JPH05331085A - メタクロレインおよび/またはメタクリル酸の製造方法 - Google Patents
メタクロレインおよび/またはメタクリル酸の製造方法Info
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- JPH05331085A JPH05331085A JP4138615A JP13861592A JPH05331085A JP H05331085 A JPH05331085 A JP H05331085A JP 4138615 A JP4138615 A JP 4138615A JP 13861592 A JP13861592 A JP 13861592A JP H05331085 A JPH05331085 A JP H05331085A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 イソブタンからメタクロレインあるいはメタ
クリル酸を製造する方法を提供する。 【構成】 イソブタンを接触気相酸化してメタクロレイ
ンおよび/またはメタクリル酸を製造する方法におい
て、ピロリン酸ジバナジルを活性成分とする一般式 PaVbXcYdZeOx (1) (XはCoとNiから選ばれた1種以上の元素、YはN
b,Ta,Mn,Fe,Cu,Zn,La,Nd,S
m,Ce,Zr,Cr,Mg,W,Sn,Hf,U,I
n,Cd,Mo,Sb,Bi,Rh,AgおよびSから
選ばれた1種以上の元素、ZはK,Rb,CsおよびT
lから選ばれた1種以上の元素を表わす。a,b,c,
d,eは各元素の原子比率を表わし、a=1のときb=
0.2〜2,c=0.01〜5,d=O〜5,e=O〜
2であり、xは各元素の原子価を満足する酸素原子数を
表わす)の触媒を用いる。
クリル酸を製造する方法を提供する。 【構成】 イソブタンを接触気相酸化してメタクロレイ
ンおよび/またはメタクリル酸を製造する方法におい
て、ピロリン酸ジバナジルを活性成分とする一般式 PaVbXcYdZeOx (1) (XはCoとNiから選ばれた1種以上の元素、YはN
b,Ta,Mn,Fe,Cu,Zn,La,Nd,S
m,Ce,Zr,Cr,Mg,W,Sn,Hf,U,I
n,Cd,Mo,Sb,Bi,Rh,AgおよびSから
選ばれた1種以上の元素、ZはK,Rb,CsおよびT
lから選ばれた1種以上の元素を表わす。a,b,c,
d,eは各元素の原子比率を表わし、a=1のときb=
0.2〜2,c=0.01〜5,d=O〜5,e=O〜
2であり、xは各元素の原子価を満足する酸素原子数を
表わす)の触媒を用いる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイソブタンを分子状酸素
により接触気相酸化してメタクロレインおよび/または
メタクリル酸を製造する方法に関する。
により接触気相酸化してメタクロレインおよび/または
メタクリル酸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、イソブテン、ターシャリーブタノ
ール等の不飽和炭化水素や第3級アルコールを原料とし
て接触気相酸化反応によりメタクロレインあるいはメタ
クリル酸を製造する方法は多数提案されており工業的に
も採用されている。しかしながら、イソブタンを原料と
して接触気相酸化反応によりメタクロレインあるいはメ
タクリル酸を製造する方法に関しては、イソブタンが飽
和炭化水素であって反応性が乏しいために多くは提案さ
れていない。その中で、モリブデン,リン,アルカリ金
属,バナジウムあるいは砒素を必須成分とするヘテロポ
リ酸塩を含む触媒を用いてイソブタンを接触気相酸化反
応してメタクリル酸及びメタクロレインを製造する方法
が開示されている(特開平3−106839号公報)。
また、リン,バナジウム,アンチモン,銅を必須成分と
する触媒を用いてイソブタンを接触気相酸化反応してメ
タクロレイン及びメタクリル酸を製造する方法も開示さ
れている(特開平3−20237号公報)。あるいは、
リン及びまたは砒素を中心元素としてモリブデンを含む
ヘテロポリ酸の銀,亜鉛,ニオブ,タンタル,タングス
テン,マンガン,鉄等の塩を含有する触媒によりイソブ
タンを接触気相酸化反応してメタクロレイン及びメタク
リル酸を製造する方法も開示されている(特開平2−4
2034号公報)。しかし、これらの例ではいずれもま
だメタクロレインおよびメタクリル酸の生産性は低い水
準であり改良が望まれる。
ール等の不飽和炭化水素や第3級アルコールを原料とし
て接触気相酸化反応によりメタクロレインあるいはメタ
クリル酸を製造する方法は多数提案されており工業的に
も採用されている。しかしながら、イソブタンを原料と
して接触気相酸化反応によりメタクロレインあるいはメ
タクリル酸を製造する方法に関しては、イソブタンが飽
和炭化水素であって反応性が乏しいために多くは提案さ
れていない。その中で、モリブデン,リン,アルカリ金
属,バナジウムあるいは砒素を必須成分とするヘテロポ
リ酸塩を含む触媒を用いてイソブタンを接触気相酸化反
応してメタクリル酸及びメタクロレインを製造する方法
が開示されている(特開平3−106839号公報)。
また、リン,バナジウム,アンチモン,銅を必須成分と
する触媒を用いてイソブタンを接触気相酸化反応してメ
タクロレイン及びメタクリル酸を製造する方法も開示さ
れている(特開平3−20237号公報)。あるいは、
リン及びまたは砒素を中心元素としてモリブデンを含む
ヘテロポリ酸の銀,亜鉛,ニオブ,タンタル,タングス
テン,マンガン,鉄等の塩を含有する触媒によりイソブ
タンを接触気相酸化反応してメタクロレイン及びメタク
リル酸を製造する方法も開示されている(特開平2−4
2034号公報)。しかし、これらの例ではいずれもま
だメタクロレインおよびメタクリル酸の生産性は低い水
準であり改良が望まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はイソブ
タンからメタクロレインおよび/またはメタクリル酸を
有利に製造する方法を提供することにある。
タンからメタクロレインおよび/またはメタクリル酸を
有利に製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、イソブタ
ンを接触気相酸化反応させてメタクロレインおよび/ま
たはメタクリル酸を製造する触媒について鋭意研究を重
ねた結果、活性、選択性ともに実用性の高い触媒を見出
だし本発明を完成した。即ち本発明は、イソブタンを触
媒の存在下に接触気相酸化してメタクロレインおよび/
またはメタクリル酸を製造する方法において、ピロリン
酸ジバナジルを活性成分として含有する一般式 PaVbXcYdZeOx (1) (式中、P,V,Oはそれぞれリン,バナジウム,酸素
を表わし、Xはコバルトおよびニッケルの中から選ばれ
た少なくとも1種の元素を表わし、Yはニオブ,タンタ
ル,マンガン,鉄,銅,亜鉛,ランタン,ネオジウム,
サマリウム,セリウム,ジルコニウム,クロム,マグネ
シウム,タングステン,スズ,ハフニウム,ウラン,イ
ンジウム,カドミウム,モリブデン,アンチモン,ビス
マス,ロジウム,銀およびイオウの中から選ばれた少な
くとも1種の元素を表わし、Zはカリウム,ルビジウ
ム,セシウムおよびタリウムの中から選ばれた少なくと
も1種の元素を表わす。また、a,b,c,d,e,x
は各元素の原子比率を表わし、a=1のとき、b=0.
2〜2,c=0.01〜5,d=O〜5,e=O〜2の
範囲内であり、xは前記各成分元素の原子価を満足する
に必要な酸素原子数を表わす)で表わされる触媒を用い
ることを要旨とするメタクロレインおよび/またはメタ
クリル酸を製造する方法である。
ンを接触気相酸化反応させてメタクロレインおよび/ま
たはメタクリル酸を製造する触媒について鋭意研究を重
ねた結果、活性、選択性ともに実用性の高い触媒を見出
だし本発明を完成した。即ち本発明は、イソブタンを触
媒の存在下に接触気相酸化してメタクロレインおよび/
またはメタクリル酸を製造する方法において、ピロリン
酸ジバナジルを活性成分として含有する一般式 PaVbXcYdZeOx (1) (式中、P,V,Oはそれぞれリン,バナジウム,酸素
を表わし、Xはコバルトおよびニッケルの中から選ばれ
た少なくとも1種の元素を表わし、Yはニオブ,タンタ
ル,マンガン,鉄,銅,亜鉛,ランタン,ネオジウム,
サマリウム,セリウム,ジルコニウム,クロム,マグネ
シウム,タングステン,スズ,ハフニウム,ウラン,イ
ンジウム,カドミウム,モリブデン,アンチモン,ビス
マス,ロジウム,銀およびイオウの中から選ばれた少な
くとも1種の元素を表わし、Zはカリウム,ルビジウ
ム,セシウムおよびタリウムの中から選ばれた少なくと
も1種の元素を表わす。また、a,b,c,d,e,x
は各元素の原子比率を表わし、a=1のとき、b=0.
2〜2,c=0.01〜5,d=O〜5,e=O〜2の
範囲内であり、xは前記各成分元素の原子価を満足する
に必要な酸素原子数を表わす)で表わされる触媒を用い
ることを要旨とするメタクロレインおよび/またはメタ
クリル酸を製造する方法である。
【0005】本発明の方法によれば、イソブタンからメ
タクロレインあるいはメタクリル酸を選択性よく、高い
生産性で得ることが出来る。このような優れた効果が得
られる理由は、上記触媒の基本構成がピロリン酸ジバナ
ジルであることによると考えられる。ピロリン酸ジバナ
ジルはBusuka(G,Busuka et a
l.,Appl.Catal.,25,264(198
6)やSimodaら(T.Simoda et a
l.,Bull.Chem.Soc.Jpn.,58,
2163(1985))によるとブタン酸化による無水
マレイン酸合成触媒の活性体であると報告しており、ま
たPuttockとRochester(S.J.Pu
ttocck and C.H.Rochester,
J.Chem.Soc.,Farady Tran
s.,1,82,2773(1986))はピロリン酸
ジバナジルが強い酸点を持っていてこの酸点がブタンを
活性化すると報告している。即ち、本発明に用いる触媒
の構成要素であるピロリン酸ジバナジルがもつ強い酸点
により、イソブタンのα−位にある水素が容易に水素ラ
ジカルとして引き抜かれて活性化され、活性化されたも
のが酸化されて主にメタクロレインを生成するものと考
えられる。
タクロレインあるいはメタクリル酸を選択性よく、高い
生産性で得ることが出来る。このような優れた効果が得
られる理由は、上記触媒の基本構成がピロリン酸ジバナ
ジルであることによると考えられる。ピロリン酸ジバナ
ジルはBusuka(G,Busuka et a
l.,Appl.Catal.,25,264(198
6)やSimodaら(T.Simoda et a
l.,Bull.Chem.Soc.Jpn.,58,
2163(1985))によるとブタン酸化による無水
マレイン酸合成触媒の活性体であると報告しており、ま
たPuttockとRochester(S.J.Pu
ttocck and C.H.Rochester,
J.Chem.Soc.,Farady Tran
s.,1,82,2773(1986))はピロリン酸
ジバナジルが強い酸点を持っていてこの酸点がブタンを
活性化すると報告している。即ち、本発明に用いる触媒
の構成要素であるピロリン酸ジバナジルがもつ強い酸点
により、イソブタンのα−位にある水素が容易に水素ラ
ジカルとして引き抜かれて活性化され、活性化されたも
のが酸化されて主にメタクロレインを生成するものと考
えられる。
【0006】本発明に係わる触媒はピロリン酸ジバナジ
ルを活性成分として含有するものである。このことは、
X線回折によりピロリン酸ジバナジル((VO)2P2O
7 )の特徴であるd値(面間隔)が略4.04,3.9
0,3.14,3.03,2.66,2.44Åの各ピ
ークが観測されることから確認できる。
ルを活性成分として含有するものである。このことは、
X線回折によりピロリン酸ジバナジル((VO)2P2O
7 )の特徴であるd値(面間隔)が略4.04,3.9
0,3.14,3.03,2.66,2.44Åの各ピ
ークが観測されることから確認できる。
【0007】本発明に係わる触媒はコバルトあるいはニ
ッケルを必須成分とする。これらの元素は、ピロリン酸
ジバナジルの酸点の強度増大、または酸化力増大に寄与
し、優れた触媒性能を発揮すると考えられる。
ッケルを必須成分とする。これらの元素は、ピロリン酸
ジバナジルの酸点の強度増大、または酸化力増大に寄与
し、優れた触媒性能を発揮すると考えられる。
【0008】また、本発明に係わる触媒は更に他の元素
を含むことにより、より優れた触媒性能を発揮すること
がある。即ち、一般式(1)において、Yがニオブ,タ
ンタル,セリウム,サマリウム,ネオジウム,モリブテ
ンの中から選ばれる少なくとも1種の元素であり、か
つ、d=O〜5、より好ましくはd=0.01〜5、特
にYがニオブ,タンタルあるいはモリブテンでd=0〜
2の範囲内で含み、またZがカリウム,ルビジウム,セ
シウム,タリウムの中から選ばれた少なくとも1種の元
素であり、かつ、e=O〜2、より好ましくはd=0.
001〜2の範囲内で含む触媒が優れる。但し、YやZ
成分が触媒中に前記dあるいはeの範囲を超えて多く含
まれると触媒性能が低下する。
を含むことにより、より優れた触媒性能を発揮すること
がある。即ち、一般式(1)において、Yがニオブ,タ
ンタル,セリウム,サマリウム,ネオジウム,モリブテ
ンの中から選ばれる少なくとも1種の元素であり、か
つ、d=O〜5、より好ましくはd=0.01〜5、特
にYがニオブ,タンタルあるいはモリブテンでd=0〜
2の範囲内で含み、またZがカリウム,ルビジウム,セ
シウム,タリウムの中から選ばれた少なくとも1種の元
素であり、かつ、e=O〜2、より好ましくはd=0.
001〜2の範囲内で含む触媒が優れる。但し、YやZ
成分が触媒中に前記dあるいはeの範囲を超えて多く含
まれると触媒性能が低下する。
【0009】ピロリン酸ジバナジル中のバナジウム原子
の価数は4価であるが、ピロリン酸ジバナジルを活性成
分として含有し、一般式(1)で表わされ、かつ触媒中
のバナジウム原子の一部が5価のバナジウム原子である
触媒はより触媒活性が増大する効果が認められる。触媒
中の全バナジウム原子に対する5価のバナジウム原子が
1〜90%の範囲内で存在している触媒が好ましい。こ
のような触媒は、例えば、ピロリン酸ジバナジルにリン
酸バナジルのような5価のバナジウム原子を併用するこ
とにより得られる。しかし、このような5価のバナジウ
ム原子を併用する触媒は、ピロリン酸ジバナジルを酸素
含有雰囲気ガス中200〜700℃で加熱することで4
価のバナジウム原子の一部が酸化されて5価のバナジウ
ム原子になることからでも容易に得られる。このように
ピロリン酸ジバナジルの4価のバナジウム原子の一部を
酸化して5価のバナジウム原子にした触媒は特に触媒活
性が高く好適である。5価のバナジウム原子の生成割合
は酸化処理する際の雰囲気ガス中の酸素濃度(分圧)、
処理温度、処理時間などを変えることによって可能であ
る。
の価数は4価であるが、ピロリン酸ジバナジルを活性成
分として含有し、一般式(1)で表わされ、かつ触媒中
のバナジウム原子の一部が5価のバナジウム原子である
触媒はより触媒活性が増大する効果が認められる。触媒
中の全バナジウム原子に対する5価のバナジウム原子が
1〜90%の範囲内で存在している触媒が好ましい。こ
のような触媒は、例えば、ピロリン酸ジバナジルにリン
酸バナジルのような5価のバナジウム原子を併用するこ
とにより得られる。しかし、このような5価のバナジウ
ム原子を併用する触媒は、ピロリン酸ジバナジルを酸素
含有雰囲気ガス中200〜700℃で加熱することで4
価のバナジウム原子の一部が酸化されて5価のバナジウ
ム原子になることからでも容易に得られる。このように
ピロリン酸ジバナジルの4価のバナジウム原子の一部を
酸化して5価のバナジウム原子にした触媒は特に触媒活
性が高く好適である。5価のバナジウム原子の生成割合
は酸化処理する際の雰囲気ガス中の酸素濃度(分圧)、
処理温度、処理時間などを変えることによって可能であ
る。
【0010】触媒中に5価のバナジウム原子が存在する
か否かは、存在する場合にはX線回折分析でd値が略
4.88,4.23,3.20,2.68,2.44Å
の各ピーク群あるいは略4.72,4.12,3.1
5,2.65,2.56Åの各ピーク群が観測されるこ
とから容易に確認できる。また、硫酸鉄(II)アンモニ
ウムによる滴定法によって触媒中の5価のバナジウム量
を定量することができる。また、ピロリン酸ジバナジル
と、リンとモリブデンを含むヘテロポリ酸および/また
はその塩とが共存する触媒は非常に興味深い。即ち、ピ
ロリン酸ジバナジルを活性成分として含有し、一般式
(1)で表わされ、かつ一般式(1)においてリン原子
の一部がリンとモリブデンを含むヘテロポリ酸および/
またはその塩として含有する触媒は強い酸強度と酸化力
を有する。このような触媒を用いると、ピロリン酸ジバ
ナジルを活性成分として含有する一般式(1)で表わさ
れる触媒のみを単独で用いるか、あるいはリン、モリブ
デンを含有するヘテロポリ酸および/またはその塩を単
独で用いるいずれの場合よりも高いイソブタン転化率お
よびメタクロレインあるいはメタクリル酸選択率を示
す。この種の触媒において触媒中に含まれるリンの全量
に占めるヘテロポリ酸および/またはその塩に含まれる
リンの好ましい割合は1〜50%、より好ましくは5〜
40%である。
か否かは、存在する場合にはX線回折分析でd値が略
4.88,4.23,3.20,2.68,2.44Å
の各ピーク群あるいは略4.72,4.12,3.1
5,2.65,2.56Åの各ピーク群が観測されるこ
とから容易に確認できる。また、硫酸鉄(II)アンモニ
ウムによる滴定法によって触媒中の5価のバナジウム量
を定量することができる。また、ピロリン酸ジバナジル
と、リンとモリブデンを含むヘテロポリ酸および/また
はその塩とが共存する触媒は非常に興味深い。即ち、ピ
ロリン酸ジバナジルを活性成分として含有し、一般式
(1)で表わされ、かつ一般式(1)においてリン原子
の一部がリンとモリブデンを含むヘテロポリ酸および/
またはその塩として含有する触媒は強い酸強度と酸化力
を有する。このような触媒を用いると、ピロリン酸ジバ
ナジルを活性成分として含有する一般式(1)で表わさ
れる触媒のみを単独で用いるか、あるいはリン、モリブ
デンを含有するヘテロポリ酸および/またはその塩を単
独で用いるいずれの場合よりも高いイソブタン転化率お
よびメタクロレインあるいはメタクリル酸選択率を示
す。この種の触媒において触媒中に含まれるリンの全量
に占めるヘテロポリ酸および/またはその塩に含まれる
リンの好ましい割合は1〜50%、より好ましくは5〜
40%である。
【0011】本発明の触媒を調製するには種々の方法が
あり、例えば五酸化バナジウム等のバナジウム化合物を
還元した後、オルトリン酸などのリン化合物と反応させ
てVOHPO4・0.5H2O(X線回折によりd値が略
5.72,4.54,3.58,3.30,3.12,
2.94Åの各ピークを示す)を調製し、これを窒素や
ヘリウムなどの不活性ガス中で300〜700℃の温度
範囲で加熱処理して目的の触媒を得る。バナジウム化合
物を還元する方法としては、水系溶媒中でバナジウム化
合物を塩化水素などの還元剤により還元する方法、還元
能力を有する有機溶媒中でバナジウム化合物を還元する
方法あるいはこれらを組み合わせた方法など種々の方法
が適用できる。またコバルト,ニッケル,ニオブ,マン
ガン,鉄等を加える触媒調製においては前記金属塩例え
ば塩化物,硫酸塩,硝酸塩,アンモニウム塩,炭酸塩,
水酸化物,酸化物等をオルトリン酸と共に還元されたバ
ナジウム化合物中に加えて反応させて得られるVOHP
O4・0.5H2Oを不活性ガス中で加熱処理して目的の
触媒を得る。
あり、例えば五酸化バナジウム等のバナジウム化合物を
還元した後、オルトリン酸などのリン化合物と反応させ
てVOHPO4・0.5H2O(X線回折によりd値が略
5.72,4.54,3.58,3.30,3.12,
2.94Åの各ピークを示す)を調製し、これを窒素や
ヘリウムなどの不活性ガス中で300〜700℃の温度
範囲で加熱処理して目的の触媒を得る。バナジウム化合
物を還元する方法としては、水系溶媒中でバナジウム化
合物を塩化水素などの還元剤により還元する方法、還元
能力を有する有機溶媒中でバナジウム化合物を還元する
方法あるいはこれらを組み合わせた方法など種々の方法
が適用できる。またコバルト,ニッケル,ニオブ,マン
ガン,鉄等を加える触媒調製においては前記金属塩例え
ば塩化物,硫酸塩,硝酸塩,アンモニウム塩,炭酸塩,
水酸化物,酸化物等をオルトリン酸と共に還元されたバ
ナジウム化合物中に加えて反応させて得られるVOHP
O4・0.5H2Oを不活性ガス中で加熱処理して目的の
触媒を得る。
【0012】触媒調製において用いるリン源としては5
価の化合物であるオルトリン酸,ピロリン酸,五酸化リ
ン,五塩化リン,リン酸ナトリウム等が挙げられる。バ
ナジウム源としては5価の化合物である五酸化バナジウ
ム,メタバナジン酸,ピロバナジン酸等や、4価の化合
物である二酸化バナジウムなどが挙げられる。また5価
のバナジウム化合物の還元剤としては塩化水素,塩酸ヒ
ドロキシルアミン,ヒドラジン類,炭素数1〜6の脂肪
族,芳香族アルコール類といった通常の還元剤を適用す
ることが出来る。これらの触媒は、担体または稀釈混合
した形で用いることが出来る。担体として、シリカ,ア
ルミナ,シリコンカーバイト,チタニヤ,チタニヤシリ
カ,ジルコニヤ,ゼオライト等が挙げられる。また触媒
の形状は円柱状,球状,リング状など限定はされない。
価の化合物であるオルトリン酸,ピロリン酸,五酸化リ
ン,五塩化リン,リン酸ナトリウム等が挙げられる。バ
ナジウム源としては5価の化合物である五酸化バナジウ
ム,メタバナジン酸,ピロバナジン酸等や、4価の化合
物である二酸化バナジウムなどが挙げられる。また5価
のバナジウム化合物の還元剤としては塩化水素,塩酸ヒ
ドロキシルアミン,ヒドラジン類,炭素数1〜6の脂肪
族,芳香族アルコール類といった通常の還元剤を適用す
ることが出来る。これらの触媒は、担体または稀釈混合
した形で用いることが出来る。担体として、シリカ,ア
ルミナ,シリコンカーバイト,チタニヤ,チタニヤシリ
カ,ジルコニヤ,ゼオライト等が挙げられる。また触媒
の形状は円柱状,球状,リング状など限定はされない。
【0013】イソブタンからメタクロレイン及び/また
はメタクリル酸を製造するにあたって用いる原料ガスと
しては、イソブタン10〜80容量%含有すると共に、
酸素対イソブタン比率で0.1〜3含有する混合ガスが
好ましい。なお、上記原料ガス中に水蒸気は存在しても
しなくてもよいが、水蒸気を含有する場合はイソブタン
に対するモル比率は0.1〜3の範囲で存在させること
が好ましい。さらに上記混合ガスは窒素,二酸化炭素ま
たはヘリウム等反応に不活性なガスで希釈することもで
きる。反応温度としては200〜400℃の温度範囲が
好ましく、圧力は定圧から30kg/cm2 までの条件
で上記原料ガスを前記触媒に接触させることが好まし
い。
はメタクリル酸を製造するにあたって用いる原料ガスと
しては、イソブタン10〜80容量%含有すると共に、
酸素対イソブタン比率で0.1〜3含有する混合ガスが
好ましい。なお、上記原料ガス中に水蒸気は存在しても
しなくてもよいが、水蒸気を含有する場合はイソブタン
に対するモル比率は0.1〜3の範囲で存在させること
が好ましい。さらに上記混合ガスは窒素,二酸化炭素ま
たはヘリウム等反応に不活性なガスで希釈することもで
きる。反応温度としては200〜400℃の温度範囲が
好ましく、圧力は定圧から30kg/cm2 までの条件
で上記原料ガスを前記触媒に接触させることが好まし
い。
【0014】実施例1 約80℃に加熱したイソブチルアルコール80mlに五
酸化バナジウム10gを加えて撹拌しながら塩化水素ガ
スを5分間通した。これに98重量%オルトリン酸1
2.4gと塩化コバルト2.7gの混合物を加えて1時
間還流させた。つぎにトルエン100mlを加えて加熱
してイソブチルアルコールを除去した。上記トルエン中
の沈殿物を濾過して取り出し、約120℃で乾燥した。
この固体はX線回折測定からVOHPO4・0.5H2O
の特徴であるd値=5.72,4.54,3.58,
3.30,3.12,2.94Åのピークを示した。こ
の固体をヘリウムガス中で500℃で8時間加熱した
後、24〜35メッシュに粉砕して触媒とした。
酸化バナジウム10gを加えて撹拌しながら塩化水素ガ
スを5分間通した。これに98重量%オルトリン酸1
2.4gと塩化コバルト2.7gの混合物を加えて1時
間還流させた。つぎにトルエン100mlを加えて加熱
してイソブチルアルコールを除去した。上記トルエン中
の沈殿物を濾過して取り出し、約120℃で乾燥した。
この固体はX線回折測定からVOHPO4・0.5H2O
の特徴であるd値=5.72,4.54,3.58,
3.30,3.12,2.94Åのピークを示した。こ
の固体をヘリウムガス中で500℃で8時間加熱した
後、24〜35メッシュに粉砕して触媒とした。
【0015】このように調製した触媒の組成はP1V0.9
Co0.09OX であり、またX線回折測定を行った結果、
d値=4.04,3.90,3.14,3.02,2.
66,2.43,2.10Åにピークを示し、これらの
結果から(VO)2P2O7 であることを確認した。
Co0.09OX であり、またX線回折測定を行った結果、
d値=4.04,3.90,3.14,3.02,2.
66,2.43,2.10Åにピークを示し、これらの
結果から(VO)2P2O7 であることを確認した。
【0016】上記触媒3gを充填した反応管にイソブタ
ン30ml/min,酸素15ml/min,水蒸気1
5ml/minの組成・流量の混合ガスを通じて加熱し
酸化反応を行ったところ、反応温度280℃においてイ
ソブタン転化率13.9%,メタクロレイン選択率22
%,メタクリル酸選択率32%であった。またイソブテ
ン選択率0.5%であった。副生成物としてはアセト
ン、プロピレンが検出された。
ン30ml/min,酸素15ml/min,水蒸気1
5ml/minの組成・流量の混合ガスを通じて加熱し
酸化反応を行ったところ、反応温度280℃においてイ
ソブタン転化率13.9%,メタクロレイン選択率22
%,メタクリル酸選択率32%であった。またイソブテ
ン選択率0.5%であった。副生成物としてはアセト
ン、プロピレンが検出された。
【0017】実施例2 実施例1において塩化コバルトの代わりに塩化ニッケル
2.7gを使用した以外は実施例1に従って触媒を調製
した。
2.7gを使用した以外は実施例1に従って触媒を調製
した。
【0018】調製した触媒の組成はP1V0.9Ni0.09O
X であり、またX線回折を行なった結果、おもに(V
O)2P2O7 の構造をしていることを確認した。
X であり、またX線回折を行なった結果、おもに(V
O)2P2O7 の構造をしていることを確認した。
【0019】この触媒を用いて実施例1と同様にしてイ
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率11.8%,メタクロレイン選択率24%,メ
タクリル酸選択率24%であった。
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率11.8%,メタクロレイン選択率24%,メ
タクリル酸選択率24%であった。
【0020】実施例3 実施例1において98重量%オルトリン酸と塩化コバル
トの混合物の代わりに98重量%オルトリン酸12.4
g、塩化コバルト2.7gおよび五塩化ニオブ10.1
gの混合物を使用した以外は実施例1に従って触媒を調
製した。
トの混合物の代わりに98重量%オルトリン酸12.4
g、塩化コバルト2.7gおよび五塩化ニオブ10.1
gの混合物を使用した以外は実施例1に従って触媒を調
製した。
【0021】調製した触媒の組成は P1V0.9Co0.09
Nb0.3OX であり、またX線回折を行った結果、おも
に(VO)2P2O7 の構造をしていることを確認した。
Nb0.3OX であり、またX線回折を行った結果、おも
に(VO)2P2O7 の構造をしていることを確認した。
【0022】この触媒を用いて実施例1と同様にしてイ
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率23.6%,メタクロレイン選択率45.2
%,メタクリル酸選択率21.7%であった。
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率23.6%,メタクロレイン選択率45.2
%,メタクリル酸選択率21.7%であった。
【0023】実施例4 実施例1において98重量%オルトリン酸と塩化コバル
トの混合物の代わりに98重量%オルトリン酸12.4
g、塩化ニッケル2.7gおよび塩化タンタル17.8
gの混合物を使用した以外は実施例1に従って触媒を調
製した。
トの混合物の代わりに98重量%オルトリン酸12.4
g、塩化ニッケル2.7gおよび塩化タンタル17.8
gの混合物を使用した以外は実施例1に従って触媒を調
製した。
【0024】調製した触媒の組成は P1V0.9Ni0.09
Ta0.4OX であり、またX線回折測定から(VO)2P
2O7 の構造をしていることを確認した。
Ta0.4OX であり、またX線回折測定から(VO)2P
2O7 の構造をしていることを確認した。
【0025】この触媒を用いて実施例1と同様にしてイ
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率21.2%,メタクロレイン選択率36.5
%,メタクリル酸選択率28.5%であった。
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率21.2%,メタクロレイン選択率36.5
%,メタクリル酸選択率28.5%であった。
【0026】実施例5 実施例1において塩化コバルトの代わりに塩化セリウム
9.2gを使用した以外は実施例1に従って触媒を調製
した。
9.2gを使用した以外は実施例1に従って触媒を調製
した。
【0027】調製した触媒の組成は P1V0.9Ce0.2O
X であり、またX線回折測定から(VO)2P2O7 の構
造をしていることを確認した。
X であり、またX線回折測定から(VO)2P2O7 の構
造をしていることを確認した。
【0028】この触媒を用いて実施例1と同様にしてイ
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率19.7%メタクロレイン選択率31.2%,
メタクリル酸選択率32%であった。
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率19.7%メタクロレイン選択率31.2%,
メタクリル酸選択率32%であった。
【0029】実施例6 実施例1において98重量%オルトリン酸と塩化コバル
トの混合物に更に塩化鉄3.0gおよび塩化マンガン
2.2gを加えた混合物を使用した以外は実施例1に従
って触媒を調製した。
トの混合物に更に塩化鉄3.0gおよび塩化マンガン
2.2gを加えた混合物を使用した以外は実施例1に従
って触媒を調製した。
【0030】調製した触媒の組成はP1V0.9Co0.09F
e0.09Mn0.09OX であり、またX線回折測定から(V
O)2P2O7 の構造をしていることを確認した。
e0.09Mn0.09OX であり、またX線回折測定から(V
O)2P2O7 の構造をしていることを確認した。
【0031】この触媒を用いて実施例1と同様にしてイ
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率17.9%,メタクロレイン選択率52.6%
メタクリル酸選択率18.6%であった。
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率17.9%,メタクロレイン選択率52.6%
メタクリル酸選択率18.6%であった。
【0032】実施例7 実施例2において98重量%オルトリン酸と塩化ニッケ
ルの混合物に更に塩化銅1.9gおよび塩化亜鉛1.5
gを加えた混合物を使用した以外は実施例2に従って触
媒を調製した。
ルの混合物に更に塩化銅1.9gおよび塩化亜鉛1.5
gを加えた混合物を使用した以外は実施例2に従って触
媒を調製した。
【0033】調製した触媒の組成はP1V0.9Ni0.09C
u0.09Zn0.09OX であり、またX線回折測定から(V
O)2P2O7 の構造をしていることを確認した。
u0.09Zn0.09OX であり、またX線回折測定から(V
O)2P2O7 の構造をしていることを確認した。
【0034】この触媒を用いて実施例1と同様にしてイ
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率16.8%,メタクロレイン選択率50.7
%,メタクリル酸選択率21.0%であった。
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率16.8%,メタクロレイン選択率50.7
%,メタクリル酸選択率21.0%であった。
【0035】実施例8〜16 表1に示す組成の触媒を実施例1に準じて調製した。こ
れらの触媒はいずれもX線回折測定から(VO)2P2O
7 の構造をしていることを確認した。
れらの触媒はいずれもX線回折測定から(VO)2P2O
7 の構造をしていることを確認した。
【0036】これらの触媒を用いて表1に示した反応温
度で実施例1と同様にしてイソブタン酸化の触媒性能試
験を行なった。表1に示す結果を得た。
度で実施例1と同様にしてイソブタン酸化の触媒性能試
験を行なった。表1に示す結果を得た。
【0037】実施例17 モリブデン酸アンモン30g,メタバナジ酸アンモニウ
ム1.66gを純水100gに溶解加温下に溶解した。
これに85%オルトリン酸1.63gを加え更に30g
の純水に溶かした硝酸セシウム4.14gを加え濃硝酸
にてPHを1以下に調整後、95℃にて1時間スラリー
を熟成した。次に100℃で加熱下撹拌しながら蒸発乾
固して得られた固形物を空気中にて350℃で熱処理し
た。こうして得られた固形物のX線回折測定によればリ
ンとモリブデンからから構成されたヘテロポリ酸構造を
とっていることが確認された。この固形物の内20gを
粉砕し、実施例1で得られたVOHPO4・0.5H2O
を粉砕した物を混合して、少量の水で練って成形し、1
20℃で乾燥後ヘリウムガス中500℃で8時間加熱し
た後、24〜35メッシュに粉砕して触媒を調製した。
ム1.66gを純水100gに溶解加温下に溶解した。
これに85%オルトリン酸1.63gを加え更に30g
の純水に溶かした硝酸セシウム4.14gを加え濃硝酸
にてPHを1以下に調整後、95℃にて1時間スラリー
を熟成した。次に100℃で加熱下撹拌しながら蒸発乾
固して得られた固形物を空気中にて350℃で熱処理し
た。こうして得られた固形物のX線回折測定によればリ
ンとモリブデンからから構成されたヘテロポリ酸構造を
とっていることが確認された。この固形物の内20gを
粉砕し、実施例1で得られたVOHPO4・0.5H2O
を粉砕した物を混合して、少量の水で練って成形し、1
20℃で乾燥後ヘリウムガス中500℃で8時間加熱し
た後、24〜35メッシュに粉砕して触媒を調製した。
【0038】調製した触媒のX線回折測定を行った結
果、(VO)2P2O7 に特徴的なピークとリン、モリデ
ンから構成されたケギン構造に特徴的なピークとが確認
された。
果、(VO)2P2O7 に特徴的なピークとリン、モリデ
ンから構成されたケギン構造に特徴的なピークとが確認
された。
【0039】この触媒3gを用いて実施例1の方法に従
ってイソブタン酸化の触媒性能試験を行った。その結
果、イソブタン転化率20.1%,メタクロレイン選択
率37.2%,メタクリル酸選択率32.6%であっ
た。
ってイソブタン酸化の触媒性能試験を行った。その結
果、イソブタン転化率20.1%,メタクロレイン選択
率37.2%,メタクリル酸選択率32.6%であっ
た。
【0040】実施例18 実施例1においてヘリウムガス中で500℃で8時間加
熱した後、更に空気中600℃で3時間加熱処理してか
ら24〜35メッシュに粉砕して触媒とした以外は実施
例1に従って触媒を調製した。
熱した後、更に空気中600℃で3時間加熱処理してか
ら24〜35メッシュに粉砕して触媒とした以外は実施
例1に従って触媒を調製した。
【0041】この触媒はX線回折測定からピロリン酸ジ
バナジルのピークを確認するとともにd値が4.72,
4.12,3.15,2.65,2.56Åの各ピーク
群が観測され5価のバナジウム原子の存在が確認され
た。また、滴定法により5価のバナジウムを定量したと
ころ、触媒中の全バナジウム原子に対する5価のバナジ
ウム原子の割合は55%であった。
バナジルのピークを確認するとともにd値が4.72,
4.12,3.15,2.65,2.56Åの各ピーク
群が観測され5価のバナジウム原子の存在が確認され
た。また、滴定法により5価のバナジウムを定量したと
ころ、触媒中の全バナジウム原子に対する5価のバナジ
ウム原子の割合は55%であった。
【0042】この触媒3gを用いて実施例1の方法に従
ってイソブタン酸化の触媒性能試験を行った。その結
果、反応温度280℃においてイソブタン転化率15.
2%,メタクロレイン選択率19.5%,メタクリル酸
選択率34.2%であった。
ってイソブタン酸化の触媒性能試験を行った。その結
果、反応温度280℃においてイソブタン転化率15.
2%,メタクロレイン選択率19.5%,メタクリル酸
選択率34.2%であった。
【0043】比較例1 実施例1においてオルトリン酸と塩化コバルトの混合物
の代わりに98重量%オルトリン酸12.4gのみを使
用した以外は実施例1に従って触媒を調製した。
の代わりに98重量%オルトリン酸12.4gのみを使
用した以外は実施例1に従って触媒を調製した。
【0044】この触媒の組成はP1V0.9Ox であり、X
線回折測定から(VO)2P2O7 なるピロリン酸ジバナ
ジルであることが確認された。
線回折測定から(VO)2P2O7 なるピロリン酸ジバナ
ジルであることが確認された。
【0045】この触媒3gを用いて実施例1の方法に従
ってイソブタン酸化の触媒性能試験を行った。その結
果、反応温度280℃においてイソブタン転化率1.6
%,メタクロレイン選択率56.6%,メタクリル酸選
択率2.1%であった。
ってイソブタン酸化の触媒性能試験を行った。その結
果、反応温度280℃においてイソブタン転化率1.6
%,メタクロレイン選択率56.6%,メタクリル酸選
択率2.1%であった。
【0046】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 57/05 7306−4H // C07B 61/00 300
Claims (1)
- 【請求項1】 イソブタンを触媒の存在下に接触気相酸
化してメタクロレインおよび/またはメタクリル酸を製
造する方法において、ピロリン酸ジバナジルを活性成分
として含有する一般式 PaVbXcYdZeOx (1) (式中、P,V,Oはそれぞれリン,バナジウム,酸素
を表わし、Xはコバルトおよびニッケルの中から選ばれ
た少なくとも1種の元素を表わし、Yはニオブ,タンタ
ル,マンガン,鉄,銅,亜鉛,ランタン,ネオジウム,
サマリウム,セリウム,ジルコニウム,クロム,マグネ
シウム,タングステン,スズ,ハフニウム,ウラン,イ
ンジウム,カドミウム,モリブデン,アンチモン,ビス
マス,ロジウム,銀およびイオウの中から選ばれた少な
くとも1種の元素を表わし、Zはカリウム,ルビジウ
ム,セシウムおよびタリウムの中から選ばれた少なくと
も1種の元素を表わす。また、a,b,c,d,e,x
は各元素の原子比率を表わし、a=1のとき、b=0.
2〜2,c=0.01〜5,d=O〜5,e=O〜2の
範囲内であり、xは前記各成分元素の原子価を満足する
に必要な酸素原子数を表わす)で表わされる触媒を用い
ることを特徴とするメタクロレインおよび/またはメタ
クリル酸を製造する方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4138615A JP2558036B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | メタクロレインおよび/またはメタクリル酸の製造方法 |
US08/067,067 US5329043A (en) | 1992-05-29 | 1993-05-26 | Method of preparing methacrolein and/or methacrylic acid |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4138615A JP2558036B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | メタクロレインおよび/またはメタクリル酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05331085A true JPH05331085A (ja) | 1993-12-14 |
JP2558036B2 JP2558036B2 (ja) | 1996-11-27 |
Family
ID=15226229
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4138615A Expired - Fee Related JP2558036B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | メタクロレインおよび/またはメタクリル酸の製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5329043A (ja) |
JP (1) | JP2558036B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0812606A (ja) * | 1994-06-30 | 1996-01-16 | Sumitomo Chem Co Ltd | C4−lpgを用いる含酸素化合物の製造法 |
JP2010207696A (ja) * | 2009-03-09 | 2010-09-24 | Sumitomo Chemical Co Ltd | メタクリル酸製造用触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法 |
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---|---|---|---|---|
AU676940B2 (en) * | 1993-10-22 | 1997-03-27 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Catalyst for production of pyromellitic anhydride and methodfor production of pyromellitic anhydride |
US5864051A (en) * | 1997-11-10 | 1999-01-26 | Uop | Selective oxidation catalyst process for preparing the catalyst and process using the catalyst |
KR100477894B1 (ko) * | 2002-06-04 | 2005-03-18 | 한국과학기술연구원 | 헤테로폴리산 촉매의 제조방법과 이를 이용하는 메타크릴산의 제조방법 |
CN101652181B (zh) * | 2007-01-19 | 2013-06-19 | 艾菲纽技术公司 | 以选择性氧化烷烃和/或烯烃制备高价值含氧化合物 |
US11289700B2 (en) | 2016-06-28 | 2022-03-29 | The Research Foundation For The State University Of New York | KVOPO4 cathode for sodium ion batteries |
CN114797982A (zh) * | 2022-05-26 | 2022-07-29 | 中国科学技术大学 | 一种用于异丁烷一步法制甲基丙烯酸的催化剂、其制备方法及应用 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07116071B2 (ja) * | 1988-04-12 | 1995-12-13 | 旭化成工業株式会社 | メタクリル酸および/またはメタクロレインの製法 |
JP2623008B2 (ja) * | 1989-06-19 | 1997-06-25 | 三菱レイヨン株式会社 | メタクロレイン及びメタクリル酸の製造法 |
DE69013623T3 (de) * | 1989-08-29 | 2002-12-19 | Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co., Ltd. | Katalysator zur Herstellung von Methacrylsäure. |
JPH03106839A (ja) * | 1989-09-18 | 1991-05-07 | Sumitomo Chem Co Ltd | イソブタンの接触酸化によるメタクリル酸および/またはメタクロレインの製造方法 |
DE69121028T3 (de) * | 1990-03-13 | 2001-04-05 | Nippon Shokubai Co. Ltd., Osaka | Verfahren zur herstellung von methacrylsäure |
-
1992
- 1992-05-29 JP JP4138615A patent/JP2558036B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1993
- 1993-05-26 US US08/067,067 patent/US5329043A/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0812606A (ja) * | 1994-06-30 | 1996-01-16 | Sumitomo Chem Co Ltd | C4−lpgを用いる含酸素化合物の製造法 |
JP2010207696A (ja) * | 2009-03-09 | 2010-09-24 | Sumitomo Chemical Co Ltd | メタクリル酸製造用触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2558036B2 (ja) | 1996-11-27 |
US5329043A (en) | 1994-07-12 |
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