[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPH05254955A - 多孔質pztセラミックスの製造方法 - Google Patents

多孔質pztセラミックスの製造方法

Info

Publication number
JPH05254955A
JPH05254955A JP5181292A JP5181292A JPH05254955A JP H05254955 A JPH05254955 A JP H05254955A JP 5181292 A JP5181292 A JP 5181292A JP 5181292 A JP5181292 A JP 5181292A JP H05254955 A JPH05254955 A JP H05254955A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
forming material
pore
pzt
porous
slurry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5181292A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Arai
徹 荒井
一年 ▲鮎▼沢
Kazutoshi Ayusawa
Hiroyo Katou
博代 加藤
Toyosaku Sato
豊作 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP5181292A priority Critical patent/JPH05254955A/ja
Publication of JPH05254955A publication Critical patent/JPH05254955A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/06Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by burning-out added substances by burning natural expanding materials or by sublimating or melting out added substances
    • C04B38/063Preparing or treating the raw materials individually or as batches
    • C04B38/0635Compounding ingredients
    • C04B38/0645Burnable, meltable, sublimable materials
    • C04B38/068Carbonaceous materials, e.g. coal, carbon, graphite, hydrocarbons
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00474Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • C04B2111/00844Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 for electronic applications
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/74Underwater applications

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、空孔分布が等方性又は異方性の多
孔質チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックス(以下、多孔
質PZTセラミックスと称す)を歩留り良く製造でき、
しかも空孔分布が均一で比誘電率及び圧電特性のバラツ
キを小さくし得る多孔質PZTセラミックスの製造方法
を提供することにある。 【構成】 PZT仮焼粉、フラーレン粒子からなる空孔
形成材料及び分散剤を溶媒と湿式混合した後、PZT仮
焼粉と空孔形成材料の合計重量100重量部に対しバイ
ンダー1〜5重量部を加えてスラリーとする。このスラ
リーを用いて鋳込み成形法により成形体を形成する。こ
の成形体を焼成することにより空孔分布が等方性の多孔
質PZTセラミックスを製造する。また上記空孔形成材
料を含んだスラリーと、空孔形成材料を含んでいないス
ラリーとを交互に鋳込み成形型に導入して成形体を形成
し、これを焼成して空孔分布が異方性の多孔質PZTセ
ラミックスを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水中音響センサー用ハ
イドロホンに用いる多孔質PZTセラミックスの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、水中音響センサー用のハイドロホ
ンの材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミック
ス(PZTセラミックスと称されている)、PZTセラ
ミックスとエポキシ樹脂等のプラスチックとの複合体、
あるいはPZTセラミックスと空気との複合体(すなわ
ち、多孔質PZTセラミックス)などの圧電性材料が用
いられていた。そのハイドロホンの製造方法はこれらの
圧電性材料を指定の形状に加工し、表面に銀焼き付け等
により電極を形成し、樹脂封止等により耐水性構造とし
ていた。
【0003】これらの圧電性材料のうち、多孔質PZT
セラミックスは高感度なハイドロホン材料として用いら
れており、空孔率の大きいほど感度が良いハイドロホン
が得られていた。そして、多孔質PZTセラミックスの
技術においては、ハイドロホンの形状、使用目的によ
り、多孔質PZTセラミックス内の空孔の分布状態が等
方性であるほうが適している場合と、異方性であるほう
が適している場合とがあり、その空孔の分布状態が等方
性、異方性ともに簡単に製造できる技術が要望されてい
た。
【0004】従来、このような多孔質PZTセラミック
ス材料を製造する技術としては、次の(1)〜(3)に
示す3つの技術があった。
【0005】(1)金型を用いた乾式プレスによる方法 この方法は仮焼されたPZT粉末と空孔形成材(球状カ
ーボン、粒状のプラスチック)を混合した後、通常のセ
ラミックスの乾式造粒方法により、バインダーを添加し
て顆粒状に造粒し、この顆粒を金型に充填して乾式プレ
スにより希望の形状に成形して成形体とし、次に、この
成形体を焼成して空孔形成材を焼き飛ばし、その跡を空
孔とし多孔質PZTセラミックスとする方法である。
【0006】(2)グリーンシートの積層による方法 例えば、本出願人の先の出願に係る特開平2−2294
78号公報に示された技術がある。該公報に示された方
法は仮焼されたPZT粉末と空孔形成材に溶媒、バイン
ダー、分散剤等を加えてスラリーとし、このスラリーを
ドクターブレード法によりグリーンシートを作製し、こ
のシートを所定の形状に打ち抜いたものを積層すること
により成形体とし、この成形体を焼成工程において前記
空孔形成材を焼き飛ばし、その跡を空孔として多孔質P
ZTセラミックスを製造する方法である。
【0007】(3)鋳込み成形法による方法 本出願人の先の出願に係る特開平1−100982号公
報に示された技術がある。該公報に示された方法は、連
続したファイバー状の空孔形成材が取り付けられた成形
型に圧電材料スラリーを流し込み、脱水後着肉した成形
体を得、これを焼成して空孔を形成し、多孔質PZTセ
ラミックスとする方法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の方法に
おいて、(1)の金型による乾式プレス成形について
は、大きな空孔率を得るためには空孔形成材を多量に添
加せねばならず、このように空孔形成材を多量に使用す
ると成形品を金型より取り出すとき、あるいは成形体の
取り扱い時に形くずれが生じ、良好な焼成体が得られな
いという問題点があった。そのために、成形材料にバイ
ンダーが多量に添加されていた。
【0009】しかしながら、バインダーの量を多くした
場合、脱バインダー工程を注意深く行わないで焼成する
とクラックが生じ易く、さらに焼成時の収縮率が大きく
なり欠陥のある焼成品が発生していた。このように従来
の製造方法では、脱バインダー、焼成工程の温度管理が
難しく長時間を要するという問題点があった。さらにま
た、空孔形成材は、数10〜数100ミクロンとPZT
セラミックス粉の数ミクロンに比べて一桁以上大きいの
で乾式混合では、PZT粉と空孔形成材との均一な分散
が困難であるという問題点もあった。
【0010】また、(2)のグリーンシートの積層によ
る方法については、PZT粉末、空孔形成材、溶媒、バ
インダー、分散剤等を混合した湿式混合によりグリーン
シートを製造したものであるから、PZTセラミックス
と空孔形成材の分散は良く、さらに空孔形成材の有るシ
ートと無いシートを適宜の順に積層することにより空孔
の入り方の異方性、等方性とも作製できるという利点は
あるが、シートを積層して作成しているので層間の剥離
が生じ易く、さらにグリーンシートにするためには、ス
ラリー中に多量、例えばPZT100重量部に対して2
5重量部前後、のバインダーを添加する必要があるた
め、乾式プレス成形の場合と同じように、脱バインダ
ー、焼成工程を注意深く長時間をかけて行わなければな
らないという問題点があった。
【0011】さらに、(3)の鋳込み成形の方法につい
ては、生成した空孔は、成形型に固定された連続したフ
ァイバー状のものより形成されるので、異方性の多孔質
PZTセラミックスを作製するには、一方向に空孔形成
材を配列すれば良いが、空孔分布が均一で等方性の多孔
質PZTセラミックスを作製するには、ファイバー状の
空孔形成材を成形型内に上下左右に網の目状に張り巡ら
さねばならず、成形型を造るのに多大な工数とコストが
かかり、容易に作製出来ないという問題点があった。
【0012】そこで、本発明は、以上述べた問題点を解
決するため、層間剥離の問題を持つ積層成形によらない
製造方法で、かつ成形体の取扱の困難な乾式プレス成形
によらない製造方法を採用し、しかも異方性、等方性と
も簡単な製造方法で作製でき、空孔形成材料の分散が良
く空孔分布が均一で、焼成時の温度管理及び脱バインダ
ーが簡単に行なえ、且つ比誘電率及び圧電特性のバラツ
キが小さいハイドロホン用多孔質PZTセラミックスの
製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、PZT仮焼粉、フラーレン粒子からなる
空孔形成材料および分散剤を溶媒と湿式混合した後、P
ZT仮焼粉と空孔形成材料の合計重量100重量部に対
しバインダー1〜5重量部を加えてスラリーとし、当該
スラリーを鋳込み成形型に導入して鋳込み成形により成
形体を形成し、当該成形体を焼成して多孔質PZTセラ
ミックスを製造したものである。また、本発明は、フラ
ーレン粒子からなる空孔形成材料を含んだスラリーと、
空孔形成材料を含んでいないスラリーとを交互に鋳込み
成形型に導入して鋳込み成形により成形体を形成し、該
成形体を焼成して多孔質PZTセラミックスを製造する
こともできる。
【0014】
【作用】本発明によれば、バインダーの量をPZT仮焼
粉とフラーレン粒子からなる空孔形成材料の合計重量1
00重量部に対し1〜5重量部とし、従来法に比べバイ
ンダーの量を大幅に少なくしているため、加熱,焼成時
のバインダーの分解,燃焼による多量のガスの発生が抑
えられ、そのために製造された多孔質PZTセラミック
スにクラックが生じることがない。また本発明によれ
ば、空孔形成材料であるフラーレン粒子はほぼ球形でそ
の粒径も極めて小さく成形体中に均一に分散されるた
め、成形体を焼成することによりセラミックス内部に形
成される多数の空孔はほぼ球形でしかもほとんど独立の
均一に分布した微細な空孔として形成される。このため
製造された多孔質PZTセラミックスの比誘電率,圧電
特性のバラツキが小さくなる。
【0015】
【実施例】まず、本発明の実施例で使用するPZT仮焼
粉の製造方法を説明する。一酸化鉛(PbO、純度9
9.9%)、二酸化チタン(TiO2 ,純度99.9
%)、酸化ジルコニウム(ZrO2 、純度99.9%)
及びその他の添加剤をそれぞれ所定量秤量し、ポットミ
ルを用いて純水と共に約20時間混合した。混合物を脱
水、乾燥し、900℃で5時間仮焼し、PZTの仮焼物
を得た。この仮焼物に純水を加えてポットミルで粉砕
し、脱水し、乾燥してPZT仮焼粉を作製した。このP
ZT仮焼粉はほぼ球形で粒径0.3〜1μm(平均粒径
0.5μm)であった。このようにして得られたPZT
仮焼粉を用いて、空孔分布が等方性の多孔質PZTセラ
ミックスと、空孔分布が異方性の多孔質PZTセラミッ
クスを製造する方法について以下詳細に説明する。
【0016】(実施例1:空孔分布が等方性の多孔質P
ZTセラミックスの製造)前記方法によって得られたP
ZT仮焼粉100重量部に対し、空孔形成材料として粒
径約0.01μmのほぼ球形のC60のフラーレン粒子1
3重量部、溶媒としての水23重量部、分散剤D−13
4(第一工業製薬製)5重量部をポットミルにより5時
間混合し、PZT仮焼粉とフラーレン粒子とを均一に分
散させた。これに水溶性のバインダーTB−13(第一
工業製薬製)5重量部、消泡剤0.5重量部を添加して
20時間混合し、スラリーを作製した。このスラリーを
直径45mmで底部に多数の小さな穴を持った円筒状の
成形型に吸引濾過用の濾紙を敷いた所に流し込み、下部
よりアスピレーターで吸引脱水し厚さ10mmの円板状
にした後100℃で乾燥してフラーレン粒子が等方的に
均一に分散した成形体を得た。このようにして得られた
成形体を30℃/時間の昇温速度で600℃まで加熱
し、加熱温度600℃を5時間保持の条件で脱バインダ
ー及びフラーレン粒子の焼き飛ばしを行なった後、10
0℃/時間の昇温速度で1300℃まで加熱し、130
0℃を2時間保持の条件で焼成することにより、フラー
レン粒子の消失した跡を空孔とし、空孔分布が等方性の
多孔質PZTセラミックス焼成体を得た。なお、この焼
成体の空孔率は約35%であった。
【0017】(実施例2:空孔分布が異方性の多孔質P
ZTセラミックスの製造)C60のフラーレン粒子からな
る空孔形成材料を含んだスラリーを前記実施例1と同様
の方法により作製した。またさらに、空孔形成材料を除
いた他の条件を同一にして空孔形成材料を含んでいない
スラリーを前記実施例1と同様の方法により作製した。
次に、空孔形成材料を含んだスラリーを実施例1と同じ
成形型に濾紙を敷いて実施例1のスラリー量の5分の1
だけを流し込み、下部よりアスピレーターで吸引脱水し
た後、成形体の表面が乾燥していない状態で、次のスラ
リーとして空孔形成材料を含んでいないスラリーをその
上に流し込む。このように上記2種のスラリーの流し込
みを交互に繰り返した後、100℃で乾燥してフラーレ
ン粒子が異方的に分散した5層からなる成形体を得た。
このようにして得られた成形体を30℃/時間の昇温速
度で600℃まで加熱し、加熱温度600℃を5時間保
持の条件で脱バインダー及びフラーレン粒子の焼き飛ば
しを行なった後、100℃/時間の昇温速度で1300
℃まで加熱し、1300℃を2時間保持の条件で焼成す
ることにより、フラーレン粒子の消失した跡を空孔と
し、空孔分布が異方性の多孔質セラミックス焼成体を得
た。
【0018】このように、本発明では、PZT仮焼粉に
フラーレン粒子を均一の湿式分散したスラリーを、成形
型内に流しこみ、吸引脱水するだけで良いので、バイン
ダーの添加量が少なくても型崩れしない成形体が得られ
る。また、乾式プレスによる成形体、及びグリーンシー
トの積層による成形体に比べバインダー量の少ない成形
体が得られるので、脱バインダー処理が容易となる。ま
た、空孔分布が異方性のセラミックスを製造するのに特
開平1−100982号公報に示されているように成形
型の内部に空孔形成材を張り巡らせる必要もなく、容易
に空孔分布が異方性、あるいは等方性の多孔質PZTセ
ラミックスを製造し得る。
【0019】さらに、本発明では、フラーレン粒子の粒
径が約0.01μmと極めて小さいため、このフラーレ
ン粒子からなる空孔形成材料は、スラリー中、及びこの
スラリーを用いて形成される成形体中に極めて均一に分
散される。このように空孔形成材料であるフラーレン粒
子はほぼ球形でその粒径が極めて小さく成形体中に均一
に分散されるため、フラーレン粒子の消失により形成さ
れる空孔はほぼ球形でほとんど独立の均一に分布した微
細な空孔として形成される。なお、本発明ではバインダ
ーの量をPZT仮焼粉と空孔形成材料の合計重量100
重量部に対し1〜5重量部としているが、これは1重量
部より少ないと成形体の強度が十分でなく、また5重量
部より多くなると脱バインダー時の発生ガスが多くなり
焼成体にクラックが生じ易くなるからである。
【0020】次に、前記従来法のグリーンシートを積層
して作製された成形体を焼成してなる多孔質PZTセラ
ミックス(比較例1)と、前記従来法のグリーンシート
を作るためのスラリーと同じ配合のスラリーで鋳込み成
形法を適用して作製された成形体を焼成してなる多孔質
PZTセラミックス(比較例2)と、本発明の実施例
1,2の方法により作製された多孔質PZTセラミック
スとの焼成結果及び焼成体の収縮率の比較を行なった。
上記比較を行なう前に、前記比較例1及び2の製造方法
について次に説明する。
【0021】(比較例1)PZTの仮焼粉100重量部
に対し、球径0.3mmのカーボン粒子13重量部、水
23重量部、分散剤D−134(第一工業製薬製)5重
量部を添加してポットミルで5時間混合し、PZTの仮
焼粉とカーボン粒子を十分に分散させた。これにバイン
ダーTB−13(第一工業製薬製)50重量部、消泡剤
1重量部を添加して20時間混合し、スラリーを作製し
た。このスラリーをドクターブレード装置を用いて厚さ
0.7mmのグリーンシートとした後、直径45mmの
円板状に打ち抜き、この円板状のグリーンシートを数十
個積層させて金型の中に収容し、100℃に加熱した金
型中で1ton/cm2 の加圧を行ない、厚さ10mm
の成形体を得た。この成形体を実施例1,2と同様の加
熱,焼成条件で加熱,焼成することにより、脱バインダ
ー,カーボン粒子の焼き飛ばし、焼成を行なってカーボ
ン粒子の消失した跡を空孔とする多孔質PZTセラミッ
クス焼成体を作製した。
【0022】(比較例2)前記比較例1の成形体を作る
ためのスラリー組成と同一の組成のスラリーを用いて、
本発明の実施例1と同じ鋳込み成形法を適用して成形体
を得た。この成形体を実施例1,2と同様の加熱,焼成
条件で加熱,焼成することにより、脱バインダー、カー
ボン粒子の焼き飛ばし、焼成を行なってカーボン粒子の
消失した跡を空孔とし、空孔分布が等方性の多孔質PZ
Tセラミックス焼成体を作製した。
【0023】前記実施例1及び2並びに比較例1及び2
の各方法によりそれぞれ10個のセラミックス焼成体を
作製し、その焼成結果の比較を行なったところ、次の通
りであった。まず、本発明の実施例1及び2の方法によ
り作製したセラミックス焼成体は、バインダーが5重量
部(これは、PZT仮焼粉と空孔形成材料との合計重量
100重量部に対して約4.4重量部の比率である)と
少ないため、各々10個すべてにクラックなどの不良が
なく良好な焼成体が得られた。これに対し比較例1,2
の方法で作成したセラミックス焼成体は各々10個中5
個と7個にクラックが認められ歩留りが悪かった。また
比較例1のものには層間剥離が認められた。これらの欠
陥の原因はスラリー中のバインダーの添加量が多いため
600℃までの加熱時にバインダーの分解、燃焼により
成形体の内部より急速に多量のガスが発生するためであ
る。比較例1,2の場合、バインダーの量がPZT仮焼
粉と空孔形成材料の合計重量100重量部に対して44
重量部と多量に含まれているため上記欠陥が生じるが、
本発明の場合、バインダーの量をPZT仮焼粉と空孔形
成材料との合計重量100重量部に対し1〜5重量部と
したので焼成によるガスの発生のための悪影響が認めら
れない。
【0024】ところで、セラミックスの焼成において
は、成形体が大きいほど焼成時の温度管理を十分に行な
わないと、クラック、変形が生じ易いことは、よく知ら
れている。次に、本発明の温度管理の容易さについて説
明する。本発明の実施例1,2で作製した焼成体の収縮
率は約16%であるのに対し、比較例1,2で作製した
焼成体の収縮率は約23%であった。本発明により作製
した焼成体は、比較例に比べて収縮率が約7%小さいの
で、同一寸法の焼成体を得るのに比較例に比べて約7%
寸法の小さな成形体で良いため、焼成時の温度管理が相
対的に容易になる。
【0025】次に、多孔質PZTセラミックスをハイド
ロホンに適用した場合のハイドロホンの静電容量及び受
波感度のバラツキの原因となる多孔質PZTセラミック
スの比誘電率及び圧電特性のバラツキに関し、本発明の
実施例1及び比較例2で作成した空孔分布が等方性の多
孔質PZTセラミックスの各々10個について測定した
結果は次の通りであった。比較例2による10個の多孔
質PZTセラミックスの比誘電率は平均値560、標準
偏差60であり、代表的な圧電特性である圧電出力定数
h は平均値31×10-3Vm/N、標準偏差8×10
-3であった。これに対して、本発明の実施例1による1
0個の多孔質PZTセラミックスの比誘電率は平均値5
50,標準偏差20であり、圧電出力定数gh は平均値
32×10-3Vm/N、標準偏差3×10-3であった。
このように本発明による多孔質PZTセラミックスの比
誘電率、圧電特性のバラツキは比較例2のそれに比べて
大幅に小さくなっていることが判明した。これは、空孔
形成材料としてカーボン粒子を用いた場合、その粒径が
大きいために焼成により形成される空孔が必ずしも独立
しておらず、多数の空孔が連通状態となって空孔の形、
大きさが一定でなくなり、前述のバラツキが大きくなる
ものである。これに対して、空孔形成材料としてほぼ球
形のフラーレン粒子を用いた場合、その粒径が極めて小
さくまた成形体中に均一に分散されるため、焼成により
形成される空孔は均一に分布したそれぞれ独立の微細な
空孔となっており、しかも空孔の形が球形で大きさも一
定に形成されるため前述のバラツキが小さくなるもので
ある。
【0026】本発明は、以上説明した実施例に限定され
ず、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、実施例に用いたスラリーを本実施例のアスピレ
ーターを用いる方法によらずに、直径45mmの穴を有
する石膏型に流し込み、石膏の吸水作用により脱水して
成形体を作製し、前記と同じ方法で焼成した場合におい
ても、同様の効果を得ることができる。更に、前記実施
例では、空孔形成材料としてC60のフラーレン粒子を用
いているが、これに代えてC70,C76,C78,C84など
その他のフラーレン粒子を用いることもできる。更に前
記実施例ではバインダーとして水溶性のバインダー,溶
媒として水を用いているが、これらに代えて有機溶媒用
バインダー、有機溶媒をそれぞれ用いることもできる。
有機溶媒用バインダーとしては、例えば、ポリビニルブ
チラール、ポリ酢酸ビニル、アクリル系樹脂などを用い
ることができ、バインダーとしてポリビニルブチラール
を用いる場合は有機溶媒としてアセトン、アルコールな
どを用い、バインダーとしてポリ酢酸ビニールを用いる
場合は有機溶媒としてメチルアルコール、エチルアルコ
ールなどを用い、バインダーとしてアクリル系樹脂を用
いる場合は有機溶媒としてアセトン、エーテルなどを用
いることができる。
【0027】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
多孔質PZTセラミックスの製造方法によれば、空孔形
成材料であるフラーレン粒子の粒径が極めて小さいた
め、PZT仮焼粉とフラーレン粒子の分散性が良く、従
来の方法に比べてバインダーの添加量が少ない状態で成
形体を作製できるため、脱バインダー処理を行なっても
クラックを生じることがない。このため多孔質PZTセ
ラミックスを歩留り良く製造することができる。また、
空孔分布を異方性とするために空孔形成材料を含む層と
含まない層とを積層しても、各層の表面が乾かないうち
に次の層を積層するため、各層間のなじみが良く、焼成
された多孔質PZTセラミックスに層間剥離は発生しな
い。更に、焼成工程における収縮率が小さいため同一寸
法の焼成体を作製するのにそのぶん成形体を小さく作製
できるので、焼成の温度管理が容易になる。さらにま
た、成形体に空孔形成材が均一に分布するので、鋳込み
成形型へのスラリーの種類を変えることにより、空孔分
布の等方性、異方性を容易に制御することのできる多孔
質PZTセラミックスの製造方法を提供することができ
る。
【0028】更に、空孔形成材料として用いるフラーレ
ン粒子はほぼ球形でその粒径も極めて小さく成形体中に
均一に分散されるため、成形体の焼成により形成される
空孔はほぼ球形で、しかもほとんどが独立の均一に分布
した微細な空孔として形成される。このため作製された
多孔質PZTセラミックスの比誘電率、圧電特性のバラ
ツキを小さく抑えることができる。また多孔質PZTセ
ラミックス表面の凹凸も小さくでき、形成される空孔も
ほとんど独立状態で表面と連通状態ではないため、その
表面に電極を焼き付け等により形成する際の電極材料の
セラミックス内部への浸透をほとんどなくすことがで
き、電極を容易且つ良好に形成し得る。従って、本発明
の製造方法により作製された多孔質PZTセラミックス
を水中音響センサー用ハイドロホンに適用した場合、高
感度で、且つ静電容量及び受波感度のバラツキが小さい
ハイドロホンを実現することができる。
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 豊作 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PZT仮焼粉、フラーレン粒子からなる
    空孔形成材料および分散剤を溶媒と湿式混合した後、P
    ZT仮焼粉と空孔形成材料の合計重量100重量部に対
    しバインダー1〜5重量部を加えてスラリーとし、当該
    スラリーを鋳込み成形型に導入して鋳込み成形により成
    形体を形成し、当該成形体を焼成することを特徴とする
    多孔質PZTセラミックスの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の空孔形成材料を含んだ
    スラリーと、空孔形成材料を含んでいないスラリーとを
    交互に鋳込み成形型に導入して鋳込み成形により成形体
    を形成し、当該成形体を焼成することを特徴とする多孔
    質PZTセラミックスの製造方法。
JP5181292A 1992-03-10 1992-03-10 多孔質pztセラミックスの製造方法 Pending JPH05254955A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5181292A JPH05254955A (ja) 1992-03-10 1992-03-10 多孔質pztセラミックスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5181292A JPH05254955A (ja) 1992-03-10 1992-03-10 多孔質pztセラミックスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05254955A true JPH05254955A (ja) 1993-10-05

Family

ID=12897324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5181292A Pending JPH05254955A (ja) 1992-03-10 1992-03-10 多孔質pztセラミックスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05254955A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7531209B2 (en) 2005-02-24 2009-05-12 Michael Raymond Ayers Porous films and bodies with enhanced mechanical strength
US7790234B2 (en) 2006-05-31 2010-09-07 Michael Raymond Ayers Low dielectric constant materials prepared from soluble fullerene clusters
JP2011009755A (ja) * 2010-07-12 2011-01-13 Kyocera Corp アクチュエータ用圧電部材
US7875315B2 (en) 2006-05-31 2011-01-25 Roskilde Semiconductor Llc Porous inorganic solids for use as low dielectric constant materials
US7883742B2 (en) 2006-05-31 2011-02-08 Roskilde Semiconductor Llc Porous materials derived from polymer composites
US7919188B2 (en) 2006-05-31 2011-04-05 Roskilde Semiconductor Llc Linked periodic networks of alternating carbon and inorganic clusters for use as low dielectric constant materials
JP5500173B2 (ja) * 2009-07-22 2014-05-21 コニカミノルタ株式会社 圧電体、超音波トランスデューサー、医療用超音波診断装置および非破壊超音波検査装置
JP2018059131A (ja) * 2016-09-30 2018-04-12 セイコーエプソン株式会社 三次元造形物製造用組成物および三次元造形物の製造方法
CN111995428A (zh) * 2020-08-24 2020-11-27 中国科学院上海硅酸盐研究所 一种组合孔结构pzt95/5铁电陶瓷及其制备方法
CN112236877A (zh) * 2018-07-17 2021-01-15 永井清 多孔压电材料成型体、其制造方法以及使用该成型体的探头
CN115894071A (zh) * 2022-12-22 2023-04-04 中国科学技术大学 各向异性导热的轻质高强陶瓷基复合材料及其制备方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7531209B2 (en) 2005-02-24 2009-05-12 Michael Raymond Ayers Porous films and bodies with enhanced mechanical strength
US7919188B2 (en) 2006-05-31 2011-04-05 Roskilde Semiconductor Llc Linked periodic networks of alternating carbon and inorganic clusters for use as low dielectric constant materials
US7790234B2 (en) 2006-05-31 2010-09-07 Michael Raymond Ayers Low dielectric constant materials prepared from soluble fullerene clusters
US7875315B2 (en) 2006-05-31 2011-01-25 Roskilde Semiconductor Llc Porous inorganic solids for use as low dielectric constant materials
US7883742B2 (en) 2006-05-31 2011-02-08 Roskilde Semiconductor Llc Porous materials derived from polymer composites
JP5500173B2 (ja) * 2009-07-22 2014-05-21 コニカミノルタ株式会社 圧電体、超音波トランスデューサー、医療用超音波診断装置および非破壊超音波検査装置
JP2011009755A (ja) * 2010-07-12 2011-01-13 Kyocera Corp アクチュエータ用圧電部材
JP2018059131A (ja) * 2016-09-30 2018-04-12 セイコーエプソン株式会社 三次元造形物製造用組成物および三次元造形物の製造方法
CN112236877A (zh) * 2018-07-17 2021-01-15 永井清 多孔压电材料成型体、其制造方法以及使用该成型体的探头
EP3817077A4 (en) * 2018-07-17 2022-07-06 Kiyoshi Nagai BODY MOLDED IN POROUS PIEZOELECTRIC MATERIAL, METHOD FOR MAKING IT, AND PROBE USING SUCH MOLDED BODY
CN111995428A (zh) * 2020-08-24 2020-11-27 中国科学院上海硅酸盐研究所 一种组合孔结构pzt95/5铁电陶瓷及其制备方法
CN111995428B (zh) * 2020-08-24 2021-08-31 中国科学院上海硅酸盐研究所 一种组合孔结构pzt95/5铁电陶瓷及其制备方法
CN115894071A (zh) * 2022-12-22 2023-04-04 中国科学技术大学 各向异性导热的轻质高强陶瓷基复合材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5955392A (en) Zirconia ceramic green sheet
JPH05254955A (ja) 多孔質pztセラミックスの製造方法
CN108911738A (zh) 多孔钛酸钡压电陶瓷及其制备方法
JP3256112B2 (ja) セラミックスグリーンシートおよびそれを用いたセラミックス基板の製造方法
JP3394251B2 (ja) 平滑な表面を有するセラミックを製造する方法
CN109721371A (zh) 一种压电陶瓷阵列的制备方法
JP2581841B2 (ja) 多孔質pztセラミックスの製造方法
CN114133270B (zh) 中空平板陶瓷过滤膜及其制备方法
US3517093A (en) Method for producing lead zirconate-titanate transducer materials by slip casting
JPH069281A (ja) 多孔質pztセラミックス成形体の製造方法及び水中音響受波器の製造方法
JPH11228219A (ja) Itoリサイクル粉を利用した高密度ito焼結体の製造方法
JPS6114679B2 (ja)
JPH04357181A (ja) 多孔質pztセラミックスの製造方法
JP3048625B2 (ja) ハイドロホンおよびその製造方法
JPH03262177A (ja) 多孔質圧電体の製造方法
JPH1117242A (ja) 焼成セラミック板の製造方法
JP3672598B2 (ja) 塑性成形用スラリー組成物、該塑性成形用スラリー組成物の製造法、該塑性成形用スラリー組成物をロ過脱水及び土練して得た塑性成形用坏土、該塑性成形用坏土を用いた塑性成形体の成形方法、該成形方法により成形された塑性成形体、該塑性成形体を乾燥させて得た乾燥した塑性成形体
JP2541810B2 (ja) トランスジュ―サ―用圧電セラミックスの製造方法
JP2919857B2 (ja) 緻密質セラミック膜の製造方法
RU1772099C (ru) Способ изготовлени конструкционной керамики
JPS5918163A (ja) 透光性セラミツクスの製造方法
JPH01131448A (ja) 酸素センサ用素子の製造法
JPH03232755A (ja) 圧電磁器の製造方法
JP2599620B2 (ja) ペロブスカイト型鉛酸化物スラリーの解膠方法
JPH0557747B2 (ja)