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JPH0522042A - デイジタル直交復調回路 - Google Patents

デイジタル直交復調回路

Info

Publication number
JPH0522042A
JPH0522042A JP3175553A JP17555391A JPH0522042A JP H0522042 A JPH0522042 A JP H0522042A JP 3175553 A JP3175553 A JP 3175553A JP 17555391 A JP17555391 A JP 17555391A JP H0522042 A JPH0522042 A JP H0522042A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
absolute value
mixer
correction
circuit
Prior art date
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Granted
Application number
JP3175553A
Other languages
English (en)
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JP2653941B2 (ja
Inventor
Mitsuru Sasaki
満 佐々木
Kazuo Takayama
一男 高山
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Denso Ten Ltd
Original Assignee
Denso Ten Ltd
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Publication date
Application filed by Denso Ten Ltd filed Critical Denso Ten Ltd
Priority to JP3175553A priority Critical patent/JP2653941B2/ja
Publication of JPH0522042A publication Critical patent/JPH0522042A/ja
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Publication of JP2653941B2 publication Critical patent/JP2653941B2/ja
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はディジタル直交復調回路に関し、直
交する二つの信号の絶対値レベルを等しくし、位相差を
90°とする補正を精密に行なうことにより歪みのない
復調の行なえるディジタル直交復調回路の実現を目的と
する。 【構成】 90°位相の異なる基準波を発生する基準波
発生回路1、この基準波を受信波に混合する二つの混合
器2及び3、所定の周波数成分のみを通過させる二つの
フィルタ4及び5、二乗平均を算出して復調信号を得る
復調手段6を備えるディジタル直交復調回路において、
ディジタル処理により直交する二つの信号の絶対値レベ
ルを比較し、比較結果に応じて一方の信号の強度を所定
量だけ増加又は減少させる絶対値レベル補正手段7を備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は直交復調回路に関し、特
に復調処理をディジタル処理にて行なうディジタル直交
復調回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、検波回路としてはスーパーヘテロ
ダイン方式が一般的であるが、これに代わるものとして
直交復調回路によるダイレクトコンバージョン受信方式
がある。ダイレクトコンバージョン受信方式によれば回
路構成を簡単にすることができるとともに、調整箇所が
少なく高い信頼性が得られるという利点がある。
【0003】特に近年においては、複雑なフィルタ処理
を高速で行なえるディジタルシグナルプロセッサ(以下
DSPと称する。)の性能向上と価格低下があり、復調
処理にこのDSPを使用することで回路の一層の簡単化
と信頼性の向上が図られている。本出願人は、特開昭6
1−273005号で簡単な構成で高い信頼性の得られ
る直交復調回路を提案しており、図9はその回路の基本
構成を示す図である。
【0004】図9において、局部発振源11gからの発
振信号は混合器3gで受信波に混合されると同時に、位
相変換器12gで90°位相が変えられた後、混合器2
gで受信波に混合される。混合器2gからの信号は帯域
フィルタ(BPF)4gを通って復調に必要な所定周波
数成分のみの信号*E1 にされる。混合器3gからの信
号も同様であり、BPF4gと5gは通常は低域通過フ
ィルタ(LPF)である。二つの信号*E1 と*E
2 は、位相成分を考慮してベクトル量で表わされるのが
一般的であり、ここでは*でベクトル量であることを表
わす。
【0005】*E1 と*E2 は、A/D変換器91gと
92gでディジタル変換された後、61gから64gの
演算器で二乗平均を求められる。これが受信波の信号で
あり、D/A変換器93gでアナログ信号に変換されて
出力される。演算器61gから64gは、すべてDSP
によるディジタルフィルタの形で実現される。ここでは
ディジタル処理により二乗平均を算出したが、もちろん
アナログ処理により行なうことも原理的には可能であ
る。しかし実際には精度等の点で問題があり、DSPに
よるディジタル処理で行なうことが必要である。
【0006】図9に示す回路は構成が簡単で容易に実現
できるという利点がある。しかし図9に示す回路では、
信号*E1 と*E2 の二つの系路が等しいレベルを有し
且つ正確に直交していることが必要である。もし二つの
系路のレベルが異なるか、直交していない場合には、最
終的に得られる信号に歪みが発生する。このようなレベ
ルの差や位相のずれを生じる原因としては、局部発振1
1fからの信号の位相を90°変化させる場合のずれ
や、LPF4fと5fの特性の差異等がある。
【0007】いずれにしろ*E1 と*E2 の二つの信号
経路でレベル差があるか位相が90°でない場合には、
正確な復調が行なえない。そこで二乗演算器61gと6
2gに入力する前の段階で、ディジタル処理により二つ
の系路のレベルと位相差を補正することが行なわれる。
図10は二つの系路のレベルの比率を検出して、同じレ
ベルになるように補正する回路の構成を示す図である。
*E1 と*E2 の二つの系路の信号の絶対値を演算器7
71hと772hで算出する。ここで算出された信号は
当然信号成分を含んでいるので、この信号成分より更に
低い周波数成分のみを通過させるLPF773hと77
4hで*E1 と*E2 の絶対値の平均を算出する。これ
がすなわち二つの系路をレベルである。除算器775h
で二つのレベルの比率を算出し、二つの経路のレベルが
一致するように*E2 の経路の信号を乗算器71hで増
幅する。このようにして二つの経路のレベルは等しく保
持される。
【0008】次に二つの経路の信号の位相差が90°か
らずれた場合の補正について説明する。本出願人は、特
願平3−113118号で位相差を補正する直交変調回
路を開示しており、その回路を例として説明する。図1
1は二つの経路の信号*E1 と*E2 の位相差が90°
からθt ずれた場合の関係を二次元で表わした図であ
る。*E2 を*E1 に直交するベクトル量にするには、
*E2 sin θt の絶対値に等しい*E1 方向のベクトル
を*E2 に加えれば、*E1 と直交する*E21が得られ
ることがわかる。但し*E21の大きさは*E2 とは等し
くないので、更に大きさの補正を行って*E22を得る必
要がある。
【0009】上記の補正を実現するのが図12に示す回
路である。ここでは詳しい説明は省略するが、乗算器8
31iでベクトル*E1 と*E2の内積をとると、その
結果は*E1 と*E2 の絶対値の積に sinθt を乗じた
値である。もちろん*E1 と*E2 には高周波成分が含
まれているので、LPF832iで低周波成分のみを取
り出す。*E1 と*E2 の絶対値の積は二乗和を算出す
る加算器63iより出力されるので、やはりLPF84
1iで低周波成分のみを取り出して除算器834iで比
率を求めれば sinθt が算出できる。定数乗算器833
iは係数の補正を行なう。このようにして算出した sin
θt を乗算器836iで*E1 に乗じて、加算器835
iで*E2 に加えれば図11の*E21が得られる。83
7iから840iは*E21を*E22に補正する部分であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図10及び図12に示
すように*E1 と*E2 のレベルを合せ、位相を90°
にすることにより歪みのない信号が再生できる。図示の
通りこれらの補正はかなり複雑な処理が必要であり、D
SPを用いて行なうのが現実的である。図9及び図11
に示す回路においては、LPF773g、774g、8
32h及び841hが用いられる。これらの低域通過フ
ィルタは信号*E1 及び*E2 に含まれる変調成分の混
入を防ぐ必要があり、フィルタのカットオフ周波数をこ
の変調成分よりも低くすることが必要である。DSPで
ディジタルフィルタを形成する場合の代表的な構成例は
図13に示すようなインフィニットインパルスフィルタ
である。このような構成でサンプリング周波数が300
KHz であり、カットオフ周波数が1Hz であるような
図10及び図12で使用できるフィルタを形成するに
は、各増幅器の係数を図13に示すような値にする必要
がある。
【0011】図13に示すような係数を実現するには有
効桁数が20桁にもなることがわかる。近年DSPはそ
の性能が著しく向上しているが、図13に示すような係
数を完全に実現することは難しい。また仮に実現できた
としても非常に価格の高いものになる。そこで現実には
有効桁数を小さくして、図13に示す係数の途中までを
有効にしてそれ以上は無視している。すなわち桁落ちで
対処している。しかしこのような形で低域通過フィルタ
を実現すると正確に補正を行なえなくなり、出力信号に
歪みを生じる。
【0012】このようにディジタル信号処理によりサン
プリング周波数に比べて著しく低いカットオフ周波数を
有する低域通過フィルタを形成して直交復調回路の補正
を行なう場合には、正確な補正を行なうのが難しいとい
う問題がある。本発明は上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、ディジタル処理により直交復調を行なう場合
に、より正確な補正を可能とし、歪みの少ない出力が得
られる直交復調回路の実現を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のディジタル直交
復調回路は上記問題点を解決するため、信号レベルの大
小の判定及び位相が90°に対して進んでいるか遅れて
いるかの判定は正確に行なえることに着目し、その判定
結果に基づいて所定の微小量づつ補正する。図1は本発
明のディジタル直交復調回路の基本構成を示す図であ
る。なおすべての構成に関する図においては、同一機能
部分には同一番号を付し、図2以降順にアルファベット
の小文字を付して表わす。
【0014】すなわち本発明のディジタル直交復調回路
は、90°位相の異なる二つの基準波を発生する基準波
発生回路1、受信波と二つの基準波をそれぞれ混合する
第一混合器2と第二混合器3、第一混合器2と第二混合
器3のそれぞれの出力の所定周波数成分のみを通過させ
る第一フィルタ4と第二フィルタ5、及びディジタル処
理により第一フィルタ4と第二フィルタ5からの出力の
二乗平均を算出して復調信号を得る復調手段6を備える
ディジタル直交復調回路において、ディジタル処理によ
り第一フィルタ4と第二フィルタ5からの出力の強度の
絶対値レベルを比較し、比較結果に応じて第一フィルタ
又は第二フィルタ5からの出力の一方の強度を所定量だ
け増加又は減少させる補正を行ない、補正後の絶対値レ
ベルの比較を更に行なって絶対値レベルを一致させるよ
うに補正を繰り返す絶対値レベル補正手段7を備える。
【0015】更に別の態様では、第一フィルタ4と第二
フィルタ5からの出力の強度の絶対値レベルを基準値と
それぞれ比較し、比較結果に応じてそれぞれを所定量だ
け増加又は減少させる補正を行ない、補正後の絶対値レ
ベルの基準値との比較を行って絶対値レベルを基準値に
それぞれ一致させるように補正を繰り返す絶対値レベル
補正手段を備える。
【0016】更に別の態様では、第一フィルタ4と第二
フィルタ5の出力の位相差が90°より大きいか小さい
かに応じて一方の位相を所定量だけ進ませるか又は遅ら
せる補正を行ない、補正後の位相差を更に検出して位相
差を90°にするように補正を繰り返す位相差補正手段
を備える。
【0017】
【作用】従来においては、絶対値レベルの補正を行なう
場合には*E1 と*E2 の絶対値レベルの比率を算出
し、その比率で一方の信号を増幅又は減衰させている。
位相差の場合も同様に、位相差を検出して検出した位相
差だけ位相を進めるか又は遅らせていた。そのため桁落
ちにより誤差が生じるとそのまま出力に影響した。
【0018】*E1 と*E2 の絶対値レベルのどちらが
高いか、又は基準値に対して大きいか小さいか、更に位
相差が90°より大きいか小さいかの判定は比較的正確
に行なえる。そのためその判定結果に基づいて微小量づ
つ補正し、補正後の結果を更に判定して補正を繰り返せ
ば徐々に正規の状態に近づき、その後は補正量の分だけ
変動するだけであり、補正量を小さくすれば正確な補正
が可能で、歪のない復調出力が得られる。このためたと
え*E1と*E2 に含まれる信号成分の一部が低域フィ
ルタを通過しても出力に急激に影響することはない。こ
れはこの部分が低域通過フィルタの作用も果しているこ
とを意味する。
【0019】処理開始時点で一回の補正量に比べてずれ
が大きい場合には、正常になるまで時間がかかる。初期
のずれは基準信号発生部等の性能である程度定まるの
で、これらの性能と補正の応答性、及び最終的な復調信
号の許容できる歪率等を勘案して一回の補正量が決めら
れる。
【0020】
【実施例】直交復調回路は、簡単な回路で直接可聴信号
に変換できるため、音声無線等に使用されることが多
く、ここでも音声無線に本発明を適用した実施例につい
て説明する。図2は実施例の全体構成を示す図である。
図において11aは受信波の搬送周波数と等しい周波数
の基準波を発生させる発振源である。12aはこの基準
波の位相を90°変えたもう一つの基準波に変換する移
相器である。二つの基準波は位相差が90°であること
が必要であるが、実際には移相器12aで若干の誤差を
生じ、これが復調信号の歪みとなる。2aと3aは受信
波に二つの基準波をそれぞれ混合する混合器であり、こ
こで出力された信号は低域周波数成分のみを通過させる
LPF4aと5aを通過して前述の*E1 と*E2 の信
号になる。
【0021】本発明では復調処理はすべてディジタル処
理で行なわれるため上記の信号*E 1 と*E2 はA/D
変換器91aと92aによりディジタル変換された後、
補正手段7aにより補正され、復調手段6aにより復調
された後、D/A変換器93aでアナログの可聴信号に
変換される。補正手段7aと復調手段6aはすべてDS
P100aによるディジタルフィルタで構成されてお
り、DSP100aはマイクロコンピュータにより制御
されるがここでは図示していない。
【0022】次に本発明の特徴部分である補正手段7に
ついての実施例を説明する。図3は、*E1 と*E2
強度の絶対値レベルを比較し、比較結果に基づいて*E
2 のレベルを補正する実施例の構成を示す図である。絶
対値演算器771bと772bは*E21と*E1の絶対
値を算出してLPF773bと774bに出力する。*
1 と*E2 (*E21)には信号成分が含まれており、
信号強度は当然変動している。補正をするのは絶対値レ
ベルであり、LPF773bと774bで低周波成分の
みを取り出す。これは*E1 と*E21の平均レベルを求
めることと同等である。
【0023】LPF773bと774bには図12に示
したようなフィルタ構成が用いられる。そのため前述の
ように誤差が生じるが、ここでは大小の判定のみを行な
うためこの誤差は問題にならない。比較器775bで両
方の平均レベルE1 とE21を比較する。E1 の方が大き
い場合には、スイッチ74bで75bの値(1+a)を
選択して、遅延器72bに記憶された前の係数に乗算器
73bで乗じた後に、乗算器71bで*E2 に乗ぜられ
る。これにより*E2 はaの値に対応する分だけ増幅さ
れて*E21となる。そしてこれが*E1 と*E21が一致
するまで繰り返えされる。
【0024】動作開始時点では遅延器72bには1が格
納される。例えば補正値として連続して(1+a)が選
択されると*E2 への補正量は(1+a)の累乗にな
る。aは1に比べて非常に小さいため、実質的にはn回
目には(1+na)が補正量になる。aを小さく設定す
れば精密な補正が可能であるが、徐々にしか補正できな
い。
【0025】逆にaを非常に小さくして精密な補正を行
なおうとする場合、図3の回路では補正量の変化は1+
a又は1−aのaで決定されるため、aを非常に小さな
値とする必要がある。しかしDSPで浮動小数点演算を
行なう時、記憶されるのは1+a又は1−aであるから
aを1に比べてあまり小さくすると*E2 への乗算等で
桁落ちが生じてしまう。そこで図3の回路に比べて若干
複雑になるが、桁落ちを発生しにくくしたのが図4に示
す回路である。
【0026】図4では記憶されるのは+aと−aであ
り、このいずれかをスイッチで選択し、加算器73cで
遅延器72cに記憶された前回の補正量と加え合せる。
そしてこの値と*E2 の積を乗積器71cで算出した
後、加算器70cで*E2 に加えて補正する。これなら
ば桁落ちは生じにくくなる。前述の通り図3に示したデ
ィジタル演算回路は実際にはDSPを用いて実現され
る。図3の演算回路をDSPで行なうための処理手順を
図5に示す。ステップ101では、*E2 にbを乗じ
る。開始時点ではbは1である。ステップ102では*
1 の絶対値を求め、更に図12に示したような低域通
過処理(ローパスフィルタ処理)を行ない、*E1 の絶
対値レベルE1 を算出する。ステップ103では同様
に、*E21の絶対値レベルE21を算出する。ステップ1
04ではE1 とE21の大小を比較し、E1 の方が大きけ
ればステップ105でbを(1+a)倍にして増加さ
せ、E1 の方が小さければステップ106でbに(1−
a)を乗じて減少させる。そしてステップ101に戻
り、上記の処理を繰り返す。これにより*E1 とE21
絶対値レベルは一致するように補正される。
【0027】図3の実施例は、両方の絶対値レベルを一
致させるように補正したが、信号のレベルがある程度定
まっている時にはある基準値を設定して両方の絶対値レ
ベルをこの基準値に合せることで両方のレベルを合せる
ことも可能である。図6はこのような実施例の構成を示
す図である。図3に比べて比較器が776dと777d
の二個あり、それぞれ*E21と*E1 の絶対値レベルと
778dに格納された基準値とを比較し、比較結果に応
じてそれぞれの系にフィードバックをかける。このよう
に基準値に合せるように補正することで、両方の絶対値
レベルが一致するだけでなく、常に基準値に合されるの
で自動利得制御としても働く。
【0028】次に位相差の90°よりのずれを補正する
実施の構成を図7に示す。乗算器818eで*E1 と*
21の内積を算出し、LPF819eで低周波成分のみ
を取り出す。ベクトルの内積は90°をなす時に0であ
り、90°より小さければプラスになり、大きければマ
イナスになる。そこでこの値を基準値のゼロと比較器8
20eで比較して位相差が90°より大きいか小さいか
を判定する。この場合もLPF819eは図13に示し
たようなフィルタであり有効桁数により誤差が生じる
が、プラスかマイナスかの判定には問題ない。この判定
結果に従ってスイッチ815eで+aか−aを選択し、
遅延器813eに記憶された前回の値との和を加算器8
14eで算出する。この和が補正する角度αの sinαに
相等する。この sinαと*E1 との積を乗算器812e
で算出した後、加算器81dで*E 2 に加える。
【0029】処理開始時に遅延器813eには0が格納
されており、位相のずれ量に到達するまで連続して+a
又は−aが選択されると補正回数だけ補正量が累積す
る。図11に示したように*E1 と*E2 の位相差が9
0°からθt だけずれた時、*E1 と*E2 の絶対値が
等しければ、*E1 sin θt を*E2に加えれば得られ
る*E21は*E1 と90°の位相差になる。但しθt
90°より大きい場合をマイナスとする。ここでは補正
角度量がαであるから、θt はαに相等する。
【0030】図11から明らかなように*E2 に*E1
sin θt を加えて位相差を90°になるように補正する
と、補正により得られる*E21の絶対値は*E2 より小
さくなる。この分を補正するには、*E2 と*E21の絶
対値の比が cosθt であることに着目して、加算器81
4eで得られる sinαより cosαを算出する。まず二乗
演算器94eで sin2 αを算出し、これを演算器95e
で1より減算した後、平方根演算器96eで cosαを算
出する。除算器97dで*E21を cosαで除算すれば絶
対値の補正が行なえる。
【0031】以上の補正は絶対値レベルと位相差をそれ
ぞれ補正する回路であるが、実際には両方の補正を行な
う必要がある。図8はそのような回路の例である。この
回路では図示の通り、まず図6の回路で*E1 と*E2
を所定の絶対値レベルに補正し、その後図7の回路で位
相差を補正する。そしてこの位相補正により生じた誤差
を最後の回路で補正している。この補正は*E2 のみに
対して行なえば良い。
【0032】図8の回路では位相補正の前に絶対値レベ
ルを補正し、位相補正後にその位相補正による絶対値レ
ベルの補正を行っているが、最初に位相補正を行なえ
ば、絶対値レベルの補正は一回だけ行なえば良く、回路
が簡単になる。但し、位相補正の前に絶対値レベルの補
正を行なった方が位相補正の精度が向上する。
【0033】
【発明の効果】本発明により、歪みの少ない再生の行な
えるディジタル直交復調回路が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディジタル直交復調回路の基本構成を
示す図である。
【図2】本発明の実施例の全体構成を示す図である。
【図3】絶対値レベルを一致させる補正を行なう実施例
の構成を示す図である。
【図4】絶対値レベルを補正する他の回路例を示す図で
ある。
【図5】図3における比較処理をDSPで行なうための
処理例を示すフローチャートである。
【図6】絶対値レベルを基準値に合せるように補正する
実施例の構成を示す図である。
【図7】位相差を補正する実施例の構成を示す図であ
る。
【図8】絶対値レベルと位相差の両方を補正する実施例
の構成を示す図である。
【図9】従来のディジタル直交復調回路を示す図であ
る。
【図10】図9の回路の絶対値レベルを補正する回路例
を示す図である。
【図11】図9の回路での位相差による誤差の発生を示
すベクトル図である。
【図12】図9の回路での位相差を補正する回路例を示
す図である。
【図13】図10と図12の回路で使用されるディジタ
ルローパスフィルタの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…基準波発生回路 2…第一混合器 3…第二混合器 4…第一フィルタ 5…第二フィルタ 6…復調手段 7…絶対値レベル補正手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 90°位相の異なる二つの基準波を発生
    する基準波発生回路(1)、 受信波と該二つの基準波をそれぞれ混合する第一混合器
    (2)と第二混合器(3)、 該第一混合器(2)と該第二混合器(3)のそれぞれの
    出力の所定周波数成分のみを通過させる第一フィルタ
    (4)と第二フィルタ(5)、及びディジタル処理によ
    り該第一フィルタ(4)と該第二フィルタ(5)からの
    出力の二乗平均を算出して復調信号を得る復調手段
    (6)を備えるディジタル直交復調回路において、 ディジタル処理により該第一フィルタ(4)と該第二フ
    ィルタ(5)からの出力の強度の絶対値レベルを比較
    し、比較結果に応じて該第一フィルタ(4)又は該第二
    フィルタ(5)からの出力の一方の強度を所定量だけ増
    加又は減少させる補正を行ない、補正後の絶対値レベル
    の比較を更に行なって絶対値レベルを一致させるように
    補正を繰り返す絶対値レベル補正手段(7)を備えるこ
    とを特徴とするディジタル直交復調回路。
  2. 【請求項2】 90°位相の異なる二つの基準波を発生
    する基準波発生回路(1)、 受信波と該二つの基準波をそれぞれ混合する第一混合器
    (2)と第二混合器(3)、 該第一混合器(2)と該第二混合器(3)のそれぞれの
    出力の所定周波数成分のみを通過させる第一フィルタ
    (4)と第二フィルタ(5)、及びディジタル処理によ
    り該第一フィルタ(4)と該第二フィルタ(5)からの
    出力の二乗平均を算出して復調信号を得る復調手段
    (6)を備えるディジタル直交復調回路において、 ディジタル処理により該第一フィルタ(4)と該第二フ
    ィルタ(5)からのそれぞれの出力の強度の絶対値レベ
    ルを基準値と比較し、比較結果に応じて該第一フィルタ
    (4)と該第二フィルタ(5)からの出力の強度を所定
    量だけ増加又は減少させる補正を行ない、補正後の絶対
    値レベルの該基準値との比較を行って絶対値レベルを該
    基準値にそれぞれ一致させるように補正を繰り返す絶対
    値レベル補正手段を備えることを特徴とするディジタル
    直交復調回路。
  3. 【請求項3】 90°位相の異なる二つの基準波を発生
    する基準波発生回路(1)、 受信波と該二つの基準波をそれぞれ混合する第一混合器
    (2)と第二混合器(3)、 該第一混合器(2)と該第二混合器(3)のそれぞれの
    出力の所定周波数成分のみを通過させる第一フィルタ
    (4)と第二フィルタ(5)、及びディジタル処理によ
    り該第一フィルタ(4)と該第二フィルタ(5)からの
    出力の二乗平均を算出して復調信号を得る復調手段
    (6)を備えるディジタル直交復調回路において、 ディジタル処理により該第一フィルタ(4)と該第二フ
    ィルタ(5)からの出力の位相差を検出し、位相差が9
    0°より大きいか小さいかに応じて、該第一フィルタ
    (4)又は該第二フィルタ(5)からの出力の一方の位
    相を所定量だけ進めるか遅らせるかの補正を行い、補正
    後の位相差の検出を更に行ない位相差を90°にするよ
    うに補正を繰り返す位相差補正手段を備えることを特徴
    とするディジタル直交復調回路。
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