JPH0569566A - 多色感熱記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】記録完了までの時間を短縮することができる多
色感熱記録装置を提供することを目的とする。 【構成】ロール状に巻かれた多色感熱記録シート１４に
対し、搬送方向と直交する方向にラインヘッド２２によ
って黒およびＹ（イエロー）の記録を行い、その後、光
源２４で定着させる。続いて、ペン状体２６によってＭ
（マゼンタ）発色層を発色させ、光源２８で定着させ
る。さらに、ペン状体３０によってＣ（シアン）発色層
を発色させてカラー画像を形成する。このように構成し
たため、ラインヘッド２２において、黒枠や文字等を挿
入している間に他のペン状体２６、３０ではデータに基
づいたグラフ線等を記録することができ、記録時間の短
縮になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カラープリンタ、プロ
ッタ、ファックスあるいはレコーダ等に使用される多色
感熱記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】支持体上に複数の発色層を積層した多色
感熱記録シートに対してサーマルヘッドを当接させて画
像を熱記録した後、定着用光源からの光を照射すること
により、カラー印刷物を得ることのできる多色感熱記録
装置が提案されている。

【０００３】例えば、前記多色感熱記録シートは、Ｙ
（イエロー）、Ｍ（マゼンタ）、Ｃ（シアン）の各発色
層を有する。この多色感熱記録シートに画像等を記録す
る際は、先ず、Ｙ発色層に対してサーマルヘッドから所
定量の熱を供給して記録し、定着用光源からの光を照射
することによりＹの色を定着させる。次いで、順次、Ｍ
発色層、Ｃ発色層に対して同様の処理を行い、カラー画
像を得ることができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記の工程
を１つのサーマルヘッドで行う場合、Ｙ、Ｍ、Ｃの各発
色層毎に画像等の記録を行わなければならず、従って、
カラー画像の完成までに長時間を要するという不具合が
ある。

【０００５】本発明は、この種の問題を解決するために
なされたものであって、カラー画像の完成までの時間を
短縮する多色感熱記録装置を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、同一支持体上に発色波長の異なる複数
の発色層が積層された多色感熱記録シートに対して画像
を記録する多色感熱記録装置であって、副走査方向に搬
送される前記多色感熱記録シートの主走査方向に沿って
複数の発熱体を配列してなる第１の発熱手段と、前記主
走査方向に沿って変位自在に構成される少なくとも１つ
の発熱体を有する第２の発熱手段と、前記第１および第
２の発熱手段によって記録された画像を当該多色感熱記
録シートに対して定着させる定着用光源と、を備えるこ
とを特徴とする。

【０００７】

【作用】複数の発色手段によって記録すべき画像部分を
分割し、これによって短時間でのカラー画像記録が可能
となる。

【０００８】

【実施例】本発明に係る多色感熱記録装置について、好
適な実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細
に説明する。

【０００９】先ず、第１実施例である多色感熱記録装置
１０を図１および図２を参照して説明する。

【００１０】多色感熱記録装置１０は、図１に示すよう
に、箱体１２の中にロール状に巻き付けられた多色感熱
記録シート１４を搬送する搬送部１６を備える。

【００１１】搬送部１６は、前記多色感熱記録シート１
４の搬送方向に沿って、一端から多色感熱記録シート１
４のロール体を装填する軸体１５、記録シート１４を所
定の長さで切断するカッター１８、複数の搬送用のロー
ラ対２０、黒およびＹ記録用の発熱体で構成されている
ラインヘッド２２、Ｙ定着用の光源２４、Ｍ記録用の発
熱体が先端部に形成されているペン状体２６およびペン
状体２６を主走査方向に変位させる駆動機構２７、Ｍ定
着用の光源２８、Ｃ記録用のペン状体３０、ペン状体３
０を主走査方向に変位させる駆動機構３１を備える。ラ
インヘッド２２に対向し記録シート１４を挟んで反対側
には、プラテンローラ２３が設けられている。また、ペ
ン状体２６、３０に対向し記録シート１４を挟んで反対
側には、ペン状体２６、３０が記録シート１４に良好に
当接するように台座３２、３４が設けられている。な
お、搬送部１６の他端である箱体１２の一側面には用紙
台３６を設けている。

【００１２】多色感熱記録シート１４は、図３に示すよ
うに、紙またはフイルムからなる支持体３７を備え、支
持体３７の一面側には、Ｃ（シアン）発色層４０とＭ
（マゼンタ）発色層４２とＹ（イエロー）発色層４４と
が中間層４６ａ、４６ｂを介して積層される。このＹ発
色層４４には、保護層４８が設けられている。また、カ
ール防止の目的で、この支持体３７の他面側には、バッ
クコート３８が設けられる。

【００１３】前記多色感熱記録シート１４は、図４に示
すように、印加される熱エネルギに対してそれぞれの発
色層４０、４２、４４の画像濃度特性が異なる。すなわ
ち、多色感熱記録シート１４に印加する熱エネルギを調
節することにより特定の発色層、例えば、Ｙ発色層４４
のみを発色させることが可能になり、これらの発色層４
０、４２、４４を順次発色させていくことにより、良好
な画像が得られる。

【００１４】このように構成される多色感熱記録装置１
０の動作説明を行う。

【００１５】先ず、多色感熱記録シート１４のロール体
が軸体１５に嵌合されるとともに、多色感熱記録シート
１４の一端が搬送用ローラ対２０に挟持される。このよ
うに多色感熱記録シート１４が装填された状態で、図示
しない制御部より送られてくる制御信号により、搬送用
ローラ対２０を回動して多色感熱記録シート１４を副走
査方向に搬送する。例えば、実験結果等をグラフにして
カラー記録する場合には、ラインヘッド２２によって、
Ｙ、Ｍ、Ｃ発色層４４、４２、４０の全てを発色させる
ための熱エネルギを供給して黒枠を形成するとともに、
Ｙ発色層４４に対応した熱エネルギを多色感熱記録シー
ト１４に供給し、これによりＹ発色層４４を発色させ、
文字等を記録する。

【００１６】多色感熱記録シート１４のＹ発色層４４の
発色作業が行われた後、定着用光源２４より、例えば、
４２０ｎｍの光が照射され、Ｙ発色層４４に定着作業が
施される。

【００１７】Ｙ発色層４４の発色および定着作業が終了
した後、さらに多色感熱記録シート１４を搬送用ローラ
対２０によって搬送し、ペン状体２６の発熱体からＹ発
色層４４よりも高い所定量の熱エネルギが供給されてＭ
発色層４２の発色作業が行われ、駆動機構２７によりペ
ン状体２６を主走査方向に変位させてグラフ上にライン
を記録していく。なお、Ｙ発色層４４は、既に定着用光
源２４によって定着されているので、ペン状体２６によ
って記録されることはない。このＭ発色層４２の発色作
業が終了した部位には、定着用光源２８より、例えば、
３６５ｎｍの光が照射され、定着作業が遂行される。

【００１８】さらに、搬送用ローラ対２０によって多色
感熱記録シート１４を搬送し、ペン状体３０からＭ発色
層４２よりも高い所定量の熱エネルギが供給され、多色
感熱記録シート１４のＣ発色層４０の発色作業が行わ
れ、駆動機構３１によりペン状体３０を主走査方向に変
位させてグラフ上にラインを記録していく。

【００１９】このようにしてグラフ等が記録されると、
所定の位置でカッター１８により多色感熱記録シート１
４を切断する。切断された多色感熱記録シート１４は、
搬送用ローラ対２０によって、用紙台３６まで搬送され
る。

【００２０】このように多色感熱記録装置１０を構成し
たため、ラインヘッド２２において、黒枠や文字を挿入
している間に他のペン状体２６、３０ではデータに基づ
いたグラフ線を記録することができ、印刷時間の短縮に
なる。

【００２１】ここでは、Ｙ、Ｍ、Ｃの順に発色させてい
るが、記録対象の必要に応じてその順を入れ換えても良
い。また、記録の態様によってラインヘッドの数を増や
しても良い。

【００２２】続いて第２実施例を図５、図６を参照しな
がら説明する。なお、第１実施例と実質的に同一の構成
要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省
略する。

【００２３】第２実施例の多色感熱記録装置５０は、搬
送部１６を湾曲させていることと、第１実施例のペン状
体２６、３０の代わりにシリアルヘッド５２、５４を用
いた点が第１実施例と異なる。

【００２４】このように搬送部１６を湾曲して設けるこ
とにより、多色感熱記録装置５０を小型化することがで
きる。なお、シリアルヘッド５２、５４は、多色感熱記
録シート１４の搬送方向に対して複数の発熱体を有し、
主走査方向に変位自在に構成されたものであり、これに
よって記録時間を一層短縮することができる。

【００２５】

【発明の効果】本発明に係る多色感熱記録装置によれ
ば、以下の効果が得られる。

【００２６】すなわち、発熱手段を機能別に複数設けた
ため、一つの記録手段によって記録している間に、他の
発熱手段によって他の記録作業を行うことができる。し
たがって、多色感熱記録装置における多色感熱記録シー
トに対する記録時間を短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る多色感熱記録装置の断面説明図で
ある。

【図２】本発明に係る多色感熱記録装置の要部斜視説明
図である。

【図３】本発明に係る多色感熱記録シートの断面説明図
である。

【図４】本発明に係る多色感熱記録シートに印加される
熱エネルギに対する発色層の画像濃度関係図である。

【図５】本発明に係る多色感熱記録装置の断面説明図で
ある。

【図６】本発明に係る多色感熱記録装置の要部斜視説明
図である。

【符号の説明】

１０、５０…多色感熱記録装置 １４…多色感熱記録シート １６…搬送部 ２２…ラインヘッド ２４、２８…定着用光源 ２６、３０…ペン状体 ５２、５４…シリアルヘッド

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】同一支持体上に発色波長の異なる複数の発
   色層が積層された多色感熱記録シートに対して画像を記
   録する多色感熱記録装置であって、 副走査方向に搬送される前記多色感熱記録シートの主走
   査方向に沿って複数の発熱体を配列してなる第１の発熱
   手段と、 前記主走査方向に沿って変位自在に構成される少なくと
   も１つの発熱体を有する第２の発熱手段と、 前記第１および第２の発熱手段によって記録された画像
   を当該多色感熱記録シートに対して定着させる定着用光
   源と、 を備えることを特徴とする多色感熱記録装置。