JPH0533351Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ガイド部材に沿つて往復搬送される
印字ヘツドを有するシリアルプリンタに関するも
のである。

［従来の技術］ 従来から、シリアルプリンタでは、印字ヘツド
に駆動信号を供給するために、ガイド部材に沿つ
て往復搬送される印字ヘツドと駆動回路との間に
フレキシブルケーブルを接続している。そして、
印字ヘツドはフレキシブルケーブルの一端部が接
続された状態で往復移動するので、フレキシブル
ケーブルは印字ヘツドの位置に対応してその屈曲
部が刻々と変化する。そして、フレキシブルケー
ブルは、リボンカセツトとプリンタケースの底板
との間の狭い間隙に配設してある。

このようにフレキシブルケーブルが、狭い間隙
内で屈曲するが、このケーブルの剛性が弱すぎる
と、摺動負荷による中だるみや、印字ヘツドのキ
ヤリツジの下部への巻込みが生じたり、さらに、
フレキシブルケーブルの磨耗が激しいため、配線
パターンが露出することがあり、さらには断線し
て導通不良を生じるなどの問題がある。特に超高
速のプリンタを実現しようとする場合には、これ
らは大きな問題となる。そのため、フレキシブル
ケーブルの表面全面に補強板（保護カバー）を設
けたものがある（例えば、実開昭62−15954号公
報）。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、フレキシブルケーブルの表面全面に補
強板を設けると、このケーブルの剛性が高くな
り、そのためフレキシブルケーブルの円滑な屈曲
動作が妨げられ、また、フレキシブルケーブルの
円滑な屈曲動作が妨げられないように補強板の剛
性を弱くしすぎると、今度は印字ヘツドのキヤリ
ツジの下部へのケーブルの巻込み等が発生するこ
とがある。

そこで本考案の目的は、フレキシブルケーブル
に適当な剛性を与えるため、可撓性を調整した補
強板を設け、超高速のプリンタの往復移動にも耐
えることができ、さらにこのような補強板の製造
を容易にすることができるフレキシブルケーブル
を具備したシリアルプリンタを提供することにあ
る。

［課題を解決するための手段］ 本考案の特徴は、フレキシブルケーブルの両面
に、可撓性を有する一対の補強板を配設してあ
り、この一対の補強板は、一枚のものをその長手
方向と直交する方向に形成された連結部を介して
連結されたものであり、上記連結部で折り返され
て上記フレキシブルケーブルの両面にそれぞれ対
接するものであり、上記一対の補強板は、一方の
一端部にフツク穴を、他方の一端部に上記フツク
穴に係止するフツクを形成してあり、上記一対の
補強板は、中央部の幅を狭くして可撓性を調整し
てあるところにある。

［作用］ 両補強板は、それぞれフレキシブルケーブルの
両面に対接してフレキシブルケーブルの弾性を高
めるように作用し、フレキシブルケーブルの中だ
るみや巻き込みを防ぐ。また、フレキシブルケー
ブルが屈曲されたときにその外面側に対接する一
方の補強板は、フレキシブルケーブルとその上下
に位置する部材との間に介在し、両者が直接摺接
することを排除してフレキシブルケーブルの摩耗
を防ぐ。

［実施例］ 本考案の一実施例を、図面に基づいて説明す
る。

第１，２図に示すように、プラテン１に対向す
る印字ヘツド２はキヤリツジ３上に固定されてお
り、キヤリツジ３を介してガイド部材であるガイ
ド軸４，４に沿つて往復搬送される。印字ヘツド
２にはフレキシブルケーブル５の一端部が接続し
てあり、フレキシブルケーブルの他端部は、ケー
ブルカバー６に取り付けてある。ケーブルカバー
６はプリンタケースの底板７に固着してあり、ケ
ーブルカバー６から突出するフレキシブルケーブ
ル５の端部５ａは、図示しない駆動回路に接続し
てあり、フレキシブルケーブル５によつて印字ヘ
ツド２と駆動回路との間の導通をとつている。

フレキシブルケーブル５の両面には、一対の補
強板８，９が配設してある。補強板は可撓性を有
する材質のもので形成され、第３図示のように、
一対の補強板８，９は、その長手方向と直交する
方向に形成された連結部１０を介して連結されて
おり、この連結部で折り返されてフレキシブルケ
ーブル５の両面にそれぞれ対接する。一方の補強
板８の一端部には、フツク穴８１が形成してあ
り、他方の補強板９の一端部には、連結部１０で
折り返したときに、このフツク穴に係止するフツ
ク９１が形成してある。また、補強板８，９の他
端部には、補強板の長手方向の位置決めを行う凹
部８２，９２および突起８３，９３が形成してあ
る。補強板８の一端部には、キヤリツジ３と印字
ヘツド２との間に挿入される舌片８４が形成して
ある。さらに、補強板８，９は、その両端部を除
いて中央部の幅は狭く形成することにより可撓性
を調整し、それによつて前記した従来技術の課題
を解決すべく、フレキシブルケーブル５の可撓性
を調整するものである。なお、この舌片８４は、
第２図に示すようにキヤリツジ３の上面と押え板
３１によつて挟持されるようになつている。

第１図示のように、ケーブルカバー６には、補
強板８，９の他端部を押える弾性腕６１が設けて
あり、弾性腕に対向して補強板８，９の凹部８
２，９２に係合する係合片６２が設けてある。弾
性腕６１の基部には、補強板８，９の突起８３，
９３を挿入可能の切欠部６３が設けてある。

このような構造であるので、印字ヘツド２にフ
レキシブルケーブル５を接続した後で、フレキシ
ブルケーブル５を印字ヘツド２との接続部近傍で
折つて直角方向に導くようにしてキヤリツジ３へ
の固定部を形成し、補強板８，９を連結部１０で
折り返してフレキシブルケーブル５を挟んで、フ
レキシブルケーブルの両面に各補強板を対接さ
せ、そこでフツク穴８１にフツク９１を係止し
て、このケーブルの折り返した状態を保持する。
フレキシブルケーブル５と補強板８，９の他端部
は、弾性腕６１の下面を通過させた上で裏面に折
り曲げてその端部５ａを突出させる。そして、凹
部８２，９２を係合片６２に係合させると当時
に、突起８３，９３を切欠部６３に挿入する。こ
の状態で、印字ヘツド２、フレキシブルケーブル
５、補強板８，９およびケーブルカバー６は一体
となり、簡単には外れなくなるので、全体として
の取り扱いが容易である。そこで、ガイド軸４，
４にすでに取り付けられているキヤリツジ３の上
に、補強板の舌片８４が印字ヘツド２とキヤリツ
ジ３との間に挿入されるように印字ヘツド２を載
置して固定する。ついで、フレキシブルケーブル
５の固定部および補強板８，９の一端部の上に押
え板３１を載置し、これをキヤリツジ３に固定す
る。最後に、ケーブルカバー６をプリンタケース
の底板７に固定すれば組み立ては完了する。

印字に際しては、リボンカセツト１１がセツト
されるので、印字ヘツド２が往復移動するとき、
フレキシブルケーブル５および補強板８，９はリ
ボンカセツト１１と底板７との狭い間隙で屈曲状
態となつている。補強板８，９はフレキシブルケ
ーブル５の両面に対接し、フレキシブルケーブル
の弾性を高めて屈曲運動が安定して行われるよう
に補助しており、フレキシブルケーブル５の中だ
るみやキヤリツジ３の下部への巻き込みは生じな
い。フレキシブルケーブルの外面に対接している
補強板９は、第２図示のように上部に配設されて
いるリボンカセツト１１の底面、あるいはプリン
タケースの底板７の上面との間に介在してそれら
の部材とフレキシブルケーブル５とが直接摺接す
ることを防止しており、このためフレキシブルケ
ーブル５に摩耗が生じることがない。

［効果］ このような構成を有する本考案のシリアルプリ
ンタは、補強板の中央部を狭くすることにより、
フレキシブルケーブルの可撓性が調整されている
ので、ケーブルに適度な弾性を与え、ケーブルの
中だるみやキヤリツジ下部への巻き込みを生じる
ことはなく、またケーブルに必要以上の剛性を与
えないからケーブルの円滑な屈曲動作が得られ、
超高速の印字を円滑に行うことができる。

さらに、一対の補強板は、その長手方向と直交
する方向に形成された連結部を介して連結してあ
るので、補強板の製造用型抜き機の抜き型の大型
化がなく、製造および取り扱いが容易である。ま
た、補強板は、折り返された後、フツク穴にフツ
クを係止することによつて、補強板は折り返され
た状態を保持し、容易にフレキシブルケーブルか
ら外れず安定して保持されるので、組み立てや印
字ヘツドの交換時などにおける作業性が向上す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は要部の一部切欠斜視図、第２図は拡大背面図、
第３図は補強板の縮小一部切欠平面図である。 ２……印字ヘツド、４……ガイド部材、５……
フレキシブルケーブル、８，９……補強板、８１
……フツク穴、９１……フツク、１０……連結
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ガイド部材に沿つて往復搬送される印字ヘツド
   と、 一端部が上記印字ヘツドに接続されたフレキシ
   ブルケーブルと、 上記フレキシブルケーブルの両面に配設された
   可撓性を有する一対の補強板とよりなり、 上記一対の補強板は、一枚のものをその長手方
   向と直交する方向に形成された連結部を介して連
   結されたものであり、上記連結部で折り返されて
   上記フレキシブルケーブルの両面にそれぞれ対接
   するものであり、 上記一対の補強板は、一方の一端部にフツク穴
   を、他方の一端部に上記フツク穴に係止するフツ
   クを形成してあり、 上記一対の補強板は、中央部の幅を狭くして可
   撓性を調整してある ことを特徴とするシリアルプリンタ。