JPH06151908A - 太陽電池の欠陥封止方法 - Google Patents
太陽電池の欠陥封止方法Info
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- JPH06151908A JPH06151908A JP4296118A JP29611892A JPH06151908A JP H06151908 A JPH06151908 A JP H06151908A JP 4296118 A JP4296118 A JP 4296118A JP 29611892 A JP29611892 A JP 29611892A JP H06151908 A JPH06151908 A JP H06151908A
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- solar cell
- electrodeposition
- voltage
- electrode
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、量産性が良く、安定した管理が可
能な太陽電池の欠陥封止方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 太陽電池の欠陥部分に選択的に電着樹脂を堆
積し、欠陥部分を絶縁化する太陽電池の欠陥封止方法で
あって、前記電着樹脂を電流の増加速度が10mA/c
m2/秒以下となるように電圧を掃引して電着堆積する
ことを特徴とする。
能な太陽電池の欠陥封止方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 太陽電池の欠陥部分に選択的に電着樹脂を堆
積し、欠陥部分を絶縁化する太陽電池の欠陥封止方法で
あって、前記電着樹脂を電流の増加速度が10mA/c
m2/秒以下となるように電圧を掃引して電着堆積する
ことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信頼性の高い太陽電池
の欠陥封止方法に係わる。より詳しくは、太陽電池の製
造工程で発生する、ショートやシャントを修復し、初期
特性が高く信頼性の高い太陽電池を製造する方法に関す
る。
の欠陥封止方法に係わる。より詳しくは、太陽電池の製
造工程で発生する、ショートやシャントを修復し、初期
特性が高く信頼性の高い太陽電池を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】太陽光を電気エネルギーに変換する光電
変換素子である太陽電池は、電卓、腕時計など民生機器
用の電源として広く応用されており、また、石油、石炭
などのいわゆる化石燃料の代替用電力として実用化可能
な技術として注目されている。
変換素子である太陽電池は、電卓、腕時計など民生機器
用の電源として広く応用されており、また、石油、石炭
などのいわゆる化石燃料の代替用電力として実用化可能
な技術として注目されている。
【0003】太陽電池は半導体のpn接合部に発生する
拡散電位を利用した技術であり、シリコンなどの半導体
が太陽光を吸収して電子と正孔の光キャリヤーが生成
し、該光キャリヤーをpn接合部の拡散電位により生じ
た内部電界でドリフトさせ、外部に取り出すものであ
る。
拡散電位を利用した技術であり、シリコンなどの半導体
が太陽光を吸収して電子と正孔の光キャリヤーが生成
し、該光キャリヤーをpn接合部の拡散電位により生じ
た内部電界でドリフトさせ、外部に取り出すものであ
る。
【0004】太陽電池の製造は、ほぼ、半導体素子の製
造と同様なプロセスが用いられる。具体的には、CZ法
などの結晶成長法によりp型、あるいはn型に価電子制
御したシリコンの単結晶を作製し、該単結晶をスライス
して約300μmの厚みのシリコンウエハーを作る。さ
らに前記ウエハーの導電型と反対の導電型となるように
価電子制御剤を拡散などの適当な手段により、異種の導
電型の層を形成することでpn接合を作るものである。
造と同様なプロセスが用いられる。具体的には、CZ法
などの結晶成長法によりp型、あるいはn型に価電子制
御したシリコンの単結晶を作製し、該単結晶をスライス
して約300μmの厚みのシリコンウエハーを作る。さ
らに前記ウエハーの導電型と反対の導電型となるように
価電子制御剤を拡散などの適当な手段により、異種の導
電型の層を形成することでpn接合を作るものである。
【0005】しかし、このように太陽電池の製造方法は
半導体素子製造と同様なプロセスを用いるため、生産コ
ストは高く既存の発電方法に比べて割高になってしまう
という問題がある。このような事情から太陽電池の電力
用としての実用化を進めるに当たって、低コスト化が重
要な技術的課題であり、様々な検討がなされている。材
料的にも、より低コストの材料、より変換効率の高い材
料などの材料の探求が行なわれており、アモルファスシ
リコン、アモルフアスシリコンゲルマニウム、アモルフ
ァスシリコンカーバイドなどのテトラヘドラル系のアモ
ルファス半導体や、CdS,Cu2SなどのII−VI
族やGaAs,GaAlAsなどのIII−V族の化合
物半導体等が好ましい材料として挙げられる。とりわ
け、アモルファス半導体を用いた薄膜太陽電池は、単結
晶太陽電池に比較して大面積の膜が作製できることや、
膜厚が薄くて済むこと、任意の基板材料に堆積できるこ
となどの長所があり有望視されている。
半導体素子製造と同様なプロセスを用いるため、生産コ
ストは高く既存の発電方法に比べて割高になってしまう
という問題がある。このような事情から太陽電池の電力
用としての実用化を進めるに当たって、低コスト化が重
要な技術的課題であり、様々な検討がなされている。材
料的にも、より低コストの材料、より変換効率の高い材
料などの材料の探求が行なわれており、アモルファスシ
リコン、アモルフアスシリコンゲルマニウム、アモルフ
ァスシリコンカーバイドなどのテトラヘドラル系のアモ
ルファス半導体や、CdS,Cu2SなどのII−VI
族やGaAs,GaAlAsなどのIII−V族の化合
物半導体等が好ましい材料として挙げられる。とりわ
け、アモルファス半導体を用いた薄膜太陽電池は、単結
晶太陽電池に比較して大面積の膜が作製できることや、
膜厚が薄くて済むこと、任意の基板材料に堆積できるこ
となどの長所があり有望視されている。
【0006】アモルファスシリコン太陽電池の構造は例
えば、基板と反対側から光入射する場合は、基板上に下
部電極を設け、その上に薄膜のp層、i層、n層からな
る半導体接合を積層し、さらに、上部電極を設ける構造
となっている。さらに、集電の為グリッド電極やバスバ
ーが設けられる。また、アモルファスシリコンは結晶シ
リコンや多結晶シリコンに比較して膜質が劣るため変換
効率が低い事が問題であるが、この問題を解決するため
に半導体接合を2以上の直列に積層するいわゆるタンデ
ムセルも検討されている。
えば、基板と反対側から光入射する場合は、基板上に下
部電極を設け、その上に薄膜のp層、i層、n層からな
る半導体接合を積層し、さらに、上部電極を設ける構造
となっている。さらに、集電の為グリッド電極やバスバ
ーが設けられる。また、アモルファスシリコンは結晶シ
リコンや多結晶シリコンに比較して膜質が劣るため変換
効率が低い事が問題であるが、この問題を解決するため
に半導体接合を2以上の直列に積層するいわゆるタンデ
ムセルも検討されている。
【0007】ところで、前述した太陽電池を例えば一般
家庭の電力供給用として用いる場合には約3KWの出力
が必要となる。変換効率10%の太陽電池を用いた場合
では30m2と、大面積の太陽電池が必要となる。しか
しながら、太陽電池の製造工程上、大面積にわたって欠
陥のない太陽電池を作製することは困難であり、例えば
多結晶では粒界部分に低抵抗な部分が生じてしまった
り、アモルファスシリコンのような薄膜太陽電池におい
ては、半導体層の成膜時にダストの影響などによりピン
ホールや欠陥が生じ、シャントやショートの原因とな
り、これらのシャントやショートは変換効率を著しく低
下させることが知られている。
家庭の電力供給用として用いる場合には約3KWの出力
が必要となる。変換効率10%の太陽電池を用いた場合
では30m2と、大面積の太陽電池が必要となる。しか
しながら、太陽電池の製造工程上、大面積にわたって欠
陥のない太陽電池を作製することは困難であり、例えば
多結晶では粒界部分に低抵抗な部分が生じてしまった
り、アモルファスシリコンのような薄膜太陽電池におい
ては、半導体層の成膜時にダストの影響などによりピン
ホールや欠陥が生じ、シャントやショートの原因とな
り、これらのシャントやショートは変換効率を著しく低
下させることが知られている。
【0008】ピンホールや欠陥ができる原因とその影響
についてさらに詳しく述べると、例えばステンレス基板
上に堆積したアモルファスシリコン太陽電池の場合で
は、基板表面は完全に平滑な面とは言えず傷やへこみ、
あるいはスパイク状の突起が存在することや、基板上に
光を乱反射する目的で凹凸のあるバックリフレクターを
設けたりするため、p、n層のように数100Åの厚み
の薄膜の半導体層がこのような表面を完全にカバー出来
無いことや、あるいは別の原因として成膜時のごみなど
によりピンホールが生じることなどが挙げられる。太陽
電池の下部電極と上部電極との間の半導体がピンホール
により失われて、下部電極と上部電極とが直接接触した
り、基板のスパイク状欠陥が上部電極と接触したり、あ
るいは半導体層が完全に失われないまでも低抵抗なシャ
ントまたはショートとなると、光によって発生した電流
が上部電極を平行に流れてシャントまたはショート部の
低抵抗部分に流れ込むこととなり発生した電流を損失し
てしまう。このような電流損失があると太陽電池の開放
電圧が下がることになる。とりわけ、光強度が低い場合
は、光によって発生する電流とシャントによるリーク電
流との大きさがあまり変わらないため、開放電圧の低下
は顕著になる。アモルファスシリコン太陽電池において
は一般的に半導体自体のシート抵抗は高いため半導体全
面にわたり透明な上部電極を必要とし、通常、Sn
O2、ITOのような導電性の反射防止膜を設ける。こ
のため微少な欠陥に於いても上部電極を通して欠陥に流
れ込む電流はかなり大きなものとなる。さらに、欠陥部
分がグリッド電極やバスバーの下にあるときは欠陥によ
り損失する電流はより一層大きなものとなってしまう。
についてさらに詳しく述べると、例えばステンレス基板
上に堆積したアモルファスシリコン太陽電池の場合で
は、基板表面は完全に平滑な面とは言えず傷やへこみ、
あるいはスパイク状の突起が存在することや、基板上に
光を乱反射する目的で凹凸のあるバックリフレクターを
設けたりするため、p、n層のように数100Åの厚み
の薄膜の半導体層がこのような表面を完全にカバー出来
無いことや、あるいは別の原因として成膜時のごみなど
によりピンホールが生じることなどが挙げられる。太陽
電池の下部電極と上部電極との間の半導体がピンホール
により失われて、下部電極と上部電極とが直接接触した
り、基板のスパイク状欠陥が上部電極と接触したり、あ
るいは半導体層が完全に失われないまでも低抵抗なシャ
ントまたはショートとなると、光によって発生した電流
が上部電極を平行に流れてシャントまたはショート部の
低抵抗部分に流れ込むこととなり発生した電流を損失し
てしまう。このような電流損失があると太陽電池の開放
電圧が下がることになる。とりわけ、光強度が低い場合
は、光によって発生する電流とシャントによるリーク電
流との大きさがあまり変わらないため、開放電圧の低下
は顕著になる。アモルファスシリコン太陽電池において
は一般的に半導体自体のシート抵抗は高いため半導体全
面にわたり透明な上部電極を必要とし、通常、Sn
O2、ITOのような導電性の反射防止膜を設ける。こ
のため微少な欠陥に於いても上部電極を通して欠陥に流
れ込む電流はかなり大きなものとなる。さらに、欠陥部
分がグリッド電極やバスバーの下にあるときは欠陥によ
り損失する電流はより一層大きなものとなってしまう。
【0009】一方、ピンホール状の欠陥による欠陥部分
では、半導体層で発生した電荷が該欠陥部分にリークす
るばかりではなく、水分との相互作用によりイオン性の
物質が生成するので、太陽電池の使用時に、使用時間の
経過と共に次第に欠陥部分の電気抵抗が低下し、変換効
率などの特性が劣化する現象が見られる。
では、半導体層で発生した電荷が該欠陥部分にリークす
るばかりではなく、水分との相互作用によりイオン性の
物質が生成するので、太陽電池の使用時に、使用時間の
経過と共に次第に欠陥部分の電気抵抗が低下し、変換効
率などの特性が劣化する現象が見られる。
【0010】以上のようにショートが生じている場合に
はその場所の上部電極を除去するかまたは絶縁化するこ
とにより電流損失を小さくすることができる。シャント
またはショート部の上部電極を選択的に除去する方法と
して、例えば、米国特許4,729,970号公報に開
示されるいわゆるパッシベーション法がある。この方法
は、AlCl3,ZnCl2,SnCl4,SnCl2,T
iCl4等のルイス酸の溶液中に太陽電池と対向電極と
を浸漬し、電圧を印加して上部電極である透明導電性酸
化物電極の化学量論比を変えることによって高抵抗にす
る方法である。しかしながら、以上のように上部電極を
高抵抗化した場合でもグリッドを設けたときにシャント
部にグリッド電極が形成されると再びショートが生じて
しまうという問題がある。この対策としては、欠陥部分
のみを選択的に絶縁性材料、又は実質的にシャントまた
はショートを防ぐために充分な高抵抗を有する材料で覆
うことにより、透明電極やグリッド電極あるいはバスバ
ーとの接触抵抗を高める方法が挙げられ、変換効率減少
を防ぐ有効な手段として注目されている。太陽電池の欠
陥部分のみを選択的に絶縁する具体的方法としては、例
えば米国特許第4,197,141号公報に開示される
ように、多結晶太陽電池を電解質溶液中に浸漬し、電界
を印加して、多結晶の結晶粒界や格子不整合に基づく欠
陥部を酸化したり、あるいは、欠陥部に絶縁物を堆積し
たりあるいは欠陥部をエッチングする方法がある。しか
しながら、該発明によれば絶縁物を選択的に堆積すると
いう概念はあるが、アルミニウム、クロム、銅などの金
属の酸化物を堆積するという内容であり、有機高分子材
料の堆積については述べられていない。また、開示され
た実施例は、ガリウム砒素太陽電池の欠陥部を陽極酸化
するという例であり、シリコン太陽電池などについて同
様の技術が利用できるかどうかは開示されていない。
はその場所の上部電極を除去するかまたは絶縁化するこ
とにより電流損失を小さくすることができる。シャント
またはショート部の上部電極を選択的に除去する方法と
して、例えば、米国特許4,729,970号公報に開
示されるいわゆるパッシベーション法がある。この方法
は、AlCl3,ZnCl2,SnCl4,SnCl2,T
iCl4等のルイス酸の溶液中に太陽電池と対向電極と
を浸漬し、電圧を印加して上部電極である透明導電性酸
化物電極の化学量論比を変えることによって高抵抗にす
る方法である。しかしながら、以上のように上部電極を
高抵抗化した場合でもグリッドを設けたときにシャント
部にグリッド電極が形成されると再びショートが生じて
しまうという問題がある。この対策としては、欠陥部分
のみを選択的に絶縁性材料、又は実質的にシャントまた
はショートを防ぐために充分な高抵抗を有する材料で覆
うことにより、透明電極やグリッド電極あるいはバスバ
ーとの接触抵抗を高める方法が挙げられ、変換効率減少
を防ぐ有効な手段として注目されている。太陽電池の欠
陥部分のみを選択的に絶縁する具体的方法としては、例
えば米国特許第4,197,141号公報に開示される
ように、多結晶太陽電池を電解質溶液中に浸漬し、電界
を印加して、多結晶の結晶粒界や格子不整合に基づく欠
陥部を酸化したり、あるいは、欠陥部に絶縁物を堆積し
たりあるいは欠陥部をエッチングする方法がある。しか
しながら、該発明によれば絶縁物を選択的に堆積すると
いう概念はあるが、アルミニウム、クロム、銅などの金
属の酸化物を堆積するという内容であり、有機高分子材
料の堆積については述べられていない。また、開示され
た実施例は、ガリウム砒素太陽電池の欠陥部を陽極酸化
するという例であり、シリコン太陽電池などについて同
様の技術が利用できるかどうかは開示されていない。
【0011】これに対し、米国特許第4,451,97
0号公報に開示されるように、太陽電池の欠陥部を検出
器によって検知し、その後、検出された欠陥部に絶縁材
料をアプリケータで塗布する方法がある。しかしなが
ら、この方法は、欠陥部の検出器とアプリケータとはと
もにかなり大きな装置となってしまい、実際の欠陥の大
きさよりも大きい範囲でしか検出できず、また絶縁化も
不要な部分まで行われ、かつ、高く盛り上がってしまう
ためグリッド電極が印刷できないという問題が生じる。
更に、基板もしくはアプリケーターを掃引する必要があ
るため、処理速度が遅いという問題がある。
0号公報に開示されるように、太陽電池の欠陥部を検出
器によって検知し、その後、検出された欠陥部に絶縁材
料をアプリケータで塗布する方法がある。しかしなが
ら、この方法は、欠陥部の検出器とアプリケータとはと
もにかなり大きな装置となってしまい、実際の欠陥の大
きさよりも大きい範囲でしか検出できず、また絶縁化も
不要な部分まで行われ、かつ、高く盛り上がってしまう
ためグリッド電極が印刷できないという問題が生じる。
更に、基板もしくはアプリケーターを掃引する必要があ
るため、処理速度が遅いという問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況に鑑み、本
発明は、量産性が良く、安定した管理が可能な太陽電池
の欠陥封止方法を提供することを目的とする。
発明は、量産性が良く、安定した管理が可能な太陽電池
の欠陥封止方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の太陽電池の欠陥
封止方法は、太陽電池の欠陥部分に選択的に電着樹脂を
堆積し、欠陥部分を絶縁化する太陽電池の欠陥封止方法
であって、前記電着樹脂を電流の増加速度が10mA/
cm2/秒以下となるように電圧を掃引して電着堆積す
ることを特徴とする。
封止方法は、太陽電池の欠陥部分に選択的に電着樹脂を
堆積し、欠陥部分を絶縁化する太陽電池の欠陥封止方法
であって、前記電着樹脂を電流の増加速度が10mA/
cm2/秒以下となるように電圧を掃引して電着堆積す
ることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明は、太陽電池に存在する欠陥により形成
される低抵抗部分を選択的に絶縁する方法に於いて、再
現性良く且つ生産工程での管理が容易な欠陥封止方法に
ついて本発明者らの実験により得た知見をさらに詳細に
検討を加えて完成したものであり、その骨子は、太陽電
池を電着塗料中に浸漬し、電圧を印加する際に電着樹脂
が欠陥部分のみに均一に堆積するように、流れる電流の
増加速度を制御することである。電流の制御方法として
は、例えば電圧を低電圧から高電圧に掃引する事で可能
となり、電流の増加速度は10mA/cm2/秒以下と
する。電流の増加速度を10mA/cm2/秒以下で電
着することにより、欠陥部への電着が完全に行われ、か
つ欠陥部への電着の選択性が大きく向上する。その結
果、低抵抗部分の電気抵抗が十分に高くなり、半導体層
で発生した電荷が欠陥部分にリークすることを防止し、
光電変換素子の変換効率などの太陽電池特性を大幅に向
上させることができる。
される低抵抗部分を選択的に絶縁する方法に於いて、再
現性良く且つ生産工程での管理が容易な欠陥封止方法に
ついて本発明者らの実験により得た知見をさらに詳細に
検討を加えて完成したものであり、その骨子は、太陽電
池を電着塗料中に浸漬し、電圧を印加する際に電着樹脂
が欠陥部分のみに均一に堆積するように、流れる電流の
増加速度を制御することである。電流の制御方法として
は、例えば電圧を低電圧から高電圧に掃引する事で可能
となり、電流の増加速度は10mA/cm2/秒以下と
する。電流の増加速度を10mA/cm2/秒以下で電
着することにより、欠陥部への電着が完全に行われ、か
つ欠陥部への電着の選択性が大きく向上する。その結
果、低抵抗部分の電気抵抗が十分に高くなり、半導体層
で発生した電荷が欠陥部分にリークすることを防止し、
光電変換素子の変換効率などの太陽電池特性を大幅に向
上させることができる。
【0015】また、本発明の方法で作製した太陽電池
は、欠陥部分を電着塗料で絶縁するため、欠陥部分への
水分の浸透や吸着が強く抑制され、実使用に際して起こ
る使用時間の経過と共に太陽電池特性が劣化する現象も
大幅に改善される。更に、上部電極の上にグリッド電極
を設ける構成の太陽電池の場合には、欠陥部分が電気絶
縁性樹脂で覆われているので、欠陥部分とグリッド電極
とが直接電気的に接続されることによるシャントも防止
することができる。
は、欠陥部分を電着塗料で絶縁するため、欠陥部分への
水分の浸透や吸着が強く抑制され、実使用に際して起こ
る使用時間の経過と共に太陽電池特性が劣化する現象も
大幅に改善される。更に、上部電極の上にグリッド電極
を設ける構成の太陽電池の場合には、欠陥部分が電気絶
縁性樹脂で覆われているので、欠陥部分とグリッド電極
とが直接電気的に接続されることによるシャントも防止
することができる。
【0016】以下に、本発明の太陽電池の欠陥封止方法
について説明する。
について説明する。
【0017】本発明の太陽電池の欠陥封止方法を用いた
太陽電池の構成例を図1〜図5に模式的に示す。
太陽電池の構成例を図1〜図5に模式的に示す。
【0018】図1は基板と反対側から光入射するアモル
ファスシリコン太陽電池、図2は図1の太陽電池をトリ
プル構造とした太陽電池、図3はガラス基板上に堆積し
たアモルファスシリコン等の薄膜の太陽電池でガラス基
板側から光入射される。図4は結晶系太陽電池、図5は
薄膜多結晶の太陽電池、図6は図1、図2及び図5の構
成の太陽電池を光入射側から見た図である。図に於いて
100は太陽電池本体、101は基板、102は下部電
極、103はn層、104はi層、105はp層、10
6は上部電極、107はグリッド電極、108はバスバ
ー、109は欠陥部分、110は電着樹脂を示す。
ファスシリコン太陽電池、図2は図1の太陽電池をトリ
プル構造とした太陽電池、図3はガラス基板上に堆積し
たアモルファスシリコン等の薄膜の太陽電池でガラス基
板側から光入射される。図4は結晶系太陽電池、図5は
薄膜多結晶の太陽電池、図6は図1、図2及び図5の構
成の太陽電池を光入射側から見た図である。図に於いて
100は太陽電池本体、101は基板、102は下部電
極、103はn層、104はi層、105はp層、10
6は上部電極、107はグリッド電極、108はバスバ
ー、109は欠陥部分、110は電着樹脂を示す。
【0019】基板101はアモルファスシリコンのよう
な薄膜の太陽電池の場合の半導体層103,104,1
05を機械的に支持する部材であり、また場合によって
は電極として用いられる。
な薄膜の太陽電池の場合の半導体層103,104,1
05を機械的に支持する部材であり、また場合によって
は電極として用いられる。
【0020】下部電極102は、半導体層103,10
4,105で発生した電力を取り出すための一方の電極
であり、半導体層103に対してはオーミックコンタク
トとなるような仕事関数を持つことが要求される。具体
的な材料としては、金属単体又は合金、及び透明導電性
酸化物(TCO)等が用いられる。下部電極102の表
面は平滑であることが好ましいが、光の乱反射を起こさ
せる場合にはテクスチャー化しても良い。また、基板1
01が導電性であるときは下部電極102は特に設ける
必要はない。下部電極102の作製方法はメッキ、蒸
着、スパッタ等の公知の方法が好適に用いられる。
4,105で発生した電力を取り出すための一方の電極
であり、半導体層103に対してはオーミックコンタク
トとなるような仕事関数を持つことが要求される。具体
的な材料としては、金属単体又は合金、及び透明導電性
酸化物(TCO)等が用いられる。下部電極102の表
面は平滑であることが好ましいが、光の乱反射を起こさ
せる場合にはテクスチャー化しても良い。また、基板1
01が導電性であるときは下部電極102は特に設ける
必要はない。下部電極102の作製方法はメッキ、蒸
着、スパッタ等の公知の方法が好適に用いられる。
【0021】本発明に用いられる太陽電池の半導体層と
しては、pin接合非晶質シリコン、pn接合多結晶シ
リコン、CuInSe2/CdSなどの化合物半導体が
挙げられる。半導体層103,104,105及び下部
電極102、上部電極106、グリッド電極107、バ
スバー108等の形成方法は大略公知の方法により作製
される。
しては、pin接合非晶質シリコン、pn接合多結晶シ
リコン、CuInSe2/CdSなどの化合物半導体が
挙げられる。半導体層103,104,105及び下部
電極102、上部電極106、グリッド電極107、バ
スバー108等の形成方法は大略公知の方法により作製
される。
【0022】アモルファスシリコン半導体層の成膜方法
としては、蒸着法、スパッタ法、RFプラズマCVD
法、マイクロ波プラズマCVD法、ECR法、熱CVD
法、LPCVD法等公知の方法を所望に応じて用いる。
工業的に採用されている方法としては、原料ガスをプラ
ズマで分解し、基板状に堆積させるRFプラズマCVD
法が好んで用いられる。さらに、RFプラズマCVDに
比べ、原料ガスの分解効率が高く、堆積速度が速いマイ
クロ波プラズマCVD法も用いることができる。多結晶
シリコンの場合は、溶融シリコンのシート化により、C
uInSe2/CdSの場合、電子ビーム蒸着、スパッ
タリング、電解液の電気分解による析出などの方法で形
成される。
としては、蒸着法、スパッタ法、RFプラズマCVD
法、マイクロ波プラズマCVD法、ECR法、熱CVD
法、LPCVD法等公知の方法を所望に応じて用いる。
工業的に採用されている方法としては、原料ガスをプラ
ズマで分解し、基板状に堆積させるRFプラズマCVD
法が好んで用いられる。さらに、RFプラズマCVDに
比べ、原料ガスの分解効率が高く、堆積速度が速いマイ
クロ波プラズマCVD法も用いることができる。多結晶
シリコンの場合は、溶融シリコンのシート化により、C
uInSe2/CdSの場合、電子ビーム蒸着、スパッ
タリング、電解液の電気分解による析出などの方法で形
成される。
【0023】以上の成膜装置としては、バッチ式の装置
や連続成膜装置などが所望に応じて使用できる。
や連続成膜装置などが所望に応じて使用できる。
【0024】上部電極106は、半導体層103,10
4,105で発生した起電力を取り出すための電極であ
り、下部電極102と対をなすものである。上部電極1
06はアモルファスシリコンのようにシート抵抗が高い
半導体の場合に必要であり、結晶系の太陽電池ではシー
ト抵抗が低いため特に必要としない。また、上部電極1
06は、光入射側に位置するため、透明であることが必
要で、透明電極とも呼ばれる。上部電極の作製方法とし
ては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、スパッ
タリング法、スプレー法等を用いることができ所望に応
じて適宜選択される。
4,105で発生した起電力を取り出すための電極であ
り、下部電極102と対をなすものである。上部電極1
06はアモルファスシリコンのようにシート抵抗が高い
半導体の場合に必要であり、結晶系の太陽電池ではシー
ト抵抗が低いため特に必要としない。また、上部電極1
06は、光入射側に位置するため、透明であることが必
要で、透明電極とも呼ばれる。上部電極の作製方法とし
ては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、スパッ
タリング法、スプレー法等を用いることができ所望に応
じて適宜選択される。
【0025】グリッド電極107は半導体層103,1
04,105で発生した起電力を取り出すための電極で
あり集電電極と呼ばれる。グリッド電極107は半導体
層105あるいは上部電極106のシート抵抗の大きさ
から好適な配置が決定されるがほぼ串状に形成され、光
の入射をできるだけ妨げないように設計される。
04,105で発生した起電力を取り出すための電極で
あり集電電極と呼ばれる。グリッド電極107は半導体
層105あるいは上部電極106のシート抵抗の大きさ
から好適な配置が決定されるがほぼ串状に形成され、光
の入射をできるだけ妨げないように設計される。
【0026】グリッド電極は比抵抗が低く太陽電池の直
列抵抗とならないことが要求され、好ましい比抵抗とし
ては10-2Ωcm〜10-5Ωcmである。グリッド電極
の材料としては、Ti、Cr、Mo、W、Al、Ag、
Ni、Cu、Sn等の金属材料、及びAg、Pt、C
u、C等の金属またはこれらの合金の粉末にポリマーの
バインダー、バインダーの溶剤を適度な比率で混合し、
ペースト状としたいわゆる導電性ペーストが用いられ
る。
列抵抗とならないことが要求され、好ましい比抵抗とし
ては10-2Ωcm〜10-5Ωcmである。グリッド電極
の材料としては、Ti、Cr、Mo、W、Al、Ag、
Ni、Cu、Sn等の金属材料、及びAg、Pt、C
u、C等の金属またはこれらの合金の粉末にポリマーの
バインダー、バインダーの溶剤を適度な比率で混合し、
ペースト状としたいわゆる導電性ペーストが用いられ
る。
【0027】グリッド電極107の形成方法としては、
マスクパターンを用いたスパッタリング、抵抗加熱、C
VDの蒸着方法、あるいは全面に金属層を蒸着した後に
エッチングしてパターニングする方法、光CVDにより
直接グリッド電極パターンを形成する方法、グリッド電
極パターンのネガパターンのマスクを形成した後にメッ
キにより形成する方法、導電性ペーストをスクリーン印
刷して形成する方法などがある。前記スクリーン印刷法
はポリエステルやステンレスで出来たメッシュに所望の
パターニングを施したスクリーンを用いて導電性ペ−ス
トを印刷インキとして用いるものであり電極幅として
は、最小で50μm位とする事ができる。印刷機は市販
のスクリーン印刷機が好適に用いられる。スクリーン印
刷した導電性ペーストはバインダーを架橋させるためと
溶剤を揮発させるために乾燥炉で加熱する。
マスクパターンを用いたスパッタリング、抵抗加熱、C
VDの蒸着方法、あるいは全面に金属層を蒸着した後に
エッチングしてパターニングする方法、光CVDにより
直接グリッド電極パターンを形成する方法、グリッド電
極パターンのネガパターンのマスクを形成した後にメッ
キにより形成する方法、導電性ペーストをスクリーン印
刷して形成する方法などがある。前記スクリーン印刷法
はポリエステルやステンレスで出来たメッシュに所望の
パターニングを施したスクリーンを用いて導電性ペ−ス
トを印刷インキとして用いるものであり電極幅として
は、最小で50μm位とする事ができる。印刷機は市販
のスクリーン印刷機が好適に用いられる。スクリーン印
刷した導電性ペーストはバインダーを架橋させるためと
溶剤を揮発させるために乾燥炉で加熱する。
【0028】バスバー108は、グリッド電極107を
流れる電流を更に一端に集めるための電極である。電極
材料としてはAg、Pt、Cu、等の金属やCまたはこ
れらの合金からなるものを用いることができ、形態とし
てはワイヤー状、箔状のものを張り付けたりグリッド電
極107と同様に導電性ペーストを用いても良い。箔状
のものとしては例えば銅箔や、或いは銅箔にスズメッキ
したもので、場合によっては接着剤付きのものが用いら
れる。バスバー108の形成方法としては、金属ワイヤ
ーを導電性接着剤で固定したり、銅箔を張り付けたりあ
るいは、グリッド電極107と同様に形成しても良い。
流れる電流を更に一端に集めるための電極である。電極
材料としてはAg、Pt、Cu、等の金属やCまたはこ
れらの合金からなるものを用いることができ、形態とし
てはワイヤー状、箔状のものを張り付けたりグリッド電
極107と同様に導電性ペーストを用いても良い。箔状
のものとしては例えば銅箔や、或いは銅箔にスズメッキ
したもので、場合によっては接着剤付きのものが用いら
れる。バスバー108の形成方法としては、金属ワイヤ
ーを導電性接着剤で固定したり、銅箔を張り付けたりあ
るいは、グリッド電極107と同様に形成しても良い。
【0029】電着樹脂110は半導体層のピンホール、
多結晶半導体の粒界、基板101及び下部電極102な
どのスパイク状欠陥その他の原因によって発生したショ
ートあるいはシャント等による欠陥部分109を絶縁す
るために用いられ、さらには、耐湿性を向上させる機能
を合わせ持っている。太陽電池のシャント抵抗は理想的
には無限大であるが、1KΩcm2以上が好ましく、1
KΩcm2以上のシャント抵抗であれば太陽電池の変換
効率には影響がない。
多結晶半導体の粒界、基板101及び下部電極102な
どのスパイク状欠陥その他の原因によって発生したショ
ートあるいはシャント等による欠陥部分109を絶縁す
るために用いられ、さらには、耐湿性を向上させる機能
を合わせ持っている。太陽電池のシャント抵抗は理想的
には無限大であるが、1KΩcm2以上が好ましく、1
KΩcm2以上のシャント抵抗であれば太陽電池の変換
効率には影響がない。
【0030】電着樹脂は欠陥部分に直接堆積しているこ
とが必要であり、半導体層105の上に堆積させるが、
電着の工程としては半導体層105の形成直後に電着を
行う必要はなく、上部電極106を形成後に電着を行っ
ても良い。
とが必要であり、半導体層105の上に堆積させるが、
電着の工程としては半導体層105の形成直後に電着を
行う必要はなく、上部電極106を形成後に電着を行っ
ても良い。
【0031】堆積した電着膜については、太陽電池の製
造方法によっては、電着後に溶剤を用いたり熱処理を行
うような工程がある場合はこれらの処理によって影響さ
れないことが要求される。また、太陽電池の欠陥部分
は、それ自体発電に寄与しない部分であるが、選択的に
電着膜の堆積が行われた場合に於いても、欠陥部分の実
質的な面積に比較して広い面積に堆積すると考えられる
ため、正常な部分の光入射を妨げないように電着塗料は
光透過性の材料であることが望ましい。また、太陽電池
として屋外で使用する場合を考え、耐候性が良く、熱、
湿度及び光に対する安定性が要求される。また、太陽電
池の使用時に於いて、場合によっては、太陽電池が曲げ
られたり衝撃が与えられるため、機械的な強度及び剥離
強度を合わせ持つ必要がある。また、電着した塗膜の膜
厚としては、電気的絶縁性と、耐湿性が保たれ、かつ、
光透過性を損なわれないことが好ましいことから樹脂の
種類により適宜選択されるが代表的には0.5μmから
50μm位が適当である。
造方法によっては、電着後に溶剤を用いたり熱処理を行
うような工程がある場合はこれらの処理によって影響さ
れないことが要求される。また、太陽電池の欠陥部分
は、それ自体発電に寄与しない部分であるが、選択的に
電着膜の堆積が行われた場合に於いても、欠陥部分の実
質的な面積に比較して広い面積に堆積すると考えられる
ため、正常な部分の光入射を妨げないように電着塗料は
光透過性の材料であることが望ましい。また、太陽電池
として屋外で使用する場合を考え、耐候性が良く、熱、
湿度及び光に対する安定性が要求される。また、太陽電
池の使用時に於いて、場合によっては、太陽電池が曲げ
られたり衝撃が与えられるため、機械的な強度及び剥離
強度を合わせ持つ必要がある。また、電着した塗膜の膜
厚としては、電気的絶縁性と、耐湿性が保たれ、かつ、
光透過性を損なわれないことが好ましいことから樹脂の
種類により適宜選択されるが代表的には0.5μmから
50μm位が適当である。
【0032】次に、欠陥部の電着方法について述べる。
【0033】欠陥部分に選択的に電着樹脂を堆積する工
程は、例えば図7に示した電着装置を用い、欠陥部分を
有する太陽電池204、205と対向電極203とを電
着塗料中に浸漬し、太陽電池と対向電極203との間に
電圧を印加して欠陥部分に電着樹脂を堆積することによ
り行われる。太陽電池に電圧を印加する場合には導電性
基板204あるいは下部電極に印加すれば良い。
程は、例えば図7に示した電着装置を用い、欠陥部分を
有する太陽電池204、205と対向電極203とを電
着塗料中に浸漬し、太陽電池と対向電極203との間に
電圧を印加して欠陥部分に電着樹脂を堆積することによ
り行われる。太陽電池に電圧を印加する場合には導電性
基板204あるいは下部電極に印加すれば良い。
【0034】対向電極の材質としては、電着塗料中で腐
食されないことが要求され、耐食性のある白金、炭素、
ニッケル、ステンレスなどが好適に用いられる。また、
対向電極の面積は、太陽電池の面積に対して一定の比率
とする事が電着を均一にするために必要であり、いわゆ
る極比としては、太陽電池面積と対向電極面積との比は
1/2から2/1の範囲であることが好ましい。また、
太陽電池と対向電極との極間距離は電着の均一性を保つ
ために重要な因子であるが、電着塗料の電導度や印加す
る電圧などの諸条件により好適な範囲があり一般的には
10mmから100mmが望ましい。電着膜が太陽電池
の欠陥部分のみに選択的に堆積するために、基板などの
導電性部分を電着塗料中にさらすことは好ましくなくこ
のため、太陽電池の光入射側の裏面となる導電性基板2
04表面を、プラスチックフィルムやゴム磁石などの絶
縁性被覆材で覆うことが望ましい。また、太陽電池に光
照射されると欠陥部分以外の正常部分では光起電力によ
り低抵抗化するため欠陥部分の抵抗値と正常部分の抵抗
値の相対比が小さくなり選択性が低くなってしまう。従
って、必要に応じて暗中で電着する事で所望の選択性が
達成できるようになる。
食されないことが要求され、耐食性のある白金、炭素、
ニッケル、ステンレスなどが好適に用いられる。また、
対向電極の面積は、太陽電池の面積に対して一定の比率
とする事が電着を均一にするために必要であり、いわゆ
る極比としては、太陽電池面積と対向電極面積との比は
1/2から2/1の範囲であることが好ましい。また、
太陽電池と対向電極との極間距離は電着の均一性を保つ
ために重要な因子であるが、電着塗料の電導度や印加す
る電圧などの諸条件により好適な範囲があり一般的には
10mmから100mmが望ましい。電着膜が太陽電池
の欠陥部分のみに選択的に堆積するために、基板などの
導電性部分を電着塗料中にさらすことは好ましくなくこ
のため、太陽電池の光入射側の裏面となる導電性基板2
04表面を、プラスチックフィルムやゴム磁石などの絶
縁性被覆材で覆うことが望ましい。また、太陽電池に光
照射されると欠陥部分以外の正常部分では光起電力によ
り低抵抗化するため欠陥部分の抵抗値と正常部分の抵抗
値の相対比が小さくなり選択性が低くなってしまう。従
って、必要に応じて暗中で電着する事で所望の選択性が
達成できるようになる。
【0035】電着は、一般に定電圧法または定電流法が
用いられるが、本発明においては電着工程中の電流増加
速度を10mA/cm2/秒以下とする。太陽電池に印
加する電圧は、ネルンストの式で定義される電極電位か
ら計算される水素発生電位以上の電圧、具体的には、水
の理論分解電圧に過電圧を加えた値である2ボルト以上
の電圧が必要となる。さらに、電着塗料の電導度や太陽
電池に印加する電圧の極性が逆バイアスである場合と順
バイアスである場合とでは好ましい印加電圧の範囲は異
なるためそれぞれの太陽電池の構成、面積及び、電着塗
料の電導度などの物性、印加電圧の極性など種々の点か
ら好適な電圧範囲が決定されるが、およそ2Vから20
0Vの範囲である。また、印加した電圧の一部は太陽電
池にも印加されることになるため、前記太陽電池に対し
て逆バイアスとなるような極性の場合には、前記太陽電
池がブレークダウンしない範囲の電圧でなければならな
い。一方、前記太陽電池に対して順バイアスとなるよう
な極性の場合には太陽電池の順方向電流が流れるため選
択性が劣ることになり、この点を考慮して選択性を損な
わない電圧としなければならない。
用いられるが、本発明においては電着工程中の電流増加
速度を10mA/cm2/秒以下とする。太陽電池に印
加する電圧は、ネルンストの式で定義される電極電位か
ら計算される水素発生電位以上の電圧、具体的には、水
の理論分解電圧に過電圧を加えた値である2ボルト以上
の電圧が必要となる。さらに、電着塗料の電導度や太陽
電池に印加する電圧の極性が逆バイアスである場合と順
バイアスである場合とでは好ましい印加電圧の範囲は異
なるためそれぞれの太陽電池の構成、面積及び、電着塗
料の電導度などの物性、印加電圧の極性など種々の点か
ら好適な電圧範囲が決定されるが、およそ2Vから20
0Vの範囲である。また、印加した電圧の一部は太陽電
池にも印加されることになるため、前記太陽電池に対し
て逆バイアスとなるような極性の場合には、前記太陽電
池がブレークダウンしない範囲の電圧でなければならな
い。一方、前記太陽電池に対して順バイアスとなるよう
な極性の場合には太陽電池の順方向電流が流れるため選
択性が劣ることになり、この点を考慮して選択性を損な
わない電圧としなければならない。
【0036】電着の電流密度は、太陽電池のシャントの
程度にもよるが綴密な電着膜を形成するために、0.1
から10A/dm2が好ましい範囲である。
程度にもよるが綴密な電着膜を形成するために、0.1
から10A/dm2が好ましい範囲である。
【0037】ところで、定電圧法の場合、電着の初期は
欠陥部分が低抵抗であるため電着の速度が速く大きな電
流が流れるが、その後は堆積した電着膜が高抵抗である
為電流は著しく減少する。このような電流の大きな変動
は生産においては条件の安定性にかけ、採用しがたいも
のである。一方、この問題を解決するため定電流法を用
いた場合には、電流は常に一定であるため、電着膜の堆
積速度は一定でありこの点では電着膜は緻密なものが形
成される。しかしながら電圧は徐々に上昇するため、例
えば太陽電池に逆バイアスが印加されるような極性の場
合は電圧をブレークダウンの電圧以下になるように制御
する必要がある。この点も生産上は問題となる。本発明
の太陽電池の欠陥封止方法においては、電着中に流れる
電流や電圧の急激な上昇や下降がないため、上述のよう
な問題が生じない。具体的には、電圧を徐々に上げて行
き一定の電圧で保持する方法が用いられる。
欠陥部分が低抵抗であるため電着の速度が速く大きな電
流が流れるが、その後は堆積した電着膜が高抵抗である
為電流は著しく減少する。このような電流の大きな変動
は生産においては条件の安定性にかけ、採用しがたいも
のである。一方、この問題を解決するため定電流法を用
いた場合には、電流は常に一定であるため、電着膜の堆
積速度は一定でありこの点では電着膜は緻密なものが形
成される。しかしながら電圧は徐々に上昇するため、例
えば太陽電池に逆バイアスが印加されるような極性の場
合は電圧をブレークダウンの電圧以下になるように制御
する必要がある。この点も生産上は問題となる。本発明
の太陽電池の欠陥封止方法においては、電着中に流れる
電流や電圧の急激な上昇や下降がないため、上述のよう
な問題が生じない。具体的には、電圧を徐々に上げて行
き一定の電圧で保持する方法が用いられる。
【0038】電着の終点の決定方法としては、時間によ
る方法、クーロン量による方法等が可能である。電着膜
は高抵抗であるため、一定の膜厚になるとその部分には
成膜がなされないため、太陽電池の構成によっては欠陥
部分の堆積がなされたときに電着が自動的に終了し、電
流が流れなくなることも可能である。しかしながら、前
記太陽電池に対して順方向バイアスを印加するような場
合は電着初期には選択性があっても時間の経過とともに
正常部分にも堆積が起こるため、前述したように、時間
やクーロン量による電着終点の管理が必要となる。
る方法、クーロン量による方法等が可能である。電着膜
は高抵抗であるため、一定の膜厚になるとその部分には
成膜がなされないため、太陽電池の構成によっては欠陥
部分の堆積がなされたときに電着が自動的に終了し、電
流が流れなくなることも可能である。しかしながら、前
記太陽電池に対して順方向バイアスを印加するような場
合は電着初期には選択性があっても時間の経過とともに
正常部分にも堆積が起こるため、前述したように、時間
やクーロン量による電着終点の管理が必要となる。
【0039】電着塗料202は、電着樹脂を所定の濃
度、溶媒に分散し、所定の電導度に調整したものが用い
られる。
度、溶媒に分散し、所定の電導度に調整したものが用い
られる。
【0040】電着樹脂は、絶縁性、耐湿性を有するもの
であり、骨格樹脂は、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、メラミ
ン樹脂、ブタジエン樹脂等の中から所望に応じて適宜選
択される。また、これらの樹脂を溶かし電気泳動を行わ
せるために溶液中で電離が起こるような官能基を導入す
ることが必要であり、該官能基としてはカルボキシル
基、アミノ基などがある。電着塗料は官能基の極性によ
りカチオン系とアニオン系とに分類できる。それぞれ、
太陽電池に印加する極性が異なるので、太陽電池の所望
の極性に応じて適宜選べば良い。さらに加熱により電着
樹脂を硬化させるためにはメラミン架橋、炭素−炭素二
重結合、ウレタン結合などを利用するためこれらの架橋
反応が起こるような官能基を骨格樹脂または側鎖に適宜
導入する。電着樹脂は、太陽電池の欠陥部分以外には成
膜されないことが必要であり、このためには電着後に不
要な塗料が洗浄され易いことが要求され、このためには
最低造膜温度(MFT)は50℃以上が望ましい。
であり、骨格樹脂は、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、メラミ
ン樹脂、ブタジエン樹脂等の中から所望に応じて適宜選
択される。また、これらの樹脂を溶かし電気泳動を行わ
せるために溶液中で電離が起こるような官能基を導入す
ることが必要であり、該官能基としてはカルボキシル
基、アミノ基などがある。電着塗料は官能基の極性によ
りカチオン系とアニオン系とに分類できる。それぞれ、
太陽電池に印加する極性が異なるので、太陽電池の所望
の極性に応じて適宜選べば良い。さらに加熱により電着
樹脂を硬化させるためにはメラミン架橋、炭素−炭素二
重結合、ウレタン結合などを利用するためこれらの架橋
反応が起こるような官能基を骨格樹脂または側鎖に適宜
導入する。電着樹脂は、太陽電池の欠陥部分以外には成
膜されないことが必要であり、このためには電着後に不
要な塗料が洗浄され易いことが要求され、このためには
最低造膜温度(MFT)は50℃以上が望ましい。
【0041】これらの電着樹脂は均一な成膜を行うため
に溶液中では沈澱せずに安定に懸濁する事が重要であ
る。このためには、樹脂は適当な大きさのコロイド粒子
となっていることが望ましい。コロイド粒子の粒径は、
10nmから100nm位の範囲であることが望まし
く、また、粒径は単分散であることが望ましい。前記コ
ロイド粒子を構成する骨格樹脂の好適な分子量としては
重量平均分子量が1000〜20000程度である。耐
光性、耐熱佳、耐湿性、欠陥部分の選択性などの向上の
ために電着樹脂に無機顔料、セラミックス、ガラスフリ
ット、微粒子ポリマーなどのフィラーを分散することも
可能であり所望に応じ適宜選択して用いる。太陽電池の
欠陥部分を選択的に、かつ、有効に絶縁するためには単
位電気量あたりの電着膜重量が大きい方が好ましい。こ
のためには電着塗料のクーロン効率は10mg/C以上
であることが好ましい。電着塗料の溶剤としては、透明
導電性酸化物、半導体層及び下部電極などの太陽電池構
成材料を容易には溶解しない濃度の酸またはアルカリを
含む溶液、又はそれらの金属塩を含む溶液を用いる。な
お、該金属塩としては、該塩を構成する金属が、その標
準電極電位が負で、水素過電圧の値が標準電極電位の絶
対値よりも小さい塩が用いられる。電着塗料は脱イオン
水により希釈して用いられるが、成膜性の良好な範囲と
しては、固形分が1%から25%位の範囲が良い。ま
た、電着液の電導度は樹脂が安定に懸濁し、電気泳動が
起こり易く、しかも所望の欠陥部分に堆積が起こり易い
ように、100μS/cmから2000μS/cmの範
囲であることが望ましい。
に溶液中では沈澱せずに安定に懸濁する事が重要であ
る。このためには、樹脂は適当な大きさのコロイド粒子
となっていることが望ましい。コロイド粒子の粒径は、
10nmから100nm位の範囲であることが望まし
く、また、粒径は単分散であることが望ましい。前記コ
ロイド粒子を構成する骨格樹脂の好適な分子量としては
重量平均分子量が1000〜20000程度である。耐
光性、耐熱佳、耐湿性、欠陥部分の選択性などの向上の
ために電着樹脂に無機顔料、セラミックス、ガラスフリ
ット、微粒子ポリマーなどのフィラーを分散することも
可能であり所望に応じ適宜選択して用いる。太陽電池の
欠陥部分を選択的に、かつ、有効に絶縁するためには単
位電気量あたりの電着膜重量が大きい方が好ましい。こ
のためには電着塗料のクーロン効率は10mg/C以上
であることが好ましい。電着塗料の溶剤としては、透明
導電性酸化物、半導体層及び下部電極などの太陽電池構
成材料を容易には溶解しない濃度の酸またはアルカリを
含む溶液、又はそれらの金属塩を含む溶液を用いる。な
お、該金属塩としては、該塩を構成する金属が、その標
準電極電位が負で、水素過電圧の値が標準電極電位の絶
対値よりも小さい塩が用いられる。電着塗料は脱イオン
水により希釈して用いられるが、成膜性の良好な範囲と
しては、固形分が1%から25%位の範囲が良い。ま
た、電着液の電導度は樹脂が安定に懸濁し、電気泳動が
起こり易く、しかも所望の欠陥部分に堆積が起こり易い
ように、100μS/cmから2000μS/cmの範
囲であることが望ましい。
【0042】本発明の太陽電池の欠陥封止方法の望まし
い態様は欠陥部に電着を行う方法のみならず、パッシベ
ーションにより低抵抗部分の上部電極を除去してから電
着する方法、潜在的欠陥を顕在化するためのフォーミン
グ工程を経た後、前記顕在化した欠陥部分の上部電極を
除去して電着する方法も含まれる。
い態様は欠陥部に電着を行う方法のみならず、パッシベ
ーションにより低抵抗部分の上部電極を除去してから電
着する方法、潜在的欠陥を顕在化するためのフォーミン
グ工程を経た後、前記顕在化した欠陥部分の上部電極を
除去して電着する方法も含まれる。
【0043】さらに、電着は上部電極形成後に行われて
も良く、また上部電極形成前に行われても良く、太陽電
池の構成により適宜選択される。後者の方法の場合、前
者の方法に比ベて、バッシペーションが不要であるため
作製工程数が少なくて済む。一方、真空プロセスで半導
体成膜をした後ウェットプロセスの電着を行いさらに真
空プロセスで上部電極を形成するために水分を充分乾燥
させる必要がある。
も良く、また上部電極形成前に行われても良く、太陽電
池の構成により適宜選択される。後者の方法の場合、前
者の方法に比ベて、バッシペーションが不要であるため
作製工程数が少なくて済む。一方、真空プロセスで半導
体成膜をした後ウェットプロセスの電着を行いさらに真
空プロセスで上部電極を形成するために水分を充分乾燥
させる必要がある。
【0044】以上の説明に於いては太陽電池はカットシ
ート状であり、電着のプロセスは枚葉処理であったが、
必要に応じてロールツーロールで行うことも可能であ
る。ロールツーロール処理に適する装置を図8に示す。
図8に於いて310は基板、301は基板送り出しロー
ラー、302は基板巻き取りローラー、303は電解
槽、304は洗浄槽、305は乾燥炉、306は電源、
307はマスクフィルム送り出しロ−ラー、308はマ
スクフィルム巻き取りローラー、309はマスクフィル
ム、311は対向電極、312は導電性ローラーを示
す。
ート状であり、電着のプロセスは枚葉処理であったが、
必要に応じてロールツーロールで行うことも可能であ
る。ロールツーロール処理に適する装置を図8に示す。
図8に於いて310は基板、301は基板送り出しロー
ラー、302は基板巻き取りローラー、303は電解
槽、304は洗浄槽、305は乾燥炉、306は電源、
307はマスクフィルム送り出しロ−ラー、308はマ
スクフィルム巻き取りローラー、309はマスクフィル
ム、311は対向電極、312は導電性ローラーを示
す。
【0045】この図に於ける好ましい実施態様例として
は、太陽電池はステンレス基板状に堆積されたnip型
アモルファスシリコンであり、光入射側にITOの上部
電極が形成されている。太陽電池基板310は送り出し
ロール301から送り出され電解槽303に浸漬され、
洗浄槽304、乾燥炉305を通過した後巻き取りロー
ル302に巻き取られる。電解槽303に浸漬する前に
マスクフィルム送り出しローラー307から太陽電池裏
面マスク用のフィルム309が送り出されて太陽電池基
板310の裏面と張り合わせられる。電着が完了した後
は再び剥離され洗浄乾燥後、巻き取りローラー308に
巻き取られる。太陽電池基板310と接する導電性ロー
ラー312と電解槽303内に浸漬された対向電極31
1の間に電源306の電圧が印加される。
は、太陽電池はステンレス基板状に堆積されたnip型
アモルファスシリコンであり、光入射側にITOの上部
電極が形成されている。太陽電池基板310は送り出し
ロール301から送り出され電解槽303に浸漬され、
洗浄槽304、乾燥炉305を通過した後巻き取りロー
ル302に巻き取られる。電解槽303に浸漬する前に
マスクフィルム送り出しローラー307から太陽電池裏
面マスク用のフィルム309が送り出されて太陽電池基
板310の裏面と張り合わせられる。電着が完了した後
は再び剥離され洗浄乾燥後、巻き取りローラー308に
巻き取られる。太陽電池基板310と接する導電性ロー
ラー312と電解槽303内に浸漬された対向電極31
1の間に電源306の電圧が印加される。
【0046】以上のように作製された太陽電池は、屋外
使用の際、耐候性をより一層良くし機械的強度を保つた
めに公知の方法でエンカプシュレーションをしてモジュ
ール化される。具体的にはエンカプシュレーション用材
料としては、接着層については、太陽電池との接着性、
耐候性、緩衝効果の点でEVA(エチレンビニールアセ
テート)が好適に用いられる。また、さらに耐湿性や耐
傷性を向上させるために、表面保護層としては弗素系の
樹脂が積層される。弗素系の樹脂としては、例えば4フ
ッ化エチレンの重合体TFE(デュポン製テフロンな
ど)、4フッ化エチレンとエチレンの共重合体ETFE
(デュポン製テフゼルなど)、ポリフッ化ビニル(デュ
ポン製テドラーなど)、ポリクロロフルオロエチレンC
TFE(ダイキン工業製ネオフロン)等が挙げられる。
またこれらの樹脂に紫外線吸収剤を加えることで耐候性
を向上させても良い。エンカプシュレーションの方法と
しては、例えば真空ラミネーターのような市販の装置を
用いて、太陽電池基板と前記樹脂フィルムとを真空中で
加熱圧着する方法が望ましい。
使用の際、耐候性をより一層良くし機械的強度を保つた
めに公知の方法でエンカプシュレーションをしてモジュ
ール化される。具体的にはエンカプシュレーション用材
料としては、接着層については、太陽電池との接着性、
耐候性、緩衝効果の点でEVA(エチレンビニールアセ
テート)が好適に用いられる。また、さらに耐湿性や耐
傷性を向上させるために、表面保護層としては弗素系の
樹脂が積層される。弗素系の樹脂としては、例えば4フ
ッ化エチレンの重合体TFE(デュポン製テフロンな
ど)、4フッ化エチレンとエチレンの共重合体ETFE
(デュポン製テフゼルなど)、ポリフッ化ビニル(デュ
ポン製テドラーなど)、ポリクロロフルオロエチレンC
TFE(ダイキン工業製ネオフロン)等が挙げられる。
またこれらの樹脂に紫外線吸収剤を加えることで耐候性
を向上させても良い。エンカプシュレーションの方法と
しては、例えば真空ラミネーターのような市販の装置を
用いて、太陽電池基板と前記樹脂フィルムとを真空中で
加熱圧着する方法が望ましい。
【0047】
【実施例】以下、実施例をあげて、本発明の太陽電池の
欠陥封止方法を更に詳しく説明するが、本発明はこれら
の実施例により限定されるものではない。
欠陥封止方法を更に詳しく説明するが、本発明はこれら
の実施例により限定されるものではない。
【0048】(実施例1)図1に示す層構成の太陽電池
100を以下のようにして作製した。まず、十分に脱
脂、洗浄を行ったSUS430BA製基板(30cm×
30cm、厚み0.2mm)101を不図示のDCスパ
ッタ装置に入れCrを2000Å堆積し、下部電極10
2を形成した。基板101を取り出し、不図示のRFプ
ラズマCVD成膜装置に入れn層103、i層104、
p層105の順で堆積を行った。その後、不図示の抵抗
加熱の蒸着装置に入れて、酸素を導入しながら1×10
-4Torrの内圧に保ち、InとSnの合金を抵抗加熱
により蒸着し、反射防止効果を有する透明なITOの上
部電極106を700Å堆積した。
100を以下のようにして作製した。まず、十分に脱
脂、洗浄を行ったSUS430BA製基板(30cm×
30cm、厚み0.2mm)101を不図示のDCスパ
ッタ装置に入れCrを2000Å堆積し、下部電極10
2を形成した。基板101を取り出し、不図示のRFプ
ラズマCVD成膜装置に入れn層103、i層104、
p層105の順で堆積を行った。その後、不図示の抵抗
加熱の蒸着装置に入れて、酸素を導入しながら1×10
-4Torrの内圧に保ち、InとSnの合金を抵抗加熱
により蒸着し、反射防止効果を有する透明なITOの上
部電極106を700Å堆積した。
【0049】次に、基板101の裏面側をプラスチック
製の絶縁性フィルムで覆い電着時に基板101の裏面に
電着が施されないようにして図7の電解槽201に浸漬
した。対向電極203として、極比が1:1となるよう
に30cm×30cmの大きさで、前記基板101に対
して裏側をプラスチック製の絶縁性フィルムを用いてシ
ールしたSUS304ステンレス板を用いた。電着塗料
202は固形分10%のアクリル系アニオン電着塗料を
用いた。基板204にプラスの電圧を0Vから10Vま
で15秒間で掃引し10Vに達した後60秒まで保持し
て電着を行った。この時の電圧・時間曲線及び電流一時
間曲線を図9に示した。図に示されるように電流値の増
加速度は10mA/cm2/秒以下であり、電流値が電
着時間内で急激に変化しないことがわかる。
製の絶縁性フィルムで覆い電着時に基板101の裏面に
電着が施されないようにして図7の電解槽201に浸漬
した。対向電極203として、極比が1:1となるよう
に30cm×30cmの大きさで、前記基板101に対
して裏側をプラスチック製の絶縁性フィルムを用いてシ
ールしたSUS304ステンレス板を用いた。電着塗料
202は固形分10%のアクリル系アニオン電着塗料を
用いた。基板204にプラスの電圧を0Vから10Vま
で15秒間で掃引し10Vに達した後60秒まで保持し
て電着を行った。この時の電圧・時間曲線及び電流一時
間曲線を図9に示した。図に示されるように電流値の増
加速度は10mA/cm2/秒以下であり、電流値が電
着時間内で急激に変化しないことがわかる。
【0050】次に、基板204を電解槽201から引き
上げ、純水で十分に洗浄を行い、未反応の電着塗料を洗
い流し、50℃のオーブンに投入し、30分放置して水
分を乾燥させた。その後、オーブンの温度を10℃/分
の速度で昇温し、180℃に達してから30分保持し電
着樹脂の硬化を行った。この試料をNo.1−1とし
た。
上げ、純水で十分に洗浄を行い、未反応の電着塗料を洗
い流し、50℃のオーブンに投入し、30分放置して水
分を乾燥させた。その後、オーブンの温度を10℃/分
の速度で昇温し、180℃に達してから30分保持し電
着樹脂の硬化を行った。この試料をNo.1−1とし
た。
【0051】その後、試料No.1−1をオーブンから
取り出し、冷却後一部を切り出して走査型電子顕微鏡で
観察したところ上部電極106の表面には、約5μm〜
50μmの径の半球状の堆積物110が点在して観察さ
れた。この部分の赤外吸収を、顕微機能付きFTIRを
用いて分析したところ、カルボニル基の吸収があり電着
塗料が堆積していることが確認された。さらに、この試
料のOBIC像を観察したところ、電着塗料の堆積部分
のみが発電せず、従って、堆積膜はシャント部分にのみ
堆積していることが確認された。さらに、電着樹脂の堆
積した面積はシャント部分の面積の10倍以下であり不
要な部分への電着膜の堆積はほとんど無かった。
取り出し、冷却後一部を切り出して走査型電子顕微鏡で
観察したところ上部電極106の表面には、約5μm〜
50μmの径の半球状の堆積物110が点在して観察さ
れた。この部分の赤外吸収を、顕微機能付きFTIRを
用いて分析したところ、カルボニル基の吸収があり電着
塗料が堆積していることが確認された。さらに、この試
料のOBIC像を観察したところ、電着塗料の堆積部分
のみが発電せず、従って、堆積膜はシャント部分にのみ
堆積していることが確認された。さらに、電着樹脂の堆
積した面積はシャント部分の面積の10倍以下であり不
要な部分への電着膜の堆積はほとんど無かった。
【0052】次に試料No.1−1にマスクフイルムを
張り付けた後、塩化第2鉄と塩酸のエッチャントでIT
Oをエッチングし、1cm2の大きさのサブセルを等間
隔で100個形成した。その後不図示のEB蒸着器に投
入し、前記サブセル上に1cm2の大きさのクロム電極
を形成した。上述のようにして形成したサブセルに逆バ
イアスを印加して太陽電池の逆バイアス耐圧を測定した
結果を図10に示した。図に於いて縦軸は任意目盛りと
した。前記逆バイアス耐圧が低い場合はシャントし易い
部分が残っていることを示していると考えられる。図1
0では逆バイアス耐圧が−10V程度であり、電着の工
程によって低抵抗部分が絶縁化され良好な耐圧特性とな
っていることを示している。
張り付けた後、塩化第2鉄と塩酸のエッチャントでIT
Oをエッチングし、1cm2の大きさのサブセルを等間
隔で100個形成した。その後不図示のEB蒸着器に投
入し、前記サブセル上に1cm2の大きさのクロム電極
を形成した。上述のようにして形成したサブセルに逆バ
イアスを印加して太陽電池の逆バイアス耐圧を測定した
結果を図10に示した。図に於いて縦軸は任意目盛りと
した。前記逆バイアス耐圧が低い場合はシャントし易い
部分が残っていることを示していると考えられる。図1
0では逆バイアス耐圧が−10V程度であり、電着の工
程によって低抵抗部分が絶縁化され良好な耐圧特性とな
っていることを示している。
【0053】次に、比較のため、電着を定電圧で行った
以外は上述した方法とほぼ同様にして太陽電池の欠陥封
止を行った。
以外は上述した方法とほぼ同様にして太陽電池の欠陥封
止を行った。
【0054】上述した方法と同様にして基板101上に
上部電極106までを形成し、次に、電圧を10Vに保
持し、60秒間の電着を行った。この時の電圧―時間曲
線及び電流−時間曲線を図11に示した。図に示される
ように電流は電着初期に急激に流れ、その後急激に減少
した。初期の電流の増加速度は10mA/cm2/秒以
上であった。その後、上述と同様にしてサブセルに分離
してクロム電極を形成した。
上部電極106までを形成し、次に、電圧を10Vに保
持し、60秒間の電着を行った。この時の電圧―時間曲
線及び電流−時間曲線を図11に示した。図に示される
ように電流は電着初期に急激に流れ、その後急激に減少
した。初期の電流の増加速度は10mA/cm2/秒以
上であった。その後、上述と同様にしてサブセルに分離
してクロム電極を形成した。
【0055】さらに逆バイアスを印加して逆バイアス耐
圧を測定した。結果を図12に示す。図10と図12と
の比較から明らかなように、電着時の電流値の増加速度
10mA/cm2/秒以下とすることにより、太陽電池
の逆バイアス耐圧が高くなり、低抵抗部分が有効に絶縁
されていることが分かった。
圧を測定した。結果を図12に示す。図10と図12と
の比較から明らかなように、電着時の電流値の増加速度
10mA/cm2/秒以下とすることにより、太陽電池
の逆バイアス耐圧が高くなり、低抵抗部分が有効に絶縁
されていることが分かった。
【0056】次に、図9に示した電圧掃引法で図1の太
陽電池を10枚作製し、その後、基板101を不図示の
スクリーン印刷機に設置し、幅100μm長さ8cmの
グリッド電極108を間隔1cmで印刷した。このとき
導電性ペーストは、Agフイラー70部、ポリエステル
バインダー30部(体積比)、溶剤として酢酸エチルを
20部含む組成のものを用いた。印刷後、基板101を
オーブンに入れて150℃で30分間保持し、導電性ペ
ーストをキュアした。さらに、幅5mmの接着剤付き銅
箔のバスバー109を接着し、図6に示す30cm角の
シングルセルを作製した。
陽電池を10枚作製し、その後、基板101を不図示の
スクリーン印刷機に設置し、幅100μm長さ8cmの
グリッド電極108を間隔1cmで印刷した。このとき
導電性ペーストは、Agフイラー70部、ポリエステル
バインダー30部(体積比)、溶剤として酢酸エチルを
20部含む組成のものを用いた。印刷後、基板101を
オーブンに入れて150℃で30分間保持し、導電性ペ
ーストをキュアした。さらに、幅5mmの接着剤付き銅
箔のバスバー109を接着し、図6に示す30cm角の
シングルセルを作製した。
【0057】次に、これら試料のエンカプシュレーショ
ンを以下のように行った。基板101の上下にEVAを
積層しさらにその上下にフッ素樹脂フィルムETFE
(エチレンテトラフルオロエチレン)(デュポン製テフ
ゼル)を積層した後、真空ラミネーターに投入して15
0℃で60分間保持し、真空ラミネーションを行った。
これらの試料をNo.1−2〜No.1−11とした。
ンを以下のように行った。基板101の上下にEVAを
積層しさらにその上下にフッ素樹脂フィルムETFE
(エチレンテトラフルオロエチレン)(デュポン製テフ
ゼル)を積層した後、真空ラミネーターに投入して15
0℃で60分間保持し、真空ラミネーションを行った。
これらの試料をNo.1−2〜No.1−11とした。
【0058】次に、比較のため、電着を行わない太陽電
池を以下のようにして作製した。
池を以下のようにして作製した。
【0059】まず、基板101上に上部電極106まで
を形成した。次に、上述と同様にしてグリッド電極10
7を印刷した。さらに接着剤付きの銅箔をバスバー10
8として積層し、図6に示す30cm角のシングルセル
を10枚作製した。
を形成した。次に、上述と同様にしてグリッド電極10
7を印刷した。さらに接着剤付きの銅箔をバスバー10
8として積層し、図6に示す30cm角のシングルセル
を10枚作製した。
【0060】次にこの試料のエンカプシュレーションを
上述と同様に行った。得られた試料をR.1−1から
R.1−10とした。
上述と同様に行った。得られた試料をR.1−1から
R.1−10とした。
【0061】以上の試料No.1−2からNo.1−1
1及び比較試料R.1−1からR.1−10の初期特性
を以下のようにして測定した。
1及び比較試料R.1−1からR.1−10の初期特性
を以下のようにして測定した。
【0062】まず、試料の暗状態での電圧電流特性を測
定し、原点付近の傾きからシャント抵抗を求めた。次
に、AM1.5グローバルの太陽光スペクトルで100
mW/cm2の光量の疑似太陽光源(以下シミュレータ
と呼ぶ)を用いて太陽電池特性を測定し、変換効率を求
めた。この結果を図13及び図14に示した。試料N
o.1−11からNo.1−20は比較試料R.1−1
からR.1−10に比べて平均値が高くばらつきも小さ
いことがわかる。
定し、原点付近の傾きからシャント抵抗を求めた。次
に、AM1.5グローバルの太陽光スペクトルで100
mW/cm2の光量の疑似太陽光源(以下シミュレータ
と呼ぶ)を用いて太陽電池特性を測定し、変換効率を求
めた。この結果を図13及び図14に示した。試料N
o.1−11からNo.1−20は比較試料R.1−1
からR.1−10に比べて平均値が高くばらつきも小さ
いことがわかる。
【0063】これらの試料の信頼性試験を、日本工業規
格C8917の結晶系太陽電池モジュールの環境試験方
法及び耐久試験方法に定められた温湿度サイクル試験A
−2に基づいて行った。
格C8917の結晶系太陽電池モジュールの環境試験方
法及び耐久試験方法に定められた温湿度サイクル試験A
−2に基づいて行った。
【0064】まず、試料を温湿度が制御できる恒温恒湿
器に投入し、−40℃から+85℃(相対湿度85%)
に変化させるサイクル試験を10回繰り返し行った。次
に、試験終了後の試料を初期と同様にシミュレータを用
い太陽電池特性を測定した。結果を図13及び図14に
示した。図に示されるように、本実施例の試料は初期変
換効率、シャント抵抗ともに比較試料より良好な特性で
あった。
器に投入し、−40℃から+85℃(相対湿度85%)
に変化させるサイクル試験を10回繰り返し行った。次
に、試験終了後の試料を初期と同様にシミュレータを用
い太陽電池特性を測定した。結果を図13及び図14に
示した。図に示されるように、本実施例の試料は初期変
換効率、シャント抵抗ともに比較試料より良好な特性で
あった。
【0065】本実施例の結果から本発明の太陽電池の欠
陥封止方法を用いて作製した太陽電池は歩留まりが良く
良好な特性で有り、信頼性も良いことがわかる。
陥封止方法を用いて作製した太陽電池は歩留まりが良く
良好な特性で有り、信頼性も良いことがわかる。
【0066】(実施例2)太陽電池の構成を図2のトル
プル型太陽電池とした以外はほぼ実施例1と同様の方法
で以下のようにして太陽電池を作製した。
プル型太陽電池とした以外はほぼ実施例1と同様の方法
で以下のようにして太陽電池を作製した。
【0067】まず、基板101上にテクスチャー構造の
AlSi層とシャント防止用の高抵抗透明導電性部材と
してのZnO層とからなる下部電極102を形成し、そ
の後、不図示のマイクロ波プラズマCVD成膜装置に入
れn層103、i層104、p層105の順で堆積を行
いボトム層を形成した。この時i層104はa−SiG
eとした。次にn層113、i層114、p層115の
順で堆積を行いミドル層を形成した。i層114はボト
ム層と同様にa−SiGeとした。次にn層123、i
層124、p層125の順で堆積を行いトップ層を形成
した。i層124はa−Siとした。次に実施例1と同
様に、反射防止効果を有する透明な上部電極106を7
00Å堆積した。上部電極106としてIn2O3(I
O)を用いた。
AlSi層とシャント防止用の高抵抗透明導電性部材と
してのZnO層とからなる下部電極102を形成し、そ
の後、不図示のマイクロ波プラズマCVD成膜装置に入
れn層103、i層104、p層105の順で堆積を行
いボトム層を形成した。この時i層104はa−SiG
eとした。次にn層113、i層114、p層115の
順で堆積を行いミドル層を形成した。i層114はボト
ム層と同様にa−SiGeとした。次にn層123、i
層124、p層125の順で堆積を行いトップ層を形成
した。i層124はa−Siとした。次に実施例1と同
様に、反射防止効果を有する透明な上部電極106を7
00Å堆積した。上部電極106としてIn2O3(I
O)を用いた。
【0068】次に、図7の電解槽201でフッ素系アニ
オン電着塗料202を用いて電着処理を施した。電着時
の電圧一時間の波形と電流・時間の曲線を図15に示
す。図に示すように本実施例では電圧を30秒間で10
Vまで上げその後0Vまで30秒間で下げた。その後電
着液を洗浄し、硬化を行った。グリッド電極107を印
刷し、さらにバスバー108を積層し、図6に示す30
cm角のトリプルセルを作製した。同様にして10枚の
試料を作製した。
オン電着塗料202を用いて電着処理を施した。電着時
の電圧一時間の波形と電流・時間の曲線を図15に示
す。図に示すように本実施例では電圧を30秒間で10
Vまで上げその後0Vまで30秒間で下げた。その後電
着液を洗浄し、硬化を行った。グリッド電極107を印
刷し、さらにバスバー108を積層し、図6に示す30
cm角のトリプルセルを作製した。同様にして10枚の
試料を作製した。
【0069】さらに、この試料のエンカプシュレーショ
ンを実施例1と同様に行った。得られた試料をNo.2
−1からNo.2−10とした。
ンを実施例1と同様に行った。得られた試料をNo.2
−1からNo.2−10とした。
【0070】比較のため電着を行わない以外は上述した
方法と同様にして作製し、得られた試料を比較試料R.
2−1からR.2−10とした。
方法と同様にして作製し、得られた試料を比較試料R.
2−1からR.2−10とした。
【0071】試料No.2−1からNo.2−10の初
期特性を比較試料R.2−1からR.2−10と比較し
て図16及び図17に示した。
期特性を比較試料R.2−1からR.2−10と比較し
て図16及び図17に示した。
【0072】次にこの試料の信頼性試験を実施例1と同
様に行い結果を図16及び図17に示した。
様に行い結果を図16及び図17に示した。
【0073】図から明らかなように、本発明の欠陥封止
方法を用いることで初期特性が良好で信頼性の高い太陽
電池が製造できることが示された。
方法を用いることで初期特性が良好で信頼性の高い太陽
電池が製造できることが示された。
【0074】(実施例3)電着塗料をカチオン電着塗料
とした以外はほぼ実施例1と同様の方法で図1の太陽電
池を以下のようにして作製した。まず、不図示の成膜装
置を用いて上部電極106までを形成した。
とした以外はほぼ実施例1と同様の方法で図1の太陽電
池を以下のようにして作製した。まず、不図示の成膜装
置を用いて上部電極106までを形成した。
【0075】次に、図7の電解槽201でエポキシ系カ
チオン電着塗料202を用いて電着処理を施した。電着
時の電圧−時間の波形と電流−時間の曲線を図18に示
した。図に示すように電圧の掃引方法は台形型とした。
電着終了後洗浄し、硬化を行った。グリッド電極107
を印刷し、さらにバスバー108を積層し、図6に示す
30cm角のトリプルセルを作製した。同様にして10
枚の試料を作製した。
チオン電着塗料202を用いて電着処理を施した。電着
時の電圧−時間の波形と電流−時間の曲線を図18に示
した。図に示すように電圧の掃引方法は台形型とした。
電着終了後洗浄し、硬化を行った。グリッド電極107
を印刷し、さらにバスバー108を積層し、図6に示す
30cm角のトリプルセルを作製した。同様にして10
枚の試料を作製した。
【0076】さらに、この試料のエンカプシュレーショ
ンを実施例1と同様に行った。得られた試料をNo.3
−1からNo.3−10とした。
ンを実施例1と同様に行った。得られた試料をNo.3
−1からNo.3−10とした。
【0077】比較のため電着を行なわない試料を実施例
1と同様に作製して得られた試料を比較試料R.3−1
からR.3−10とした。
1と同様に作製して得られた試料を比較試料R.3−1
からR.3−10とした。
【0078】試料No.3−1からNo.3−10の初
期特性を比較試料R.3−1からR.3−10と比較し
て図19及び図20に示した。
期特性を比較試料R.3−1からR.3−10と比較し
て図19及び図20に示した。
【0079】次にこの試料の信頼性試験を実施例1と同
様にして結果を図19及び図20に示した。図に示すよ
うに本発明の欠陥封止方法で初期特性が良好で信頼性の
高い太陽電池が製造できることが示された。
様にして結果を図19及び図20に示した。図に示すよ
うに本発明の欠陥封止方法で初期特性が良好で信頼性の
高い太陽電池が製造できることが示された。
【0080】(実施例4)次に電着をp層105の形成
後に行う以外は実施例1とほぼ同様にして図1の構成の
太陽電池100を以下のようにして作製した。
後に行う以外は実施例1とほぼ同様にして図1の構成の
太陽電池100を以下のようにして作製した。
【0081】実施例1と同様にSUS430BA製基板
101上に下部電極102を形成し、不図示のRFプラ
ズマCVD成膜装置でn層103、i層104、p層1
05の順で堆積を行った。
101上に下部電極102を形成し、不図示のRFプラ
ズマCVD成膜装置でn層103、i層104、p層1
05の順で堆積を行った。
【0082】次に、実施例1と同様に前記記基板101
の裏面側をプラスチック製の絶縁性フィルムで覆い、図
7の電解槽201に浸漬した。スチレン系アニオン電着
塗料202を用いて電着処理を施した。この時の電圧−
時間の波形と電流−時間の曲線を図21に示した。本発
明では電圧は三角波とした。その後、実施例1と同様
に、反射防止効果を兼ねた機能を有する透明な上部電極
106、グリッド電極107とバスバー108を積層
し、図6に示す30cm角のシングルセルを作製した。
同様にして10枚の試料を作製した。
の裏面側をプラスチック製の絶縁性フィルムで覆い、図
7の電解槽201に浸漬した。スチレン系アニオン電着
塗料202を用いて電着処理を施した。この時の電圧−
時間の波形と電流−時間の曲線を図21に示した。本発
明では電圧は三角波とした。その後、実施例1と同様
に、反射防止効果を兼ねた機能を有する透明な上部電極
106、グリッド電極107とバスバー108を積層
し、図6に示す30cm角のシングルセルを作製した。
同様にして10枚の試料を作製した。
【0083】さらに、この試料のエンカプシュレーショ
ンを実施例1と同様に行った。得られた試料をNo.4
−1からNo.4−10とした。
ンを実施例1と同様に行った。得られた試料をNo.4
−1からNo.4−10とした。
【0084】比較のため電着を行なわない試料を上述と
同様に作製して得られた試料を比較試料R.4−1から
R.4−10とした。
同様に作製して得られた試料を比較試料R.4−1から
R.4−10とした。
【0085】得られた試料の初期特性とシャント抵抗を
図22、図23に示した。
図22、図23に示した。
【0086】次にこの試料の耐久特性を実施例1と同様
に評価し結果を図22、図23に示した。
に評価し結果を図22、図23に示した。
【0087】本実施例の結果から本発明の太陽電池の欠
陥封止方法を用いて作製した本発明の太陽電池は歩留ま
りが良く良好な特性で有り、耐久性も良いことがわか
る。
陥封止方法を用いて作製した本発明の太陽電池は歩留ま
りが良く良好な特性で有り、耐久性も良いことがわか
る。
【0088】
【発明の効果】太陽電池を電着塗料中に浸潰し、電流の
増加速度が10mA/cm2/秒以下となるように電圧
を掃引して印加することにより、欠陥部分に選択的に電
着樹脂を堆積し、欠陥部分の絶縁化を行うことが可能と
なる。
増加速度が10mA/cm2/秒以下となるように電圧
を掃引して印加することにより、欠陥部分に選択的に電
着樹脂を堆積し、欠陥部分の絶縁化を行うことが可能と
なる。
【0089】即ち、本発明の太陽電池の欠陥封止方法に
より、管理の容易な欠陥封止が可能となり、歩留まりが
良く信頼性が高い太陽電池を提供することが可能とな
る。
より、管理の容易な欠陥封止が可能となり、歩留まりが
良く信頼性が高い太陽電池を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の太陽電池の構成を示す模式図である。
【図3】本発明の太陽電池の構成を示す模式図である。
【図4】本発明の太陽電池の構成を示す模式図である。
【図5】本発明の太陽電池の構成を示す模式図である。
【図6】本発明の太陽電池の構成を示す模式図である。
【図7】枚葉式電着装置を示す模式図である。
【図8】ロールツーロール式電着装置を示す模式図であ
る。
る。
【図9】電着時の電圧−時間、電流−時間曲線を示す図
である。
である。
【図10】本発明の欠陥封止法で作製した太陽電池のブ
レークダウン電圧の分布を示すグラフである。
レークダウン電圧の分布を示すグラフである。
【図11】従来例の電着時の電圧−時間、電流−時間曲
線を示すグラフである。
線を示すグラフである。
【図12】従来例の欠陥封止法により作製した太陽電池
のブレークダウン電圧の分布を示すグラフである。
のブレークダウン電圧の分布を示すグラフである。
【図13】初期及び信頼性試験後の変換効率を示す図で
ある。
ある。
【図14】初期及び信頼性試験後のシャント抵抗を示す
図である
図である
【図15】電着時の電圧−時間、電流−時間曲線を示す
図である。
図である。
【図16】初期及び信頼性試験後の変換効率を示す図で
ある。
ある。
【図17】初期及び信頼性試験後のシャント抵抗を示す
図である
図である
【図18】電着時の電圧−時間、電流−時間曲線を示す
図である。
図である。
【図19】初期及び信頼性試験後の変換効率を示す図で
ある。
ある。
【図20】初期及び信頼性試験後のシャント抵抗を示す
図である
図である
【図21】電着時の電圧−時間、電流−時間曲線を示す
図である。
図である。
【図22】初期及び信頼性試験後の変換効率を示す図で
ある。
ある。
【図23】初期及び信頼性試験後のシャント抵抗を示す
図である
図である
100 太陽電池本体 101 基板 102 下部電極 103、113、123 n層 104、114、124 i層 105、115、125 p層 106 上部電極 107 グリッド電極 108 バスバー 109 欠陥部分 110 電着膜 201 電解槽 202 電解液 203 対向電極 204 基板 205 半導体層 206 電源 207 導線 301 基板送り出しローラー 302 基板巻き取りローラー 303 電解槽 304 洗浄槽 305 乾燥炉 306 電源 307 マスクフィルム送り出しローラー 308 マスクフィルム巻き取りローラー 309 マスクフイルム 310 基板 311 対向電極 312 導電性ローラー。
フロントページの続き (72)発明者 森 隆弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 川上 総一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 太陽電池の欠陥部分に選択的に電着樹脂
を堆積し、欠陥部分を絶縁化する太陽電池の欠陥封止方
法であって、前記電着樹脂を電流の増加速度が10mA
/cm2/秒以下となるように電圧を掃引して電着堆積
することを特徴とする太陽電池の欠陥封止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4296118A JPH06151908A (ja) | 1992-11-05 | 1992-11-05 | 太陽電池の欠陥封止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4296118A JPH06151908A (ja) | 1992-11-05 | 1992-11-05 | 太陽電池の欠陥封止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06151908A true JPH06151908A (ja) | 1994-05-31 |
Family
ID=17829372
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4296118A Pending JPH06151908A (ja) | 1992-11-05 | 1992-11-05 | 太陽電池の欠陥封止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06151908A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018050047A (ja) * | 2013-05-24 | 2018-03-29 | ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company | 反転型のウェハに結合されたソーラーセルにおけるシャント処理 |
JP2018198307A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-12-13 | ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company | 太陽電池装置の不整合を処理する方法と、これによって形成される装置 |
-
1992
- 1992-11-05 JP JP4296118A patent/JPH06151908A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018050047A (ja) * | 2013-05-24 | 2018-03-29 | ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company | 反転型のウェハに結合されたソーラーセルにおけるシャント処理 |
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US11742442B2 (en) | 2017-03-31 | 2023-08-29 | The Boeing Company | Method of processing inconsistencies in solar cell devices and devices formed thereby |
US12119418B2 (en) | 2017-03-31 | 2024-10-15 | The Boeing Company | Method of processing inconsistencies in solar cell devices and devices formed thereby |
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