JPH05317926A - 偏芯リング型エッジング圧延機の圧延方法及び圧延装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウエブ拘束リングロールを駆動ロールとし、
Ｈ形鋼及び類似形鋼圧延時に、圧延材とウエブ拘束リン
グロールとの接触部でのスリ疵を発生させない偏芯リン
グ型エッジング圧延機の圧延方法及び圧延装置を提供す
ることを目的とする。 【構成】 形鋼のフランジエッジを圧下する水平ロール
と、その水平ロールに対して偏芯しており、形鋼のウエ
ブを拘束するウエブ拘束リングロールと、そのウエブ拘
束リングロールを偏芯させるための偏芯リングから構成
されている偏芯リング型エッジング圧延機の圧延方法に
おいて、前記ウエブ拘束リングロールを水平ロール駆動
装置と別個のウエブ拘束リングロール駆動装置で、回転
させながら形鋼を圧延することを特徴とする偏芯リング
型エッジング圧延機の圧延方法及び圧延装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、Ｈ形鋼及び類似形鋼圧
延時に、圧延材とウエブ拘束リングロールとの接触部で
のスリ疵を発生させない偏芯リング型エッジング圧延機
の圧延方法及び圧延装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、Ｈ形鋼および類似形鋼のフランジ
の幅出しを行うエッジング圧延機は、その形鋼を数回の
パスで成形するユニバーサル圧延機の後面に配置されて
いる。

【０００３】ところが、図９に示すように従来の一体式
のエッジング圧延ロール２１では、数回のパス圧延を行
うとウエブとロールとの間に隙間Ｓが生じ、図７
（ａ），（ｂ）に示すように形鋼フランジの座屈あるい
は、ウエブがフランジの中心からずれるという問題が生
じていた。

【０００４】この問題点を解消するため、特開昭６２−
７７１０７号公報に開示されているように、形鋼のフラ
ンジエッジを圧下する水平ロールと、形鋼のウエブを拘
束するウエブ拘束リングロールとの分割ロール方式と
し、そのウエブ拘束リングロールを偏芯させて常にウエ
ブと接触させることができる偏芯リング型エッジング圧
延ロール２２（図８）が提供された。

【０００５】この偏芯リング型エッジング圧延ロールは
図８に示すように、ロール軸１’に水平ロール２’を組
み込み、その水平ロールに偏芯リング４’を有するウエ
ブ拘束リングロール３’を回転自在に組み込んでいた。
そして、偏芯リングをウォーム軸２３で駆動回転させる
ことにより、ウエブ拘束リングロールを水平ロールに対
して偏芯位置決めしていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ウエブ
拘束リングロールは、水平ロールと分割されベアリング
で回転自在となっており、ウエブ拘束リングロールが無
駆動である為、圧延時にウエブ拘束リングロールが回転
せずに圧延材との間で滑りが発生し、成品のウエブにス
リ疵を発生させ成品品質を著しく低下させるという問題
があった。

【０００７】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたもので、ウエブ拘束リングロールを駆動ロー
ルとし、Ｈ形鋼及び類似形鋼圧延時に、圧延材とウエブ
拘束リングロールとの接触部でのスリ疵を発生させない
偏芯リング型エッジング圧延機の圧延方法及び圧延装置
を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明は、（１）形鋼のフランジエッジを圧下する水
平ロールと、その水平ロールに対して偏芯しており、形
鋼のウエブを拘束するウエブ拘束リングロールと、その
ウエブ拘束リングロールを偏芯させるための偏芯リング
から構成されている偏芯リング型エッジング圧延機の圧
延方法において、前記ウエブ拘束リングロールを水平ロ
ール駆動装置と別個のウエブ拘束リングロール駆動装置
で、回転させながら形鋼を圧延することを特徴とする偏
芯リング型エッジング圧延機の圧延方法。 （２）偏芯リングに回転自在に組み込まれたウエブ拘束
リングロールにリングロール駆動ギヤを取り付け、その
駆動ギヤと係合し回転させるためのピニオンを有するウ
エブ拘束リングロール駆動装置を設けるか、または、駆
動ギヤの代わりにウエブ拘束リングロール外周を、摩擦
車で押付けウエブ拘束リングロールを回転させるウエブ
拘束リングロール駆動装置を設けたことを特徴とする偏
芯リング型エッジング圧延装置。 （３）ウエブ拘束リングロール駆動ギヤもしくはウエブ
拘束リングロール外周の偏芯に対して、ピニオンもしく
は摩擦車を移動追従させるための追従装置を設けたこと
を特徴とする前記（２）項記載の偏芯リング型エッジン
グ圧延装置。である。

【０００９】

【作用】前記手段（１），（２），（３）によれば、形
鋼のウエブ部と接触するウエブ拘束リングロールを駆動
でき、圧延時における圧延材との間に滑りが無くなり、
形鋼のウエブ部のスリ疵を防止でき、製品品質を向上で
きる。

【００１０】そして、前記手段（３）の追従装置によ
り、ウエブ拘束リングロールが偏芯してもウエブ拘束リ
ングロールの駆動装置が常に自動的に追従できるので、
ウエブ厚が変更になっても人手を介入する必要がない。

【００１１】

【実施例及び作用】以下本発明を、その実施例に基づい
て詳細に説明する。

【００１２】実施例−１ 実施例１を図１〜図３に基づいて説明する。図１におい
て、２０はＨ形鋼の圧延材、２は形鋼のフランジエッジ
を圧下する水平ロール、３はその水平ロールに対して偏
芯しており、形鋼のウエブを拘束するウエブ拘束リング
ロール、１はロール軸、１４はロール軸を支持するロー
ル軸受箱である。そして、前記水平ロール２と偏芯リン
グ４を有するウエブ拘束リングロール３のロール組み立
て体は中央で２分割されており、その２分割されたロー
ル組み立て体は、それぞれのカラー５に組み込まれてい
る。そのカラーはロール軸に一部スプライン８で嵌合さ
れ、ロール軸に沿って摺動し移動できるようになってい
る。水平ロールはそのカラーにキー９止めされ固定して
取り付けられている。偏芯リングはカラーに軸受７で回
転自在に取り付けられている。そしてその偏芯リングの
偏芯した外周に軸受６を介してウエブ拘束リングロール
が回転自在に取り付けられている。

【００１３】なお、ウエブ拘束リングロールと偏芯リン
グは軸受カバー１０と軸受カバー締結ボルト（図示せ
ず）により締結され、幅方向に離れないようにしてい
る。

【００１４】ウエブ拘束リングロールの分割部は間隔を
設け、その間隔を設けた部分から偏芯リングの一部を突
出させ、その突出させた部分に偏芯リング駆動ギヤ１１
を設ける。そのギヤを駆動するための偏芯リング駆動ピ
ニオン１２は圧延する部分と反対側のフレーム１９に取
り付け、ロール軸受箱１４に取り付けられている。

【００１５】また、ウエブ拘束リングロール外周にはウ
エブ拘束リングロール駆動ギヤ１５を設けており、その
ギヤを駆動するためのウエブ拘束リングロール駆動ピニ
オン１６，アクチュエータ（例えば、油圧シリンダ）１
７，油圧モータ１８が、図２および図３に示すようにフ
レーム１９に取り付けられている。

【００１６】圧延を行う際、Ｈ形鋼のエッジを水平ロー
ル２で圧下し、水平ロール駆動装置（図示せず）により
駆動され、ウエブ拘束リングロール３でウエブを拘束し
ながら油圧モータ１８によりウエブ拘束リングロールは
駆動される。この際、水平ロールとウエブ拘束リングロ
ールを一緒に回転させることにより、各ロールと圧延材
間の滑り発生を防止することができる。なお、拘束リン
グロールの回転数はそのリングロール外周速度がほぼ水
平ロール外周速度と同じ速度となるようにする。

【００１７】なお、Ｈ形鋼の各呼称シリーズにおけるウ
エブ厚み変更の際には、偏芯リング駆動ピニオンを駆動
し偏芯リングを偏芯させ、ウエブ拘束リングロールでウ
エブを拘束する。この際、偏芯リングを偏芯によりウエ
ブ拘束リングロール駆動ギヤとピニオンの噛み合い位置
が変化する為、常にウエブ拘束リングロール駆動ギヤに
ウエブ拘束リングロール駆動ピニオンが追従するよう
に、フレーム１９に設置されたアクチュエータ等により
所定の押付け力で押付けられている。

【００１８】実施例−２ 実施例２を図４〜図６に基づいて説明する。実施例１の
ウエブ拘束リングロール駆動ピニオン１６の代わりに摩
擦車２４で、直接ウエブ拘束リングロール３外周をアク
チュエータ等により所定の力で押し付けられている。圧
延を行う際、Ｈ形鋼のエッジを水平ロール２で圧下し、
水平ロール駆動装置（図示せず）により駆動され、ウエ
ブ拘束リングロール３でウエブを拘束しながら油圧モー
タ１８によりウエブ拘束リングロールは駆動される。こ
の際、水平ロールとウエブ拘束リングロールを一緒に回
転させることにより、各ロールと圧延材間の滑り発生を
防止することができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、成品のウエブ部と接触
するウエブ拘束リングロールを駆動する為、圧延時にお
ける圧延材との間の滑りが無くなり、成品のウエブ部の
擦り疵発生を防止でき、成品品質を向上できる。また、
偏芯リング位置設定装置による偏芯リングの偏芯に対し
て、ウエブ拘束リングロール駆動ギヤとピニオンの噛み
合いをアクチュエータ等により所定の押付け力で追従で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１の説明図で、縦断面図。

【図２】本発明の実施例１の説明図で、ウエブ拘束リン
グロール駆動装置詳細図。

【図３】本発明の実施例１の説明図で、ウエブ拘束リン
グロール駆動装置断面図。

【図４】本発明の実施例２の説明図で、縦断面図。

【図５】本発明の実施例２の説明図で、ウエブ拘束リン
グロール駆動装置詳細図。

【図６】本発明の実施例２の説明図で、ウエブ拘束リン
グロール駆動用摩擦車断面図。

【図７】（ａ），（ｂ）は、従来技術の説明図で、一体
型エッジング圧延ロールで圧延した場合の問題点の説明
図。

【図８】（ａ），（ｂ）は、従来技術の説明図で、偏芯
リング型エッジング圧延ロールの縦断面図。

【図９】従来技術の説明図で、従来の一体型エッジング
圧延ロールで圧延している時の説明図。

【符号の説明】

１，１’…ロール軸 ２，２’…水平
ロール ３，３’…ウエブ拘束リングロール ４，４’…偏芯
リング ５，５’…カラー ６，６’…軸受 ７，７’…軸受 ８…スプライン ９…キー １０…軸受カバ
ー １１…偏芯リング駆動ギヤ １２…偏芯リン
グ駆動ピニオン １３…モータ １４…ロール軸
受箱 １５…ウエブ拘束リングロール駆動ギヤ １６…ウエブ拘束リングロール駆動ピニオン １７…アクチュエータ（例えば、油圧シリンダ） １８…油圧モータ １９…フレーム ２０…圧延材（Ｈ形鋼） ２１…一体式のエッジング圧延ロール ２２…偏芯リング型エッジング圧延ロール ２３…ウォーム軸 ２４…摩擦車 ２５…追従装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 政則 北九州市戸畑区大字中原46−59 新日本製 鐵株式会社機械・プラント事業部内 (72)発明者 堀内 康 堺市築港八幡町１番地 新日本製鐵株式会 社堺製鐵所内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 形鋼のフランジエッジを圧下する水平ロ
   ールと、その水平ロールに対して偏芯しており、形鋼の
   ウエブを拘束するウエブ拘束リングロールと、そのウエ
   ブ拘束リングロールを偏芯させるための偏芯リングから
   構成されている偏芯リング型エッジング圧延機の圧延方
   法において、前記ウエブ拘束リングロールを水平ロール
   駆動装置と別個のウエブ拘束リングロール駆動装置で、
   回転させながら形鋼を圧延することを特徴とする偏芯リ
   ング型エッジング圧延機の圧延方法。
2. 【請求項２】 偏芯リングに回転自在に組み込まれたウ
   エブ拘束リングロールにリングロール駆動ギヤを取り付
   け、その駆動ギヤと係合し回転させるためのピニオンを
   有するウエブ拘束リングロール駆動装置を設けるか、ま
   たは、駆動ギヤの代わりにウエブ拘束リングロール外周
   を、摩擦車で押付けウエブ拘束リングロールを回転させ
   るウエブ拘束リングロール駆動装置を設けたことを特徴
   とする偏芯リング型エッジング圧延装置。
3. 【請求項３】 ウエブ拘束リングロール駆動ギヤもしく
   はウエブ拘束リングロール外周の偏芯に対して、ピニオ
   ンもしくは摩擦車を移動追従させるための追従装置を設
   けたことを特徴とする請求項２記載の偏芯リング型エッ
   ジング圧延装置。