JPH0555577B2 - - Google Patents
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- JPH0555577B2 JPH0555577B2 JP6914987A JP6914987A JPH0555577B2 JP H0555577 B2 JPH0555577 B2 JP H0555577B2 JP 6914987 A JP6914987 A JP 6914987A JP 6914987 A JP6914987 A JP 6914987A JP H0555577 B2 JPH0555577 B2 JP H0555577B2
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Landscapes
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Manufacture Of Iron (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、クロム還元ペレツトの製造方法に関
し、特にクロム鉱石粉と内装炭素質還元剤(以
下、単に「内装炭」という)との混合粉末原料に
粘結剤を加えて造粒し、これをロータリーキルン
中で外装炭素質還元剤(以下、単に「外装炭」と
いう)とともに転動させつつ還元焙焼して、クロ
ム還元ペレツトを製造する方法に関し、特に高い
還元率のクロム還元ペレツトを製造することによ
つて、次工程の電気炉精錬に当つて電力消費が少
なくて済むペレツト、さらに上・底吹き転炉、ア
ーク式電気炉で溶製されるステンレス鋼の原料の
一部として直接利用できるような高い還元率のペ
レツトを有利に製造する方法について提案する。 (従来の技術) クロム還元ペレツトを製造する従来技術として
は、特公昭48−37885号公報に開示の方法が代表
的な方法として知られている。この技術は、粉状
のクロム鉱石100重量部に対し、内装炭を20〜25
重量部混合し、この混合物100重量部に対しベン
トナイト等のバインダー2〜6重量部と水3〜6
重量部を添加した調湿混合粉を造粒して含炭クロ
ム生ペレツトとし、この生ペレツトを乾燥してか
らロータリーキルンの炉尻から該キルン内に装入
し、1000〜1500℃の温度で還元焙焼し羽口より排
出しその後電気炉内に投入して高クロム還元ペレ
ツトとする方法である。 この従来技術の場合、該キルン内でクロム及び
鉄の還元反応が進行する1000〜1500℃の温度領域
(以下、単に「還元領域」という)にペレツトが
滞留している時間は、せいぜい1.5〜2.5時間と比
較的短く、得られるクロム還元ペレツトの還元率
は、クロムが45〜65%、鉄では85〜95%程度に止
まつていた。 (発明が解決しようとする問題点) 上述した従来技術にかかるクロム還元ペレツト
の製造方法は、ペレツトのクロム還元率が最大で
も65%程度のものしか得ることができない。 また、キルン排ガス中には未燃焼のCOガスが
残つておりエネルギー損失が大きい。 さらに、得られた還元ペレツトは還元率が45〜
65%程度であるから、電気炉精錬において消費さ
れる電力原単位も大きく、コスト高となる他、電
気炉で精錬してフエロクロムとした後でなけれ
ば、所謂ステンレス溶製工程に直接使用するよう
なことができないという欠点があつた。 (問題点を解決するための手段) 上述の従来技術が抱えている問題点に対し、本
発明は、 クロム鉱石と内装炭素質還元剤とを使つて造粒
した生ペレツトを、ロータリーキルン内に装入し
て外装炭素質還元剤共存下でバーナーの燃焼によ
り還元焙焼し、クロム還元ペレツトを製造する方
法において、 前記バーナーの燃焼空気量を理論空気量の1〜
1.2倍に調整し、かつ羽口側より侵入する流入空
気量を前記空気量の20vol%以下に調整して、前
記キルン内の内圧が負圧になるように制御し、 このように雰囲気制御された該キルン内の温度
が1000〜1500℃を示す還元領域に3〜7時間の間
ペレツトを滞留させ、しかもこの還元領域には該
領域内燃焼ガスおよび過剰空気の全量をCOガス
に還元するのに必要な量の前記外装炭素質還元剤
を残留させ、そして、該キルン内の温度が700〜
1000℃を示す予熱領域には、この位置に配設した
空気供給口より、前記還元領域で生成するCOを
全量CO2に燃焼させるのに必要な量の空気を吹込
むこと、を特徴とする方法の採用により、 高還元率のクロム還元ペレツトを製造する方
法、を上記課題解決の手段として提案する。 (作用) 本発明方法で用いる原料は、予め所定量の内装
炭を配合した含炭クロム生ペレツトであるが、こ
の含炭クロム生ペレツトはクロム鉱石粉と内装炭
(コークス粉)を混合したものに、ベントナイト
や水などのバインダーを加えて混合し、パン型ペ
レタイザーにより造粒し、その後乾燥して得られ
る。前記含炭クロム生ペレツトは、ロータリーキ
ルン1の炉尻2に配設されている原料投入シユー
ト(図示せず)より、外装炭とともに装入され、
所定の時間キルン内で転動しながら次第に羽口方
向へ移動し、その間羽口3部に取付けたバーナー
(図示せず)の燃焼加熱を介して還元焙焼され、
該羽口3部から排出される。 かかるロータリーキルン1内は、前記バーナー
の燃焼により加熱される。このときのロータリー
キルン内の温度勾配を第1図に示す。 装入された生ペレツトの該ロータリーキルン1
内での挙動についてみると、該キルン内では、
1000℃以下の領域ではFeが若干還元されるが、
クロムはまだ還元されない。この温度領域(以
下、単に「予熱領域」という)に続く1000〜1500
℃の温度領域、すなわち還元領域に達して始めて
Crの還元が進行する。還元領域においては、下
記反応式に示すように、Cr及びFeが内装炭によ
つて還元され、クロムカーバイド、鉄カーバイド
を生成する。 7Cr2O3+27C=2Cr7C3+21CO 3FeO+4C=Fe3C+3CO また、この還元領域における反応により生成し
た多量のCOガスは、予熱領域に位置するロータ
リーキルン1長手方向の中央部分に設けた空気供
給口4からの吹込み空気により、全量CO2ガスに
燃焼させることが必要である。 一方、前記還元領域に過剰な空気が存在する
と、該還元領域の温度が低下する上さらに酸素分
圧も上昇するために、還元反応が進行しにくな
り、Cr、Feの還元率が低下する。 このロータリーキルン1内を還元性雰囲気にす
るには、羽口3からのO2の侵入を遮断すれば良
い。しかしながら、一方では羽口3側を負圧とし
てバツクフアイアーを防止するために、またバー
ナーとその付帯設備の保全のために、多少の侵入
空気は必要であり、このための最適範囲として本
発明では、前記バーナーの燃焼空気量を理論空気
量の1〜1.2倍に調整し、かつ該キルンの内圧が
負圧になるように羽口より侵入する流入空気量を
前記理論空気量の20vol%以下に調整することと
した。 このような調整を行うことによつて、キルン内
の温度を低下させることなく還元率を向上させる
ことができる。しかも、還元ペレツトが十分に加
熱されるので、FeOリツチな低融点のスラグを生
成することもなくなり、還元ペレツト同志あるい
は還元ペレツトとキルンのれんがとの融着も防止
できる。 しかし、上述のように還元領域での酸素分圧を
低下させても、なおバーナーの燃焼ガスおよび侵
入空気からのCO2ガス、O2ガスは存在するから還
元ペレツトの還元率が低下するのを防止するおそ
れがあり、これを阻止するためには所定量の外装
炭を存在させることが必要である。この外装炭の
量は次のようにして決定される。すなわち、高温
領域にあるCO2ガスについては、Cが存在すると
下記反応式によつて直ちににCOガスにまで還元
される。従つて、還元領域に羽口3より侵入する
過剰O2ガスと燃焼により生成するCO2ガスの量に
応じて、それらを全量COガスまで還元するに足
る量を計算し、必要外装炭量とする。 O2+C→CO2 CO2+C→2CO この外装炭は、ロータリーキルン1の炉尻2よ
り供給する他、必要によつては700〜1000℃に当
たる予熱領域の特に高温帯(キルン長手方向の略
中央部)より投入できるようにする。また、ペレ
ツトの還元領域での滞留時間は、ロータリーキル
ン1の長さ、傾斜、原料の安息角及び回転数に密
接な関係がある。クロム還元ペレツトの製造にお
いては、ロータリーキルン内の温度を1500℃以下
で操業しないと、ペレツト同志の融着もしくはペ
レツトとれんがの融着が起こるため、最高温度を
1500℃に抑えなければならない。そのために、還
元帯における滞留時間が3時間以下になると、還
元率が65%以下程度となつてしまう。また未反応
のクロム酸化物が多く残る結果となる。従つて、
還元領域における焼成中の滞留時間は第3図から
明らかなように3〜7時間とするのが望ましい。
また、7時間を超えると還元率の向上には効果が
無くなるとともに生産性が低下する。 次に、キルン内予熱領域の挙動について説明す
ると、前記還元領域でペレツトと内装炭との反応
により発生したCOが、常に炉尻2方向に向つて
流れることになるが、このCOガスが未燃焼COガ
スのままで炉尻2より排出されると、ロータリー
キルン1内の温度が上昇せずにペレツトの予熱温
度が低下するし、また未燃エネルギー損失も大き
くなる。そこで、本発明では、前述のように予熱
領域の700〜1000℃の温度領域に設けた空気供給
口4から空気を流入させ、前記COガスを全量
CO2ガスにするまで燃焼させる。具体的には、炉
尻2にCO検知器を設け、このCO検知器でCO2ガ
スが検出されないようになるまで行う。この検知
器を設けてCOガスが検出されないようにする際、
過剰の空気が該キルン内に残らないようにしない
と、かえつてロータリーキルン1の炉内温度を低
下させる結果となるので注意を要する。 以上に説明したようなロータリーキルンの操業
を行うことによつて、本発明ではクロムの還元率
が70〜95%の高クロム還元ペレツトを製造するこ
とができる。 (実施例) 例 1 クロム鉱石と内装炭とを粘結剤を使つて造粒し
た生ペレツトを、第1図に示したロータリーキル
ン1内に装入して外装コークス(外装炭)5共存
下でバーナーの燃焼により還元焙焼し、クロム還
元ペレツトを製造する方法において、 200メツシユ以下のクロム鉱石粉100重量部に対
し、内装炭用コークス25重量部を混合し、さらに
ベントナイト5重量部、水6重量部添加し、ペレ
タイザーで平均粒径10mmφとなるように造粒し、
乾燥して含炭生ペレツトとした。使用した含炭生
ペレツトの性状を表−1、外装コークスの性状を
表−2に示し、バーナーに用いた燃料の性状を表
−3にそれぞれ示した。
し、特にクロム鉱石粉と内装炭素質還元剤(以
下、単に「内装炭」という)との混合粉末原料に
粘結剤を加えて造粒し、これをロータリーキルン
中で外装炭素質還元剤(以下、単に「外装炭」と
いう)とともに転動させつつ還元焙焼して、クロ
ム還元ペレツトを製造する方法に関し、特に高い
還元率のクロム還元ペレツトを製造することによ
つて、次工程の電気炉精錬に当つて電力消費が少
なくて済むペレツト、さらに上・底吹き転炉、ア
ーク式電気炉で溶製されるステンレス鋼の原料の
一部として直接利用できるような高い還元率のペ
レツトを有利に製造する方法について提案する。 (従来の技術) クロム還元ペレツトを製造する従来技術として
は、特公昭48−37885号公報に開示の方法が代表
的な方法として知られている。この技術は、粉状
のクロム鉱石100重量部に対し、内装炭を20〜25
重量部混合し、この混合物100重量部に対しベン
トナイト等のバインダー2〜6重量部と水3〜6
重量部を添加した調湿混合粉を造粒して含炭クロ
ム生ペレツトとし、この生ペレツトを乾燥してか
らロータリーキルンの炉尻から該キルン内に装入
し、1000〜1500℃の温度で還元焙焼し羽口より排
出しその後電気炉内に投入して高クロム還元ペレ
ツトとする方法である。 この従来技術の場合、該キルン内でクロム及び
鉄の還元反応が進行する1000〜1500℃の温度領域
(以下、単に「還元領域」という)にペレツトが
滞留している時間は、せいぜい1.5〜2.5時間と比
較的短く、得られるクロム還元ペレツトの還元率
は、クロムが45〜65%、鉄では85〜95%程度に止
まつていた。 (発明が解決しようとする問題点) 上述した従来技術にかかるクロム還元ペレツト
の製造方法は、ペレツトのクロム還元率が最大で
も65%程度のものしか得ることができない。 また、キルン排ガス中には未燃焼のCOガスが
残つておりエネルギー損失が大きい。 さらに、得られた還元ペレツトは還元率が45〜
65%程度であるから、電気炉精錬において消費さ
れる電力原単位も大きく、コスト高となる他、電
気炉で精錬してフエロクロムとした後でなけれ
ば、所謂ステンレス溶製工程に直接使用するよう
なことができないという欠点があつた。 (問題点を解決するための手段) 上述の従来技術が抱えている問題点に対し、本
発明は、 クロム鉱石と内装炭素質還元剤とを使つて造粒
した生ペレツトを、ロータリーキルン内に装入し
て外装炭素質還元剤共存下でバーナーの燃焼によ
り還元焙焼し、クロム還元ペレツトを製造する方
法において、 前記バーナーの燃焼空気量を理論空気量の1〜
1.2倍に調整し、かつ羽口側より侵入する流入空
気量を前記空気量の20vol%以下に調整して、前
記キルン内の内圧が負圧になるように制御し、 このように雰囲気制御された該キルン内の温度
が1000〜1500℃を示す還元領域に3〜7時間の間
ペレツトを滞留させ、しかもこの還元領域には該
領域内燃焼ガスおよび過剰空気の全量をCOガス
に還元するのに必要な量の前記外装炭素質還元剤
を残留させ、そして、該キルン内の温度が700〜
1000℃を示す予熱領域には、この位置に配設した
空気供給口より、前記還元領域で生成するCOを
全量CO2に燃焼させるのに必要な量の空気を吹込
むこと、を特徴とする方法の採用により、 高還元率のクロム還元ペレツトを製造する方
法、を上記課題解決の手段として提案する。 (作用) 本発明方法で用いる原料は、予め所定量の内装
炭を配合した含炭クロム生ペレツトであるが、こ
の含炭クロム生ペレツトはクロム鉱石粉と内装炭
(コークス粉)を混合したものに、ベントナイト
や水などのバインダーを加えて混合し、パン型ペ
レタイザーにより造粒し、その後乾燥して得られ
る。前記含炭クロム生ペレツトは、ロータリーキ
ルン1の炉尻2に配設されている原料投入シユー
ト(図示せず)より、外装炭とともに装入され、
所定の時間キルン内で転動しながら次第に羽口方
向へ移動し、その間羽口3部に取付けたバーナー
(図示せず)の燃焼加熱を介して還元焙焼され、
該羽口3部から排出される。 かかるロータリーキルン1内は、前記バーナー
の燃焼により加熱される。このときのロータリー
キルン内の温度勾配を第1図に示す。 装入された生ペレツトの該ロータリーキルン1
内での挙動についてみると、該キルン内では、
1000℃以下の領域ではFeが若干還元されるが、
クロムはまだ還元されない。この温度領域(以
下、単に「予熱領域」という)に続く1000〜1500
℃の温度領域、すなわち還元領域に達して始めて
Crの還元が進行する。還元領域においては、下
記反応式に示すように、Cr及びFeが内装炭によ
つて還元され、クロムカーバイド、鉄カーバイド
を生成する。 7Cr2O3+27C=2Cr7C3+21CO 3FeO+4C=Fe3C+3CO また、この還元領域における反応により生成し
た多量のCOガスは、予熱領域に位置するロータ
リーキルン1長手方向の中央部分に設けた空気供
給口4からの吹込み空気により、全量CO2ガスに
燃焼させることが必要である。 一方、前記還元領域に過剰な空気が存在する
と、該還元領域の温度が低下する上さらに酸素分
圧も上昇するために、還元反応が進行しにくな
り、Cr、Feの還元率が低下する。 このロータリーキルン1内を還元性雰囲気にす
るには、羽口3からのO2の侵入を遮断すれば良
い。しかしながら、一方では羽口3側を負圧とし
てバツクフアイアーを防止するために、またバー
ナーとその付帯設備の保全のために、多少の侵入
空気は必要であり、このための最適範囲として本
発明では、前記バーナーの燃焼空気量を理論空気
量の1〜1.2倍に調整し、かつ該キルンの内圧が
負圧になるように羽口より侵入する流入空気量を
前記理論空気量の20vol%以下に調整することと
した。 このような調整を行うことによつて、キルン内
の温度を低下させることなく還元率を向上させる
ことができる。しかも、還元ペレツトが十分に加
熱されるので、FeOリツチな低融点のスラグを生
成することもなくなり、還元ペレツト同志あるい
は還元ペレツトとキルンのれんがとの融着も防止
できる。 しかし、上述のように還元領域での酸素分圧を
低下させても、なおバーナーの燃焼ガスおよび侵
入空気からのCO2ガス、O2ガスは存在するから還
元ペレツトの還元率が低下するのを防止するおそ
れがあり、これを阻止するためには所定量の外装
炭を存在させることが必要である。この外装炭の
量は次のようにして決定される。すなわち、高温
領域にあるCO2ガスについては、Cが存在すると
下記反応式によつて直ちににCOガスにまで還元
される。従つて、還元領域に羽口3より侵入する
過剰O2ガスと燃焼により生成するCO2ガスの量に
応じて、それらを全量COガスまで還元するに足
る量を計算し、必要外装炭量とする。 O2+C→CO2 CO2+C→2CO この外装炭は、ロータリーキルン1の炉尻2よ
り供給する他、必要によつては700〜1000℃に当
たる予熱領域の特に高温帯(キルン長手方向の略
中央部)より投入できるようにする。また、ペレ
ツトの還元領域での滞留時間は、ロータリーキル
ン1の長さ、傾斜、原料の安息角及び回転数に密
接な関係がある。クロム還元ペレツトの製造にお
いては、ロータリーキルン内の温度を1500℃以下
で操業しないと、ペレツト同志の融着もしくはペ
レツトとれんがの融着が起こるため、最高温度を
1500℃に抑えなければならない。そのために、還
元帯における滞留時間が3時間以下になると、還
元率が65%以下程度となつてしまう。また未反応
のクロム酸化物が多く残る結果となる。従つて、
還元領域における焼成中の滞留時間は第3図から
明らかなように3〜7時間とするのが望ましい。
また、7時間を超えると還元率の向上には効果が
無くなるとともに生産性が低下する。 次に、キルン内予熱領域の挙動について説明す
ると、前記還元領域でペレツトと内装炭との反応
により発生したCOが、常に炉尻2方向に向つて
流れることになるが、このCOガスが未燃焼COガ
スのままで炉尻2より排出されると、ロータリー
キルン1内の温度が上昇せずにペレツトの予熱温
度が低下するし、また未燃エネルギー損失も大き
くなる。そこで、本発明では、前述のように予熱
領域の700〜1000℃の温度領域に設けた空気供給
口4から空気を流入させ、前記COガスを全量
CO2ガスにするまで燃焼させる。具体的には、炉
尻2にCO検知器を設け、このCO検知器でCO2ガ
スが検出されないようになるまで行う。この検知
器を設けてCOガスが検出されないようにする際、
過剰の空気が該キルン内に残らないようにしない
と、かえつてロータリーキルン1の炉内温度を低
下させる結果となるので注意を要する。 以上に説明したようなロータリーキルンの操業
を行うことによつて、本発明ではクロムの還元率
が70〜95%の高クロム還元ペレツトを製造するこ
とができる。 (実施例) 例 1 クロム鉱石と内装炭とを粘結剤を使つて造粒し
た生ペレツトを、第1図に示したロータリーキル
ン1内に装入して外装コークス(外装炭)5共存
下でバーナーの燃焼により還元焙焼し、クロム還
元ペレツトを製造する方法において、 200メツシユ以下のクロム鉱石粉100重量部に対
し、内装炭用コークス25重量部を混合し、さらに
ベントナイト5重量部、水6重量部添加し、ペレ
タイザーで平均粒径10mmφとなるように造粒し、
乾燥して含炭生ペレツトとした。使用した含炭生
ペレツトの性状を表−1、外装コークスの性状を
表−2に示し、バーナーに用いた燃料の性状を表
−3にそれぞれ示した。
【表】
【表】
【表】
上記含炭クロム生ペレツト100重量部と、外装
コークス7重量部を煉瓦内径2mφ×36mlのロー
タリーキルンに装入し、上記燃料を炉内壁最高温
度帯を1450℃、排出される還元ペレツトの温度が
1350℃になるように供給し、同時にバーナーで使
用する燃焼用空気を表−3中の理論空気A0とし、
羽口部から流入する空気をA0×0.20、予熱領域の
高温部(700〜1000℃)から吹込む空気量をA0×
0.5として燃焼し、ロータリーキルンの還元領域
での滞留時間が3時間となるようにして3日間連
続操業して得られた高還元率クロムペレツトの化
学組成を表−4、キルン排ガスの分析値を表−5
に示す。
コークス7重量部を煉瓦内径2mφ×36mlのロー
タリーキルンに装入し、上記燃料を炉内壁最高温
度帯を1450℃、排出される還元ペレツトの温度が
1350℃になるように供給し、同時にバーナーで使
用する燃焼用空気を表−3中の理論空気A0とし、
羽口部から流入する空気をA0×0.20、予熱領域の
高温部(700〜1000℃)から吹込む空気量をA0×
0.5として燃焼し、ロータリーキルンの還元領域
での滞留時間が3時間となるようにして3日間連
続操業して得られた高還元率クロムペレツトの化
学組成を表−4、キルン排ガスの分析値を表−5
に示す。
【表】
【表】
例 2
上記実施例1と同様にして含炭クロム生ペレツ
トを製造し、前記含炭クロムペレツト100重量部
と、外装コークス7重量部を煉瓦内径2mφ×36
mのロータリーキルンに装入し、上記燃料を炉内
壁最高温度帯を1450℃、排出される還元ペレツト
の温度が1350℃になるように供給し、同時にバー
ナーで使用する燃焼用空気を表−3中の理論空気
A0とし、羽口部から流入する空気をA0×0.20、
予熱領域の高温部(700〜1000℃)から吹込む空
気量をA0×0.5として燃焼し、ロータリーキルン
の還元領域での滞留時間が4時間となるようにし
て3日間連続操業して得られた高還元率クロムペ
レツトの化学組成を表−6、キルン排ガスの分析
値を表−7に示す。
トを製造し、前記含炭クロムペレツト100重量部
と、外装コークス7重量部を煉瓦内径2mφ×36
mのロータリーキルンに装入し、上記燃料を炉内
壁最高温度帯を1450℃、排出される還元ペレツト
の温度が1350℃になるように供給し、同時にバー
ナーで使用する燃焼用空気を表−3中の理論空気
A0とし、羽口部から流入する空気をA0×0.20、
予熱領域の高温部(700〜1000℃)から吹込む空
気量をA0×0.5として燃焼し、ロータリーキルン
の還元領域での滞留時間が4時間となるようにし
て3日間連続操業して得られた高還元率クロムペ
レツトの化学組成を表−6、キルン排ガスの分析
値を表−7に示す。
【表】
【表】
例 3
上記実施例1と同様にして含炭クロム生ペレツ
トを製造し、前記含炭クロムペレツト100重量部
と、外装コークス7重量部を煉瓦内径2mφ×36
mのロータリーキルンに装入し、上記燃料を炉内
壁最高温度帯を1450℃、排出される還元ペレツト
の温度が1350℃になるように供給し、同時にバー
ナーで使用する燃焼用空気を表−3中の論理空気
A0とし、羽口部から流入する空気をA0×0.20、
予熱領域の高温部(700〜1000℃)から吹込む空
気量をA0×0.5とし燃焼し、ロータリーキルンの
還元領域での滞留時間が4.5時間となるようにし
て3日間連続操業して得られた高還元率クロムペ
レツトの化学組成を表−8、キルン排ガスの分析
値を表−9に示す。
トを製造し、前記含炭クロムペレツト100重量部
と、外装コークス7重量部を煉瓦内径2mφ×36
mのロータリーキルンに装入し、上記燃料を炉内
壁最高温度帯を1450℃、排出される還元ペレツト
の温度が1350℃になるように供給し、同時にバー
ナーで使用する燃焼用空気を表−3中の論理空気
A0とし、羽口部から流入する空気をA0×0.20、
予熱領域の高温部(700〜1000℃)から吹込む空
気量をA0×0.5とし燃焼し、ロータリーキルンの
還元領域での滞留時間が4.5時間となるようにし
て3日間連続操業して得られた高還元率クロムペ
レツトの化学組成を表−8、キルン排ガスの分析
値を表−9に示す。
【表】
【表】
(発明の効果)
以上説明したように本発明によれば、電気炉精
錬における精錬コストを低くすることができる
他、さらにはステンレス溶製工程に直接使い得る
程度の高いクロム還元率のペレツトを、精錬工程
(電気炉)を経ることなく製造でき、しかも排ガ
ス中の未燃焼COを極力少なくすることができる。
錬における精錬コストを低くすることができる
他、さらにはステンレス溶製工程に直接使い得る
程度の高いクロム還元率のペレツトを、精錬工程
(電気炉)を経ることなく製造でき、しかも排ガ
ス中の未燃焼COを極力少なくすることができる。
第1図は、ロータリーキルンの概略図、第2図
は、ロータリーキルン内の温度勾配を示すグラ
フ、第3図は、還元領域での滞留時間とクロム還
元率との関係を示すグラフである。 1……ロータリーキルン、2……炉尻、3……
羽口、4……空気供給口、5……外装コークス。
は、ロータリーキルン内の温度勾配を示すグラ
フ、第3図は、還元領域での滞留時間とクロム還
元率との関係を示すグラフである。 1……ロータリーキルン、2……炉尻、3……
羽口、4……空気供給口、5……外装コークス。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 クロム鉱石と内装炭素質還元剤とを使つて造
粒した生ペレツトを、ロータリーキルン内に装入
して外装炭素質還元剤共存下でバーナーの燃焼に
より還元焙焼し、クロム還元ペレツトを製造する
方法において、 前記バーナーの燃焼空気量を理論空気量の1〜
1.2倍に調整し、かつ羽口側より侵入する流入空
気量を前記空気量の20vol%以下に調整して、前
記キルン内の内圧が負圧になるように制御し、 このように雰囲気制御された該キルン内の温度
が1000〜1500℃を示す還元領域に3〜7時間の間
ペレツトを滞留させ、しかもこの還元領域には該
領域内燃焼ガスおよび過剰空気の全量をCOガス
に還元するのに必要な量の前記外装炭素質還元剤
を残留させ、そして、該キルン内の温度が700〜
1000℃を示す予熱領域には、この位置に配設した
空気供給口より、前記還元領域で生成するCOを
全量CO2に燃焼させるのに必要な量の空気を吹込
むこと、を特徴とするクロム還元ペレツトの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6914987A JPS63235436A (ja) | 1987-03-25 | 1987-03-25 | クロム還元ペレツトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6914987A JPS63235436A (ja) | 1987-03-25 | 1987-03-25 | クロム還元ペレツトの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63235436A JPS63235436A (ja) | 1988-09-30 |
JPH0555577B2 true JPH0555577B2 (ja) | 1993-08-17 |
Family
ID=13394320
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6914987A Granted JPS63235436A (ja) | 1987-03-25 | 1987-03-25 | クロム還元ペレツトの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63235436A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2835000B1 (fr) * | 2002-01-21 | 2004-11-05 | Delachaux Sa | Procede de fabrication d'elements metalliques au moyen d'un creuset |
CN110273040B (zh) * | 2019-08-02 | 2020-12-11 | 唐山鑫虎冶金科技有限公司 | 铁粉冷压还原装置及方法 |
JP7338309B2 (ja) * | 2019-08-06 | 2023-09-05 | 住友金属鉱山株式会社 | 酸化鉱石の製錬方法 |
-
1987
- 1987-03-25 JP JP6914987A patent/JPS63235436A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63235436A (ja) | 1988-09-30 |
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