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JPH05331085A - メタクロレインおよび/またはメタクリル酸の製造方法 - Google Patents

メタクロレインおよび/またはメタクリル酸の製造方法

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Publication number
JPH05331085A
JPH05331085A JP4138615A JP13861592A JPH05331085A JP H05331085 A JPH05331085 A JP H05331085A JP 4138615 A JP4138615 A JP 4138615A JP 13861592 A JP13861592 A JP 13861592A JP H05331085 A JPH05331085 A JP H05331085A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
methacrylic acid
isobutane
methacrolein
selectivity
Prior art date
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Application number
JP4138615A
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English (en)
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JP2558036B2 (ja
Inventor
Ikuya Matsuura
郁也 松浦
Yukio Aoki
幸雄 青木
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
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Priority to US08/067,067 priority patent/US5329043A/en
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07C45/35Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen of CHx-moieties in unsaturated compounds in propene or isobutene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07C51/16Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 イソブタンからメタクロレインあるいはメタ
クリル酸を製造する方法を提供する。 【構成】 イソブタンを接触気相酸化してメタクロレイ
ンおよび/またはメタクリル酸を製造する方法におい
て、ピロリン酸ジバナジルを活性成分とする一般式 Pabcdex (1) (XはCoとNiから選ばれた1種以上の元素、YはN
b,Ta,Mn,Fe,Cu,Zn,La,Nd,S
m,Ce,Zr,Cr,Mg,W,Sn,Hf,U,I
n,Cd,Mo,Sb,Bi,Rh,AgおよびSから
選ばれた1種以上の元素、ZはK,Rb,CsおよびT
lから選ばれた1種以上の元素を表わす。a,b,c,
d,eは各元素の原子比率を表わし、a=1のときb=
0.2〜2,c=0.01〜5,d=O〜5,e=O〜
2であり、xは各元素の原子価を満足する酸素原子数を
表わす)の触媒を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイソブタンを分子状酸素
により接触気相酸化してメタクロレインおよび/または
メタクリル酸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、イソブテン、ターシャリーブタノ
ール等の不飽和炭化水素や第3級アルコールを原料とし
て接触気相酸化反応によりメタクロレインあるいはメタ
クリル酸を製造する方法は多数提案されており工業的に
も採用されている。しかしながら、イソブタンを原料と
して接触気相酸化反応によりメタクロレインあるいはメ
タクリル酸を製造する方法に関しては、イソブタンが飽
和炭化水素であって反応性が乏しいために多くは提案さ
れていない。その中で、モリブデン,リン,アルカリ金
属,バナジウムあるいは砒素を必須成分とするヘテロポ
リ酸塩を含む触媒を用いてイソブタンを接触気相酸化反
応してメタクリル酸及びメタクロレインを製造する方法
が開示されている(特開平3−106839号公報)。
また、リン,バナジウム,アンチモン,銅を必須成分と
する触媒を用いてイソブタンを接触気相酸化反応してメ
タクロレイン及びメタクリル酸を製造する方法も開示さ
れている(特開平3−20237号公報)。あるいは、
リン及びまたは砒素を中心元素としてモリブデンを含む
ヘテロポリ酸の銀,亜鉛,ニオブ,タンタル,タングス
テン,マンガン,鉄等の塩を含有する触媒によりイソブ
タンを接触気相酸化反応してメタクロレイン及びメタク
リル酸を製造する方法も開示されている(特開平2−4
2034号公報)。しかし、これらの例ではいずれもま
だメタクロレインおよびメタクリル酸の生産性は低い水
準であり改良が望まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はイソブ
タンからメタクロレインおよび/またはメタクリル酸を
有利に製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、イソブタ
ンを接触気相酸化反応させてメタクロレインおよび/ま
たはメタクリル酸を製造する触媒について鋭意研究を重
ねた結果、活性、選択性ともに実用性の高い触媒を見出
だし本発明を完成した。即ち本発明は、イソブタンを触
媒の存在下に接触気相酸化してメタクロレインおよび/
またはメタクリル酸を製造する方法において、ピロリン
酸ジバナジルを活性成分として含有する一般式 Pabcdex (1) (式中、P,V,Oはそれぞれリン,バナジウム,酸素
を表わし、Xはコバルトおよびニッケルの中から選ばれ
た少なくとも1種の元素を表わし、Yはニオブ,タンタ
ル,マンガン,鉄,銅,亜鉛,ランタン,ネオジウム,
サマリウム,セリウム,ジルコニウム,クロム,マグネ
シウム,タングステン,スズ,ハフニウム,ウラン,イ
ンジウム,カドミウム,モリブデン,アンチモン,ビス
マス,ロジウム,銀およびイオウの中から選ばれた少な
くとも1種の元素を表わし、Zはカリウム,ルビジウ
ム,セシウムおよびタリウムの中から選ばれた少なくと
も1種の元素を表わす。また、a,b,c,d,e,x
は各元素の原子比率を表わし、a=1のとき、b=0.
2〜2,c=0.01〜5,d=O〜5,e=O〜2の
範囲内であり、xは前記各成分元素の原子価を満足する
に必要な酸素原子数を表わす)で表わされる触媒を用い
ることを要旨とするメタクロレインおよび/またはメタ
クリル酸を製造する方法である。
【0005】本発明の方法によれば、イソブタンからメ
タクロレインあるいはメタクリル酸を選択性よく、高い
生産性で得ることが出来る。このような優れた効果が得
られる理由は、上記触媒の基本構成がピロリン酸ジバナ
ジルであることによると考えられる。ピロリン酸ジバナ
ジルはBusuka(G,Busuka et a
l.,Appl.Catal.,25,264(198
6)やSimodaら(T.Simoda et a
l.,Bull.Chem.Soc.Jpn.,58,
2163(1985))によるとブタン酸化による無水
マレイン酸合成触媒の活性体であると報告しており、ま
たPuttockとRochester(S.J.Pu
ttocck and C.H.Rochester,
J.Chem.Soc.,Farady Tran
s.,1,82,2773(1986))はピロリン酸
ジバナジルが強い酸点を持っていてこの酸点がブタンを
活性化すると報告している。即ち、本発明に用いる触媒
の構成要素であるピロリン酸ジバナジルがもつ強い酸点
により、イソブタンのα−位にある水素が容易に水素ラ
ジカルとして引き抜かれて活性化され、活性化されたも
のが酸化されて主にメタクロレインを生成するものと考
えられる。
【0006】本発明に係わる触媒はピロリン酸ジバナジ
ルを活性成分として含有するものである。このことは、
X線回折によりピロリン酸ジバナジル((VO)22
7 )の特徴であるd値(面間隔)が略4.04,3.9
0,3.14,3.03,2.66,2.44Åの各ピ
ークが観測されることから確認できる。
【0007】本発明に係わる触媒はコバルトあるいはニ
ッケルを必須成分とする。これらの元素は、ピロリン酸
ジバナジルの酸点の強度増大、または酸化力増大に寄与
し、優れた触媒性能を発揮すると考えられる。
【0008】また、本発明に係わる触媒は更に他の元素
を含むことにより、より優れた触媒性能を発揮すること
がある。即ち、一般式(1)において、Yがニオブ,タ
ンタル,セリウム,サマリウム,ネオジウム,モリブテ
ンの中から選ばれる少なくとも1種の元素であり、か
つ、d=O〜5、より好ましくはd=0.01〜5、特
にYがニオブ,タンタルあるいはモリブテンでd=0〜
2の範囲内で含み、またZがカリウム,ルビジウム,セ
シウム,タリウムの中から選ばれた少なくとも1種の元
素であり、かつ、e=O〜2、より好ましくはd=0.
001〜2の範囲内で含む触媒が優れる。但し、YやZ
成分が触媒中に前記dあるいはeの範囲を超えて多く含
まれると触媒性能が低下する。
【0009】ピロリン酸ジバナジル中のバナジウム原子
の価数は4価であるが、ピロリン酸ジバナジルを活性成
分として含有し、一般式(1)で表わされ、かつ触媒中
のバナジウム原子の一部が5価のバナジウム原子である
触媒はより触媒活性が増大する効果が認められる。触媒
中の全バナジウム原子に対する5価のバナジウム原子が
1〜90%の範囲内で存在している触媒が好ましい。こ
のような触媒は、例えば、ピロリン酸ジバナジルにリン
酸バナジルのような5価のバナジウム原子を併用するこ
とにより得られる。しかし、このような5価のバナジウ
ム原子を併用する触媒は、ピロリン酸ジバナジルを酸素
含有雰囲気ガス中200〜700℃で加熱することで4
価のバナジウム原子の一部が酸化されて5価のバナジウ
ム原子になることからでも容易に得られる。このように
ピロリン酸ジバナジルの4価のバナジウム原子の一部を
酸化して5価のバナジウム原子にした触媒は特に触媒活
性が高く好適である。5価のバナジウム原子の生成割合
は酸化処理する際の雰囲気ガス中の酸素濃度(分圧)、
処理温度、処理時間などを変えることによって可能であ
る。
【0010】触媒中に5価のバナジウム原子が存在する
か否かは、存在する場合にはX線回折分析でd値が略
4.88,4.23,3.20,2.68,2.44Å
の各ピーク群あるいは略4.72,4.12,3.1
5,2.65,2.56Åの各ピーク群が観測されるこ
とから容易に確認できる。また、硫酸鉄(II)アンモニ
ウムによる滴定法によって触媒中の5価のバナジウム量
を定量することができる。また、ピロリン酸ジバナジル
と、リンとモリブデンを含むヘテロポリ酸および/また
はその塩とが共存する触媒は非常に興味深い。即ち、ピ
ロリン酸ジバナジルを活性成分として含有し、一般式
(1)で表わされ、かつ一般式(1)においてリン原子
の一部がリンとモリブデンを含むヘテロポリ酸および/
またはその塩として含有する触媒は強い酸強度と酸化力
を有する。このような触媒を用いると、ピロリン酸ジバ
ナジルを活性成分として含有する一般式(1)で表わさ
れる触媒のみを単独で用いるか、あるいはリン、モリブ
デンを含有するヘテロポリ酸および/またはその塩を単
独で用いるいずれの場合よりも高いイソブタン転化率お
よびメタクロレインあるいはメタクリル酸選択率を示
す。この種の触媒において触媒中に含まれるリンの全量
に占めるヘテロポリ酸および/またはその塩に含まれる
リンの好ましい割合は1〜50%、より好ましくは5〜
40%である。
【0011】本発明の触媒を調製するには種々の方法が
あり、例えば五酸化バナジウム等のバナジウム化合物を
還元した後、オルトリン酸などのリン化合物と反応させ
てVOHPO4・0.5H2O(X線回折によりd値が略
5.72,4.54,3.58,3.30,3.12,
2.94Åの各ピークを示す)を調製し、これを窒素や
ヘリウムなどの不活性ガス中で300〜700℃の温度
範囲で加熱処理して目的の触媒を得る。バナジウム化合
物を還元する方法としては、水系溶媒中でバナジウム化
合物を塩化水素などの還元剤により還元する方法、還元
能力を有する有機溶媒中でバナジウム化合物を還元する
方法あるいはこれらを組み合わせた方法など種々の方法
が適用できる。またコバルト,ニッケル,ニオブ,マン
ガン,鉄等を加える触媒調製においては前記金属塩例え
ば塩化物,硫酸塩,硝酸塩,アンモニウム塩,炭酸塩,
水酸化物,酸化物等をオルトリン酸と共に還元されたバ
ナジウム化合物中に加えて反応させて得られるVOHP
4・0.5H2Oを不活性ガス中で加熱処理して目的の
触媒を得る。
【0012】触媒調製において用いるリン源としては5
価の化合物であるオルトリン酸,ピロリン酸,五酸化リ
ン,五塩化リン,リン酸ナトリウム等が挙げられる。バ
ナジウム源としては5価の化合物である五酸化バナジウ
ム,メタバナジン酸,ピロバナジン酸等や、4価の化合
物である二酸化バナジウムなどが挙げられる。また5価
のバナジウム化合物の還元剤としては塩化水素,塩酸ヒ
ドロキシルアミン,ヒドラジン類,炭素数1〜6の脂肪
族,芳香族アルコール類といった通常の還元剤を適用す
ることが出来る。これらの触媒は、担体または稀釈混合
した形で用いることが出来る。担体として、シリカ,ア
ルミナ,シリコンカーバイト,チタニヤ,チタニヤシリ
カ,ジルコニヤ,ゼオライト等が挙げられる。また触媒
の形状は円柱状,球状,リング状など限定はされない。
【0013】イソブタンからメタクロレイン及び/また
はメタクリル酸を製造するにあたって用いる原料ガスと
しては、イソブタン10〜80容量%含有すると共に、
酸素対イソブタン比率で0.1〜3含有する混合ガスが
好ましい。なお、上記原料ガス中に水蒸気は存在しても
しなくてもよいが、水蒸気を含有する場合はイソブタン
に対するモル比率は0.1〜3の範囲で存在させること
が好ましい。さらに上記混合ガスは窒素,二酸化炭素ま
たはヘリウム等反応に不活性なガスで希釈することもで
きる。反応温度としては200〜400℃の温度範囲が
好ましく、圧力は定圧から30kg/cm2 までの条件
で上記原料ガスを前記触媒に接触させることが好まし
い。
【0014】実施例1 約80℃に加熱したイソブチルアルコール80mlに五
酸化バナジウム10gを加えて撹拌しながら塩化水素ガ
スを5分間通した。これに98重量%オルトリン酸1
2.4gと塩化コバルト2.7gの混合物を加えて1時
間還流させた。つぎにトルエン100mlを加えて加熱
してイソブチルアルコールを除去した。上記トルエン中
の沈殿物を濾過して取り出し、約120℃で乾燥した。
この固体はX線回折測定からVOHPO4・0.5H2
の特徴であるd値=5.72,4.54,3.58,
3.30,3.12,2.94Åのピークを示した。こ
の固体をヘリウムガス中で500℃で8時間加熱した
後、24〜35メッシュに粉砕して触媒とした。
【0015】このように調製した触媒の組成はP10.9
Co0.09X であり、またX線回折測定を行った結果、
d値=4.04,3.90,3.14,3.02,2.
66,2.43,2.10Åにピークを示し、これらの
結果から(VO)227 であることを確認した。
【0016】上記触媒3gを充填した反応管にイソブタ
ン30ml/min,酸素15ml/min,水蒸気1
5ml/minの組成・流量の混合ガスを通じて加熱し
酸化反応を行ったところ、反応温度280℃においてイ
ソブタン転化率13.9%,メタクロレイン選択率22
%,メタクリル酸選択率32%であった。またイソブテ
ン選択率0.5%であった。副生成物としてはアセト
ン、プロピレンが検出された。
【0017】実施例2 実施例1において塩化コバルトの代わりに塩化ニッケル
2.7gを使用した以外は実施例1に従って触媒を調製
した。
【0018】調製した触媒の組成はP10.9Ni0.09
X であり、またX線回折を行なった結果、おもに(V
O)227 の構造をしていることを確認した。
【0019】この触媒を用いて実施例1と同様にしてイ
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率11.8%,メタクロレイン選択率24%,メ
タクリル酸選択率24%であった。
【0020】実施例3 実施例1において98重量%オルトリン酸と塩化コバル
トの混合物の代わりに98重量%オルトリン酸12.4
g、塩化コバルト2.7gおよび五塩化ニオブ10.1
gの混合物を使用した以外は実施例1に従って触媒を調
製した。
【0021】調製した触媒の組成は P10.9Co0.09
Nb0.3X であり、またX線回折を行った結果、おも
に(VO)227 の構造をしていることを確認した。
【0022】この触媒を用いて実施例1と同様にしてイ
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率23.6%,メタクロレイン選択率45.2
%,メタクリル酸選択率21.7%であった。
【0023】実施例4 実施例1において98重量%オルトリン酸と塩化コバル
トの混合物の代わりに98重量%オルトリン酸12.4
g、塩化ニッケル2.7gおよび塩化タンタル17.8
gの混合物を使用した以外は実施例1に従って触媒を調
製した。
【0024】調製した触媒の組成は P10.9Ni0.09
Ta0.4X であり、またX線回折測定から(VO)2
27 の構造をしていることを確認した。
【0025】この触媒を用いて実施例1と同様にしてイ
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率21.2%,メタクロレイン選択率36.5
%,メタクリル酸選択率28.5%であった。
【0026】実施例5 実施例1において塩化コバルトの代わりに塩化セリウム
9.2gを使用した以外は実施例1に従って触媒を調製
した。
【0027】調製した触媒の組成は P10.9Ce0.2
X であり、またX線回折測定から(VO)227 の構
造をしていることを確認した。
【0028】この触媒を用いて実施例1と同様にしてイ
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率19.7%メタクロレイン選択率31.2%,
メタクリル酸選択率32%であった。
【0029】実施例6 実施例1において98重量%オルトリン酸と塩化コバル
トの混合物に更に塩化鉄3.0gおよび塩化マンガン
2.2gを加えた混合物を使用した以外は実施例1に従
って触媒を調製した。
【0030】調製した触媒の組成はP10.9Co0.09
0.09Mn0.09X であり、またX線回折測定から(V
O)227 の構造をしていることを確認した。
【0031】この触媒を用いて実施例1と同様にしてイ
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率17.9%,メタクロレイン選択率52.6%
メタクリル酸選択率18.6%であった。
【0032】実施例7 実施例2において98重量%オルトリン酸と塩化ニッケ
ルの混合物に更に塩化銅1.9gおよび塩化亜鉛1.5
gを加えた混合物を使用した以外は実施例2に従って触
媒を調製した。
【0033】調製した触媒の組成はP10.9Ni0.09
0.09Zn0.09X であり、またX線回折測定から(V
O)227 の構造をしていることを確認した。
【0034】この触媒を用いて実施例1と同様にしてイ
ソブタン酸化の触媒性能試験を行ったところ、イソブタ
ン転化率16.8%,メタクロレイン選択率50.7
%,メタクリル酸選択率21.0%であった。
【0035】実施例8〜16 表1に示す組成の触媒を実施例1に準じて調製した。こ
れらの触媒はいずれもX線回折測定から(VO)22
7 の構造をしていることを確認した。
【0036】これらの触媒を用いて表1に示した反応温
度で実施例1と同様にしてイソブタン酸化の触媒性能試
験を行なった。表1に示す結果を得た。
【0037】実施例17 モリブデン酸アンモン30g,メタバナジ酸アンモニウ
ム1.66gを純水100gに溶解加温下に溶解した。
これに85%オルトリン酸1.63gを加え更に30g
の純水に溶かした硝酸セシウム4.14gを加え濃硝酸
にてPHを1以下に調整後、95℃にて1時間スラリー
を熟成した。次に100℃で加熱下撹拌しながら蒸発乾
固して得られた固形物を空気中にて350℃で熱処理し
た。こうして得られた固形物のX線回折測定によればリ
ンとモリブデンからから構成されたヘテロポリ酸構造を
とっていることが確認された。この固形物の内20gを
粉砕し、実施例1で得られたVOHPO4・0.5H2
を粉砕した物を混合して、少量の水で練って成形し、1
20℃で乾燥後ヘリウムガス中500℃で8時間加熱し
た後、24〜35メッシュに粉砕して触媒を調製した。
【0038】調製した触媒のX線回折測定を行った結
果、(VO)227 に特徴的なピークとリン、モリデ
ンから構成されたケギン構造に特徴的なピークとが確認
された。
【0039】この触媒3gを用いて実施例1の方法に従
ってイソブタン酸化の触媒性能試験を行った。その結
果、イソブタン転化率20.1%,メタクロレイン選択
率37.2%,メタクリル酸選択率32.6%であっ
た。
【0040】実施例18 実施例1においてヘリウムガス中で500℃で8時間加
熱した後、更に空気中600℃で3時間加熱処理してか
ら24〜35メッシュに粉砕して触媒とした以外は実施
例1に従って触媒を調製した。
【0041】この触媒はX線回折測定からピロリン酸ジ
バナジルのピークを確認するとともにd値が4.72,
4.12,3.15,2.65,2.56Åの各ピーク
群が観測され5価のバナジウム原子の存在が確認され
た。また、滴定法により5価のバナジウムを定量したと
ころ、触媒中の全バナジウム原子に対する5価のバナジ
ウム原子の割合は55%であった。
【0042】この触媒3gを用いて実施例1の方法に従
ってイソブタン酸化の触媒性能試験を行った。その結
果、反応温度280℃においてイソブタン転化率15.
2%,メタクロレイン選択率19.5%,メタクリル酸
選択率34.2%であった。
【0043】比較例1 実施例1においてオルトリン酸と塩化コバルトの混合物
の代わりに98重量%オルトリン酸12.4gのみを使
用した以外は実施例1に従って触媒を調製した。
【0044】この触媒の組成はP10.9x であり、X
線回折測定から(VO)227 なるピロリン酸ジバナ
ジルであることが確認された。
【0045】この触媒3gを用いて実施例1の方法に従
ってイソブタン酸化の触媒性能試験を行った。その結
果、反応温度280℃においてイソブタン転化率1.6
%,メタクロレイン選択率56.6%,メタクリル酸選
択率2.1%であった。
【0046】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 57/05 7306−4H // C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソブタンを触媒の存在下に接触気相酸
    化してメタクロレインおよび/またはメタクリル酸を製
    造する方法において、ピロリン酸ジバナジルを活性成分
    として含有する一般式 Pabcdex (1) (式中、P,V,Oはそれぞれリン,バナジウム,酸素
    を表わし、Xはコバルトおよびニッケルの中から選ばれ
    た少なくとも1種の元素を表わし、Yはニオブ,タンタ
    ル,マンガン,鉄,銅,亜鉛,ランタン,ネオジウム,
    サマリウム,セリウム,ジルコニウム,クロム,マグネ
    シウム,タングステン,スズ,ハフニウム,ウラン,イ
    ンジウム,カドミウム,モリブデン,アンチモン,ビス
    マス,ロジウム,銀およびイオウの中から選ばれた少な
    くとも1種の元素を表わし、Zはカリウム,ルビジウ
    ム,セシウムおよびタリウムの中から選ばれた少なくと
    も1種の元素を表わす。また、a,b,c,d,e,x
    は各元素の原子比率を表わし、a=1のとき、b=0.
    2〜2,c=0.01〜5,d=O〜5,e=O〜2の
    範囲内であり、xは前記各成分元素の原子価を満足する
    に必要な酸素原子数を表わす)で表わされる触媒を用い
    ることを特徴とするメタクロレインおよび/またはメタ
    クリル酸を製造する方法。
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