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JPH05262736A - フェノキシ酢酸誘導体 - Google Patents

フェノキシ酢酸誘導体

Info

Publication number
JPH05262736A
JPH05262736A JP6477392A JP6477392A JPH05262736A JP H05262736 A JPH05262736 A JP H05262736A JP 6477392 A JP6477392 A JP 6477392A JP 6477392 A JP6477392 A JP 6477392A JP H05262736 A JPH05262736 A JP H05262736A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethyl
phenoxyacetic acid
quinolinemethoxy
formula
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6477392A
Other languages
English (en)
Inventor
Azuma Igarashi
東 五十嵐
Sachiko Maeda
佐知子 前田
Katsuyoshi Sugizaki
勝義 杉崎
Kenichi Abe
賢一 阿部
Shinji Ozawa
慎司 小沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP6477392A priority Critical patent/JPH05262736A/ja
Priority to US08/035,178 priority patent/US5360909A/en
Priority to EP93302146A priority patent/EP0562796A1/en
Priority to CA002092152A priority patent/CA2092152A1/en
Publication of JPH05262736A publication Critical patent/JPH05262736A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Quinoline Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式化1で示される(式中Xは水素,
ハロゲン原子,低級アルキル,トリフルオロメチル,ア
ルコキシ,ヒドロキシ又はシアノの基を表し、R1はカ
ルボキシル基,アルコキシカルボニル基(ここでアルコ
キシ基は炭素原子数1〜4を有し、直鎖又は分枝鎖であ
る)又はテトラゾールの基を表し、Aは酸素又は下記式
化2又は化3を表し、m及びnは0又は1の整数を表
す)で表されるフェノキシ酢酸誘導体又はその生理学的
に許容しうる塩。 【化1】 【化2】 【化3】 【効果】 本発明の化合物は、トロンボキサンA2拮抗
作用及びロイコトリエン拮抗作用を有するため、トロン
ボキサンA2やロイコトリエンが関与する疾患である血
栓症や喘息などのアレルギー症に対して有効な予防薬と
して使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフェノキシ酢酸
誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】トロンボキサンA2やロイコトリエン類
は、脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な虚血性疾患や気管支
喘息などのアレルギー性炎症と深い関わりが示唆されて
おり、これまで幾つものトロンボキサンA2拮抗剤やロ
イコトリエン拮抗剤、合成酵素阻害剤が次々と開発され
ているが実際の病態においては複数のケミカルメディエ
ーターの関与が明かにされており、既存の単一の酵素阻
害剤や受容体拮抗剤などでは充分な治療効果が得られて
いない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、以上のこ
とからトロンボキサンA2拮抗作用に加えロイコトリエ
ン拮抗作用をも併せ持つ薬剤の開発を検討した。
【0004】その結果、フェノキシ酢酸誘導体を種々合
成し、それらの生理作用を鋭意研究した結果、本発明に
係わるフェノキシ酢酸誘導体がトロンボキサンA2拮抗
作用とともにロイコトリエン拮抗作用を有することを見
い出し、このことにより上述した単一の合成酵素阻害剤
や受容体拮抗剤が持つ問題点を解決できる事を見いだし
た。
【0005】従って、本発明は新規なフェノキシ酢酸誘
導体を提供し、更に当該フェノキシ酢酸誘導体がトロン
ボキサンA2とロイコトリエンに拮抗することにより、
これを含有する医薬製剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決する本発
明は、下記一般式化4で示される(式中Xは水素,ハロ
ゲン原子,低級アルキル,トリフルオロメチル,アルコ
キシ,ヒドロキシ又はシアノの基を表し、R1はカルボ
キシル基,アルコキシカルボニル基(ここでアルコキシ
基は炭素原子数1〜4を有し、直鎖又は分枝鎖である)
又はテトラゾールの基を表し、Aは酸素又は下記式化5
又は化6を表し、m及びnは0又は1の整数を表す)で
表されるフェノキシ酢酸誘導体またはその生理学的に許
容しうる塩。
【0007】
【化4】
【0008】
【化5】
【0009】
【化6】
【0010】また本発明は、前記フェノキシ酢酸誘導体
を含有するトロンボキサンA2拮抗剤である。
【0011】また本発明は、前記フェノキシ酢酸誘導体
を含有するロイコトリエン拮抗剤である。
【0012】また本発明は、前記フェノキシ酢酸誘導体
を含有する抗アレルギー剤である。
【0013】なお本発明においてトロンボキサンA2
抗剤とはトロンボキサンA2受容体でトロンボキサンA2
と拮抗する製剤を意味し、ロイコトリエン拮抗剤とはロ
イコトリエン受容体でロイコトリエンと拮抗する製剤を
意味する。
【0014】また本発明の一般式化4で表される化合物
は、生理学的に許容される塩であってもよく、このよう
な塩としては無機あるいは有機酸との塩、例えば塩酸,
硫酸,クエン酸,コハク酸,メタンスルホン酸等や、無
機あるいは有機塩基との塩、例えばナトリウム塩,カリ
ウム塩のごときアルカリ金属塩,カルシウム塩,マグネ
シウム塩のごときアルカリ土類金属塩,亜鉛塩のごとき
重金属塩,アンモニウム塩,トリエチルアミン塩,トロ
メタミン塩のごとき有機アミン塩,アルギニン,リジン
などのアミノ酸塩等が含まれる。
【0015】本発明の一般式化4で示されるフェノキシ
酢酸誘導体は、下記一般式化7で示されるスルホンアミ
ド誘導体(式中Xは水素,ハロゲン原子,低級アルキ
ル,トリフルオロメチル,アルコキシ,ヒドロキシ又は
シアノの基を表し、R1はカルボキシル基又はアルコキ
シカルボニル基(ここでアルコキシ基は炭素原子数1〜
4を有し、直鎖又は分枝鎖である),テトラゾールの基
を表し、R2はアミノまたはヒドロキシの基を表わす)
と下記一般式化8又は化9で示されるキノリン誘導体
(式中nは0又は1の整数を表し、Bは−NCS又は−
COY、Yはハロゲン原子を示す)を必要ならば適当な
塩基の存在下、不活性有機溶媒中0乃至100℃間の温
度で反応させ、必要に応じてエステル部分の加水分解を
行うことによって得られる(方法A)。
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】なお一般式化7で示されるスルホンアミド
誘導体は、下記一般式化10(式中R1はカルボキシル
基,アルコキシカルボニル基(ここでアルコキシ基は炭
素原子数1〜4を有し、直鎖又は分枝鎖である)又はテ
トラゾールの基を表し、またR3はニトロ又はベンジル
オキシの基を表わす)で示されるフタルイミド誘導体を
ヒドラジン分解し、生成したアミン誘導体と各種のベン
ゼンスルホニルクロライドとの縮合反応後、接触還元を
行なうことによって得られる。
【0020】
【化10】
【0021】また一般式化8又は化9で示されるキノリ
ン誘導体は、2−クロロメチルキノリンと各異性体のヒ
ドロキシベンジルアルコール又はヒドロキシ安息香酸ア
ルキルエステルとを適当な塩基存在下、不活性有機溶媒
中0及至50℃間の温度で反応させ、得られたベンジル
アルコール誘導体を安息香酸エステル誘導体の場合は加
水分解してカルボン酸誘導体に変換後ハロゲン化するこ
とによって得られる。
【0022】またイソチオシアネート誘導体は2−クロ
ロメチルキノリンと各異性体のニトロフェノールとの縮
合反応後ラネーニッケルで処理して得られたアミン誘導
体をチオホスゲンと反応させることによって得られる。
【0023】更に一般式化4は下記一般式化11(式中
1はカルボキシル基,アルコキシカルボニル基(ここ
でアルコキシ基は炭素原子数1〜4を有し、直鎖又は分
枝鎖である)又はテトラゾールの基を表し、Aは酸素又
は式化5又は化6を表し、m及びnは0又は1の整数を
表す)で示されるフタルイミド誘導体をヒドラジン分解
してアミン誘導体に変換後、各種のスルホニルクロライ
ドとの反応を適当な塩基存在下、不活性有機溶媒中0及
至100℃間の温度で行なうことによっても得られる
(方法B)。
【0024】
【化11】
【0025】なお一般式化11で示されるフタルイミド
誘導体は、一般式化10で示されるフタルイミド誘導体
を接触還元後、一般式化8又は化9で示されるキノリン
誘導体と適当な塩基存在下、不活性有機溶媒中0及至5
0℃間の温度で反応させることによって得られる。
【0026】本発明の一般式化4で表されるフェノキシ
酢酸誘導体においてXは水素、ハロゲン原子で好ましく
は塩素又はフッ素、低級アルキルで好ましくはメチル
基、トリフルオロメチル、アルコキシで好ましくはメト
キシ又はエトキシの基、ヒドロキシ又はシアノの基を表
し、R1はカルボキシル基、アルコキシカルボニル基
(ここでアルコキシ基は炭素原子数1〜4を有し、直鎖
又は分枝鎖、好ましくはエチル又はt−ブチルの基)又
はテトラゾールの基を表し、Aは酸素又は式化5又は化
6で好ましくは一般式化5を表し、m,nは0又は1で
好ましくはmは0、nは1の整数を表す。
【0027】本発明の化合物の合成時に用いる塩基とし
ては、例えばトリエチルアミンや炭酸カリウム、炭酸セ
シウム、水素化ナトリウムが良く、また不活性有機溶媒
としては例えばテトラヒドロフラン、アセトニトリル、
エーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、塩化メチレン、メタノール、エタノール、
アセトン、ジオキサンが良いが、特に何ら限定されるも
のではない。
【0028】本発明を行う際に方法A、方法Bのいずれ
の場合も、一般式化7で表されるスルホンアミド誘導体
及び一般式化10で表されるアミン誘導体の1モルを、
必要に応じて塩基1.0〜1.5モル好ましくは1.0
〜1.1モルの存在下において、一般式化8又は9で表
されるキノリン誘導体及び各種のスルホニルクロライド
の1.0〜2.0モル好ましくは1.1モルと反応させ
る。
【0029】反応温度は一般に0乃至150℃間好まし
くは0乃至100℃間で行われ、反応時間は温度に依存
し30分乃至15時間である。
【0030】必要に応じて本発明にしたがって得られる
一般式化4を通常の方法において加水分解する。この加
水分解に適するものには、例えば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、
トリフルオロ酢酸などが含まれる。
【0031】本発明の一般式化4で示されるフェノキシ
酢酸誘導体の代表例を下記の通り示す。
【0032】4−[2−(ベンゼンスルホンアミド)エ
チル]−2−[3−(2−キノリンメトキシ)ベンゾイ
ルアミノ]フェノキシ酢酸、
【0033】4−[2−(4−クロロベンゼンスルホン
アミド)エチル]−2−[3−(2−キノリンメトキ
シ)ベンゾイルアミノ]フェノキシ酢酸、
【0034】4−[2−(4−メトキシベンゼンスルホ
ンアミド)エチル]−2−[3−(2−キノリンメトキ
シ)ベンゾイルアミノ]フェノキシ酢酸、
【0035】4−[2−(4−ヒドロキシベンゼンスル
ホンアミド)エチル]−2−[3−(2−キノリンメト
キシ)ベンゾイルアミノ]フェノキシ酢酸、
【0036】4−[2−(ベンゼンスルホンアミド)エ
チル]−3−(2−キノリンメトキシ)フェノキシ酢
酸、
【0037】4−[2−(4−クロロベンゼンスルホン
アミド)エチル]−3−(2−キノリンメトキシ)フェ
ノキシ酢酸、
【0038】4−[2−(4−メトキシベンゼンスルホ
ンアミド)エチル]−3−(2−キノリンメトキシ)フ
ェノキシ酢酸、
【0039】4−[2−(4−ヒドロキシベンゼンスル
ホンアミド)エチル]−3−(2−キノリンメトキシ)
フェノキシ酢酸、
【0040】4−[2−(ベンゼンスルホンアミド)エ
チル]−3−[3−(2−キノリンメトキシ)ベンジル
オキシ]フェノキシ酢酸、
【0041】4−[2−(4−クロロベンゼンスルホン
アミド)エチル]−3−[3−(2−キノリンメトキ
シ)ベンジルオキシ]フェノキシ酢酸、
【0042】4−[2−(4−メトキシベンゼンスルホ
ンアミド)エチル]−3−[3−(2−キノリンメトキ
シ)ベンジルオキシ]フェノキシ酢酸、
【0043】4−[2−(4−ヒドロキシベンゼンスル
ホンアミド)エチル]−3−[3−(2−キノリンメト
キシ)ベンジルオキシ]フェノキシ酢酸、
【0044】5−{<4−[2−(4−クロロベンゼン
スルホンアミド)エチル]−2−[3−(2−キノリン
メトキシ)ベンゾイルアミノ]フェノキシ>メチル}−
1H−テトラゾール、
【0045】5−{<4−[2−(4−クロロベンゼン
スルホンアミド)エチル]−3−(2−キノリンメトキ
シ)フェノキシ>メチル}−1H−テトラゾール、
【0046】5−{<4−[2−(4−クロロベンゼン
スルホンアミド)エチル]−3−[3−(2−キノリン
メトキシ)ベンジルオキシ]フェノキシ>メチル}−1
H−テトラゾール、
【0047】4−[2−(ベンゼンスルホンアミド)エ
チル]−2−{3−[3−(2−キノリンメトキシ)フ
ェニル]チオウレイド}フェノキシ酢酸、
【0048】4−[2−(4−クロロベンゼンスルホン
アミド)エチル]−2−{3−[3−(2−キノリンメ
トキシ)フェニル]チオウレイド}フェノキシ酢酸、
【0049】4−[2−(4−メトキシベンゼンスルホ
ンアミド)エチル]−2−{3−[3−(2−キノリン
メトキシ)フェニル]チオウレイド}フェノキシ酢酸、
【0050】4−[2−(4−ヒドロキシベンゼンスル
ホンアミド)エチル]−2−{3−[3−(2−キノリ
ンメトキシ)フェニル]チオウレイド}フェノキシ酢酸
等が挙げられる。
【0051】本発明のフェノキシ酢酸誘導体はトロンボ
キサンA2拮抗剤及びロイコトリエン拮抗剤として使用
され、投与量は症状により異なるが一般に成人一日量1
0〜2000mg好ましくは20〜600mgであり、
症状に応じて必要により1〜3回に分けて投与するのが
よい。投与方法は投与に適した任意の形態を取ることが
でき、特に経口投与が望ましいが静注も可能である。
【0052】本発明の化合物は有効成分もしくは有効成
分の一つとして単独または通常の方法で製剤担体あるい
は賦形剤等と混合され、錠剤、糖衣錠、散剤、カプセル
剤、顆粒剤、懸濁剤、乳剤、注射液などに製剤化された
種々の形態で適用できる。
【0053】担体あるいは賦形剤の例としては炭酸カル
シウム、リン酸カルシウム、でんぷん、ブドウ糖、乳
糖、デキストリン、アルギン酸、マンニトール、タル
ク、ステアリン酸マグネシウム等があげられる。
【0054】
【実施例】次に実施例及び試験例を示して本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらになんら限定され
るものではない。
【0055】(実施例1) (1) 3−ニトロチラミンの塩酸塩6.01gの水1
80ml溶液に室温にて炭酸カリウム7.58g,N−
カルボエトキシフタルイミド6.02gをそれぞれ加え
15時間撹拌した。反応混合物に0℃にて6規定塩酸を
徐々に加え、pHを1に調整し析出した結晶を濾過後、
メタノールから再結晶して4−[2−(フタルイミド)
エチル]−2−ニトロフェノールを7.79g得た(収
率91%,黄色結晶)。
【0056】(2) アルゴン気流下、4−[2−(フ
タルイミド)エチル]−2−ニトロフェノール2.03
gのアセトン40ml−N,N−ジメチルホルムアミド
40ml溶液に室温にて炭酸カリウム973mg,ブロ
ム酢酸t−ブチルエステル1.37gのアセトン5ml
溶液をそれぞれ加え12時間撹拌した。
【0057】反応混合物を酢酸エチルで希釈後、氷水中
にあけ酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗
浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮して得
られた残渣をクロロホルム−ヘキサンから再結晶して4
−[2−(フタルイミド)エチル]−2−ニトロフェノ
キシ酢酸t−ブチルエステルを2.46g得た(収率9
0%,黄色結晶)。
【0058】(3) アルゴン気流下、4−[2−(フ
タルイミド)エチル]−2−ニトロフェノキシ酢酸t−
ブチルエステル4.36gのエタノール35ml溶液に
包水ヒドラジン1.02gのエタノール5ml溶液を加
え100℃にて2時間加熱還流した。冷却後セライトを
用いて濾過し、濾液を減圧下濃縮して得られた4−(2
−アミノエチル)−2−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチ
ルエステル(黄色結晶)を精製することなく次の反応に
用いた。
【0059】アルゴン気流下、4−(2−アミノエチ
ル)−2−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチルエステルの
N,N−ジメチルホルムアミド15ml溶液に0℃にて
トリエチルアミン1.4mlを加え5分間撹拌後、p−
クロロベンゼンスルホニルクロライド2.37gのN,
N−ジメチルホルムアミド5ml溶液を加え室温にて1
0時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈後、氷
水中にあけ酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で
洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
【0060】減圧下濃縮後して得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付しヘキサン−酢酸エチ
ル(2:1v/v)溶出画分より4−[2−(4−クロ
ロベンゼンスルホンアミド)エチル]−2−ニトロフェ
ノキシ酢酸t−ブチルエステルを4.20g得た(収率
87%,黄色油状物質)。
【0061】(4) 4−[2−(4−クロロベンゼン
スルホンアミド)エチル]−2−ニトロフェノキシ酢酸
t−ブチルエステル3.61gの酢酸エチル15ml溶
液に10%パラジウム炭素360mgを加え、水素ガス
存在下1気圧にて撹拌した。反応混合物を濾過後、減圧
下濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(2:1v/
v)溶出画分より4−[2−(4−クロロベンゼンスル
ホンアミド)エチル]−2−アミノフェノキシ酢酸t−
ブチルエステルを2.23g得た(収率66%,黄色油
状物質)。
【0062】(5) アルゴン気流下、3−(2−キノ
リンメトキシ)安息香酸874mgに氷冷下、塩化チオ
ニル2mlを加え2時間撹拌した。反応混合物を減圧下
濃縮後乾燥して得られた3−(2−キノリンメトキシ)
ベンゾイルクロライド(白色結晶)を精製することなく
次の反応に用いた。
【0063】アルゴン気流下、3−(2−キノリンメト
キシ)ベンゾイルクロライド(白色結晶)のクロロホル
ム5ml溶液に氷冷下トリエチルアミン2.2mlを加
え10分間撹拌後、4−[2−(4−クロロベンゼンス
ルホンアミド)エチル]−2−アミノフェノキシ酢酸t
−ブチルエステル1.38gのクロロホルム3ml溶液
を加え室温にて11時間撹拌した。反応混合物を塩化メ
チレンで希釈後、氷水中にあけ塩化メチレンで抽出し、
有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。
【0064】減圧下濃縮して得られた残渣を塩化メチレ
ン−ヘキサンから再結晶して4−[2−(4−クロロベ
ンゼンスルホンアミド)エチル]−2−[3−(2−キ
ノリンメトキシ)ベンゾイルアミノ]フェノキシ酢酸t
−ブチルエステルを1.83g得た(収率83%,白色
結晶)。
【0065】(6) アルゴン気流下、4−[2−(4
−クロロベンゼンスルホンアミド)エチル]2−[3−
(2−キノリンメトキシ)ベンゾイルアミノ]フェノキ
シ酢酸t−ブチルエステル360mgの塩化メチレン5
ml溶液に氷冷下、トリフルオロ酢酸1.0mlを加え
室温にて16時間撹拌した。
【0066】反応混合物を減圧下濃縮して得られた残渣
をテトラヒドロフラン−ヘキサンから再結晶して4−
[2−(4−クロロベンゼンスルホンアミド)エチル]
−2−[3−(2−キノリンメトキシ)ベンゾイルアミ
ノ]フェノキシ酢酸を110mg得た(収率61%,白
色結晶)。
【0067】このものの分光学的なデーターは下記式化
12の構造を支持する。
【0068】NMR(CDCl3−CD3OD) δ:
2.72(2H,t,J=7Hz),2.93−3.7
4(2H,m),4.68(2H,s),5.53(2
H,s),6.80−8.44(17H,m)。
【0069】
【化12】
【0070】(実施例2) (1) 4−[2−(フタルイミド)エチル]−2−ニ
トロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル302mgの酢
酸エチル15ml溶液に10%パラジウム炭素30mg
を加え、水素ガス存在下1気圧にて撹拌した。反応混合
物を濾過後、減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチ
ル(3:1v/v)溶出画分より4−[2−(フタルイ
ミド)エチル]−2−アミノフェノキシ酢酸t−ブチル
エステルを240mg得た(収率87%,黄色油状物
質)。
【0071】(2) アルゴン気流下、3−(2−キノ
リンメトキシ)安息香酸 170mgに氷冷下、塩化チ
オニル2mlを加え2時間半撹拌した。反応混合物を減
圧下濃縮後、乾燥して得られた3−(2−キノリンメト
キシ)ベンゾイルクロライド(白色結晶)を精製するこ
となく次の反応に用いた。アルゴン気流下、3−(2−
キノリンメトキシ)ベンゾイルクロライド(白色結晶)
のクロロホルム3ml溶液に氷冷下トリエチルアミン
0.4mlを加え10分間撹拌後、4−[2−(フタル
イミド)エチル]−2−アミノフェノキシ酢酸t−ブチ
ルエステル240mgのクロロホルム2ml溶液を加え
室温にて10時間撹拌した。
【0072】反応混合物を塩化メチレンで希釈後、氷水
中にあけ塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で
洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮し
て得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
に付し、ヘキサン−酢酸エチル(2:1v/v)溶出画
分より4−[2−(フタルイミド)エチル]−2−[3
−(2−キノリンメトキシ)ベンゾイルアミノ]フェノ
キシ酢酸t−ブチルエステルを240mg得た(収率6
0%,白色結晶)。
【0073】(3) アルゴン気流下、4−[2−(フ
タルイミド)エチル]−2−[3−(2−キノリンメト
キシ)ベンゾイルアミノ]フェノキシ酢酸t−ブチルエ
ステル240mgのエタノール5ml溶液に包水ヒドラ
ジン36mgのエタノール3mlを加え、100℃にて
2時間加熱還流した。
【0074】冷却後、セライトを用いて濾過し、濾液を
減圧下濃縮して得られた4−(2−アミノエチル)−2
−[3−(2−キノリンメトキシ)ベンゾイルアミノ]
フェノキシ酢酸t−ブチルエステル(黄色油状物質)を
精製することなく次の反応に用いた。
【0075】アルゴン気流下、4−(2−アミノエチ
ル)−2−[3−(2−キノリンメトキシ)ベンゾイル
アミノ]フェノキシ酢酸t−ブチルエステル(黄色油状
物質)のN,N−ジメチルホルムアミド3ml溶液に氷
冷下トリエチルアミン0.1mlを加え5分間撹拌後、
p−クロロベンゼンスルホニルクロライド84mgの
N,N−ジメチルホルムアミド2mlを加え室温にて1
2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈後、氷
水中にあけ酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で
洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
【0076】減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチ
ル(2:1v/v)溶出画分より4−[2−(4−クロ
ロベンゼンスルホンアミド)エチル]−2−[3−(2
−キノリンメトキシ)ベンゾイルアミノ]フェノキシ酢
酸t−ブチルエステルを180mg得た(収率71%,
白色結晶)。
【0077】(実施例3)アルゴン気流下、4−(2−
アミノエチル)−2−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチル
エステルとベンゼンスルホニルクロライドを用い以下実
施例1と同様な手順に従い、4−[2−(ベンゼンスル
ホンアミド)エチル]−2−[3−(2−キノリンメト
キシ)ベンゾイルアミノ]フェノキシ酢酸を得た。この
ものの分光学的なデーターは下記式化13の構造を支持
する。
【0078】NMR(CDCl3−CD3OD) δ:
2.37−2.90(2H,m),3.20(2H,
t,J=8Hz),4.69(2H,s),5.52
(2H,s),6.81−8.44(18H,m)。
【0079】
【化13】
【0080】(実施例4) (1) アルゴン気流下、4−[2−(フタルイミド)
エチル]−3−(2−キノリンメトキシ)フェノキシ酢
酸エチルエステル340mgのエタノール2ml溶液に
室温にて包水ヒドラジンのエタノール1ml溶液を加
え、100℃にて2時間加熱還流した後に析出した沈澱
を濾去し、減圧下濃縮して乾燥した。
【0081】アルゴン気流下、残渣のN,N−ジメチル
ホルムアミド2ml溶液に氷冷下にてトリエチルアミン
73μlを加え、10分間撹拌後p−クロロベンゼンス
ルホニルクロライド111mgを加えた。室温で16時
間撹拌後、反応液に氷水を加え酢酸エチルで抽出した有
機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。
【0082】減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチ
ル(1:1v/v)溶出画分より4−[2−(4−クロ
ロベンゼンスルホンアミド)エチル]−3−(2−キノ
リンメトキシ)フェノキシ酢酸エチルエステルを130
mg得た(収率35%,黄色油状物質)。
【0083】(2) アルゴン気流下、4−[2−(4
−クロロベンゼンスルホンアミド)エチル]−3−(2
−キノリンメトキシ)フェノキシ酢酸エチルエステル1
30mgのテトラヒドロフラン2ml溶液に室温にて2
N水酸化ナトリウム水溶液0.2mlを加え4時間撹拌
した後に、減圧下溶媒を留去し希塩酸でpHを1に調整
した。
【0084】析出した結晶を濾取し、減圧下乾燥した後
にシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、10%
メタノール/クロロホルム溶出画分より4−[2−(4
−クロロベンゼンスルホンアミド)エチル]−3−(2
−キノリンメトキシ)フェノキシ酢酸を80mg得た
(収率66%,白色結晶)。
【0085】このものの分光学的なデーターは下記式化
14の構造を支持する。
【0086】NMR(CDCl3−CD3OD) δ:
2.70(2H,m),3.18(2H,m),4.3
0(2H,m),5.00(2H,s),6.23−
8.10(13H,m) 。
【0087】
【化14】
【0088】(実施例5)アルゴン気流下、4−[2−
(フタルイミド)エチル]−3−[3−(2−キノリン
メトキシ)ベンジルオキシ]フェノキシ酢酸エチルエス
テルと包水ヒドラジンを用い、以下実施例4と同様の手
順に従い4−[2−(4−クロロベンゼンスルホンアミ
ド)エチル]−3−[3−(2−キノリンメトキシ)ベ
ンジルオキシ]フェノキシ酢酸エチルエステル(下記式
化15に示す)、さらに4−[2−(4−クロロベンゼ
ンスルホンアミド)エチル]−3−[3−(2−キノリ
ンメトキシ)ベンジルオキシ]フェノキシ酢酸(下記式
化16に示す)を得た。
【0089】このものの分光学的なデーターは下記式化
15の構造を支持する。
【0090】NMR(CDCl3) δ:1.31(3
H,t,J=7Hz),2.70(2H,m),3.2
0(2H,m),4.28(2H,q,J=7Hz),
4.53(2H,s),4.90(2H,s),5.4
0(2H,s),5.45(1H,brs),6.20
−8.23(17H,m)。
【0091】
【化15】
【0092】
【化16】
【0093】(実施例6) (1) チオホスゲン0.26mlに室温にて3−(2
−キノリンメトキシ)アミノフェノール860mgの塩
化メチレン5ml溶液及び無水炭酸ナトリウム728m
gの水溶液5mlを同時に滴下し、1時間撹拌した。反
応混合物に水を加えクロロホルムで抽出し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。減圧下濃縮して得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン
−酢酸エチル(2:1v/v)溶出画分より3−(2−
キノリンメトキシ)フェニルイソチオシアネートを89
0mg得た(白色結晶,収率94%)。
【0094】(2) アルゴン気流下、4−[2−(4
−クロロベンゼンスルホンアミド)エチル]−2−アミ
ノフェノキシ酢酸t−ブチルエステル570mgのクロ
ロホルム3ml溶液に室温にて3−(2−キンノリンメ
トキシ)フェニルイソチオシアネート356mgを加え
12時間撹拌した。反応混合物に氷水を加え塩化メチレ
ンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。
【0095】減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチ
ル(2:1v/v)溶出画分より4−[2−(4−クロ
ロベンゼンスルホンアミド)エチル]−2−{3−[3
−(2−キノリンメトキシ)フェニル]チオウレイド}
フェノキシ酢酸t−ブチルエステルを740mg得た
(淡黄色油状物質,収率80%)。
【0096】以下(実施例1)と同様の手順に従い、4
−[2−(4−クロロベンゼンスルホンアミド)エチ
ル]−2−{3−[3−(2−キノリンメトキシ)フェ
ニル]チオウレイド}フェノキシ酢酸を600mg得た
(淡黄色結晶,収率78%)。
【0097】このものの分光学的なデーターは下記一般
式化16の構造を支持する。
【0098】NMR(CDCL3−CD3OD) δ:
2.35−2.70(2H,m),2.80−3.20
(2H,m),4.39(2H,brs),5.20
(2H,brs),6.10−9.25(17H,
m)。
【0099】
【化17】
【0100】(試験例)本発明化合物はTXA2および
LTD4に対し、下記に示すin vitroの系にお
いて次表に示されるような拮抗作用を示した。
【0101】In vitroにおける本発明化合物の
TXA2およびLTD4に対する拮抗作用のIC50値は以
下の実験系を用いて求めた。
【0102】体重300〜500gのハートレイ系雄性
モルモットより摘出した気管切片を37℃のTyrod
e液中、酸素(95%)−二酸化炭素(5%)の混合ガ
ス通気のマグヌス槽にそれぞれ0.3gの負荷をかけて
懸垂した。約1時間安定させた後マグヌス槽にTXA2
(カイマン(Cayman)社製)もしくはLTD
4(カイマン(Cayman)社製)をそれぞれ10-7
M,10-8Mの濃度で加えた。この時の収縮反応に対し
て本発明化合物を加えた際の収縮反応を測定し、IC50
値を算出した。結果を下記表1に示す。
【0103】
【表1】
【0104】表1にその結果を示すように、TXA2
びLTD4に対し本発明の化合物は優れた拮抗作用を示
した。なお、表1には示さないが本発明に係わる他の化
合物も、TXA2及びLTD4に対し優れた拮抗作用を示
した。
【0105】
【急性毒性】ICR系雄性マウス(5週齢)を用いて経
口投与による急性毒性試験を行った。本発明化合物のL
50値は300mg/kg以上であり、有効量に比べて
高い安全性が確認された。
【0106】
【発明の効果】本発明によれば新規なフェノキシ酢酸誘
導体が提供される。
【0107】本発明の上記化合物は、トロンボキサンA
2拮抗剤でありしかもロイコトリエン拮抗剤であるた
め、トロンボキサンA2やロイコトリエンが関与する疾
患である血栓症や喘息などのアレルギー症に対して有効
な予防薬として使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/47 AED (72)発明者 阿部 賢一 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 小沢 慎司 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】 上記一般式化1で示される(式中Xは水素,ハロゲン原
    子,低級アルキル,トリフルオロメチル,アルコキシ,
    ヒドロキシ又はシアノの基を表し、R1はカルボキシル
    基,アルコキシカルボニル基(ここでアルコキシ基は炭
    素原子数1〜4を有し、直鎖又は分枝鎖である)又はテ
    トラゾールの基を表し、Aは酸素又は下記式化2又は化
    3を表し、m及びnは0又は1の整数を表す)で表され
    るフェノキシ酢酸誘導体又はその生理学的に許容しうる
    塩。 【化2】 【化3】
JP6477392A 1992-03-23 1992-03-23 フェノキシ酢酸誘導体 Pending JPH05262736A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997021691A1 (fr) * 1995-12-14 1997-06-19 Kaken Pharmaceutical Co., Ltd. Derives thiazole
WO2009090976A1 (ja) * 2008-01-16 2009-07-23 Kaken Pharmaceutical Co., Ltd. 鼻閉症治療用経粘膜投与製剤

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997021691A1 (fr) * 1995-12-14 1997-06-19 Kaken Pharmaceutical Co., Ltd. Derives thiazole
WO2009090976A1 (ja) * 2008-01-16 2009-07-23 Kaken Pharmaceutical Co., Ltd. 鼻閉症治療用経粘膜投与製剤

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