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JPH05230346A - ポリエステル原着用着色剤およびポリエステル原着繊維 - Google Patents

ポリエステル原着用着色剤およびポリエステル原着繊維

Info

Publication number
JPH05230346A
JPH05230346A JP4035054A JP3505492A JPH05230346A JP H05230346 A JPH05230346 A JP H05230346A JP 4035054 A JP4035054 A JP 4035054A JP 3505492 A JP3505492 A JP 3505492A JP H05230346 A JPH05230346 A JP H05230346A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
colorant
weight
parts
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4035054A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Masuda
剛 益田
Kenji Kawakami
賢治 川上
Hiroyuki Nagai
宏行 長井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP4035054A priority Critical patent/JPH05230346A/ja
Publication of JPH05230346A publication Critical patent/JPH05230346A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐光堅牢度に優れたポリエステル原着繊維を
得るに適したポリエステル原着用着色剤を提供するこ
と。 【構成】 常温で液状を呈するポリエステルに、下記式
で表わされる環状イミノエステル化合物を反応させ、得
られた反応生成物に顔料または染料を分散させる。 【効果】 紫外線吸収能を有する化合物が分散媒自身に
結合されているため、紫外線吸収能の斑が小さく耐光堅
牢度に優れたポリエステル原着繊維が安定に製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル原着用着
色剤およびそれにより着色されたポリエステル原着繊維
に関するものである。さらに詳しくは、ポリエステル原
着用着色剤それ自身が光、とりわけ紫外線による顔料ま
たは染料の変褪色を抑える効果を有する着色剤、および
それを用いてなる高い耐光堅牢度を有するポリエステル
原着繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
る芳香族ポリエステルは、耐熱性および耐光性に優れて
いるため、繊維、フィルム、樹脂などに広く使用されて
いる。しかしながら、これらポリエステルの成形品は染
色性が悪いという重大な欠点を有しており、これを改善
する方法としてポリエステルポリマーに顔料もしくは染
料を混合・分散させる方法、すなわち原着による着色方
法が従来から種々検討されている。そのうちの代表的な
例として、マスターバッチ方式、ドライカラー方式、そ
して顔料もしくは染料を液状着色剤に分散させた着色剤
を用いる方法が提案されている。
【0003】これらのうちマスターバッチ方式は、分散
媒として用いられるポリエステル樹脂の熱履歴のため、
着色紡糸された糸の引張強度などの物性が低下するとい
う欠点があり、またドライカラー方式においては、プレ
ミックス時着色剤の飛散や顔料または染料の分散性に問
題があり、十分な品質の成形品は得られないという欠点
がある。一方、取り扱いが簡単でプレミックス時の汚染
もなく色替に要する時間も短いといった優れた特徴を有
する液状の着色剤を用いる着色方法は、ポリエステルの
繊維、フィルム、その他の成形物への成形時に容易に配
合することができ、成形物の製造時の安定性に優れ、品
質の均一性に富む成形物を製造し得ることから近年広く
用いられてきている。
【0004】しかしながら、これら液状着色剤によって
着色された原着繊維は、使用する顔料もしくは染料の種
類、含有率によっては、光、特に紫外線による変褪色が
著しく、長期間の使用や屋外等強い光を受けるような用
途での使用には限界がある。これを防ぐ手段として液状
着色剤中に、顔料もしくは染料と共に紫外線吸収剤また
は光安定剤をあらかじめ混合しておく方法が提案されて
いるが、紫外線吸収剤または光安定剤とポリエステルと
の相溶性によっては紫外線吸収剤または光安定剤の凝集
による局在化のために一定の耐光堅牢度が得られないこ
とがあり、また成形時のトラブル、例えば紫外線吸収剤
または光安定剤濃度が局部的に高い部分が発生して紡糸
中に糸切れを起こしたり、糸の長さ方向での太さ斑が発
生するといった問題が生じる。そのため、紫外線吸収剤
または光安定剤の含有率を高くしても、それらの凝集が
引き起こすトラブルが顕著になるばかりで、耐光堅牢度
は一向に改善されないということがしばしば生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑みて行われたもので、ポリエステル中に均一に
紫外線吸収剤を分散せしめ、優れた耐光堅牢度を有する
ポリエステル繊維を得るに適したポリエステル原着用着
色剤を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するもので、次の構成よりなる。
【0007】すなわち、常温で液状を呈するポリエステ
ルと、下記一般式(I)または(II)で示される環状イ
ミノエステル化合物から選ばれる少なくとも1種との反
応生成物に、顔料または染料を分散してなるポリエステ
ル原着用着色剤である。
【0008】
【化5】
【0009】[ここで、X1 は、上記式に表されたX1
からの2本の結合手が1位、2位の位置関係にある2価
の芳香族残基であり;nは1,2または3であり;R1
はn価の炭化水素残基(さらにヘテロ原子を含有してい
てもよい)、またはn=2のとき直接結合である。]
【0010】
【化6】
【0011】[ここで、Aは下記式(II)―a
【0012】
【化7】
【0013】で表される基であるか、または下記式(I
I)―b
【0014】
【化8】
【0015】で表される基であり;R2 およびR3 は同
一もしくは異なる1価の炭化水素残基であり;X2 は4
価の芳香族残基で、これはさらにヘテロ原子を含有して
いてもよい。]以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】本発明において顔料または染料を分散させ
る媒体としては、常温で液状のポリエステルにあらかじ
め後述する特定の環状イミノエステル化合物を反応させ
たものを使用する。
【0017】ここで用いられるポリエステルとしては、
常温で液状を呈するものであれば特に限定されず、例え
ばアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などの脂肪族
ジカルボン酸、オレイン酸、ラウリル酸などの脂肪族飽
和もしくは不飽和モノカルボン酸およびフタル酸、トリ
メリット酸などの芳香族カルボン酸を酸成分とし、n―
オクチルアルコール、イソオクチルアルコール、2―エ
チルヘキシルアルコール、n―ノニルアルコール、n―
デシルアルコールなどの1価アルコール、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、ソルビトールなどの多価アルコールをアルコール成
分とするものであり、常温で液状のポリエステルが好ま
しい。
【0018】かかる液状ポリエステルは、ポリエチレン
テレフタレートを代表とする繊維形成性のポリエステル
樹脂の溶融紡糸温度においても分解変質し難く、また低
粘度であるため顔料または染料を配合した状態において
も常温で流動性を示し、加えてポリエステル樹脂との相
溶性も良好であるため顔料または染料のポリエステル樹
脂への分散性が良好で高濃度の着色が可能であるといっ
た特徴を有する。
【0019】本発明においては、かかる液状ポリエステ
ルに特定の構造を有する環状イミノエステル系紫外線吸
収剤を反応・結合させる。この反応は、例えば下記化学
反応式(III )で示される、液状ポリエステルのアルコ
ール性末端水酸基と環状イミノエステルとの開環付加反
応であり、液状ポリエステルの分子鎖末端にイミノエス
テル化合物が付加される。
【0020】
【化9】
【0021】ここで注目されることは、上記環状イミノ
エステル系紫外線吸収剤は、上記液状ポリエステルと反
応させても紫外線安定化効果は損なわれることなく維持
され、また液状ポリエステルの分散媒体としての特性も
損われていないことである。それ故に、顔料または染料
のポリエステル樹脂中への分散性を低下させることなく
紫外線吸収剤を均一に分散させることができ、しかも顔
料または染料の周辺にはより高濃度に分散媒が存在する
ため、紫外線による変褪色を抑える効果はより一層大き
くなるといった特徴を有するのである。さらに、該紫外
線吸収剤は液状ポリエステルに化学的に結合されている
ため、ポリエステルの溶融紡糸温度下でも蒸散すること
がなく、極めて安定に且つ環境汚染をきたすことなく紡
糸できるのである。
【0022】上記目的で用いられる特定の構造を有する
環状イミノエステル化合物としては、前記式(I)およ
び式(II)で表わされる化合物が好ましく用いられる。
【0023】式(I)中、X1 は式(I)に表わされた
1 からの2本の結合手が1位,2位の位置関係にあ
る、2価の芳香族残基であり;nは1,2または3であ
り;R 1 はn価の炭化水素残基で、これは更にヘテロ原
子を含有していてもよい、またはR1 はn=2のとき直
接結合であることもできる。
【0024】X1 としては、好ましくは例えば1,2―
フェニレン、1,2―ナフチレン、2,3―ナフチレン
をあげることができ、特に1,2―フェニレンが好まし
い。
【0025】R1 はn価(但し、nは1,2または3で
ある)の炭化水素残基であるか、またはnが2であると
きに限り直接結合であることができ、好ましい例とし
て、n=1としては、炭素数6〜12の芳香族残基(フ
ェニル基、ナフチル基、ビフェニル基)または、
【0026】
【化10】
【0027】をあげることができ、n=2としては、p
―フェニレン、m―フェニレン、2,6―ナフチレン、
p,p′―ビフェニレンをあげることができ、さらにn
=3としては、
【0028】
【化11】
【0029】をあげることができる。
【0030】また式(II)中、X2 は4価の芳香族炭化
水素残基であり、例えば
【0031】
【化12】
【0032】(ここで、Rは―O―、―CO―、―S
―、―SO2 、―CH2 ―、または―C(CH3 2
である)をあげることができる。
【0033】好ましく用いられる前記式(I)および式
(II)で表わされる環状イミノエステル化合物の具体例
としては、下記化合物をあげることができる。
【0034】n=1の場合の化合物 2―(p―フタルイミドフェニル)―3,1―ベンゾオ
キサジン―4―オン、N―フェニル―4―(3,1―ベ
ンゾオキサジン―4―オン―2―イル)フタルイミド、
2―フェニル―3,1―ベンゾオキサジン―4―オン、
2―(1―または2―ナフチル)―3,1―ベンゾオキ
サジン―4―オン、2―(4―ビフェニル)―3,1―
ベンゾオキサジン―4―オン、 n=2の場合の化合物 2,2′―ビス(3,1―ベンゾオキサジン―4―オ
ン)、2,2′―p―フェニレンビス(3,1―ベンゾ
オキサジン―4―オン)、2,2′―m―フェニレンビ
ス(3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、2,2′
―(4,4′―ジフェニレン)ビス(3,1―ベンゾオ
キサジン―4―オン)、2,2′―(2,6―または
1,5―ナフタレン)ビス(3,1―ベンゾオキサジン
―4―オン)、2,2′―(2―メチル―p―フェニレ
ン)ビス(3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、 n=3の場合の化合物 1,3,5―トリ(3,1―ベンゾオキサジン―4―オ
ン―2―イル)ベンゼン、1,3,5―トリ(3,1―
ベンゾオキサジン―4―オン―2―イル)ナフタレン、
2,4,6―トリ(3,1―ベンゾオキサジン―4―オ
ン―2―イル)ナフタレン、 式(II)の化合物 2,8―ジメチル―4H,6H―ベンゾ〔1,2―d;
4,5―d′〕ビス―〔1,3〕―オキサジン―4,6
―ジオン、2,7―ジメチル―4H,9H―ベンゾ
〔1,2―d;4,5―d′〕ビス―〔1,3〕―オキ
サジン―4,9―ジオン、6,6′―ビス(2―メチル
―4H,3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、6,
6′―メチレンビス(2―フェニル―4H,3,1―ベ
ンゾオキサジン―4―オン)、6,6′―カルボニルビ
ス(2―フェニル―4H,3,1―ベンゾオキサジン―
4―オン)、6,6′―スルホニルビス(2―メチル―
4H,3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)。
【0035】上記例示化合物のうち、上記式(I)の化
合物、より好ましくはn=2の場合の上記式(I)の化
合物、特に好ましくは下記式
【0036】
【化13】
【0037】(ここでR4 は2価の芳香族炭化水素残基
または直接結合である)で表わされる化合物が有利に用
いられる。
【0038】かかる化合物としては、就中2,2′―p
―フェニレンビス(3,1―ベンゾオキサジン―4―オ
ン)、2,2′―ビス(3,1―ベンゾオキサジン―4
―オン)が好ましい。
【0039】次に、本発明において使用される顔料また
は染料は、特に限定されるものではなく、例えばアゾ
系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノ
ン系、ジオキサジン系、ペリレン・ペリノン系等の有機
顔料、アゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系、フタロ
シアニン系、複素環系等の染料いずれも使用でき、これ
らは併用することももちろん可能であって、これら有機
系の顔料または染料に対して上記分散媒の光安定化効果
は最大限に発揮される。また当然のことながら耐光堅牢
度の高い酸化チタン、酸化鉄、群青、カーボンブラック
など一般にポリエステルに使用される公知の顔料の使
用、もしくは制電性付与剤、蛍光増白剤、艶消剤等の機
能性を有する添加剤の混合、さらには他の紫外線吸収
剤、光安定剤を添加することも可能である。
【0040】以上に詳述したポリエステル原着用着色剤
は、特に主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレート
からなるポリエステルに添加することが、得られる成形
物の力学的特性等から最も好ましいが、使用目的によっ
てはポリブチレンテレフタレート等他のポリエステルに
添加してもよい。なお、ここで「主たる」とは、テレフ
タル酸成分およびまたはエチレングリコール成分以外の
第3成分を少量(通常テレフタル酸成分に対して20モ
ル%以下)共重合したものであっても良いことをいう。
また他種ポリマーを少量(通常ポリエステルに対して1
0重量%以下)混合せしめたポリエステルであっても良
い。
【0041】本発明のポリエステル原着繊維は、上記液
状原着用着色剤をポリエステルに溶融混合した後、常法
に従って紡糸・延伸・熱処理することにより得られる。
ここで原着用着色剤の添加量は、該着色剤中に配合され
ている顔料または染料および環状イミノエステル化合物
の量、および要求される着色度、耐光堅牢度等によって
も変わるが、得られるポリエステル原着繊維中に存在す
る環状イミノエステル化合物(液状ポリエステルに開環
付加したものも含む)の量が0.05〜5重量%、好ま
しくは0.1〜1重量%の範囲内となるよう配合するこ
とが望ましい。
【0042】
【作用】本発明の、液状ポリエステルと環状イミノエス
テル系紫外線吸収剤との反応生成物に顔料または染料を
配合してなる液状の着色剤を添加して得られるポリエス
テル原着繊維は、従来にない耐光堅牢度を有する。その
理由としては、未だ不明瞭なところもあるが、以下のと
おり推定される。
【0043】紫外線吸収剤による耐光堅牢度向上の作用
としては、紫外線遮蔽作用、消光作用およびラジカル捕
捉作用が挙げられ、これらはいずれも顔料もしくは染料
の光に対する安定化に寄与している。従来、このような
作用を有する紫外線吸収剤および光安定剤を原着用着色
剤中に含有させるなどして成形品中に添加する方法は広
く用いられているが、その耐光堅牢度向上に対する効果
は決して十分ではなかった。これは、添加剤とポリエス
テルとの相溶性不良および凝集による添加剤の局在化等
のために均一な分散が行われず、添加剤が本来有してい
る光安定化効果が充分発揮されていないためと考えられ
る。これに対して本発明の着色剤は、ポリエステルとの
相溶性に優れた分散媒それ自身が光安定化効果を有する
ために、該分散媒がポリエステル中に均一に分散すると
同時に結合した紫外線吸収剤もポリエステル中に均一分
散し、また紫外線吸収剤同士の凝集もないために十分な
光安定化効果を発揮することができるものと考えられ
る。また、同様の理由から、紡糸時の糸切れおよび糸の
長さ方向での太さ斑といった製造時のトラブルも解消さ
れるものと考えられる。
【0044】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、実施例におけるポリエステル繊維の耐光堅牢
度の測定評価は次の方法で行った。
【0045】ポリエステル原着繊維を筒編み地にし、ス
ガ試験機(株)製カーボンアークフェード・オ・メータ
ーFAL―3H型を使用し、ブラックパネル温度83±
3℃で、200、400そして600時間紫外線照射を
行い、変褪色の度合いをグレースケール(級)で判定し
た。
【0046】
【実施例1,2】アジピン酸と1,3―ブタンジオール
からなる平均分子量約2500の液状ポリエステル10
0重量部に対して、下記構造を有する環状イミノエステ
ル系紫外線吸収剤10重量部を反応させ、着色剤用分散
媒を得た。この着色剤用分散媒100重量部に対し、実
施例1においてはフタロシアニンブルー8重量部、キナ
クリドン系レッド2重量部、カーボンブラック0.2重
量部を、実施例2においてはアンスラキノン系イエロー
5重量部、ジスアゾ系イエロー10重量部をそれぞれ3
本ロールミルにて混練し、着色剤を得た。得られた着色
剤5重量部をそれぞれポリエチレンテレフタレート10
0重量部に添加し、紡糸温度285℃、紡糸速度105
0m/分で捲き取り、次いで80℃下3.6倍に延伸し
て75デニール/24フィラメントの糸を得た。いずれ
の着色剤を用いた場合でも、紡糸・延伸時の着色剤の相
溶性、製造工程調子は良好であり、均一に着色した糸が
得られた。
【0047】
【化14】
【0048】
【比較例1,2】分散媒としての液状ポリエステル(実
施例1と同じ)100重量部に対して、顔料として比較
例1においてはフタロシアニンブルー8重量部、キナク
リドン系レッド2重量部、カーボンブラック0.2重量
部を、比較例2においてはアンスラキノン系イエロー5
重量部、ジスアゾ系イエロー10重量部を、それぞれ3
本ロールミルにて混練し、着色剤を得た。得られた着色
剤5重量部をそれぞれポリエチレンテレフタレート10
0重量部に添加し、実施例1と同様に紡糸・延伸し、7
5デニール/24フィラメントの糸を得た。いずれの着
色剤を用いた場合でも、紡糸・延伸時の着色剤の相溶
性、製造工程調子は良好であり、均一に着色した糸が得
られた。
【0049】
【比較例3,4】実施例1で用いたと同じ液状ポリエス
テル100重量部に対して市販のベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤としてチバガイギー社製チヌビン320お
よびヒンダードアミン系光安定剤としてチバガイギー社
製サノールLS944LDをそれぞれ4重量部を添加
し、さらに顔料として比較例3においてはフタロシアニ
ンブルー8重量部、キナクリドン系レッド2重量部、カ
ーボンブラック0.2重量部を、比較例4においてはア
ンスラキノン系イエロー5重量部、ジスアゾ系イエロー
10重量部を、それぞれ3本ロールミルにて混練し、着
色剤を得た。得られた着色剤5重量部をそれぞれポリエ
チレンテレフタレート100重量部に添加し、実施例1
と同様に紡糸・延伸し、75デニール/24フィラメン
トの糸を得た。いずれの着色剤を用いた場合でも、紡糸
・延伸時の着色剤の相溶性は良好であったが、紡糸時に
紫外線吸収剤もしくは光安定剤の分解蒸散によると推定
される発煙があり、また延伸時の糸切れも相当数発生し
た。糸の着色状態は良好であった。
【0050】
【実施例3,4】液状ポリエステル(実施例1と同じ)
100重量部に、下記化学式の構造を有する紫外線吸収
剤10重量部を反応させて、着色剤用分散媒を得た。こ
の着色剤用分散媒100重量部に対し、実施例3におい
てはフタロシアニンブルー8重量部、キナクリドン系レ
ッド2重量部、カーボンブラック0.2重量部を、実施
例4においてはアンスラキノン系イエロー5重量部、ジ
スアゾ系イエロー10重量部をそれぞれ3本ロールミル
にて混練し、着色剤を得た。得られた着色剤5重量部を
それぞれポリエチレンテレフタレート100重量部に添
加し、実施例1と同様に紡糸・延伸し、75デニール/
24フィラメントの糸を得た。いずれの着色剤を用いた
場合でも、紡糸・延伸時の着色剤の相溶性、製造工程調
子は良好であり、均一に着色した糸が得られた。
【0051】
【化15】
【0052】
【実施例5】セバシン酸と1,4―ブタンジオールから
なる平均分子量4000の液状ポリエステル100重量
部に対して、化14に示す構造を有する紫外線吸収剤1
0重量部を反応させ、着色剤用分散媒を得た。この着色
剤用分散媒100重量部に対し、フタロシアニンブルー
8重量部、キナクリドン系レッド2重量部、カーボンブ
ラック0.2重量部を、3本ロールミルにて混練し、着
色剤を得た。得られた着色剤5重量部をポリエチレンテ
レフタレート100重量部に添加し、実施例1と同様に
紡糸・延伸し、75デニール/24フィラメントの糸を
得た。紡糸・延伸時の着色剤の相溶性、製造工程調子は
良好であり、均一に着色した糸が得られた。
【0053】以上の結果をまとめて表1に示す。但し、
表中糸切れは、紡糸時4.5kg捲とするに際して断糸の
ために完捲きができなかった割合(%)を示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】以上に詳述した如く、本発明のポリエス
テル原着用着色剤は、紫外線吸収能を有する特定の化合
物が結合された液状ポリエステルを分散媒として用いる
ため、従来のような紫外線吸収剤の凝集に基づく紡糸性
の低下および紡糸時の発煙を引き起すことがなく、且つ
ポリエステルへの着色剤の溶解性が良好であるために、
着色も均一である。加えて本発明で用いられる環状イミ
ノエステル化合物は耐熱性が良好で紫外線吸収能の劣化
がないため、耐光堅牢度に優れたポリエステル繊維が極
めて安定して得られるといった特徴を有する。
【0056】したがって、これらの特性を生かして、高
度な耐光性と高強力とが要求される産業資料用途、例え
ば自動車内装資材としてのシートベルト、屋外補強剤と
してのスリングベルト、コンテナバッグ、ロープ等に使
用するポリエステル繊維用着色剤として展開可能なもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/92 301 G 7199−3B 303 A 7199−3B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で液状を呈するポリエステルと、下
    記一般式(I)または(II)で示される環状イミノエス
    テル化合物から選ばれる少なくとも1種との反応生成物
    に、顔料または染料を分散してなるポリエステル原着用
    着色剤。 【化1】 [ここで、X1 は、上記式に表されたX1 からの2本の
    結合手が1位、2位の位置関係にある2価の芳香族残基
    であり;nは1,2または3であり;R1 はn価の炭化
    水素残基(さらにヘテロ原子を含有していてもよい)、
    またはn=2のとき直接結合である。] 【化2】 [ここで、Aは下記式(II)―a 【化3】 で表される基であるか、または下記式(II)―b 【化4】 で表される基であり;R2 およびR3 は同一もしくは異
    なる1価の炭化水素残基であり;X2 は4価の芳香族残
    基で、これはさらにヘテロ原子を含有していてもよ
    い。]
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリエステル原着用着色
    剤を含有してなる、ポリエステル原着繊維。
JP4035054A 1992-02-21 1992-02-21 ポリエステル原着用着色剤およびポリエステル原着繊維 Pending JPH05230346A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4035054A JPH05230346A (ja) 1992-02-21 1992-02-21 ポリエステル原着用着色剤およびポリエステル原着繊維

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