびムライト(3Al2 O3 ・2SiO
2 )である。同公報には、この充填剤がパイロクロル/
ガラスの抵抗体のガラス結合剤相中において引っ張り応
力を低下させる旨が記載されている。
【0007】しかし、本発明者らの研究によれば、前記
公報記載の充填剤(少なくとも90重量%が0.3〜1
μm )を用いると抵抗値の制御が極めて困難となる。厚
膜抵抗体は、通常、低抵抗から高抵抗までシリーズ化す
ることが必要とされ、一般的に導電粒子の含有率を増減
することにより抵抗値を調整している。導電粒子含有率
を減らせば抵抗値が増加し、導電粒子含有率を増やせば
抵抗値が減少する。厚膜抵抗体中では、ガラス相中に導
電粒子の連なった導電路が形成されているが、前記公報
で用いている充填剤は導電粒子と粒子径が同程度である
ため、充填剤が導電路を寸断する構成となりやすい。こ
のため、充填剤の含有量を増加させて導電粒子の比率を
減少させると、抵抗値が急激に増大し、抵抗値の細かな
制御が困難となってしまう。また、これにより、雑音特
性や電圧抵抗係数(VCR)の悪化を招く。
公報記載の充填剤(少なくとも90重量%が0.3〜1
μm )を用いると抵抗値の制御が極めて困難となる。厚
膜抵抗体は、通常、低抵抗から高抵抗までシリーズ化す
ることが必要とされ、一般的に導電粒子の含有率を増減
することにより抵抗値を調整している。導電粒子含有率
を減らせば抵抗値が増加し、導電粒子含有率を増やせば
抵抗値が減少する。厚膜抵抗体中では、ガラス相中に導
電粒子の連なった導電路が形成されているが、前記公報
で用いている充填剤は導電粒子と粒子径が同程度である
ため、充填剤が導電路を寸断する構成となりやすい。こ
のため、充填剤の含有量を増加させて導電粒子の比率を
減少させると、抵抗値が急激に増大し、抵抗値の細かな
制御が困難となってしまう。また、これにより、雑音特
性や電圧抵抗係数(VCR)の悪化を招く。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情からなされたものであり、クラックの発生を抑えるこ
とができ、しかも、抵抗値の制御が容易でかつ雑音特性
やVCR特性の良好な厚膜抵抗体を提供することを目的
とする。
情からなされたものであり、クラックの発生を抑えるこ
とができ、しかも、抵抗値の制御が容易でかつ雑音特性
やVCR特性の良好な厚膜抵抗体を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)の本発明により達成される。 (1)導電粒子とガラス粒子と無機粒子とビヒクルとを
含有し、前記無機粒子がZrSiO4 粒子および3Al
2 O3 ・2SiO2 粒子から選択される少なくとも1種
から構成され、前記無機粒子の90重量%以上が粒子径
0.8〜10μm であり、かつ前記無機粒子の重量平均
粒子径が1.0〜5μm であることを特徴とする厚膜抵
抗体用ペースト。 (2)前記導電粒子がルテニウム化合物を主成分とし、
前記ガラス粒子がホウケイ酸鉛ガラス粒子を主体とする
上記(1)の厚膜抵抗体用ペースト。 (3)前記導電粒子の80重量%以上が粒子径0.5μ
m 以下であり、前記ガラス粒子の80重量%以上が粒子
径1〜10μm である上記(1)または(2)の厚膜抵
抗体用ペースト。 (4)前記導電粒子と前記ガラス粒子と前記無機粒子と
の合計中において、前記無機粒子の含有率が3〜15重
量%である上記(1)ないし(3)のいずれかの厚膜抵
抗体用ペースト。 (5)前記導電粒子と前記ガラス粒子と前記無機粒子と
の合計中において、前記導電粒子の含有率が3〜60重
量%であり、前記ガラス粒子の含有率が40〜90重量
%である上記(1)ないし(4)のいずれかの厚膜抵抗
体用ペースト。 (6)上記(1)ないし(5)のいずれかの厚膜抵抗体
用ペーストを焼成して厚膜抵抗体を製造するに際し、前
記厚膜抵抗体用ペースト中における前記導電粒子と前記
無機粒子との比率を制御することにより、抵抗値の調整
を行なうことを特徴とする厚膜抵抗体の製造方法。 (7)上記(6)の製造方法により製造されたことを特
徴とする厚膜抵抗体。
(1)〜(7)の本発明により達成される。 (1)導電粒子とガラス粒子と無機粒子とビヒクルとを
含有し、前記無機粒子がZrSiO4 粒子および3Al
2 O3 ・2SiO2 粒子から選択される少なくとも1種
から構成され、前記無機粒子の90重量%以上が粒子径
0.8〜10μm であり、かつ前記無機粒子の重量平均
粒子径が1.0〜5μm であることを特徴とする厚膜抵
抗体用ペースト。 (2)前記導電粒子がルテニウム化合物を主成分とし、
前記ガラス粒子がホウケイ酸鉛ガラス粒子を主体とする
上記(1)の厚膜抵抗体用ペースト。 (3)前記導電粒子の80重量%以上が粒子径0.5μ
m 以下であり、前記ガラス粒子の80重量%以上が粒子
径1〜10μm である上記(1)または(2)の厚膜抵
抗体用ペースト。 (4)前記導電粒子と前記ガラス粒子と前記無機粒子と
の合計中において、前記無機粒子の含有率が3〜15重
量%である上記(1)ないし(3)のいずれかの厚膜抵
抗体用ペースト。 (5)前記導電粒子と前記ガラス粒子と前記無機粒子と
の合計中において、前記導電粒子の含有率が3〜60重
量%であり、前記ガラス粒子の含有率が40〜90重量
%である上記(1)ないし(4)のいずれかの厚膜抵抗
体用ペースト。 (6)上記(1)ないし(5)のいずれかの厚膜抵抗体
用ペーストを焼成して厚膜抵抗体を製造するに際し、前
記厚膜抵抗体用ペースト中における前記導電粒子と前記
無機粒子との比率を制御することにより、抵抗値の調整
を行なうことを特徴とする厚膜抵抗体の製造方法。 (7)上記(6)の製造方法により製造されたことを特
徴とする厚膜抵抗体。
【0010】
【作用および効果】本発明の厚膜抵抗体は、導電粒子
と、ガラスと、ジルコンやムライトなどの無機粒子とを
含有する。ルテニウム化合物の導電粒子は基板材料に比
べて熱膨張率が高いため、抵抗体を基板に形成した後、
熱衝撃が加わると抵抗体にクラックが発生し易いが、上
記したような無機粒子は導電粒子、基板材料およびガラ
ス粒子のいずれよりも熱膨張率が低いため、クラックの
発生が防止される。
と、ガラスと、ジルコンやムライトなどの無機粒子とを
含有する。ルテニウム化合物の導電粒子は基板材料に比
べて熱膨張率が高いため、抵抗体を基板に形成した後、
熱衝撃が加わると抵抗体にクラックが発生し易いが、上
記したような無機粒子は導電粒子、基板材料およびガラ
ス粒子のいずれよりも熱膨張率が低いため、クラックの
発生が防止される。
【0011】そして、本発明では、上記のように比較的
径の大きな無機粒子を用いるため、導電粒子は無機粒子
の周囲に導電路を形成することになる。すなわち、上記
した特公昭63−39082号公報記載の厚膜抵抗体の
断面では、ガラス相中に導電路ネットワークが存在し、
この導電路ネットワークの一部をジルコン粒子などが寸
断しているが、本発明の厚膜抵抗体では、無機粒子の径
が大きいため、無機粒子は導電路ネットワークに囲ま
れ、導電路を寸断することが殆どない。このため、無機
粒子の含有量を増加させることにより導電粒子の比率を
低下させた場合に、抵抗値が直線的に穏やかに変化する
ので、抵抗値の制御が容易である。なお、径の大きな無
機粒子を用いた場合、微視的な構造は不均一であるが、
クラックは数百マイクロメートル以上の範囲における応
力の集積として現われ、本発明ではこの程度の範囲にお
いて熱膨張率は十分に低減されるので、効果的なクラッ
ク低減が可能である。
径の大きな無機粒子を用いるため、導電粒子は無機粒子
の周囲に導電路を形成することになる。すなわち、上記
した特公昭63−39082号公報記載の厚膜抵抗体の
断面では、ガラス相中に導電路ネットワークが存在し、
この導電路ネットワークの一部をジルコン粒子などが寸
断しているが、本発明の厚膜抵抗体では、無機粒子の径
が大きいため、無機粒子は導電路ネットワークに囲ま
れ、導電路を寸断することが殆どない。このため、無機
粒子の含有量を増加させることにより導電粒子の比率を
低下させた場合に、抵抗値が直線的に穏やかに変化する
ので、抵抗値の制御が容易である。なお、径の大きな無
機粒子を用いた場合、微視的な構造は不均一であるが、
クラックは数百マイクロメートル以上の範囲における応
力の集積として現われ、本発明ではこの程度の範囲にお
いて熱膨張率は十分に低減されるので、効果的なクラッ
ク低減が可能である。
【0012】また、本発明では無機粒子により熱膨張率
の低減が可能なので、熱膨張率の比較的高いガラスを用
いることができ、ガラス組成選択の自由度が高い。すな
わち、導電粒子に対する濡れ性や焼結性を向上させるた
めに、PbOの含有率が高くSiO2 の含有率が低いガ
ラス粒子を用いることができる。
の低減が可能なので、熱膨張率の比較的高いガラスを用
いることができ、ガラス組成選択の自由度が高い。すな
わち、導電粒子に対する濡れ性や焼結性を向上させるた
めに、PbOの含有率が高くSiO2 の含有率が低いガ
ラス粒子を用いることができる。
【0013】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
に説明する。
【0014】本発明の厚膜抵抗体は、導電粒子とガラス
粒子と無機粒子とビヒクルとを含有する厚膜抵抗体用ペ
ーストを焼成して製造される。
粒子と無機粒子とビヒクルとを含有する厚膜抵抗体用ペ
ーストを焼成して製造される。
【0015】<無機粒子の構成>本発明では、前記無機
粒子としてZrSiO4 (ジルコン)および3Al2 O
3 ・2SiO2 (ムライト)から選択される少なくとも
1種を用いる。これらのうちでは、特にZrSiO4 が
好ましい。
粒子としてZrSiO4 (ジルコン)および3Al2 O
3 ・2SiO2 (ムライト)から選択される少なくとも
1種を用いる。これらのうちでは、特にZrSiO4 が
好ましい。
【0016】これらの無機粒子は、1000℃以下では
ガラスと反応しないものであり、この範囲の温度におい
て、無機粒子構成成分がガラス中に固溶してガラスの一
部となることが実質的にない。
ガラスと反応しないものであり、この範囲の温度におい
て、無機粒子構成成分がガラス中に固溶してガラスの一
部となることが実質的にない。
【0017】無機粒子は、その90重量%以上が粒子径
0.8〜10μm である。微粒子が多くなりすぎると抵
抗値の制御が困難となり、粗粒子が多くなりすぎると抵
抗体用ペーストの流動性や印刷パターンに対する忠実性
が悪化する。また、無機粒子の重量平均粒子径は、1.
0〜5μm 、好ましくは1.5〜3μm である。無機粒
子の径および粒度分布はレーザー分散法により測定す
る。
0.8〜10μm である。微粒子が多くなりすぎると抵
抗値の制御が困難となり、粗粒子が多くなりすぎると抵
抗体用ペーストの流動性や印刷パターンに対する忠実性
が悪化する。また、無機粒子の重量平均粒子径は、1.
0〜5μm 、好ましくは1.5〜3μm である。無機粒
子の径および粒度分布はレーザー分散法により測定す
る。
【0018】ペースト中における無機粒子、ガラス粒子
および導電粒子の合計に対する無機粒子の含有率、すな
わち、厚膜抵抗体中の無機粒子の含有率は、好ましくは
3〜15重量%、より好ましくは5〜12重量%とす
る。無機粒子の含有率が前記範囲未満であると、無機粒
子を含有することによる効果が小さくなる傾向にある。
また、無機粒子の含有率が前記範囲を超えると、バイン
ダとしてのガラスの含有率が相対的に低くなり、厚膜抵
抗体を形成することが困難となる傾向にある。なお、無
機粒子はバインダとしての作用をもたない。
および導電粒子の合計に対する無機粒子の含有率、すな
わち、厚膜抵抗体中の無機粒子の含有率は、好ましくは
3〜15重量%、より好ましくは5〜12重量%とす
る。無機粒子の含有率が前記範囲未満であると、無機粒
子を含有することによる効果が小さくなる傾向にある。
また、無機粒子の含有率が前記範囲を超えると、バイン
ダとしてのガラスの含有率が相対的に低くなり、厚膜抵
抗体を形成することが困難となる傾向にある。なお、無
機粒子はバインダとしての作用をもたない。
【0019】抵抗体中には、ジルコンやムライトの他に
もガラスに対し不活性な無機質の粒子が含有されていて
もよいが、これらの合計含有量は、無機粒子、ガラス粒
子および導電粒子の合計の15重量%以下であることが
好ましい。
もガラスに対し不活性な無機質の粒子が含有されていて
もよいが、これらの合計含有量は、無機粒子、ガラス粒
子および導電粒子の合計の15重量%以下であることが
好ましい。
【0020】<導電粒子の構成>本発明では導電粒子の
組成は特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよ
いが、通常、ルテニウム化合物を主成分とすることが好
ましい。ルテニウム化合物としては、二酸化ルテニウ
ム、ルテニウム酸鉛、ルテニウム酸ビスマスおよびルテ
ニウム酸鉛ビスマスから少なくとも1種を選択すること
が好ましい。また、これらの他、CdBiRu2 O7 、
NdBiRu2 O7 、BiInRu2 O7 、Bi2 Ir
RuO7 、GdBiRu2 O7 、BaRuO3 、Ba2
RuO4 、SrRuO3 、CaRuO3 、Co2 RuO
4 、LaRuO3 、LiRuO3 、SnO2 、LaB
6 、Pd−Ag、CoCrO4 、NiCrO4 、Si
C、TaC、CaB6 、BaB6 、SrB6 、LaB
6 、YB6 、Ta2 N、TiSi2 、VSi2 、CrS
i2 、TaSi2 、MoSi2 、WSi2 など、各種ル
テニウム化合物や他の導電性化合物、あるいは各種合金
を用いることができる。
組成は特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよ
いが、通常、ルテニウム化合物を主成分とすることが好
ましい。ルテニウム化合物としては、二酸化ルテニウ
ム、ルテニウム酸鉛、ルテニウム酸ビスマスおよびルテ
ニウム酸鉛ビスマスから少なくとも1種を選択すること
が好ましい。また、これらの他、CdBiRu2 O7 、
NdBiRu2 O7 、BiInRu2 O7 、Bi2 Ir
RuO7 、GdBiRu2 O7 、BaRuO3 、Ba2
RuO4 、SrRuO3 、CaRuO3 、Co2 RuO
4 、LaRuO3 、LiRuO3 、SnO2 、LaB
6 、Pd−Ag、CoCrO4 、NiCrO4 、Si
C、TaC、CaB6 、BaB6 、SrB6 、LaB
6 、YB6 、Ta2 N、TiSi2 、VSi2 、CrS
i2 、TaSi2 、MoSi2 、WSi2 など、各種ル
テニウム化合物や他の導電性化合物、あるいは各種合金
を用いることができる。
【0021】導電粒子の径は特に限定されないが、ノイ
ズを低くするためには、導電粒子の80重量%以上が粒
子径0.5μm 以下であることが好ましい。導電粒子の
径および粒度分布は、レーザー分散法により測定するこ
とができる。
ズを低くするためには、導電粒子の80重量%以上が粒
子径0.5μm 以下であることが好ましい。導電粒子の
径および粒度分布は、レーザー分散法により測定するこ
とができる。
【0022】ペースト中における導電粒子とガラス粒子
と無機粒子との合計中の導電粒子含有率、すなわち厚膜
抵抗体中の導電粒子含有率は特に限定されず、必要とさ
れる抵抗値に応じて適宜決定すればよいが、通常、3〜
60重量%、好ましくは5〜45重量%とする。導電粒
子の含有率が前記範囲未満であると、無機粒子やガラス
粒子などの非導電成分の比率が高くなりすぎて導電ネッ
トワークの形成が困難となる傾向にある。また、導電粒
子の含有率が前記範囲を超える場合、ガラスを十分に含
有させることができなくなり、緻密な焼結体を得ること
が困難となる。
と無機粒子との合計中の導電粒子含有率、すなわち厚膜
抵抗体中の導電粒子含有率は特に限定されず、必要とさ
れる抵抗値に応じて適宜決定すればよいが、通常、3〜
60重量%、好ましくは5〜45重量%とする。導電粒
子の含有率が前記範囲未満であると、無機粒子やガラス
粒子などの非導電成分の比率が高くなりすぎて導電ネッ
トワークの形成が困難となる傾向にある。また、導電粒
子の含有率が前記範囲を超える場合、ガラスを十分に含
有させることができなくなり、緻密な焼結体を得ること
が困難となる。
【0023】<ガラス粒子の構成>ガラス粒子の径は特
に限定されないが、ガラス粒子の80重量%以上が粒子
径1〜10μm であることが好ましい。径の小さいガラ
ス粒子の比率が高いと抵抗が高くなりすぎる傾向にあ
り、径の大きいガラス粒子の比率が高いと、ガラス粒子
と導電粒子との混合分散が不十分となり易く、ノイズが
増加する傾向にある。ガラス粒子の径および粒度分布
は、レーザー分散法により測定することができる。
に限定されないが、ガラス粒子の80重量%以上が粒子
径1〜10μm であることが好ましい。径の小さいガラ
ス粒子の比率が高いと抵抗が高くなりすぎる傾向にあ
り、径の大きいガラス粒子の比率が高いと、ガラス粒子
と導電粒子との混合分散が不十分となり易く、ノイズが
増加する傾向にある。ガラス粒子の径および粒度分布
は、レーザー分散法により測定することができる。
【0024】ペースト中における無機粒子、ガラス粒子
および導電粒子の合計に対するガラス粒子の含有率、す
なわち、厚膜抵抗体中のガラスの含有率は特に限定され
ないが、好ましくは40〜90重量%とする。ガラス粒
子含有率が前記範囲未満であると、バインダが不足する
ことになって厚膜抵抗体の形成が困難となる傾向にあ
り、前記範囲を超えると、低ノイズ特性を得ることが難
しくなる。
および導電粒子の合計に対するガラス粒子の含有率、す
なわち、厚膜抵抗体中のガラスの含有率は特に限定され
ないが、好ましくは40〜90重量%とする。ガラス粒
子含有率が前記範囲未満であると、バインダが不足する
ことになって厚膜抵抗体の形成が困難となる傾向にあ
り、前記範囲を超えると、低ノイズ特性を得ることが難
しくなる。
【0025】ガラス粒子の組成および特性は特に限定さ
れず、通常の抵抗体ペーストに用いられる各種ガラスか
ら要求特性に応じて適宜選択すればよい。
れず、通常の抵抗体ペーストに用いられる各種ガラスか
ら要求特性に応じて適宜選択すればよい。
【0026】例えば、ガラス軟化点は400〜700℃
程度であることが好ましい。また、ガラス組成として
は、例えば、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸鉛ガラス、
あるいはこれらにバリウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、亜鉛、アルミナ等の1種以上が添加されたものな
ど、一般に厚膜法においてガラスフリットとして用いら
れているものが挙げられ、特にホウケイ酸鉛ガラスが好
適である。
程度であることが好ましい。また、ガラス組成として
は、例えば、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸鉛ガラス、
あるいはこれらにバリウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、亜鉛、アルミナ等の1種以上が添加されたものな
ど、一般に厚膜法においてガラスフリットとして用いら
れているものが挙げられ、特にホウケイ酸鉛ガラスが好
適である。
【0027】<ビヒクル>ビヒクルとしては、エチルセ
ルロース、ポリビニルブチラール、メタクリル樹脂、ブ
チルメタアクリレート等のバインダ、テルピネオール、
ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、
アセテート、トルエン、アルコール、キシレン等の溶
剤、その他各種分散剤、活性剤等が挙げられ、これらの
うち任意のものが目的に応じて適宜選択される。また、
必要に応じて、CuO、MnO2 、V2 O5 、Nd2 O
5 、MgO、ZnO等の各種TCR調整剤を添加しても
よい。TCR調整剤の添加量は、無機粒子、ガラス粒子
および導電粒子の合計量100重量部に対し、0.1〜
6重量部程度とすることが好ましい。
ルロース、ポリビニルブチラール、メタクリル樹脂、ブ
チルメタアクリレート等のバインダ、テルピネオール、
ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、
アセテート、トルエン、アルコール、キシレン等の溶
剤、その他各種分散剤、活性剤等が挙げられ、これらの
うち任意のものが目的に応じて適宜選択される。また、
必要に応じて、CuO、MnO2 、V2 O5 、Nd2 O
5 、MgO、ZnO等の各種TCR調整剤を添加しても
よい。TCR調整剤の添加量は、無機粒子、ガラス粒子
および導電粒子の合計量100重量部に対し、0.1〜
6重量部程度とすることが好ましい。
【0028】ビヒクルの添加量は、無機粒子、ガラス粒
子および導電粒子の合計量100重量部に対し、20〜
60重量部程度とすることが好ましい。
子および導電粒子の合計量100重量部に対し、20〜
60重量部程度とすることが好ましい。
【0029】<厚膜抵抗体の製造方法>本発明では、導
電粒子、ガラス粒子および無機粒子に、ビヒクルやその
他の各種添加物を加えて混練してペースト化し、これを
印刷法や転写法などにより基板などに成膜し、焼成して
厚膜抵抗体を製造する。抵抗体ペーストは、焼成後の厚
さが4〜25μm 程度、特に8〜15μm 程度となるよ
うに成膜することが好ましい。焼成は、通常、空気中に
て1000℃程度以下、特に800〜1000℃程度で
1〜3時間程度行ない、最高温度に保持する時間は5〜
20分程度とすることが好ましい。
電粒子、ガラス粒子および無機粒子に、ビヒクルやその
他の各種添加物を加えて混練してペースト化し、これを
印刷法や転写法などにより基板などに成膜し、焼成して
厚膜抵抗体を製造する。抵抗体ペーストは、焼成後の厚
さが4〜25μm 程度、特に8〜15μm 程度となるよ
うに成膜することが好ましい。焼成は、通常、空気中に
て1000℃程度以下、特に800〜1000℃程度で
1〜3時間程度行ない、最高温度に保持する時間は5〜
20分程度とすることが好ましい。
【0030】なお、導電粒子に対する濡れ性をよくする
ためにガラス転移温度の比較的低いガラスを用いること
が好ましいので、厚膜抵抗体用ペーストと基板との同時
焼成は避けることが好ましいが、同時焼成を行なっても
よい。同時焼成する場合にも本発明は有効であり、この
場合には焼成時のクラック発生も抑えられる。
ためにガラス転移温度の比較的低いガラスを用いること
が好ましいので、厚膜抵抗体用ペーストと基板との同時
焼成は避けることが好ましいが、同時焼成を行なっても
よい。同時焼成する場合にも本発明は有効であり、この
場合には焼成時のクラック発生も抑えられる。
【0031】本発明で用いる導電粒子、ガラス粒子、無
機粒子、ビヒクル、各種添加物などは、通常の方法で製
造してもよく、市販のものを用いてもよい。例えば、無
機粒子としてZrSiO4 粒子を用いる場合、ジルコン
サンド(粒子径20〜40μm 程度)をボールミルなど
で粉砕する際に、粉砕時間を制御すればよい。
機粒子、ビヒクル、各種添加物などは、通常の方法で製
造してもよく、市販のものを用いてもよい。例えば、無
機粒子としてZrSiO4 粒子を用いる場合、ジルコン
サンド(粒子径20〜40μm 程度)をボールミルなど
で粉砕する際に、粉砕時間を制御すればよい。
【0032】本発明の厚膜抵抗体は、多層配線基板等の
各種配線基板に適用される。基板としては、例えば、ア
ルミナ基板や、アルミナ等の酸化物骨材とガラスとを含
む低温焼成基板が好ましい。
各種配線基板に適用される。基板としては、例えば、ア
ルミナ基板や、アルミナ等の酸化物骨材とガラスとを含
む低温焼成基板が好ましい。
【0033】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をさらに詳細に説明する。
をさらに詳細に説明する。
【0034】下記表1に示される厚膜抵抗体サンプル
を、以下に示すようにして作製した。
を、以下に示すようにして作製した。
【0035】厚膜抵抗体用ペーストの調製(本発明) 無機粒子にZrSiO4 (ジルコン)を、ガラス粒子に
ホウケイ酸鉛ガラスを、導電粒子に二酸化ルテニウム
(RuO2 )を用い、これらをボールミルにより混合分
散した。
ホウケイ酸鉛ガラスを、導電粒子に二酸化ルテニウム
(RuO2 )を用い、これらをボールミルにより混合分
散した。
【0036】無機粒子は、重量平均粒子径が2.0μm
であり、粒子径0.8〜10μm であるものの比率が9
0重量%であった。また、導電粒子はその80重量%が
粒子径0.5μm 以下であり、ガラス粒子はその80重
量%が粒子径1〜10μm であった。平均粒子径および
粒度分布は、レーザー分散法により測定した。
であり、粒子径0.8〜10μm であるものの比率が9
0重量%であった。また、導電粒子はその80重量%が
粒子径0.5μm 以下であり、ガラス粒子はその80重
量%が粒子径1〜10μm であった。平均粒子径および
粒度分布は、レーザー分散法により測定した。
【0037】得られた混合物100重量部に対しビヒク
ルを40重量部添加し、これを3本ロールで混練して抵
抗体用ペーストとした。ビヒクルには、バインダとして
エチルセルロースを、溶剤としてテルピネオールとブチ
ルカルビトールアセテートの9:1混合液を用いた。
ルを40重量部添加し、これを3本ロールで混練して抵
抗体用ペーストとした。ビヒクルには、バインダとして
エチルセルロースを、溶剤としてテルピネオールとブチ
ルカルビトールアセテートの9:1混合液を用いた。
【0038】厚膜抵抗体用ペーストの調製(比較例1) 無機粒子を、重量平均粒子径が0.6μm であり、粒子
径0.3〜1μm であるものの比率が90重量%である
ものに変えた以外は、上記と同様にして比較用のペース
トを調製した。
径0.3〜1μm であるものの比率が90重量%である
ものに変えた以外は、上記と同様にして比較用のペース
トを調製した。
【0039】厚膜抵抗体用ペーストの調製(比較例2) 無機粒子を、重量平均粒子径が1.1μm であり、粒子
径0.8〜10μm であるものの比率が60重量%かつ
粒子径0.4〜5μm であるものの比率が90重量%で
あるものに変えた以外は、上記と同様にして比較用のペ
ーストを調製した。
径0.8〜10μm であるものの比率が60重量%かつ
粒子径0.4〜5μm であるものの比率が90重量%で
あるものに変えた以外は、上記と同様にして比較用のペ
ーストを調製した。
【0040】基板の作製 アルミナおよびガラスからなる基板材料に前記ビヒクル
を加え、スラリーとした。このスラリーを用い、ドクタ
ーブレード法により厚さ0.2mmの基板グリーンシート
を作製し、これを焼成して基板とした。
を加え、スラリーとした。このスラリーを用い、ドクタ
ーブレード法により厚さ0.2mmの基板グリーンシート
を作製し、これを焼成して基板とした。
【0041】厚膜抵抗体サンプルの作製 次に、基板上に導体ペーストの層を形成し、850℃で
焼成して導体とした。さらに、前記導体の一部を覆うよ
うに基板上に前記抵抗体ペーストを乾燥厚さ25μm に
形成した後、850℃で10分間焼成し、厚膜抵抗体サ
ンプルとした。厚膜抵抗体は1mm×1mmの寸法であり、
厚さは12μm であった。
焼成して導体とした。さらに、前記導体の一部を覆うよ
うに基板上に前記抵抗体ペーストを乾燥厚さ25μm に
形成した後、850℃で10分間焼成し、厚膜抵抗体サ
ンプルとした。厚膜抵抗体は1mm×1mmの寸法であり、
厚さは12μm であった。
【0042】各サンプルについて、下記の測定を行なっ
た。 <熱衝撃試験>各サンプルに対し、−40℃〜+125
℃の温度変化を176サイクル与え、抵抗体のクラック
の発生および抵抗値変化を調べた。この結果、本発明サ
ンプルおよび比較サンプルともに、無機粒子の添加量2
重量%以上では光学顕微鏡観察においてクラック発生は
認められず、抵抗値変化は±0.1%以内であった。な
お、無機粒子を添加しないサンプルも作製して同様な試
験を行なったところ、クラックが発生し、その抵抗値変
化は1〜30%であった。
た。 <熱衝撃試験>各サンプルに対し、−40℃〜+125
℃の温度変化を176サイクル与え、抵抗体のクラック
の発生および抵抗値変化を調べた。この結果、本発明サ
ンプルおよび比較サンプルともに、無機粒子の添加量2
重量%以上では光学顕微鏡観察においてクラック発生は
認められず、抵抗値変化は±0.1%以内であった。な
お、無機粒子を添加しないサンプルも作製して同様な試
験を行なったところ、クラックが発生し、その抵抗値変
化は1〜30%であった。
【0043】<抵抗値>無機成分(導電粒子とガラス粒
子と無機粒子との合計)中の無機粒子の重量比率の変化
に応じた抵抗値の変化を調べた。結果を図1に示す。
子と無機粒子との合計)中の無機粒子の重量比率の変化
に応じた抵抗値の変化を調べた。結果を図1に示す。
【0044】<ノイズ>無機成分中の無機粒子の重量比
率の変化に応じたノイズの変化を調べた。結果を図2に
示す。ノイズは、Quan-Tech Model 315C Resistor Nois
e Test Setを用い、MIL-STD-202Bに従って測定した。な
お、ノイズは抵抗値の平方根に比例して増大するので、
1kΩでのノイズに相当する値(図示の抵抗ノイズ係
数)に補正して表示した。
率の変化に応じたノイズの変化を調べた。結果を図2に
示す。ノイズは、Quan-Tech Model 315C Resistor Nois
e Test Setを用い、MIL-STD-202Bに従って測定した。な
お、ノイズは抵抗値の平方根に比例して増大するので、
1kΩでのノイズに相当する値(図示の抵抗ノイズ係
数)に補正して表示した。
【0045】<VCR(電圧抵抗係数)>無機成分中の
無機粒子の重量比率の変化に応じたVCRの変化を調べ
た。結果を図3に示す。なお、VCRは、JIS C5202 の
電圧係数測定方式1に従って測定した。抵抗体への印加
電圧は、抵抗体面積1mm2 当たり100mWに相当する電
圧(ただし、100V を超えない値)とした。
無機粒子の重量比率の変化に応じたVCRの変化を調べ
た。結果を図3に示す。なお、VCRは、JIS C5202 の
電圧係数測定方式1に従って測定した。抵抗体への印加
電圧は、抵抗体面積1mm2 当たり100mWに相当する電
圧(ただし、100V を超えない値)とした。
【0046】これらの測定の結果から本発明の効果が明
らかである。すなわち、図1に示されるように、比較サ
ンプルでは無機粒子の増加に伴なって抵抗値が急激に上
昇してしまっているが、本発明サンプルでは抵抗値がほ
ぼ直線的に穏やかに上昇しており、抵抗値の細かい制御
が可能であることがわかる。また、図2に示されるよう
に、比較サンプルでは無機粒子の増加に伴なってノイズ
が急激に増加しているが、本発明サンプルではノイズの
増加が少ない。また、図3に示されるように、比較サン
プルでは無機粒子の増加に伴なってVCRが急激に負方
向に増大しているが、本発明サンプルでは増大が穏やか
である。
らかである。すなわち、図1に示されるように、比較サ
ンプルでは無機粒子の増加に伴なって抵抗値が急激に上
昇してしまっているが、本発明サンプルでは抵抗値がほ
ぼ直線的に穏やかに上昇しており、抵抗値の細かい制御
が可能であることがわかる。また、図2に示されるよう
に、比較サンプルでは無機粒子の増加に伴なってノイズ
が急激に増加しているが、本発明サンプルではノイズの
増加が少ない。また、図3に示されるように、比較サン
プルでは無機粒子の増加に伴なってVCRが急激に負方
向に増大しているが、本発明サンプルでは増大が穏やか
である。
【0047】なお、無機粒子を3Al2 O3 ・2SiO
2 (ムライト)としたサンプル、また、導電粒子を、ル
テニウム酸鉛、ルテニウム酸ビスマスまたはルテニウム
酸鉛ビスマスとしたサンプルについても、無機粒子の粒
度分布を本発明範囲とすることにより上記と同様な効果
が認められた。
2 (ムライト)としたサンプル、また、導電粒子を、ル
テニウム酸鉛、ルテニウム酸ビスマスまたはルテニウム
酸鉛ビスマスとしたサンプルについても、無機粒子の粒
度分布を本発明範囲とすることにより上記と同様な効果
が認められた。
【図1】厚膜抵抗体中の無機粒子の比率と抵抗値との関
係を示すグラフである。
係を示すグラフである。
【図2】厚膜抵抗体中の無機粒子の比率とノイズとの関
係を示すグラフである。
係を示すグラフである。
【図3】厚膜抵抗体中の無機粒子の比率とVCR(電圧
抵抗係数)との関係を示すグラフである。
抵抗係数)との関係を示すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】 導電粒子とガラス粒子と無機粒子とビヒ
クルとを含有し、前記無機粒子がZrSiO4 粒子およ
び3Al2 O3 ・2SiO2 粒子から選択される少なく
とも1種から構成され、前記無機粒子の90重量%以上
が粒子径0.8〜10μm であり、かつ前記無機粒子の
重量平均粒子径が1.0〜5μm であることを特徴とす
る厚膜抵抗体用ペースト。 - 【請求項2】 前記導電粒子がルテニウム化合物を主成
分とし、前記ガラス粒子がホウケイ酸鉛ガラス粒子を主
体とする請求項1の厚膜抵抗体用ペースト。 - 【請求項3】 前記導電粒子の80重量%以上が粒子径
0.5μm 以下であり、前記ガラス粒子の80重量%以
上が粒子径1〜10μm である請求項1または2の厚膜
抵抗体用ペースト。 - 【請求項4】 前記導電粒子と前記ガラス粒子と前記無
機粒子との合計中において、前記無機粒子の含有率が3
〜15重量%である請求項1ないし3のいずれかの厚膜
抵抗体用ペースト。 - 【請求項5】 前記導電粒子と前記ガラス粒子と前記無
機粒子との合計中において、前記導電粒子の含有率が3
〜60重量%であり、前記ガラス粒子の含有率が40〜
90重量%である請求項1ないし4のいずれかの厚膜抵
抗体用ペースト。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかの厚膜抵抗
体用ペーストを焼成して厚膜抵抗体を製造するに際し、
前記厚膜抵抗体用ペースト中における前記導電粒子と前
記無機粒子との比率を制御することにより、抵抗値の調
整を行なうことを特徴とする厚膜抵抗体の製造方法。 - 【請求項7】 請求項6の製造方法により製造されたこ
とを特徴とする厚膜抵抗体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4333698A JPH06163202A (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 厚膜抵抗体用ペーストならびに厚膜抵抗体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4333698A JPH06163202A (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 厚膜抵抗体用ペーストならびに厚膜抵抗体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06163202A true JPH06163202A (ja) | 1994-06-10 |
Family
ID=18268967
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4333698A Pending JPH06163202A (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 厚膜抵抗体用ペーストならびに厚膜抵抗体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06163202A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015046567A (ja) * | 2013-07-31 | 2015-03-12 | 三ツ星ベルト株式会社 | 抵抗体ペースト及びその製造方法並びに抵抗体及びその用途 |
KR20230004484A (ko) | 2020-05-01 | 2023-01-06 | 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 | 후막 저항 페이스트, 후막 저항체, 및 전자 부품 |
KR20230004485A (ko) | 2020-05-01 | 2023-01-06 | 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 | 후막 저항 페이스트, 후막 저항체, 및 전자 부품 |
KR20230004487A (ko) | 2020-05-01 | 2023-01-06 | 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 | 후막 저항 페이스트, 후막 저항체, 및 전자 부품 |
-
1992
- 1992-11-19 JP JP4333698A patent/JPH06163202A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015046567A (ja) * | 2013-07-31 | 2015-03-12 | 三ツ星ベルト株式会社 | 抵抗体ペースト及びその製造方法並びに抵抗体及びその用途 |
KR20230004484A (ko) | 2020-05-01 | 2023-01-06 | 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 | 후막 저항 페이스트, 후막 저항체, 및 전자 부품 |
KR20230004485A (ko) | 2020-05-01 | 2023-01-06 | 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 | 후막 저항 페이스트, 후막 저항체, 및 전자 부품 |
KR20230004487A (ko) | 2020-05-01 | 2023-01-06 | 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 | 후막 저항 페이스트, 후막 저항체, 및 전자 부품 |
US12024466B2 (en) | 2020-05-01 | 2024-07-02 | Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. | Thick film resistor paste, thick film resistor, and electronic component |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19990120 |