JPH0578859A - 表面改質された金属部材及びその製造方法 - Google Patents
表面改質された金属部材及びその製造方法Info
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- JPH0578859A JPH0578859A JP24316191A JP24316191A JPH0578859A JP H0578859 A JPH0578859 A JP H0578859A JP 24316191 A JP24316191 A JP 24316191A JP 24316191 A JP24316191 A JP 24316191A JP H0578859 A JPH0578859 A JP H0578859A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 表面が、高い硬さを有し、耐摩耗性が優れ、
且つ疲労強度に富む性状に改質された金属部材を得る。 【構成】 金属部材を焼き入れ処理した後、硬質メッキ
処理を施し、次いでベーキング処理と同時に焼き戻し処
理を行う。必要に応じてショットピーニング処理を付加
する。このような工程にすることにより母材の強度を低
下させることなく、硬さが高く密着性の良好な硬質メッ
キ層が得られて耐摩耗性が向上し、且つ油潤滑性が改善
されるのであって、アルミニウム合金製ピストンにNi
−Pメッキが施される場合等に一層有効である。
且つ疲労強度に富む性状に改質された金属部材を得る。 【構成】 金属部材を焼き入れ処理した後、硬質メッキ
処理を施し、次いでベーキング処理と同時に焼き戻し処
理を行う。必要に応じてショットピーニング処理を付加
する。このような工程にすることにより母材の強度を低
下させることなく、硬さが高く密着性の良好な硬質メッ
キ層が得られて耐摩耗性が向上し、且つ油潤滑性が改善
されるのであって、アルミニウム合金製ピストンにNi
−Pメッキが施される場合等に一層有効である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面部の硬さ及び耐摩
耗性等の機械特性が改善された金属部材の製造方法及び
その製造方法により得られる金属部材に関する。
耗性等の機械特性が改善された金属部材の製造方法及び
その製造方法により得られる金属部材に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、例えば自動車は小型軽量化及び高
出力化が図られ、それに伴って各部品の強度信頼性及び
耐久性等の品質向上が重要となってきている。
出力化が図られ、それに伴って各部品の強度信頼性及び
耐久性等の品質向上が重要となってきている。
【0003】特に、金属部材例えばアルミニウム合金が
ピストン等のエンジンの摺動部材として用いられる場合
には、その硬さ及び耐摩耗性を高めることにより、強度
信頼性を向上させることが重要なポイントとなる。
ピストン等のエンジンの摺動部材として用いられる場合
には、その硬さ及び耐摩耗性を高めることにより、強度
信頼性を向上させることが重要なポイントとなる。
【0004】金属部材の耐摩耗性を向上させるには、基
本的に、熱処理による母材強化、メッキ等の表面処理に
よる硬化及びショットピーニング等の冷間加工が単独に
または適宜組合せて施工されている。
本的に、熱処理による母材強化、メッキ等の表面処理に
よる硬化及びショットピーニング等の冷間加工が単独に
または適宜組合せて施工されている。
【0005】それでも、金属部材が摺動部材として用い
られる場合、例えばエンジンの高回転時等の温度、摩耗
速度等の厳しい条件下ではオイル切れが生じ易く、金属
どうしの直接接触となった場合には大きな摩耗の発生が
避けられない。
られる場合、例えばエンジンの高回転時等の温度、摩耗
速度等の厳しい条件下ではオイル切れが生じ易く、金属
どうしの直接接触となった場合には大きな摩耗の発生が
避けられない。
【0006】また、表面がメッキ処理される場合には、
メッキ時に発生しメッキ層内に吸蔵される水素ガスを除
去するためのベーキング処理が行われる。
メッキ時に発生しメッキ層内に吸蔵される水素ガスを除
去するためのベーキング処理が行われる。
【0007】したがって、アルミニウム合金を始めとす
る鋳造等により得られる金属部材の表面改質法として、
従来、広く用いられている手段は次のような順序で各処
理を行うものである。
る鋳造等により得られる金属部材の表面改質法として、
従来、広く用いられている手段は次のような順序で各処
理を行うものである。
【0008】a.焼き入れ処理:アルミニウム合金の場
合は470〜550℃の範囲が採用されている。
合は470〜550℃の範囲が採用されている。
【0009】b.焼き戻し処理:アルミニウム合金の場
合は、160〜220℃の範囲が採用されている。
合は、160〜220℃の範囲が採用されている。
【0010】c.硬質メッキ処理:Ni−P又はCrメ
ッキ等が行われる。
ッキ等が行われる。
【0011】d.ベーキング処理:アルミニウム合金の
場合は、通常250℃で行われる。また、特開平1−2
08415号公報は、アルミニウム合金鋳物の表面部を
再溶融し、チル化させた後、ショットピーニングするこ
とにより表面部の硬化を図る技術が記載されている。
場合は、通常250℃で行われる。また、特開平1−2
08415号公報は、アルミニウム合金鋳物の表面部を
再溶融し、チル化させた後、ショットピーニングするこ
とにより表面部の硬化を図る技術が記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような、金属部材に焼き入れ、焼き戻し、硬質メッキ
及びベーキングの各処理を順次行う方法では、次のよう
な問題点がある。
たような、金属部材に焼き入れ、焼き戻し、硬質メッキ
及びベーキングの各処理を順次行う方法では、次のよう
な問題点がある。
【0013】 焼き戻し処理の際に、金属部材の表面
が酸化されることにより粗面化又は酸化皮膜の生成等の
表面悪化が生じ、その後に行われる硬質メッキ処理にお
いてメッキの付着性が悪くなる。メッキの付着性を良く
しようとすれば、酸化された表面を浄化する処理が必要
になる。
が酸化されることにより粗面化又は酸化皮膜の生成等の
表面悪化が生じ、その後に行われる硬質メッキ処理にお
いてメッキの付着性が悪くなる。メッキの付着性を良く
しようとすれば、酸化された表面を浄化する処理が必要
になる。
【0014】 硬質メッキ処理をクロームメッキ等の
単一種メッキにて行う場合は、単層状に結晶が成長する
ことにより、メッキ層にヘアークラックが入り易い。
単一種メッキにて行う場合は、単層状に結晶が成長する
ことにより、メッキ層にヘアークラックが入り易い。
【0015】 ベーキング処理によるメッキ特性の向
上が得られる反面、ベーキング処理を従来の温度にて行
うと金属部材の母材の強度を急激に低下させる。
上が得られる反面、ベーキング処理を従来の温度にて行
うと金属部材の母材の強度を急激に低下させる。
【0016】また、特開平1−208415号公報に記
載される技術は、チル化の前提となるアルミニウム合金
鋳物の表面部の再溶融に際して、アルミニウム自体の熱
伝導性が良いことにより局部溶融の制御が困難となる。
従って、チル化層の均斉化が得難く、使用時の熱による
形状歪を生じ易いという問題点がある。
載される技術は、チル化の前提となるアルミニウム合金
鋳物の表面部の再溶融に際して、アルミニウム自体の熱
伝導性が良いことにより局部溶融の制御が困難となる。
従って、チル化層の均斉化が得難く、使用時の熱による
形状歪を生じ易いという問題点がある。
【0017】上記に鑑みて、本発明は、メッキ処理及び
ベーキング処理が行われる段階を特定することによりメ
ッキの特性を向上させ、さらにショットピーニングが行
われる場合には特性が向上したメッキとショットピーニ
ング処理との共働により、金属部材の耐摩耗性及び疲労
強度を大巾に改善することを目的とするものである。
ベーキング処理が行われる段階を特定することによりメ
ッキの特性を向上させ、さらにショットピーニングが行
われる場合には特性が向上したメッキとショットピーニ
ング処理との共働により、金属部材の耐摩耗性及び疲労
強度を大巾に改善することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】前述したような目的を達
成するため、請求項1及び4の発明は、表面処理される
金属部材の表面状態が良い焼き入れ処理後に硬質メッキ
処理を施し、金属部材の母材の強度を低下させない温度
域において焼き戻し処理とベーキング処理とを同時に行
い、さらに必要に応じてショットピーニングを施すこと
により表面改質された金属部材、なかでもアルミニウム
合金製部材を得ようとするものである。
成するため、請求項1及び4の発明は、表面処理される
金属部材の表面状態が良い焼き入れ処理後に硬質メッキ
処理を施し、金属部材の母材の強度を低下させない温度
域において焼き戻し処理とベーキング処理とを同時に行
い、さらに必要に応じてショットピーニングを施すこと
により表面改質された金属部材、なかでもアルミニウム
合金製部材を得ようとするものである。
【0019】具体的に請求項1の発明が講じた解決手段
は、金属部材を焼き入れ処理した後、硬質メッキ処理を
施し、次いでベーキング処理と同時に焼き戻し処理を行
う構成となっている。
は、金属部材を焼き入れ処理した後、硬質メッキ処理を
施し、次いでベーキング処理と同時に焼き戻し処理を行
う構成となっている。
【0020】また、請求項2の発明は、硬質メッキ処理
を良好とするためのものであって、具体的には、請求項
1の発明に、硬質メッキ処理は、Ni−Pメッキであり
且つベーキング処理と同時に焼き戻し処理が行われる温
度域において合金相が析出、硬化するメッキ処理である
構成を付加するものである。
を良好とするためのものであって、具体的には、請求項
1の発明に、硬質メッキ処理は、Ni−Pメッキであり
且つベーキング処理と同時に焼き戻し処理が行われる温
度域において合金相が析出、硬化するメッキ処理である
構成を付加するものである。
【0021】また、請求項3の発明は、硬質メッキ処理
された金属部材の強度をさらに向上させようとするもの
であって、具体的には請求項1又は2の構成に、焼き入
れ処理と、硬質メッキ処理と、同時に行われるベーキン
グ処理及び焼き戻し処理とが施された金属部材に対し、
ショットピーニング処理を施す構成を付加するものであ
る。
された金属部材の強度をさらに向上させようとするもの
であって、具体的には請求項1又は2の構成に、焼き入
れ処理と、硬質メッキ処理と、同時に行われるベーキン
グ処理及び焼き戻し処理とが施された金属部材に対し、
ショットピーニング処理を施す構成を付加するものであ
る。
【0022】また、請求項4の発明は、具体的には、ピ
ストンリング溝を有するアルミニウム合金製ピストンリ
ングよりなり、少なくともピストンリング溝部分を含む
表面部が、焼き入れ処理された後、硬質メッキ処理が施
され、次いでベーキング処理と同時に焼き戻し処理が行
われ、さらにショットピーニング処理が加えられたもの
である構成となっている。
ストンリング溝を有するアルミニウム合金製ピストンリ
ングよりなり、少なくともピストンリング溝部分を含む
表面部が、焼き入れ処理された後、硬質メッキ処理が施
され、次いでベーキング処理と同時に焼き戻し処理が行
われ、さらにショットピーニング処理が加えられたもの
である構成となっている。
【0023】
【作用】請求項1の発明の構成により、金属部材への硬
質メッキ処理が焼き入れ処理後に行われる。焼き入れ処
理が、加熱後、直ちに水又は油中で冷却されることによ
り、金属部材の表面酸化が生ずることがなく、焼き入れ
後に行われる硬質メッキ処理におけるメッキ層の付着性
が良好となる。
質メッキ処理が焼き入れ処理後に行われる。焼き入れ処
理が、加熱後、直ちに水又は油中で冷却されることによ
り、金属部材の表面酸化が生ずることがなく、焼き入れ
後に行われる硬質メッキ処理におけるメッキ層の付着性
が良好となる。
【0024】しかる後、焼き戻し処理が行われるに際し
て金属部材が所定の温度域におかれることにより、前記
硬質メッキ層に対するベーキング処理も同時に行われる
ことになり、金属部材の焼き戻しと硬質メッキ層の脱水
素及び硬化とを一段階の処理中に併せて行うことが可能
となる。
て金属部材が所定の温度域におかれることにより、前記
硬質メッキ層に対するベーキング処理も同時に行われる
ことになり、金属部材の焼き戻しと硬質メッキ層の脱水
素及び硬化とを一段階の処理中に併せて行うことが可能
となる。
【0025】また、前述したようなベーキング処理と同
時に焼き戻し処理を行うことは、焼き戻しに要する時間
との関連によりベーキング処理を、従来の独立して行わ
れるベーキング処理に比べて低温域にて行えることとな
り、金属部材の母材の強度を低下させることがない。
時に焼き戻し処理を行うことは、焼き戻しに要する時間
との関連によりベーキング処理を、従来の独立して行わ
れるベーキング処理に比べて低温域にて行えることとな
り、金属部材の母材の強度を低下させることがない。
【0026】また、請求項2の発明の構成により、硬質
メッキ処理をNi−pメッキとするので、金属部材表面
に形成されるメッキ層は先ずNiとPとの分散メッキと
なる。次いで、焼き戻し処理と同時に行われるベーキン
グ処理において加熱され、NiとPとは合金化し合金相
が析出することにより著しく硬化し、しかも、例えばク
ロームメッキのような単層状に単一金属結晶が成長する
場合と異なり、クラック発生がない。
メッキ処理をNi−pメッキとするので、金属部材表面
に形成されるメッキ層は先ずNiとPとの分散メッキと
なる。次いで、焼き戻し処理と同時に行われるベーキン
グ処理において加熱され、NiとPとは合金化し合金相
が析出することにより著しく硬化し、しかも、例えばク
ロームメッキのような単層状に単一金属結晶が成長する
場合と異なり、クラック発生がない。
【0027】また、請求項3の発明の構成により、ベー
キング処理と同時に焼き戻し処理が行われた金属部材に
ショットピーニング処理を施すので、金属部材の表面部
及び金属部材面に形成される硬質メッキ層に残留応力が
生成し、疲労強度が増強して耐摩耗性が向上する。
キング処理と同時に焼き戻し処理が行われた金属部材に
ショットピーニング処理を施すので、金属部材の表面部
及び金属部材面に形成される硬質メッキ層に残留応力が
生成し、疲労強度が増強して耐摩耗性が向上する。
【0028】この段階において施されるショットピーニ
ング処理は、前記耐摩耗性の向上のほかに、金属部材に
対する硬質メッキ層の密着性を強化させ、且つ硬質メッ
キ層表面から母材表面部にわたって微細な凹部を形成さ
せる。
ング処理は、前記耐摩耗性の向上のほかに、金属部材に
対する硬質メッキ層の密着性を強化させ、且つ硬質メッ
キ層表面から母材表面部にわたって微細な凹部を形成さ
せる。
【0029】また、請求項4の発明の構成により、金属
部材としてアルミニウム合金製部材が用いられ、且つ少
なくともピストンリング溝部分を含むピストンが前述し
たような製造方法により得られる場合には、このアルミ
ニウム合金製ピストンのピストンリング溝部分を含む表
面部は、金属部材の母材強度の低下が抑止された状態で
強固な硬質メッキ層が形成され、さらに残留応力が生成
していることにより、硬さが向上し優れた耐摩耗性を有
するものとなる。
部材としてアルミニウム合金製部材が用いられ、且つ少
なくともピストンリング溝部分を含むピストンが前述し
たような製造方法により得られる場合には、このアルミ
ニウム合金製ピストンのピストンリング溝部分を含む表
面部は、金属部材の母材強度の低下が抑止された状態で
強固な硬質メッキ層が形成され、さらに残留応力が生成
していることにより、硬さが向上し優れた耐摩耗性を有
するものとなる。
【0030】特に、ショットピーニング処理によりアル
ミニウム合金製ピストンの表面部に形成される微細な凹
部は、ピストンが油潤滑のもとで使用される際の微少オ
イル溜りとなり、オイル切れの防止に貢献する。
ミニウム合金製ピストンの表面部に形成される微細な凹
部は、ピストンが油潤滑のもとで使用される際の微少オ
イル溜りとなり、オイル切れの防止に貢献する。
【0031】
【実施例】本発明に至る前段階として本発明者が得た金
属部材、特にアルミニウム合金部材の表面改質時のベー
キング処理及び焼き戻し処理の温度又は時間と、アルミ
ニウム合金部材の母材の強度又は形成される硬質メッキ
層の硬さとの関係、並びに硬質メッキ層とショットピー
ニング処理との関係について説明する。
属部材、特にアルミニウム合金部材の表面改質時のベー
キング処理及び焼き戻し処理の温度又は時間と、アルミ
ニウム合金部材の母材の強度又は形成される硬質メッキ
層の硬さとの関係、並びに硬質メッキ層とショットピー
ニング処理との関係について説明する。
【0032】先ず、処理が行われる場合の温度と硬質メ
ッキ処理で得られるメッキ層の硬さ又は金属部材の母材
の強度(引張強さ)との関係につき実験し、その結果を
示したのが図1である。金属部材としてアルミニウム合
金(AC4C)が用いられ、硬質メッキ処理はNi−P
メッキである。
ッキ処理で得られるメッキ層の硬さ又は金属部材の母材
の強度(引張強さ)との関係につき実験し、その結果を
示したのが図1である。金属部材としてアルミニウム合
金(AC4C)が用いられ、硬質メッキ処理はNi−P
メッキである。
【0033】図1に示されるグラフによれば、アルミニ
ウム合金製部材の母材の強さは破線で示されるように温
度(焼き戻し温度)100℃付近から160℃付近まで
の間では強度が増大し、160〜220℃の間ではほぼ
強度が一定値を保持し、温度がそれより上昇すると強度
が急激に低下する。
ウム合金製部材の母材の強さは破線で示されるように温
度(焼き戻し温度)100℃付近から160℃付近まで
の間では強度が増大し、160〜220℃の間ではほぼ
強度が一定値を保持し、温度がそれより上昇すると強度
が急激に低下する。
【0034】また、Ni−Pメッキによる硬質メッキ層
は、実線で示されるように温度(ベーキング温度)10
0℃付近では硬さが低く、NiとPとの分散メッキの状
態であることを示している。ベーキング温度の上昇と共
に硬質メッキ層の硬さは向上し、220℃付近において
硬さはほぼピークに達し、この間にNiとPとの合金相
が析出し著しく硬化していることがわかる。
は、実線で示されるように温度(ベーキング温度)10
0℃付近では硬さが低く、NiとPとの分散メッキの状
態であることを示している。ベーキング温度の上昇と共
に硬質メッキ層の硬さは向上し、220℃付近において
硬さはほぼピークに達し、この間にNiとPとの合金相
が析出し著しく硬化していることがわかる。
【0035】従って、処理温度が160〜220℃の範
囲ではベーキング処理と同時に焼き戻し処理を行うこと
ができる。
囲ではベーキング処理と同時に焼き戻し処理を行うこと
ができる。
【0036】また、ベーキング処理が行われる場合の処
理時間と硬質メッキ層の関係につき実験し、その結果を
示したのが図2である。前述したように、硬質メッキ処
理はNi−Pメッキである。ベーキング処理温度は17
0℃である。
理時間と硬質メッキ層の関係につき実験し、その結果を
示したのが図2である。前述したように、硬質メッキ処
理はNi−Pメッキである。ベーキング処理温度は17
0℃である。
【0037】図2に示されるグラフによれば、処理時間
の増加と共に硬質メッキ層の硬さは向上し、6時間の処
理により硬さはほぼピークに達しており、この間にNi
とPとの合金相が析出し著しく硬化していることがわか
る。
の増加と共に硬質メッキ層の硬さは向上し、6時間の処
理により硬さはほぼピークに達しており、この間にNi
とPとの合金相が析出し著しく硬化していることがわか
る。
【0038】また、焼き戻し処理及びベーキング処理が
同時に行われた後に、硬質メッキ層にショットピーニン
グ処理を施すことを想定しショットピーニングの条件と
発生圧縮応力との関係につき実験し、その結果を示した
のが図3である。
同時に行われた後に、硬質メッキ層にショットピーニン
グ処理を施すことを想定しショットピーニングの条件と
発生圧縮応力との関係につき実験し、その結果を示した
のが図3である。
【0039】図3に示されるグラフによれば、ショット
ピーニング処理のアークハイト量0.05mm程度から圧
縮応力が発生し、アークハイト量の増加と共に発生圧縮
応力は増すが、アークハイト量が0.5mm程度からほぼ
一定となっている。従って、アークハイト量が0.05
〜0.5mmの範囲内でショットピーニング処理が行われ
ることが好ましいことがわかる。
ピーニング処理のアークハイト量0.05mm程度から圧
縮応力が発生し、アークハイト量の増加と共に発生圧縮
応力は増すが、アークハイト量が0.5mm程度からほぼ
一定となっている。従って、アークハイト量が0.05
〜0.5mmの範囲内でショットピーニング処理が行われ
ることが好ましいことがわかる。
【0040】また、焼き戻し処理及びベーキング処理が
同時に行われた後に施されるショットピーニング処理に
際し、硬質メッキ層のメッキ厚さと発生圧縮応力との関
係につき実験し、その結果を示したのが図4である。こ
の図4に示される場合のショットピーニングの条件はア
ークハイト量0.5mmである。
同時に行われた後に施されるショットピーニング処理に
際し、硬質メッキ層のメッキ厚さと発生圧縮応力との関
係につき実験し、その結果を示したのが図4である。こ
の図4に示される場合のショットピーニングの条件はア
ークハイト量0.5mmである。
【0041】図4に示されるグラフによれば、ショット
ピーニング処理が施される場合のメッキ厚さは、5μm
以下では充分な圧縮応力が発生せず、一方、20μmを
超すと焼き戻し処理時にクラックが発生し、剥離を生ず
る場合も認められた。
ピーニング処理が施される場合のメッキ厚さは、5μm
以下では充分な圧縮応力が発生せず、一方、20μmを
超すと焼き戻し処理時にクラックが発生し、剥離を生ず
る場合も認められた。
【0042】従って、硬質メッキ層中の好ましい発生圧
縮応力に対応するメッキ厚さは約7.5〜20μmの範
囲である。
縮応力に対応するメッキ厚さは約7.5〜20μmの範
囲である。
【0043】尚、ショットピーニング処理が施されない
硬質メッキ層のメッキ厚さの限度は10〜15μmとな
っており、この厚さ以上になると、高回転、高磨耗速度
条件下の使用中に硬質メッキ層が剥離する例が認められ
ている。
硬質メッキ層のメッキ厚さの限度は10〜15μmとな
っており、この厚さ以上になると、高回転、高磨耗速度
条件下の使用中に硬質メッキ層が剥離する例が認められ
ている。
【0044】従って、このショットピーニング処理は、
硬質メッキ層中に圧縮応力を発生させて疲労強度を高め
ると共に硬質メッキ層のアルミニウム合金母材への密着
力を向上させており、硬質メッキ層の実用に耐える厚さ
を増大させ得ることに貢献していることがわかる。
硬質メッキ層中に圧縮応力を発生させて疲労強度を高め
ると共に硬質メッキ層のアルミニウム合金母材への密着
力を向上させており、硬質メッキ層の実用に耐える厚さ
を増大させ得ることに貢献していることがわかる。
【0045】次に、前述したような実験結果に基づいて
成された本発明の実施例につき説明する。
成された本発明の実施例につき説明する。
【0046】−実施例1− 金属部材としてアルミニウム合金鋳造材を用いエンジン
用のピストンを鋳造する。このアルミニウム合金製ピス
トンは少なくともピストンリング溝部分を含む表面部を
有しており、この表面部を以下の工程により改質する。
用のピストンを鋳造する。このアルミニウム合金製ピス
トンは少なくともピストンリング溝部分を含む表面部を
有しており、この表面部を以下の工程により改質する。
【0047】得られるアルミニウム合金製ピストンの母
材を強化するために、470〜550℃の温度に保ち、
水浴中で急冷することにより焼き入れ処理を行う。この
焼き入れ処理による母材強化を経た上記ピストンのピス
トンリング溝部分はHv:120〜145の硬度であ
る。
材を強化するために、470〜550℃の温度に保ち、
水浴中で急冷することにより焼き入れ処理を行う。この
焼き入れ処理による母材強化を経た上記ピストンのピス
トンリング溝部分はHv:120〜145の硬度であ
る。
【0048】焼き入れ処理に続いて、このアルミニウム
合金製ピストン表面硬化のためNi−Pメッキによる硬
質メッキ処理を行う。
合金製ピストン表面硬化のためNi−Pメッキによる硬
質メッキ処理を行う。
【0049】次に、硬質メッキ処理が行われるアルミニ
ウム合金製ピストンを160〜220℃の範囲、好まし
くは170℃の温度に約6時間保持し、この間に、ベー
キング処理と同時に焼き戻し処理をする。
ウム合金製ピストンを160〜220℃の範囲、好まし
くは170℃の温度に約6時間保持し、この間に、ベー
キング処理と同時に焼き戻し処理をする。
【0050】Ni−Pメッキによる硬質メッキ処理及び
170℃の温度に約6時間保持することによりベーキン
グ処理と同時に焼き戻し処理が行われるアルミニウム合
金製ピストンは、測定の結果そのピストンリング溝部分
において焼き入れ処理直後の硬度がHv:120〜14
5であったものが、硬質メッキ処理及び焼き戻し処理に
より著しく向上している。
170℃の温度に約6時間保持することによりベーキン
グ処理と同時に焼き戻し処理が行われるアルミニウム合
金製ピストンは、測定の結果そのピストンリング溝部分
において焼き入れ処理直後の硬度がHv:120〜14
5であったものが、硬質メッキ処理及び焼き戻し処理に
より著しく向上している。
【0051】−比較例1− 実施例1と同様に金属部材としてアルミニウム合金鋳造
材を用いてエンジン用ピストンを鋳造する。次いで、こ
の鋳造品を470〜550℃の温度で焼き入れ処理し、
さらに160〜220℃の温度で焼き戻し処理を行い、
アルミニウム合金製ピストンを得る。
材を用いてエンジン用ピストンを鋳造する。次いで、こ
の鋳造品を470〜550℃の温度で焼き入れ処理し、
さらに160〜220℃の温度で焼き戻し処理を行い、
アルミニウム合金製ピストンを得る。
【0052】−比較例2− 比較例1と同様に金属部材としてアルミニウム合金部材
よりなるアルミニウム合金製ピストンを鋳造し、同じく
焼き入れ処理及び焼き戻し処理の後、Ni−Pメッキに
よる硬質メッキ処理を行い、さらに250℃の温度でベ
ーキング処理を行ってアルミニウム合金製ピストンを得
る。
よりなるアルミニウム合金製ピストンを鋳造し、同じく
焼き入れ処理及び焼き戻し処理の後、Ni−Pメッキに
よる硬質メッキ処理を行い、さらに250℃の温度でベ
ーキング処理を行ってアルミニウム合金製ピストンを得
る。
【0053】比較例1及び比較例2は、概ね従来例に近
似する方法である。
似する方法である。
【0054】比較例1及び比較例2により得られる各ア
ルミニウム合金製ピストンのピストンリング溝部分の硬
度及び上記実施例1で得られるアルミニウム合金製ピス
トンのピストンリング溝部分の各硬度を図5に示す。
ルミニウム合金製ピストンのピストンリング溝部分の硬
度及び上記実施例1で得られるアルミニウム合金製ピス
トンのピストンリング溝部分の各硬度を図5に示す。
【0055】図5に示されるように、実施例1のアルミ
ニウム合金製ピストンはHv:650程度の硬度となる
のに対し、比較例1のものはHv:120程度、比較例
2のものはHv:450程度の硬度であり、本発明によ
る表面改質が効果的に行われていることが明らかであ
る。
ニウム合金製ピストンはHv:650程度の硬度となる
のに対し、比較例1のものはHv:120程度、比較例
2のものはHv:450程度の硬度であり、本発明によ
る表面改質が効果的に行われていることが明らかであ
る。
【0056】また、図6はアルミニウム合金製部材が油
潤滑条件下で高速摺動する時の、この部材のビッカース
硬度と摩耗量との関係を示すグラフである。
潤滑条件下で高速摺動する時の、この部材のビッカース
硬度と摩耗量との関係を示すグラフである。
【0057】図6に示されるグラフに当嵌めると、実施
例1の硬度Hv650のアルミニウム合金製ピストンの
ピストンリング部分の摩耗量は、比較例2の硬度Hv4
50のものの摩耗量の約1/3となり、実施例1のもの
は優れた耐摩耗性を有している。
例1の硬度Hv650のアルミニウム合金製ピストンの
ピストンリング部分の摩耗量は、比較例2の硬度Hv4
50のものの摩耗量の約1/3となり、実施例1のもの
は優れた耐摩耗性を有している。
【0058】−実施例2− 実施例1と同様の金属部材とし、実施例1と同様の焼き
入れ処理、硬質メッキ処理及び同時に行われるベーキン
グ処理と焼き戻し処理の段階を経てアルミニウム合金製
ピストンを形成し、さらにショットピーニング(アーク
ハイト量0.3mm)を施してこの実施例のアルミニウム
合金製ピストンを得る。
入れ処理、硬質メッキ処理及び同時に行われるベーキン
グ処理と焼き戻し処理の段階を経てアルミニウム合金製
ピストンを形成し、さらにショットピーニング(アーク
ハイト量0.3mm)を施してこの実施例のアルミニウム
合金製ピストンを得る。
【0059】ショットピーニング処理によりアルミニウ
ム合金製ピストンに施される硬質メッキ層には、前述し
たように圧縮応力(残留応力)が発生し、その結果、疲
労強度が向上する。
ム合金製ピストンに施される硬質メッキ層には、前述し
たように圧縮応力(残留応力)が発生し、その結果、疲
労強度が向上する。
【0060】この疲労強度の向上の程度を測定するため
に実施例2、比較例1及び比較例2のものから回転曲げ
による疲労強度測定用テストピースを切りだし、圧縮応
力発生部の疲労強度を測定した。
に実施例2、比較例1及び比較例2のものから回転曲げ
による疲労強度測定用テストピースを切りだし、圧縮応
力発生部の疲労強度を測定した。
【0061】また、参考例として、比較例1のものにシ
ョットピーニング(アークハイト量0.3mm)を施し、
上記と同じく圧縮応力発生部の疲労強度を測定した。
ョットピーニング(アークハイト量0.3mm)を施し、
上記と同じく圧縮応力発生部の疲労強度を測定した。
【0062】比較例1、比較例2、参考例及び実施例2
の各測定結果を図7に示す。図7に示されるように、実
施例2のアルミニウム合金製ピストンは疲労強度が他の
ものに比べて優れていることが明らかである。
の各測定結果を図7に示す。図7に示されるように、実
施例2のアルミニウム合金製ピストンは疲労強度が他の
ものに比べて優れていることが明らかである。
【0063】この実施例2において、実施例1に付加さ
れるショットピーニング処理は、上記圧縮応力の発生と
それに伴う疲労強度の向上に加えて、アルミニウム合金
製ピストンの表面部、特にピストンリング部分に微細な
凹部を形成する。これらの微細な凹部は微少オイル溜り
として機能する。
れるショットピーニング処理は、上記圧縮応力の発生と
それに伴う疲労強度の向上に加えて、アルミニウム合金
製ピストンの表面部、特にピストンリング部分に微細な
凹部を形成する。これらの微細な凹部は微少オイル溜り
として機能する。
【0064】上記微細な凹部は図8に示されるように、
深さは平均28μm程度で分布は平均80μm程度の間
隔となっている。尚、図8はレーザ測距器により凹部の
深さ及び分布を測定した結果が、縦横の倍率が異なるチ
ャートとして示されている。
深さは平均28μm程度で分布は平均80μm程度の間
隔となっている。尚、図8はレーザ測距器により凹部の
深さ及び分布を測定した結果が、縦横の倍率が異なるチ
ャートとして示されている。
【0065】以下、本発明の具体例につき図面を参照し
つつ説明する。
つつ説明する。
【0066】以下の具体例は本発明の構成に基づく作用
と効果とをより明確にするためのものであり、エンジン
の高回転により生ずるアルミニウム合金製ピストンのピ
ストンリング溝部分の摩耗について説明する。
と効果とをより明確にするためのものであり、エンジン
の高回転により生ずるアルミニウム合金製ピストンのピ
ストンリング溝部分の摩耗について説明する。
【0067】−具体例1− アルミニウム合金鋳造材AC4Cを用いて、図9に示さ
れるようなエンジン用のピストン1を鋳造した。このピ
ストン1にはピストンリング(図示省略)がそれぞれ嵌
入されるピストンリング溝として、ピストン1のヘッド
側からトップリング溝2、セカンドリング溝3及びオイ
ルリング溝4が配設されている。
れるようなエンジン用のピストン1を鋳造した。このピ
ストン1にはピストンリング(図示省略)がそれぞれ嵌
入されるピストンリング溝として、ピストン1のヘッド
側からトップリング溝2、セカンドリング溝3及びオイ
ルリング溝4が配設されている。
【0068】このようなピストン1の少なくともピスト
ンリング溝部分を含む表面部を、470〜550℃の温
度で焼き入れ処理し、続いてNi−Pメッキによる硬質
メッキ処理を行った。
ンリング溝部分を含む表面部を、470〜550℃の温
度で焼き入れ処理し、続いてNi−Pメッキによる硬質
メッキ処理を行った。
【0069】硬質メッキ処理されたピストン1を170
℃の温度に約6時間保持し、メッキ層に対するベーキン
グ処理とアルミニウム合金部材に対する焼き戻し処理と
を併せ行った。
℃の温度に約6時間保持し、メッキ層に対するベーキン
グ処理とアルミニウム合金部材に対する焼き戻し処理と
を併せ行った。
【0070】さらに、ピストン1にアークハイト量0.
3mmでショットピーニング処理を加え、アルミニウム合
金製ピストン1の表面改質を行った。
3mmでショットピーニング処理を加え、アルミニウム合
金製ピストン1の表面改質を行った。
【0071】通常、エンジンが高回転される際は、その
ピストン1の各ピストンリング溝部分に異常摩耗部の発
生が避けられない。図10(A)に示されるように、ピ
ストン1を軸線沿いにA部位、B部位、C部位及びD部
位の4部位に分けて観察した場合、排気バルブが存在す
る角度位置に相当するD部位で、中でも図9(B)及び
(C)に示されるように、トップリング溝2部分におい
て顕著な異常摩耗部5が発生していた。
ピストン1の各ピストンリング溝部分に異常摩耗部の発
生が避けられない。図10(A)に示されるように、ピ
ストン1を軸線沿いにA部位、B部位、C部位及びD部
位の4部位に分けて観察した場合、排気バルブが存在す
る角度位置に相当するD部位で、中でも図9(B)及び
(C)に示されるように、トップリング溝2部分におい
て顕著な異常摩耗部5が発生していた。
【0072】特に、トップリング溝2の排気バルブ側の
D部位に、トップリング溝2中に嵌入されるトップリン
グの合口部が占位した場合には、上記合口部のエッジの
叩き現象により異常摩耗部5中に食い込み部が生ずるこ
ともあったのである。
D部位に、トップリング溝2中に嵌入されるトップリン
グの合口部が占位した場合には、上記合口部のエッジの
叩き現象により異常摩耗部5中に食い込み部が生ずるこ
ともあったのである。
【0073】図10(B)は通常見られるピストン1の
トップリング溝2部の摩耗を、ピストン軸線沿いに分割
したA、B、C、Dの各部位ごとの摩耗量により表した
グラフであって、排気バルブ側のD部位に異常摩耗部5
が発生し、上記トップリングの合口部がD部位に占位し
た場合は摩耗が著大で食い込み部を形成するに至ること
を示している。
トップリング溝2部の摩耗を、ピストン軸線沿いに分割
したA、B、C、Dの各部位ごとの摩耗量により表した
グラフであって、排気バルブ側のD部位に異常摩耗部5
が発生し、上記トップリングの合口部がD部位に占位し
た場合は摩耗が著大で食い込み部を形成するに至ること
を示している。
【0074】しかるに、前述したような本発明による製
造工程にすることにより、母材の強度を低下させること
なく、硬さが高く密着性の良好な硬質メッキ層が得られ
て耐摩耗性が向上し、さらに油潤滑性が改善された本発
明によるアルミニウム合金製ピストンでは、排気バルブ
側の部位において異常摩耗の発生が抑止されると共に摩
耗は軽減した。
造工程にすることにより、母材の強度を低下させること
なく、硬さが高く密着性の良好な硬質メッキ層が得られ
て耐摩耗性が向上し、さらに油潤滑性が改善された本発
明によるアルミニウム合金製ピストンでは、排気バルブ
側の部位において異常摩耗の発生が抑止されると共に摩
耗は軽減した。
【0075】−具体例2− 具体例1において説明したように、ピストン1表面部の
摩耗は、高温に曝される排気バルブ側D部位(図10
(A)参照)の摩耗が大で、特にこのD部位のトップリ
ング溝2部分に局部的に大きな異常摩耗が発生し易い傾
向がある。また、熱の影響に加えてトップリング溝2中
に嵌入されるトップリングの合口部が上記D部位に占位
する場合は、異常摩耗がさらに大きくなることから、こ
のような状態を回避することが好ましい。
摩耗は、高温に曝される排気バルブ側D部位(図10
(A)参照)の摩耗が大で、特にこのD部位のトップリ
ング溝2部分に局部的に大きな異常摩耗が発生し易い傾
向がある。また、熱の影響に加えてトップリング溝2中
に嵌入されるトップリングの合口部が上記D部位に占位
する場合は、異常摩耗がさらに大きくなることから、こ
のような状態を回避することが好ましい。
【0076】この具体例2及び後記具体例3は、熱の影
響により異常摩耗が発生し勝ちな排気バルブ側のD部位
において、例えばトップリング溝2中のトップリングを
回転し易くすることにより、その合口部が継続的に占位
することを回避しようとするものである。
響により異常摩耗が発生し勝ちな排気バルブ側のD部位
において、例えばトップリング溝2中のトップリングを
回転し易くすることにより、その合口部が継続的に占位
することを回避しようとするものである。
【0077】各ピストンリング溝中に嵌入されているそ
れぞれのピストンリングの回転が阻止される要因として
は、 a.燃料の燃焼によるスラッジがリング溝に混入し回転
を妨げる、 b.高速回転により油切れが生じ、潤滑性の悪化により
回転し難くなる、 c.排気バルブ側のピストンリング溝がより高温にな
り、ピストンの材料軟化が生じピストンリングの合口部
のエッジが溝に食い込む。その状態で爆発圧力とピスト
ンの摺動とにより繰り返し叩き現象を生ずる、 こと等が考えられる。
れぞれのピストンリングの回転が阻止される要因として
は、 a.燃料の燃焼によるスラッジがリング溝に混入し回転
を妨げる、 b.高速回転により油切れが生じ、潤滑性の悪化により
回転し難くなる、 c.排気バルブ側のピストンリング溝がより高温にな
り、ピストンの材料軟化が生じピストンリングの合口部
のエッジが溝に食い込む。その状態で爆発圧力とピスト
ンの摺動とにより繰り返し叩き現象を生ずる、 こと等が考えられる。
【0078】本発明による表面改質された金属部材では
ショットピーニング処理により表面に微細な凹部が形成
され、ピストンリング溝部分を含む表面部に微少オイル
溜りが分布された状態となっていることにより優れた油
潤滑性を有している。
ショットピーニング処理により表面に微細な凹部が形成
され、ピストンリング溝部分を含む表面部に微少オイル
溜りが分布された状態となっていることにより優れた油
潤滑性を有している。
【0079】この具体例2は、ピストンリング溝部分に
おける油潤滑性をさらに良好なものとした。
おける油潤滑性をさらに良好なものとした。
【0080】図11(A)に示されるように、ヘッド側
から順列するトップリング溝2、セカンドリング溝3、
オイルリング溝4を有するピストン1を形成するに際
し、少なくともピストン1の排気バルブ側に図11
(C)に示されるようなパイプ6′を位置させ、鋳ぐる
みによりパイプ6′を含むピストン1素材を鋳造した。
から順列するトップリング溝2、セカンドリング溝3、
オイルリング溝4を有するピストン1を形成するに際
し、少なくともピストン1の排気バルブ側に図11
(C)に示されるようなパイプ6′を位置させ、鋳ぐる
みによりパイプ6′を含むピストン1素材を鋳造した。
【0081】得られたピストン1素材にトップリング溝
2、セカンドリング溝3、オイルリング溝4をそれぞれ
刻設する時に、図11(B)に示されるように上記パイ
プ6′を同時にカットし、トップリング溝2とセカンド
リング溝3との間及びセカンドリング溝3とオイルリン
グ溝4との間にそれぞれオイル通路6をつくりだした。
2、セカンドリング溝3、オイルリング溝4をそれぞれ
刻設する時に、図11(B)に示されるように上記パイ
プ6′を同時にカットし、トップリング溝2とセカンド
リング溝3との間及びセカンドリング溝3とオイルリン
グ溝4との間にそれぞれオイル通路6をつくりだした。
【0082】尚、パイプ6′の外周面が図11(C)に
示されるように波状にしてあるのは、鋳ぐるみ時にパイ
プ6′の接着性を向上させるためである。
示されるように波状にしてあるのは、鋳ぐるみ時にパイ
プ6′の接着性を向上させるためである。
【0083】この具体例2に示されるような態様とした
アルミニウム合金製ピストン1は、少なくとも最も摩耗
の生じ易い排気バルブ側の部位に、オイルリング溝4か
らセカンドリング溝3を介してトップリング溝2に達す
るオイル通路6が設けられることにより、オイルリング
溝4から摩耗の大きいトップリング溝2までポンピング
による強制給油を可能とした。
アルミニウム合金製ピストン1は、少なくとも最も摩耗
の生じ易い排気バルブ側の部位に、オイルリング溝4か
らセカンドリング溝3を介してトップリング溝2に達す
るオイル通路6が設けられることにより、オイルリング
溝4から摩耗の大きいトップリング溝2までポンピング
による強制給油を可能とした。
【0084】従って、トップリング溝2の潤滑性はより
向上し、トップリングの回転を促進し、且つ排気バルブ
側のトップリング溝1部分のオイル冷却による温度低下
を可能とした。
向上し、トップリングの回転を促進し、且つ排気バルブ
側のトップリング溝1部分のオイル冷却による温度低下
を可能とした。
【0085】図12に具体例2により得られたピストン
のトップリング溝部分の高速耐久テストによる摩耗量測
定結果を比較例1と対比して示した。図12に示される
結果によれば、具体例2のものはトップリング溝部分の
摩耗量が大巾に低減していることがわかる。
のトップリング溝部分の高速耐久テストによる摩耗量測
定結果を比較例1と対比して示した。図12に示される
結果によれば、具体例2のものはトップリング溝部分の
摩耗量が大巾に低減していることがわかる。
【0086】−具体例3− この具体例3は、ピストンリング溝、例えば図10
(A)に示されるようなトップリング溝2とこの溝中に
嵌入されるトップリングとの間の回転潤滑性を、トップ
リングの形態により向上させようとするものである。
(A)に示されるようなトップリング溝2とこの溝中に
嵌入されるトップリングとの間の回転潤滑性を、トップ
リングの形態により向上させようとするものである。
【0087】即ち、図13(A)に示されるように、ト
ップリング7の一面又は両面に、図13(B)に示され
るような彎曲カム面を有する部分円弧状のラセン溝8を
均等角度割りの位置に複数個配設した。
ップリング7の一面又は両面に、図13(B)に示され
るような彎曲カム面を有する部分円弧状のラセン溝8を
均等角度割りの位置に複数個配設した。
【0088】トップリング7のピストンヘッド側の一面
もしくはセカンドリング側の他面又はそれらの両面に配
設されたラセン溝は、ピストンの高速での往復運動によ
って傾斜分力による回転トルクを生じ、いわゆる風車方
式によりピストンリングの回転力向上をもたらす。
もしくはセカンドリング側の他面又はそれらの両面に配
設されたラセン溝は、ピストンの高速での往復運動によ
って傾斜分力による回転トルクを生じ、いわゆる風車方
式によりピストンリングの回転力向上をもたらす。
【0089】このような態様のピストンリングは、上記
ラセン溝8がオイル溜りとして機能することによる潤滑
特性の向上及びラセン溝8への燃料の燃焼時のスラッジ
取込みによる研削摩耗の防止等の効果が得られ、本発明
によるアルミニウム合金製ピストンに併用した場合にピ
ストンリング溝、特にトップリング溝2部分の摩耗が抑
止された。
ラセン溝8がオイル溜りとして機能することによる潤滑
特性の向上及びラセン溝8への燃料の燃焼時のスラッジ
取込みによる研削摩耗の防止等の効果が得られ、本発明
によるアルミニウム合金製ピストンに併用した場合にピ
ストンリング溝、特にトップリング溝2部分の摩耗が抑
止された。
【0090】図14に具体例3により得られたピストン
リング(トップリング)を用いた場合のトップリング溝
部分の高速耐久テストによる摩耗量測定結果を比較例1
と対比して示した。図14に示される結果によれば、具
体例3のものは併用によりトップリング溝部分の摩耗量
が大巾に低減していることがわかる。
リング(トップリング)を用いた場合のトップリング溝
部分の高速耐久テストによる摩耗量測定結果を比較例1
と対比して示した。図14に示される結果によれば、具
体例3のものは併用によりトップリング溝部分の摩耗量
が大巾に低減していることがわかる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係る表面改質された金属部材の製造方法によると、金属
部材の焼き入れ処理に続いて硬質メッキ処理が行われ、
さらに金属部材の焼き戻し処理と硬質メッキ処理のベー
キング処理とが同時に一つの段階で行われることによ
り、硬質メッキ処理前の浄化処理が省略できること並び
に硬質メッキ層の硬化を金属部材に影響を与えない熱処
理温度で共用して行うことにより工程を簡略化し、コス
トダウンを図ることができる。
係る表面改質された金属部材の製造方法によると、金属
部材の焼き入れ処理に続いて硬質メッキ処理が行われ、
さらに金属部材の焼き戻し処理と硬質メッキ処理のベー
キング処理とが同時に一つの段階で行われることによ
り、硬質メッキ処理前の浄化処理が省略できること並び
に硬質メッキ層の硬化を金属部材に影響を与えない熱処
理温度で共用して行うことにより工程を簡略化し、コス
トダウンを図ることができる。
【0092】また、請求項2の発明により、硬質メッキ
処理をNi−Pメッキで行うことにより、金属部材の焼
き戻し処理と同時に行われるベーキング処理中に、分散
メッキから合金相が析出する硬化が達成され、金属部材
の耐摩耗性を効果的に向上させ得る。
処理をNi−Pメッキで行うことにより、金属部材の焼
き戻し処理と同時に行われるベーキング処理中に、分散
メッキから合金相が析出する硬化が達成され、金属部材
の耐摩耗性を効果的に向上させ得る。
【0093】また請求項3の発明により、焼き戻し処理
とベーキング処理とが同時に行われた金属部材にショッ
トピーニング処理を施すことにより、硬質メッキ相の耐
摩耗性がより向上すると共に疲労強度が向上する。さら
に、硬質メッキ層の金属部材への密着性を良好にするの
で、硬質メッキ層の厚さを大きくすることができ、耐摩
耗性の向上に貢献する。
とベーキング処理とが同時に行われた金属部材にショッ
トピーニング処理を施すことにより、硬質メッキ相の耐
摩耗性がより向上すると共に疲労強度が向上する。さら
に、硬質メッキ層の金属部材への密着性を良好にするの
で、硬質メッキ層の厚さを大きくすることができ、耐摩
耗性の向上に貢献する。
【0094】請求項4の発明に係る表面改質された金属
部材によると、少なくともピストンリング溝部分を含む
表面部が改質されたアルミニウム合金製ピストンが得ら
れ、特にショットピーニング処理が施されるために圧縮
応力の増加とオイル溜りの形成が行われ、疲労強度及び
耐摩耗性を向上させることが可能となった。
部材によると、少なくともピストンリング溝部分を含む
表面部が改質されたアルミニウム合金製ピストンが得ら
れ、特にショットピーニング処理が施されるために圧縮
応力の増加とオイル溜りの形成が行われ、疲労強度及び
耐摩耗性を向上させることが可能となった。
【図1】処理温度とメッキ層の硬さ又は母材の引張り強
度との関係を表すグラフである。
度との関係を表すグラフである。
【図2】ベーキング処理時の時間とメッキ層の硬さとの
関係を表すグラフである。
関係を表すグラフである。
【図3】ショットピーニング処理の条件とメッキ層に発
生する圧縮応力との関係を表すグラフである。
生する圧縮応力との関係を表すグラフである。
【図4】ショットピーニング処理時のメッキ層の厚さと
発生する圧縮応力との関係を表すグラフである。
発生する圧縮応力との関係を表すグラフである。
【図5】硬質メッキ処理後の表面部の硬さの比較を表す
図である。
図である。
【図6】アルミニウム合金製部材のビッカース硬度と油
潤滑下で高速摺動する時の摩耗量との関係を表すグラフ
である。
潤滑下で高速摺動する時の摩耗量との関係を表すグラフ
である。
【図7】ショットピーニング処理後の疲労強度の比較を
表す図である。
表す図である。
【図8】ショットピーニング処理により形成される微細
凹部の測定チャートである。
凹部の測定チャートである。
【図9】本発明の具体例を説明するための図であって、
(A)は斜視図、(B)は(A)のB−B視要部断面
図、(C)は(A)のD部位の要部拡大図である。
(A)は斜視図、(B)は(A)のB−B視要部断面
図、(C)は(A)のD部位の要部拡大図である。
【図10】本発明の具体例を説明するための図であっ
て、(A)はピストンの軸線に沿って4部位とした状態
を示す図、(B)は(A)の各部位における摩耗量を表
すグラフである。
て、(A)はピストンの軸線に沿って4部位とした状態
を示す図、(B)は(A)の各部位における摩耗量を表
すグラフである。
【図11】本発明の具体例2のピストンの説明図であっ
て、(A)は斜視図、(B)は(A)のA−A視要部断
面図、(C)は鋳ぐるまれるパイプを例示する図であ
る。
て、(A)は斜視図、(B)は(A)のA−A視要部断
面図、(C)は鋳ぐるまれるパイプを例示する図であ
る。
【図12】本発明の具体例2のピストンリング溝の摩耗
量を表す図である。
量を表す図である。
【図13】本発明の具体例3に用いられるピストンリン
グの説明図であって、(A)は平面図、(B)は要部拡
大斜視図である。
グの説明図であって、(A)は平面図、(B)は要部拡
大斜視図である。
【図14】本発明の具体例3のピストンリング溝の摩耗
量を表す図である。
量を表す図である。
1 ピストン 2 トップリング溝 3 セカンドリング溝 4 オイルリング溝 5 異常磨耗部 6 オイル通路 6′ パイプ 7 トップリング 8 ラセン溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正木 隆 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 金属部材を焼き入れ処理した後、硬質メ
ッキ処理を施し、次いでベーキング処理と同時に焼き戻
し処理を行うことを特徴とする表面改質された金属部材
の製造方法。 - 【請求項2】 上記硬質メッキ処理は、Ni−Pメッキ
であり且つベーキング処理と同時に焼き戻し処理が行わ
れる温度域において合金相が析出、硬化するメッキ処理
であることを特徴とする請求項1に記載の表面改質され
た金属部材の製造方法。 - 【請求項3】 上記焼き入れ処理と、硬質メッキ処理
と、同時に行われるベーキング処理及び焼き戻し処理と
が施された金属部材に対し、ショットピーニング処理を
施すことを特徴とする請求項1又は2に記載の表面改質
された金属部材の製造方法。 - 【請求項4】 ピストンリング溝を有するアルミニウム
合金製ピストよりなり、少なくともピストンリング溝部
分を含む表面部が、焼き入れ処理された後、硬質メッキ
処理が施され、次いでベーキング処理と同時に焼き戻し
処理が行われ、さらにショットピーニング処理が加えら
れたものであることを特徴とする表面改質された金属部
材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24316191A JPH0578859A (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 表面改質された金属部材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24316191A JPH0578859A (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 表面改質された金属部材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0578859A true JPH0578859A (ja) | 1993-03-30 |
Family
ID=17099716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24316191A Withdrawn JPH0578859A (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 表面改質された金属部材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0578859A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11210865A (ja) * | 1998-01-20 | 1999-08-03 | Kobe Steel Ltd | 疲労寿命および耐磨耗性に優れたAl合金製動力伝達部品 |
-
1991
- 1991-09-24 JP JP24316191A patent/JPH0578859A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11210865A (ja) * | 1998-01-20 | 1999-08-03 | Kobe Steel Ltd | 疲労寿命および耐磨耗性に優れたAl合金製動力伝達部品 |
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