JPH05280531A - 耐熱弾性ロ−ルおよびその製造方法 - Google Patents
耐熱弾性ロ−ルおよびその製造方法Info
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- JPH05280531A JPH05280531A JP10920992A JP10920992A JPH05280531A JP H05280531 A JPH05280531 A JP H05280531A JP 10920992 A JP10920992 A JP 10920992A JP 10920992 A JP10920992 A JP 10920992A JP H05280531 A JPH05280531 A JP H05280531A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 カレンダ−ロ−ル用の弾性ロ−ルの,高温,
高ニップ圧,高速回転下の破壊,人身事故等を無くし,
更に弾性ロ−ルとして必要な,高い表面硬度,表面の鏡
面仕上げの可能な,耐熱性弾性ロ−ルおよびその製造方
法を提供する。 【構成】 ロ−ルの外面層は有機繊維層が多く,内面層
に向けて無機繊維層が多くなるように,予め構成した繊
維積層筒体に,架橋硬化能力を有する液状樹脂を含浸し
て成形した繊維強化樹脂製スリ−ブを,表面を粗面化し
た金属ロ−ル芯に接着して製造する耐熱弾性ロ−ルにお
いて,繊維強化樹脂スリ−ブは,内面層の無機繊維強化
層から外面層の有機繊維強化層に向かって少なくとも三
層以上で構成された段階的に増加する熱膨張係数を有
し,かつ,気泡の混入を防止する。
高ニップ圧,高速回転下の破壊,人身事故等を無くし,
更に弾性ロ−ルとして必要な,高い表面硬度,表面の鏡
面仕上げの可能な,耐熱性弾性ロ−ルおよびその製造方
法を提供する。 【構成】 ロ−ルの外面層は有機繊維層が多く,内面層
に向けて無機繊維層が多くなるように,予め構成した繊
維積層筒体に,架橋硬化能力を有する液状樹脂を含浸し
て成形した繊維強化樹脂製スリ−ブを,表面を粗面化し
た金属ロ−ル芯に接着して製造する耐熱弾性ロ−ルにお
いて,繊維強化樹脂スリ−ブは,内面層の無機繊維強化
層から外面層の有機繊維強化層に向かって少なくとも三
層以上で構成された段階的に増加する熱膨張係数を有
し,かつ,気泡の混入を防止する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は磁気記録媒体製造工
業,製紙工業,繊維工業において用いられる磁気記録媒
体製造用カレンダ−ロ−ル,製紙用カレンダ−ロ−ル,
繊維用カレンダ−ロ−ル等において弾性ロ−ルとして使
用される耐熱性弾性ロ−ル及びその製造方法に関するも
のである。
業,製紙工業,繊維工業において用いられる磁気記録媒
体製造用カレンダ−ロ−ル,製紙用カレンダ−ロ−ル,
繊維用カレンダ−ロ−ル等において弾性ロ−ルとして使
用される耐熱性弾性ロ−ル及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】少なくとも一対の表面を鏡面化した金属
ロ−ルと,弾性ロ−ルから成るカレンダ−処理装置では
金属ロ−ルを加熱し,金属ロ−ルと弾性ロ−ル間にニッ
プ圧をかけて磁気記録媒体,紙,繊維等を走行させなが
ら表面を平滑にすると共に艶出しを行っている。このよ
うなカレンダ−処理装置に使用される弾性ロ−ルは,表
面硬度が高く,表面が鏡面に仕上がり,高温,高ニップ
圧及び高速回転で使用出来ると共に長時間運転において
表面劣化及びひび割れ等が生じないことが要求されてい
る。
ロ−ルと,弾性ロ−ルから成るカレンダ−処理装置では
金属ロ−ルを加熱し,金属ロ−ルと弾性ロ−ル間にニッ
プ圧をかけて磁気記録媒体,紙,繊維等を走行させなが
ら表面を平滑にすると共に艶出しを行っている。このよ
うなカレンダ−処理装置に使用される弾性ロ−ルは,表
面硬度が高く,表面が鏡面に仕上がり,高温,高ニップ
圧及び高速回転で使用出来ると共に長時間運転において
表面劣化及びひび割れ等が生じないことが要求されてい
る。
【0003】近年カレンダ−処理条件は益々厳しくなっ
てきており,従来よりも温度,ニップ圧,回転速度の厳
しい条件で使用出来る弾性ロ−ルの開発が望まれてい
る。従来は,金属ロ−ル芯金に樹脂単体或いは充填剤を
添加して成形した樹脂スリ−ブを接着して製造した弾性
ロ−ルが使用されたが,芯金と樹脂製スリ−ブの熱膨張
係数が大幅に異なる為,60℃以上の温度で使用すると
接着部で剥離を生じる問題があった。接着部での剥離防
止の為,芯金内部に冷却水を流し接着部の温度を60℃
以下に保持する対策がとられているが,大型装置では冷
却が不均一になり,或いは冷却用治具を取り付けること
が出来ない等の問題があった。
てきており,従来よりも温度,ニップ圧,回転速度の厳
しい条件で使用出来る弾性ロ−ルの開発が望まれてい
る。従来は,金属ロ−ル芯金に樹脂単体或いは充填剤を
添加して成形した樹脂スリ−ブを接着して製造した弾性
ロ−ルが使用されたが,芯金と樹脂製スリ−ブの熱膨張
係数が大幅に異なる為,60℃以上の温度で使用すると
接着部で剥離を生じる問題があった。接着部での剥離防
止の為,芯金内部に冷却水を流し接着部の温度を60℃
以下に保持する対策がとられているが,大型装置では冷
却が不均一になり,或いは冷却用治具を取り付けること
が出来ない等の問題があった。
【0004】また金属ロ−ル芯と樹脂製スリ−ブの接着
部での剥離を防止した弾性ロ−ルとして金属ロ−ル芯の
外周に,樹脂を含浸させた無機或いは有機のロ−ビング
或いは布テ−プを張力をかけて巻締めて繊維強化層を予
め設ける方法がとられているが,(特公昭59−258
86,特公昭61−15807,特公平3−47359
等)この場合でも,芯金と繊維強化層或いは繊維強化層
と表面の樹脂製スリ−ブの熱膨張の差による剥離は防止
できず,ロ−ル芯金を冷却する必要があった。
部での剥離を防止した弾性ロ−ルとして金属ロ−ル芯の
外周に,樹脂を含浸させた無機或いは有機のロ−ビング
或いは布テ−プを張力をかけて巻締めて繊維強化層を予
め設ける方法がとられているが,(特公昭59−258
86,特公昭61−15807,特公平3−47359
等)この場合でも,芯金と繊維強化層或いは繊維強化層
と表面の樹脂製スリ−ブの熱膨張の差による剥離は防止
できず,ロ−ル芯金を冷却する必要があった。
【0005】弾性ロ−ルの表面層に使用される樹脂製ス
リ−ブ材料は,ロ−ル表面を鏡面に仕上げる必要から樹
脂単体,微細な充填剤又は補強材を添加した樹脂(特公
昭61−15807)及び不織布に樹脂を含浸させた強
化材料(USpat 3.588.978)等のように
一般に脆い材料しか使用出来ず,高温,高ニップ圧,高
速回転の厳しい条件で使用する場合,表面層の樹脂製ス
リ−ブが割れて飛散し人身事故を起こす危険があった。
リ−ブ材料は,ロ−ル表面を鏡面に仕上げる必要から樹
脂単体,微細な充填剤又は補強材を添加した樹脂(特公
昭61−15807)及び不織布に樹脂を含浸させた強
化材料(USpat 3.588.978)等のように
一般に脆い材料しか使用出来ず,高温,高ニップ圧,高
速回転の厳しい条件で使用する場合,表面層の樹脂製ス
リ−ブが割れて飛散し人身事故を起こす危険があった。
【0006】一方従来から,繊維強化樹脂(FRP)の
成形方法として芯金に充填剤等を添加した樹脂を含浸さ
せた無機及び有機繊維のロ−ビング,布テ−プ,或いは
不織布(特公昭59−25886)を張力をかけながら
巻締めてロ−ルを成形する方法(フィラメントワインデ
ィング法)や,補強材や充填剤を含む樹脂を予め予備硬
化したプレプレグを作り,これを芯金に張力をかけて巻
締めた後,或いは巻締めながら加熱,加圧下で樹脂を硬
化させて弾性ロ−ルを得る方法が知られている。
成形方法として芯金に充填剤等を添加した樹脂を含浸さ
せた無機及び有機繊維のロ−ビング,布テ−プ,或いは
不織布(特公昭59−25886)を張力をかけながら
巻締めてロ−ルを成形する方法(フィラメントワインデ
ィング法)や,補強材や充填剤を含む樹脂を予め予備硬
化したプレプレグを作り,これを芯金に張力をかけて巻
締めた後,或いは巻締めながら加熱,加圧下で樹脂を硬
化させて弾性ロ−ルを得る方法が知られている。
【0007】然しながらこれらの方法で成形された弾性
ロ−ルの表面は,何れも10μm以上の微細な気泡を含
み,カレンダ−用弾性ロ−ルとして必要とされる Rm
ax10μm以下の粗さをもつ鏡面は得られず,運転に
際しても気泡部が欠陥として作用する為厳しい使用条件
には耐えないという問題があった。
ロ−ルの表面は,何れも10μm以上の微細な気泡を含
み,カレンダ−用弾性ロ−ルとして必要とされる Rm
ax10μm以下の粗さをもつ鏡面は得られず,運転に
際しても気泡部が欠陥として作用する為厳しい使用条件
には耐えないという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のカレンダ−ロ−
ルとして使用される弾性ロ−ルは,金属ロ−ル芯の外周
に直接或いは金属ロ−ル芯の外周に被覆した繊維強化層
を介して,表面層の樹脂製スリ−ブを接着した構造のた
め,金属ロ−ル芯或いは繊維強化層と樹脂製スリ−ブの
熱膨張係数,圧縮強度及び圧縮弾性率が大幅に異なり,
高温,高ニップ圧,高速回転で使用される場合,樹脂製
スリ−ブ内部に生じる繰り返し歪みの為接着界面で剥離
したり,運転中に短時間で破壊するという問題があっ
た。
ルとして使用される弾性ロ−ルは,金属ロ−ル芯の外周
に直接或いは金属ロ−ル芯の外周に被覆した繊維強化層
を介して,表面層の樹脂製スリ−ブを接着した構造のた
め,金属ロ−ル芯或いは繊維強化層と樹脂製スリ−ブの
熱膨張係数,圧縮強度及び圧縮弾性率が大幅に異なり,
高温,高ニップ圧,高速回転で使用される場合,樹脂製
スリ−ブ内部に生じる繰り返し歪みの為接着界面で剥離
したり,運転中に短時間で破壊するという問題があっ
た。
【0009】また弾性ロ−ルの表面層に使用される樹脂
製スリ−ブ材料は,ロ−ル表面を鏡面に仕上げる必要か
ら樹脂単体,微細な充填剤及び補強材を添加した樹脂,
不織布に樹脂を含浸した材料等,樹脂に対する補強効果
の小さい材料しか使用出来なかった為,運転中に割れて
飛散し,人身事故を起こす危険があった。又,補強効果
が小さい為材料強度が低く,必然的に温度,ニップ圧,
回転速度を高くできないという問題もあった。
製スリ−ブ材料は,ロ−ル表面を鏡面に仕上げる必要か
ら樹脂単体,微細な充填剤及び補強材を添加した樹脂,
不織布に樹脂を含浸した材料等,樹脂に対する補強効果
の小さい材料しか使用出来なかった為,運転中に割れて
飛散し,人身事故を起こす危険があった。又,補強効果
が小さい為材料強度が低く,必然的に温度,ニップ圧,
回転速度を高くできないという問題もあった。
【0010】本発明は,表面層の樹脂製スリ−ブが,高
温では内部歪みをもつため,接着界面で剥離し易く,高
ニップ圧,高速回転下では短時間に破壊するという問題
を解消すると共に,割れに際し,人身事故の危険性を解
消するものである。更に又,カレンダ−ロ−ル用の弾性
ロ−ルとして必要な,表面硬度が高く,表面を鏡面に仕
上げることが出来ると共に,従来よりも高温,高ニップ
圧,高速回転で使用出来る耐熱性弾性ロ−ル及びその製
造方法を提供するものである。
温では内部歪みをもつため,接着界面で剥離し易く,高
ニップ圧,高速回転下では短時間に破壊するという問題
を解消すると共に,割れに際し,人身事故の危険性を解
消するものである。更に又,カレンダ−ロ−ル用の弾性
ロ−ルとして必要な,表面硬度が高く,表面を鏡面に仕
上げることが出来ると共に,従来よりも高温,高ニップ
圧,高速回転で使用出来る耐熱性弾性ロ−ル及びその製
造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明の耐
熱性弾性ロ−ルは図1(a)に示すように,金属ロ−ル
芯に繊維強化樹脂製スリ−ブを接着した構造から成る。
繊維強化層は図1(b)に示すように金属ロ−ル芯の外
周,例えば繊維含有量50〜65%の無機繊維層,外面
層は有機繊維層,中間層は複層からなる無機又は有機繊
維層となるように,予め強化用繊維を円筒層状に巻締め
ておき,液状樹脂を含浸,硬化させて製造する。
熱性弾性ロ−ルは図1(a)に示すように,金属ロ−ル
芯に繊維強化樹脂製スリ−ブを接着した構造から成る。
繊維強化層は図1(b)に示すように金属ロ−ル芯の外
周,例えば繊維含有量50〜65%の無機繊維層,外面
層は有機繊維層,中間層は複層からなる無機又は有機繊
維層となるように,予め強化用繊維を円筒層状に巻締め
ておき,液状樹脂を含浸,硬化させて製造する。
【0012】この場合強化用繊維は,金属ロ−ル芯と無
機繊維強化層及び中間繊維強化層と外面層の有機繊維強
化層の硬化時及び高温使用時の熱膨張の差により生じる
界面に働く応力を緩和する為,金属ロ−ル芯から外面層
に向かって熱膨張係数が段階的に大きくなるように,繊
維含有量及び巻締め張力を調整して複層に巻締める。
機繊維強化層及び中間繊維強化層と外面層の有機繊維強
化層の硬化時及び高温使用時の熱膨張の差により生じる
界面に働く応力を緩和する為,金属ロ−ル芯から外面層
に向かって熱膨張係数が段階的に大きくなるように,繊
維含有量及び巻締め張力を調整して複層に巻締める。
【0013】金属ロ−ル芯に巻締めた第1層は繊維含有
量50〜65%,厚み1〜15mmからなるガラス,カ
−ボン等の無機繊維強化層であり,繊維含有量が多く熱
膨張係数が小さい為高温でも金属ロ−ル芯から剥離しな
い。繊維層厚み1mm以下では高温に於いて表面層の膨
張量をおさえる効果が無く,15mm以上では液状樹脂
を含浸させることが困難である。
量50〜65%,厚み1〜15mmからなるガラス,カ
−ボン等の無機繊維強化層であり,繊維含有量が多く熱
膨張係数が小さい為高温でも金属ロ−ル芯から剥離しな
い。繊維層厚み1mm以下では高温に於いて表面層の膨
張量をおさえる効果が無く,15mm以上では液状樹脂
を含浸させることが困難である。
【0014】外面層を構成する有機繊維強化層は,ロ−
ルが割れた場合破片の飛散防止に有効な織物或いはロ−
ビング等の連続したフィラメントで製造した強化材を巻
締めて製造する。繊維の含有量は3〜50%,好ましく
は5〜30%とし,肉厚は5〜40mmとする。繊維含
有量3%以下では補強効果が小さく50%以上では液状
樹脂の含浸が困難となる。又厚み5mm以下では表面の
磨滅のため寿命が短くなり40mm以上ではコスト高と
なる。
ルが割れた場合破片の飛散防止に有効な織物或いはロ−
ビング等の連続したフィラメントで製造した強化材を巻
締めて製造する。繊維の含有量は3〜50%,好ましく
は5〜30%とし,肉厚は5〜40mmとする。繊維含
有量3%以下では補強効果が小さく50%以上では液状
樹脂の含浸が困難となる。又厚み5mm以下では表面の
磨滅のため寿命が短くなり40mm以上ではコスト高と
なる。
【0015】外面層の有機繊維としてアラミド繊維を使
用すると,アラミド繊維は融点が高いため高温,高ニッ
プ圧,高速回転等の厳しい条件で使用しても,溶融した
り,焼けたりせず補強効果が低下しない,硬度が高い,
繊維を構成する個々のフィラメントを樹脂で完全に被覆
することにより,繊維強化材の表面を表面粗さRmax
0.3μm以下に研磨仕上げ出来る,高温において硬
度,圧縮強度,圧縮弾性率等の物性が高い等の特性が得
られる。アラミド繊維のかわりにガラス繊維,カ−ボン
繊維等を使用すると,硬度がマトリックス樹脂である液
状樹脂と大幅に異なる為表面の研磨仕上げに際し,繊維
が研磨されず凹凸を生じる。
用すると,アラミド繊維は融点が高いため高温,高ニッ
プ圧,高速回転等の厳しい条件で使用しても,溶融した
り,焼けたりせず補強効果が低下しない,硬度が高い,
繊維を構成する個々のフィラメントを樹脂で完全に被覆
することにより,繊維強化材の表面を表面粗さRmax
0.3μm以下に研磨仕上げ出来る,高温において硬
度,圧縮強度,圧縮弾性率等の物性が高い等の特性が得
られる。アラミド繊維のかわりにガラス繊維,カ−ボン
繊維等を使用すると,硬度がマトリックス樹脂である液
状樹脂と大幅に異なる為表面の研磨仕上げに際し,繊維
が研磨されず凹凸を生じる。
【0016】一方,ポリアミド繊維,ポリエステル繊
維,ビニロン繊維,ポリアリレ−ト繊維,ポリフェニレ
ンサルファイド繊維等の合繊繊維や綿,麻等の天然繊維
は,アラミド繊維と同様に研磨仕上げが出来,カレンダ
−ロ−ル用弾性ロ−ルの強化繊維として使用可能である
が,高温での硬度,圧縮強度,圧縮弾性率等の物性がア
ラミド繊維より低く,これらの強化繊維を使用した弾性
ロ−ルの使用条件はアラミド繊維強化弾性ロ−ルより低
く制限される。
維,ビニロン繊維,ポリアリレ−ト繊維,ポリフェニレ
ンサルファイド繊維等の合繊繊維や綿,麻等の天然繊維
は,アラミド繊維と同様に研磨仕上げが出来,カレンダ
−ロ−ル用弾性ロ−ルの強化繊維として使用可能である
が,高温での硬度,圧縮強度,圧縮弾性率等の物性がア
ラミド繊維より低く,これらの強化繊維を使用した弾性
ロ−ルの使用条件はアラミド繊維強化弾性ロ−ルより低
く制限される。
【0017】アラミド繊維の補強効果は,織物或いはロ
−ビングを使用する場合が大きいが,不織布と織物或い
はロ−ビングを予め重ね合わせて使用しても繊維含有量
が3〜50%範囲にあれば充分に効果を有する。有機繊
維の織物としては,連続するフィラメントを使用する色
々な織物が使用出来るが,例えば平織,綾織,繻子織,
杉綾,綱,ニット等の織物がある。
−ビングを使用する場合が大きいが,不織布と織物或い
はロ−ビングを予め重ね合わせて使用しても繊維含有量
が3〜50%範囲にあれば充分に効果を有する。有機繊
維の織物としては,連続するフィラメントを使用する色
々な織物が使用出来るが,例えば平織,綾織,繻子織,
杉綾,綱,ニット等の織物がある。
【0018】更に充填剤,補強材等を樹脂に添加するこ
とは,繊維への含浸性が悪くなるので好ましくないが,
粒子の大きさが0.5μm以下のシリカ,タルク,クレ
イ,炭酸カルシウム,カ−ボン等の微粒子を樹脂量に対
し10%以下添加する場合,含浸性を妨げない。
とは,繊維への含浸性が悪くなるので好ましくないが,
粒子の大きさが0.5μm以下のシリカ,タルク,クレ
イ,炭酸カルシウム,カ−ボン等の微粒子を樹脂量に対
し10%以下添加する場合,含浸性を妨げない。
【0019】第1層の無機繊維強化層と外面層の有機繊
維強化層の間に使用する複層から成る無機及び有機の中
間繊維強化層は,樹脂製スリ−ブの内部応力緩和の為必
要なもので,図1(b)22に第2〜第n層として示す
ように使用する。この中間繊維強化層の層数は硬化収縮
及び熱膨張により層間に働く歪応力を小さくするために
は,多いほど好ましいが製造上の効率を考えて、1〜5
層とするのが好ましい。中間繊維強化層の繊維含有量は
クロス,マット,不織布等の繊維の目付け量及び異種繊
維材料との組合せにより変えると共に,巻締め張力を調
整して設定するが,第1層の無機繊維強化層から外面層
の有機繊維強化層までの熱膨張係数が層毎に段階的に増
加するように設定する。
維強化層の間に使用する複層から成る無機及び有機の中
間繊維強化層は,樹脂製スリ−ブの内部応力緩和の為必
要なもので,図1(b)22に第2〜第n層として示す
ように使用する。この中間繊維強化層の層数は硬化収縮
及び熱膨張により層間に働く歪応力を小さくするために
は,多いほど好ましいが製造上の効率を考えて、1〜5
層とするのが好ましい。中間繊維強化層の繊維含有量は
クロス,マット,不織布等の繊維の目付け量及び異種繊
維材料との組合せにより変えると共に,巻締め張力を調
整して設定するが,第1層の無機繊維強化層から外面層
の有機繊維強化層までの熱膨張係数が層毎に段階的に増
加するように設定する。
【0020】中間繊維強化層の材料は,ガラス,カ−ボ
ン,金属等の無機繊維やアラミド,ポリイミド等の耐熱
性有機繊維を使用する。中間繊維強化層の肉厚は2〜1
5mmとする。2mm以下では高温での剥離防止効果が
なく,15mm以上は機能上必要でない。
ン,金属等の無機繊維やアラミド,ポリイミド等の耐熱
性有機繊維を使用する。中間繊維強化層の肉厚は2〜1
5mmとする。2mm以下では高温での剥離防止効果が
なく,15mm以上は機能上必要でない。
【0021】本発明で使用する樹脂としては常温又は加
熱下での樹脂の粘度が5000センチポイズ以下であ
り,硬化後の樹脂単体の硬度がショアD70以上,ガラ
ス転移温度80℃以上の架橋能力を有する液状樹脂を用
いるが,例えばエポキシ樹脂,架橋ポリエステルアミド
樹脂,架橋アミノアミド樹脂,エポキシ官能基を含む化
合物を添加した架橋アミノアミド樹脂等の熱硬化性樹脂
を使用できる。
熱下での樹脂の粘度が5000センチポイズ以下であ
り,硬化後の樹脂単体の硬度がショアD70以上,ガラ
ス転移温度80℃以上の架橋能力を有する液状樹脂を用
いるが,例えばエポキシ樹脂,架橋ポリエステルアミド
樹脂,架橋アミノアミド樹脂,エポキシ官能基を含む化
合物を添加した架橋アミノアミド樹脂等の熱硬化性樹脂
を使用できる。
【0022】次に本発明の弾性ロ−ルの製造方法につい
て説明する。本発明の耐熱性弾性ロ−ルを構成する繊維
強化樹脂製スリ−ブは,金属ロ−ル芯側に無機繊維強化
層,外面層側に有機繊維層,中間層に無機及び(又は)
有機の繊維層を配した繊維積層筒体に架橋硬化能力を有
する液状樹脂を含浸,硬化して製造する液状樹脂を真空
含浸させる方法を図2に示す。予めサンドブラストによ
り表面を粗にした金属ロ−ル芯,又は成形後に脱型する
ため1/100〜5/100のテ−パ−を付けたテ−パ
−付き芯金に,ロ−ル芯側に無機繊維,外面層に有機繊
維,中間層に無機及び(又は)有機繊維層を巻締めした
ものを図2に示す金型にセットする。金型を150〜2
00℃で12〜24時間乾燥後,60℃〜170℃に保
持し型内を1mmHg以下の真空に保ちながら液状樹脂
を注入する。金型内を樹脂で満たした後,窒素ガスを導
入し1.0〜5.0kg/cm2 で加圧しながら液状樹
脂を硬化させる。
て説明する。本発明の耐熱性弾性ロ−ルを構成する繊維
強化樹脂製スリ−ブは,金属ロ−ル芯側に無機繊維強化
層,外面層側に有機繊維層,中間層に無機及び(又は)
有機の繊維層を配した繊維積層筒体に架橋硬化能力を有
する液状樹脂を含浸,硬化して製造する液状樹脂を真空
含浸させる方法を図2に示す。予めサンドブラストによ
り表面を粗にした金属ロ−ル芯,又は成形後に脱型する
ため1/100〜5/100のテ−パ−を付けたテ−パ
−付き芯金に,ロ−ル芯側に無機繊維,外面層に有機繊
維,中間層に無機及び(又は)有機繊維層を巻締めした
ものを図2に示す金型にセットする。金型を150〜2
00℃で12〜24時間乾燥後,60℃〜170℃に保
持し型内を1mmHg以下の真空に保ちながら液状樹脂
を注入する。金型内を樹脂で満たした後,窒素ガスを導
入し1.0〜5.0kg/cm2 で加圧しながら液状樹
脂を硬化させる。
【0023】繊維のフィラメント間の気泡を除去するた
め,金型を振動させながら,樹脂を含浸させると効果が
ある。サンドブラストした芯金に直接繊維強化樹脂製ス
リ−ブを成形した場合は,冷却脱型後,外表面を加工,
研磨仕上げして弾性ロ−ルを得る。テ−パ−付き芯金を
使用した場合は繊維強化樹脂製スリ−ブを冷却脱型後,
内径を加工してサンドブラストした芯金に嵌合し隙間に
接着剤を注入硬化させる。外径加工,研磨仕上げして弾
性ロ−ルを得る。嵌合に際し繊維強化樹脂製スリ−ブの
内径は芯金の外径より0.1〜2.0mm大きく加工す
る。
め,金型を振動させながら,樹脂を含浸させると効果が
ある。サンドブラストした芯金に直接繊維強化樹脂製ス
リ−ブを成形した場合は,冷却脱型後,外表面を加工,
研磨仕上げして弾性ロ−ルを得る。テ−パ−付き芯金を
使用した場合は繊維強化樹脂製スリ−ブを冷却脱型後,
内径を加工してサンドブラストした芯金に嵌合し隙間に
接着剤を注入硬化させる。外径加工,研磨仕上げして弾
性ロ−ルを得る。嵌合に際し繊維強化樹脂製スリ−ブの
内径は芯金の外径より0.1〜2.0mm大きく加工す
る。
【0024】図3は繊維積層筒体に遠心成形により樹脂
を含浸させる他の成形方法を示す。高速回転可能な円筒
金型に繊維積層筒体を金型側が外面層の有機繊維,内面
側が無機繊維,中間層が無機及び(又は)有機繊維層と
なるように配し,150℃〜200℃で12〜24時間
乾燥後,60℃〜170℃に保持して繊維積層内面で3
0G以上の遠心力が作用するよう,金型を回転させなが
ら液状樹脂を注入,含浸させる。加熱硬化後脱型して得
た繊維強化樹脂製スリ−ブは真空含浸のテ−パ−芯金を
使用した場合と同様にして,金属ロ−ル芯に接着,加工
して弾性ロ−ルを得る。
を含浸させる他の成形方法を示す。高速回転可能な円筒
金型に繊維積層筒体を金型側が外面層の有機繊維,内面
側が無機繊維,中間層が無機及び(又は)有機繊維層と
なるように配し,150℃〜200℃で12〜24時間
乾燥後,60℃〜170℃に保持して繊維積層内面で3
0G以上の遠心力が作用するよう,金型を回転させなが
ら液状樹脂を注入,含浸させる。加熱硬化後脱型して得
た繊維強化樹脂製スリ−ブは真空含浸のテ−パ−芯金を
使用した場合と同様にして,金属ロ−ル芯に接着,加工
して弾性ロ−ルを得る。
【0025】
実施例1 表面をサンドブラストしたφ230,長さ300mmの
芯金に強化用繊維が表1の構成となるように巻締めた。
繊維を巻締めた鉄芯を図3に示す。φ285,長さ31
0mmの金型にセットし,160℃で24時間乾燥し
て,そのまま金型内を1mmHg以下の真空に保持し
た。2,2´─(1.3フェニレン)ビス(2─オキサ
ゾリン)(武田薬品工業株式会社製 略称PBO)とジ
アミノジフェニルメタン(保土谷化学工業株式会社製略
称DDM)を原料とする架橋アミノアミド樹脂(武田薬
品工業株式会社 商品名CPレジンMタイプ)7.75
kgをPBO/DDMのモル比が1.3/1.0となる
割合で混合し,触媒としてノルマルオクチルブロマイド
23.3gを添加して攪拌しながら加熱,溶解する。原
料樹脂が液状となり温度が120℃に上昇した後,真空
に保持した金型内に注入する。金型が樹脂で完全に満た
された後,窒素ガスを導入し金型内圧を5.0kg/c
m2 に保持し予備硬化させる。30分後常圧に戻し20
0℃で20時間加熱,硬化し,冷却後脱型して弾性ロ−
ルを得た。
芯金に強化用繊維が表1の構成となるように巻締めた。
繊維を巻締めた鉄芯を図3に示す。φ285,長さ31
0mmの金型にセットし,160℃で24時間乾燥し
て,そのまま金型内を1mmHg以下の真空に保持し
た。2,2´─(1.3フェニレン)ビス(2─オキサ
ゾリン)(武田薬品工業株式会社製 略称PBO)とジ
アミノジフェニルメタン(保土谷化学工業株式会社製略
称DDM)を原料とする架橋アミノアミド樹脂(武田薬
品工業株式会社 商品名CPレジンMタイプ)7.75
kgをPBO/DDMのモル比が1.3/1.0となる
割合で混合し,触媒としてノルマルオクチルブロマイド
23.3gを添加して攪拌しながら加熱,溶解する。原
料樹脂が液状となり温度が120℃に上昇した後,真空
に保持した金型内に注入する。金型が樹脂で完全に満た
された後,窒素ガスを導入し金型内圧を5.0kg/c
m2 に保持し予備硬化させる。30分後常圧に戻し20
0℃で20時間加熱,硬化し,冷却後脱型して弾性ロ−
ルを得た。
【0026】弾性ロ−ルの端部にて各繊維強化層から採
取した熱膨張係数は表2の通りであった。この弾性ロ−
ルを外径φ282,長さ280mmに加工し,研磨仕上
げした表面は表面硬度ショアD92,表面粗さRmax
0.3μmであった。仕上げした弾性ロ−ルを外径φ2
80,長さ280mmのクロムメッキした,スチ−ルロ
−ルを組合わせてロ−ル耐久性試験を行った結果,スチ
−ルロ−ル温度100℃,ニップ圧400kgf/c
m,回転速度800RPMで24時間運転しても異常が
なかった。引続いて他の条件は同じで,ニップ圧450
kgf/cmに上げ運転した結果30分で破壊した。破
壊の状態は,ロ−ル表面の一部約30cm2 の範囲で微
小なクラックが生じ僅かにふくれていた。破壊部を切り
出した断面は,表面からの深さ5〜7mmまでアラミド
繊維層に沿ってクラッグが入っているのみで,表面層が
欠落する様子は全く見られなかった。
取した熱膨張係数は表2の通りであった。この弾性ロ−
ルを外径φ282,長さ280mmに加工し,研磨仕上
げした表面は表面硬度ショアD92,表面粗さRmax
0.3μmであった。仕上げした弾性ロ−ルを外径φ2
80,長さ280mmのクロムメッキした,スチ−ルロ
−ルを組合わせてロ−ル耐久性試験を行った結果,スチ
−ルロ−ル温度100℃,ニップ圧400kgf/c
m,回転速度800RPMで24時間運転しても異常が
なかった。引続いて他の条件は同じで,ニップ圧450
kgf/cmに上げ運転した結果30分で破壊した。破
壊の状態は,ロ−ル表面の一部約30cm2 の範囲で微
小なクラックが生じ僅かにふくれていた。破壊部を切り
出した断面は,表面からの深さ5〜7mmまでアラミド
繊維層に沿ってクラッグが入っているのみで,表面層が
欠落する様子は全く見られなかった。
【0027】実施例2 実施例1で使用した金属ロ−ル芯のかわりに,上面φ2
30下面φ215,長さ300mmのテ−パ−付円筒鉄
芯を使用し,円筒鉄芯の表面に離型剤を塗布し,実施例
1と同様にして成形した後,テ−パ−付円筒鉄芯を抜取
り,繊維強化樹脂製スリ−ブを得た。このスリ−ブの内
径をφ231,長さ280mmに加工し,表面をサンド
ブラストしたφ230,長さ300mmの鉄芯の長さ方
向の中央に位置するように嵌合し,隙間に接着剤を注
入,硬化して弾性ロ−ルを得た。この弾性ロ−ルを外径
φ282,長さ280mmに仕上げ実施例1と同じよう
にスチ−ルロ−ル温度100℃ ニップ圧400kgf
/cm,回転速度800RPMで24時間運転しても異
常がなかった。
30下面φ215,長さ300mmのテ−パ−付円筒鉄
芯を使用し,円筒鉄芯の表面に離型剤を塗布し,実施例
1と同様にして成形した後,テ−パ−付円筒鉄芯を抜取
り,繊維強化樹脂製スリ−ブを得た。このスリ−ブの内
径をφ231,長さ280mmに加工し,表面をサンド
ブラストしたφ230,長さ300mmの鉄芯の長さ方
向の中央に位置するように嵌合し,隙間に接着剤を注
入,硬化して弾性ロ−ルを得た。この弾性ロ−ルを外径
φ282,長さ280mmに仕上げ実施例1と同じよう
にスチ−ルロ−ル温度100℃ ニップ圧400kgf
/cm,回転速度800RPMで24時間運転しても異
常がなかった。
【0028】実施例3 高速回転可能なφ285,長さ300mmの円筒型内に
表1に示した強化繊維を金型面がアラミド繊維層となる
ようにセットし,160℃で24時間乾燥した。そのま
ま金型を1000RPMで回転させながら,実施例1と
同じようにして溶解した液状樹脂を回転型の中心部に注
入し,30分間保持して繊維層に含浸させた。回転数を
200RPMに下げ,200℃,2時間加熱して硬化さ
せた。冷却後脱型し繊維強化樹脂製スリ−ブを得た。こ
のスリ−ブの内径をφ231.0mmに加工し実施例2
と同じようにして弾性ロ−ルを得た。これを実施例1と
同じようにスチ−ルロ−ル温度100℃,ニップ圧40
0kgf/cm,回転速度800RPMで運転しても2
4時間異常がなかった。
表1に示した強化繊維を金型面がアラミド繊維層となる
ようにセットし,160℃で24時間乾燥した。そのま
ま金型を1000RPMで回転させながら,実施例1と
同じようにして溶解した液状樹脂を回転型の中心部に注
入し,30分間保持して繊維層に含浸させた。回転数を
200RPMに下げ,200℃,2時間加熱して硬化さ
せた。冷却後脱型し繊維強化樹脂製スリ−ブを得た。こ
のスリ−ブの内径をφ231.0mmに加工し実施例2
と同じようにして弾性ロ−ルを得た。これを実施例1と
同じようにスチ−ルロ−ル温度100℃,ニップ圧40
0kgf/cm,回転速度800RPMで運転しても2
4時間異常がなかった。
【0029】比較例1 表面をサンドブラストしたφ230,長さ300mmの
鉄芯に表3に示す強化用繊維を巻締めた。これを実施例
1と同じように成形し,冷却後金型から脱型したところ
表面の樹脂単体層にはクラックが生じており,使用不能
であった。
鉄芯に表3に示す強化用繊維を巻締めた。これを実施例
1と同じように成形し,冷却後金型から脱型したところ
表面の樹脂単体層にはクラックが生じており,使用不能
であった。
【0030】比較例2 表面をサンドブラストしたφ230,長さ300mmの
鉄芯に表4に示す,強化用繊維を巻締めた。これを実施
例1と同じようにして弾性ロ−ルを製造し,スチ−ルロ
−ル温度100℃,ニップ圧300kgf/cm,回転
速度800RPMで運転したところ10時間でガラス繊
維強化層とアラミド繊維強化層の界面で剥離し,破壊し
た。
鉄芯に表4に示す,強化用繊維を巻締めた。これを実施
例1と同じようにして弾性ロ−ルを製造し,スチ−ルロ
−ル温度100℃,ニップ圧300kgf/cm,回転
速度800RPMで運転したところ10時間でガラス繊
維強化層とアラミド繊維強化層の界面で剥離し,破壊し
た。
【0031】比較例3 実施例3で使用した回転金型内に繊維含有量27%にな
るようにアラミド繊維を27mm厚さに配し,実施例3
と同じようにして弾性ロ−ルを製造した。これをスチ−
ルロ−ル温度90℃,ニップ圧350kgf/cm,回
転速度800RPMで運転したところ,30分間で鉄芯
から樹脂製スリ−ブが剥離して破壊した。
るようにアラミド繊維を27mm厚さに配し,実施例3
と同じようにして弾性ロ−ルを製造した。これをスチ−
ルロ−ル温度90℃,ニップ圧350kgf/cm,回
転速度800RPMで運転したところ,30分間で鉄芯
から樹脂製スリ−ブが剥離して破壊した。
【0032】
【発明の効果】本発明は,上記の発明の詳細な説明の欄
並びに実施例に示したように,弾性ロ−ルにおいて,外
面層の樹脂スリ−ブが,従来弾性ロ−ルの欠点たる高温
時の内部歪みによる接着面での剥離,高ニップ圧,高速
回転下の短時間の破壊を防止し,割れによる人身事故等
の危険性を解消したものであると共に,近時のカレンダ
−ロ−ル用の弾性ロ−ルに必須の要件たる表面硬度が高
く,鏡面仕上げ可能で,かつ高温,高ニップ圧,高速回
転で使用出来る,新規な耐熱性弾性ロ−ル及びその製造
方法である。
並びに実施例に示したように,弾性ロ−ルにおいて,外
面層の樹脂スリ−ブが,従来弾性ロ−ルの欠点たる高温
時の内部歪みによる接着面での剥離,高ニップ圧,高速
回転下の短時間の破壊を防止し,割れによる人身事故等
の危険性を解消したものであると共に,近時のカレンダ
−ロ−ル用の弾性ロ−ルに必須の要件たる表面硬度が高
く,鏡面仕上げ可能で,かつ高温,高ニップ圧,高速回
転で使用出来る,新規な耐熱性弾性ロ−ル及びその製造
方法である。
【図1】(a)は本発明に係る耐熱弾性ロ−ル実施例の
断面図,(b)は同じく繊維強化層の部分拡大断面図で
ある。
断面図,(b)は同じく繊維強化層の部分拡大断面図で
ある。
【図2】本発明の弾性ロ−ル製造法の内,真空含浸成形
方法を示す断面図。
方法を示す断面図。
【図3】同じく遠心成形方法を示す断面図。
1 金属ロ−ル芯 2 繊維強化樹脂製スリ−ブ 21 第1層無機繊維強化層 22 第2〜第n層,中間繊維強化層 23 アラミド繊維強化層 3 繊維積層筒体 4 樹脂注入パイプ 5 樹脂トラップタンク 6 真空ポンプ 7 窒素ガスボンベ 8 金型 9 回転円筒金型 10 液状樹脂
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06C 15/08 D21G 1/02 7199−3B F16C 13/00 A 8613−3J G11B 5/84 7303−5D 5/855 7303−5D
Claims (5)
- 【請求項1】 ロ−ルの外面層は有機繊維層が多く,内
面層に向けて無機繊維層が多くなるように,あらかじめ
構成した繊維積層筒体に,架橋硬化能力を有する液状樹
脂を含浸して成形した繊維強化樹脂製スリ−ブを,表面
を粗面化した金属ロ−ル芯に接着して製造する耐熱弾性
ロ−ルにおいて,繊維強化樹脂スリ−ブは,内面層の無
機繊維強化層から外面層の有機繊維強化層に向かって少
なくとも三層以上で構成された段階的に増加する熱膨張
係数を有することを特徴とする耐熱弾性ロ−ル。 - 【請求項2】 有機繊維としてアラミド織物を3〜50
%使用する請求項1記載の耐熱弾性ロ−ル。 - 【請求項3】 金属ロ−ル芯に接する内面層の無機繊維
として,ガラス繊維或いはカ−ボン繊維を50〜65%
使用する請求項1記載の耐熱弾性ロ−ル。 - 【請求項4】 樹脂として樹脂単体の成形品のショアD
硬度が,70以上でガラス転移温度100℃以上のエポ
キシ樹脂,架橋ポリエステルアミド樹脂,架橋アミノア
ミド樹脂,エポキシ官能基を含む化合物を添加した架橋
アミノアミド樹脂等の熱硬化性耐熱樹脂を使用する請求
項1記載の耐熱弾性ロ−ル。 - 【請求項5】 真空下或いは遠心力作用下において,気
泡を含まぬように,繊維強化樹脂スリ−ブを成形するこ
とを特徴とする請求項1記載の耐熱弾性ロ−ルの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10920992A JPH05280531A (ja) | 1992-04-02 | 1992-04-02 | 耐熱弾性ロ−ルおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10920992A JPH05280531A (ja) | 1992-04-02 | 1992-04-02 | 耐熱弾性ロ−ルおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05280531A true JPH05280531A (ja) | 1993-10-26 |
Family
ID=14504368
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10920992A Pending JPH05280531A (ja) | 1992-04-02 | 1992-04-02 | 耐熱弾性ロ−ルおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05280531A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1995017298A1 (fr) * | 1993-12-21 | 1995-06-29 | Yamauchi Corporation | Procede de fabrication d'un rouleau dur |
US6880456B2 (en) | 2001-02-27 | 2005-04-19 | Metso Paper, Inc. | Polymer coating and a method for adjusting the properties of the polymer coating of a roll or a belt |
US20100132904A1 (en) * | 2007-03-23 | 2010-06-03 | Metso Paper, Inc. | Roll cover and a covered roll |
JP2012024743A (ja) * | 2010-07-27 | 2012-02-09 | Casio Electronics Co Ltd | 混練装置 |
US10637321B1 (en) | 2018-12-07 | 2020-04-28 | GM Global Technology Operations LLC | Motor housings and motor assemblies with controlled radial thermal expansion |
CN112442754A (zh) * | 2020-11-09 | 2021-03-05 | 华峰化学股份有限公司 | 一种氨纶纤维及其制备方法和应用 |
-
1992
- 1992-04-02 JP JP10920992A patent/JPH05280531A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1995017298A1 (fr) * | 1993-12-21 | 1995-06-29 | Yamauchi Corporation | Procede de fabrication d'un rouleau dur |
US5753165A (en) * | 1993-12-21 | 1998-05-19 | Yamauchi Corporation | Process for producing a hard roll |
US6880456B2 (en) | 2001-02-27 | 2005-04-19 | Metso Paper, Inc. | Polymer coating and a method for adjusting the properties of the polymer coating of a roll or a belt |
US20100132904A1 (en) * | 2007-03-23 | 2010-06-03 | Metso Paper, Inc. | Roll cover and a covered roll |
US8282785B2 (en) * | 2007-03-23 | 2012-10-09 | Metso Paper, Inc. | Roll cover and a covered roll |
JP2012024743A (ja) * | 2010-07-27 | 2012-02-09 | Casio Electronics Co Ltd | 混練装置 |
US10637321B1 (en) | 2018-12-07 | 2020-04-28 | GM Global Technology Operations LLC | Motor housings and motor assemblies with controlled radial thermal expansion |
CN112442754A (zh) * | 2020-11-09 | 2021-03-05 | 华峰化学股份有限公司 | 一种氨纶纤维及其制备方法和应用 |
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