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JPH05252904A - 焼成骨粉の顆粒及びその製造方法 - Google Patents

焼成骨粉の顆粒及びその製造方法

Info

Publication number
JPH05252904A
JPH05252904A JP4087539A JP8753992A JPH05252904A JP H05252904 A JPH05252904 A JP H05252904A JP 4087539 A JP4087539 A JP 4087539A JP 8753992 A JP8753992 A JP 8753992A JP H05252904 A JPH05252904 A JP H05252904A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
food
granules
calcium
bone
baked
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4087539A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Uchida
信 内田
Hideo Ibarada
英夫 茨田
Yoichi Setoguchi
洋一 瀬戸口
Tatsuo Tada
立郎 多田
Koji Mogi
浩司 茂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP4087539A priority Critical patent/JPH05252904A/ja
Publication of JPH05252904A publication Critical patent/JPH05252904A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動物の骨を高温で処理し、粉砕して調製され
る焼成骨粉を主原料に用いた、品質の経時的安定性に優
れた食品用顆粒、その製造方法及び当該食品用顆粒を配
合してなるカルシウム強化食品を提供する。 【構成】 牛骨、豚骨、魚骨等の動物の骨を400〜1
000℃程度で焼成し、粉砕して得た焼成骨粉に、糖類
等からなる賦形剤を配合し、これを混合し、造粒し、乾
燥して顆粒製剤を製造するに際して、クエン酸等の有機
酸を存在せしめて、pHをpH8.0以下に調整し、前
記食品用顆粒を製造し、当該食品用顆粒を食品原料中に
配合してカルシウム強化食品を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動物の骨を高温で処理
し、粉砕して調製した焼成骨粉を用いた食品用顆粒、そ
の製造方法及び当該食品用顆粒を配合してなるカルシウ
ム強化食品に関するものであり、更に詳しくは、経時的
安定性に優れ、長期保存時にも品質劣化のみられない、
焼成骨粉を主原料として配合してなる炊飯用カルシウム
製剤等として有用な食品用顆粒、その製造方法及び当該
食品用顆粒を配合してなるカルシウム強化食品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、動物の骨を高温で処理し、粉砕し
て調製されるいわゆる焼成骨粉は、貴重な動物性カルシ
ウム給源として、食品添加物、栄養カルシウム製剤、健
康食品等の分野で、広く利用されてきた。動物、すなわ
ち牛、豚、魚等の動物の骨を、高温で焼成し、粉砕して
調製される焼成骨粉に、賦形剤、結合剤、香味剤等を添
加し、混合したものを造粒し、乾燥することにより顆粒
形態の製品を製造することは、これまでにも行われてお
り、例えば、カルシウム強化剤等として各種の飲食品類
に配合するなどして広く利用されている。
【0003】食生活の変化に伴い効率的な栄養素の補給
が必要とされ、健康科学の発展に伴い栄養バランスの重
要性がクローズアップされる中で、各種の健康食品、ビ
タミン、ミネラル等の栄養補給剤、食品添加物等が多用
され、原料給源も、天然素材の動植物材料から無機材料
に至るまであらゆる範囲に及んでいる。これらの原料給
源は、体内に投与あるいは摂取された場合に、各成分が
有効かつ確実に吸収され、代謝系に取り込まれ、その生
理活性が有効に利用されることが重要であり、このよう
な観点から、高品質の原料給源の探索及び研究開発が行
われている。
【0004】このように、各種栄養素の原料給源の重要
性が認識され、実際に、多種多様の健康食品、栄養補給
剤等の新製品が開発される一方で、最近、わが国におい
ては、ミネラルの中でもとりわけカルシウムの摂取量
は、二次加工食品の摂取量の増加等が原因で、低下する
傾向にあり、高年齢化社会を迎え骨粗鬆症等の問題が指
摘されていることとあわせて、栄養素としてのカルシウ
ムの重要性は、ますます高まる状況になっている。
【0005】このような情勢の中で、従来、カルシウム
給源として、各種のものが探索され、研究開発されてお
り、例えば、乳由来カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸
カルシウム、甲殻類由来カルシウム、小魚貝類由来カル
シウム等、様々な原材料が利用され、製品の形態を顆
粒、錠剤、粉末等の形態に加工したものが、製品化され
ている。このようなカルシウム製剤に関するこれまでの
主な議論は、どちらかと言えば生体内におけるカルシウ
ムの吸収性、利用性等のカルシウム給源としての質的な
問題に関するものが中心であって、カルシウム製剤の製
造プロセスについては、通常の製剤技術をそのまま利用
するに止まり、ほとんど既存の技術の応用で問題はない
ものと考えられていた。
【0006】このように、新しいカルシウム製剤の研究
開発のポイントは、有用なカルシウム給源を見い出すこ
とに置かれていたと言っても過言ではなく、主原料とし
てのカルシウム給源に、澱粉、乳糖、結晶セルロース等
の賦形剤を配合し、これらを混合し、造粒し、乾燥する
ことにより、通常の製造技術を用いて製剤化することが
一般的なものであった。
【0007】こうして製造された通常のカルシウム製剤
は、生産後、出荷され、流通過程を経て利用に供される
が、実際に利用されるまでに数カ月の期間を経る場合が
普通である。そして、その間の品質保全については、例
えば、恒温条件下で保管する等の特別の品質管理体制を
とることは、余り行われていない。しかしながら、動物
の骨を高温で処理し、粉砕して調製される焼成骨粉をカ
ルシウム給源として利用した製品の場合は、保存管理条
件等によっては、時として、経時的な品質劣化の問題が
生じることがあり、それを防ぐためにその品質保全に高
レベルの品質管理体制をとることを余儀なくされてい
た。
【0008】そして、通常の利用状況であっても、焼成
骨粉を給源とするカルシウム製剤の品質劣化、とりわ
け、変色による品質劣化現象を完全にさけることは困難
であり、例えば、焼成骨粉を用いたふりかけ類、カルシ
ウム強化剤等の製品は、比較的短時間に全体が褐色に変
色し商品価値が損なわれるケースが多々みられた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、このような従来製品の欠点を解決することを目標と
して、前記品質劣化現象の発生の原因を探究する中で、
牛骨、豚骨、魚骨等の動物の骨を、400〜1000℃
程度で焼成すると、そのpHは10〜11前後になり、
リン酸カルシウム型の未焼成骨粉のカルシウムが、焼成
骨粉ではCaO3 (PO4 2 ・nH2 O・4CaO・
2 5 型に変化し、このリン酸・酸化カルシウム型の
カルシウム成分が、強いアルカリ性を呈することが分っ
た。
【0010】そして、更に、前記焼成骨粉に、澱粉、乳
糖、砂糖、ブドウ糖、果糖、及び一般に食品顆粒に用い
られる各種糖類等の賦形剤を配合して顆粒製品を製造し
た場合は、前記強アルカリ性カルシウム成分が、これら
糖類を褐色に変色させ、かつ、製品に必要な味覚をも損
なう等、カルシウム製剤の品質劣化を生起する主な原因
であることを見い出し、これを改善する有効な方法を開
発すべくその研究に着手した。
【0011】その結果、本発明者らは、動物の骨を高温
で処理し、粉砕して調製した焼成骨粉を3〜60%用い
た食品用顆粒を製造するに際し、焼成骨粉原料をクエン
酸等の有機酸の存在下に混合し、pHをpH8.0以下
に調整して造粒し、さらに乾燥することにより前記問題
点を解決し得ることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0012】すなわち、本発明は、焼成骨粉を主原料と
し、品質の経時的変化がみられず品質の安定した食品用
顆粒及び当該食品用顆粒を配合してなるカルシウム強化
食品を提供することを目的とするものである。
【0013】また、本発明は、焼成骨粉を主原料とし、
これに糖類等の賦形剤、結合剤を配合して製造される食
品用顆粒の製造時、及び製品保存時にみられる経時的な
品質劣化現象を有効に防止し得る当該食品用顆粒の製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0014】更に、本発明は、焼成骨粉を主原料とした
食品用顆粒の製造過程及び保存過程等でみられる変色に
よる品質劣化を完全に防止し、前記味覚上の問題点をも
回避し得る前記食品用顆粒の製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明の構成は、以下の(1)〜(2)から成
る。 (1)動物の骨を高温で処理し、粉砕して調製した焼成
骨粉を、原料中に3〜60%配合した食品用顆粒を製造
する際に、クエン酸等の有機酸を混入してpH8.0以
下に調整することを特徴とする食品用顆粒の製造方法。 (2)動物の骨を高温で処理し、粉砕して調製した焼成
骨粉を、原料中に3〜60%配合し、前記(1)に記載
された製造方法により製造される食品用顆粒。 (3)動物の骨を高温で処理し、粉砕して調製した焼成
骨粉を、原料中に3〜60%配合し、クエン酸等の有機
酸を混入してpH8.0以下に調整して製造される前記
(2)記載の食品用顆粒を、食品原料中に配合してなる
カルシウム強化食品。
【0016】続いて、本発明の構成を詳細に説明する。
本発明で使用される焼成骨粉は、動物の骨を高温処理、
例えば、400〜1000℃程度で焼成処理したものを
粉砕して調製される焼成骨粉であり、牛骨、豚骨、魚骨
等、適宜の動物性の骨が使用できる。これらの動物の骨
を400〜1000℃程度で焼成すると、そのpHは1
0〜11前後の強アルカリを呈するようになる。
【0017】当該焼成骨粉を主原料とし、これに食品顆
粒製造用の賦形剤、結合剤、必要により香味剤等を配合
して、全体を充分混合し造粒する。焼成骨粉は、有効成
分の配合効率からみて原料中に3〜60%配合するのが
望ましい。賦形剤としては、澱粉、乳糖、結晶セルロー
ス、白糖、ブドウ糖、マンニトール、アラビアゴム、ア
ルギン酸ナトリウム、ハイドロキシプロピルスターチ
(HPS)、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、
炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、タルク、軽質無
水ケイ酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、アルギン酸ナトリウム、PVP等、通常のものが
使用される。
【0018】これらの賦形剤を微粉末の形態で使用し、
これを主原料の前記焼成骨粉とよく混和して、顆粒形態
に造粒すればよいが、これらの賦形剤そのものを細粒の
形で製造しておき、それと同じ方法で造粒した前記焼成
骨粉を混合して製品とすることも可能である。例えば、
乳糖を例にとれば、従来の粉末の乳糖のほか、結晶乳糖
と称される60〜100メッシュ、80〜150メッシ
ュのもの、スプレードライ乳糖のように球形粒子のも
の、さらに直打用賦形剤として作られたものまで、形態
も単なる結晶のみならず、造粒された形態のものも利用
可能である。
【0019】賦形剤は、均一によく混和できることが必
要で、同一物質でも水分含量によって性質がことなるこ
とが澱粉などでよく知られており、リン酸水素カルシウ
ムのようにほとんど水を吸着しないようなものと、澱粉
のように一定量まで水を吸着するものと、乳糖のように
一定湿度で溶解してしまうものとの3つのタイプに分け
ることができるが、本発明では、調湿、粉砕等の前処理
により、これらのいずれも使用することが可能である。
【0020】造粒製剤には結合剤、崩壊剤、被覆剤、滑
沢剤などが必要であるが、これらの添加物は、必要に応
じて、適宜、配合することができる。
【0021】本発明では、これらの賦形剤の他に、更に
有機酸を必須成分として混入してpH8.0以下に調整
する。本発明で使用される有機酸としては、例えば、ク
エン酸、酒石酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸等が好適にあげ
られるが、有機酸であればいずれであっても使用可能で
あり、これらに限定されるものではない。有機酸の混入
量は、有機酸の種類によって異なるが、pH8.0以下
に調整できればよく、使用量に制限はない。また、pH
8.0よりアルカリ性側では、所期の効果を得ることが
できない。
【0022】これらの有機酸は、前記焼成骨粉原料の予
備処理工程で、主原料に混入されるが、更に、後段の捏
和、造粒工程において、スプレー等の手段により混入す
ることも可能である。いずれにしても、前記焼成骨粉の
造粒工程の全工程にわたって、有機酸を存在せしめた形
で、顆粒形態に製剤することが重要であって、その混入
方法等は、適宜、通常の方法を利用すればよい。
【0023】顆粒剤の製造は、大別して湿式法と乾式法
に分けられるが、本発明の食品用顆粒は、いずれの方法
を利用しても製造可能である。このうち、湿式法は、調
湿、粉砕、加液混合、造粒、乾燥、整粒の各工程からな
り、先ず、前処理として、調湿、粉砕処理が行われる。
調湿工程により、原料の含水率を所定のものに調節す
る。次いで、原料の結晶粒度を均一化するために、例え
ば、200メッシュ以下、好ましくは100〜200メ
ッシュ粒度に粉砕する。前処理した原料を混合し、これ
に結合剤の溶液を加えて加液混合したものを造粒機に供
給して顆粒形態に造粒する。
【0024】また、乾式法は、溶剤を用いないで原料粉
末を強圧して大きな錠剤状又は板状の固形物を作製し、
これを顆粒の大きさに粗砕する方法であり、本発明の食
用顆粒は、このような方法によっても製造することが可
能である。
【0025】前記湿式法により造粒し、顆粒剤を製造す
る場合は、各種、造粒方法が使用可能であり、例えば、
破砕造粒、押し出し造粒、混合造粒、転動造粒、流動層
造粒、噴霧造粒、噴射造粒等、適宜の造粒方法が使用さ
れるが、特に流動層造粒、押し出し造粒等が望ましい。
なお、押し出し造粒の場合、造粒の前工程として捏和が
必要とされる。捏和機には擂潰機、各種のニーダー、ポ
ニーミキサーがあるが、結合剤の種類、添加量と機種、
捏和時間が捏和物の稠度に影響し、さらに造粒機種との
関係で上記諸条件を適切に設定する必要がある。
【0026】流動層造粒は、流動層乾燥機に結合剤をス
プレーする装置を取り付けたもので造粒と乾燥が同一機
で行える。またコーティングにも利用でき、バッヂ式と
連続式のいずれも利用できる。流動層造粒は温度分布が
均一で、低温でも迅速に乾燥できて、しかも粒度のそろ
った製品が得られるので、本発明において、特に、好適
に利用される。
【0027】押し出し造粒は、捏和物を金網またはパン
チングメタルから押し出して造粒する方法であり、一般
に、食品、医薬品等の湿式造粒に広く用いられており、
本発明においても好適に利用される。網式製粒機には金
網上を1本のローターが往復運動する単式と、2本のロ
ーターが内側に連続回転する複式の2種があり、金網の
目は最小で30メッシュ程度であるが、やや粒状は不ぞ
ろいで密度も低い製品が得られる。トーネード・ミル等
のコミュニケーターも湿式押し出し造粒に好適に利用さ
れる。トーネード・ミルを1台は湿塊の造粒に、他の1
台は整粒に用い、その間にコンベヤ及び乾燥機を配置し
た連続乾燥システムも利用可能である。
【0028】円筒整粒機は円筒形のスクリーンに内接し
た羽根が回転する際に捏和物を押し出すものであり、エ
ック・ペレッター等のスクリュー造粒機はスクリューで
圧縮された捏和物を、円筒形のパンチング・メタルから
押し出すもので、いずれも密度の高い円筒形の粒状が得
られるので好ましい。スクリーンの目は最小で0.5m
m程度(約30メッシュ)までのものが使用できる。そ
の他3本の多孔円筒からなるアレキサンダー・マシン
や、歯車型ローラーによって圧縮し、歯の谷から外側に
通じている穴から押し出す方式のフット・マシン等も利
用可能である。
【0029】押し出し造粒では造粒後、乾燥を行う必要
がある。その方法としては、箱型、通気式、真空式、流
動層方式、赤外線方式、高周波方式等が利用できる。そ
の中で流動層乾燥は温度分布が均一で、乾燥時間が非常
に短く、粒の粉末化も少なく好適に使用される。乾燥さ
れた粒状は、必要があれば分粒の前に団塊をほぐす目的
で整粒機にかける。これにはフィッツミルや網式製整機
が使われる。次いで、整粒された粒状はジャイロシフタ
ー、振動篩などの篩分機で所定の粒度幅の顆粒剤と、粗
粒、細末の3種に分粒する。粗粒は破砕しさらに製品と
細末に分け、細末は合わせて造粒工程にもどして前記操
作を繰り返し、本発明の食品用顆粒が製造される。
【0030】このようにして、製造された食品用顆粒
は、例えば、他の配合原料と合わせてふりかけ製品とす
ることができ、また、そのまま、炊飯用カルシウム強化
剤、飲料、スープ等の液状食品のカルシウム補給剤、健
康食品、あるいは、ビスケット、クッキー、ベーカリ製
品、米菓製品等の各種食品の原料顆粒等として好適に利
用される。原料顆粒として用いる場合の当該食品用顆粒
の配合割合は、特に、制限されるものではなく、対象食
品の種類等に応じて、適宜、決定される。
【0031】ところで、前記したように、動物の骨を、
400〜1000℃程で焼成処理すると、そのpHは1
0〜11前後の強アルカリ性を示すようになり、これ
は、リン酸カルシウム型の未焼成骨粉のカルシウム成分
が、CaO3 (PO4 2 ・nH2 O・4CaO・P2
5 のリン酸・酸化カルシウム型のカルシウム成分に変
化することによるものと推定される。従って、得られた
焼成骨粉をそのまま使用すると、当該カルシウム組成の
影響を受け、顆粒製剤の製造過程及び保管過程での経時
的な安定性を欠き、製品の品質劣化、特に製品を変色さ
せる要因となり、また、顆粒製品を食品に添加し強化し
た際に、食品に必要な味覚を著しく損なう等の問題が生
起するが、前記有機酸を配合し、pHを特定範囲に調整
することにより、このような問題を完全に回避すること
ができる。なお、本発明の食品用顆粒を他の食品に添加
しても、従来製品にみられるような食品の味覚を著しく
損なう等の問題が全く生じないことは、パネラーによる
味覚試験により確認済みである。
【0032】このように、従来、焼成骨粉に各種の賦形
剤を配合し、常法により、顆粒製剤を作製することは行
われており、あるいは、一般的に、各種医薬成分等を用
いた錠剤形態の製品を製造する際に、単なる酸味成分と
して有機酸を用いた例はあるものの、焼成骨粉を主原料
とした顆粒製品の品質の経時的安定性を改善するために
有機酸を用いた例はこれまでに全くなく、本発明が最初
のものである。
【0033】本発明で使用される有機酸は、主原料とし
て焼成骨粉を用いた場合の焼成骨粉のカルシウム組成を
要因とする顆粒製品の品質変化を有効に防止するために
使用するものであり、このような作用効果は焼成骨粉と
有機酸を組み合わせた場合にのみみられる特異的なもの
である点で、有機酸を単なる酸味料等として不特定多数
の食品に用いる従来の有機酸の用途に関する公知事実か
らは、到底予期し得ないものである。
【0034】次に、本発明の食品用顆粒の品質の経時的
安定性について検証するために保存試験を行った結果を
示す。
【0035】試験例 牛骨を、1000℃で焼成し、粉砕し、粉末化して得た
焼成骨粉40部、乳糖40部、コーンスターチ8部、デ
キストリン4.2部、クエン酸1.8部を、それぞれ、
造粒機の流動層タンクに入れ、混合し、精製水100部
にアラビアゴム5部を溶かしたものをスプレーし、品温
40℃で造粒し、乾燥することにより、粒度10〜10
0メッシュのpH7.2の食品用顆粒を得た。
【0036】比較対照例として、前記原料成分中のクエ
ン酸を除き、クエン酸の不存在下において同様に調製し
た顆粒を用いた。各サンプルをそれぞれ密閉容器に収容
し、25℃又は30℃、明所に放置して保存試験を行っ
た。品質の評価は、色調の変化の度合を基準として目視
により行った。その結果を表1に示す。なお、表1にお
いて、製品A、Cは25℃、製品B、Dは30℃で、そ
れぞれ保存したものである。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなとおり、比較対照例は、
製品C、製品D共に、保存30日後に変色し褐色を呈し
たが、本発明の食品用顆粒製品は、120日後も、色調
に変化はみられず、品質の経時的安定性は高いものであ
った。
【0039】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を、更に具
体的に説明する。
【0040】実施例 1 流動層造粒機による顆粒製造 造粒機の流動層タンク(源泉)に、焼成骨粉40部、乳
糖40部、馬鈴薯澱粉8部、デキストリン4.2部、ク
エン酸1.8部を入れ、混合し、精製水100部にアラ
ビアゴム5部を溶かしたものをスプレーし、品温30℃
で造粒し、乾燥した。粒度10〜100メッシュのpH
7.2の食品用顆粒が得られた。
【0041】実施例 2 流動層造粒機による顆粒製造 造粒機の流動層タンク(源泉)に、焼成骨粉40部、乳
糖40部、馬鈴薯澱粉8部、デキストリン4.2部を入
れ、混合し、精製水100部にクエン酸1.7部、アラ
ビアゴム5.1部を溶かしたものをスプレーし、品温4
0℃で造粒し、乾燥した。粒度10〜100メッシュの
pH7.1の食品用顆粒が得られた。
【0042】実施例 3 押し出し造粒による顆粒製造 捏和機の中に、焼成骨粉50部、砂糖30部、繊維粉末
15部、乳酸4.8部、グァガム0.2部を入れ、精製
水50部で均一に捏和し、1mmの孔をあけたパンチン
グメタル(スクリーン)から押し出して造粒し、棚式乾
燥機で乾燥した。粒度10〜20メッシュのpH6.9
の食品用顆粒が得られた。
【0043】実施例 4 前記実施例1で製造した食品用顆粒製品を、少量の食
塩、ゴマ、きざみ海苔、顆粒状乾燥魚肉と混合すること
によりカルシウムの強化されたふりかけ食品が得られ
た。
【0044】実施例 5 前記実施例3で製造した食品用顆粒製品を、小麦粉、バ
ター、砂糖、香味料等を配合してなる通常のビスケット
生地に配合し、混合し、成形したものを常法により焼成
して、カルシウム強化ビスケット製品を得た。
【0045】
【発明の効果】本発明の食品用顆粒は、動物の骨を高温
処理し、粉砕して調製した焼成骨粉を利用して作製され
た従来製品にみられるような経時的な品質劣化を完全に
防止し得る特徴を有しており、特に、経時的な変色を完
全に防止し得る効果を有する。
【0046】また、本発明の製造方法は、前記経時的な
品質劣化のみられない安定性、保存性に優れた食品用顆
粒をきわめて簡便に製造できる特徴を有するものであ
り、焼成骨粉を用いた顆粒製剤の品質保全上の問題点
を、確実に回避できる長所を有する。
【0047】さらに、本発明の食品用顆粒を食品に添加
し、強化した際に、従来製品にみられるような食品の味
覚を損なう作用が全くみられないことから、本発明の焼
成骨粉を用いた食品用顆粒は、炊飯用カルシウム顆粒を
はじめ各種食品分野において、対象食品の味覚を損なう
ことなく、カルシウム強化剤等として有効に利用し得る
点で、焼成骨粉製品の利用及び普及に資するところ大な
るものがある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】当該焼成骨粉を主原料とし、これに食品顆
粒製造用の賦形剤、結合剤、必要により香味剤等を配合
して、全体を充分混合し造粒する。焼成骨粉は、有効成
分の配合効率からみて原料中に3〜60%配合するのが
望ましい。賦形剤としては、澱粉、乳糖、結晶セルロー
ス、白糖、ブドウ糖、マンニトール、アラビアゴム、
ルギン酸ナトリウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カル
シウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、タル
ク、軽質無水ケイ酸、メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、PVP等、通常のものが使用される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】賦形剤は、均一によく混和できることが必
要で、同一物質でも水分含量によって性質がことなるこ
とが澱粉などでよく知られており、リン酸水素カルシウ
ムのようにほとんど水を吸着しないようなものと、澱粉
のように一定量まで水を吸着するものとの2つのタイプ
に分けることができるが、本発明では、調湿、粉砕等の
前処理により、これらのいずれも使用することが可能で
ある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】顆粒剤の製造は、大別して湿式法と乾式法
に分けられるが、本発明の食品用顆粒は、いずれの方法
を利用しても製造可能である。このうち、湿式法は、調
湿、粉砕、加液混合、造粒、乾燥、整粒の各工程からな
り、先ず、前処理として、調湿、粉砕処理が行われる。
調湿工程により、原料の含水率を所定のものに調節す
る。次いで、原料の結晶粒度を均一化するために、例え
ば、200メッシュ以上、好ましくは100〜200メ
ッシュ粒度に粉砕する。前処理した原料を混合し、これ
に結合剤の溶液を加えて加液混合したものを造粒機に供
給して顆粒形態に造粒する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茂木 浩司 埼玉県北本市大字下石戸上1925−45

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物の骨を高温で処理し、粉砕して調製
    した焼成骨粉を、原料中に3〜60%配合した食品用顆
    粒を製造する際に、クエン酸等の有機酸を混入してpH
    8.0以下に調整することを特徴とする食品用顆粒の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 動物の骨を高温で処理し、粉砕して調製
    した焼成骨粉を、原料中に3〜60%配合し、前記請求
    項1に記載された製造方法により製造される食品用顆
    粒。
  3. 【請求項3】 動物の骨を高温で処理し、粉砕して調製
    した焼成骨粉を、原料中に3〜60%配合し、クエン酸
    等の有機酸を混入してpH8.0以下に調整して製造さ
    れる前記請求項2記載の食品用顆粒を、食品原料中に配
    合してなるカルシウム強化食品。
JP4087539A 1992-03-12 1992-03-12 焼成骨粉の顆粒及びその製造方法 Pending JPH05252904A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998018339A1 (fr) * 1996-10-31 1998-05-07 Hideki Aoki Composition de chewing-gum et procede de production
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