JPH0546753U - キャップ付き容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シート体のよれを防止することができ、キャ
ップの締込み・取外しを簡便に行えて操作性に優れるキ
ャップ付き容器を提供する。 【構成】 容器１の小径部位１３に、ねじ条５０を２条
対向させて設ける。各ねじ条５０…は肩部１２から若干
離して止端し、そこから凸部１５を縦に延設する。キャ
ップ２の内面２２に、対応ねじ条６０を２条対向させて
設ける。容器１の開口４をシート体３で覆う。キャップ
２の締込みでは、狭幅部位６１の先端を凸部１５に当接
させる。対応ねじ条６０…は、ねじ条５０…に対して密
着状態に螺合される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、容器に対してキャップを螺合により装着させるようなキャップ付き 容器に係わり、特に容器の開口をシート体で覆って収納物をシールするようにし たキャップ付き容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

キャップ付き容器として、例えば図８に示すように、円筒形の容器１００の外 周に雌ねじ部５００を設けるとともに、この容器１００と相対する円筒形のキャ ップ２００の内周に雄ねじ部６００を設け、雌ねじ部５００と雄ねじ部６００を 螺合させることにより容器１００に対してキャップ２００を装着するようにした ものが知られている。容器１００の開口はシート体３で覆い、収納物８をシール するようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら従来にあっては、密封性を上げるため、キャップ２００の裏面と 容器１００の開口縁との間にシート体３を挾み込むようにキャップ２００を締込 んで、キャップ２００と容器１００とを相互に押接させるようにしており、この ためキャップ２００を締込む際はもちろん、取外し時においてもシート体３がよ り回されてしまい、収納物８の外観を損うおそれがあった。

【０００４】 そこで、キャップ２００の裏面がシート体３に押接しないように両者間に空隙 を確保することが考えられている。例えば図９に示すように、キャップ２０１の 下縁部を容器１００側へ延ばして締込み時に該下縁部を容器１００の対応する段 部に押接させることにより、キャップ２０１の裏面とシート体３との間に空隙Ｓ を保持させるような構成が考えられる。ところがこの構成では、キャップ２０１ の延長した下縁部を容器１００の対応する段部に押接させることから、きつく締 込んだときにねじ部５００，６００相互間でくい込みを生じ、キャップ２０１が 開け難くなってしまうという不都合があった。

【０００５】 本考案は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シート体の よれを防止することができ、キャップの締込み・取外しを簡便に行えて操作性に 優れるキャップ付き容器を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため本考案は、ねじ部を有する容器と、該容器の開口を覆 って収納物をシールするシート体と、上記容器のねじ部に螺合される対応ねじ部 を有するキャップとを備えたキャップ付き容器において、上記容器のねじ部に上 記キャップの対応ねじ部を螺合させたとき、上記シート体と該キャップとの間に 空隙を保持させて該螺合を停止させる阻止手段と、該阻止手段による螺合の停止 時に両ねじ部を緊密化させる保持手段とを備えたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

本考案の作用について述べると、キャップを締込んだときにはシート体とキャ ップとの間に空隙が保持された状態で阻止手段によってその螺合が停止されると ともに、保持手段によりその停止が保持される。このため、キャップの締込みが 過大になるようなことがなく、またシート体とキャップ間に空隙が保たれてキャ ップがシート体に触れることがない。また、保持手段による停止の保持では、容 器のねじ部とキャップの対応ねじ部間の螺合状態を緊密化させるので、容器を封 止することができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例につき、添付図面を参照して説明する。図１は、本考案 にかかるキャップ付き容器の好適な一実施例を示す斜視図、図２はそのキャップ 付き容器の側面図、図３はその断面図である。図１および図２は各部を分離させ るとともに一部を破断して示しており、図３はキャップが螺合された状態を示し ている。

【０００９】 このキャップ付き容器は、容器１に対してキャップ２を螺合により装着させる ものであり、基本的には容器１およびその容器１に着脱自在なキャップ２と、収 納物をシールするためのシート体３とを備えて構成されている。

【００１０】 容器１は、円形の底部１０の周縁が一体的に立上げられて略円筒形状に成形さ れている。この底部１０の周縁から立上がる略円筒形の周壁部１１は、開口４側 の所定長について外周が若干小径に成形されて小径部位１３が形成されており、 この小径部位１３と底部１０側との間に肩部１２が形成されている。周壁部１１ の小径部位１３には、雌ねじ部５が構成されている。つまり、この小径部位１３ には、その外周を螺旋状に周回するねじ条５０が形成されており、本実施例では ねじ条５０が互いに相対向されて２条設けられている。

【００１１】 ねじ条５０…は、その断面が略台形状に成形されており、開口４の周縁をなす 縁面１４側から肩部１２側に向って時計回りに螺旋状に延びる状態に設けられて いて、右ねじを構成している。各ねじ条５０…は、そのまま螺旋状に肩部１２に 連なるのではなく、肩部１２から若干離れた位置で止端され、そこから今度は小 径部位１３の縦方向に沿って延ばされて肩部１２に連結されるようになっている 。この縦方向に延びる凸部１５は、断面を略矩形状に成形されている。２つのね じ条５０…は、小径部位１３の外周を各々半周強ほどの長さ周回され、また当該 容器１の中心軸に関して相互に対称とされており、結果的に各々の条端が軸対称 に位置されるようになっている。したがって、凸部１５と連なる条長部位に他方 のねじ条５０の条端部位が隣り合うと共に、両ねじ条５０…間にはキャップ２の 対応ねじ条６０が螺合される溝部が形成されている。

【００１２】 キャップ２は、充分な剛性を有する合成樹脂などからなり、円形の天井部２０ の周縁が一体的に立下げられて容器１に対応する略円筒形状に成形されている。 この天井部２０の周縁から立下がる略円筒形の周壁部２１は、その外径が容器１ の周壁部１１のそれと略同一に、また内径は容器１の小径有部位１３の外径より も若干大きく形成されている。周壁部２１の内面２２には、容器１の小径部位１ ３に構成した雌ねじ部５と螺合される雄ねじ部６が構成されている。つまり、内 面２２には、これを螺旋状に周回する対応ねじ条６０が形成されており、この対 応ねじ条６０は、互いに相対向されて２条設けられていて、容器１に設けた２条 のねじ条５０…間の溝部に螺合されるようになっている。

【００１３】 このキャップ２は、図３に示すようにこれを容器１に装着した状態では、容器 １の開口４の周縁をなす縁面１４の上にあるシート体３に、天井部２０の裏面２ ３が触れずに、この裏面２３とシート体３との間に空隙Ｓが保持されるように構 成されている。そしてこのとき、キャップ２の開口７の周縁をなす縁面２４が、 容器１の肩部１２から若干離間されるようにもなっている。これらの設定は、周 壁部２１の高さと、内面２２に対する対応ねじ条６０の形成位置とを適切に選定 することでなされている。

【００１４】 対応ねじ条６０…は、ねじ条５０と同様に、その断面が略台形状に成形されて おり、天井部２０の裏面２３側から開口７の周縁をなす縁面２４側に向って時計 回りに螺旋状に延びる状態に設けられていて、ねじ条５０に対応する右ねじを構 成している。２つの対応ねじ条６０…は、内面２２を各々半周強ほどの長さ周回 され、また当該キャップ２の中心軸に関して相互に対称とされており、結果的に 前述したねじ条５０…と同様に各々の条端が軸対称に位置されるようになってい る。

【００１５】 この対応ねじ条６０…の断面形状は、容器１に設けた２条のねじ条５０…間の 溝部形状に対応されており、その溝部断面よりもわずかに大きくなるように寸法 設定がなされている。これは当該溝部に対応ねじ条６０を螺合させたとき、この 対応ねじ条６０をなす合成樹脂の弾性を利用するためであり、螺合時に対応ねじ 条６０が圧縮されて摩擦を大きくすることができ、この摩擦力で互いを密着状態 に係止させるようにしている。また、各対応ねじ条６０…は、縁面２４側の条端 部位が所定長について若干幅狭に成形されている。つまり、縁面２４側の条端部 位は、裏面２３側の側部が条端より所定長に亘って幅狭に形成されており、この 狭幅部位６１の先端からまず雌ねじ部５側に締込まれることになる。

【００１６】 シート体３は、軟質な合成樹脂などによる薄膜部材からなり、容器１の小径部 位１３の外径と略同一な円形に成形されている。このシート体３は、容器１内に 例えば化粧料などの収納物８を一杯に収納した状態で開口４上に載置され、図３ に示すように収納物８に密着される。このとき、シート体３の外周縁部が容器１ の縁部１４上に位置することになるので、開口４の閉塞が良好に行われる。

【００１７】 キャップ２を容器１に装着させるには、まず容器１の開口４側とキャップ２の 開口７側を対向させるとともに、容器１の小径部位１３にキャップ２の内面２２ を嵌め合せる。そして、キャップ２を容器１に対して時計回りに回転させて締込 み始めると、キャップ２に設けた対応ねじ条６０…の狭幅部位６１…の先端が、 容器１に設けたねじ条５０…に沿って移動してやがて２条のねじ条５０…間の溝 部区間に到達し、図４（Ａ）に示すように嵌まり込むことになり、この狭幅部位 ６１…が当該溝部区間にすべり込むあいだは、図５（Ａ）に示すように両ねじ条 間に隙間が空いているので抵抗なく軽くスムーズに締込むことができる。

【００１８】 やがて２条のねじ条５０…間の溝部区間には、狭幅部位６１…のあとに続く対 応ねじ条６０…本来の条長部位が到達して嵌まり込むことになり、それと共に狭 幅部位６１…の先端が、図４（Ｂ）に示すようにねじ条５０…の止端に連なる凸 部１５に当接し、これより先には締込むことができなくなる。このとき、ねじ条 ５０…と対応ねじ条６０…間の螺合状態は、図５（Ｂ）に示すように隙間なく密 着した状態となるので、適度な抵抗でガタなく締込むことができる。また前述し たように、螺合時には対応ねじ条６０…が圧縮されるので、これによる摩擦力で もって互いを密着状態に係止させることができ、その結果輸送時や容器１の落下 時等にあっても、キャップ２を締込んだ状態を保持することができる。

【００１９】 一方、容器１に装着されているキャップ２の取外しは、単にキャップ２を反時 計回りに回転させればよく、この取外し操作でもキャップ２を抵抗なく軽くスム ーズに回転でき、狭幅部位６１…がねじ条５０…に沿って右斜め上方に案内され るのでやがてキャップ２を取外すことができる。

【００２０】 このように、キャップ２を締込んだときには、キャップ２側の狭幅部位６１… の先端が容器１側の凸部１５に当接して止められるので、それ以上には締込めな く、両ねじ部５，６の螺合が所定量で停止されることになり、このためキャップ ２の締込みが過大になるようなことがない。そして、この螺合の停止状態では図 ３に示すように、シート体３とキャップ２との間に所定の空隙Ｓが保たれるので 、キャップ２の裏面２３がシート体３に触れることがない。したがって、キャッ プ２を締込む際はもちろん、取外し時においてもシート体３がより回されること がなく、その結果シート体のよれを防止することができ、収納物８の外観が損な われぬように保護できる。そしてこのような作用は、キャップ２の締込みおよび 取外しにおいて特段に注意を払う必要がなく、簡便に行えて操作性に優れる。

【００２１】 また、この装着時においては、キャップ２の縁面２４が容器１の肩部１２から 離れるようにもなっているので、くい込みのためキャップ２が開け難くなるよう なことがない。さらにこのとき、ねじ条５０…と対応ねじ条６０…間の圧縮でこ れらの螺合状態が隙間なく密着した状態に緊密化されるので、容器１を封止する ことができ、密封性にも優れる。

【００２２】 なお、上記実施例では対応ねじ条６０…に関して、縁面２４側の条端部位にお ける裏面２３側の側部を、条端より所定長に亘って幅狭く形成したが、これに限 定されるものではなく、例えば図６に示すように、逆に反対側の側部つまり縁面 ２４側の側部を条端より同様に幅狭に形成するようにしてもよい。このように反 対側にズラして形成した狭幅部位６２であっても、同様に軽くスムーズな螺合を 行わせることができ、上記実施例と同様な効果を奏することはもちろんである。 また、対応ねじ条６０…に関して、２条のねじ条５０…間の溝部に嵌まり込むこ とになる条長部位に、図７に示すように、その条長方向に沿って延びるベント部 ６３を形成し、寸法吸収性を良好にするようにしてもよい。これにより、摩擦力 を安定・確実に得られるようにすることができ、摩擦力による係止・保持作動の 安定性の向上を図ることができる。

【００２３】 さらに、雌ねじ部５および雄ねじ部６の構成は、上記実施例のようないわゆる ２条ねじに限定されるものではない。例えば３条ねじ等、適宜に構成することが できる。

【００２４】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように、本考案にかかるキャップ付き容器によれば、キャ ップを締込んだときには阻止手段によってその螺合が所定量で停止されるととも に、保持手段によりその停止が保持されるため、キャップの締込みが過大になる ことがなく、キャップがシート体に触れることがない。したがって、キャップを 締込む際はもちろん、取外し時においてもシート体がより回されることがなく、 その結果シート体のよれを防止することができ、収納物の外観が損われぬように 保護することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】図１に示すキャップ付き容器の側面図である。

【図３】図１に示すキャップ付き容器の断面図である。

【図４】キャップの装着を順に示すねじ部および対応ね
じ部の展開図である。

【図５】図４をＣ−Ｃ矢視した断面図である。

【図６】本考案の他例の要部を示す展開図である。

【図７】図６をＣ−Ｃ矢視した断面図である。

【図８】キャップ付き容器の従来例を破断に示す側面図
である。

【図９】キャップ付き容器の従来例の他例要部を示す断
面図である。

【符号の説明】

１ 容器 ２ キャップ ３ シート体 ４ 開口 ５ 雌ねじ部 ６ 雄ねじ部 ８ 収納物 １５ 凸部 ５０ ねじ条 ６０ 対応ねじ条 Ｓ 空隙

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 酒巻 芳男 東京都墨田区立花５丁目29番10号 吉田工 業株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ねじ部を有する容器と、該容器の開口を
   覆って収納物をシールするシート体と、上記容器のねじ
   部に螺合される対応ねじ部を有するキャップとを備えた
   キャップ付き容器において、上記容器のねじ部に上記キ
   ャップの対応ねじ部を螺合させたとき、上記シート体と
   該キャップとの間に空隙を保持させて該螺合を停止させ
   る阻止手段と、該阻止手段による螺合の停止時に両ねじ
   部を緊密化させる保持手段とを備えたことを特徴とする
   キャップ付き容器。