JP2005152599A - 強化ボーリング用ボール及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の強化ボーリング用ボール1は、ボール基体13、繊維層12及び外皮層11を備える。ボール基体は発泡ポリウレタンからなり、繊維層12はポリエステル製軍手用編み織物生地をウレタン樹脂接着剤でこのボール基体に接着してなる。外皮層はポリウレタン樹脂で構成される。他の本発明の強化ボーリング用ボールは、ボール基体と外皮層を備え、このボール基体には、長さ3mmの木綿糸がボール基体に対して5質量%含有される。この製造方法はボール基体を支持棒で金型の球状キャビティーの中心に支持し、注入口からポリウレタン樹脂を注入する。本発明は特に軽量ボーリング用ボールの製造に好ましく適用される。
【選択図】 図1
Description
本発明は以下に示す通りである。
1.ボール基体、該ボール基体を被覆する繊維層及び該繊維層を被覆する外皮層を備えることを特徴とする強化ボーリング用ボール。
2.上記ボール基体は、発泡ポリウレタン樹脂より構成される上記1に記載の強化ボーリング用ボール。
3.上記ボール基体は、繊維を含有する上記1又は2記載の強化ボーリング用ボール。
4.上記繊維層が、編み織物、織布及び不織布の少なくとも1種で構成される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の強化ボーリング用ボール。
5.上記外皮層がポリウレタン樹脂より構成される上記1乃至4のいずれかに記載の強化ボーリング用ボール。
6.上記ボール基体が、亀裂を有するボーリング用ボールの外皮層を削除して該亀裂を消滅せしめたものである上記1乃至5のいずれかに記載の強化ボーリング用ボール。
7.上記ボール基体、上記繊維層及び上記外皮層の合計質量が1.36〜3.36kgである上記1乃至6のいずれかに記載の強化ボーリング用ボール。
8.表面硬度が50〜60度である上記1乃至7のいずれかに記載の強化ボーリング用ボール。
9.ボール基体、及び該ボール基体を被覆する外皮層を備えるボーリング用ボールであって、該ボール基体は繊維を含有することを特徴とする強化ボーリング用ボール。
10.上記繊維は、木綿、麻、羊毛、及び絹の繊維の群から選ばれる少なくとも1種である上記9記載の強化ボーリング用ボール。
11.上記繊維がリサイクル品である上記9又は10記載の強化ボーリング用ボール。
12.上記ボール基体は、発泡ポリウレタン樹脂より構成され、上記外皮層がポリウレタン樹脂より構成される上記9乃至11のいずれかに記載の強化ボーリング用ボール。
13.表面硬度が50〜60度である上記9乃至12のいずれかに記載の強化ボーリング用ボール。
14.上記1乃至13のいずれかに記載の強化ボーリング用ボールの製造方法であって、該ボール基体に支持棒挿入穴を形成する工程と、該支持棒挿入穴に該ボール基体を支持するための支持棒を挿入するとともに、該支持棒を支持する支持棒固定孔を備える下型及びエア抜き孔を備える上型により形成される球状キャビティの中央に、該ボール基体を該支持棒を介して支持配置する工程と、上記上下型内に樹脂原料を注入し、硬化させる工程とを備えることを特徴とする強化ボーリング用ボールの製造方法。
また、ボール基体が発泡ポリウレタン樹脂で構成される場合は、ボール基体の軽量化が図れるとともに外皮層に亀裂が生じにくい。
更に、ボール基体が繊維を含有する場合は、ボール基体はさらに軽量化及び強度を大きくすることができるとともに、外皮層に亀裂が生じにくい。
また、上記繊維層が編み織物、織布及び不織布のうちの少なくとも1種で構成される場合は、ボールの外皮層に亀裂が生じにくい。
更に、ボールの外皮層がウレタン樹脂である場合は、ボールに亀裂が生じにくい。
また、上記基体が表面に亀裂を有する疵つきボーリング用ボールの外皮層を削除したものである場合は、廃棄すべきボールが再利用できるため、資源の節約となる。
更に、上記ボール基体を被覆する繊維層及び上記繊維層を被覆する外皮層の合計質量が1.36〜3.36kgである強化ボーリング用ボールの場合は、従来から外皮層に亀裂の発生が多かった欠陥を是正できる。
また、23℃における、デユロメーターDの硬度計により測定した場合の表面硬度が、50〜60である場合は、特にボールに亀裂が生じにくい。
他の本発明である、ボール基体に繊維を含有する強化ボーリング用ボールはボールの外皮層の亀裂の発生を抑制する。
また、この繊維が木綿等である場合は、特に効果的に外皮層の亀裂の発生を抑制する。
更に、上記繊維がリサイクル品である場合は安価にすることができる。
また、ボール基体が発泡ポリウレタン樹脂から構成され、外皮層がポリウレタン樹脂から構成される場合は、特に外皮層に亀裂が生じにくい。
更に、23℃における、デユロメーターDの硬度計により測定した場合の表面硬度が、50〜60である場合は、特にボールに亀裂が生じにくい。
本発明の強化ボーリング用ボールの製造方法によると、容易に強化ボーリング用ボールを製造できる。
[1]ボール基体、繊維層及び外皮層を備える強化ボーリング用ボール
本発明の強化ボーリング用ボールは、ボール基体、このボール基体を被覆する繊維層及びこの繊維層を被覆する外皮層を備えることを特徴とする(図1、2及び3参照)。
このボール基体の材質は特に限定されない。例えば、合成樹脂及びゴム等が使用される。これらのうちで合成樹脂が好ましく用いられる。この合成樹脂としては、熱硬化性樹脂及、熱可塑性樹脂及びエラストマー等が使用できる。熱硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂及びメラミン樹脂等が挙げられる。
この合成繊維の具体例としては、6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン等のポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン等の繊維が挙げられる。これらの繊維を1種又は2種以上併用することもできる。これらの繊維のうちでポリアミド及びポリエステル繊維が好ましい。
これらの繊維を1種又は2種以上併用することもできる。これらのうちで綿及び羊毛繊維が好ましい。
更に、無機繊維の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維及び金属繊維等が挙げられる。これらの繊維は1種のみ使用してもよいが2種以上を併用してもよい。
更にこれらの繊維の太さも制限されない。これらの繊維が紡糸である場合は好ましくは10〜500テックス(テックスは長さ1000mあたりのグラム質量を表す)、より好ましくは20〜150テックス、更に好ましくは30〜100テックスである。
また、この繊維の含有量も特に限定されない。ボール基体を100質量%とした場合に好ましくは1〜50質量%、より好ましくは2〜40質量%、更に好ましくは3〜30質量%である。
従って、この疵付きボーリング用ボールの外皮層を削除して、該亀裂等を消滅させたものをボール基体として用いることは、資源及び環境保護の観点から好ましい。
また、必ずしも外皮層の全てを削除する必要はなく、亀裂等がなくなるまで球状に外皮層を研削したものをボール基体(この場合はボール基体は2層構造となる)として用い、これに繊維層を被覆し、この繊維層を被覆する外皮層を備えることができる。
このボール基体を被覆する繊維層を構成する繊維の材質は特に限定されない。例えば、合成繊維、天然繊維及び無機繊維が挙げられる。これらの繊維を1種又は2種以上併用することもできる。これらのうちで合成繊維及び天然繊維が好ましい。
この合成繊維の具体例としては、6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン等のポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン等からなる繊維が挙げられる。これらの繊維を1種又は2種以上併用することもできる。これらのうちでポリアミド及びポリエステルからなる繊維が好ましい。
更に、無機繊維の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維及び金属繊維が挙げられる。これらの繊維を1種又は2種以上併用することもできる。
他の本発明の強化ボーリング用ボールは、ボール基体、及び外皮層を備え、このボール基体は繊維を含有する(図6参照)。
このボール基体の材質、形状、及び径等は特に限定されない。前記した繊維層を備える強化ボーリング用ボールのボール基体に使用したものをそのまま適用できる。
及び含有量は、前記した繊維層を備える強化ボーリング用ボールのボール基体に使用したものをそのまま適用できる。
上記繊維の材質の中で、特に木綿、麻、羊毛及び絹が好ましく用いられる。
また、この強化ボーリング用ボールの表面硬度は50〜60度であることが好ましい。
本発明の強化ボーリング用ボールの製造方法は特に限定されないが、本願の製造方法は主に以下の方法による。
(1)ボール基体の作製
ボール基体は、前述した樹脂等の原料を所定の大きさのボール基体用金型に注入する。ボール基体に繊維を含有させる場合は、ボール基体用金型へ注入前に、原料樹脂に繊維を混合することができる。金型に注入後好ましくは12時間以上、より好ましくは13時間以上熟成する。
ボール基体と外皮層のみからなる従来型の疵付きボールを再生して、このボール基体を作成する場合は、外皮層の一部又は全部を削除してボール基体とすることができる。また、上記疵付きボールの外皮層を全部削除することなく亀裂等がなくなるまで、球状に研削したものをボール基体として用いることもできる。
金型からとり出したボール基体を必要に応じて研磨等の表面処理をして、前記詳述した編み織物等の繊維をこのボール基体の全面を均一に被覆する(図1参照)。通常はこの編み織物等の繊維をボール基体に接着剤を用いて接着する。必要に応じて、更に他の繊維層を積層することができる(図2及び3参照)。繊維及び接着剤は前記詳述したものが適用できる。
(3)外皮層の作製
以下に、繊維層が被覆された基体上に、外皮層を作成する方法を述べるが、繊維層が被覆されていない基体上に、外皮層を作成する方法も同様とすることができる。
図4に示すように、繊維層12が被覆されたボール基体13に、中心に向けて好ましくは直径5〜20mm、深さ20〜100mmの支持棒挿入穴131を設ける。
該支持棒挿入穴131に、ポリウレタン等の樹脂製であって、支持棒挿入穴131と同程度の直径である支持棒を、支持棒挿入穴131に嵌合し、固定する。この支持棒の固定は接着剤を使用することが好ましい。この支持棒はボール基体13の表面から好ましくは10〜50mm程度突出させる。
支持棒5の長さは、上型7と下型6により形成される球状キャビティの半径と、上記ボール基体13の半径、繊維層の厚さ及び下型6の支持棒固定孔61の下型6の内面からの深さから決定される。
冷却後、上型7及び下型6を除去すると、外皮層11を有する球体が得られる。この得られた球体を上記温度で好ましくは、10〜15時間、より好ましくは11〜14時間熟成する。
更に、本願発明の強化ボーリング用ボールの外皮層に亀裂及び傷等が発生した場合、外皮層の全部又は一部を亀裂等がなくなるまで削除して、上記方法を用いて、これに繊維層及び外皮層で被覆することができる。また、外皮層及び繊維層の全部又は一部を削除して、上記方法を用いて、これに繊維層及び外皮層で被覆することができる。
(1)実施例1(繊維層を備える強化ボーリング用ボール)
A液としてスクロール系ポリエーテルポリオール(OHV450)100質量部、蒸留水1質量部、アミン触媒(ジメチルシクロヘキシルアミン)1.5質量部およびシリコン整泡剤0.5質量部、B液としてポリメリックMDI(イソシアネートインデックス105)を準備した。
市販の木綿糸くずを長さ3mmに裁断した。この木綿糸くずをボール基体100質量%とした場合に5質量%になるようにA液に加えて攪拌機で攪拌した。その後上記A液及びB液を混合ノズルを用いて2.27kg(5ポンド)用の球状のキャビティー内に注入した。室温で12時間熟生した後、型から取り出してボール基体を作製した。このボール基体の直径は210mmであった。
該支持棒挿入穴131に、直径10mm、長さ100mmのポリウレタン樹脂製の支持棒5を差し込み、接着剤で固定した。
ボール基体に繊維を含有しないボーリング用ボールであって、外皮層の表面に亀裂を有する5ポンドボーリング用ボールの外皮層を削除して、亀裂をなくしたものをボール基体としたこと以外は実施例1と同一にして試料2を得た。
(3)実施例3(繊維層を備えず、ボール基体に繊維を含有する強化ボーリング用ボール)
ボール基体に繊維層を被覆しないこと以外は、実施例1と同様にして試料3を得た(図6参照)。
ボール基体に木綿糸屑を含有させないこと及びボール基体に繊維層を被覆しないこと以外は実施例1と同様にして、試料4を得た。
ボーリング用ボールを2mの高さから、厚さ150mmの鉄板上に落下させて、外皮層の損傷を調べた。
(a)実施例1の試料1は、20回落下させた結果、亀裂及び傷の発生は見られなかった。
(b)実施例2の試料2は、20回落下させた結果、亀裂及び傷の発生は見られなかった。
(c)実施例3の試料3は、20回落下させた結果、亀裂及び傷の発生は見られなかった。(d)比較例1の試料4は、3回落下させた結果、深さ23mm、長さ93mmの亀裂が1個生じた。
ボーリングボールを3mの高さから厚さ150mmの鉄板上に落下させて、外皮層の損傷を調べた。
(a)実施例1の試料1は、20回落下させた結果、亀裂及び傷の発生は見られなかった。
(b)実施例2の試料2は、20回落下させた結果、亀裂及び傷の発生は見られなかった。
(c)実施例3の試料3は、12回落下させた結果、深さ18mm、長さ102mmの亀裂が1個生じた。
(d)比較例1の試料4は、2回落下させた結果、深さ18mm、長さ65mmの亀裂が1個生じた。
ボーリングボールを5mの高さから厚さ150mmの鉄板上に落下させて、外皮層の損傷を調べた。
(a)実施例1の試料1は、20回落下させた結果、亀裂及び傷の発生は見られなかった。
(b)実施例2の試料2は、8回落下させた結果、深さ15mm、長さ73mmの亀裂が1個生じた。
(c)実施例3の試料3は、1回落下させた結果、深さ20mm、長さ93mmの亀裂が1個生じた。
(d)比較例1の試料4は、1回落下させた結果、深さ20mm、長さ125mmの亀裂と深さ16mm、長さ160mmの亀裂の合計2個の亀裂が生じた。
上記強化テストの結果から以下のことがわかる。ボール基体に繊維を含有し、且つ繊維層を有するもの(試料1)は、いかなる強度テストにおいても、亀裂が生じることなく非常に強度が大きいことがわかる。また、繊維層を有するもの (試料2)は、繊維層を有さないもの(試料3及び試料4)に比較して強度がおおきい。従って、一旦外皮層に亀裂が生じたボーリング用ボールから亀裂を削除して得られる基体を使用する場合であっても、繊維層を備えることにより、従来にない強度の大きい再生ボーリング用ボールを得ることができる。
更に、ボール基体に繊維を含有し、繊維層を有さないもの(試料3)は、ボール基体に繊維を含有せず、且つ繊維層を有さないもの(試料4;比較例)に比べて強度がおおきい。
Claims (14)
- ボール基体、該ボール基体を被覆する繊維層及び該繊維層を被覆する外皮層を備えることを特徴とする強化ボーリング用ボール。
- 上記ボール基体は、発泡ポリウレタン樹脂より構成される請求項1に記載の強化ボーリング用ボール。
- 上記ボール基体は、繊維を含有する請求項1又は2記載の強化ボーリング用ボール。
- 上記繊維層が、編み織物、織布及び不織布の少なくとも1種で構成される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の強化ボーリング用ボール。
- 上記外皮層がポリウレタン樹脂より構成される請求項1乃至4のいずれかに記載の強化ボーリング用ボール。
- 上記ボール基体が、亀裂を有するボーリング用ボールの外皮層を削除して該亀裂を消滅せしめたものである請求項1乃至5のいずれかに記載の強化ボーリング用ボール。
- 上記ボール基体、上記繊維層及び上記外皮層の合計質量が1.36〜3.36kgである請求項1乃至6のいずれかに記載の強化ボーリング用ボール。
- 表面硬度が50〜60度である請求項1乃至7のいずれかに記載の強化ボーリング用ボール。
- ボール基体、及び該ボール基体を被覆する外皮層を備えるボーリング用ボールであって、該ボール基体は繊維を含有することを特徴とする強化ボーリング用ボール。
- 上記繊維は、木綿、麻、羊毛、及び絹の繊維の群から選ばれる少なくとも1種である請求項9記載の強化ボーリング用ボール。
- 上記繊維がリサイクル品である請求項9又は10記載の強化ボーリング用ボール。
- 上記ボール基体は、発泡ポリウレタン樹脂より構成され、上記外皮層がポリウレタン樹脂より構成される請求項9乃至11のいずれかに記載の強化ボーリング用ボール。
- 表面硬度が50〜60度である請求項9乃至12のいずれかに記載の強化ボーリング用ボール。
- 請求項1乃至13のいずれかに記載の強化ボーリング用ボールの製造方法であって、該ボール基体に支持棒挿入穴を形成する工程と、該支持棒挿入穴に該ボール基体を支持するための支持棒を挿入するとともに、該支持棒を支持する支持棒固定孔を備える下型及びエア抜き孔を備える上型により形成される球状キャビティの中央に、該ボール基体を該支持棒を介して支持配置する工程と、上記上下型内に樹脂原料を注入し、硬化させる工程とを備えることを特徴とする強化ボーリング用ボールの製造方法。
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