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JPH05341243A - モード変換器及び光フィルタ - Google Patents

モード変換器及び光フィルタ

Info

Publication number
JPH05341243A
JPH05341243A JP14464692A JP14464692A JPH05341243A JP H05341243 A JPH05341243 A JP H05341243A JP 14464692 A JP14464692 A JP 14464692A JP 14464692 A JP14464692 A JP 14464692A JP H05341243 A JPH05341243 A JP H05341243A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
optical waveguide
crystals
radio wave
electro
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14464692A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Okayama
秀彰 岡山
Hiroki Yaegashi
浩樹 八重樫
Toshimasa Ishida
俊正 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP14464692A priority Critical patent/JPH05341243A/ja
Publication of JPH05341243A publication Critical patent/JPH05341243A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光フィルタを構成するのに適したモード変換
器を提供する。 【構成】 モード変換器10を導波路16と電波の導波管18
とにより構成する。導波路16は反転部12及びスペーサ部
14を光Lの導波方向Pに沿って交互に周期的に配置して
成り、導波管18は光導波方向Pに沿って電波Dを導波さ
せる。さらに各反転部12は電気光学結晶12a 及び12b を
光導波方向Pに沿って交互に周期的に配置して成る。電
気光学結晶12a 及び12b を電波Dの電場が及ぶ位置に配
置する。そして電気光学結晶12a 及び12b のZ軸方向を
光導波方向Pと直交させると共に、電気光学結晶12a 及
び12b のX軸方向を互いに逆向きとしかつ電波Dの電場
の向きRに平行とする。モード変換器10はモード変換効
率が高くかつ動作速度が速いので目的を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はモード変換器特に光フ
ィルタを構成するのに用いて好適なモード変換器と、モ
ード変換を利用して光を分離する光フィルタとに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、音波を用いて周期的な屈折率
変化を形成することにより光を分離するようにした光フ
ィルタが知られている。この光フィルタでは、音響光学
材料に、音波を入射し音響光学効果により周期的な屈折
率変化を形成する。そして第一偏光例えば常光を音響光
学材料に入射させ、周期的な屈折率変化により第一偏光
を当該偏光と直交する第二偏光例えば異常光へモード変
換する。モード変換は波長の等しい第一及び第二偏光間
で生じる。モード変換効率は、波長の等しい第一及び第
二偏光の伝搬定数差と屈折率変化の周期すなわち音波の
波長とが特定の関係を満足するとき最も大となり、また
特定の関係を満足しないときモード変換率は小さいか或
は実質的に零となる。しかもこれら偏光の伝搬定数差は
波長に応じて異なる値となる。従って音波の波長を変化
させることにより、変換効率が最も大となる第一及び第
二偏光の波長を任意に選択できる。また音波の波長は、
音波の周波数を変化させれば、変化する。従って音響光
学材料の出力光を偏光子に入射させることにより、所望
の波長を有する光を分離できる。
【0003】また電波を用いて周期的な屈折率変化を形
成するようにした光フィルタが文献:特開平2−250
041号公報に開示されている。この光フィルタでは、
電気光学材料に、電波の電場を作用させ電気光学効果に
より周期的な屈折率変化を形成する。そしてこの屈折率
変化が形成する位相格子に光を入射し、これにより光を
回折して空間的に分離する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら音波を利
用する従来の光フィルタでは、音響光学材料を伝搬する
音波の速度が遅いので、分離する光の波長に応じた周期
の屈折率変化を音響光学材料の所定領域に形成するのに
要する時間(スイッチング時間)がマイクロ秒程度とな
り遅くなる。
【0005】また電波を利用する従来の光フィルタで
は、電気光学材料の屈折率分布を電波によってのみ制御
するため、回折効率を必ずしも充分に高めることができ
ず従って分離した光の強度を必ずしも充分に高くするこ
とができない。
【0006】この発明の目的は、上述した従来の問題点
を解決するため、効率良くモード変換を行なえる周期的
な屈折率変化を形成できかつ動作速度の速いモード変換
器及び光フィルタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、第一発明のモード変換器は、光導波方向に沿って交
互に周期的に配置した反転部及びスペーサ部を有する光
導波路と光導波方向に沿って電波を導波させる電波ガイ
ドとを備え、各反転部は光導波方向に沿って交互に周期
的に配置しZ軸方向を光導波方向と直交させた第一及び
第二電気光学結晶を有し、第一及び第二電気光学結晶を
電波の電場が及ぶ位置に配置すると共にこれら光学結晶
のX軸方向又はY軸方向を互いに逆向きとしかつ電波の
電場の向きに平行として成ることを特徴とする。
【0008】また第二発明のモード変換器は、光導波方
向に沿って交互に周期的に配置した反転部及びスペーサ
部を有する光導波路と光導波方向に沿って電波を導波さ
せる電波ガイドとを備え、各反転部は光導波方向に沿っ
て交互に周期的に配置しZ軸方向を光導波方向と直交さ
せた第一及び第二磁気光学結晶を有し、第一及び第二磁
気光学結晶を電波の磁場が及ぶ位置に配置すると共にこ
れら光学結晶のX軸方向又はY軸方向を互いに逆向きと
しかつ電波の磁場の向きに平行として成ることを特徴と
する。
【0009】さらに第三発明の光フィルタは、等価屈折
率が異なる第一及び第二光導波路を近接配置して成る方
向性結合器と光導波方向に沿って電波を導波させる電波
ガイドとを備え、第一及び第二光導波路の少なくとも一
方は反転部を有し、反転部は光導波方向に沿って交互に
周期的に配置しZ軸方向を光導波方向と直交させた第一
及び第二電気光学結晶を有し、第一及び第二電気光学結
晶を電波の電場が及ぶ位置に配置すると共にこれら光学
結晶のZ軸方向を互いに逆向きとしかつ電波の電場の向
きに平行にして成ることを特徴とする。
【0010】また第四発明の光フィルタは、等価屈折率
が異なる第一及び第二光導波路を近接配置して成る方向
性結合器と光導波方向に沿って正弦波的に変化する電界
を形成する電極とを備え、第一及び第二光導波路の少な
くとも一方は反転部を有し、反転部は光導波方向に沿っ
て交互に周期的に配置しZ軸方向を光導波方向と直交さ
せた第一及び第二電気光学結晶を有し、第一及び第二電
気光学結晶を電極が形成する電界が及ぶ位置に配置する
と共に、これら光学結晶のZ軸方向を互いに逆向きとし
かつ電極が形成する電界の電場の向きに平行にして成る
ことを特徴とする。
【0011】
【作用】第一発明によれば、第一及び第二電気光学結晶
のZ軸方向を光導波方向と直交させると共に、これら電
気光学結晶のX軸又はY軸方向を互いに逆向きとしかつ
電波の電場の向きに平行とする。
【0012】従って各反転部の第一及び第二電気光学結
晶に電波の電場を及ぼすことにより光導波方向に沿って
周期的に変化する屈折率変化を形成できる。しかもこの
屈折率変化は第一及び第二電気光学結晶のX軸又はY軸
方向を互いに逆向きとして形成されたものであるので、
この屈折率変化により、直交する2つの偏光(例えばT
Mモード光及びTEモード光)の一方を他方へ変換でき
る。
【0013】電波の波長を変化させると、これに応じて
モード変換される偏光の波長が変化する。さらに光導波
方向における反転部の長さを短くするにつれ、及び又
は、スペーサ部の複屈折性を低くするにつれ、モード変
換可能な偏光の波長範囲が広くなる。従ってスペーサ部
の形成材料としては、複屈折性を有さない材料を用いる
のが最も好ましい。
【0014】また第二発明によれば、第一及び第二磁気
光学結晶のZ軸方向を光導波方向と直交させると共に、
これら磁気光学結晶のX軸又はY軸方向を互いに逆向き
としかつ電波の磁場の向きに平行とする。
【0015】従って各反転部の第一及び第二磁気光学結
晶に電波の磁場を及ぼすことにより光導波方向に沿って
周期的に変化する屈折率変化を形成できる。しかもこの
屈折率変化は第一及び第二磁気光学結晶のX軸又はY軸
方向を互いに逆向きとして形成されたものであるので、
この屈折率変化により、直交する2つの偏光(例えばT
Mモード光及びTEモード光)の一方を他方へ変換でき
る。
【0016】電波の波長を変化させると、これに応じて
モード変換される偏光の波長が変化する。さらに光導波
方向における反転部の長さを短くするにつれ、及び又
は、スペーサ部の複屈折性を低くするにつれ、モード変
換可能な偏光の波長範囲が広くなる。従ってスペーサ部
の形成材料としては、複屈折性を有さない材料を用いる
のが最も好ましい。
【0017】さらに第三発明によれば、第一及び第二電
気光学結晶のZ軸方向を光導波方向と直交させると共
に、これら電気光学結晶のZ軸方向を互いに逆向きとし
かつ電波の電場の向きに平行とする。
【0018】従って反転部の第一及び第二電気光学結晶
に電波の電場を及ぼすことにより光導波方向に沿って周
期的に変化する屈折率変化を形成できる。しかもこの屈
折率変化は第一及び第二電気光学結晶のZ軸方向を互い
に逆向きとして形成されたものであるので、この屈折率
変化により、対称モード光(偶モード光)及び反対称モ
ード光(奇モード光)の一方を他方へ変換できる。電波
の波長を変化させると、これに応じてモード変換される
光の波長が変化する。
【0019】一方、第一及び第二光導波路は方向性結合
器を構成する。しかもこの方向性結合器を導波する対称
モード光は第一及び第二光導波路の一方から、またこの
方向性結合器を導波する反対称モード光は第一及び第二
光導波路の他方から、選択的に出射する。従って第一及
び第二光導波路の少なくとも一方に反転部を設け、モー
ド変換を行なうことにより、光を波長に応じて選択的に
分離できる。
【0020】また第四発明によれば、第一及び第二電気
光学結晶のZ軸方向を光導波方向と直交させると共に、
これら電気光学結晶のZ軸方向を互いに逆向きとしかつ
電極が形成する電界の電場の向きに平行とする。
【0021】従って反転部の第一及び第二電気光学結晶
に電極が形成する電界を及ぼすことにより光導波方向に
沿って周期的に変化する屈折率変化を形成できる。しか
もこの屈折率変化は第一及び第二電気光学結晶のZ軸方
向を互いに逆向きとして形成されたものであるので、こ
の屈折率変化により、対称モード光(偶モード光)及び
反対称モード光(奇モード光)の一方を他方へ変換でき
る。しかも電波の波長を変化させると、これに応じてモ
ード変換される光の波長が変化する。
【0022】一方、第一及び第二光導波路は方向性結合
器を構成する。しかもこの方向性結合器を導波する対称
モード光は第一及び第二光導波路の一方から、またこの
方向性結合器を導波する反対称モード光は第一及び第二
光導波路の他方から、選択的に出射する。従って第一及
び第二光導波路の少なくとも一方に反転部を設け、モー
ド変換を行なうことにより、光を波長に応じて選択的に
分離できる。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照し、発明の実施例につき説
明する。尚、図面はこの発明が理解できる程度に概略的
に示してあるにすぎず、従って実施例を図示例に限定す
るものではない。
【0024】図1は第一発明の実施例の構成を概略的に
示す全体斜視図であり、この実施例のモード変換器と偏
光子とを組み合わせて光フィルタを構成している状態を
示す。
【0025】同図にも示すように、この実施例のモード
変換器10は光Lの導波方向Pに沿って交互に周期的に
配置した反転部12及びスペーサ部14を有する光導波
路16と、光導波方向Pに沿って電波Dを導波させる電
波ガイド18とを備える。図中、電波Dの導波方向を符
号Qを付した矢印で示すと共に電波ガイド18を一点鎖
線で示した。各反転部12は、光導波方向Pに沿って交
互に周期的に配置しZ軸方向を光導波方向Pと直交させ
た第一及び第二電気光学結晶12a及び12bを有す
る。
【0026】そして第一及び第二電気光学結晶12a及
び12bを電波Dの電場が及ぶ位置に配置すると共に、
これら光学結晶12a及び12bのX軸方向を、互いに
逆向きとしかつ電波Dの電場の向きRに平行とする。
【0027】この実施例では、第一及び第二電気光学結
晶12a及び12bを複屈折性を有する結晶例えばLi
NbO3 とし、これら結晶12a及び12bの光導波方
向Pにおける厚さを等しい厚さt0 とする。そしてこれ
ら結晶12a及び12bを密着させて光導波方向Pに沿
って交互に配置する。光導波路16が有する各反転部1
2においてこれら結晶12a、12bの配設順序及び配
設個数を同一とし、各反転部の光導波方向Pにおける厚
さをそれぞれ等しい厚さt1 とする。
【0028】またスペーサ部14を複屈折性を有さない
材料から形成する。そして光導波路16が有する各スペ
ーサ部14の光導波方向Pにおける厚さをそれぞれ等し
い厚さT0 とし、反転部12及びスペーサ部14を密着
させて光導波方向Pに沿って交互に配置する。反転部1
2の光導波方向Pにおける配設間隔は一定間隔T1 (T
1 =T0 +t1 )となる。さらに電波ガイド18を導波
管とし、この電波ガイド18を導波する電波Dの電場が
光導波路16に及ぶように、電波ガイド18内に光導波
路16を配置する。電波Dの導波方向Qを光導波導波方
向Pに対して平行にする。図示例では、これら導波方向
P及びQを逆向きとしているが同一方向としても良い。
【0029】図2(A)及び(B)は第一及び第二電気
光学結晶のZ軸方向と光導波方向との関係を概略的に示
す図である。同図にも示すように、第一及び第二電気光
学結晶12a及び12bの光軸(c軸)をZ軸とし、反
転部12を構成する第一及び第二電気光学結晶12a及
び12bのZ軸方向を光導波方向Pと直交させる。
【0030】また図3(A)及び(B)は第一及び第二
電気光学結晶のX軸方向と電波の電場の向きとの関係を
概略的に示す図である。同図にも示すように、反転部1
2を構成する第一及び第二電気光学結晶12a及び12
bのX軸方向を、互いに逆向きとしかつ電波Dの電場の
向きRと平行とする。
【0031】これら図に示す例では、反転部12を構成
する第一及び第二電気光学結晶12a及び12bのZ軸
方向を同一とすると共にY軸方向を互いに逆向きとした
が、これらのZ軸方向及びY軸方向を図示例に限定する
ものではない。
【0032】この実施例のモード変換器10は、常光
(Z軸に垂直な偏波面を有する偏光)及び異常光(Z軸
に平行な偏波面を有する偏光)の一方を他方へモード変
換するためのものであり、上述のようにZ軸方向及びX
軸方向を定めることによって、これら常光及び異常光の
間のモード変換に寄与する電気光学係数の成分(以下、
モード変換寄与成分とも称す)が、第一電気光学結晶1
2aにおいては正の値を及び第二電気光学結晶12bに
おいては負の値を取るようにする。或は第一電気光学結
晶12aにおいては負の値を及び第二電気光学結晶12
bにおいては正の値を取るようにする。
【0033】このようにモード変換寄与成分の値が正、
負逆の値となるように光導波路16の各反転部12を構
成して、各反転部12に対し電波Dの電場を作用させる
と、光導波路16における常光及び異常光の間の結合係
数の値が光導波方向Pに沿う方向の距離に対してビート
を持った正弦波的に変化する。このように結合係数を変
化させることにより、電波Dの波長に対応する特定波長
の常光を異常光へ或は特定波長の異常光を常光へモード
変換することができる。
【0034】ところで、本願の出願人は本願発明に関連
する他の発明として特開平4−109216に開示され
る技術を提案している。この開示技術によれば、複数の
モード変換素子を光導波路に設け、各モード変換素子を
光導波路に沿って交互に配置した制御用及びアース用の
指状電極により構成し、ビートを持った正弦波的な電界
分布が光導波路に沿って形成されるように、これら指状
電極に印加する電圧の値を光導波路に沿って正弦波的に
変化させる。このような電界分布を形成した状態では、
指状電極に印加した正弦波的な電圧値の周期に対応する
特定波長の常光を異常光へ或は特定波長の異常光を常光
へモード変換できる。
【0035】本願発明におけるモード変換は、前述の開
示技術におけるモード変換を応用したものであり、本願
発明の実施例における反転部12が前述の開示技術にお
けるモード変換素子に対応し、また本願発明の実施例に
おける電波Dの電場が前述の開示技術において各指状電
極に印加する電圧に対応する。
【0036】図4(A)及び(B)はスペーサ部の機能
の説明に供する図である。図4(A)においては、光導
波路16中を導波する電波が或る時刻において形成する
電場の電界強度d1の分布を、光導波路16上に重ねて
概念的に示し、反転部14を点を付して示した。図4
(B)においては光導波路16のスペーサ部14を除き
反転部12のみを電波Dの伝搬軸Sに沿って密着させて
配列し、図4(A)に示す電界強度d1の分布を、これ
ら反転部12上に重ねて概念的に示した。またこれら図
においては電波の導波方向Qに順次に数えて第j番目の
反転部12及びスペーサ部14を符号12j 及び14j
を付して示した。
【0037】スペーサ部14は複屈折性を有さないの
で、反転部12に作用する電界強度d1のみが常光及び
異常光の間のモード変換に寄与する。従って、反転部1
2に作用する電界強度d1のみを考えると、波長λ1
電波を光導波路16中を導波させた場合(図4
(A))、実効的には、波長λ1 よりも短い波長λ
2 (λ2 =(t1 /T1 )・λ1 )の電波を反転部12
に作用させたのと等価である。
【0038】従って光導波路16を導波させる電波の波
長λ1 を例えば数mmよりも長くして(電波として例え
ばミリ波或はマイクロ波を用いて)電波の発生及び制御
をしやすくしても、反転部12に実効的に作用する電波
の波長λ2 を例えば1mm以下に短くできるので、常光
及び異常光の間でモード変換を行なえる波長範囲を広く
することができる。
【0039】図5に、数値解析により得られるこの実施
例のモード変換特性を示す。図5の縦軸はモード変換率
及び横軸は光の波長を示す。
【0040】この実施例では、波長λR を中心とする波
長域のピークAと、図示しないが波長λL を中心とする
波長域(λ0 −λR =λL −λ0 =Δλ、λ0 :基準波
長)のピークBとにおいて、実用上満足できるモード変
換率が得られる。ピークA、Bの半値幅ΔλF は反転部
12の厚さt1 と反転部12における常光及び異常光の
屈折率差Δnとに反比例する。但し、Δnは反転部12
の屈折率を電気的に変化させていない状態での屈折率差
を表し、正の値を取るものとする。また電波Dの波長を
変化させるとΔλが変化し従ってピークA、Bの中心波
長λR 、λL が変化する。Δλの最大可変量Δλ
max は、第一及び第二電気光学結晶12a及び12bの
結晶軸の反転周期t2 (t2 =2・t0 、図1参照)と
反転部12の厚さt1 との比すなわちt2 /t1 に比例
する。これらの点は、特開平4−109216に開示さ
れる技術と同様である。この実施例によれば最大可変量
Δλmaxを20〜30nm程度とすることができる。
【0041】またこの実施例のモード変換器10の動作
速度(スイッチング時間)は電波Dが光導波路16の始
端から終端に至るまでに要する時間で与えられる。光導
波路16の始端から終端に至る長さを10cm以下とす
れば、10-9秒台の動作速度を実現することが可能とな
る。
【0042】また反転部12の配設周期T1 はT1 =m
・λ0 /Δn(m=1、2、3、……)で与えられる。
反転部12の形成材料をLiNbO3 及び基準波長λ0
=1.55μmとした場合は、配設周期T1 を18μm
程度とすれば良い。
【0043】この実施例のモード変換器10と、常光及
び異常光の一方の偏光を透過する偏光子20と、常光及
び異常光の他方の偏光を透過する偏光子22とにより光
波長フィルタを構成できる(図1参照)。この場合、一
方の偏光を偏光子20を介し光導波路16に入射させ、
光導波路16において波長λR 及び又はλL を有する一
方の偏光を他方の偏光にモード変換し、その後、波長λ
R 及び又はλL を有する他方の偏光を選択的に偏光子2
2を透過させれば良い。
【0044】図6は第一発明の第二実施例の全体構成を
概略的に示す斜視図である。この実施例のモード変換器
24は反転部26及びスペーサ部28を有する光導波路
30と、電波ガイド32とを備え、反転部26は第一及
び第二電気光学結晶26a及び26bを有する。
【0045】この実施例では、光導波路30をLiNb
3 から成るリッジ型の導波路とし、反転部26を光導
波路30に形成した分域反転領域とする。例えば、Zカ
ットLiNbO3 基板34にLiNbO3 光導波層36
をエピタキシャル成長法により積層し、次に光導波層3
6の第一電気光学結晶26a形成領域に選択的にTiを
拡散する。光導波層36の第一電気光学結晶26a形成
領域を除く領域には、Tiを拡散しない。次に、熱処理
を行なってTi拡散領域のX、Y、Z軸方向を反転させ
る。Tiを拡散しなかった領域のX、Y、Z軸方向は反
転しない。これにより第一及び電気光学結晶26a及び
26bが形成される。次に光導波層36にリッジを形成
する。光導波路30をこのリッジ部分により構成する。
【0046】電波ガイド32はマイクロストリップライ
ンを構成する電極32a及び32bより成る。これら電
極32a及び32bを光導波路30の一方及び他方の側
部に近接配置して光導波層36に設け、これら電極32
a及び32bを光導波方向Pに延在させて電波を光導波
方向Pに沿って導波させる。
【0047】図7(A)及び(B)は第一及び第二電気
光学結晶の各軸方向の一例を示す図である。上述のよう
にLiNbO3 光導波層36に選択的にTiを拡散して
第一及び第二電気光学結晶26a及び26bを形成した
場合、第一電気光学結晶26aのX、Y及びZ軸方向と
第二電気光学結晶26bのX、Y及びZ軸方向とは図に
も示すように互いに逆向きとなり、これら結晶26a及
び26bにより分域反転領域が形成される。電波ガイド
32を導波する電波がこれら結晶26a及び26bのX
軸方向に平行な電場を形成するように、電波ガイド32
を構成する。
【0048】上述のように光導波層36に選択的にTi
を拡散して第一及び第二電気光学結晶26a及び26b
を形成した場合、複屈折性を有するスペーサ部28が形
成される。スペーサ部28が複屈折性を有する場合の計
算シミュレーションによれば、最大可変量Δλmax (図
5参照)は第一実施例に比して小さくなる。この場合、
最大可変量Δλmax の大きさは光導波方向Pにおける反
転部26及びスペーサ部28の長さt1 及びT0 の比す
なわちt1 /T0 に依存し、長さT0 を小さくするほど
最大可変量Δλmax を大きくできる。
【0049】このほか、イオン交換法により、H+ イオ
ンをスペーサ部28に選択的に拡散させてスペーサ部2
8の複屈折性を低減し、これにより最大可変量Δλmax
を大きくすることもできる。
【0050】この実施例においても、反転部14の配設
周期T1 はT1 =m・λ0 /Δnで与えられる。
【0051】図8は第一発明の第三実施例の構成を概略
的に示す正面図である。尚、第二実施例の構成成分と同
様の構成成分については同一の符号を付して示す。
【0052】第三実施例では、電波ガイド38の構成が
異なるほかは第二実施例と同様の構成とする。
【0053】この実施例の電波ガイド38は誘電体38
a及びアース電極38bより成る。誘電体38aを光導
波方向Pに延在させて光導波路30上に設け、アース電
極38bを光導波方向Pに延在させて光導波層36を設
けた側とは反対側の基板34面に設ける。
【0054】上述した第一発明の第一〜第三実施例にお
いては、第一及び第二電気光学結晶のX軸方向を、互い
に逆向きとしかつ電波Dの電場の向きRに平行とした
が、このほか、第一及び第二電気光学結晶のY軸方向
を、互いに逆向きとしかつ電波Dの電場の向きRに平行
とするようにしてもよい。
【0055】次に第二発明の実施例につき説明する。第
二発明は磁気光学効果を利用して常光及び異常光のモー
ド変換を行なうものであり、原理的には、第一発明と同
様である。従って第二発明の実施例を第一発明の実施例
と同様に構成できる。
【0056】図9は第二発明の実施例の構成を概略的に
示す全体斜視図であり、この実施例のモード変換器と偏
光子とを組み合わせて光フィルタを構成している状態を
示す。同図にも示すように、この実施例のモード変換器
40は光Lの導波方向Pに沿って交互に周期的に配置し
た反転部42及びスペーサ部44を有する光導波路46
と、光導波方向Pに沿って電波Dを導波させる電波ガイ
ド48とを備える。各反転部42は、光導波方向Pに沿
って交互に周期的に配置しZ軸方向を光導波方向Pと直
交させた第一及び第二磁気光学結晶42a及び42bを
有する。
【0057】そして第一及び第二磁気光学結晶42a及
び42bを電波Dの磁場が及ぶ位置に配置すると共に、
これら光学結晶42a及び42bのX軸方向を、互いに
逆向きとしかつ電波Dの磁場の向きrに平行とする。
【0058】この実施例では、第一及び第二磁気光学結
晶42a及び42bを複屈折性を有する結晶とし、これ
ら結晶42a及び42bの光導波方向Pにおける厚さを
等しい厚さt0 とする。そしてこれら結晶42a及び4
2bを密着させて光導波方向Pに沿って交互に配置す
る。光導波路46が有する各反転部42においてこれら
結晶42a、42bの配設順序及び配設個数を同一と
し、各反転部の光導波方向Pにおける厚さをそれぞれ等
しい厚さt1 とする。
【0059】またスペーサ部44を複屈折性を有さない
材料から形成する。そして光導波路46が有する各スペ
ーサ部44の光導波方向Pにおける厚さをそれぞれ等し
い厚さT0 とし、反転部42及びスペーサ部44を密着
させて光導波方向Pに沿って交互に配置する。反転部4
2の光導波方向Pにおける配設間隔は一定間隔T1 とな
る。さらに電波ガイド48を導波管とし、この電波ガイ
ド48を導波する電波Dの磁場が光導波路46に及ぶよ
うに、電波ガイド48内に光導波路46を配置する。電
波Dの導波方向Qを光導波導波方向Pに対して平行にす
る。図示例では、これら導波方向P及びQを逆向きとし
ているが同一方向としても良い。
【0060】図10(A)及び(B)は第一及び第二磁
気光学結晶のZ軸方向と光導波方向との関係を概略的に
示す図である。同図にも示すように、第一及び第二磁気
光学結晶42a及び42bの光軸(c軸)をZ軸とし、
反転部42を構成する第一及び第二磁気光学結晶42a
及び42bのZ軸方向を、光導波方向Pと直交させる。
【0061】また図11(A)及び(B)は第一及び第
二磁気光学結晶のX軸方向と電波の磁場の向きとの関係
を概略的に示す図である。同図にも示すように、反転部
42を構成する第一及び第二磁気光学結晶42a及び4
2bのX軸方向を、互いに逆向きとしかつ電波Dの磁場
の向きrと平行とする。
【0062】これら図に示す例では、反転部42を構成
する第一及び第二磁気光学結晶42a及び42bのZ軸
方向を同一とすると共にY軸方向を互いに逆向きとした
が、これらZ軸方向及びY軸方向は図示例に限定される
ものではない。
【0063】この実施例のモード変換器40は、常光
(Z軸に垂直な偏波面を有する偏光)及び異常光(Z軸
に平行な偏波面を有する偏光)の一方を他方へモード変
換するためのものであり、上述のようにZ軸方向及びX
軸方向を定めることによって、これら常光及び異常光の
間のモード変換に寄与する磁気光学係数の成分(以下、
モード変換寄与成分とも称す)が、第一磁気光学結晶4
2aにおいては正の値を及び第二磁気光学結晶42bに
おいては負の値を取るようにする。或は第一磁気光学結
晶42aにおいては負の値を及び第二磁気光学結晶42
bにおいては正の値を取るようにする。
【0064】このようにモード変換寄与成分の値が正、
負逆の値となるように光導波路46の各反転部42を構
成して、各反転部42に対し電波Dの磁場を作用させる
と、光導波路46における常光及び異常光の間の結合係
数の値が光導波方向Pに沿う方向の距離に対してビート
を持った正弦波的に変化する。このように結合係数を変
化させることにより、電波Dの波長に対応する特定波長
の常光を異常光へ或は特定波長の異常光を常光へモード
変換することができる。
【0065】図12(A)及び(B)はスペーサ部の機
能の説明に供する図である。図12(A)においては、
光導波路46中を導波する電波が或る時刻において形成
する磁場の磁界強度d2の分布を、光導波路46上に重
ねて概念的に示し、また図12(B)においては光導波
路46のスペーサ部44を除き反転部42のみを電波D
の伝搬軸Sに沿って密着させて配列し、図12(A)に
示す磁界強度d2の分布を、これら反転部42上に重ね
て概念的に示した。またこれら図においては電波の導波
方向Qに順次に数えて第j番目の反転部42及びスペー
サ部44を符号42j 及び44j を付して示した。
【0066】スペーサ部44は複屈折性を有さないの
で、反転部42に作用する磁界強度d2のみが常光及び
異常光の間のモード変換に寄与する。従って、反転部4
2に作用する磁界強度d2のみを考えると、波長λ1
電波を光導波路46中を導波させた場合(図4
(A))、実効的には、波長λ1 よりも短い波長λ
2 (λ2 =(t1 /T1 )・λ1 )の電波を反転部42
に作用させたのと等価である。
【0067】従って光導波路46を導波させる電波の波
長λ1 を例えば数mmよりも長くして電波の発生及び制
御をしやすくしても、反転部12に実効的に作用する電
波の波長λ2 を例えば1mm以下に短くできるので、常
光及び異常光の間でモード変換を行なえる波長範囲を広
くすることができる。
【0068】この実施例においても、第一発明の場合と
同様のモード変換特性が得られる(図5参照)。また光
導波路46の始端から終端に至る長さを10cm以下と
すれば、モード変換器40の動作速度として10-9秒台
の動作速度を実現することが可能となる。また反転部4
2の配設周期T1 はT1 =m・λ0 /Δnで与えられ
る。
【0069】さらにこの実施例においても第一発明の場
合と同様に、この実施例のモード変換器40と、偏光子
20及び22とにより、光波長フィルタを構成できる。
【0070】また第二発明は図9に示す実施例に限定さ
れず、第一発明の第二及び第三実施例と同様の実施例を
第二発明においても実現できる。
【0071】図13は第三発明の第一実施例の全体構成
を概略的に示す斜視図である。同図にも示すように、こ
の実施例の光波長フィルタ50は等価屈折率が異なる第
一及び第二光導波路52及び54を近接配置して成る方
向性結合器56と、光導波方向に沿って電波を導波させ
る電波ガイド58とを備える。
【0072】第一導波路52は反転部60を有し、反転
部60は光導波方向Pに沿って交互に周期的に配置しZ
軸方向を光導波方向Pと直交させた第一及び第二電気光
学結晶60a及び60bを有する。図中、第一電気光学
結晶60aを点を付して示した。
【0073】そしてこれら光学結晶60a及び60bを
電波の電場が及ぶ位置に配置すると共に、これら光学結
晶60a及び60bのZ軸方向を、互いに逆向きとしか
つ電波Dの電場の向きRに平行にする。
【0074】この実施例では、電気光学効果(或はポッ
ケルス効果)を有する基板62例えばLiNbO3 或は
KTP基板に、Tiを拡散することにより、第一及び第
二導波路52及び54を形成する。これら導波路52及
び54を光の相互作用を生じるように近接配置し、方向
性結合器56を構成する。これと共にこれら導波路52
及び54の導波路幅を異ならせ、或は導波路52及び又
は54に膜を装荷し、或は導波路52及び又は54に屈
折率制御物質を添加することにより、これら導波路52
及び54の等価屈折率を異ならせる。
【0075】また第一及び第二電気光学結晶60a及び
60bは複屈折性を有し、これら光学結晶60a及び6
0bを、Z軸(c軸)方向を互いに逆向きとして第一導
波路52に形成する。そしてこれら光学結晶60a及び
60bの光導波方向Pにおける長さを等しい長さt0
して、これら光学結晶60a及び60bを密着させて光
導波方向Pに沿って交互に配置する。これら光学結晶6
0a及び60bにより、分域反転構造の反転部60を構
成する。
【0076】さらに電波ガイド58を電極58a及び5
8bにより構成する。電極58aを、第一導波路52側
部に配置し第一導波路52に沿って延在させて、基板6
2に設ける。また電極58bを、第一導波路52に沿っ
て延在させて、第一導波路52の反転部60上に設け
る。これら電極58a及び58bにより、電波Dを光導
波方向Pに平行に導波させる。図示例では、光導波方向
P及び電波Dの導波方向Qを逆向きとしたが、これら方
向P及びQを同一方向としても良い。
【0077】図14(A)及び(B)は第一、第二電気
光学結晶のZ軸方向と光導波方向及び電波の電場の向き
との関係を概略的に示す図である。同図にも示すよう
に、第一及び第二電気光学結晶60a及び60bの光軸
(c軸)をZ軸とし、反転部60を構成する第一及び第
二電気光学結晶60a及び60bのZ軸方向を、光導波
方向Pと直交させる。これと共に反転部60を構成する
第一及び第二電気光学結晶60a及び60bのZ軸方向
を、互いに逆向きとすると共に電波Dの電場の向きRと
平行とする。
【0078】図に示す例では、反転部60を構成する第
一及び第二電気光学結晶60a及び60bのX軸方向を
逆向きとすると共にY軸方向を逆向きとしたが、これら
のX軸方向及びY軸方向を図示例に限定するものではな
い。
【0079】次に光フィルタ50による光の分離につき
説明する。ここで、対称モード(偶モード)及び反対称
モード(奇モード)の一方をモードA、また対称及び反
対称モードの他方をモードBと表す。第一導波路52の
等価屈折率を第二導波路54の等価屈折率よりも低くし
た場合、モードAは反対称モード及びモードBは対称モ
ードであり、逆に第一導波路52の等価屈折率を第二導
波路54の等価屈折率よりも高くした場合、モードAは
対称モード及びモードBは反対称モードである。
【0080】第一及び第二導波路52及び54はひとつ
の導波路系Uを構成する。導波路系Uへ第一導波路52
から光を入射すると光はモードAで導波路系Uを導波す
る。モードAで導波路系Uを導波する光の界分布のピー
クはほぼ第一導波路52にある。また導波路系Uへ第二
導波路52から光を入射すると光はモードBで導波路系
Uを導波する。モードBで導波路系Uを導波する光の界
分布のピークはほぼ第二導波路54にある。
【0081】さらに導波路系Uの反転部60を設けた領
域では、特定波長のモードA光がモードB光へ、或は特
定波長のモードB光がモードA光へモード変換される。
【0082】従って第一導波路52から導波路系Uへ波
長多重の光を入射させた場合、特定波長の光をモードB
で第二導波路54から出射させそれ以外の波長の光をモ
ードAで第一導波路52から出射させて、光を波長に応
じて分離できる。また第二導波路54から導波路系Uへ
波長多重の光を入射させた場合、特定波長の光をモード
Aで第一導波路52から出射させそれ以外の波長の光を
モードBで第二導波路54から出射させることができ
る。
【0083】モード変換される光の波長はλR 及びλL
(λR −λ0 =λ0 −λL 、λ0 :中心波長)の2種と
なる。
【0084】反転部60の結晶軸の反転周期t2 (図1
3参照)を、次式(1)を満足するように定める。 Δnio/λ0 =1/t2 ……(1) Δnioは次式(2)で与えられる。 Δnio=Δβ/(2・π/λ0 )……(2) 但し、Δβは対称及び反対称モード間の伝搬定数差であ
って第一及び第二導波路52及び54の等価屈折率差Δ
e より求まる。
【0085】次にモード変換の原理につき説明する。第
三発明におけるモード変換の原理は、対称モード及び反
対称モードを特開平4−109216の開示技術におけ
るTM及びTEモードに対応させて考えることができ
る。
【0086】図15はモード変換の説明に供する図であ
る。図15(A)では、電波ガイドを導波する電波Dが
或る時刻において第一光導波路52に形成する電界強度
d3の分布状態を示し、電界強度d3を第一及び第二電
気光学結晶60a及び60bの光導波方向Pにおける位
置に対応付けて概念的に示した。図15(B)では、図
15(A)に示す電界強度d3により第一及び第二電気
光学結晶60a及び60bに生じる屈折率変化量Δnの
分布状態を、電界強度d3の分布状態に対応付けて示し
た。屈折率変化量Δnは電気的に変化させていないとき
の電気光学結晶60a及び60bの屈折率と電気的に変
化させたときの電気光学結晶60a及び60bの屈折率
との差である。尚、これら図においてSは電波Dの伝搬
軸を表す。
【0087】図15(A)にも示すように、反転部60
の自発分極(反転部60を強誘電体結晶で形成した場合
は電気双極子)の方向Vは、第一及び第二電気光学結晶
60a及び60b毎に周期的に反転する。
【0088】この反転部60に図15(A)に示す分布
で電界強度d3が及ぶとき、図15(B)に示す分布で
屈折率変化量Δnが生じる。第一電気光学結晶60aの
屈折率変化量Δnの値と第二電気光学結晶60bの屈折
率変化量Δnの値とは、電場の向きRと自発分極の向き
Vとの関係に対応して、正負が逆の値となる。またこれ
ら光学結晶60a及び60bの屈折率変化量Δnの大き
さはそれぞれ電界強度d3の大きさに比例する。
【0089】従って、屈折率変化量Δnは2つの周期関
数exp{i・(2・π/t2 )・z0 }及びexp
{i・(2・π/λm )・z0 }の積で表される。ここ
でz0は光導波方向Pにおける位置及びλm は電波Dの
波長を表す。
【0090】対称及び反対称モード間の結合係数Kは屈
折率変化量Δnに比例する量であり次式(3)のように
表せる。
【0091】
【数1】
【0092】但し、K0 は第一及び第二電気光学結晶6
0a及び60bの屈折率を電気的に変化させていない状
態での対称及び反対称モード間の結合係数を表す。
【0093】(3)式からも理解できるように、exp
{i・(Δβ/2)・z0 }の位相成分をもつ対称モー
ドとexp{−i・(Δβ/2)・z0 }の位相成分を
もつ反対称モードとの間でモード変換が生じる。
【0094】次式(4)或は(5)が成立するとき、対
称及び反対称モードの位相成分の差と結合係数Kの位相
成分とがz0 の値にかかわらず零となり、その結果、対
称及び反対称モード間で有効なモード変換が生じる。 2・π・(1/t2 +1/λm )=Δβ……(4) 2・π・(1/t2 −1/λm )=Δβ……(5) Δβ=(2・π/λ0 )・Δnioであるので、次式
(6)を満足する波長λでモード変換が生じる。波長λ
が上述のλR 及びλL に相当する。 λ=Δnio・(t2 ・λm )/(t2 ±λm )……(6) 反転周期t2 が(1)式を満足するとき、(6)式より
次式(7)が得られる。 λ=λ0 ・(nio・λm )/(λ0 ±Δnio・λm )……(7) λ0 <<Δnio・λm とすれば波長λは近似的に次式
(8)のように表せる。 λ≒λ0 ・{1±(λ0 /Δnio・λm )=λ0 ・(1±t2 /λm )…(8) 従って(8)式からも理解できるように、電波Dの波長
λm を変化させることにより、モード変換される光の波
長λを任意好適に変化させることができる。
【0095】図16は第四発明の実施例の全体構成を概
略的に示す斜視図である。尚、第三発明の実施例の構成
成分に対応する構成成分については同一の符号を付して
示し、第三発明の実施例と同様の点についてはその詳細
な説明を省略する。
【0096】この実施例の光フィルタ64は、等価屈折
率が異なる第一及び第二光導波路52及び54を近接配
置して成る方向性結合器56と、光導波方向Pに沿って
正弦波的に変化する電界を形成する電極66とを備え
る。
【0097】第一光導波路52は反転部60を有し、反
転部60は光導波方向Pに沿って交互に周期的に配置し
Z軸方向を光導波方向と直交させた第一及び第二電気光
学結晶60a及び60bを有する。第一及び第二電気光
学結晶60a及び60bを、電極66が形成する電界が
及ぶ位置に配置すると共に、これら光学結晶60a及び
60bのZ軸方向を、互いに逆向きとしかつ電極66が
形成する電界の電場の向きに平行にして成る。
【0098】この実施例では、電極66を電極部材66
a及び66bにより構成する。電極部材66aを、第一
導波路52の側部に配置し光導波方向Pに沿って延在さ
せて、基板62に設ける。また複数の電極部材66bを
光導波方向Pに沿って所定間隔で離間配置して反転部6
0上に設ける。これら電極部材66a及び66bによ
り、第三発明の実施例における電界強度d3(図15参
照)の場合と同様に、光導波方向Pに沿って正弦波的に
変化する電界強度の分布を形成する。このほかは、第三
発明の実施例と同様の構成とする。
【0099】この実施例においても、第三発明の実施例
の場合と同様の原理により、光を分離できる。
【0100】これら発明は上述した実施例にのみ限定さ
れるものではなく、従って各構成成分の形成材料、配設
位置、形状、方向及びそのほかを任意好適に変更でき
る。
【0101】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、第
一発明によれば、電波を用いてモード変換を行なえるの
で、動作速度を速くすることができる。しかもモード変
換に寄与する屈折率変化を、電波の波長に加え、反転部
の配設周期と、第一及び第二電気光学結晶の配設周期と
によっても制御できるので、効率良くモード変換を行な
える屈折率変化を形成できる。従ってこの発明のモード
変換器を用いて光フィルタを構成した場合には、モード
変換効率を高めて分離した光の強度を高めることができ
る。
【0102】また第二発明によれば、電波を用いてモー
ド変換を行なえるので、動作速度を速くすることができ
る。しかもモード変換に寄与する屈折率変化を、電波の
波長に加え、反転部の配設周期と、第一及び第二磁気光
学結晶の配設周期とによっても制御できるので、効率良
くモード変換を行なえる屈折率変化を形成できる。従っ
てこの発明のモード変換器を用いて光フィルタを構成し
た場合には、モード変換効率を高めて分離した光の強度
を高めることができる。
【0103】また第三発明によれば、電波を用いてモー
ド変換を行なえるので、動作速度を速くすることができ
る。しかもモード変換に寄与する屈折率変化を、電波の
波長に加え、反転部の配設周期と、第一及び第二電気光
学結晶の配設周期とによっても制御できるので、効率良
くモード変換を行なえる屈折率変化を形成できる。その
結果、分離した光の強度を高めることができる。
【0104】さらに第三発明によれば、電極の印加電圧
を制御することによってモード変換を行なえるので、動
作速度を速くすることができる。しかもモード変換に寄
与する屈折率変化を、電極の印加電圧と、反転部の配設
周期と、第一及び第二電気光学結晶の配設周期とによっ
て制御できるので、効率良くモード変換を行なえる屈折
率変化を形成できる。その結果、分離した光の強度を高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一発明の第一実施例の全体構成を概略的に示
す斜視図である。
【図2】(A)及び(B)は第一及び第二電気光学結晶
のZ軸方向を示す図である。
【図3】(A)及び(B)は第一及び第二電気光学結晶
のX軸方向を示す図である。
【図4】(A)及び(B)はスペーサ部の機能の説明に
供する図である。
【図5】第一発明の実施例におけるモード変換特性を示
す図である。
【図6】第一発明の第二実施例の全体構成を概略的に示
す斜視図である。
【図7】(A)及び(B)は第一及び第二電気光学結晶
の軸方向を示す図である。
【図8】第一発明の第三実施例の構成を概略的に示す正
面図である。
【図9】第二発明の第一実施例の全体構成を概略的に示
す斜視図である。
【図10】(A)及び(B)は第一及び第二磁気光学結
晶のZ軸方向を示す図である。
【図11】(A)及び(B)は第一及び第二磁気光学結
晶のX軸方向を示す図である。
【図12】(A)及び(B)はスペーサ部の機能の説明
に供する図である。
【図13】第三発明の実施例の全体構成を概略的に示す
斜視図である。
【図14】(A)及び(B)は第一及び第二電気光学結
晶のZ軸方向を示す図である。
【図15】(A)及び(B)はモード変換の説明に供す
る図である。
【図16】第四発明の実施例の全体構成を概略的に示す
斜視図である。
【符号の説明】
10、24、40:モード変換器 12、26、42、60:反転部 12a、26a、60a:第一電気光学結晶 12b、26b、60b:第二電気光学結晶 14、28、44:スペーサ部 16、30、46:光導波路 18、32、48、58:電波ガイド 42a:第一磁気光学結晶 42b:第二磁気光学結晶 50:光フィルタ 52:第一導波路 54:第二導波路 56:方向性結合器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波方向に沿って交互に周期的に配置
    した反転部及びスペーサ部を有する光導波路と、光導波
    方向に沿って電波を導波させる電波ガイドとを備え、 各反転部は、光導波方向に沿って交互に周期的に配置し
    Z軸方向を光導波方向と直交させた第一及び第二電気光
    学結晶を有し、 第一及び第二電気光学結晶を電波の電場が及ぶ位置に配
    置すると共に、これら光学結晶のX軸方向又はY軸方向
    を、互いに逆向きとしかつ電波の電場の向きに平行とし
    て成ることを特徴とするモード変換器。
  2. 【請求項2】 光導波方向に沿って交互に周期的に配置
    した反転部及びスペーサ部を有する光導波路と、光導波
    方向に沿って電波を導波させる電波ガイドとを備え、 各反転部は、光導波方向に沿って交互に周期的に配置し
    Z軸方向を光導波方向と直交させた第一及び第二磁気光
    学結晶を有し、 第一及び第二磁気光学結晶を電波の磁場が及ぶ位置に配
    置すると共に、これら光学結晶のX軸方向又はY軸方向
    を、互いに逆向きとしかつ電波の磁場の向きに平行とし
    て成ることを特徴とするモード変換器。
  3. 【請求項3】 等価屈折率が異なる第一及び第二光導波
    路を近接配置して成る方向性結合器と、光導波方向に沿
    って電波を導波させる電波ガイドとを備え、 第一及び第二光導波路の少なくとも一方は反転部を有
    し、 反転部は、光導波方向に沿って交互に周期的に配置しZ
    軸方向を光導波方向と直交させた第一及び第二電気光学
    結晶を有し、 第一及び第二電気光学結晶を電波の電場が及ぶ位置に配
    置すると共に、これら光学結晶のZ軸方向を、互いに逆
    向きとしかつ電波の電場の向きに平行にして成ることを
    特徴とする光フィルタ。
  4. 【請求項4】 等価屈折率が異なる第一及び第二光導波
    路を近接配置して成る方向性結合器と、光導波方向に沿
    って正弦波的に変化する電界を形成する電極とを備え、 第一及び第二光導波路の少なくとも一方は反転部を有
    し、 反転部は、光導波方向に沿って交互に周期的に配置しZ
    軸方向を光導波方向と直交させた第一及び第二電気光学
    結晶を有し、 第一及び第二電気光学結晶を、電極が形成する電界が及
    ぶ位置に配置すると共に、これら光学結晶のZ軸方向
    を、互いに逆向きとしかつ電極が形成する電界の電場の
    向きに平行にして成ることを特徴とする光フィルタ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100428073B1 (ko) * 2002-03-18 2004-04-28 학교법인연세대학교 고차모드를 이용한 광동조 마이크로웨이브 필터
WO2006088155A1 (ja) * 2005-02-18 2006-08-24 Murata Manufacturing Co., Ltd. 誘電体多層周期構造体
JP2009147490A (ja) * 2007-12-12 2009-07-02 Murata Mfg Co Ltd バンドパスフィルタ

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