JPH05261952A - 熱転写印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面平滑性が十分でない記録媒体に対しても
品質のよい熱転写印刷を施すことができる熱転写印刷装
置を提供する。 【構成】 送りローラ２０とサーマルヘッド１１との間
に、インクが塗布されたインクリボン１５と透明材が塗
布された透明材リボン１９を配置する。サーマルヘッド
１１を送りローラ２０に押圧し、サーマルヘッド１１を
加熱してインクを透明材に転写する。このインクが転写
された部分の透明材リボン１９を記録媒体２２上に移動
させ、加熱ローラ２３によって透明材リボン１９を記録
媒体２２に押圧する。加熱ローラ２３を加熱しながら記
録媒体２２上を回転移動させて透明材リボン１９の透明
材を記録媒体２２に転写する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、表面平滑性が十分でな
い記録媒体に対しても熱転写印刷を施すことができる熱
転写印刷装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、インクを塗布したインクリボ
ンをサーマルヘッドで加熱して記録媒体にインクを転写
することにより熱転写印刷を施す熱転写印刷装置が種々
提案されている。従来の熱転写印刷装置として、例え
ば、本出願人による先願、実願平３−７７８３号に記載
されているものがある。図６はこの先願に記載されてい
る熱転写印刷装置であって、記録媒体としてカード状記
録媒体を用いたものである。

【０００３】図６において、給紙ユニット１より送り出
されたカード状記録媒体ＣＰは磁気エンコードユニット
２に供給されて所定のデータが記録される。そして、カ
ード状記録媒体ＣＰは搬送ユニット６に送り出され、こ
の搬送ユニット６によってプリントユニット３の受け渡
し位置まで搬送される。そして、カード状記録媒体ＣＰ
はステージ３１上に移動され、プリントユニット３は、
サーマルヘッド３５によって転写フィルム（インクリボ
ン）３４の熱昇華性のインクをカード状記録媒体ＣＰに
転写し、所要の印刷を施す。さらに、印刷が終了したカ
ード状記録媒体ＣＰは搬送ユニット６によってオーバー
コートユニット４の受け渡し位置まで搬送され、ステー
ジ４１上に移動される。オーバーコートユニット４は、
サーマルヘッド４５によってオーバーコート用フィルム
４４の透明インクをカード状記録媒体ＣＰに転写し、オ
ーバーコートを施す。そして、オーバーコートが終了し
たカード状記録媒体ＣＰは搬送ユニット６によってスト
ッカ５に搬送されて、排紙される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の熱転写
印刷装置においては、表面平滑性が十分でない凹凸のあ
る記録媒体に対してはインクが凹部に十分に密着できな
いことにより印字品質が低下するので、記録媒体（カー
ド状記録媒体ＣＰ）として用いるものは、塩ビ製のもの
もしくはポリエステルコートされたものに限定されてい
る。従って、表面平滑性が十分でない記録媒体、例え
ば、普通紙を記録媒体として用いることができないとい
う問題点があった。そこで、本出願人は先に、特願平３
−３５４６８５号によって、熱昇華性または熱溶融性の
インクを塗布したインクリボンと熱溶融性の透明材を塗
布した透明材リボンとを用意し、まずインクリボンのイ
ンクをサーマルヘッドで加熱して透明材リボンの透明材
上に転写し、次いで透明材リボンの透明材をインクと共
に記録媒体に熱転写するようにしたことを特徴とする熱
転写印刷方法を提案した。

【０００５】本発明は、上述した特願平３−３５４６８
５号で提案した熱転写印刷方法を用いた新たな構成の熱
転写印刷装置を提案するものであり、もって表面平滑性
が十分でない記録媒体に対しても品質のよい熱転写印刷
を施すことができる熱転写印刷装置を提供することを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
の技術の課題を解決するため、送りローラとサーマルヘ
ッドとの間に配され、熱昇華性または熱溶融性のインク
が塗布されたインクリボンと、前記送りローラと前記サ
ーマルヘッドとの間に配され、透明材が塗布された透明
材リボンと、記録媒体を載置する保持ステージと、前記
保持ステージに載置された記録媒体に前記透明材リボン
を押圧し、前記透明材リボンの張架方向に移動する加熱
ローラとを備え、前記サーマルヘッドを前記送りローラ
に押圧して前記インクリボンのインクと前記透明材リボ
ンの透明材とを密着させると共に前記サーマルヘッドを
加熱し、前記インクリボン及び前記透明材リボンを移動
させて、前記インクリボンのインクを前記透明材リボン
の透明材に転写し、前記インクが転写された前記透明材
を前記記録媒体上に移動させ、前記加熱ローラを加熱す
ると共に前記記録媒体上を押圧移動させることにより前
記透明材を前記記録媒体に転写するよう構成したことを
特徴とする熱転写印刷装置を提供するものである。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の熱転写印刷装置について、添
付図面を参照して説明する。図１は本発明の熱転写印刷
装置の一実施例を示す構成図、図２は本発明の熱転写印
刷装置に用いるインクリボン１５及び透明材リボン１９
を示す図、図３は本発明の熱転写印刷装置における転写
過程を示す図、図４及び図５は本発明の熱転写印刷装置
を説明するための部分拡大図である。

【０００８】図１（Ａ）において、供給ローラ１２と巻
取ローラ１３との間には、２つのガイドローラ１４，１
４によって、サーマルヘッド１１と送りローラ２０との
間にインクリボン１５が張架してある。また、供給ロー
ラ１６と巻取ローラ１７との間には、２つのガイドロー
ラ１８，１８を介して、サーマルヘッド１１と送りロー
ラ２０との間に透明材リボン１９が張架してある。ここ
で、インクリボン１５はインクが塗布された面を上（送
りローラ２０側）とし、透明材リボン１９は透明材を塗
布した面を下（サーマルヘッド１１側）としてある。そ
して、保持ステージ２１上には記録媒体２２が載置して
あり、透明材リボン１９は加熱ローラ２３と記録媒体２
２との間に配されている。この加熱ローラ２３の両側に
は、図１（Ｂ）に示すように、記録媒体２２を押さえる
ための２つの押さえローラ２４，２４が形成されてい
る。これら加熱ローラ２３及び押さえローラ２４は、お
互いに連動して保持ステージ２１に沿って透明材リボン
１９の張架方向（左右方向）に、また上下に移動するよ
う構成されている。

【０００９】上記のインクリボン１５は、図２（Ａ）に
示すように、イエロＹ，マゼンタＭ，シアンＣの熱溶融
性または熱昇華性のそれぞれのインク１５ａをベースリ
ボン上に所定のピッチで塗布したものである。インクリ
ボン１５のベースリボンの厚さは薄いほど熱効率がよ
く、解像度も高く熱転写することができるが、塗布した
インク１５ａを保持したり転写時のベースリボンの変形
を実用範囲にとどめるため、３〜８μｍが最適である。
また、透明材リボン１９は、図２（Ｂ）に示すように、
ベースフィルム１９ａ上に熱溶融性の透明材１９ｂを塗
布したものである。本発明の熱転写印刷装置は、後に詳
述するが、インクリボン１５の複数色のインク１５ａを
透明材リボン１９に繰り返し熱転写するので、透明材リ
ボン１９のベースフィルム１９ａの厚さは、熱変形を生
じてインクの重ね合わせが悪くならないよう、８μｍ以
上必要である。

【００１０】このように構成した熱転写印刷装置におい
て熱転写印刷を行う場合、前述のように、透明材リボン
１９の透明材１９ｂとインクリボン１５のインク１５ａ
とが対向した状態で、サーマルヘッド１１をインクリボ
ン１５及び透明材リボン１９を介して送りローラ２０に
押圧することにより、透明材リボン１９の透明材１９ｂ
とインクリボン１５のインク１５ａとを密着させる。そ
して、送りローラ２０を回転させると同時に、巻取ロー
ラ１７によって透明材リボン１９を、巻取ローラ１３に
よってインクリボン１５を巻き取りながら、サーマルヘ
ッド１１を加熱し、図３に示すように、透明材リボン１
９の透明材１９ｂ上にインクリボン１５のインク１５ａ
（１色分）を熱転写する。なお、この時、加熱ローラ２
３（及び押さえローラ２４）は図１（Ａ）に破線で示す
ように、記録媒体２２から離間している。

【００１１】１色分の熱転写が終了すると、インクリボ
ン１５及び透明材リボン１９はそれぞれ巻取ローラ１
３，１７により巻き取られた状態にある。そして、サー
マルヘッド１１を送りローラ２０より離間し、透明材リ
ボン１９を供給ローラ１６により元の位置に巻き戻し、
サーマルヘッド１１を再度送りローラ２０に押圧し、イ
ンクリボン１５の次の色のインク１５ａを透明材リボン
１９の透明材１９ｂ上に熱転写する。以下、同様の動作
を繰り返し、イエロＹ，マゼンタＭ，シアンＣそれぞれ
のインク１５ａによって透明材リボン１９（透明材１９
ｂ）上にカラー印刷を施す。

【００１２】その後、透明材リボン１９を巻取ローラ１
７により巻き取り、透明材リボン１９のカラー印刷を施
した部分、即ち、インクリボン１５のインク１５ａを転
写した部分を記録媒体２２の位置まで移動させる。そし
て、加熱ローラ２３及び押さえローラ２４を下方に下
げ、加熱ローラ２３を透明材リボン１９を介して記録媒
体２２に押圧し、透明材リボン１９と記録媒体２２とを
密着させる。この状態で、加熱ローラ２３を加熱し、加
熱ローラ２３及び押さえローラ２４を透明材リボン１９
の張架方向に、左から右あるいは右から左に押圧移動さ
せ、図１（Ｂ）に示すように、インク１５ａが転写され
ている透明材リボン１９の透明材１９ｂを記録媒体２２
に熱転写する。なお、加熱ローラ２３は例えば弾性を有
するゴム性の部材で構成されているので、たとえ記録媒
体２２に凹凸があっても良好に透明材１９ｂを転写する
ことができるのである。

【００１３】２つの押さえローラ２４，２４は加熱ロー
ラ２３の近くに設けられているので、記録媒体２２が薄
い材料であったり、凹凸の激しい材料であっても、これ
ら加熱ローラ２３及び押さえローラ２４によって透明材
リボン１９と記録媒体２２との密着及び剥離を確実に行
うことができる。また、図４に示すように、記録媒体２
２を透明材リボン１９の移動方向と直角方向に移動させ
るよう構成すれば、大面積の印刷も容易に行うことがで
きるので、本発明の熱転写印刷装置に用いる記録媒体２
２の大きさ及び形状は種々のものに対応することができ
る。

【００１４】なお、サーマルヘッド１１には、図５に示
すように、発熱抵抗体１１ａと加熱制御部（集積回路）
１１ｂが形成され、これら発熱抵抗体１１ａと加熱制御
部１１ｂとはリード線１１ｃによって接続されている。
そこで、加熱制御部１１ｂによって透明材リボン１９の
移動が妨げられないよう、送りローラ２０は直径の小さ
いものを用いる。また、インクリボン１５もなるべく加
熱制御部１１ｂに接触しないような位置にガイドローラ
１４，１４によって張架する。

【００１５】図６に示すような従来の熱転写印刷装置に
おいては、サーマルヘッド３５，４５によって転写フィ
ルム３４のインク，オーバーコート用フィルム４４の透
明インクを記録媒体（カード状記録媒体ＣＰ）に直接転
写するので、サーマルヘッド３５，４５としては、例え
ばファクシミリ等に用いられる汎用のサーマルヘッドを
用いることができず、専用のサーマルヘッドを用いなけ
ればならなかった。しかし、図１に示す本発明の熱転写
印刷装置においては、サーマルヘッド１１及び送りロー
ラ２０によってインクリボン１５及び透明材リボン１９
を挟持してインクリボン１５のインク１５ａを透明材リ
ボン１９の透明材１９ｂに転写するので、サーマルヘッ
ド１１としては、例えばファクシミリ等に用いられる汎
用のサーマルヘッドも用いることができる。また、サー
マルヘッド１１として、記録媒体２２の大きさに関係な
く小さなサーマルヘッドを用いることも可能である。さ
らに、従来の熱転写印刷装置では、熱昇華性のインクを
用いた際にはオーバーコートを施す必要があったが、本
発明の熱転写印刷装置では、透明材リボン１９の透明材
１９ｂがオーバーコートを兼ねているので、オーバーコ
ートを施す必要がない。

【００１６】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の熱
転写印刷装置は、インクリボンのインクを透明材リボン
の透明材に転写し、このインクが転写された透明材を加
熱ローラによって記録媒体に転写するよう構成したの
で、記録媒体の表面平滑性に左右されず、凹凸のある記
録媒体等にも品質のよい印刷を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の熱転写印刷装置の一実施例を示す構成
図である。

【図２】本発明の熱転写印刷装置に用いるインクリボン
１５及び透明材リボン１９を示す図である。

【図３】本発明の熱転写印刷装置における転写過程を示
す図である。

【図４】本発明の熱転写印刷装置を説明するための部分
拡大図である。

【図５】本発明の熱転写印刷装置を説明するための部分
拡大図である。

【図６】従来の熱転写印刷装置の一例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１１ サーマルヘッド １２，１６ 供給ローラ １３，１７ 巻取ローラ １５ インクリボン １９ 透明材リボン ２０ 送りローラ ２１ 保持ステージ ２２ 記録媒体 ２３ 加熱ローラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 利典 神奈川県横浜市神奈川区守屋町３丁目12番 地 日本ビクター株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】送りローラとサーマルヘッドとの間に配さ
   れ、熱昇華性または熱溶融性のインクが塗布されたイン
   クリボンと、 前記送りローラと前記サーマルヘッドとの間に配され、
   透明材が塗布された透明材リボンと、 記録媒体を載置する保持ステージと、 前記保持ステージに載置された記録媒体に前記透明材リ
   ボンを押圧し、前記透明材リボンの張架方向に移動する
   加熱ローラとを備え、 前記サーマルヘッドを前記送りローラに押圧して前記イ
   ンクリボンのインクと前記透明材リボンの透明材とを密
   着させると共に前記サーマルヘッドを加熱し、前記イン
   クリボン及び前記透明材リボンを移動させて、前記イン
   クリボンのインクを前記透明材リボンの透明材に転写
   し、 前記インクが転写された前記透明材を前記記録媒体上に
   移動させ、前記加熱ローラを加熱すると共に前記記録媒
   体上を押圧移動させることにより前記透明材を前記記録
   媒体に転写するよう構成したことを特徴とする熱転写印
   刷装置。