JPH0550988B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、ガイド部材に沿つて往復搬送される
印字ヘツドを有するシリアルプリンタに関するも
のである。

［従来の技術］ 従来より、シリアルプリンタでは、印字ヘツド
に駆動信号を供給するために、ガイド部材に沿つ
て往復搬送される印字ヘツドと駆動回路との間に
フレキシブルケーブルを接続してある。

印字ヘツドはフレキシブルケーブルの一端部が
接続された状態で往復移動するので、フレキシブ
ルケーブルは、印字ヘツドの位置に対応してその
屈曲部が刻々に変化する。しかしながらフレキシ
ブルケーブルはリボンカセツトとプリンタケース
の底板との間の狭い間隙に配設してあり、その狭
い間隙内で屈曲するので、摺動負荷による中だる
みや印字ヘツドのキヤリツジの下部への巻込みが
生じたり、リボンカセツトや底板などとの摺動摩
擦によりフレキシブルケーブルの表面が摩耗して
配線パターンが露出し、さらには断線して導通不
良を生じるなどの問題があり、特に超高速のプリ
ンタを実現しようとする場合には、これらは大き
な問題となつていた。さらにフレキシブルケーブ
ルに外部から電磁波が入ると、プリンタに誤動作
を生じ、またフレキシブルケーブルから電磁波ノ
イズを発生すると、プリンタの周囲の機器に悪影
響を及ぼすなどの問題があつた。

そこで従来から、フレキシブルケーブルの表面
には、補強板（保護カバー）を設けたものが提案
されている（例えば実開昭62−15954号公報）。

［解決しようとする課題］ ところが、印字ヘツドやこのヘツドに接続して
あるフレキシブルケーブルを取換える場合には、
補強板があるため、その取換え作業が煩雑にな
る。即ち、メンテナンスが煩雑になるのである。

そこで本発明の目的は、補強板を設けてあるフ
レキシブルケーブルと印字ヘツドの取換え作業を
容易にしたシリアルプリンタを提供することにあ
る。

［課題を解決するための手段］ 本願考案の特徴は、フレキシブルケーブルの屈
曲状態における内側に沿つて配設された補強板
は、フレキシブルケーブルを覆う大きさのシール
ド電極を含む可撓性を有するものであり、この補
強板は、プリンタの地板に連結される側の端部に
おいて、一方の側縁はコ字状に屈成されてプリン
タの地板に固着され、他方の側縁には舌片が形成
してあり、上記舌片には、係止穴が形成してあり
この係止穴がプリンタ本体に設けられた係止爪に
係止されることにより補強板を上記フレキシブル
ケーブルと対接する状態に保持するものであり、
プリンタのケースには、突起が形成してあり、こ
の突起は補強板をフレキシブルケーブルとの対接
位置から外したときに舌片に係合して補強板の端
部を仮保持するものであるところにある。

［実施例］ 本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１，２図に示すように、プラテン１に対向す
る印字ヘツド２は、キヤリツジ３上に固定されて
おり、キヤリツジ３を介してガイド軸４，４に沿
つて往復搬送される。印字ヘツド２には、フレキ
シブルケーブル５の一方の端部が接続してあり、
フレキシブルケーブル５の他方の端部は、コネク
タ６を介して駆動回路（図示せず）に接続してあ
り、この駆動回路はカバー板７に覆われてプリン
タの地板１０に固着してある。このフレキシブル
ケーブル５によつて印字ヘツド２と駆動回路との
間の導通をとつている。

フレキシブルケーブル５の屈曲状態における少
なくとも内側には、補強板８が対接して配設して
ある。補強板８は、第３図示のように、３層に形
成してあり、中心層が銅箔などの導電性材料の薄
板からなるシールド電極８１であり、その両面を
ポリエステルなどの可撓性を有する絶縁性のシー
ト８２，８３で挾着したものである。シールド電
極８１の大きさは、フレキシブルケーブル５を覆
う大きさのものである。

フレキシブルケーブル５および補強板８のキヤ
リツジ３側の取付構造について説明する。第１，
４図示のように、キヤリツジ３には、台３１が一
体に形成してあり、この台と所定の間隙で一体形
成してある押え片３２との間隙には、90度に折返
されたフレキシブルケーブル５が、補強板８の一
方の端部と一緒に挾み込まれている。補強板８の
一方、つまり印字ヘツド２に近接している端部に
は、側方に向つて突出する突出片８ａが設けてあ
り、この突出片に係止孔８ｂが穿設してある。台
３１には、補強板８の端辺とフレキシブルケーブ
ル５の折返し辺とを位置決めする突条３３と、係
止孔８ｂに係止する係止爪３４とが一体に形成し
てある。係止爪３４は、係止孔８ｂに係止してそ
の位置決めをするとともに、補強板８が抜け出な
いように規制している。

つぎに補強板８のプリンタの地板１０への取付
構造について説明する。第１，５，６図示のよう
に、補強板８の他方、プリンタ地板１０に近接し
た端部において、一方の側縁はコ字状に屈成さ
れ、そのためアース片８ｃが側方へ突出してい
る。このアース片８ｃではシールド電極８１が露
出するように一方のシート８２が除去され、シー
ルド電極８１の一部はハンダメツキされている。
そして、アース片８ｃは、地板１０に上記のハン
ダメツキ部でねじ９により固定してある。なお地
板１０はグランド電位に落されたものであるの
で、これによつてシールド電極８１は地板１０を
介してグランド電位に落されたことになる。また
アース片８ｃと反対の側縁には、舌片８ｄが一体
的に突設してあり、この舌片には、係止孔８ｅが
設けてある。カバー板７には係止爪７１が一体形
成してあり、係止爪７１を係止孔８ｅに係止する
ことによつて、補強板８をフレキシブルケーブル
５との対接位置に保持するようになつている。

また、第６図に示すように、プリンタのケース
１１には、アース片８ｃの上方の位置に、突起１
１ａが一体的に垂設してあり、この図面に鎖線で
示すように、舌片８ｄをこの突起に係止すること
によつて、補強板８をフレキシブルケーブル５か
ら離れた状態に仮保持させることができる。

このような構造であるので、印字ヘツド２をキ
ヤリツジ３に装着したら、まず補強板８をそのア
ース片８ｃでねじ９によつて地板１０に固定し、
第６図鎖線にて示すように補強板８をその幅方向
に立てて舌片８ｄを突起１１ａに係止させてその
位置を保持しておく。ついで、フレキシブルケー
ブル５をコネクタ６を介して駆動回路に接続し、
補強板８の舌片８ｄを突起１１ａから外し、アー
ス片８ｃを屈曲させてフレキシブルケーブル５に
対接させ、係止孔８ｅに係止爪７１を係止する。
ついで、フレキシブルケーブル５の折返し辺と補
強板８の端部とを重ね、台３１と押え片３２との
間に挿入しながら係止孔８ｂに係止爪３４を係止
する。これによつてフレキシブルケーブル５およ
び補強板８の連結を完了する。

メンテナンスにおいて、印字ヘツド２の交換の
場合には、第６図鎖線図示のように、補強板８の
舌片８ｄを持上げて、係止爪７１を係止孔８ｅか
ら外し、そのまま舌片８ｄを矢印のように上に持
上げて突起１１ａに係止する。この状態でフレキ
シブルケーブル５をコネクタ６から抜く。ついで
突出片８ａを持ち上げて係止爪３４を係止孔８ｂ
から外しながら、フレキシブルケーブル５と補強
板８とを同時に台３１と押え片３２から抜き出
し、フレキシブルケーブル５をヘツド２と一緒に
取り外す。

そこで新しい印字ヘツドをキヤリツジ３に固定
したら、フレキシブルケーブル５と補強板８とを
上記した連結時と同様な手順で、コネクタ６側を
先に連結し、ついでキヤリツジ３とに連結する。
このように印字ヘツド２の交換作業は、補強板８
をプリンタの地板１０に固定したままの状態で、
補強板８を取外すことも交換することもなく行う
ことができる。

なお前記実施例において、補強板８は、シール
ド電極８１をプラスチツクのシート８２，８３で
挾んで３層に形成しているが、これに限られるも
のでなく、シールド電極をプラスチツクのシート
の一面に形成した２層のものでもよい。またシー
ルド電極８１はグランド電位に落とされていれば
よく、プリンタの地板１０に接続されるものに限
定されない。

また補強板８は、フレキシブルケーブル５の屈
曲状態における内面のみでなく、その両面に配設
してもよい。

［効果］ このような構成を有する本発明のシリアルプリ
ンタは、フレキシブルケーブルの屈曲状態におけ
る内側に沿つて補強板を配設し、この補強板のプ
リンタの地板に連結される側の端部において、舌
片に形成された係止穴とこの穴を係止する係止爪
とによつて、この補強板をフレキシブルケーブル
と対接する状態に保持することができ、さらにこ
の舌片とケースの突起とによつてフレキシブルケ
ーブルから離れた位置に、この補強板を安定して
仮保持できるので、組立時や、印字ヘツドの交換
時などにおける作業性が向上する。

勿論、補強板がフレキシブルケーブルの屈曲状
態における内面に対接し、フレキシブルケーブル
の弾性を高めて屈曲運動が安定に行なわれるよう
に補助しているので、フレキシブルケーブルの中
だるみや巻込みを生じることはなく、超高速の印
字を円滑に行うことができる。

また補強板をフレキシブルケーブルの両面に配
設すると、上記の効果に加えて、印字に際してリ
ボンカセツトがセツトされてヘツドが往復移動す
るとき、フレキシブルケーブルがリボンカセツト
と地板との狭い間隙で屈曲状態となり、摺動摩擦
によつて表面が磨耗し、配線パターンが露出し、
断線して導通不良を生じるなどのことを防止する
のに効果的である。

また補強板はシールド電極を含んでいるので、
外部からの電磁波を遮断してプリンタの誤動作を
排除するとともに、電磁波ノイズの発生を防止で
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は要部の一部切欠斜視図、第２図は拡大背面図、
第３図は補強板の拡大一部切欠断面図、第４図は
フレキシブルケーブルおよび補強板のキヤリツジ
側の取付けを説明する拡大斜視図、第５図はフレ
キシブルケーブルおよび補強板のコネクタ側の取
付けを説明する拡大斜視図、第６図は補強板を仮
保持する状態を説明する拡大断面図である。 ２……印字ヘツド、４……ガイド軸、５……フ
レキシブルケーブル、７１……係止爪、８……補
強板、８ｄ……舌片、８ｅ……係止穴、８１……
シールド電極、１０……プリンタの地板、１１…
…プリンタのケース、１１ａ……突起。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガイド軸に沿つて往復搬送される印字ヘツド
   と、一端部が上記印字ヘツドに接続されたフレキ
   シブルケーブルと、上記フレキシブルケーブルの
   屈曲状態における内側に沿つて配設された補強板
   とを具備するシリアルプリンタにおいて、 上記補強板は、上記フレキシブルケーブルを覆
   う大きさのシールド電極を含む可撓性を有するも
   のであり、 上記補強板は、プリンタの地板に連結される側
   の端部において、一方の側縁はコ字状に屈成され
   てプリンタの地板に固着され、他方の側縁には舌
   片が形成してあり、 上記舌片には、係止穴が形成してありこの係止
   穴がプリンタ本体に設けられた係止爪に係止され
   ることにより上記補強板を上記フレキシブルケー
   ブルと対接する状態に保持するものであり、 プリンタのケースには、突起が形成してあり、 上記突起は、上記補強板を上記フレキシブルケ
   ーブルとの対接位置から外したときに上記舌片に
   係合して上記補強板の端部を仮保持するものであ
   る。 ことを特徴とするシリアルプリンタ。