JPH0526266Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、エンジンと、エンジンの次段に配置
するトルクコンバータとの連結構造に関する。

［従来技術］ 一般に、エンジンの次段に配置する変速機は、
第３図に示すように、変速機１のケース２のエン
ドプレート３をエンジン４のシリンダブロツク５
の端壁にボルト２６，２６……により締付けて取
付けられる。

そして変速機１が、第４図に示すようなトルク
コンバータ７を用いた自動変速機である場合に
は、エンジン４の出力軸８に中心部がボルト６で
締結固定されたドライブプレート９を、トルクコ
ンバータ７のカバープレート１０にボルト１７′
で締結固定することにより、エンジン出力軸８と
トルクコンバータ７との連結が図られている。

しかしながら、上記従来の連結構造は、ドライ
ブプレート９がプレート面に直交する方向からカ
バープレート１０にボルト１７′でボルトアツプ
されるようになつているため、トルクコンバータ
７の点検に際しては、シリンダブロツク５の下方
に取付けられたオイルパン１１とケース２のエン
ドプレート３との間の空間からソケツトレンチ等
の治具１２を差し入れて作業を行う必要があり、
作業性が非常に悪いという問題があつた。

［考案の目的］ 本考案の目的は、ドライブプレートとトルクコ
ンバータの連結構造を改善してサービス性を向上
させることである。

［考案の構成］ このため、本考案は、エンジンの次段にトルク
コンバータを有した自動変速機が配置され、エン
ジンの出力軸に固定されたドライブプレートが、
上記トルクコンバータのカバープレートに取付ら
れるようになつたエンジンとトルクコンバータの
連結構造において、上記ドライブプレートの外周
縁部がトルクコンバータの外周にラツプするよう
に折曲して形成し、この折曲部分の角部に近い部
分には、スターテイングリングギヤを固定し、ト
ルクコンバータケースの外周部には、上記ドライ
ブプレートの折曲部に対応する部位においてドラ
イブプレートを上記エンジンの出力軸に対し直交
する方向でトルクコンバータのカバープレートに
締結固定するボルトを挿入するためのサービスホ
ールを開設し、このサービスホールには上記リン
グギヤを外側から操作するための開口部を設けて
構成したことを特徴とする。

［考案の効果］ 本考案によれば、トルクコンバータのケースの
下方から、ドライブプレートをカバープレートに
締結固定するボルトの締付け或いは取外し等の作
業が行えるので作業性が向上する。また、ボルト
の締付けに際してドライブプレートとカバープレ
ートの相対位置は外側からスターテイングリング
ギヤを操作することで簡単に行えるのでより一層
良好な作業性を得ることができる。さらに、オイ
ルパンとの間に作業スペースをとる必要がないの
で、それだけオイルパンの容量を大きくすること
ができる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を具体的に説明する。

第１図に要部の拡大断面図を示すように、本考
案においては、ドライブプレート９の外周端縁
を、トルクコンバータ（第３図の７参照）のカバ
ープレート１０の外周円筒部１０ａとほぼ平行と
なるように、略直角に折曲して、折曲部９ａを形
成する。そして、折曲部９ａの角部に近い部分に
はスターテイングリングギヤ１３を嵌合して溶接
固定する一方、自由端側には、適当な角度間隔で
ボルト穴１４を開設しておく。

また、カバープレート１０の外周筒部１０ａに
は、ネジ溝を切つたボス１５を上記ボルト穴１４
に対応させて溶接固定しておく。

そして、トルクコンバータ７のケース２のエン
ドプレート３に近い下部には、第２図に開口形状
を示すような略円形のサービスホール１６の予め
設けている。このサービスホール１６には、長方
形状の切欠部１６ａを設けて、スターテイングリ
ングギヤ１３を外側から廻すことができるように
している。

このスターテイングリングギヤ１３を外側から
廻しながら、ボルト穴１４とボス１５とを合致さ
せた状態で、ボルト１７をサービスホール１６か
ら挿通し、ソケツトレンチ１８によりボルトアツ
プする。

このような作業を繰り返すことにより、エンジ
ン出力軸８にボルトアツプされたドライブプレー
ト９とトルクコンバータ７のカバープレート１０
とを完全に結合することができ、トルクコンバー
タ７とエンジン出力軸８とが連結されるようにな
る。

上記のように、ボルト１７の締付けや取外し
は、ケース２の下部のサービスホール１６から行
えるので、サービス性が向上し、楽に作業が行え
ることになる。また、外側からスターテイングリ
ングギヤを廻すことができるのでボルト締付位置
の調整が容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例を示す第３図Ａ部に
相当する拡大部分断面図、第２図は、第１図のＢ
方向矢視図、第３図はエンジンと変速機の連結構
造を示す側面図、第４図は従来のエンジンとトル
クコンバータの連結構造を示す断面図である。 １……変速機、２……ケース、４……エンジ
ン、７……トルクコンバータ、８……出力軸、９
……ドライブプレート（９ａ……折曲部）、１５
……ボス、１６……サービスホール（１６ａ……
切欠部）、１７……ボルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 エンジンの次段にトルクコンバータを有した自
   動変速機が配置され、エンジンの出力軸に固定さ
   れたドライブプレートが、上記トルクコンバータ
   のカバープレートに取付られるようになつたエン
   ジンとトルクコンバータの連結構造において、 上記ドライブプレートの外周縁部がトルクコン
   バータの外周にラツプするように折曲して形成さ
   れ、該折曲部の角部に近い部分には、スターテイ
   ングリングギヤが固定され、トルクコンバータケ
   ースの外周部には、上記ドライブプレートの折曲
   部に対応する部位においてドライブプレートを上
   記エンジンの出力軸に対し直交する方向でトルク
   コンバータのカバープレートに締結固定するボル
   トを挿入するためのサービスホールが開設され、
   このサービスホールには上記リングギヤを外側か
   ら操作するための開口部が設けられたことを特徴
   とするエンジンとトルクコンバータの連結構造。