JPH0573448U

JPH0573448U - レジスタのエア吹出し口構造

Info

Publication number: JPH0573448U
Application number: JP2034592U
Authority: JP
Inventors: 耕二沢田; 文二伊藤
Original assignee: 和光化成工業株式会社
Priority date: 1992-03-03
Filing date: 1992-03-03
Publication date: 1993-10-08
Anticipated expiration: 2007-03-03
Also published as: JP2568781Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】構造が簡単で指向性に優れ、かつ低騒音可能
とする。【構成】中空球体状の一部を切欠いてエア開口部を形
成したリテーナ部と前記エア開口部と対応して同心状に
ダクト部を形成してリテーナを設け、前記リテーナ部に
は、該リテーナ部に回動自在に内嵌する中空球体を２分
割した両半球体の直径側に円板を形成し、かつ円板に垂
直な面で半球体の外郭を前後に切欠きして小径の吹出し
口と大径の導入口とを形成した半球帯部とからなる上下
対をなす縮流バレルを形成するとともに、該上下の縮流
バレルを円板の中心の軸を介して相互に回動可能に連結
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、自動車等の空調用レジスタのエア吹出し口構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の自動車等の空調用レジスタのエア吹出し口構造としては、例えば実公平3-27237 号公報、実開昭61-133747 号公報、実開昭56-60039号公報、実開昭60-155844 号公報のものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の公報の実公平3-27237 号公報、実開昭61-133747 号公報のものにおいては、レジスタとして比較的騒音レベルが高く、とくにエア拡散時に騒音が高く、可動羽根を傾動するため圧力損失が増加し、流量および流速の低下をまねくためワイド性に欠け、かつ空調機能に支障をきたす問題点があり、また、流れの剥離を伴う構造物が多く、バレルの通風路内壁がほぼストレート状であるため、エアの指向性に欠け、また、構造が複雑で部品点数が多いため、組み付け性が悪くコスト高となる問題点がある。

【０００４】また、実開昭56-60039号公報、実開昭60-155844 号公報のものにおいては、通風路内中心に構造物が多く、また、構造上、流れの剥離を生じ易いので風切り音による騒音が大きく、また、圧力抵抗が大きいため、流量および流速が低下して空調機能に支障をきたす問題点がある。

【０００５】本考案は、上記従来の問題点を解決すべくなされたもので、構造が簡単で指向性に優れ、かつ低騒音のレジスタのエア吹出し口構造を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記技術課題を解決するため、中空球体状の一部を切欠いてエア開口部を形成したリテーナ部と前記エア開口部と対応して同心状にダクト部を形成してリテーナを設け、前記リテーナ部には、該リテーナ部に回動自在に内嵌する中空球体を２分割した両半球体の直径側に円板を形成し、かつ円板に垂直な面で半球体の外郭を前後に切欠きして小径の吹出し口と大径の導入口とを形成した半球帯部とからなる上下対をなす縮流バレルを形成するとともに、該上下の縮流バレルを円板の中心の軸を介して相互に回動可能に連結する構成としたレジスタのエア吹出し口構造に存する。

【０００７】

【作用】

上記構成としたことにより、上下の縮流バレルの吹出し口を上下に整合することで集束風を噴出し、上下の縮流バレルを軸を介して吹出し口を変位回動することで拡散風を噴出する。

【０００８】

【実施例】

次に、本考案の一実施例を図面にしたがって説明すると、図１はレジスタ１の断面図を示し、該レジスタ１はリテーナ２とバレル７より構成されている。

【０００９】このリテーナ２は所定の径を有する中空球体状のリテーナ部３の一部が切欠きされて所定の径のエア開口部４が形成され、このエア開口部４と対応する側には同心状にダクト部５が一体に形成されるとともに、このリテーナ部３の内周面にはフエルト６が貼着されて、同フエルト６を介してバレル７が回動自在に装着されている。

【００１０】このバレル７はリテーナ部３に内嵌される中空球体を二分割して対称形状の縮流バレル８，９により構成されるもので、図１に示すように中空球体の直径方向に円板１０が形成され、この半球体の外郭の一部が切欠きされて空気吹出し口１１が開設され、この吹出し口１１と平行に円板１０の中心より後部の位置で切欠きされて吹出し口１１より大きな導入口１２が形成されて半球帯部１３が形成されるとともに、この円板１０の吹出し口１１側はつまみ部１４とされている。

【００１１】また、半球帯部１３の内側面１５は図２に示すように導入口１２側では所定の半径で凹状面１５ａに、また、吹出し口１１側では所定の半径で凸状面１５ｂに連続するように形成されて同内側面１５は略サインウェーブ状に形成されている。このように形成された縮流バレル８，９は例えば縮流バレル９の円板１０の中心には軸受孔１６が貫設され、また、縮流バレル８の円板１０の中心には上記軸受孔１６に回転可能に嵌合する軸１７が突設されて図３および図４に示すように相互に結合され、この結合した状態でリテーナ２のリテーナ部３に嵌め込まれて、相互の吹出し口１１は揃えた状態、すなわち、縮流バレル８，９の中心線Ｃ1, Ｃ2 をダクト部５の軸方向に整合した状態でエア開口部４側にして納められている。この状態で上下の縮流バレル８，９は軸１７を介して回動可能に設けられている。

【００１２】このように形成されたレジスタ１において、図５に示すように上下の縮流バレル８，９の中心線Ｃ1,Ｃ2 を整合して吹出し口１１を上下に揃えた状態にすると、ダクト部５側からのエアの流れＦは導入口１２により半球帯部１３の内側面１５により縮流されて、集束されたスポット状のエアとして吹出し口１１より噴出される。また、この時、縮流による流れのエネルギー成分は上下の縮流バレル８，９の中心線Ｃ１，Ｃ2 の向きに卓越したものとなるため指向性が向上して遠くまでエアを運ぶことができる。なお、図６は図５における集束噴流の吹出し口１１からの距離における流速の分布を示すもので、実線は吹出し口１１の直下流の分布であり、また、一点鎖線はほぼ４００ｍｍ離れた位置での分布、また、二点鎖線はほぼ８００ｍｍ離れた位置での分布を示す。

【００１３】また、図７は図５の状態より上下の縮流バレル８，９を例えば左右に相対的角度αに回動した状態を示すもので、この場合、上下の縮流バレル８，９の吹出し口１１から噴出されるエアはそれぞれの中心線Ｃ1,Ｃ2 のなす角度αに分かれ、噴流Ｆ1,Ｆ2 の双子状の流速分布を有する噴流を形成する（図８に実線で示す）。これらの噴流Ｆ1,Ｆ2 はその後拡散されて図７の一点鎖線および二点鎖線で示すように幅の広い噴流に発達する。このように上下の縮流バレル８，９の相対的な角度を変化させることにより集束風から拡散風へ、拡散風から集束風への切換えが連続的に行うことができる。なお、図８は図７における集束噴流の吹出し口１１からの距離における流速の分布を示すもので、実線は吹出し口１１の直下流の分布であり、また、一点鎖線はほぼ４００ｍｍ離れた位置での分布、また、二点鎖線はほぼ８００ｍｍ離れた位置での分布を示す。

【００１４】また、図９は図５あるいは図７の状態より円板１０を９０度回動してエア開口部４を閉止した状態を示すもので、これによりエアの流れＦを遮断することができる。

【００１５】このように本例レジスタ１は，中空球体状の一部を切欠いてエア開口部４を形成したリテーナ部３とエア開口部４と対応して同心状にダクト部５を形成してリテーナ２を設け、リテーナ部３には、該リテーナ部３に回動自在に内嵌する中空球体を２分割した両半球体の直径側に円板１０を形成し、かつ円板１０に垂直な面で半球体の外郭を前後に切欠きして小径の吹出し口１１と大径の導入口１２とを形成した半球帯部１３とからなる上下対をなす縮流バレル８，９を形成するとともに、該上下の縮流バレル８，９を円板１０の中心の軸１７を介して相互に回動可能に連結する構成としたものであるから、極めてシンプルな構成で、通常のレジスタに見られる翼は円板１０が重合される一枚状のものであるからエアの流れＦに干渉する部材が少ないので、風切り音による騒音を低減することができ、また、通風路が滑らかなため圧力抵抗が小さく、拡散風から集束風に変化させた際の流量、流速の低下がなく、これにより従来のものに比べて集束風の際、遠くまでエアの流れＦが到達するので空調性能および指向性能も向上する。また、意匠性にも優れて自動車の内装にも最適であり、操作性も良好である。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は、上記のように構成したものであるから、極めてシンプルな構成で、通常のレジスタに見られる翼は円板が重合される一枚状のものであるからエアの流れに干渉する部材が少ないので、風切り音による騒音を低減することができ、また、通風路が滑らかなため圧力抵抗が小さく、拡散風から集束風に変化させた際の流量、流速の低下がなく、これにより従来のものに比べて集束風の際、遠くまでエアの流れが到達するので空調性能および指向性能も向上する。また、意匠性にも優れて自動車の内装にも最適であり、操作性も良好である。

【図面の簡単な説明】

【図１】レジスタの断面図である。

【図２】縮流バレルの断面図である。

【図３】縮流バレルの分解斜視図である。

【図４】縮流バレルを組合わせたバレルの斜視図であ
る。

【図５】バレルの集束風の場合を説明する断面図であ
る。

【図６】図５における流速分布図である。

【図７】バレルの拡散風の場合を説明する断面図であ
る。

【図８】図７における流速分布図である。

【図９】エア開口部を閉止した状態の断面図である。

【符号の説明】

１レジスタ２リテーナ３リテーナ部４エア開口部５ダクト部７バレル８，９縮流バレル１０円板１１空気吹出し口１２導入口１３半球体部１７軸

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】中空球体状の一部を切欠いてエア開口部
を形成したリテーナ部と前記エア開口部と対応して同心
状にダクト部を形成してリテーナを設け、前記リテーナ
部には、該リテーナ部に回動自在に内嵌する中空球体を
２分割した両半球体の直径側に円板を形成し、かつ円板
に垂直な面で半球体の外郭を前後に切欠きして小径の吹
出し口と大径の導入口とを形成した半球帯部とからなる
上下対をなす縮流バレルを形成するとともに、該上下の
縮流バレルの円板を中心の軸を介して相互に回動可能に
連結する構成としたレジスタのエア吹出し口構造。